説明

空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置

【課題】、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムにより、リサイクル性に優れ、表面光沢に優れる空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置を提供する。
【解決手段】単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルム1であって、空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を、少なくとも一方の表面に有するようにする。単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる熱可塑性樹脂シートを、表面温度TがTg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱し、搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置に関し、特に、単一の熱可塑性樹脂組成物のみから構成される空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空洞含有フィルム又はシートは、その断熱性、クッション性、光透過性(又は遮光性)などの特性から、例えば、電子機器の照明用部材、一般家庭照明用部材、内照看板などの部材として使用されている。
【0003】
特に、近年では、液晶テレビやコンピュータの普及とともに、液晶反射板用途において、より高い反射率を示す反射板が求められている。
【0004】
反射板に応用可能な技術としては、ポリエステル系樹脂内部に微細な空洞を多量に含有させる技術が挙げられる。ポリエステル系樹脂に微細な空洞が含有されて空洞層が形成されると、空洞層の存在によりポリエステル系樹脂の反射率が高まるためである。
【0005】
特許文献1〜3に記載の技術は、主たる成分であるポリエステル系樹脂に、無機または有機の微細粒子を含有させ、これを縦横延伸してマトリクスと粒子との界面剥離により空洞を形成させる技術である。
【0006】
特許文献4に記載の技術は、高圧下で不活性ガスを含浸させたフィルムをガス含浸樹脂の軟化点以下の温度で延伸することにより空洞含有フィルムを製造する技術である。
【0007】
特許文献5に記載の技術は、結晶性ポリマーのみからなる空洞含有フィルムであり、結晶性ポリマーのみからなる未延伸シートを延伸することにより、空洞含有フィルムを製造する技術である。このフィルムは、単独素材からなるため、フィルム製造工程において製品巻き取り時に切除された端部を直接回収再使用できるなど、リサイクル性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−281396号公報
【特許文献2】特開2009−249391号公報
【特許文献3】特許3067557号公報
【特許文献4】特開2006−8942号公報
【特許文献5】特開2009−126959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1〜5に記載の技術では、空洞含有フィルムの表面近くまで空洞が形成されるため、表面光沢が劣るという問題があった。
【0010】
そして、特許文献1〜3に記載の技術は、ポリエステル系樹脂への無機または有機の微細粒子の微分散が難しく、また、ポリエステル系樹脂に異なる成分の無機または有機の微細粒子を配合しているため、リサイクルし難いという問題がある。
【0011】
また、特許文献4に記載の技術は、不活性ガスを含浸するためにはフィルム全体を高圧化で処理するため、大掛かりな装置が必要となりコストが高くなるという問題がある。また、不活性ガスを大量に使用するには作業者の安全を確保するための設備や対策にもコストがかかるという問題もある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムにより、リサイクル性に優れ、表面光沢に優れる空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記目的を達成するために、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムであって、空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を、少なくとも一方の表面に有することを特徴とする空洞含有フィルムを提供する。
【0014】
そして、本発明は、前記目的を達成するために、単一の熱可塑性樹脂組成物を溶融押出する工程と、溶融押出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化する工程と、冷却固化された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱し、該熱可塑性樹脂シートの搬送方向の延伸開始点から10mm以内の範囲で、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する工程と、を含むことを特徴とする空洞含有フィルムの製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記目的を達成するために、単一の熱可塑性樹脂組成物のみを溶融混練する溶融押出機と、前記溶融押出機から供給された熱可塑性樹脂組成物をシート状に吐出するダイと、前記ダイから吐出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化するキャスティングドラムと、前記キャスティングドラムから剥離された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面を加熱する最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータを備え、搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する延伸機と、を備えることを特徴とする空洞含有フィルムの製造装置を提供する。
【0016】
本願発明者は、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムであって、空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を少なくとも一方の表面に有することで、リサイクル性に優れ、表面光沢に優れる空洞含有フィルムとなるとの知見を得た。
【0017】
即ち、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムのリサイクル性に優れているという特性を維持しながら、空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を少なくとも一方の表面に有することで、表面光沢を備えるようにした。
【0018】
ここで、「表面光沢を備える」とは、本発明では、光沢度が80%以上のものを言う。また、ここで言う「光沢度」は、JIS規格のZ8741に記載される定義に準ずる。
【0019】
なお、空洞含有フィルムの表層の厚さが3μmより薄い場合には、表面を平滑に保つ効果が小さくなり、表面光沢が低くなる。また、30μmより厚い場合には、総厚みに対して、反射や断熱に寄与しない層の厚みが大きくなり、経済的に不利である。
【0020】
また、空洞を含有しない層の厚みは、3μm以上30μm以下が好ましいが、よし好ましくは3.5μm以上20μm以下、更に好ましくは4μm以上10μm以下である。
【0021】
このような空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を少なくとも一方の表面に有する空洞含有フィルムは、単一の熱可塑性樹脂組成物を溶融押出する工程と、溶融押出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化する工程と、冷却固化された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度TがTg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱し、該熱可塑性樹脂シートの搬送方向の延伸開始点から10mm以内の範囲で、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する工程と、を含む空洞含有フィルムの製造方法により製造することができる。また、このような性質を持つ本発明の空洞含有フィルムは、単一の熱可塑性樹脂組成物のみを溶融混練する溶融押出機と、前記溶融押出機から供給された熱可塑性樹脂組成物をシート状に吐出するダイと、前記ダイから吐出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化するキャスティングドラムと、前記キャスティングドラムから剥離された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度TがTg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面を加熱する最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータを備え、搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する延伸機と、を備える空洞含有フィルムの製造装置により製造することができる。
【0022】
このように、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる熱可塑性樹脂シートの表面温度TをTg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱することで、熱可塑性樹脂シートの表面と内部とに温度差が生じ、この温度差が生じた熱可塑性樹脂シートを搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸することで、内部では空洞は発生するが、表面では空洞が発生しなくなる。
【0023】
即ち、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの片面または両面より加熱することにより、シート表面とシート内部に温度差を生じ、表面近傍の温度が高くなり、表層に空洞が形成されなくなり、表面平滑性の優れる空洞含有フィルムを得ることができる。
【0024】
ここで、赤外線ヒータの最大エネルギー波長が1μmより短くなると、赤外線の透過率が大きくなり、表層と内部との温度差が付けられなくなり、表層に空洞を含有しない層が形成できなくなる。また、赤外線ヒータの最大エネルギー波長が4μmより大きくなると、表層と内部との温度差が大きくなりすぎるため、シート内部が延伸可能な温度となる前に表層の温度が高くなりすぎ、表面に微小な凹凸が生じ平面性が悪化する。ここで、赤外線ヒータの最大エネルギー波長は、より好ましくは1.2〜3.5μmの範囲、さらに好ましくは1.4〜3μmの範囲である。
【0025】
なお、表層に空洞を形成しない方法としては、空洞(ボイド)が発生しにくい熱可塑性樹脂組成物(例えば、ガラス転移温度Tg(℃)が低い熱可塑性樹脂組成物)を表層に積層する方法も考えられるが、積層したときの接着性等で使用できる熱可塑性樹脂組成物に制約があったり、積層するため製造装置が煩雑になる等、デメリットが多い。
【0026】
本発明の空洞含有フィルムの製造方法及び装置において、前記赤外線ヒータの発熱体温度が、450〜2200℃であることが好ましい。最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線は、発熱体温度を450〜2200℃の範囲で制御することにより得られるからである。
【0027】
本発明の空洞含有フィルムの製造方法及び装置において、前記赤外線ヒータの最大エネルギー波長をλ、前記赤外線ヒータでの加熱時間をtと表したとき、0.1≦t/λ≦5として前記赤外線ヒータで前記熱可塑性樹脂シートを加熱することが好ましい。
【0028】
t/λが0.1より短い場合には、表層と内部の温度差が大きくなりすぎ、t/λが5を超えると、表層と内部の温度差が小さくなる。なお、波長が短い場合には、透過率が高いため加熱時間は短くなり、波長が長くなると、透過率が下がるため加熱時間は長くなる。
【0029】
また、本発明において、前記熱可塑性樹脂組成物がポリエステル類であることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置によれば、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムにより、リサイクル性に優れ、表面光沢に優れる空洞含有フィルム及びその製造方法並びに装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る空洞含有フィルムの製造ラインを示す構成図。
【図2】縦遠心による厚み方向のネックインを示す説明図。
【図3】従来の空洞含有フィルムと本発明に係る空洞含有フィルムを示す説明図。
【図4】実施例の結果を示す表図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
【0033】
以下、本発明の空洞含有フィルムの製造方法及び製造装置について説明する。図1は、本発明に係る空洞含有フィルムの製造ライン10の一例を示した構成図である。製造ライン10は、熱可塑性樹脂組成物12を溶融混練する溶融押出機14と、溶融押出機14から熱可塑性樹脂シート12Aを吐出するダイ16と、ダイ16から吐出された熱可塑性樹脂シート12Aを冷却固化するキャスティングドラム18と、熱可塑性樹脂シート12Aを剥離する剥離ローラ20と、剥離ローラ20の下流に配置された熱処理装置22と、熱可塑性樹脂シート12Aを搬送方向に延伸する縦延伸機24と、熱可塑性樹脂シート12Aを幅方向に延伸する横延伸機26と、延伸された熱可塑性樹脂シート12Aを巻き取る巻取機28と、を備える。
【0034】
溶融押出機14は、単一の熱可塑性樹脂組成物12を溶融、混練させて、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物12をダイ16に送る装置である。溶融押出機14は、シリンダと、シリンダ内に取り付けられたスクリューを備える。スクリューは単軸であっても、二軸であっても良い。
【0035】
ダイ16は溶融された熱可塑性樹脂組成物12をシート状にしてキャスティングドラム18に供給する。次に、キャスティングドラム18は、ダイ16から吐出された熱可塑性樹脂シート12Aを冷却固化する。本実施の形態において、一本のキャスティングドラム18によって、熱可塑性樹脂シート12Aが冷却固化されるが、これに限定されず、キャスティングドラムとその下流に設置された冷却ロールによって、熱可塑性樹脂シート12Aを冷却固化することができる。キャスティングドラム18の表面材質として、ハードクロムメッキが使用でき、鏡面仕上げが好ましい。
【0036】
剥離ローラ20は、キャスティングドラム18に対向配置されたローラである。剥離ローラ20は、冷却固化された熱可塑性樹脂シート12Aを巻き掛けることにより、熱可塑性樹脂シート12Aをキャスティングドラム18から剥離する。剥離ローラ20の表面材質としては、ハードクロムメッキや鏡面仕上げを採用できる。
【0037】
熱処理装置22は、剥離ローラ20によりキャスティングドラム18から剥離された熱可塑性樹脂シート12Aを加熱するための装置である。熱処理装置22は、その内部に、例えば、熱風、赤外線、温浴、スチーム、又は加熱ロール方式、又はこれらを組み合わせた加熱方式の加熱手段を備える。これらの加熱手段が、熱可塑性樹脂シート12Aを一方面、又は両面から熱処理する。
【0038】
縦延伸機24は、一対のローラ30A、30Bから成る第一のニップローラ30と、一対のローラ32A、32Bから成る第二のニップローラ32と、第一のニップローラ30と第二のニップローラ32との間に配置されたヒータ34を備える。縦延伸機24は、周速の異なる第一のニップローラ30と第二のニップローラ32間を、熱可塑性樹脂シート12Aを通過させることにより、熱可塑性樹脂シート12Aを搬送方向(縦方向)に延伸する。第二のニップローラ32の周速度V2は、第一のニップローラ30の周速度V1と比較して、速い周速度で回転するよう構成される。その速度比は3≦V2/V1≦20であることが好ましく、より好ましくは、4≦V2/V1≦15の範囲である。
【0039】
ヒータ34として、本発明では、赤外線ヒータを採用する。赤外線ヒータは、熱可塑性樹脂シート12Aを一方面、又は両面から熱処理する。そして、ヒータ34として、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータを用いる。ヒータ34により、熱可塑性樹脂シート12Aは所望の縦延伸温度Td1(℃)まで加熱される。本実施の形態では、ヒータ34が第一のニップローラ30と第二のニップローラ32に間に配置されているが、ヒータ34を第一のニップローラ30の上流にも配置することができる。
【0040】
横延伸機26は、所定のピッチで取り付けられた複数のクリップ(不図示)を備える。クリップは熱可塑性樹脂シート12Aの幅方向の端部を把持する部材である。対向するクリップ間の間隔は、搬送方向の上流側から下流側にかけて幅広となるよう構成される。これにより、熱可塑性樹脂シート12Aは幅方向に延伸される。横延伸機26は、熱可塑性樹脂シート12Aを所望の横延伸温度Td2(℃)まで加熱するヒータ(不図示)を備える。
【0041】
巻取機28は、横延伸された熱可塑性樹脂シート12A(空洞含有フィルム1)をフィルムロールとして巻き取る装置である。
【0042】
次に、製造ライン10を使用した空洞含有フィルムの製造方法について説明する。図示しないホッパから溶融押出機14に熱可塑性樹脂組成物12が供給される。溶融押出機14によって溶融押出しされた熱可塑性樹脂組成物12は、配管40を介してダイ16に送られる。溶融押出機14とダイ16の間にギアポンプ及びフィルタを設けることができる。
【0043】
ダイ16の吐出口から押し出された直後の熱可塑性樹脂シート12Aの温度T1(℃)は、(Tm−10)(℃)≦T1≦(Tm+50)(℃)を満足することが好ましい。より好ましくは、(Tm)(℃)≦T1≦(Tm+30)(℃)の範囲である。Tm(℃)は熱可塑性樹脂組成物12の融点を意味する。ダイ16から吐出される熱可塑性樹脂シート12Aの吐出圧は10%以内の変動範囲に制御されることが好ましい。
【0044】
次に、ダイ16から吐出された熱可塑性樹脂シート12Aは回転するキャスティングドラム18に供給される。キャスティングドラム18のローラ表面温度T2は、T2≦(Tg+30)(℃)を満足することが好ましい。より好ましくは、T2≦(Tg+20)(℃)の範囲である。熱可塑性樹脂シート12Aはキャスティングドラム18上で冷却固化される。ダイ16先端からキャスティングドラム18周面までの距離であるエアギャップは20mm以上300mm以下が好ましく、40mm以上140mm以下がより好ましい。エアギャップが20mm未満では、フィルム面に横段状ムラや縦スジが発生し易くなる。逆に、エアギャップが300mmを超えると、膜揺れを起こし厚みムラとなる。
【0045】
キャスティングドラムとその下流に設置された冷却ロールによって多段冷却する場合、温度条件として、フィルム搬送方向の上流側から順に、ローラ表面温度が低くなるように設定することが好ましい。
【0046】
次いで、剥離ローラ20によりキャスティングドラム18から剥離された熱可塑性樹脂シート12Aが熱処理装置22に搬送される。熱処理装置22内で、熱可塑性樹脂シート12Aは、熱可塑性樹脂シート12Aの少なくとも一方面から熱処理されることが好ましい。なお、フィルムの厚み方向の均一化の理由から熱可塑性樹脂シート12Aを両面から熱処理することが好ましい。
【0047】
熱処理された熱可塑性樹脂シート12Aが、縦延伸機24に搬送される。縦延伸機24に設けられた周速度の異なる第一のニップローラ30と第二のニップローラ32により、熱可塑性樹脂シート12Aが搬送方向(縦方向)に延伸される。第二のニップローラ32の周速度V2と第一のニップローラ30の周速度V1は、その速度比は3≦V2/V1≦20となるよう設定される。これにより、熱可塑性樹脂シート12Aが、延伸倍率3〜20倍で、縦方向に延伸される。
【0048】
本発明において、熱可塑性樹脂シート12Aは、ヒータ34により、加熱される。ヒータ34は、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータを用いる。ヒータ34では、熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱する。
【0049】
また、本発明において、縦延伸した後の熱可塑性樹脂シート12Aの厚み方向のネックイン量は、熱可塑性樹脂シート12Aの搬送方向の延伸開始点から10mm範囲内の領域で、熱可塑性樹脂シート12Aの厚さが1/2以下であることが必要となる。具体的には、図2に示すように、縦延伸前の熱可塑性樹脂シート12Aの厚さd1、延伸後の厚さをd2としたとき、搬送方向のある範囲L内(10mm以内)で、d2/d1≦1/2を満たすように、熱可塑性樹脂シート12Aが急激に縦延伸される。
【0050】
上述の急激な縦延伸が実現できる範囲において、第一のニップローラ30と第二のニップローラ32の間隙を適宜選択することができる。
【0051】
このように、単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる熱可塑性樹脂シートの表面温度TをTg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱することで、熱可塑性樹脂シートの表面と内部とに温度差が生じる。この温度差が生じた熱可塑性樹脂シートを搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸することで、内部では空洞は発生するが、表面では空洞が発生しなくなる。
【0052】
即ち、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの片面または両面より加熱することにより、シート表面とシート内部に温度差を生じ、表面近傍の温度が高くなり、表層に空洞が形成されなくなり、表面平滑性の優れる空洞含有フィルムを得ることができる。
【0053】
ここで、赤外線ヒータの最大エネルギー波長が1μmより短くなると、赤外線の透過率が大きくなり、表層と内部との温度差が付けられなくなり、表層に空洞を含有しない層が形成できなくなる。また、赤外線ヒータの最大エネルギー波長が4μmより大きくなると、表層と内部との温度差が大きくなりすぎるため、シート内部が延伸可能な温度となる前に表層の温度が高くなりすぎ、表面に微小な凹凸が生じ平面性が悪化する。赤外線ヒータの最大エネルギー波長は、より好ましくは1.2〜3.5μmの範囲、さらに好ましくは1.4〜3μmの範囲である。
【0054】
なお、ヒータ34において、赤外線ヒータの発熱体温度が、450〜2200℃であることが好ましい。最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線は、発熱体温度を450〜2200℃の範囲で制御することにより得られるからである。
【0055】
また、ヒータ34において、赤外線ヒータの最大エネルギー波長をλ、赤外線ヒータでの加熱時間をtと表したとき、0.1≦t/λ≦5として赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シート12Aを加熱することが好ましい。t/λが0.1より短い場合には、表層と内部の温度差が大きくなりすぎ、t/λが5を超えると、表層と内部の温度差が小さくなる。なお、波長が短い場合には、透過率が高いため加熱時間は短くなり、波長が長くなると、透過率が下がるため加熱時間は長くなる。
【0056】
このように、製造された単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルム1は、空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を有するようになる。
【0057】
図3は、従来の空洞含有フィルムと本発明に係る空洞含有フィルムを示す図である。
【0058】
図3(a)は、従来の製造方法により得られる空洞含有フィルムを示したものである。従来では、熱可塑性樹脂シート12Aの温度が略均一になるようにヒータで加熱して縦延伸するので、全体に空洞が発生する。即ち、従来の加熱により、縦延伸(搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸)を行うと、シート内に空洞ができる。この従来の方法は、温度と延伸速度の調整で、内部に大きな応力を発生させて、シート内部に破壊を起こさせることで空洞を発生させる。なお、従来の方法では、温度が高かったり、延伸速度が小さい場合には応力が小さくなり、空洞は発生しない。したがって、シートの厚み方向の温度が略均一な場合には、厚み方向のどの部分でも破壊が生じ、空洞が形成されるので、表面近傍にも空洞が形成され、表面に空洞形状に相当する凹凸が生じる。その凹凸により空洞含有フィルムの表面光沢が劣ってしまう。
【0059】
図3(b)は、本発明に係る空洞含有フィルムの製造方法により得られる空洞含有フィルムを示したものである。本発明では、赤外線ヒータにより、熱可塑性樹脂シート12Aの内部を、破壊が生じる温度にしておき、表層の温度を内部より高い、破壊が生じない温度まで上げておく。これにより、内部には空洞が形成されるが、表層には空洞が発生しなくなる。本発明では、表層に空洞が無いので、表面に凹凸が形成されない。したがって、表面光沢に優れる空洞含有フィルムを得ることができる。
【0060】
なお、シートを加熱する方法として、加熱された金属ロールに接触させる方法、加熱炉内で空気によって加熱する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線の輻射熱により加熱する方法が一般的であるが、いずれの方法でも、厚み方向に温度分布は生じるが、本発明のように赤外線の輻射加熱を利用する方法がもっとも温度差が生じる。特に、本発明のように赤外線の最大エネルギー波長を1〜4μmとすることで、温度分布を生じさせることができる。一般的に、赤外線は、その波長によって、シートへの吸収率が異なる。一般には波長が短い方が吸収率は低く、波長が長くなると吸収率は高くなる。吸収率の高い赤外線を樹脂フィルムに照射すると、シート表層で赤外線が吸収され、表層のみ温度が高くなる(波長が短くなると、シート部まで赤外線が届き、内部も加熱される)。温度の高くなった表層からの伝熱でシート内部の温度が上昇していく。結果、表層の温度が非常に高く、内部との温度差が大きくなる。なお、熱風を吹き付ける方法では、加熱効率(熱伝達率)が小さいため、表層の温度上昇のスピードと、内部への伝熱速度との差が小さくなるため、赤外線ヒータよりも表層と内部の温度差が付きにくい。
【0061】
縦延伸機24で縦延伸された熱可塑性樹脂シート12Aは、必要に応じてフィルムの幅方向の端部を横延伸機26のクリップにより把持され、横延伸される。熱可塑性樹脂シート12Aは、横延伸機26のヒータ(不図示)により、加熱される。このとき横延伸温度T4(℃)は、(Tg−10)(℃)≦T4≦(Tm−5)(℃)を満足することが好ましい。より好ましくは、(Tg+5)(℃)≦T4≦(Tm−20)(℃)の範囲である。横延伸倍率は縦延伸同様、フィルムに要求される特性によって選ばれるが、横延伸倍率1.1〜5倍になるよう横方向に延伸される。
【0062】
横延伸機26により横延伸された熱可塑性樹脂シート12Aは巻取機28送られる。巻取機28により空洞含有フィルム1のフィルムロールとして巻き取られる。なお、縦延伸のみを行った熱可塑性樹脂シート12Aを横延伸機26に供さず、巻取機28によりフィルムロールとして巻き取っても良い。
【0063】
このように製造された空洞含有フィルム1は、空洞を含有しない1〜30μmの厚さの表層を、少なくとも一方の表面に有することができる。本発明の空洞含有フィルム1は、リサイクル性に優れ、表面光沢に優れるので、意匠性フィルム、スクリーン、フラットパネルディスプレイ用反射フィルム、照明カバー、光拡散フィルム、屋内・野外電飾看板・断熱材・クッション材等に好適に使用することができる。
【0064】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂組成物は、所望の光学特性や空洞を発現する限り特に限定されない。溶融押出法を利用して作製する場合は、溶融押出し成形性が良好な材料を利用するのが好ましく、その観点では、環状オレフィン類、セルロースアシレート類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、透明ポリエチレン、透明ポリプロピレン等のポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1など)、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、マレイミド系共重合体類、透明ナイロン類、透明フッ素樹脂類、透明フェノキシ類、ポリエーテルイミド類、ポリスチレン類、アクリル系共重合体類、スチレン系共重合体類、ポリアミド類(PA)(例えば、ナイロン−6など)、ポリアセタール類(POM)、ポリエステル類(例えば、PET、PEN、PTT、PBT、PPT、PHT、PBN、PES、PBSなど)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド類(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン類(PEEK)、液晶ポリマー類(LCP)、フッ素樹脂、などを選択するのが好ましい。
【0065】
また、熱可塑性樹脂組成物に、その他の成分として酸化防止剤、UV吸収剤、核剤等の添加物を目的に応じて適宜選択することができる。
【0066】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なっても良いのは、もちろんである。
【0067】
[実施例1]
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0068】
以下の実施例1〜8及び比較例1〜2において、熱可塑性樹脂組成物を溶融押出機を用いて295℃でダイから押し出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化させて、厚さ約200μmの原反となる熱可塑性樹脂シートを得た。ここで、熱可塑性樹脂組成物は、実施例1〜7及び比較例1〜2ではPET(ポリエチレンテレフタレート100%樹脂:ガラス転移温度Tgは75℃)とし、実施例8ではPBT(ポリブチレンテレフタレート100%樹脂:ガラス転移温度Tgは30℃)とした。
【0069】
この熱可塑性樹脂シート(原反)を、2個のニップローラ(縦延伸機)により、赤外線ヒータで両面(上下)から加熱しながら縦方向に延伸し、樹脂フィルム(空洞含有フィルム)を作製した。
【0070】
赤外線ヒータの条件、延伸の条件は、実施例1〜8及び比較例1〜2において変更し、樹脂フィルム(空洞含有フィルム)を作製した。赤外線ヒータの条件、延伸の条件は、図4の表に記す。なお、比較例1においては、延伸の際に破断してしまった。
【0071】
実施例1〜8及び比較例2で作製した樹脂フィルム(空洞含有フィルム)の空洞を含有しない表層の厚みを上面・下面で測定した。そして、実施例1〜8及び比較例2で作製した樹脂フィルムの反射度を測定した。また、樹脂フィルムの光沢度を上面・下面で測定した。
【0072】
ここで、空洞を含有しない表層の厚み測定は、樹脂フィルム断面をSEMで観測し厚みを測定した。
【0073】
反射率の測定は、反射測定器・積分球を用いて測定した。樹脂フィルムの表面に垂直の方向から60度傾けて波長240〜800nmの光を入射させ、樹脂フィルムを反射する光の強度を、樹脂フィルムを置かないブランクの値(入射光の光の強度)と比較した。
【0074】
光沢度の測定は、変角光沢計VG−1001DP(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて、波長400〜800nmを含む光を60度(°)入射、60度受光の条件で測定し、光沢度を得た。
【0075】
そして、上記測定結果から総合判定を行った。総合判定では、光沢度80%以上、反射率80%以上を○、光沢度は80%以上だが、反射率が80%未満の場合を△、光沢度80%未満を×と判定した。
【0076】
(評価結果)
図4は、実施例1〜8及び比較例1〜2に関して、製造条件とその評価の結果を一覧表にまとめたものである。
【0077】
図4の表から分かるように、熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで熱可塑性樹脂シートの表面に加熱し、熱可塑性樹脂シートの搬送方向の延伸開始点から10mm以内の範囲で、熱可塑性樹脂フィルムの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸することで、判定が△以上であった。
【符号の説明】
【0078】
1…空洞含有フィルム、10…製造ライン、12…熱可塑性樹脂組成物、12A…熱可塑性樹脂シート、14…溶融押出機、16…ダイ、18…キャスティングドラム、20…剥離ローラ、22…熱処理装置、24…縦延伸機、26…横延伸機、28…巻取機、30…第一のニップローラ、32…第二のニップローラ、34…ヒータ、40…配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の熱可塑性樹脂組成物のみからなる空洞含有フィルムであって、
空洞を含有しない3〜30μmの厚さの表層を、少なくとも一方の表面に有することを特徴とする空洞含有フィルム。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂組成物がポリエステル類であることを特徴とする請求項1に記載の空洞含有フィルム。
【請求項3】
単一の熱可塑性樹脂組成物を溶融押出する工程と、
溶融押出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化する工程と、
冷却固化された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように、最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータで該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に加熱し、該熱可塑性樹脂シートの搬送方向の延伸開始点から10mm以内の範囲で、前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する工程と、
を含むことを特徴とする空洞含有フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記赤外線ヒータの発熱体温度が、450〜2200℃であることを特徴とする請求項3に記載の空洞含有フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記赤外線ヒータの最大エネルギー波長をλ、前記赤外線ヒータでの加熱時間をtと表したとき、0.1≦t/λ≦5として前記赤外線ヒータで前記熱可塑性樹脂シートを加熱することを特徴とする請求項3又は4に記載の空洞含有フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂組成物がポリエステル類であることを特徴とする請求項3〜5の何れか1に記載の空洞含有フィルムの製造方法。
【請求項7】
単一の熱可塑性樹脂組成物のみを溶融混練する溶融押出機と、
前記溶融押出機から供給された熱可塑性樹脂組成物をシート状に吐出するダイと、
前記ダイから吐出された熱可塑性樹脂シートを冷却固化するキャスティングドラムと、
前記キャスティングドラムから剥離された前記熱可塑性樹脂シートの表面温度Tが、前記熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)<T(℃)<(Tg+100)(℃)となるように該熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面を加熱する最大エネルギー波長1〜4μmの赤外線ヒータを備え、搬送方向の延伸開始点から10mm以内の領域で、前記熱可塑性樹脂シートの厚さが1/2以下となるよう一方向に延伸する延伸機と、
を備えることを特徴とする空洞含有フィルムの製造装置。
【請求項8】
前記赤外線ヒータの発熱体温度が、450〜2200℃であることを特徴とする請求項7に記載の空洞含有フィルムの製造装置。
【請求項9】
前記赤外線ヒータの最大エネルギー波長をλ、前記赤外線ヒータでの加熱時間をtと表したとき、0.1≦t/λ≦5として前記赤外線ヒータで前記熱可塑性樹脂シートを加熱することを特徴とする請求項7又は8に記載の空洞含有フィルムの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−195619(P2011−195619A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60920(P2010−60920)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】