説明

空調システム

【課題】店舗内と店外の気圧を検知し、略同圧になるように空調システムの制御を行うシステムを提供する。
【解決手段】出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、店舗内気圧測定器と店外気圧測定器の値が略同値になるように送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、店舗内側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内の送風装置の給排気量の制御を行い、出入り口の開閉による塵や埃の含まれた外気の侵入もしくは店舗内空気の流出を低減する空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食物を取り扱う店舗では、快適で、清潔な売場環境作りが最重要視されている。そこで、この問題に対処して、店舗内に給排気を行う給排気装置として全熱交換器を設置して給排気を行いながら、店内の空調の管理を行う空調システムが開発、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−190826
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、店舗に設けられたトイレや、作業室等には前記全熱交換器の他に局所排気送風装置(例えば換気扇)が設置されており、店舗内の給気量と排気量は一定ではない。
【0005】
そのため、店舗には店外と人が出入りできる出入り口が設けられているが店外と店舗内の気圧が略同圧ではないため、出入り口が開閉された際に気圧差による空気の流出入が発生する。
【0006】
例えば、店舗内が店外よりも気圧が低い場合、出入り口の開閉により店外の空気が店舗内に侵入する。店外の空気には、塵や埃が含まれており、この空気が店舗内に侵入することで、店舗内の空気を清浄に保つようにするために空調システムの消費電力が増大する。
【0007】
店舗内が店外よりも気圧が高い場合には、出入り口の開閉により店舗内の空気が店外へ流出する。それにより店舗内を快適な空間にするために空調システムの消費電力が増大する。
【0008】
本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、店舗内と店外の気圧を検知し、略同圧になるように空調システムの制御を行うシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の空調システムは、排気送風機と給気送風機を備えた送風装置と、店舗内と店外とを人が出入りできる出入り口を備えた店舗において、出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、前記店舗内気圧測定器と前記店外気圧測定器の値が略同値になるように前記送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、店舗内側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明の空調システムは、排気送風機と給気送風機を備えた送風装置と、店舗内と店外とを人が出入りできる出入り口を備えた店舗において、出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、前記店舗内気圧測定器と前記店外気圧測定器の値が略同値になるように前記送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、店外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店外側送風機を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明の空調システムは、請求項1において、店外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができ店外送風機を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明の空調システムは、店外と店舗の間に風除室を設け、風除室と店舗内を人が出入りできる店舗出入り口と風除室と店外を人が出入りできる屋外出入り口を有し、風除室内に排気送風機と給気送風機を備えた風除室送風装置を設け、屋外出入り口に風除室の気圧を測定する風除室気圧測定器と屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器を設け、前記風除室気圧測定器と前記屋外気圧測定器の値が略同値になるように前記風除室送風装置の給排気量を制御する風除室制御装置を設け、風除室側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明の空調システムは、店外と店舗の間に風除室を設け、風除室と店舗内を人が出入りできる店舗出入り口と風除室と店外を人が出入りできる屋外出入り口を有し、風除室内に排気送風機と給気送風機を備えた風除室送風装置を設け、屋外出入り口に風除室の気圧を測定する風除室気圧測定器と屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器を設け、前記風除室気圧測定器と前記屋外気圧測定器の値が略同値になるように前記風除室送風装置の給排気量を制御する風除室制御装置を設け、店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明の空調システムは、請求項4において、店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明の空調システムは、請求項6において、店舗側出入り口にエアカーテンを形成する店舗内送風機を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1または2の発明の空調システムは、排気送風機と給気送風機を備えた送風装置と、店舗内と店外とを人が出入りできる出入り口を備えた店舗において、出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、前記店舗内気圧測定器と前記店外気圧測定器の値が略同値になるように前記送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、
店舗内側もしくは屋外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機もしくは屋外側送風機を設けたことにより、屋外の塵や埃の含まれた空気が店内に流入したり、店舗内の空気が店外へ流出するのを防ぐことができ、店舗内を清浄に保つことができる。
【0017】
請求項3の発明の空調システムは、店舗内側と屋外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機と屋外側送風機を設けたことにより、屋外の塵や埃の含まれた空気が店内に流入したり、店舗内の空気が店外へ流出するのを防ぐことができ、店舗内の空調システムの消費電力を抑制することができる。
【0018】
請求項4または5の発明の空調システムは、店外と店舗の間に風除室を設け、風除室と店舗内を人が出入りできる店舗出入り口と風除室と店外を人が出入りできる屋外出入り口を有し、風除室内に排気送風機と給気送風機を備えた風除室送風装置を設け、屋外出入り口に風除室の気圧を測定する風除室気圧測定器と屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器を設け、前記風除室気圧測定器と前記屋外気圧測定器の値が略同値になるように前記風除室送風装置の給排気量を制御する風除室制御装置を設け、風除室側もしくは店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機もしくは屋外側送風機を設けたことにより、屋外の塵や埃の含まれた空気が店内に流入したり、店舗内の空気が店外へ流出するのを防ぐことができ、店舗内を清浄に保つことができる。
【0019】
請求項6の発明の空調システムは、風除室側と店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機と屋外側送風機を設けたことにより、屋外の塵や埃の含まれた空気が店内に流入したり、店舗内の空気が店外へ流出するのを防ぐことができ、店舗内の空調システムの消費電力を抑制することができる。
【0020】
請求項7の発明の空調システムは、請求項6に加えて店舗側出入り口にエアカーテンを形成する店舗内送風機を設けたことにより、より一層屋外の塵や埃の含まれた空気が店内に流入したり、店舗内の空気が店外へ流出するのを防ぐことができ、店舗内の空調システムの消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】店舗の出入り口に本発明を適用した店舗の側面図である。
【図2】店舗の風除室に本発明を適用した店舗の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の空調システムの構成図である。図1に示すようにスーパーマーケット等の店舗1には、商品を陳列するための商品陳列棚と、冷蔵商品を陳列するための冷蔵用オープンショーケースと、冷凍商品を陳列するための氷温用ショーケース等の冷却機器と、会計を行うためのレジ台等が店内に設置されている。
【0024】
そして、店舗1には店舗内3と店外を人が出入りできる出入り口2(例えば、スライドドア)が設置されている。
【0025】
さらに店舗内3の天井には、店舗の広さに適した台数の照明器具が設置されている。
【0026】
また店舗内3には、作業室が設けられており、前記作業室には、食品の調理や加工、包装等を行うことができる施設を備えている。この作業室内での作業に伴う蒸気や油煙が店内に漏れないように店外へ排出するための排気送風機4が設置されている。
【0027】
さらに店舗内3には、トイレが設置されており、臭気が店内に漏れないように店外へ排出する排気送風機4が設置されている。
【0028】
店舗内3には、店舗内の空調を維持するための空気調和機(例えばエアコン)と、店舗においては店舗の広さに応じてある一定量以上の換気(建築基準法施行令第20条の2参照)を行う必要があるため換気設備として店舗内の空気を清浄に保つために店外の空気と給排気可能な送風装置8が設置されている。
【0029】
前記送風装置8には排気装置としての店舗内排気送風機5と、給気装置としての店舗内給気送風機6と、冷房や暖房手段としての熱交換器7等から構成されており、店舗内3の空調や換気を行うことができる。
【0030】
店舗の営業時間帯には、店舗内に設置された空気調和機や送風装置8を運転して売場環境を空調(例えば、冷房や暖房)して売場環境が快適な環境温度に保たれるように空調されている。
【0031】
また、前記出入り口2の近傍には、店舗内側には店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器9と、店外側には店外側の気圧を測定する店外気圧測定器10が設置されている。
【0032】
この店舗内気圧測定器9と店外気圧測定器10の圧力を検知し、店舗内に設置された送風機の給排気量を制御する店舗内制御装置11が送風機の近傍に設けられている。前記店舗内制御装置11は、店舗内気圧測定器9と店外気圧測定器10の値が略同値になるように制御を行い、店舗内の気圧の調整を行う。
【0033】
上記構成により、前記店舗内制御装置11を用いながら店舗内の排気量と給気量を制御することで出入り口付近における店舗内3と店外の気圧差を解消し、出入り口2が開閉された際に気圧差による空気の流出入を防止することができ、店舗内3に設置されている送風装置8や空気調和機の消費電力の抑制をすることができる。
【0034】
さらに、出入り口2の近傍には、人感センサ12が設置されており、店舗1における人の出入りを感知して出入り口2を開閉する構成になっている。
【0035】
また、出入り口上方には、店舗内側、店外側それぞれにファンが内蔵されている店舗内送風機13、店外送風機14が設置されている。
【0036】
前記店舗内送風機13は、店舗内3の空気を吸気し、出入り口2に沿って上方から下方へエアカーテン15を形成する。
【0037】
同様に、前記店外送風機14は、店外の空気を吸気し、出入り口2に沿って上方から下方へエアカーテン16を形成する。
【0038】
出入り口2に沿って形成される店舗側のエアカーテン15、店外側のエアカーテン16それぞれのエアカーテンの風速は略同速とし、出入り口2を挟んで平行に吹出すようにする。また、吹出し速度は、床面までエアカーテン15、16が達する程度の微風速で吹出す。吹出し速度が大きいと、出入り口2を通過する人に風が強く当たり、不快感を与えることになるためである。
【0039】
そしてエアカーテン15、16は、出入り口2の近傍に設けられた人感センサ12が作動した際に店舗内送風機13と店外送風機14が吹出しを開始してエアカーテン15、16を形成した後に出入り口2を開き、出入り口2が閉まった後に店舗内送風機13と店外送風機14の吹出しを止め、エアカーテン15、16の形成を停止するようにする。
【0040】
出入り口2に2層のエアカーテン15、16が形成されることで、例えば、店舗内3が店外よりも気圧が高い場合、店舗内3に店外の塵や埃の含まれた不浄な空気が流入するのを抑制する。
【0041】
また、店舗内3が店外よりも気圧が低い場合、店内の空気が店外へ流出するのを抑制する。
【0042】
さらに、店舗内の空気調和機の使用により、店舗内の室温が店外と温度差のある場合にも、出入り口2に沿って形成される2層のエアカーテン15、16により店舗内3に温度差の異なる店外の空気が流入又は流出するのを抑制する。
【0043】
そのため、店舗内3に設置されている空気調和機や送風装置8の空調負荷を抑制することができ、店舗1の消費電力の省エネ化を図ることができる。
【0044】
但し、出入り口2において人の出入りの多い時間帯には、頻繁に店舗内送風機13、店外送風機14を発停させることになる。特に送風機を発動させる際により電力を消費する。
【0045】
それを防止するために、そのような時間帯においては、店舗内送風機13、店外送風機14を停止させないで、店舗内送風機13、店外送風機14を調節して微量の風量を出しておくようにしておき、人感センサ12が人の出入りを感知した際には所定の風量を出すようにする。
【0046】
それにより、店舗内送風機13、店外送風機14の発停による消費電力の増大を抑制し、ついては店舗1の消費電力の抑制につながり、消費電力の省エネ化になる。
【0047】
図1では、出入り口の店舗側、店外側にエアカーテンを形成する送風機13、14を設けたが、どちらか片側に設けてもよい。出入り口の片側に設ける場合も出入り口の両側に設ける場合と同様な効果を得ることができる。
【0048】
また近年、屋外と屋内の空気の出入りの抑制や、空調による冷暖房効果を低下させないために風除室17を設けているスーパーマーケット等の店舗1が見受けられるが、そのような店舗1において本発明を適用してもよい。
【0049】
風除室17は、店外と店舗内3の空気の出入りを妨げる目的で設置されている空間であるが、人の出入りにより空気の対流が起こり、店舗内1に店外の塵や埃の含まれた空気が流入してしまう。そこで、本発明を適用し、上記問題点を解消する。
【0050】
即ち、図2のように屋外と店舗の間に風除室17を設ける。風除室17には、店舗内3と風除室17とを人が出入りできる店舗出入り口18(例えば、スライドドア)と、屋外と風除室17とを人が出入りできる屋外出入り口19(例えば、スライドドア)が設けられている。
【0051】
また風除室17には、風除室用送風装置20が設けられている。前記風除室用送風装置20には、風除室17内の空気を屋外に排気する風除室排気送風機21と屋外の空気を風除室に給気する風除室給気送風機22が設置されている。そして、前記風除室用送風装置20の近傍には、送風装置による給排気量を制御する給排気量制御装置23が設置されている。
【0052】
そして、風除室17に設けられた屋外出入り口19の近傍の風除室側には、風除室17の気圧を測定できる風除室気圧測定器28と、屋外側には、屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器29を設置されている。
【0053】
風除室17と屋外に気圧差が生じている場合には、風除室気圧測定器28と屋外気圧測定器29が給排気量制御装置23と連動して風除室用送風機20内の風除室給気送風機22もしくは、風除室排気送風機21の給排気量を調整して、風除室気圧測定器28と屋外気圧測定器29の値が略同値になるように調整を行う。
【0054】
上記構成により、風除室17内の排気量と給気量を給排気量制御装置23にて制御を行うことで、屋外出入り口19の付近における風除室17と屋外の気圧差を解消することができ、屋外出入り口19が開いた際に気圧差による空気の流出入を防止することができる。
【0055】
さらに、屋外出入り口19の上方の風除室側には風除室側送風機24と、屋外側には屋外側送風機25が設置されている。
【0056】
前記風除室側送風機24は、風除室17内の空気を吸気して、屋外出入り口19に沿って上方から下方へエアカーテン26を形成する。
【0057】
また、屋外側送風機25は、屋外の空気を吸気して、屋外出入り口19に沿って上方から下方へエアカーテン27を形成する。
【0058】
屋外出入り口19に沿って形成される風除室側のエアカーテン26と、屋外側に形成されるエアカーテン27それぞれのエアカーテン26、27の風速は略同速とし、屋外出入り口19を隔てて平行に吹出すようにする。
【0059】
また吹出し速度は、床面までエアカーテン26、27が形成できる程度の微風速で吹出す。吹出し速度が大きいと、屋外出入り口19を通過する人に風が強く当たり、不快感を与えることになるためである。
【0060】
更に、屋外出入り口19の近傍には屋外出入り口用人感センサ30が設置されている。前記屋外出入り口用人感センサ30が人の出入りを感知して屋外出入り口19の開閉を行っている。
【0061】
屋外出入り口19に沿って形成されるエアカーテン26、27は屋外出入り口用人感センサ30が作動した後に風除室側送風機24と屋外側送風機25によりエアカーテン26、27の形成を開始してから屋外出入り口19を開き、屋外出入り口19が閉まった後に、風除室側送風機24と屋外側送風機25からの吹出しを止め、エアカーテン26、27の形成を停止する。
【0062】
屋外出入り口19に沿って形成されるエアカーテン26、27により、屋外出入り口19が開閉されて人の出入りのある場合に、風除室17に屋外の塵や埃の含まれた不浄な空気が流入もしくは風除室17の空気が屋外へ流出するのを抑制する。
【0063】
さらに、屋外出入り口19の開閉による空気の流出入が発生しても、屋外の塵や埃の含まれた不浄な空気が屋外出入り口19に沿って形成されるエアカーテン26、27により店舗内3には侵入が出来ないため、店舗内3を清浄に保つことができ、店舗内3に設置されている空気調和機や店舗内送風機8の空調負荷を抑制することもできるため店舗1の消費電力の省エネ化を図ることができる。
【0064】
但し、屋外出入り口19において人の出入りが多い時間帯には、風除室側送風機24と屋外側送風機25を頻繁に発停させることになる。特に発動させる際により電力を消費する。店舗1として消費電力の抑制するために、そのような時間帯には、風除室側送風機25と屋外側送風機26を停止させないで、風量を調節して微量の風量を出しておくようにしておき、屋外出入り口用人感センサ30が人の出入りを感知した際には、所定の風量を出してエアカーテン26、27を形成する。
【0065】
それにより、風除室側送風機24と屋外側送風機25の発停による消費電力の増大を抑制し、ついては店舗1の消費電力の抑制につながり、消費電力の省エネ化になる。
【0066】
図2では、屋外出入り口19の近傍に風除室側送風機25と屋外側送風機26を設け、風除室と屋外の気圧が略同圧になるように、給排気量制御装置23で風除室排気送風機21の給排気量を制御しているが、店舗出入り口にもエアカーテンを形成することができる店舗内送風機13と店外送風機14を設けて
店舗内3に設置された給排気可能な送風機8を制御してもよい。
【0067】
即ち、図1と同様に店舗出入り口18の近傍に店舗内3の気圧を測定する店舗気圧測定器、風除室の気圧を測定する気圧測定器を設ける。
【0068】
前記店舗気圧測定器と前記気圧測定器と連動して前記送風機の給排気量を制御する制御器を前記送風機の近傍に設ける。前記制御器は店舗気圧測定器と前記気圧測定器の値が略同値になるように制御を行う。
【0069】
そして、店舗出入り口18の近傍に店舗内側には店舗内側送風機と、風除室側には、出入り口送風機を設ける。
【0070】
店舗内側送風機は店舗内の空気を吸気して、出入り口送風機は風除室の空気を吸気して、それぞれ店舗出入り口18に沿って上方から下方へエアカーテンを形成する。
【0071】
店舗出入り口18に沿って形成されたエアカーテンの風速は略同速とし、店舗出入り口18を隔てて平行に吹出すようにする。また、吹出し速度は、床面まで達する程度の微風速で吹出す。吹出し速度が大きいと店舗出入り口18を通過する人に風が強く当たり、不快感を与えることにある。
【0072】
また、店舗出入り口18の近傍には人感センサを設ける。人感センサが感知した場合に店舗出入り口18が開閉する。
【0073】
人感センサが感知して、店舗出入り口18に設けられた店舗内側送風機と出入り口送風機が作動しエアカーテンの形成した後店舗出入り口18が開き、店舗出入り口18が閉まった後に吹出しをやめ、エアカーテンの形成を停止する。
【0074】
これにより、より一層人の出入りや、屋外の風等の影響による空気の流動によって屋外の塵や埃の含まれた不浄な空気が店舗内へ流入もしくは、店舗内の空気が店舗外へ流出するのを抑制できる。
【0075】
さらに、店舗内の空気調和機の使用時、店舗内と屋外で温度差がある場合にも、店舗内3の空気の店舗外への流出、もしくは流入を抑制することができる。
【0076】
図1、図2の実施例では、出入り口の近傍に2つの送風機を設け出入り口に沿って2層のエアカーテンを形成しているが、出入り口の近傍に片側だけに送風機を設け1層のエアカーテンを形成する場合でも同様に上記のような効果が得られることが可能である。
【0077】
また、風除室17のある店舗においても、店舗内3と風除室17との出入り口もしくは風除室17と屋外との出入り口どちらか片方の出入り口の近傍に2つの送風機を設けた場合にも上記のような効果が得られることが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 店舗
2 出入り口
4 排気送風機
5 店舗内排気送風機
6 店舗内給気送風機
7 熱交換器
9 店舗内気圧測定器
10 店外気圧測定器
11 店舗内制御装置
12 人感センサ
13 店舗内送風機
14 店外送風機
15、16、26、27 エアカーテン
17 風除室
18 店舗出入り口
19 屋外出入り口
21 風除室排気送風機
22 風除室給気送風機
23 給排気量制御装置
24 風除室側送風機
25 屋外側送風機
28 風除室側気圧測定器
29 屋外側気圧測定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気送風機と給気送風機を備えた送風装置と、店舗内と店外とを人が出入りできる出入り口を備えた店舗において、出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、前記店舗内気圧測定器と前記店外気圧測定器の値が略同値になるように前記送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、店舗内側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機を設けたことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
排気送風機と給気送風機を備えた送風装置と、店舗内と店外とを人が出入りできる出入り口を備えた店舗において、出入り口に店舗内の気圧を測定する店舗内気圧測定器と、店外の気圧を測定する店外気圧測定器を設け、前記店舗内気圧測定器と前記店外気圧測定器の値が略同値になるように前記送風装置の給排気量を制御する制御装置を設け、店外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店外側送風機を設けたことを特徴とする空調システム。
【請求項3】
店外側の出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる店舗内送風機と店外送風機を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の空調システム。
【請求項4】
店外と店舗の間に風除室を設け、風除室と店舗内を人が出入りできる店舗出入り口と風除室と店外を人が出入りできる屋外出入り口を有し、風除室内に排気送風機と給気送風機を備えた風除室送風装置を設け、屋外出入り口に風除室の気圧を測定する風除室気圧測定器と屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器を設け、前記風除室気圧測定器と前記屋外気圧測定器の値が略同値になるように前記風除室送風装置の給排気量を制御する風除室制御装置を設け、風除室側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする空調システム。
【請求項5】
店外と店舗の間に風除室を設け、風除室と店舗内を人が出入りできる店舗出入り口と風除室と店外を人が出入りできる屋外出入り口を有し、風除室内に排気送風機と給気送風機を備えた風除室送風装置を設け、屋外出入り口に風除室の気圧を測定する風除室気圧測定器と屋外の気圧を測定できる屋外気圧測定器を設け、前記風除室気圧測定器と前記屋外気圧測定器の値が略同値になるように前記風除室送風装置の給排気量を制御する風除室制御装置を設け、店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする空調システム。
【請求項6】
店外側の屋外出入り口に沿ってエアカーテンを形成することができる風除室側送風機を設けたことを特徴とする、請求項4に記載の空調システム。
【請求項7】
店舗側出入り口にエアカーテンを形成する店舗内送風機を設けたことを特徴とする請求項4に記載の空調システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−77953(P2012−77953A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221403(P2010−221403)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)