説明

空調機

【課題】 ヒートポンプサイクルと吸湿性液体の循環および空気接触を組み合わせ、50℃以下の低温度域でも効率よく再生熱交換可能とした調温調湿空調機を提供することである。
【解決手段】 冷房時における蒸発器又は暖房時における凝縮器に、吸湿液循環管路を介して蒸発器又は凝縮器での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と熱交換する室内機としてのエアコンタクタを設け、冷房時における凝縮器又は暖房時における蒸発器に、供給管路を介して吸湿性液体を噴射して外気と熱交換するとともに、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタを設け、室内機としてのエアコンタクタにおける受液タンクと供給管路の凝縮器又は蒸発器における入力側とを熱交換器を介在して連結し、室外機用再生コンタクタにおける受液タンクと吸湿液循環管路の蒸発器又は凝縮器における入力側とを熱交換器を介して連結したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプを構成する空調サイクルの凝縮器と蒸発器の少なくともいずれか一方に、吸湿性液体を循環する管路を介在して外部熱の有効利用を図るようにした空調機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外部熱である排熱源とその排熱利用技術の形態を、熱エネルギーの段階的利用の観点から述べると、以下のようになる。
(1)熱利用
これは、気体又は液体による排熱を、熱交換器を介して利用されやすい流体に熱交換して利用するもので、高温度域の排熱を利用する排熱ボイラーのような最も基本的な方法である。
(2)動力回収
排熱を熱の形で利用しないで、動力に変換して利用する方法で、例えば、ランキングサイクルと呼ばれる高低の温度差で作動する熱機関の熱源として排熱を利用し、直接動力を利用したり、発電機を駆動させて電気エネルギーを利用する形態である。
(3)ヒートポンプ
これは、排熱源より熱を汲み上げ、さらに高い温度又は中低温度の熱エネルギーに変換して利用する方法である。利用できない低温度レベルの排熱を、利用できる高い温度レベルの熱エネルギーに移動させる際、その移動熱量がヒートポンプへ投入する駆動動力の数倍となるきわめて有効な熱エネルギーに変換する方法である。
(4)直接利用
排熱を温水などの熱媒を通じて断熱したまま利用目的地まで移動させ、有効利用する最も基本的な方法である。コージェネレーション設備による地域冷暖房、原子力又は火力発電所からの温排水による魚介類の養殖、海水の淡水化など多数の実例がある。
【0003】
これらの方法のうち、特に、ヒートポンプによる方法は、河川、海洋大規模熱源とヒートポンプを組み合わせた地域冷暖房システム、夜間電力と地区熱装置などを組み合わせた高効率熱利用システムの実現が期待されている(非特許文献1)。
【非特許文献1】蓄熱工学2[応用編]第46〜48頁、第59頁 関 信弘 編集 1995年12月25日 森北出版株式会社発行。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、蒸発器、圧縮機、凝縮器、減圧器を冷媒管路で連結したヒートポンプにおいて、熱から冷房冷熱を製造するには、少なくとも85℃以上の熱媒を用意しなければならなかった。これは暖房用や給湯用よりも高い温度レベルを要求していた。日本を含め温帯、熱帯に属する多くの地域では温熱需要より冷熱需要の方が大きいが、85℃以下の熱からは冷熱を製造することが困難だったため、それ以下の温度の排熱は無駄になることが多かった。また従来の冷房空調は、10℃以下の冷却物体に空気を接触させる仕組みであることから、冷房装置に組み込まれたヒートポンプは、10℃以下の低温から外気温よりも高い温度まで、大温度差間で熱の汲み上げを行う必要があり、ヒートポンプの効率、成績係数(COP)を低下させていた。
解決しようとする問題点は、1つ目は、50℃以下の排熱温度からでも冷熱製造を可能としたものを得る点であり、2つ目は、吸湿液に温度差をつけるためだけにヒートポンプを駆動することで、冷房用ヒートポンプよりも汲み上げ温度差が低く、高い効率、高い成績係数での運転が可能になるものを得る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、冷房モード時における前記蒸発器16又は暖房モード時における凝縮器14に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記蒸発器16又は凝縮器14での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、冷房モード時における前記凝縮器14又は暖房モード時における蒸発器16に、吸湿性液体を循環する供給管路54を介して前記吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換するとともに、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタ19を設け、前記室内機としてのエアコンタクタ11における受液タンク36と前記供給管路54の凝縮器14又は蒸発器16における入力側とを熱交換器21を介在して連結し、前記室外機用再生コンタクタ19における受液タンク25と前記吸湿液循環管路44の蒸発器16又は凝縮器14における入力側とを前記熱交換器21を介して連結したことを特徴とする空調機である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記蒸発器16と凝縮器14の少なくともいずれか一方に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記吸湿性液体と外気とを接触して外気と熱交換するコンタクタを設けたので、蒸発器16及び/又は凝縮器14に直接排熱を作用させずに、外気と熱交換するコンタクタを介して吸湿性液体と外気とを接触させることにより、40℃近い低温排熱を有効利用できる。また、吸湿性液体は、食塩水、塩化リチウムなど潮解性を有する塩の溶液の他、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの吸湿性の高い多価アルコール、その他の吸湿性を有する安価な液体であって、廃液は希釈して下水に流しても公害にならないものを用いることができる。ヒートポンプ部分のCOPが5以上と、効率に優れている。高濃度の塩の水溶液や多価アルコールに空気を接触させる湿式であるから、常に、除塵、除菌などの作用を有する。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、冷房モードにおける蒸発器16に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記蒸発器16での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、前記凝縮器14に、吸湿性液体を循環する供給管路54を介して前記吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換するとともに、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタ19を設け、前記室内機としてのエアコンタクタ11における受液タンク36と前記供給管路54の凝縮器14における入力側とを熱交換器21を介在して連結し、前記室外機用再生コンタクタ19における受液タンク25と前記吸湿液循環管路44の蒸発器16における入力側とを前記熱交換器21を介して連結したので、除湿をしつつ冷房することができ、極めて効率的な冷房ができる。
【0008】
請求項3記載の発明によれば、暖房モードにおける凝縮器14に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を設け、この吸湿液循環管路44の途中に、前記凝縮器14での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、この室内機としてのエアコンタクタ11の出力側を前記凝縮器14の入力側に連結し、かつ、この吸湿液循環管路44の途中に、外部からの補給水導入部64を設け、前記蒸発器16に、吸湿性液体を循環する供給管路54を設け、この供給管路54の途中に、前記吸湿性液体を噴射して熱交換する室外機用再生コンタクタ19を設け、この再生コンタクタ19に、排熱を導入して噴射した前記吸湿性液体と熱交換する外部熱管路70を設け、この再生コンタクタ19における受液タンク25を前記蒸発器16の入力側の供給管路54に連結したので、暖房モードにおける吸湿処理部と濃縮再生部とを別々に独立して構成でき、それぞれのユニットを別々にして自由な配置が可能になる。
【0009】
請求項4記載の発明によれば、前記凝縮器14に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を設け、この吸湿液循環管路44の途中に、前記凝縮器14での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、前記蒸発器16に、吸湿性液体を循環する供給管路54を設け、この供給管路54の途中に、前記吸湿性液体を噴射して外気と接触し、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタ19を設け、前記室内機としてのエアコンタクタ11における受液タンク36と前記供給管路54の蒸発器16における入力側とを熱交換器21を介在して連結し、前記室外機用再生コンタクタ19における受液タンク25と前記凝縮器14の入力側とを前記熱交換器21を介して連結したので、吸湿処理部と濃縮再生部は、常圧の吸湿液循環管路で連結されてさえいればよく、それぞれのユニットを別々にして自由な配置が可能になる。
【0010】
請求項5記載の発明によれば、室内機としてのエアコンタクタ11に、このエアコンタクタ11の空気吸入側に配置した蒸発部39と、このエアコンタクタ11の空気吐出側に配置した凝縮部40と、これら蒸発部39と凝縮部40を連結する熱交換器38とを設けたので、熱交換効率をより向上させることができるとともに、冷房モードでは、過冷却の改善ができる。
【0011】
請求項6記載の発明によれば、室外機用再生コンタクタ19における再生用空気吸入側と空気排出側に、前記再生コンタクタ19で吸湿処理された外気と前記再生コンタクタ19内に吸入された外気との熱交換をする熱交換器29とを設けたので、再生コンタクタ19における吸湿処理及び/又は濃縮再生処理がより効率的に行なえる。
【0012】
請求項7記載の発明によれば、室外機用再生コンタクタ19は、供給管路54からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル56と、戻し管路59からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル61と、これらの噴射ノズル56及び/又は噴射ノズル61から噴射される吸湿性液体と内部を通過する空気及び/又は外部熱を吸湿性液体に与える熱交換作用のために、吸湿性液体と空気の接触面積を増加させる充填材24と、液化した吸湿性液体を貯留する受液タンク25とからなるので、空気と吸湿性液体との接触がより確実に行なわれる。
【0013】
請求項8記載の発明によれば、室内機としてのエアコンタクタ11は、吸湿液循環管路44からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル47と、戻し管路49からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル50と、これらの噴射ノズル47及び/又は噴射ノズル50から噴射される吸湿性液体と内部を通過する空気との接触面積を増加させる充填材35と、液化した吸湿性液体を貯留する受液タンク36とからなるので、吸入した空気がより効果的に冷却又は加熱処理される。
【0014】
請求項9記載の発明によれば、冷房モード時における蒸発器16又は暖房モード時における凝縮器14に連結された吸湿液循環管路44に、循環する吸湿性液体を貯留する吸湿液リザーバタンク22を設けたので、吸湿液リザーバタンク22に、高密度冷熱蓄積ができる。例えば、夏季の明け方や夜間など、運転しても熱が余剰になる時間帯には、吸湿性溶液を加熱・濃縮して吸湿液リザーバタンク22に貯めておき、冷熱負荷が高くなる日中に処理側へ投入することで、再生用エネルギー投入を増加させずに安定した除湿空調が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記蒸発器16と凝縮器14の少なくともいずれか一方に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記吸湿性液体と外気とを接触して外気と熱交換するコンタクタを設けたことを特徴とする空調機である。
【0016】
本発明の実施例を図1に基づき説明する。
図1において、点線を境にして、右側が室外機10で、左側が室内機としてのエアコンタクタ11である。
前記室外機10は、ヒートポンプ機能の冷凍機18に、吸湿性液体を循環する管路を組み込んだものである。
前記吸湿性液体には、食塩水、塩化リチウムなど潮解性を有する塩の溶液の他、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの吸湿性の高い多価アルコール、その他の吸湿性を有する安価な液体であって、廃液は希釈して下水に流しても公害にならないものが用いられる。
前記冷凍機18は、圧縮機12、熱交換器としての凝縮器14、(膨張弁、キャピラリーチューブなどの)減圧器15、熱交換器としての蒸発器16が冷媒管路17により順次閉回路として連結され、ヒートポンプを構成している。この閉回路において、4方弁13が冷房運転(図1又は図2のように右側のバルブに切り替わっている)の場合には、図中右側の熱交換器が凝縮器14として作用し、左側の熱交換器が蒸発器16として作用し、また、4方弁13が暖房運転(図3又は図4のように左側のバルブに切り替わっている)の場合には、図中左側の熱交換器が凝縮器14として作用し、右側の熱交換器が蒸発器16として作用する。
前記圧縮機12には、駆動源31と連結し、この駆動源31は、モータ、ガスエンジンなどが使用される。
【0017】
前記図1中、左側の熱交換器としての蒸発器16(図2に示すように4方弁13が右側の弁に切り換っている冷房運転時のときの蒸発器16を指す。ただし、図3又は図4に示すように4方弁13が左側の弁に切り換っている暖房運転時のときは、図1中、左側の凝縮器14を指す。)には、吸湿液を循環する吸湿液循環管路44を介して熱交換器20が臨ませて設けられている。この熱交換器20の内部には、前記吸湿液循環管路44が設けられているとともに、外部熱導入部33からエンジン駆動源31、太陽熱温排水などの外部排熱その他の外部熱を導入する外部熱管路71が設けられている。
また、前記図1中、右側の熱交換器としての凝縮器14(図2に示すように4方弁13が右側の弁に切り換っている冷房運転時のときの凝縮器14を指す。ただし、図3又は図4に示すように4方弁13が左側の弁に切り換っている暖房運転時のときは、図1中、右側の蒸発器16を指す。)には、再生コンタクタ19が連結されている。この再生コンタクタ19は、コンタクタ筐体23の内部に充填材24を充填したものである。この充填材24は、気液接触による吸湿を行なうためのもので、例えば、300〜4000m/m(充填容積)という大きな表面積を有するものからなる。前記コンタクタ筐体23の上端部には、再生用空気66を吸入し、かつ、排出するためのファン26が取り付けられ、下端部には、受液タンク25が設けられているとともに、再生用空気66を導入する底部28が設けられている。この再生コンタクタ19の側部であって、前記ファン26による排気67側には、ドレン30付きの熱交換器29が設けられ、この熱交換器29は、通風路27を経て底部28からコンタクタ筐体23の内部に連通している。前記底部28には、また、ダンパー75の付いた排熱供給口74が設けられ、前記エンジン駆動源31とは異なるガスタービン排気などの排温風その他の外部熱源76を導入する。
【0018】
前記蒸発器16における吸湿液循環管路44の入口側には、ポンプ45が連結され、このポンプ45には、補給水導入部64、吸湿液リザーバタンク22に吸湿液を出入りする吸湿液出入管42のバルブ43、バルブ63、65が連結されている。前記蒸発器16における吸湿液循環管路44の出口側は、前記熱交換器20の内部を通り、ポンプ46を経て各室内機としてのエアコンタクタ11の噴射ノズル47に連結されている。
前記エアコンタクタ11からの入口側に連結された循環管路52は、バルブ65を介して前記ポンプ45等に連結されるとともに、バルブ53を介して熱交換器21を通り、供給管路54とバルブ55に連結されている。この供給管路54は、前記凝縮器14の内部、切り替え弁77を経て再生コンタクタ19の噴射ノズル56に連結されている。前記受液タンク25には、出口管路57が連結され、この出口管路57は、ポンプ58を介して戻し管路59と、バルブ55と循環管路62に連結されている。前記戻し管路59は、バルブ60、切り替え弁77を介して再生コンタクタ19内の噴射ノズル61に連結され、また、前記循環管路62は、前記熱交換器21を通り前記バルブ63に連結されている。
前記駆動源31がモータである場合は、排熱の利用がほとんどないが、駆動源31がガスエンジンその他のエンジンである場合には、排熱管路78を結合し、この排熱管路78をバルブ72を介して外部熱導入部33に結合するとともに、バルブ73を介して外部熱導入部32に結合する。
【0019】
前記室内機としてのエアコンタクタ11は、上下端が開口したコンタクタ筐体34の内部に前記充填材24と同様の充填材35を充填したもので、上端開口部には、吸気と処理済空気69を吐出するためのファン37が取り付けられ、下端開口部には、受液タンク36が設けられているとともに、吸入空気68の吸気口が設けられている。この室内機としてのエアコンタクタ11の側部には、ヒートパイプ熱交換器38が設けられ、このヒートパイプ熱交換器38の蒸発部39が前記吸入空気68の吸気口に臨ませられ、前記ヒートパイプ熱交換器38の凝縮部40が前記処理済空気69の吐出口に臨ませられ、これら蒸発部39と凝縮部40の間をヒートパイプ41で連結している。
この室内機としてのエアコンタクタ11は、必要に応じて複数台11a、11b、…が並列に取り付けられる。
【0020】
以下、本発明の作用を図2、図3、図4に基づきモード別に説明する。
(1)除湿冷房・外気加湿モード(図2)
4方弁13は、右側のバルブに切り替わっており、また、バルブ43、バルブ53、バルブ60、バルブ63、バルブ73は、開放し、バルブ55、バルブ65、バルブ72は、閉鎖している。なお、駆動源31が、モータであるときは、排熱管路78、バルブ72,73は存在しない。
まず、一般的な上記圧縮式ヒートポンプの動作を説明すると、蒸発器16では、冷媒が低圧の状態にあるから、冷媒管路17内の冷媒(例えば、R−22)は、その低圧低温の飽和温度(例えば+10℃)になるまで周りから吸熱して蒸発し、冷凍効果を得る。蒸発した冷媒は、圧縮機12に送られて高圧(例えば20気圧)下におかれることにより、高温(例えば、50℃)の飽和温度になる。この冷媒は、凝縮器14に送られて周囲が高温(例えば、45℃)になるまで放熱凝縮して液化が進む。液化した高圧冷媒は、キャピラリーチューブ、膨張弁等の減圧器15において圧力降下して低圧冷媒となり、蒸発器16へ戻り、冷凍サイクル動作をする。
【0021】
次に、吸湿液リザーバタンク22からバルブ43を介して供給された吸湿性液体は、ポンプ45により蒸発器16に送られ、入力時に34.2℃であった吸湿性液体が吸熱され、出力時の点aでは27℃となり、7.18Kだけ冷却される。この蒸発器16では、熱の汲み上げ温度差が20.9度という低い温度差で動作するので極めて効率がよい。ちなみに、一般的な空調機では、40度以上の汲み上げ温度差を必要とする。以下、一つの実施例としてヒートポンプ圧縮機駆動動力3.7kw機を想定する。
蒸発器16から熱交換器20へ送られるが、この熱交換器20では、駆動源31がエンジンであった場合であっても、バルブ72が閉鎖しているので、熱交換することなく、点bでも27℃(流量42.0L/min)である。この27℃の吸湿性液体は、ポンプ46によって、各エアコンタクタ11(11a、11b、…)に送られる。これらのエアコンタクタ11では、吸湿性液体が噴射ノズル47でコンタクタ筐体34内の充填材35に噴射し、ファン37の吸引により蒸発部39を通って入ってきた吸入空気68を冷却する。この冷却された処理済空気69は、凝縮部40を経て吐出して室内を冷房する。受液タンク36内に貯まった吸湿性液体は、出口管路48からその一部をポンプ51により戻し管路49へ循環し、噴射ノズル50で噴霧して同様に吸入空気68を冷却して処理済空気69を吐出する。このようにして例えば、34.3℃(吸気風量1500m/h、絶対湿度19.40g/kg)の吸入空気68は、エアコンタクタ11aのように、ヒートパイプ熱交換器38がない場合、30.0℃(処理後風量1430m/h、絶対湿度6.40g/kg)の除湿処理済空気69として吐出される。
エアコンタクタ11bのように、ヒートパイプ熱交換器38が取り付けられている場合、蒸発部39からヒートパイプ41を経て凝縮部40に顕熱移動することにより、効率改善と過冷却改善を行なわれ、32.2℃の処理済空気69として吐出される。
【0022】
各室内機としてのエアコンタクタ11から室外機10の循環管路52に戻された吸湿性液体は、点cで32.2℃(流量42.4L/min)となり、バルブ53、熱交換器21を通り、逆方向の吸湿性液体と熱交換して点dで36.8℃となり、供給管路54を介して凝縮器14に送られる。この凝縮器14では、冷媒の放熱により加熱され、点eで43.9℃となり7.12度だけ加熱され、切り替え弁77を介して噴射ノズル56(又は点eの温度がgより低い時は切り替え弁77で噴射ノズル61に切り換えて)で再生コンタクタ19内の充填材24に噴射し、この噴射した吸湿性液体は、ファン26の吸引により、吸気予熱用熱交換器29、通風路27、底部28を経て入ってきた再生用空気66(吸気温度34.3℃、吸気風量2004m/h、絶対湿度19.40g/kg)によって冷却される。受液タンク25内に溜まった吸湿性液体は、出口管路57からその一部をポンプ58により戻し管路59へ循環し、噴射ノズル61(又は点gの温度がeより高い時は切り替え弁77で噴射ノズル56に切り換えて)で噴霧して同様に再生用空気66によって冷却される。受液タンク25から吐出した吸湿性液体の点fでの温度は、38.8℃に下降する。また、ポンプ58で吐出した点fでの量が57.0L/minとすると、戻し管路59には15.0L/minを循環し、循環管路62には42.0L/minを送る。
ここで、駆動源31がエンジンである場合、エンジン効率25%程度と考えられるが、60.0℃、7.4kwの排熱を排熱管路78、バルブ73を介して外部熱導入部32へ投入することにより、出温度は、43.8℃となり、総合効率75%が期待できる。
駆動源31がモータであって、3.7kw駆動、95%モータ効率とすると、モータの消費電力である場合、3.7kw/95%≒3.9kwの消費電力となる。また、点cにおける吸収全熱量17.5kw、温度上昇5.2度とすると、駆動源31における消費電力基準COP=17.5/3.9≒4.5となる。ただし、駆動源31がモータである場合、外部熱導入部32から外部熱が導入されない。
外部熱源76として駆動源31と関係ないガスタービン排気など排気温度150℃の排熱が質量流量0.6kg/secで導入されるようにすることもできる。
【0023】
このようにして例えば、名古屋市内、夏季日中標準外気条件として、34.3℃(吸気風量2004m/h、絶対湿度19.40g/kg)の再生用空気66は、37.3℃(吸気風量2076m/h、絶対湿度36.76g/kg)の高温多湿の排気67として排気される。
このとき、熱交換器29にて、導入された再生用空気66と、再生コンタクタ19内で処理された排気67とで吸気予熱用熱交換して顕熱回収を行なう。
前記ポンプ58による点fでの吸湿性液体の吐出量57.0L/minのうち、循環管路62には42.0L/minを送り、点hで38.8℃の吸湿性液体が熱交換器21を通り、逆方向の吸湿性液体と熱交換して点iで34.2℃となり、吸湿液循環管路44に戻される。
なお、夏季の冷房を必要とする時季であって、明け方や夜間などの熱が余剰になる時間帯には、バルブ43から吸湿液出入管42を通して吸湿液リザーバタンク22に吸湿性液体を貯め込み、飽和に近いところまでに濃度を上げておき、日中に処理側へ投入する。
以上の動作を繰り返して、除湿冷房・外気加湿が行なわれる。
【0024】
(2)加湿暖房・補給水ありモード(図3)
4方弁13は、左側のバルブに切り替わっており、また、バルブ43、バルブ55、バルブ65、バルブ73は、開放し、バルブ53、バルブ60、バルブ63、バルブ72は、閉鎖している。なお、駆動源31が、モータであるときは、排熱管路78、バルブ72,73は設けない。
したがって、このモードでは、蒸発器16と再生コンタクタ19側の吸湿性液体の循環路と、凝縮器14とエアコンタクタ11側の吸湿性液体の循環路とは、それぞれ分離独立している。
まず、一般的な上記圧縮式ヒートポンプの動作を説明すると、蒸発器16では、冷媒が低圧の状態にあるから、冷媒管路17内の冷媒(例えば、R−22)は、その低圧低温の飽和温度(例えば−15℃)になるまで周りから吸熱して蒸発し、冷凍効果を得る。蒸発した冷媒は、圧縮機12に送られて高圧(例えば16気圧)下におかれることにより、高温(例えば、35℃)の飽和温度になる。この冷媒は、凝縮器14に送られて周囲が高温(例えば、30℃)になるまで放熱凝縮して液化が進む。液化した高圧冷媒は、減圧器15において圧力降下して低圧冷媒となり、蒸発器16へ戻る。
【0025】
次に、凝縮器14とエアコンタクタ11側の吸湿性液体の循環路において、吸湿液循環管路44の吸湿性液体は、ポンプ45により凝縮器14に送られる。この凝縮器14では、入力時に19.8℃(59.4L/min)であった吸湿性液体が加熱され、外部から約0.6L/minの補給水を得て、出力時の点aでは27℃(60.0L/min)に上昇する。吸湿性液体は希釈加熱され、その吸湿能力は低下し、加湿能力が増加する。この25℃の低吸湿性液体は、ポンプ46によって、熱交換器20、点bを経て各エアコンタクタ11(11a、11b、…)に送られる。なお、駆動源31がエンジンである場合、排熱がバルブ72を介して外部熱導入部33から熱交換器20に導入されて、熱交換する。しかし、駆動源31がモータである場合、排熱がほとんどないので排熱管路78自体がなく、熱交換器20では、熱交換することがない。
これらのエアコンタクタ11では、噴射ノズル47でコンタクタ筐体34内の充填材35に噴射し、ファン37の吸引により蒸発部39を通って入ってきた吸入空気68を加熱して処理済空気69を吐出して室内を暖房する。受液タンク36内に貯まった吸湿性液体は、出口管路48からその一部をポンプ51により戻し管路49へ循環し、噴射ノズル50で噴霧して同様に吸入空気68を冷却して加湿処理済空気69を吐出する。このようにして例えば、15℃(2551m/h)の吸入空気68は、25℃(3000m/h)の処理済空気69として吐出される。
このとき、ヒートパイプ熱交換器38の蒸発部39からヒートパイプ41を経て凝縮部40に顕熱移動することにより、効率改善を行なう。
【0026】
各エアコンタクタ11から室外機10の循環管路52に戻された吸湿性液体は、僅かに濃縮され、点cで19.8℃(59.4L/min)となり、バルブ65を経て吸湿液循環管路44に戻され、以下、循環を繰り返す。再生コンタクタ19側のエアコンタクタ11側とは、それぞれ分離独立しており、再生コンタクタ19側で吸湿されないので、補給水導入部64からは、各室内機としてのエアコンタクタ11の受液タンク36における水位を見ながら、36.5L/h程度の水を補給する。
【0027】
次に、蒸発器16と再生コンタクタ19側の吸湿性液体の循環路において、蒸発器16への入力時に13.0℃(59.4L/min)であった吸湿性液体は、蒸発器16での冷媒の吸熱により冷却され、点eで7.3℃に降下し、切り替え弁77を経て再生コンタクタ19内で噴射ノズル56から充填材24に噴射する。駆動源31がエンジンである場合、排熱管路78にバルブ73が設けられているが、このバルブ73は閉じており、排熱が外部熱導入部32に送られてくることはない。
再生コンタクタ19の内部で熱交換して受液タンク25内に溜まった吸湿性液体は、出口管路57からポンプ58により供給管路54へ循環する。このとき、点fでの13.0℃(59.4L/min)の吸湿性液体は、バルブ60が閉鎖しているので戻し管路59を循環することはなく、すべて再び供給管路54を経て噴射ノズル56へ送られる。
なお、外気温度が10℃などの低温であるときは、ファン26も停止し、再生コンタクタ19内への吸気を停止するようにしてもよい。
このようにして例えば、エンジン31などの外部熱が低吸湿性液体に熱交換されて蒸発器16で有効に利用される。
以上の動作を繰り返して、加湿暖房が行なわれる。
【0028】
(3)加湿暖房・外気吸湿・補給水なしモード(図4)
4方弁13は、左側のバルブに切り替わっており、また、バルブ43、バルブ53、バルブ60、バルブ63、バルブ72は、開放し、バルブ55、バルブ65、バルブ73は、閉鎖している。なお、駆動源31が、モータであるときは、排熱管路78、バルブ72,73は設けない。
したがって、このモードでは、蒸発器16と再生コンタクタ19側の吸湿性液体の循環路と、凝縮器14と室内機としてのエアコンタクタ11側の吸湿性液体の循環路とは、互いに連通して一つの循環路を形成している。
まず、一般的な上記圧縮式ヒートポンプの動作を説明すると、蒸発器16では、冷媒が低圧の状態にあるから、冷媒管路17内の冷媒(例えば、R−22)は、その低圧低温の飽和温度(例えば−15℃)になるまで周りから吸熱して蒸発し、冷凍効果を得る。蒸発した冷媒は、圧縮機12に送られて高圧(例えば16気圧)下におかれることにより、高温(例えば、35℃)の飽和温度になる。この冷媒は、凝縮器14に送られて周囲が高温(例えば、30℃)になるまで放熱凝縮して液化が進む。液化した高圧冷媒は、減圧器15において圧力降下して低圧冷媒となり、蒸発器16へ戻る。
【0029】
次に、熱交換器20に入力する直前の低吸湿性液体が20℃あったものとすると、この吸湿性液体は、ポンプ45により凝縮器14に送られて加熱された後、出力時の点aでは25℃(60.0L/min)に上昇する。さらに熱交換器20へ送られ、エンジン31からバルブ72を経て4方弁13に送られてきた外部熱により加熱され、出力時の点bでは27℃(60.0L/min)に上昇する。この27℃の低吸湿性液体は、ポンプ46によって、各エアコンタクタ11a、11b、…に送られる。これらのエアコンタクタ11では、噴射ノズル47でコンタクタ筐体34内の充填材35に噴射し、ファン37の吸引により蒸発部39を通って入ってきた吸入空気68を加湿・加熱して処理済空気69を吐出して室内を暖房する。受液タンク36内に貯まった低吸湿性液体は、出口管路48からその一部をポンプ51により戻し管路49へ循環し、噴射ノズル50で噴霧して同様に吸入空気68を加湿・加熱して処理済空気69を吐出する。このようにして例えば、15℃(1152m/h)の吸入空気68は、25℃(1200m/h)の処理済空気69として吐出される。
このとき、ヒートパイプ熱交換器38の蒸発部39からヒートパイプ41を経て凝縮部40に顕熱移動することにより、効率改善を行なう。
【0030】
次に、各エアコンタクタ11から室外機10の循環管路52に戻された吸湿性液体は、点cで20℃(59.4L/min)となり、バルブ53を経て熱交換器21内で逆方向からの吸湿性液体と熱交換して、点dで8℃(59.4L/min)となり、供給管路54を経て蒸発器16の吸熱作用によりさらに点eで3℃(59.4L/min)に降下する。この吸湿性液体は、切り替え弁77を介して再生コンタクタ19におけるコンタクタ筐体23内の噴射ノズル56から充填材24に噴射する。すると、ファン26により吸入された10℃(1900m/h)の再生用空気66と熱交換する。熱交換した再生用空気66は、コンタクタ筐体23内から交換機29を経て−5℃(1812m/h)となって排気される。
【0031】
受液タンク25内に貯まった吸湿性液体は、出口管路57からポンプ58により一部(約15L/min)を戻し管路59へ戻し、バルブ60から噴射ノズル61で噴射する。
吸湿性液体は、外気から吸湿しつつ、−3℃(60.0L/min)まで加熱され、出口管路57に出力しポンプ58で点fから点hを経て熱交換器21へ送られ、ここで、逆方向の吸湿性液体と熱交換し、点iで20℃(60.0L/min)まで加熱されてもとの吸湿液循環管路44へ戻る。
このようにして例えば、駆動源31がエンジンである場合、その排熱などの外部熱が熱交換器20にて吸湿性液体に熱交換されて有効に利用され、かつ、以上の動作を繰り返して、加湿暖房が行なわれる。
なお、吸湿性液体は、再生コンタクタ19にて外気から吸湿するので、補給水導入部64から水を補給することはしない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明による空調機は、工場用、病院用、列車用、ビル用などの大型の空調システムとしてはもちろんのこと、小型・軽量化が可能であり、民生用、家庭用、車両用などとしても利用できる。特に、ガスエンジンの排熱を利用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による空調機の一実施例を示す配管図である。
【図2】本発明による空調機を除湿冷房・外気加湿モードとしたときの配管図である。
【図3】本発明による空調機を加湿冷房・補給水ありモードとしたときの配管図である。
【図4】本発明による空調機を加湿冷房・外気吸湿・補給水なしモードとしたときの配管図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記蒸発器16と凝縮器14の少なくともいずれか一方に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記吸湿性液体と外気とを接触して外気と熱交換するコンタクタを設けたことを特徴とする空調機。
【請求項2】
蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記蒸発器16に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を介して前記蒸発器16での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、前記凝縮器14に、吸湿性液体を循環する供給管路54を介して前記吸湿性液体を噴射して外気と接触し、熱交換するとともに、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタ19を設け、前記室内機としてのエアコンタクタ11における受液タンク36と前記供給管路54の凝縮器14における入力側とを熱交換器21を介在して連結し、前記室外機用再生コンタクタ19における受液タンク25と前記吸湿液循環管路44の蒸発器16における入力側とを前記熱交換器21を介して連結したことを特徴とする空調機。
【請求項3】
蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記凝縮器14に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を設け、この吸湿液循環管路44の途中に、前記凝縮器14での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、この室内機としてのエアコンタクタ11の出力側を前記凝縮器14の入力側に連結し、かつ、この吸湿液循環管路44の途中に、外部からの補給水導入部64を設け、前記蒸発器16に、吸湿性液体を循環する供給管路54を設け、この供給管路54の途中に、前記吸湿性液体を噴射して熱交換する室外機用再生コンタクタ19を設け、この再生コンタクタ19に、排熱を導入して噴射した前記吸湿性液体と熱交換する外部熱管路70を設け、この再生コンタクタ19における受液タンク25を前記蒸発器16の入力側の供給管路54に連結したことを特徴とする空調機。
【請求項4】
蒸発器16、圧縮機12、凝縮器14、減圧器15を冷媒管路17で連結したヒートポンプからなる室外機10と、この室外機10の熱エネルギーを外気と熱交換して処理済み空気を出力する室内機とを有する空調機において、前記凝縮器14に、吸湿性液体を循環する吸湿液循環管路44を設け、この吸湿液循環管路44の途中に、前記凝縮器14での熱交換後の吸湿性液体を噴射して外気と熱交換する室内機としてのエアコンタクタ11を設け、前記蒸発器16に、吸湿性液体を循環する供給管路54を設け、この供給管路54の途中に、前記吸湿性液体を噴射して外気と接触し、外気から吸湿する室外機用再生コンタクタ19を設け、前記室内機としてのエアコンタクタ11における受液タンク36と前記供給管路54の蒸発器16における入力側とを熱交換器21を介在して連結し、前記室外機用再生コンタクタ19における受液タンク25と前記凝縮器14の入力側とを前記熱交換器21を介して連結したことを特徴とする空調機。
【請求項5】
室内機としてのエアコンタクタ11に、このエアコンタクタ11の空気吸入側に配置した蒸発部39と、このエアコンタクタ11の空気吐出側に配置した凝縮部40と、これら蒸発部39と凝縮部40を連結する熱交換器38とを設けたことを特徴とする請求項2、3又は4記載の空調機。
【請求項6】
室外機用再生コンタクタ19における再生用空気吸入側と空気排出側に、前記再生コンタクタ19で吸湿処理された外気と前記再生コンタクタ19内に吸入された外気との熱交換をする熱交換器29とを設けたことを特徴とする請求項2、3又は4記載の空調機。
【請求項7】
室外機用再生コンタクタ19は、供給管路54からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル56と、戻し管路59からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル61と、これらの噴射ノズル56及び/又は噴射ノズル61から噴射される吸湿性液体と内部を通過する空気及び/又は外部熱を吸湿性液体に与える熱交換作用のために、吸湿性液体と空気の接触面積を増加させる充填材24と、液化した吸湿性液体を貯留する受液タンク25とからなることを特徴とする請求項2、3又は4記載の空調機。
【請求項8】
室内機としてのエアコンタクタ11は、吸湿液循環管路44からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル47と、戻し管路49からの吸湿性液体を噴射する噴射ノズル50と、これらの噴射ノズル47及び/又は噴射ノズル50から噴射される吸湿性液体と内部を通過する空気との接触面積を増加させる充填材35と、液化した吸湿性液体を貯留する受液タンク36とからなることを特徴とする請求項2、3又は4記載の空調機。
【請求項9】
冷房モード時における蒸発器16又は暖房モード時における凝縮器14に連結された吸湿液循環管路44に、循環する吸湿性液体を貯留する吸湿液リザーバタンク22を設けたことを特徴とする請求項2、3又は4記載の空調機。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2009−145040(P2009−145040A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76201(P2009−76201)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【分割の表示】特願2004−25892(P2004−25892)の分割
【原出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2003年12月15日 日本混相流学会発行の「混相流Vol.17 No.4」に発表
【出願人】(504430008)ダイナエアー株式会社 (6)