説明

空隙充填ダンネージを分配する手動補助されたシステムおよび方法

梱包システム(100)は、電子制御装置(102)と、制御装置(102)と通信する、梱包される一以上の包装物品を有する容器の一以上の特徴を識別する入力装置(104)と、容器の異なる充満の度合いが示されている表示要素を有する表示と、該表示における表示要素と関連して、容器の見積もられた充満の度合いを入力するための、制御装置(102)と通信する手動入力装置(106)とを含む。制御装置(102)は、入力された容器の見積もられた充満の度合いおよび一以上の識別された容器の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給する。それから、制御装置は、容器内に残った空きを満たすために供給されることを必要とするダンネージの量を決定することができる。そして、制御装置は、決定されたダンネージの量を分配するための信号を、ダンネージ分配装置(110)に送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の空隙充填ダンネージの適切な量を分配するための梱包装置、システム、および方法を対象とする。
【0002】
出願人は、米国仮特許出願第61/117,476号(2008年12月24日出願)に基づく優先権を主張する。この開示を参照することによって、この開示は本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
容器内の一以上の対象物を出荷するための梱包する工程において、通常、空隙充填ダンネージ製品が、出荷される容器内において対象物とともに配置される。ダンネージは、出荷する工程の間に対象物の容器の中での移動によって引き起こされ得る損傷を防ぐまたは最小化するため、容器内の対象物の周りの空きスペースを部分的にまたは一杯に満たす。一般的に使用される空隙充填ダンネージ素材は、ピーナッツ状の発泡プラスチック、プラスチックバブルラップ、空気袋、紙ダンネージを含む。
【0004】
典型的には、梱包者は、一以上の対象物が出荷のために収容されている容器の中を見て、容器内に残っている空き(空隙)を満たす(充填する)ために必要とされるダンネージ素材の量を決定する。梱包者はそれから、ダンネージの望ましい量を分配するためのダンネージ分配装置を制御する。ストリップのようなダンネージ製品のために、例えば、多くのベテランの梱包者は、容器内の空隙を充填するために必要なダンネージの長さをどのくらいとするかを、素早く決定することができる。
【0005】
しかしながら、未熟な梱包者にとっては、空き容量を満たすために必要なダンネージのストリップの数および長さを効率的に決定することが非常に困難である。このため、未熟な梱包者は梱包する工程をゆっくり行うことしかできず、決してベテランの梱包者よりも効率的ではない。特に、これは、未熟な梱包者が、より多くまたはより少なくダンネージを分配し、余計な時間およびこの問題を改善する努力に時間を費やす傾向があると共に、ダンネージの長さの無駄遣いの可能性があることを意味する。
【0006】
手動梱包システムにおけるそのような問題を回避するため、十分に自動化されたシステムは、梱包者のための、容器内の空き容量の自動的な計測と、要求されるダンネージの量の自動的な決定とのために開発された。いくつかの場合、これらのシステムは、梱包者の必要性を完全に除去し、そしてまた、自動的にダンネージを容器へ分配する。しかしながら、このように十分に自動化されたシステムの初期費用は、典型的には、梱包者によって手動操作されるシステムよりもかさむ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、様々な容器サイズのための、梱包対象物を構成する、空隙充填ダンネージの適当な量を供給する際の、未熟な梱包者の問題のための安価な解決方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による例示的な方法は、梱包される一以上の対象物によって容器が満たされている、見積もられた相対的な度合い(充満度)を手動で指示する工程を含む。この方法はまた、容器の一以上の特徴を識別し、見積もられた充満度およびこの容器の一以上の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給する工程を含む。
【0009】
未熟な梱包者でさえ、一以上の対象物がその中に収容された出荷のための容器を見て、容器の充満度を見積もることができる。制御装置は、それから、見積もられた充満度および容器の特徴に基づいて、容器内の空隙を充填するために分配されるダンネージの量を決定することができる。空隙充填ダンネージは、典型的には、その目的とする機能が損なわれることなく、僅かに圧縮されることが可能な弾力的な特性を有している。そして、空隙充填ダンネージは、その目的とする機能を十分に果たすために、空きを一杯に満たさなくてもよく、梱包者によって見積もられた充満度は、典型的には、適切なダンネージの量を決定するための制御装置にとって十分なものである。
【0010】
特に、本発明は、梱包容器へ分配されるダンネージの量を制御するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を含む。(i)出荷用の容器内に一以上の包装物品が収容された場合、容器の一以上の特徴を識別する工程。(ii)容器の見積もられた充満度を手動入力する工程。(iii)見積もられた充満度および一以上の識別された容器の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給する工程。
【0011】
本発明は、また、梱包容器へ一以上の対象物とともに分配されるダンネージの量を制御するための装置を提供する。この装置は、梱包容器の一以上の特徴を識別するための容器入力装置、容器の異なる充満度を示す説明図、この説明図に関連して、一以上の包装物品が梱包される梱包容器の、見積もられた充満度を入力するための手動入力装置、および容器入力装置および手動入力装置と通信する制御装置を含む。この制御装置は、入力された見積もられた充満度および入力された容器の識別情報に基づいて、容器へ分配するダンネージの量を決定する。
【0012】
本発明によって提供された梱包システムは、梱包される一以上の対象物による容器の充満度を手動入力するための手段、容器の一以上の特徴を識別するための手段、および、手動入力された充満度および識別された容器の特徴に基づいて、分配されるダンネージの量を示す信号を出力するための手段を含む。
【0013】
本発明は、さらに、容器の側壁の上部エッジに固定されたフラップを有する梱包容器の高さ寸法を決定するための方法を提供する。この方法は、対応する側壁に関連する角度のフラップの位置決め、および、側壁のおおよその高さ寸法を計測するためのセンサービームを側壁に沿って配向する工程を含む。この方法は、さらに、フラップの先端を外側へ移動する工程を含むことができる。
【0014】
本発明はまた、容器の側壁の上部エッジに固定されたフラップを有する梱包容器のおおよその高さ寸法を決定するためのシステムを提供する。このシステムは、(a)容器の垂直な側面が登録され得る登録装置、(b)既知の位置から外側に移動された容器の側壁の上部に設けられたフラップまでの垂直方向の距離を計測するために、センサービームを側壁に沿って配向するための、登録装置に隣接して配置されたセンサ、および(c)計測された垂直方向の距離に基づいて容器の高さを決定するための制御装置を含む。
【0015】
本発明によって提供された他の梱包システムは、この梱包ステーションにおいて容器の重さを計測するためのはかりを有する梱包ステーション、この梱包ステーションにおいてダンネージを容器へ分配する分配装置、および制御装置を含む。この制御装置は、容器の重さと重い容器ほど高い出荷料を含む出荷料表とを比較するためのものであり、低い出荷料の範囲内とするためにはどのくらい少ないダンネージが分配されるべきかを決定し、減らされたダンネージの量を梱包者へ示す信号を出力するためのものである。
【0016】
他の例示的な空隙充填梱包システムは、容器がどのくらい満たされているかの見積もりを指示するための手動入力装置、および、上記見積もりおよび容器の一以上の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージがどれくらいかを示す出力信号を供給する制御装置を含む。
【0017】
本発明の前述の及び他の特徴は、以下に十分に記載され、特に特許請求の範囲において指摘されており、以下の記載および添付された図面は、本発明の実施形態の詳細な説明をいくつか示しており、そのように示されている一方、いくつかの様々な方法は、本発明の精神が適用されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に基づいて提供された梱包システムの略図である。
【図2】図2は、本発明に基づいて提供された第1の例示的な梱包システムの略図である。
【図3】図3は、本発明に基づいて提供された第2の例示的な梱包システムの略図である。
【図4】図4は、図3に示された梱包システムの一部の部分概略斜視図である。
【図5】図5は、図3の梱包システムに用いられた手動入力装置の拡大概略図である。
【図6】図6は、図3の梱包システムに使用された代わりの手動入力装置の拡大図である。
【図7】図7は、本発明に基づいて提供された手動入力装置とともに使用された代わりの説明図の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、未熟な梱包者の問題のための安価な解決方法を提供する。さらに、本発明は、また、様々な容器サイズのための、製品を構成する、空隙充填ダンネージの適当な量を供給することができるシステムを提供する。未熟な梱包者でさえ、分配されるダンネージ製品に関する何の知識もなしに、一以上の対象物がその中に収容された出荷のための容器を見て、容器が満たされている相対的な度合い(充満度)を見積もることができる。一旦、容器の特徴が、いくつかの方法によって、予め定められたまたは検出され、識別され、梱包者が、容器の見積もられた充満度を指示すると、制御装置は、容器内の空隙に分配されて充填されるダンネージの量を決定することができる。容器内の空き容量を自動的に計測する高価なシステムは必要とされない。空隙充填ダンネージは、典型的には、その目的とされた機能が損なわれることなく、僅かに圧縮されることが可能な弾力的な特性を有している。そして、空隙充填ダンネージは、その効果を奏するために空きを一杯に満たさなくてもよく、梱包者によって見積もられた充満度は、典型的には、適切なダンネージの量を決定するための制御装置にとって十分なものである。このシステムは、梱包者が事前に作業を行っていないときでさえ、分配されるダンネージの適切な量を決定することができるように、未熟な梱包者を効率的にアシストすることを可能にする。
【0020】
簡単に説明すると、本発明は、梱包される一以上の対象物による充満度を手動入力するための手段、または、梱包される一以上の対象物による充満度に相当する複数の入力オプションから入力オプションを手動で選択するための手段を含む、梱包システムを提供する。梱包システムは、また、一以上の容器の特徴を識別するための手段と、手動入力された見積もられた充満度、または、選択された入力オプション、および、一以上の識別された容器の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給するための手段とを含む。別の言い方をすれば、この空隙充填梱包システムは、容器がどのくらい満たされているかの見積もりを指示するための手動入力装置、および上記見積もりおよび一以上の容器の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージがどのくらいかを示す出力信号を供給する制御装置を含む。
【0021】
ここで、図面、はじめに図1を参照されたい。本発明が提供する梱包システム100は、制御装置102、容器の一以上の特徴を識別するための、制御装置102と通信する入力装置104、および梱包される一以上の対象物による容器の充満度の見積もりを入力するための、制御装置102と通信する手動入力装置106を含む。充満度は、ほぼ空の状態、半分満たされた状態、ほぼ一杯に満たされた状態のように、容器がどれくらい満たされているかを見積もりまたは概算するものである。同等の代わりに、この充満度としては、容器内に残っている空き容量がどれくらいか、または、どのくらいダンネージが必要とされているかの見積もり、すなわち、相対的な空の度合い(図5および6を比較;どちらも同じ結果となる)が採用され得る。制御装置102は、指示された容器の充満度の見積もりおよび識別された容器の一以上の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給する。
【0022】
容器の特徴は、例えば、一以上の容器の識別情報、容器のサイズ、形状、および/または一以上の寸法を含み得る。この容器の識別情報は、例えば、バーコード、名称、番号、色、RFID(radio frequency identification)、または、その他の特徴を含み得る。または、何らかの他の装置または方法が、容器、および/または、その満たされていないまたは空の容量を識別するために、制御装置によって使用され得る。
【0023】
容器の特徴情報および梱包される対象物によって満たされている容器の見積もられた充満度から、制御装置102は、容器内の空隙を充填するために分配される必要なダンネージの量を決定することができる。これは、多様な方法によって成し遂げられ得る。例えば、一旦容器が識別されると、制御装置102は容器が空の状態のときの空き容量を決定することができる。そして、それから、梱包者による相対的な充満の見積もりを使用して、ダンネージによって満たされることが必要とされる、決定された空の状態の容器の空き容量の残りがどれくらいかを算出することができる。ダンネージによって満たされる概算量が知られている場合、この制御装置102は、空隙を充填するための適切なダンネージの量を算出することもできる。この制御装置は空き容量を算出することができる一方、一以上の参照テーブルの情報を参照することができる。それぞれの容器、例えば、容器サイズA,B,およびCのそれぞれに対し、この参照テーブルには、見積もられた容器の充満のために分配されるダンネージの適切な量が含まれていてもよい。もしこのシステム100において使用される容器のサイズが1つだけの場合、容器の特徴は、予め定めておくこともでき、メモリに入力および蓄積しておくこともできる。
【0024】
一旦制御装置102において分配に必要なダンネージの量が決定されると、この制御装置は決定されたダンネージの量を分配するための信号をダンネージ分配装置110へ送信することができる。代わりに、この制御装置は、分配するダンネージがどのくらいかを梱包者へ通知し、梱包者が分配装置を制御できるようにするための信号を出力することもできる。例えば、この制御装置は、分配するダンネージの特定の量または長さを、梱包者へ知らせてもよい。
【0025】
この制御装置102はダンネージ分配装置110に組み込まれ得る、または、ダンネージ分配装置110と関連して遠隔配置され得る。そして、この制御装置102は、分配装置110を遠隔制御するか、分配されるダンネージの量を分配装置110に組み込まれた他の制御装置に対して通知することができる。なお、一の制御装置は、このシステムにおいて複数の分配装置を制御することができる。
【0026】
図2では、本発明に基づいて提供された、第1の例示的な梱包システム200が図示されている。この梱包システム200は、制御装置202、および、それぞれが、制御装置と通信を行い、制御装置202への入力を供給し、または制御装置202からの出力を受信する、(i)容器の特徴入力装置204、(ii)手動入力装置206、(iii)決定されたダンネージの量を分配するためのダンネージ分配装置210を含む。例示的なダンネージ分配装置210は、米国特許第6,676,589号(参照することによって本明細書に組み込まれる)によって開示された変換機のような、シート状の素材216を、より厚く比較的低密度の空隙充填ダンネージ製品220へ変換する空隙充填ダンネージ変換機214である。例示的なシート状の素材の供給装置222は、例えば、変換機214のためのスタンド224上に設けられていることが示されている連続クラフト紙の束、又は、シート状の素材の一以上の山積みのロールを含む。
【0027】
このダンネージ変換機214は、梱包素材を容器232へ分配するため、梱包ステーションに配置される。この梱包ステーションは、テーブルまたはコンベヤのような、容器を支えるための梱包表面を含む。図示された実施形態において、ダンネージ変換機214はコンベヤ230に隣接して配置されている。例示的な容器232は段ボール箱であり、変換機214または決定されたダンネージの量を分配する他のダンネージ分配装置210の後の出荷のために容器を閉じることができるように、典型的には、その形状は、内側に折り畳まれるフラップが一体となった矩形状開口を有する容器(RSC:rectangular slotted container)、または蓋が分離されている靴箱状の容器のいずれかである。
【0028】
制御装置202は、手動入力装置206からの信号および容器入力装置204からの信号に基づいて決定された、容器へ分配するダンネージの量を示す出力信号を供給する。この実施形態の制御装置202は、ダンネージ変換機214のために不可欠であり、分配されるダンネージの量を決定するだけでなく、決定された量のダンネージを生成するための信号を、変換機214の変換のための構成要素へ送信する。制御装置202は、プロセッサ234、およびメモリ236を含む。メモリ236は、分配されるダンネージの量を決定するための、および、決定された量のダンネージを分配するためのダンネージ分配装置210またはその構成要素を決定するために必要なプログラムおよびデータを格納するためのものである。決定されたダンネージの量は、ダンネージストリップの量および長さ、ダンネージの容量、または、分配シューターを開く時間の長さとして示され得る。制御装置202は、容器の特徴の入力、および、見積もられた充満度の入力に基づいて、分配するダンネージの量、及びダンネージの単位量を決定する。ダンネージの単位量は、例えば、長さの関数のように示され得る。
【0029】
容器の特徴は、特徴入力装置204を介して入力される。この特徴入力装置204は、バーコードリーダ、容器232の寸法を示すための一以上のセンサ、機械的,光学的,または電磁気のプローブ、コンピュータマウスまたは他のポインティングデバイス、タッチスクリーンディスプレイ、スイッチ、キーパッド、プッシュボタンスイッチ、フットスイッチ、回転ダイヤル、ニーパッドスイッチ、無線遠隔制御装置、無線自動識別(RFID:radio frequency identification)リーダ、スタイラス(stylus)およびスタイラス感応パッド、の少なくとも1つ、または、容器の一以上の特徴を入力および識別するための何らかの他の手段を含む。上記のように、容器入力装置204は、制御装置202が分配されるダンネージの適切な量を決定することを可能にする、容器232、この容器の寸法、そのサイズ、または他の特徴を識別する。
【0030】
容器の特徴は、以下の多くの異なる方法によって入力され得る。梱包者による手動的なまたは自動的な方法、そして、特徴入力装置204を介して入力し、メモリ236に格納されて、予め定めておく方法、または、特徴入力装置204へ提示されるそれぞれの容器について、現行の基準において決定する方法。容器の特徴を入力するための一つの方法は、バーコードの読み取りを含む。制御装置202は、それから、メモリ236に格納された参照テーブルを参照する。この参照テーブルは、容器のために入力された、バーコードによって識別された容器の特徴の入力、および手動選択された容器の見積もられた充満度の入力に基づいて、分配されるダンネージの量を特定することができる。その代わりに、制御装置202は、バーコードまたは他の容器の特徴から、空の状態の容器の空き容量を決定し、それから、梱包者によって与えられた見積もられた充満度に基づいて、空きがどれくらい残っているのかを決定することもできる。もしこのシステム200が使用する容器のサイズが1つだけの場合、空の容器232の容量は、1回で入力され、予め定めておくことができる。この場合、空の容量は、制御装置のメモリ236へ格納され、必要とされたときに制御装置202によって呼び出され得る。分配されるダンネージがどれくらいかを決定するため、制御装置202が必要とする唯一の入力は、容器がどれくらい満たされているかの、梱包者の見積もりである。
【0031】
この実施形態の手動入力装置206は、梱包される一以上の製品によって容器が満たされている見積もられた充満度、およびこの見積もられた充満度と関連する一以上の表示要素を含む表示238を、選択または入力するための手段を含む。手動入力装置206は、マイクロフォン、位置センサ、コンピュータマウスまたは他のポインティングデバイス、タッチスクリーン、キーパッド、回転ダイヤル、プッシュボタン、スイッチ、フットスイッチ、ニーパッドスイッチ、無線遠隔装置、トグルスライダー、スタイラスおよびスタイラス型の感応パッドの、少なくともいずれか一つ、または、容器の見積もられた充満度を入力するための何らかの他の手段を含むことができる。
【0032】
図示された実施形態において、手動入力装置206は、空の状態と満たされている状態との間に、いくつかの離散的な入力オプションを提供する。典型的には、手動入力装置206は、およそ2つからおよそ5つの、離散的な入力オプションを提供する。しかしながら、いくつかの入力装置は、入力装置の感度によってのみ制限された、無数のオプションを提供することができる。スライダーは、例えば、空の状態と充満している状態との間のオプションの連続状態を提供することができる。そして、梱包者は、容器の充満度を最適に示す位置へ、このスライダーを移動することができる。同じタイプの入力は、タッチスクリーンを介して提供され得る。代わりに、この入力は、スイッチが起動された回数、または、複数のスイッチが提供された場合、特定のスイッチが起動されることによって提供され得る。
【0033】
手動入力装置206および容器の特徴入力装置204は、同一の装置によって実現され得る。それゆえ、梱包者は、最初に容器の識別のために、マイクロフォンへ箱コードを読み取らせ、それから、同じマイクロフォンへ話すことにより、選択された充満度の見積もりを入力する。その場合の制御装置は、話された言葉を識別し、それらを既知の容器および充満度とマッチングを行うための、音声認識ソフトウェアを含むことができる。そのようなシステムは、梱包者に利用可能なオプションを話させることによって、様々なユーザのために、例えば各々のシフトの開始時に修正され得る。
【0034】
実施形態の表示238に示されている例示的な離散的入力オプションは、グラフ表示形式の表示要素260,262,264,266,および270、および、プッシュボタンスイッチまたはタッチスクリーンの指定された領域のような、所望の入力オプションを選択するための対応する手段とともに、空の状態240,25%満たされた状態242,50%満たされた状態244,75%満たされた状態246,および一杯に満たされた状態250を含んでいる。代わりに、入力オプションには、空の状態および一杯に満たされた状態がオプションとして含まれていてもよい。空の状態の容器および一杯に満たされた状態の容器は、おそらく、ダンネージを要求しないからである。空の状態の容器は、おそらくエラーまたは故障状態であり、ダンネージを容器へ分配する前に修正を要求するだろう。一杯に満たされた状態の容器は、典型的には、いくらかのダンネージ素材を容器へ分配することなく、出荷のために通り過ぎることができる。
【0035】
他の代わりの入力オプション一式は、ほぼ空の状態、半分満たされている状態、およびほぼ一杯に満たされている状態の、見積もりを含み得る。これらは、全て、未熟な梱包者が、事前の経験を少しも有していなくとも、ダンネージ素材を出荷のための容器へ供給する際、容器の中を見ることによって識別することができる充満度である。さらに、上記のように、手動入力装置206は、上記のスライダのような、線形の可変レベルインジケータを、空の状態と一杯に満たされている状態との間の設定とともに含むことができる。制御装置202は、それから、分配されるダンネージの量を決定するため、容器の特徴の入力および選択された手動入力を使用し、そして、決定されたダンネージの量を生成するよう、変換機214へ知らせることができる。
【0036】
具体例として、容器が空の状態のときに24,000立方センチメートルの容量を有していると仮定する。もし、梱包者が、容器内の出荷のための対象物が、容器のおよそ70%を占めると見積もった場合、制御装置202は、容器を満たすのに必要なダンネージの量として、7,200立方センチメートルを算出することができる。ダンネージが、長さのセンチメートルあたり、72立方センチメートルの容量を有していることが知られている場合、制御装置は、それから、7,200立方センチメートルの空き容量を満たすために、長さが100センチメートルのダンネージを分配することを決定し、そのことを示す信号を変換機214へ出力することができる。
【0037】
ダンネージ変換機214または他のダンネージ分配装置は、図示されたフットスイッチのような、ダンネージ分配入力装置260をさらに含むことができる。これは、制御装置202によって決定され、分配装置210から分配されたダンネージの量が、容器232内の空隙を充填するのに不十分であると梱包者が決定した場合に、手動で追加のダンネージの量を分配するためのものである。手動のダンネージ分配入力装置260は、分離された装置でなくともよいが、手動入力装置206および容器の特徴入力装置204の一方または双方のように使用される同じ装置とすることもできる。
【0038】
梱包容器へ分配されるダンネージの量を制御するための例示的な方法は、以下の工程を含む。(i)入力オプションが、梱包される一以上の製品による容器の充満度の見積もりを示す場合に、複数の離散的入力オプションから一つの入力オプションを手動選択する工程、(ii)容器の一以上の特徴を識別する工程、および(iii)選択された入力オプションおよび容器の一以上の特徴に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を示す出力信号を供給する工程。当該供給する工程は、決定されたダンネージの量を分配するために、素材からダンネージ製品へ変換するため、ダンネージ変換機またはその構成要素への出力信号の送信を含むことができる。
【0039】
上記選択する工程は、例えば、以下のうちの少なくともいずれか一つによって手動的に実行され得る。マイクロフォンへの話しかけ,ボタンの押下,トグルスイッチまたは回転ダイヤルの移動,キーパッドのタイピング,フットスイッチまたはニースイッチの押下,タッチスクリーンディスプレイの接触,スライダースイッチの移動,およびコンピュータマウスのクリック。タッチスクリーンディスプレイの接触は、離散的なオプションを選択するための、タッチスクリーンディスプレイの一以上の領域の接触を含むことができ、オプションの線形の範囲からの選択を含んでいる。同様に、上記識別する工程は、例えば、以下を含むことができる。バーコードの読み取り,RFID(reading a radio frequency identification)タグの読み取り,マイクロフォンへの話しかけ,寸法の検出,ボタンの押下,トグルスイッチまたは回転ダイヤルの移動,キーパッドのタイピング,フットスイッチまたはニースイッチの押下,およびコンピュータマウスのクリック。
【0040】
上記選択する工程は、2つから5つの離散的な入力オプションからの選択、または、入力オプションの線形に連続的な範囲からの入力オプションの選択を含むことができる。この選択する工程は、空の状態,25%満たされた状態,50%満たされた状態,75%満たされた状態,および一杯に満たされた状態を含む、離散的な入力オプションからの選択を含むことができる。代わりに、選択する工程は、ほとんど空の状態,半分満たされた状態,およびほとんど一杯に満たされた状態を含む、離散的な入力オプションからの選択を含むことができる。これらの例示は、全て網羅することを意味するものではなく、容器の充満度の決定の後に、未熟な梱包者が適切なダンネージの量を分配することを助けるため、他の装置および方法が考慮される。
【0041】
本発明によって提供されたシステム300の第2の例示的な実施形態は、図3〜5に示される。この代わりのシステム300は、これまでの実施形態と類似しているが、見積もられた充満度を梱包者が指示するための装置のタイプ、および、容器の特徴を入力するための特有の手段、具体的には、容器232の寸法を計測するための手段が異なる。上記で説明されたシステム200と同様に、このシステム300は、手動入力装置306および容器の特徴を決定するための手段と同様に、梱包ステーションに置かれたダンネージ分配装置210と通信するまたは組み込まれた、制御装置202を含む。梱包ステーションは、箱または他の容器232(特に、容器の開かれた側部を閉じるために内側へ折り畳まれる一以上のフラップが一体化されたRSC)を支持するためのコンベヤ230を含む。
【0042】
これまでの実施形態とは異なり、このシステム300の手動入力装置306は、見積もられた容器の充満度のためのいくつかの離散的入力オプションではなくて、連続的な範囲の入力オプションを提供する。さらに、一以上の容器の特徴を決定するための手段は、容器の長さ、幅、および高さ寸法を決定するための、複数のセンサを含む。このシステム300は、これまでに説明したシステム200と共通する、多くの同じような特徴を有するので、この共通する特徴は、共通する参照番号によって示される。システム300の説明は、全ての共通する構造要素の説明の繰り返しよりも、その動作に焦点をあてる。
【0043】
このシステム300において、制御装置202は、梱包者と通信するための一以上の出力を含むか、または該一以上の出力と連動している。例えば、制御装置202は、照明302を点灯するための信号を出力したり、出力をディスプレイ304へ供給したり、または、システム300において容器232の準備ができていることを示す他の信号を送信したりすることができる。それ故に、制御装置202は、照明,ディスプレイ,スピーカ等の出力装置へ接続される。緑色照明の点滅は、例えば、システム300において容器232の準備がされていることを合図することができる。
【0044】
システム300の使用を開始するため、梱包ステーションにおける所定の位置の一つの角を登録することにより、梱包者は容器232を梱包位置へ移動する。この梱包位置は、容器が正確に置かれたことを一以上のセンサーが検出する場所である。この例では、梱包ステーションにおけるコンベヤ230上の位置決めブラケット310は、容器232の角を受けるための内角を形成する。そして、一対の近接センサー312および314は、上記容器232の角を定義する、容器232の隣接する2つの垂直な側部を検出するため、ブラケット310上または近傍に位置されている。
【0045】
図示された例において、位置決めブラケット310は、コンベヤ230に略平行でありコンベヤ230の片側に隣接しているフェンス316、および、フェンス316から垂直方向に延伸する突起318を含む。近接センサー312および314は、それぞれ、容器232の直交する側部を検出するため、フェンス316および突起318に隣接しているブラケットのそれぞれの側に設けられている。特に、ブラケット310のフェンス側316は、コンベヤの一方の側において、概ねコンベヤ230の方向に沿って延伸し、ブラケット310の突起側318は、コンベヤ230の方向に概ね垂直に延伸する。近接センサー312および314が、容器232の対応する側部の両方の位置を検出したとき、制御装置202は、例えば点滅する緑色の照明を安定した緑色の照明を変更することにより、梱包する位置に適切に配置された容器232の角を合図する。
【0046】
既知の位置にあるセンサーは、それから、センサーから容器の直交する側部までの距離を計測する。制御装置202は、容器の長さおよび幅を決定するためのセンサーからの信号を分析する。具体的には、幅センサ322は、配置ブラケット310の位置のフェンス側316から、コンベヤ230を横切って、容器232の隣接する側部に関して、コンベヤ230を横切る垂直方向の距離を計測する。この計測値から、制御装置202は容器の幅を決定することができる。そして、ブラケット310の突起側318からコンベヤ230に沿って間隔が空けられている長さセンサー324は、ブラケット310のフェンス側316に平行に、容器232の隣接する壁部までの距離を計測する。この計測値から、制御装置202は容器の長さを決定することができる。
【0047】
容器232のおおよその高さを計測するため、梱包者は、側壁部の上部エッジに接続されているフラップ328を、側壁部に対してある角度に位置づける。これは、例えば、梱包者に最も近いフラップ328を折り曲げ、フラップ328が略水平な向きとなるようにその終端部を外側に移動することによって行われる。高さセンサー330は、垂直方向距離を計測するため、センサービームを、側壁部に沿ってフラップ328へ向かって、そして、位置決めブラケット310のフェンス側316および側壁部に沿って、方向づける。制御装置202は、この寸法に基づいて、容器232のおおよその高さを決定することができる。制御装置202は、計測する工程が完了したとき、例えば、他の照明を点灯する、スピーカから音を出力する等により、合図することができる。
【0048】
制御装置202は、決定された寸法を直接使用するか、または、メモリ内に格納されたテーブルと、一以上の決定された寸法との比較を行うことができる。これは、事実上の寸法および/または空の状態の容器の容量を決定したり、場合によっては確認するためである。例えば、制御装置202は、おおよその高さとメモリに記憶されている各々の高さの値とを比較し、計測されたおおよその高さに最も近い事実上の高さを選択することができる。容器232の計測された幅および長さもまた同じであるけれども、それらの計測は、たいてい、より正確である。なぜならば、それらの計測は、移動可能なフラップではなくて、固定された表面から得られるからである。
【0049】
フラップ328の移動により、センサーがフラップの距離を計測するとき、それが完全に水平にはならないかもしれない。もしフラップが水平では無い場合、計測されたおおよその高さは、事実上の容器の高さよりも低くまたは高くなる。ほとんどの場合、ダンネージの圧縮性/膨張性のため、正確な寸法は必要ではない。
【0050】
そこで、本発明は、また、容器の側壁部の上部エッジに固定されたフラップ328を有する梱包容器232のおおよその高さ寸法を決定するためのシステム300を提供する。このシステム300は、(a)例えば、前述のブラケット310のような、容器の垂直な側面が登録され得る登録装置、(b)既知の位置から、容器の側壁部の上部エッジに接続され外側に移動されたフラップ328までの、垂直方向の距離を計測するために、センサービームを側壁部に沿って方向付けるための、登録装置に隣接して配置されたセンサー330、および(c)計測された垂直方向の距離に基づいて、容器の高さを決定するための制御装置202を含む。
【0051】
従って、本発明は、また、容器の側壁部の上部エッジに固定されたフラップ328を有する梱包容器232の高さ寸法を決定するための、方法を提供する。この方法は、対応する側壁部に対してある角度へフラップを位置づける工程、および側壁部のおおよその高さ寸法を計測するために、センサービームを側壁部に沿って方向付ける工程を含む。センサービームは、既知の位置から、容器の側壁部へ隣接し外側へ移動されたフラップ328までの、垂直方向の距離を計測する。そして、制御装置202は、それから、計測された距離に基づいて、容器232の高さを決定することができる。この方法もまた、容器の幅寸法および長さ寸法を計測するため、垂直方向の既知の位置から容器の直交する側部まで、センサービームを方向付ける工程を含むことができる。
【0052】
以上の高さセンサ330、幅センサ322、および長さセンサ324に代えて、容器のサイズは、容器232を識別するまたはそのサイズを指定する、バーコードまたは他の特徴から、および/または、容器サイズまたは空の状態の容器の容量が知られている場合には、メモリ内に格納された参照テーブルから、決定されてもよい。そのようなシステムにおいて、制御装置202は、メモリ236に格納された参照テーブルから、または、メモリに格納された参照テーブルから得た容器の寸法からの容量の算出により、空の状態の容器の容量を決定することができる。
【0053】
先の実施形態と同様に、梱包者は、それから、容器232の中を見て、容器がどれくらい満たされているかを決定する。容器232には、すでに一以上の対象物が収容されているべきである。もし、容器が空の状態のとき、梱包者は、出荷されるべき対象物を容器内に収容することができる梱包エリアへ容器を戻すことができる。もし、容器が一杯に満たされている状態のとき、梱包者は、ダンネージを容器へ加えるための空間が無いと決定してもよい。そして、梱包者は、ダンネージを加えることなく、閉蓋および出荷のため、容器を送り出すことができる。もし、梱包者が、容器が充満している状態であると気付いた場合、梱包者は、計測する工程の完了を待たずに、容器を下流側に送ることができる。その場合、梱包者は、手動入力装置306を介して容器232が充満している状態であると示すことによって、または、梱包ステーションから容器232を取り除くことによって、次の容器のためにシステム300をリセットすることができる。
【0054】
一旦、梱包者が、容器232がどのくらい満たされているかを決定すると、梱包者は、決定された充満度の見積もりを入力することができる。これは、充満度を用いて、どのくらいの容量がダンネージによって満たされる必要があるかを指示することと同等である。計測された容器のサイズまたは空の状態の容器の容量の他の決定事項,既知のダンネージの容量,充満度の見積もりの入力,等から、制御装置202は、容器内の空きを満たすために分配されるダンネージの量を決定することができる。
【0055】
梱包者は、手動入力装置306を介して、見積もられた充満度を手動入力する。手動入力は、口頭による命令、電気的信号を発生させるための人が操作する装置、音、接触、ハンドジェスチャー、手の位置または姿勢、等を含む人によって生成された入力を供給するための手段を含む。システム200と同様に、手動入力装置306は、充満度を手動入力するための手段に関連した、表示238を含む。表示238は、容器の充満度を示す範囲のオプションを示している表示要素を含む。この表示要素は、空の状態と一杯に満たされた状態との間の連続的な範囲、またはこの範囲内の離散的なオプションを示すことができる。
【0056】
この表示要素は、梱包者による適切な相対的な分配されるダンネージの量の選択を助けるための視覚的な案内を提供する。例えば、表示要素は、一杯に満たされた状態の容器、空の状態の容器、および/または一以上の部分的に満たされた状態の容器の、視覚的な表示を含むことができる。梱包者は、利用可能な範囲内で最も近く適合する容器の充満を選定することができる。さらに、または代わりに、傾斜した目盛りが、選択され得るダンネージの範囲のために供給され得る。図5に示されている表示238は、例えば、長辺が、選択され得る連続する充満度を示す直角三角形を表示するような表示要素、及び、該三角形の後ろに示されたまたは重ね合わされた、容器が一杯に満たされた状態および容器がほぼ空の状態を表示する表示要素を含んでいる。この表示もまた、例えば、25%満たされた状態,50%満たされた状態,75%満たされた状態,一杯に満たされた状態,等、空の状態の容器の容量に対するパーセンテージのように、数値によっておおよその充満度を示す表示要素を含む。
【0057】
タッチパネルまたはタッチスクリーンディスプレイは、梱包者が見積もりを入力するための1つの方法である。モニタまたは他の接触感応型装置の感応は、要求された充満度の見積もりがどの程度近いかによって、粗くまたは細かくなる。沈みこむまたは圧縮するダンネージ製品は、より少ない弾力性の、またはインターロッキングの、または他のより沈みこみの少ないダンネージ製品のような正確な計測がより必要とされない。
【0058】
接触感応型装置の代わりに、手動入力装置306は、梱包者の手または他のポインティングデバイスのような体を検出するために設けられた充満センサー340を含み、そして、センサー340からのその距離を計測することができる。この距離は、表示238に示された充満度に対応している。図5において、センサー340は、梱包者の手からこのセンサーまでの距離を計測するため、表示238の一方の側に設けられている。表示に示された、それぞれの位置は、見積もられた充満度に対応する。代わりの表示238およびセンサー340は図6に示されており、容器の充満度がおよび60%のときにおいて可能な手の位置がライン342によって示されている。他の代わりの表示は図7に示されている。制御装置202は、計測された距離に基づいて、見積もられたダンネージの量または充満度を決定することができる。制御装置202は、それから、ダンネージ分配装置210を制御するための信号のように、容器のための適切なダンネージの量を示す信号を出力する。
【0059】
一旦、制御装置202が、必要とされたダンネージの量を決定すると、制御装置202は、また、ダンネージを分配する用意ができていることを示す信号を供給することができる。例えば、システム300において容器の準備ができていることを示す照明302の点滅は、容器232が適切に登録され、計測されており、ダンネージの準備ができていることを示す点灯に変更することができる。
【0060】
もし容器がまだ梱包位置にあり、追加のダンネージを容器が必要とすると梱包者が決定した場合、梱包者は別の選択を行うことができ、制御装置はダンネージの他の量を分配するためのダンネージ分配装置210の制御を行うことができる。代わりに、梱包者は、追加のダンネージを容器へ分配するため、上記のフットペダル260(図1)のような他の入力装置を使用して、手作業でダンネージ分配装置210を制御することができる。たいていのダンネージ製品はいくらかの弾力性を有するので、ダンネージの非効率的な使用ではあるが容器を少し超過して満たしたとしても容器を閉じてそれをその目的地へ出荷する能力には影響はない。
【0061】
容器232が梱包位置から除かれ、近接センサー312および314によって検出されたとき、システム300はリセットし、制御装置202は、例えば、再び照明302を点滅させることによって、他の容器の準備を合図することができる。
【0062】
このように、システム300は、一以上の対象物が収容された梱包容器へ分配されるダンネージの量を制御するための装置を含み、梱包容器の一以上の特徴を識別するための容器入力装置204、容器の異なる充満度の表示238、上記表示に関連して、梱包されるべき一以上の梱包物品を有する梱包容器の、見積もられた充満度を入力するための手動入力装置206、および、容器入力装置204および手動入力装置206と通信する制御装置202であって、見積もられた充満度の入力および識別された容器の入力に基づいて、容器へ分配するダンネージの量を決定する制御装置202を含んでいる。表示238は、少なくとも2つの入力オプションを示す表示要素、および空の状態と充満した状態との間の入力オプションの実質的に連続的した範囲を示す表示要素を含む。
【0063】
これに応じて、このシステム300で使用される、梱包容器へ分配されるダンネージの量の制御する方法は、以下の工程を含む。(i)梱包のための一以上の包装物品が容器内に置かれている場合に、容器の一以上の特徴を識別する工程、(ii)容器の見積もられた充満度を手動入力する工程、および(iii)見積もられた充満度および容器の識別された一以上の特徴に基づいて、容器へ分配するダンネージの量を示す出力信号を供給する工程。
【0064】
梱包ステーションは、また、容器232の重さを計測するための、コンベヤ230と一体となったまたは分離した、はかり350を含むことができる。容器およびその中身の重さ、分配されたダンネージの量、容器の寸法等は、後の検索および/または分析のために、メモリ内に記録および格納され得る。このデータは、一般的なソフトウェアで使用するデータフォーマットのための、例えば、表計算ソフトのための、適切なフォーマットで、格納または出力され得る。
【0065】
制御装置202は、また、見積もられたダンネージの重さを含む容器232の重さと、出荷料の表またはテーブルとを比較することができる。出荷料表においては、出荷重量とも呼ばれる、重量の範囲と関連した各々の料金単位の比率、そして、典型的には、より重い容器ほどより高い出荷料を含んでいる。もし、空きの容量を満たすために必要であると決定された容器へ移されるであろうダンネージの量がより高い出荷料になる場合、制御装置は、輸送量または出荷料を減らすことになるであろう、ダンネージの量の削減案を示す合図をオペレータへ出力することができる。容器へ移されるであろうより多くのダンネージがより高い出荷料になる分岐点は、例えば照明またはディスプレイにより、梱包者へ示され得る。梱包者は、それから、出荷される包装物品の要求に基づき、減らされたダンネージの量または一杯のダンネージの量を分配するかどうか、選択することができる。例えば、より壊れ易い包装物品は、典型的には、一杯のダンネージの量を要求する。
【0066】
要約すると、はかりは、ダンネージが加わる前、ダンネージが加わった後、ダンネージが加わっている間、または、その組み合わせの、それぞれの容器の重さを計測するために使用され得る。計測された重さ、決定された寸法、空き容量に作用する所定のダンネージの量、および重量および対応する出荷料の範囲に基づいて、制御装置は、(i)分配されるダンネージの量および梱包物の総重量に基づく出荷料の結果、および(ii)梱包物の総重量をより減らし、出荷料をより低くするために、減らされた分配されるダンネージの量の両方を決定することができる。梱包物の総重量がより低い出荷料の範囲に含まれる場合、梱包者が、出荷される対象物を保護するために十分になるであろうダンネージを削減するかどうかを判断することができるようにするために、制御装置202は、分配されるダンネージの量を示す出力を梱包者へ提供することができる。それから、梱包者は、減らされたダンネージの量または通常のダンネージの量を生成するかどうかを、提示されたオプションから選択することができる。
【0067】
この中に提供された説明から明らかになように、本発明は、未熟な梱包者が、多くの経験または効果的にするための教育を要求せずに、素早い作業および企業の梱包作業へ寄与することができる、梱包システムを提供する。
【0068】
本発明には特定の実施形態またはいくつかの実施形態について説明および示されているが、本書および添付図面の読解により、同等の変更および修正が他の当業者によって想到されるだろう。特に、上記に記載された要素(構成要素,アッセンブリ,装置,構成,等。)によって実行された様々な機能に関連し、そのような要素を説明するために使用された表現(“手段”の参照を含む)は、たとえ、開示された構成(この中で説明された本発明の例示的な実施形態の機能を実行する)と構成的に同等でないとしても、特に示されていない限り、記載された要素(すなわち、同等の機能)のうちの、特定の機能を実行するいずれかに対応することを目的としている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器がどの程度満たされているのかの見積もりをこのシステムへ指示するための手動入力装置と、
見積もられた充満度、および上記容器の一以上の特徴に基づいて、上記容器へ分配すべきダンネージがどれくらいかを示す出力信号を供給する電子制御装置と
を含む空隙充填梱包システム。
【請求項2】
梱包容器の一以上の特徴を識別する容器入力装置と、
容器についての異なる充満度の表示と、
を含み、
前記手動入力装置は、前記表示と関連して、梱包される一以上の物品を有している梱包容器の、見積もられた充満度を入力するための装置を含み、
前記制御装置は、前記容器入力装置および前記手動入力装置と通信し、入力された上記見積もられた充満度および入力された容器の識別に基づいて、容器へ分配されるダンネージの量を決定する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記手動入力装置からの信号および前記容器入力装置からの信号に基づいて、容器へ分配するダンネージの量を示す出力信号を供給する
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記表示は、
(a)少なくとも2つの入力オプションを示す表示要素、および
(b)空の状態と充満している状態との間の、入力オプション連続的な範囲を示す表示要素
の一つ以上を含む請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器入力装置は、
(a)容器の形状を示すためのセンサ、および、
(b)梱包ステーションにおいて容器の重さを計るためのはかり
の一つ以上を含み、
前記制御装置は、より低い出荷料とするためにどのくらい少ないダンネージが分配されるべきかを決定するため、並びに、見積もられた充満度および一以上の容器の特徴に基づいて容器へ分配されるダンネージがどれくらいかを示す出力信号に加えて、削減されたダンネージの量を示す信号を出力するために、容器の重量と出荷料表とを比較する
請求項2から4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記手動入力装置は、
(a)梱包される一以上の製品によって容器が満たされている相対的な度合いを示す複数の入力オプションから、一の離散的な入力オプションを選択するための手段、
(b)容器の相対的な充満の度合いを示すための一以上の位置センサおよび一以上のスイッチ、および
(c)空の状態と一杯に満たされた状態との間の複数の入力オプションと一体となった、可変の充満レベルのインジケータ
の一つ以上を含む
請求項1から5の何れか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記手動入力装置は、
(a)およそ2つからおよそ5つの離散的な入力オプション、
(b)空の状態と一杯に満たされた状態との間の入力オプションの範囲、
(c)実質的に連続する、空の状態と一杯に満たされた状態との間の入力オプションの範囲、および
(d)空の状態,25%満たされた状態,50%満たされた状態,75%満たされた状態,および一杯に満たされた状態を含む入力オプション
の一つ以上を提供する
請求項1から6の何れか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御装置と通信する、指示されたダンネージの量を分配するダンネージ分配装置を含み、
前記ダンネージ分配装置は、
(a)素材をダンネージ製品へ変換する変換機、および
(b)手動でダンネージを分配するためのダンネージ分配入力装置
の一つ以上を含む
請求項1から7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項9】
梱包されるべき一以上の製品によって容器が満たされている相対的な度合いを手動入力するための手段、
容器の一以上の特徴を識別するための手段、および、
手動入力された相対的な充満の度合い、および、識別された容器の特徴に基づいて、分配するダンネージの量を示す信号を出力するための手段
を含む梱包システム。
【請求項10】
梱包容器へ分配されるダンネージの量を制御するための方法であって、
出荷容器内に一以上の包装物品が収容されている容器の一以上の特徴を識別する工程、
容器の見積もられた充満の度合いを手動入力する工程、
および、
見積もられた充満の度合い、および、一以上の識別された容器の特徴に基づいて、容器へ供給するダンネージの量を示す出力信号を供給する工程
を含む方法。
【請求項11】
前記手動入力する工程は、
(a)本体の位置が検知されるように、見積もられた充満の度合いの表示付近に本体を配置する工程、
(b)およそ2つから5つの離散的な入力オプションから選択する工程、
(c)空の状態,25%満たされた状態,50%満たされた状態,75%満たされた状態,および一杯に満たされた状態を含む離散的な入力オプションから選択する工程、および
(d)ほぼ空の状態,半分満たされた状態,およびほぼ一杯に満たされた状態を含む離散的な入力オプションから選択する工程
の一つ以上を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記識別する工程が、容器の一以上の寸法を検知することを含むこと、
(b)出力信号に基づいて、指示されたダンネージの量を分配する工程、
(c)識別された容器の特徴に基づいて、容器の空の状態の容量を決定する工程、
(d)容器の空の状態の容量および容器の見積もられた充満の相対的な度合いに基づいて、容器の空きの容量を決定する工程、および
(e)ある量のダンネージを手動で分配する工程
の一つ以上を含む
請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記供給する工程は、
(a)指示された量のダンネージを分配するため、前記出力信号をダンネージ分配装置へ送信する工程、および
(b)指示された量のダンネージを分配するため、素材をダンネージ製品へ変換するダンネージ変換機へ、前記出力信号を送信する工程
の一つ以上を含む
請求項10から12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
容器の側壁部の上部エッジに固定されたフラップを有する梱包容器の高さ寸法を決定するための方法であって、
フラップを、対応する側壁部に対してある角度に位置づける工程、および
前記側壁部のおおよその高さ寸法を計測するため、センサービームを前記側壁部に沿って方向付ける工程
を含む方法。
【請求項15】
(a)前記位置づける工程は、前記フラップの終端部を外側に移動させる工程を含み、前記方向付ける工程は、既知の位置から、容器の側壁部に隣接し外側に移動された前記フラップまでの垂直方向の距離を計測する工程、及び、計測された距離に基づいて容器の高さを決定する工程を含み、
(b)容器のフラップを、ほぼ水平な向きへ折り畳む工程、
(c)容器の幅寸法および長さ寸法を計測するため、既知の垂直な位置から容器の直交する側面までセンサービームを方向付ける工程、
(d)決定された高さ,幅,長さの少なくとも一つから、容器の容量を決定する工程、
(e)容器の2つの隣接する垂直な側面の交差位置が容器の角を定義し、そして、上記角を所定の位置に位置決めする工程を含むこと、
(f)上記角が所定の位置にあるとき、容器の隣接する垂直な側面を検出する工程、
(g)容器の角が所定の位置にないとき、信号を出力する工程、
(h)容器の角が所定の位置にあるとき、信号を出力する工程、
(i)前記計測する工程が完了したとき、信号を出力する工程、
(j)容器の相対的な充満の度合いを手動で選択する工程、
(k)選択された相対的な充満の度合いに基づいて空きの容量を決定する工程、
(l)ダンネージの既知の特性に基づいて、空き容量を満たすために分配するダンネージの量を決定する工程、
(m)決定された分配するダンネージの量を示す信号を出力する工程、および、
(n)容器を満たすためにダンネージを分配する工程
の一つ以上を含む
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
容器の側壁部の上部エッジに固定されたフラップを有する梱包容器のおおよその高さ寸法を決定するためのシステムであって、
(a)容器の垂直な側面が登録され得る登録装置、
(b)既知の位置から、容器の側壁部の上部エッジに接続され外側に移動されたフラップまでの垂直方向の距離を計測するために、センサービームを側壁部に沿って方向付けるための、登録装置に隣接して配置されたセンサー、および
(c)計測された垂直方向の距離に基づいて、容器の高さを決定するための制御装置
を含むシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−509820(P2012−509820A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537668(P2011−537668)
【出願日】平成21年11月22日(2009.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/065428
【国際公開番号】WO2010/060000
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(501132701)ランパック コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】