空隙容積を有する乾燥機用バー
所定の空隙容積を有する乾燥機用バー。布地柔軟化組成物を含む乾燥機用バーであって、乾燥機用バーが、組成物の全容積に対して約.33%〜約20%の空隙容積パーセントを含む乾燥機用バー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましい空隙容積を有する乾燥機用バーに関する。
【背景技術】
【0002】
複数回使用できる乾燥機用バーは、乾燥機用シートが典型的に単回使用のために設計されるのに対して、複数回の乾燥機サイクルにわたって乾燥機内に留まり得るので、乾燥機シートの代替物として便利である。米国特許第6,883,723号;同第6,899,281号;及び同第6,910,640号。しかし、このようなバーの製造に関する課題は、消費財市場においてこのような製品を競合的に販売することを可能にする速度、精度、及び/又はコストを有するプロセスを有している。
【0003】
米国特許第7,037,886号を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,883,723号
【特許文献2】米国特許第6,899,281号
【特許文献3】米国特許第6,910,640号
【特許文献4】米国特許第7,037,886号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらバーは、自動衣類乾燥機内で洗濯物を乾燥させるときに洗濯物に付与される布地柔軟化活性物質を含むことが多い。このようなバーを作製する方法は、布地柔軟化活性物質を融解させ、次いで、成形型に注ぐことを含む。しかし、このようなアプローチの問題点としては、バーの「黄変」(例えば、酸化)を挙げることができる。所定の既に記載されている方法からは、脆性を有するか、又は使用中(自動衣類乾燥機内で)割れやすい、バーが生じる。これら問題点のうちの1つ以上が減少させる乾燥機用バーを製造する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの及び他の要求に対処するものである。本発明の第1の態様は、布地柔軟化組成物を含む乾燥機用バーであって、該布地柔軟化組成物が該組成物の全容積に対して約0.33%〜約20%の空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーを提供する。
【0007】
本発明の第2の態様は、単軸押出成形プロセスによって作製される布地柔軟化組成物であって、該組成物が、洗濯物を柔軟化するのに好適な四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む、布地柔軟化組成物を提供する。
【0008】
本発明の第3の態様は、自動洗濯乾燥機内部に乾燥機用バーを設置する工程を含む布地を柔軟化する方法であって、該乾燥機用バーが布地柔軟化組成物を含み、該組成物が四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の第4の態様は、(a)布地柔軟化組成物を含む物品であって、布地柔軟化組成物が、四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む物品と、(b)自動洗濯乾燥機の内表面上への該物品の設置について指示する説明書と、を含むキットを提供する。
【0010】
本発明の第5の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、乾燥機用バーとして使用するのに好適な組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、供給領域の下方の冷却領域、及び冷却領域の下方の加熱/静的混合領域、を含むチャネル付バレルを含み、単軸が、供給領域、冷却領域、及び加熱/静的混合領域のチャネルを通して組成物を搬送することができる、工程とを含む。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を充填する工程と、単軸を回転させて供給領域から冷却領域、次いで加熱/静的混合領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の冷却領域を通って搬送されるときに押出成形機の冷却領域を冷却して組成物を冷却する工程と、組成物が押出成形機の加熱/静的混合領域を通って搬送されるときに組成物を静的混合及び加熱して押出組成物作製する工程と、所望により、押出組成物をダイを用いて型抜組成物を型抜きする工程と、所望により、型抜き組成物をスタンプを用いて圧印して、乾燥機用バーを形成する工程と、を含む。
【0011】
本発明の第6の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、四級アンモニウム化合物を含む組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、及び供給領域の下方の加熱領域を含む、チャネル付バレルを含み、単軸は、加熱領域のチャネルを通って供給領域のチャネルから組成物を搬送することができる。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を供給する工程と、単軸を回転させて供給領域から加熱領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に該組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の加熱領域を通して搬送されるときに組成物を加熱して押出組成物を作製する工程と、所望により、押出組成物を圧印して乾燥機用バーを形成する工程と、を含む。
【0012】
本発明の第7の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、四級アンモニウム化合物を含む組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して該組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、及び供給領域の下方の静的混合領域を含むチャネル付バレルを含み、単軸が、静的混合領域のチャネルを通して供給領域のチャネルから組成物を搬送することができる。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を供給又は充填する工程と、単軸を回転させて供給領域から加熱領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の加熱領域を通って搬送されるときに押出成形機の加熱領域組成物を加熱して押出組成物を作製する工程と、所望により、押出組成物をスタンプを用いて圧印して乾燥機用バーを形成する工程とを含む。
【0013】
本発明の他の態様は、記載される態様の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】望ましくない0.17%の空隙容積を有する2軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品1)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図2】望ましい6.54%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品9)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図3】単軸押出成形機の断面図。
【図4a】大きい方のダイの断面図。
【図4b】小さい方のダイの断面図。
【図5】試験した様々な乾燥機用バーの表であり、空隙容積パーセント、バーの作製方法、及びバーの性能の報告。
【図6a】望ましい6.91%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品6)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図6b】望ましい4.62%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品2)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図6c】望ましい5.72%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品4)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図7a】図1の乾燥機用バーの断面の更に別のマイクロCTスキャン画像。
【図7b】Ecolabから市販されている乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像。バーは、望ましくない0.28%の空隙容積を有する。
【図8】図7bのEcolab製バーの更に別のマイクロCTスキャン画像。
【図9】ピークが表すプラスチックキャリア器材及び外部の周囲空気を含む乾燥機用バー全体のマイクロCTスキャンの3D再構築により得られるボクセル階調レベルの強度ヒストグラムであり、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定。
【発明を実施するための形態】
【0015】
乾燥機用バー組成物
複数回使用できる乾燥機用バーは、布地柔軟化組成物を含んでもよく、布地柔軟化組成物は、次に、1つ以上の布地柔軟化活性物質を含んでもよい。このような活性物質の例は、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号の段落0040〜0047に記載されている。布地柔軟化活性物質の1つの分類としては、カチオン性界面活性剤が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、四級アンモニウム化合物が挙げられる。代表的な四級アンモニウム化合物としては、アルキル化四級アンモニウム化合物、環状又は環式四級アンモニウム化合物、芳香族四級アンモニウム化合物、ジ四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム化合物、アミドアミン四級アンモニウム化合物、エステル四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。布地柔軟化活性物質の1つの非限定的な例は、Evonik Goldschimidt Corp.製のDXP 5522−048(約80重量%のエタンアミニウム、2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル、メチル硫酸(塩)、オクタデカン酸(エステル))を含む)である。DXP 5522−048の残りの20重量%は、Evonik Goldschimidt Corp.の独自仕様である。1つの実施形態では、布地柔軟化活性物質は、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材(hardware)」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約41重量%〜約61重量%、あるいは約43%〜約53重量%、あるいは約49重量%〜約52重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。
【0016】
また、乾燥機用バー組成物は、自動洗濯乾燥機で用いるのに好適であるワックス等の担体成分を含んでもよい。「担体成分」の例としては、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号の段落0063〜0069に記載されているものを挙げることができる。担体成分の1例としては、Lonza Inc.,製のACRAWAX C(N,N’−エチレンビスステアラミド、N,N’−エチレンビスパルミタミド、及び脂肪酸(C14〜C18)の混合物である)が挙げられる。ACRAWAX Cの組成物の重量%は、Lonza,Inc.の独自仕様である。1つの実施形態では、担体成分には、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約38重量%〜約55重量%、あるいは約41%〜約53重量%、あるいは約47重量%〜約52重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。
【0017】
また、乾燥機用バー組成物は、香料を含んでもよい。香料の例としては、米国特許出願公開第2005−0192207 A1号及び米国特許第7,524,809号に記載されているものが挙げられる。1つの実施形態では、香料には、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約0重量%〜約6重量%、あるいは約1%〜約5重量%、あるいは約2重量%〜約4重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。香料の好適な供給元は、Avenilである。1つの選択肢において、乾燥機用バーは、香料を実質的に含まないか、又は含まない。更に別の実施形態では、乾燥機用バー組成物は、洗浄性界面活性剤(例えば、アニオン性洗浄性界面活性剤)を含まないか、本質的に含まない。
【0018】
用語「乾燥機用バー」は、最も広義で用いられる。用語「バー」は、自動衣類乾燥機の動作温度で実質的に固体である布地コンディショニング組成物を含む、任意の固体形態、かけら、平板、くさび、塊等を指す。乾燥機用バーの形状の非限定的な例としては、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号、加国特許第1,021,559号、及び米国特許第3,736,668号の図1a、1b、2c、2b、3a、3b、4a、及び4bに記載のものが挙げられる。
【0019】
用語「複数回使用できる」は、乾燥機用バーを乾燥機内で2回以上のサイクルにわたって使用できることを意味する。非限定的な例としては、2、4、6、8、10、12回、又はそれ以上の回数が挙げられる。1つの実施形態では、製品は、約2ヶ月間、あるいは4ヶ月間、あるいは約1ヶ月間〜約5ヶ月間使用できる。
【0020】
乾燥機用バー組成物を含み、単軸押出成形機によって加工される組成物は、単軸押出成形機で加工するのに好適な物理的形態で提供される。原材料の物理的形態としては、フレーク状、麺状、ペレット状、トローチ状等を挙げることができる。押出成形機でこれら物理的形態を加工するのに好適な従来の設備としては、ベルトフレーカー、ロトフォーマー、プラダー等を挙げることができる。
【0021】
単軸押出成形機
本発明の1つの態様は、乾燥機用バーを作製するための単軸押出成形機の使用を提供する。単軸押出成形機の使用は、2軸押出成形機よりも好ましい。理論に縛られるものではないが、2軸押出成形機は、高い剪断速度で激しく混合するので、空隙又は傷を有しない高度に結晶質である構造を有する乾燥機用バーが生じる。対照的に単軸押出成形機は、低い剪断速度でそれ程激しく混合しないので、幾つかの空隙及び結晶の傷を含む乾燥機用バーが得られる。
【0022】
図1は、2軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。図1のバーは、一般的に、単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーに比べて、より結晶質であり、密度が高く、且つ脆性であると観察される。図2は、単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。図2のバーは、一般的に、2軸押出成形機を用いて作製されたバーよりも多孔質であり且つ脆性が低いと観察される。理論に縛られるものではないが、図2のように空隙を含む乾燥機用バーは、乾燥機内における円運動に対する耐久性が高く、且つ割れたり砕けたりする傾向が弱い。
【0023】
単軸押出成形機の非限定的な例は、米国特許第3,676,034号、同第4,696,575号、同第4,996,575号、同第4,994,223号、同第5,551,777号、同第5,655,835号、同第5,704,555号、同第5,993,186号、同第6,129,873号、及び同第6,705,752号に記載されている。単軸押出成形機の製造業者としては、Bonnot Company,1520 Corporate Woods Parkway,Uniontown,Ohio 44885が挙げられる。
【0024】
図3は、単軸押出成形機(1)の例である。単軸押出成形機(1)は、組成物をチャネル(5)の下方に搬送して、任意の型抜き及び/又は圧印プロセスに好適な押出組成物を作製するのに好適な単軸(7)を収容するチャネル(5)を有するチャネル付バレル(3)を含む。単軸押出成形機(1)は、1、2、又は3つの領域(又はこれらの組み合わせ)を含み得る。例えば、組成物をチャネル(5)に供給するための供給領域(9)が存在する。充填機(10)を用いて、組成物を押出成形機(1)のチャネル(5)に充填することができる。冷却領域(6)のチャネル(5)に収容された組成物を冷却するために、供給領域(5)の下方に冷却領域(6)が存在する。冷却ジャケット(11)を冷却に用いることができる。冷却領域(6)の下流は、チャネル(5)内に収容された組成物を加熱及び/又は静的混合するための加熱/静的混合領域(2)である。単軸(7)がチャネル付バレル(3)のチャネル(5)を通して組成物を搬送するとき、それは、押出成形機(1)の各領域(9、6、2)を通って組成物を搬送する。
【0025】
充填機
押出乾燥機用バー組成物を作製するプロセスにおける工程は、原材料(即ち、乾燥機用バー、あるいは布地柔軟化組成物において使用するのに好適な組成物)を押出成形機の供給領域に供給する(好ましくは、大規模プロセスで充填する)ことを含み得る。充填は、シングル又はダブルパドル充填機を用いることにより行うことができる。1つの具体例では、充填機は、単軸押出成形機の供給領域の入口上方に位置する、長さ約30cmの、2つの共回転スクリューからなる。パイロット規模又はより小さな規模の運転では、単なる供給機(例えば、ホッパー(手動又は自動))を用いてもよい。充填機の毎分回転数(「rpm」)は、単軸押出成形機の単軸と同じ、又はほぼ同じである。理論に縛られるものではないが、充填により原材料の物理的形態の粒径の低下がもたらされ、また、押出成形機を通る一定の組成物の流動を常にもたらすために、押出成形機が十分に満ちていることを保証する。
【0026】
幾つかの実施形態では、単軸押出成形機の供給領域の下流は、冷却領域である。
【0027】
スクリュー
押出成形機の単軸は、供給領域から冷却領域、加熱/静的混合領域を通して押出成形機のチャネルの下方に組成物を搬送して、押出組成物を作製する。単軸のrpmの作動範囲は、運転規模に依存するが、剪断速度は、典型的に、スケールアップしても一定に保たれる。軸の全長/直径比(「L:D」)は、それぞれ約10:1〜約50:1、好ましくは27:1である。軸は、所望により、中空ジャケットを用いることにより加熱又は冷却される。
【0028】
1つの実施形態では、単軸押出成形機の単軸は、20馬力のモータによって動力が供給され、単軸のrpmは約1〜約60、あるいは約30〜約50、あるいはこれらの組み合わせである。
【0029】
冷却領域
原材料を供給領域に充填した後、プロセスにおける次の工程は、組成物が軸によりチャネルの下方に搬送されるときに、押出成形機の冷却領域のチャネル内で組成物を冷却することを含み得る。冷却工程は、小規模の運転では必須でない場合もあるが、大規模では好ましい実施形態であり得る。単軸押出成形機における冷却の例としては、米国特許第5,704,555号が挙げられる。冷却は、チャネル付バレルを取り囲むジャケットにより行われるか、あるいは、バレル内の中空ジャケットによって行われる。冷却水の温度は、典型的に、摂氏5〜30度(「℃」)である。冷却ジャケットの非限定的な例としては、Stearlco Inc.,Milwaukee,WI製の型番S8422−Aが挙げられる。理論に縛られるものではないが、冷却により、壁面スリップを最小化しながら、単軸によってチャネル付バレルのチャネルを通して組成物の固体の塊を前方に搬送することができる。冷却領域には静的混合ピンが存在してもよく、又は冷却領域は、静的混合ピンを含まなくてもよい。
【0030】
所望により、冷却領域の下流は、加熱/静的混合領域である。
【0031】
加熱/静的混合領域
プロセスの別の工程は、単軸押出成形機のチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物が搬送されるときに、静的混合及び/又は加熱することを含む。静的混合工程及び/又は加熱工程は、小規模の運転では必須でない場合もあるが、大規模では好ましい実施形態であり得る。任意の混合装置を用いて、融解温度の均一性及び/又は分配混合を促進することができる。混合装置の例としては、溝付き混合機又は混合ピンが挙げられる。単軸押出成形機における混合ピンの非限定的な例としては、米国特許第4,696,575号、同第4,994,223号、同第6,814,481号、及び同第7,316,500号に記載されているものを挙げることができる。加熱は、押出成形機のチャネル付バレルの外面における電気ヒーターによって行ってもよい。軸の設計及び製品に付与される剪断力の量に依存して、粘性消散及び電気ヒーターから製品を加熱することができる。電気ヒーターの温度は、熱電対でモニタし、理想的には1℃以内に制御する。1つの実施形態では、製品の均一性及び乾燥機の性能を高めるために、四級アンモニウム化合物成分は融解するが、担体成分(例えば、ワックス)は融解しないように温度を制御することが好ましい。温度範囲としては、約50℃〜約80℃を挙げることができ、温度は電気ヒーターの熱電対によって測定する。
【0032】
理論に縛られるものではないが、静的混合工程は、(洗濯物の処理において乾燥機内で)より均一な乾燥機用バー及びより良好な性能をもたらす乾燥機用バーの提供に寄与し得る。
【0033】
押出温度は、(洗濯物の処理において)望ましい乾燥機内(in-dryer)性能を有する乾燥機用バーをもたらす重要な制御レバーである可能性がある。一般的に、理論に縛られるものではないが、押出温度が高くなるにつれて、乾燥機における各サイクル中に、より多くの物質が乾燥機用バーから布地に放出されると考えられる。しかし、押出温度が高すぎると、得られる乾燥機用バーは、一般的に、柔らかく且つ粘着性になるので、加工が困難である。押出温度が低すぎる場合、加工上の問題が生じる(例えば、十分に混合されない等)。加熱領域における押出成形温度の好ましい範囲は、約30℃〜約90℃、あるいは約50℃〜約80℃、あるいは約65℃〜約75℃、あるいはこれらの組み合わせである。温度は、電気ヒーターの熱電対によって測定される。これら条件は、製品の性能及び加工精度の両方に関する要件を満たし得る。
【0034】
移行領域
単軸押出成形機に沿って、冷却、加熱、及び/又は静的混合が行われないもう1つの移行領域が存在してもよい。しかし、移行領域は、存在しなくてもよい。
【0035】
ブレーカープレート
本発明の1つの態様では、プロセスは、ブレーカープレートを含まない。ブレーカープレートの少なくとも1つの機能としては、押出成形機のチャネル付バレルのチャネルに収容されている組成物により高い背圧を及ぼすことを挙げることができる。本発明の1つの実施形態では、プロセスは、一般的に、低い背圧、例えば、2barg以下、あるいは約0〜約2barg、あるいは約0.0001barg〜約1.5barg、あるいは約0.01barg〜約1barg、あるいは約0.1〜0.5barg、あるいはこれらの組み合わせを有する。押出成形機とダイとの間の供給管における圧力計は、この圧力を測定するのに好適な位置にある。
【0036】
ダイ
プロセスの別の工程は、(単軸押出成形機から)押出組成物を型抜きすることを含み得る。ダイは、典型的に、押出成形機の出口に位置する金属板である。ダイの大きさ及び形状は、押出品の望ましい輪郭、例えば、円柱又は直方柱を得るために変化させてもよい。1つの実施形態では、ダイは、図4aの大きな円柱を含んでもよい。別の実施形態では、ダイは、図4bの小さな円柱を含んでもよい。
【0037】
供給管は、押出成形機の末端と、長さ及び直径プロファイルが変化し得るダイプレートとの間で用いて、押出成形機のチャネル内の背圧を最適化し、押出成形機から出る押出組成物の均一な流れを促進することができる。典型的に、ダイプレートの断面積は、チャネルの断面積とは異なり、供給管の直径プロファイルは、搬送又は分岐ノズルに類似していてよい。所望により、最終出口温度を調節するために、供給管にバンドヒーターが任意に設けられる。この機構は、押出組成物の望ましい表面温度を得るために有用である場合がある。
【0038】
1つの実施形態では、ダイを加熱し、次いで、ダイが押出組成物の外表面を加熱し、それによって、圧印工程前に外表面を滑らかにする。ダイの温度は、前の工程中に組成物に付与された熱よりも低くてもよい。
【0039】
別の実施形態では、型抜き組成物を提供する単軸押出成形機の運転速度が、約100kg/時間〜約1,000kg/時間、あるいは約200kg/時間〜約900kg/時間、あるいは約300kg/時間〜約1000kg/時間、あるいはこれらの組み合わせである。
【0040】
圧印
従来の圧印プロセスによって型抜き組成物を好適な乾燥機用バーの形状に型抜きすることができる。組成物は、組成物の温度を上昇させながら(即ち、押出成形/型抜き加工工程から)圧印されることが好ましい。任意の好適な形状を用いることができると思われる。1つの実施形態では、乾燥機用バーの組成物は、プラスチック支持材料上に圧印される。プラスチック支持材料は、例えば、米国特許第6,908,041号(「プレート部材11;「製品支持材料21」等)に記載されている。限定するものではないが、一般的に、プラスチック支持材料を用いると、乾燥機用バーを自動洗濯乾燥機の内面に取り付けるのに役立つ。したがって、1つの実施形態では、組成物を含む乾燥機用バーは、プラスチック支持材料上に圧印される。
【0041】
空隙容積を含む乾燥機用バー
記載される方法は、好ましい実施形態では、規定の割合範囲の空隙容積を含む乾燥機用バーを作製する。マイクロコンピュータ断層撮影(「マイクロCT」又は「μCT」)等の画像解析技術を用いて、これらの空隙容積パーセントを評価することができる。乾燥機用バー組成物の百分率として表される空隙容積(バー組成物は、任意の「器材」又は他のかかるプラスチック組成物を含まない)は、以下のように計算される:(i)乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物における非空隙容積(mm3)の容積を得る、(ii)乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物の合計容積(空隙容積+非空隙容積)を得る、(iii)1−[非空隙容積/合計容積]×100%=空隙容積パーセント。
【0042】
本発明の1つの態様は、乾燥機用バー組成物を有する乾燥機用バーであって、該組成物(任意の「器材」又は他のかかるプラスチック組成物を含まない)は、0.33%超、あるいは約0.4%〜約20%、あるいは約1%〜約15%、あるいは約3%〜約10%、あるいは約3%〜約8%、あるいは約3.19%〜約7.45%、あるいは約3.35%〜約7.07%、あるいは約3.35%超であるが約7.07%未満、あるいは約4%〜約7%、あるいは約4.11%〜約6.91%、あるいはこれらの組み合わせの、空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーを提供する。1つの実施形態では、乾燥機用バー組成物に関する空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーは、単軸押出成形プロセスによって作製される。
【0043】
用語「空隙」は、以下に概説する方法を用いて、マイクロCT撮像によって測定されるとき、固体組成物を欠いている乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物の領域を意味する。分類すると、空隙は、空気、気体、香料蒸気、水分、及び他の非固体成分を有してもよい。
【0044】
マイクロCTは、三次元デカルト座標系におけるサンプルのX線吸収を報告する。機器は、コーンビームX線源を用いてサンプルにX線を照射する。放射線は、サンプルによって減弱し、シンチレータが透過X線を光に変換し、検出器のアレイを通過させる。投影像とも呼ばれる得られる二次元(2D)画像は、各容積要素(ボクセル)特有のX線吸収を測定するには不十分である。したがって、(精密さを増すために可能な限り小さな回転段階で)サンプルを回転させたときに異なる角度から一連の投影像を得て、三次元(3D)空間を再構築することができる。
【0045】
3Dデータセットは、一般的に8ビット画像(256階調レベル)として保存されるが、より高いビット深度を用いてもよい。X線の減弱は、概してサンプルの物質密度の関数であるので、より高エネルギーを透過させ、より明るく見せるために(より高度に減弱させるために)は、より密度の高いサンプルが必要である。階調の強度差を用いて、乾燥機用バーの空隙領域と非空隙領域を識別する。
【0046】
解像度は、視野(FOV)の直径及び用いられる投影像数の関数である。得られる3Dデータセットは、サンプルの3D構造の様々な測定値を決定するために画像処理ソフトウェアのアプリケーションを介して可視化され、分析される。
【0047】
乾燥機用バーの空隙容積を計算する方法
マイクロCTを介して乾燥機用バーの空隙容積を計算するために、未使用の完全な乾燥機用バー(切断、破壊、又は損傷されていない)を、連続的なボクセル及び少なくとも60μmの異方性空間解像度で単一の関心領域としてバーの容積の少なくとも40%をスキャンすることができるマイクロCT機器の内部に備えつけるべきである。機器の画像収集設定は、周囲空気からパラフィンろうのブロックの縁部を明瞭かつ再現可能に識別するのに十分な感度を有するように選択すべきである。この識別を行うのに使用できない画像収集設定は、乾燥機用バー内の空隙容積を測定するのに適していない。この感度要求は、設定が、1mLの脱気されたパラフィンろうを+/−0.01立方cmの精度で1立方cmと測定する場合に達成される。好適な機器の一例としては、エネルギー範囲35〜70kVp、177μA、500投影、視野61.4mm、積分時間800ms、2つの平均化で作動するSCANCO(Scanco Medical,Basserdorf,Switzerland)システム−μCT 80が挙げられる。SCANCO μCT 80の最大FOVは、直径80mm×高さ140mmである。
【0048】
一旦、乾燥機用バーが好適なマイクロCT機器設定下でスキャンされ、電子画像がデジタル3D再構築像に構成されると、バー内に完全に含まれ、乾燥機用バー組成物及び任意の空隙のみからなるように、バーの中心から対象容積が選択される。この容積は、外部の周囲空気及び任意のキャリア器材を除くべきであり、乾燥機用バーの全容積の少なくとも40%を表すべきである。
【0049】
次いで、閾値を選択して、固体物質のボクセルから空隙のボクセルを分離しなければならない。これは、3Dに再構築された対象容積内のボクセル階調レベルの強度ヒストグラムを観察することによって達成される。図9の強度ヒストグラム内で、閾値は、階調レベル52に位置する縦線として図9に示されている、バーの固体組成物物質を表すピークの最大値の7%として選択される。
【0050】
ピークの同定は、同一の機器設定下で、バー組成物の全ての要素を包含し、かつ周囲空気を含む、別のマイクロCTスキャンを収集することにより行われる。このようなスキャンの3D再構築像の強度ヒストグラムは、固体組成物のピーク(図9の左から2番目のピーク)に対する空気の空隙のピーク(図9の左から1番目のピーク)の位置を明らかにする。これは、空気のピークと空隙のピークとを組み合わせたものが、最低減弱ボクセルのピークとなるためである。より高い減弱ボクセルのピークは、バーの固体組成物物質を表す。図9は、バー全体のマイクロCTスキャン3D再構築から得られるボクセル階調の強度ヒストグラムであり、ピークの同定を示し、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定を示す。図9の左から3番目のピークは、器材のピークである。
【0051】
バーの空隙容積パーセントは、バー内に完全に含まれる対象容積から器材及び周囲空気を除き、非空隙ボクセル(即ち、閾値よりも大きな減弱のボクセル)の数を、対象容積におけるボクセルの総数で除し、次いで、これを1から減じ、100を乗じることによって計算される。この計算は、ボクセル数又は立方mmのいずれかで実施することができる。即ち、空隙容積パーセント=(1−非空隙容積/総容積))×100%である。
【0052】
任意の所定の種類の5つ以上の乾燥機用バーを測定し、個々の空隙容積パーセントを平均して、その種類のバーの空隙容積パーセントを求めるべきである。理想的には、バーの種類の異なる生産バッチのバーも測定すべきである。
【0053】
実施例マイクロCTのデータ収集
ここに提示される実施例のデータは、以下の画像収集パラメータを用いてSCANCO μCT 80でスキャンされたバー全体について収集した;45kVp、177μA、視野61.4mm、積分時間800ms、2つの平均化、500投影。撮像中、円筒形の管内にサンプルを固定した。再構築されたデータセットは、60μmの等方性解像度の各1024×1024ピクセルの画像の積み重ねから構成されており、バーの内部に完全に位置し、周囲空気及びキャリア器材を除く。収集された薄片数は、典型的に1664であり、これはバーの9.98cmの長さを網羅していた。
【0054】
物質の容積及び合計容積の測定(ひいては、空隙容積パーセント)は、Scanco Medicalの骨梁形態計測評価(例えば、Scancoモジュール64−ビットバージョンV5.04e)を用いて行われた。評価する乾燥機用バー組成物内の典型的な参照容積は、約84×516×1662ボクセルであった。列記される収集パラメータ下において、Scancoソフトウェアで用いられる閾値は、典型的に階調レベル52に設定された。
【0055】
評価される乾燥機用バー
図5は、試験した様々な乾燥機用バーの表であり、空隙容積パーセント(それぞれ、1回の測定から得られた結果である)、バーの作製方法、及びバーの性能を報告する。図6〜8は、図5で試験したバーのうちの幾つかのマイクロCTスキャン画像である。図9は、図5で試験したバーのうちの1つのボクセル階調レベルの強度ヒストグラムである。
【0056】
バーの望ましい性能は、乾燥機内の布地に最適なレベルのバーの質量を移動させることである。性能の欠陥は、空隙容積パーセント値が低い場合等、例えば、バーが硬すぎて有効に質量を移動させることができない(それによって、布地の効果が最低化される)ことに起因する。また、性能の欠陥は、例えば、乾燥機用バー組成物が柔らかすぎて、望ましくない過剰の質量が布地に移動する(例えば、所定の乾燥機条件下で布地に染みをつけたり、布地に不均一に分布したりする恐れがある等)ことに起因する場合もある。
【0057】
図6aは、望ましい6.91%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品6)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0058】
図6bは、望ましい4.62%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品2)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0059】
図6cは、望ましい5.72%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品4)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0060】
図7aは、図1の乾燥機用バーの断面の更に別のマイクロCTスキャン画像である。
【0061】
図7bは、Ecolabから市販されている乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。バーは、望ましくない0.28%の空隙容積を有する。
【0062】
図8は、図7bのEcolab製バーの更に別のマイクロCTスキャン画像である。
【0063】
図9は、ピークが表すプラスチックキャリア器材及び外部の周囲空気を含む乾燥機用バー全体のマイクロCTスキャンの3D再構築により得られるボクセル階調レベルの強度ヒストグラムであり、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定を示す。
【0064】
乾燥機用バーの作製例を提供する。
【実施例】
【0065】
実施例1−小規模
乾燥機用バー組成物は、布地柔軟化活性物質、担体成分、及び香料を含む。この組成物の原材料を、厚さ約1mm及び直径0.5〜2cmのフレークとして押出成形機に添加する。
【0066】
単軸押出成形機は、長さ91.4cm(36”)、直径3.9cm(1.5”)の単軸を有する(L:D比24:1)。単軸のrpm範囲は、50〜144である。押出成形機の全長を3つの別個の加熱ゾーンで加熱する。押出成形機はパイロットプラント規模のモデルであるので、ツインパッカー、冷却ゾーン、又は混合ピンは用いられない。
【0067】
押出成形機の3つの加熱ゾーンの温度を60℃に設定し、ダイにおけるバンドヒーターも60℃に設定する。3つの異なる大きさのダイを用いる:直径1.6cm(5/8”)の円形ダイ、直径3.5cm(1 3/8”)の円形ダイ、及び寸法2.9cm×2.9cm(1 1/8”×1 1/8”)の矩形ダイ。出力速度は、以下の通りである:
【表1】
【0068】
押出品を約12.7cm(5”)の長さに切断し、特別設計の成形型で液圧プレスを用いてプラスチック基材に圧印する。乾燥機用バーは、満足のいく外観及び性能を有する。
【0069】
実施例2−大規模
乾燥機用バー組成物は、布地柔軟化活性物質、担体成分、及び香料を含む。組成物は、50.5重量%が柔軟化活性剤、46重量%がワックス、及び3.5重量%が香料である。組成物を厚さ約1mm、直径0.5〜2mmのフレークとして押出成形機に添加する。
【0070】
単軸押出成形機は、長さ274.3cm(108”)、直径10.16cm(4”)の単軸を有する(L:D 27:1)。rpm範囲は、23〜45である。押出成形機の冷却ゾーン及び5つの加熱ゾーンの温度を制御する。ツインパッカーを単軸押出成形機の供給ホッパーと供給ゾーンとの間で用いて、確実に一定速度で投入を行う。単軸押出成形機の領域は、以下の通りである:3:1 L:Dの供給セクション、4:1 L:Dの冷却セクション、4:1 L:Dの加熱セクション、39本の混合ピンを備える4:1 L:Dの第1の混合セクション、及び126本の混合ピンを備える12:1 L:Dの第2の混合セクション。
【0071】
冷却セクションの温度設定点は21℃であり、押出成形機の各加熱セクションの設定点は73℃である。ダイを加熱するための設定点は、70℃である。図4a及び4bのダイを用いることができる。小さい方のダイの稼働速度は、30rpmで約204kg/時であり、大きい方のダイの稼働速度は、45rpmで340kg/時である。
【0072】
押出品を自動切断機を用いて約12.7cm(5”)の長さに切断し、特別設計の成形型で液圧プレスを用いてプラスチック基材に圧印する。乾燥機用バーは、満足のいく外観及び乾燥機性能を有する。
【0073】
本明細書は、本発明を詳細に示し、明確に請求することによって結論付けられるが、本発明は次の記述によって更によく理解されるものと考えられる。
【0074】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を含むことができ、それらから本質的になることができ、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は成分が追加成分を包含してよいが、それら追加成分が特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を実質的に変化させない場合に限ることを意味する。
【0075】
本明細書で使用するパーセント及び割合は全て総組成物の重量によるものであり、及び全ての測定は、他に明示しない限り、25℃で行われる。1角度は、完全回転の1/360に等しい大きさの角度指標の平面単位である。
【0076】
本明細書で使用される全ての測定値は、特に指定のない限り、メートル法である。
【0077】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0078】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましい空隙容積を有する乾燥機用バーに関する。
【背景技術】
【0002】
複数回使用できる乾燥機用バーは、乾燥機用シートが典型的に単回使用のために設計されるのに対して、複数回の乾燥機サイクルにわたって乾燥機内に留まり得るので、乾燥機シートの代替物として便利である。米国特許第6,883,723号;同第6,899,281号;及び同第6,910,640号。しかし、このようなバーの製造に関する課題は、消費財市場においてこのような製品を競合的に販売することを可能にする速度、精度、及び/又はコストを有するプロセスを有している。
【0003】
米国特許第7,037,886号を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,883,723号
【特許文献2】米国特許第6,899,281号
【特許文献3】米国特許第6,910,640号
【特許文献4】米国特許第7,037,886号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらバーは、自動衣類乾燥機内で洗濯物を乾燥させるときに洗濯物に付与される布地柔軟化活性物質を含むことが多い。このようなバーを作製する方法は、布地柔軟化活性物質を融解させ、次いで、成形型に注ぐことを含む。しかし、このようなアプローチの問題点としては、バーの「黄変」(例えば、酸化)を挙げることができる。所定の既に記載されている方法からは、脆性を有するか、又は使用中(自動衣類乾燥機内で)割れやすい、バーが生じる。これら問題点のうちの1つ以上が減少させる乾燥機用バーを製造する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの及び他の要求に対処するものである。本発明の第1の態様は、布地柔軟化組成物を含む乾燥機用バーであって、該布地柔軟化組成物が該組成物の全容積に対して約0.33%〜約20%の空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーを提供する。
【0007】
本発明の第2の態様は、単軸押出成形プロセスによって作製される布地柔軟化組成物であって、該組成物が、洗濯物を柔軟化するのに好適な四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む、布地柔軟化組成物を提供する。
【0008】
本発明の第3の態様は、自動洗濯乾燥機内部に乾燥機用バーを設置する工程を含む布地を柔軟化する方法であって、該乾燥機用バーが布地柔軟化組成物を含み、該組成物が四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の第4の態様は、(a)布地柔軟化組成物を含む物品であって、布地柔軟化組成物が、四級アンモニウム化合物を含み、該組成物が、組成物の全容積に対して約3%〜約10%の空隙容積を含む物品と、(b)自動洗濯乾燥機の内表面上への該物品の設置について指示する説明書と、を含むキットを提供する。
【0010】
本発明の第5の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、乾燥機用バーとして使用するのに好適な組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、供給領域の下方の冷却領域、及び冷却領域の下方の加熱/静的混合領域、を含むチャネル付バレルを含み、単軸が、供給領域、冷却領域、及び加熱/静的混合領域のチャネルを通して組成物を搬送することができる、工程とを含む。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を充填する工程と、単軸を回転させて供給領域から冷却領域、次いで加熱/静的混合領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の冷却領域を通って搬送されるときに押出成形機の冷却領域を冷却して組成物を冷却する工程と、組成物が押出成形機の加熱/静的混合領域を通って搬送されるときに組成物を静的混合及び加熱して押出組成物作製する工程と、所望により、押出組成物をダイを用いて型抜組成物を型抜きする工程と、所望により、型抜き組成物をスタンプを用いて圧印して、乾燥機用バーを形成する工程と、を含む。
【0011】
本発明の第6の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、四級アンモニウム化合物を含む組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、及び供給領域の下方の加熱領域を含む、チャネル付バレルを含み、単軸は、加熱領域のチャネルを通って供給領域のチャネルから組成物を搬送することができる。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を供給する工程と、単軸を回転させて供給領域から加熱領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に該組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の加熱領域を通して搬送されるときに組成物を加熱して押出組成物を作製する工程と、所望により、押出組成物を圧印して乾燥機用バーを形成する工程と、を含む。
【0012】
本発明の第7の態様は、乾燥機用バーを作製する方法であって、四級アンモニウム化合物を含む組成物を提供する工程と、単軸押出成形機を通して該組成物を押出成形して押出組成物を作製する工程と、を含む方法を提供する。単軸押出成形機は、内部に単軸を収容しているチャネルを含むチャネル付バレルであって、少なくとも下記の領域:供給領域、及び供給領域の下方の静的混合領域を含むチャネル付バレルを含み、単軸が、静的混合領域のチャネルを通して供給領域のチャネルから組成物を搬送することができる。また、該方法は、単軸押出成形機の供給領域に布地柔軟化組成物を供給又は充填する工程と、単軸を回転させて供給領域から加熱領域へとチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物を搬送する工程と、組成物が押出成形機の加熱領域を通って搬送されるときに押出成形機の加熱領域組成物を加熱して押出組成物を作製する工程と、所望により、押出組成物をスタンプを用いて圧印して乾燥機用バーを形成する工程とを含む。
【0013】
本発明の他の態様は、記載される態様の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】望ましくない0.17%の空隙容積を有する2軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品1)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図2】望ましい6.54%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品9)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図3】単軸押出成形機の断面図。
【図4a】大きい方のダイの断面図。
【図4b】小さい方のダイの断面図。
【図5】試験した様々な乾燥機用バーの表であり、空隙容積パーセント、バーの作製方法、及びバーの性能の報告。
【図6a】望ましい6.91%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品6)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図6b】望ましい4.62%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品2)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図6c】望ましい5.72%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品4)の断面のマイクロCTスキャン画像。
【図7a】図1の乾燥機用バーの断面の更に別のマイクロCTスキャン画像。
【図7b】Ecolabから市販されている乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像。バーは、望ましくない0.28%の空隙容積を有する。
【図8】図7bのEcolab製バーの更に別のマイクロCTスキャン画像。
【図9】ピークが表すプラスチックキャリア器材及び外部の周囲空気を含む乾燥機用バー全体のマイクロCTスキャンの3D再構築により得られるボクセル階調レベルの強度ヒストグラムであり、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定。
【発明を実施するための形態】
【0015】
乾燥機用バー組成物
複数回使用できる乾燥機用バーは、布地柔軟化組成物を含んでもよく、布地柔軟化組成物は、次に、1つ以上の布地柔軟化活性物質を含んでもよい。このような活性物質の例は、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号の段落0040〜0047に記載されている。布地柔軟化活性物質の1つの分類としては、カチオン性界面活性剤が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、四級アンモニウム化合物が挙げられる。代表的な四級アンモニウム化合物としては、アルキル化四級アンモニウム化合物、環状又は環式四級アンモニウム化合物、芳香族四級アンモニウム化合物、ジ四級アンモニウム化合物、アルコキシル化四級アンモニウム化合物、アミドアミン四級アンモニウム化合物、エステル四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。布地柔軟化活性物質の1つの非限定的な例は、Evonik Goldschimidt Corp.製のDXP 5522−048(約80重量%のエタンアミニウム、2−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル、メチル硫酸(塩)、オクタデカン酸(エステル))を含む)である。DXP 5522−048の残りの20重量%は、Evonik Goldschimidt Corp.の独自仕様である。1つの実施形態では、布地柔軟化活性物質は、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材(hardware)」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約41重量%〜約61重量%、あるいは約43%〜約53重量%、あるいは約49重量%〜約52重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。
【0016】
また、乾燥機用バー組成物は、自動洗濯乾燥機で用いるのに好適であるワックス等の担体成分を含んでもよい。「担体成分」の例としては、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号の段落0063〜0069に記載されているものを挙げることができる。担体成分の1例としては、Lonza Inc.,製のACRAWAX C(N,N’−エチレンビスステアラミド、N,N’−エチレンビスパルミタミド、及び脂肪酸(C14〜C18)の混合物である)が挙げられる。ACRAWAX Cの組成物の重量%は、Lonza,Inc.の独自仕様である。1つの実施形態では、担体成分には、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約38重量%〜約55重量%、あるいは約41%〜約53重量%、あるいは約47重量%〜約52重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。
【0017】
また、乾燥機用バー組成物は、香料を含んでもよい。香料の例としては、米国特許出願公開第2005−0192207 A1号及び米国特許第7,524,809号に記載されているものが挙げられる。1つの実施形態では、香料には、バー組成物(このバー組成物は、任意の「器材」又は他のこのようなプラスチック組成物を含まない)の約0重量%〜約6重量%、あるいは約1%〜約5重量%、あるいは約2重量%〜約4重量%、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。香料の好適な供給元は、Avenilである。1つの選択肢において、乾燥機用バーは、香料を実質的に含まないか、又は含まない。更に別の実施形態では、乾燥機用バー組成物は、洗浄性界面活性剤(例えば、アニオン性洗浄性界面活性剤)を含まないか、本質的に含まない。
【0018】
用語「乾燥機用バー」は、最も広義で用いられる。用語「バー」は、自動衣類乾燥機の動作温度で実質的に固体である布地コンディショニング組成物を含む、任意の固体形態、かけら、平板、くさび、塊等を指す。乾燥機用バーの形状の非限定的な例としては、米国特許出願公開第2004/0167056 A1号、加国特許第1,021,559号、及び米国特許第3,736,668号の図1a、1b、2c、2b、3a、3b、4a、及び4bに記載のものが挙げられる。
【0019】
用語「複数回使用できる」は、乾燥機用バーを乾燥機内で2回以上のサイクルにわたって使用できることを意味する。非限定的な例としては、2、4、6、8、10、12回、又はそれ以上の回数が挙げられる。1つの実施形態では、製品は、約2ヶ月間、あるいは4ヶ月間、あるいは約1ヶ月間〜約5ヶ月間使用できる。
【0020】
乾燥機用バー組成物を含み、単軸押出成形機によって加工される組成物は、単軸押出成形機で加工するのに好適な物理的形態で提供される。原材料の物理的形態としては、フレーク状、麺状、ペレット状、トローチ状等を挙げることができる。押出成形機でこれら物理的形態を加工するのに好適な従来の設備としては、ベルトフレーカー、ロトフォーマー、プラダー等を挙げることができる。
【0021】
単軸押出成形機
本発明の1つの態様は、乾燥機用バーを作製するための単軸押出成形機の使用を提供する。単軸押出成形機の使用は、2軸押出成形機よりも好ましい。理論に縛られるものではないが、2軸押出成形機は、高い剪断速度で激しく混合するので、空隙又は傷を有しない高度に結晶質である構造を有する乾燥機用バーが生じる。対照的に単軸押出成形機は、低い剪断速度でそれ程激しく混合しないので、幾つかの空隙及び結晶の傷を含む乾燥機用バーが得られる。
【0022】
図1は、2軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。図1のバーは、一般的に、単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーに比べて、より結晶質であり、密度が高く、且つ脆性であると観察される。図2は、単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。図2のバーは、一般的に、2軸押出成形機を用いて作製されたバーよりも多孔質であり且つ脆性が低いと観察される。理論に縛られるものではないが、図2のように空隙を含む乾燥機用バーは、乾燥機内における円運動に対する耐久性が高く、且つ割れたり砕けたりする傾向が弱い。
【0023】
単軸押出成形機の非限定的な例は、米国特許第3,676,034号、同第4,696,575号、同第4,996,575号、同第4,994,223号、同第5,551,777号、同第5,655,835号、同第5,704,555号、同第5,993,186号、同第6,129,873号、及び同第6,705,752号に記載されている。単軸押出成形機の製造業者としては、Bonnot Company,1520 Corporate Woods Parkway,Uniontown,Ohio 44885が挙げられる。
【0024】
図3は、単軸押出成形機(1)の例である。単軸押出成形機(1)は、組成物をチャネル(5)の下方に搬送して、任意の型抜き及び/又は圧印プロセスに好適な押出組成物を作製するのに好適な単軸(7)を収容するチャネル(5)を有するチャネル付バレル(3)を含む。単軸押出成形機(1)は、1、2、又は3つの領域(又はこれらの組み合わせ)を含み得る。例えば、組成物をチャネル(5)に供給するための供給領域(9)が存在する。充填機(10)を用いて、組成物を押出成形機(1)のチャネル(5)に充填することができる。冷却領域(6)のチャネル(5)に収容された組成物を冷却するために、供給領域(5)の下方に冷却領域(6)が存在する。冷却ジャケット(11)を冷却に用いることができる。冷却領域(6)の下流は、チャネル(5)内に収容された組成物を加熱及び/又は静的混合するための加熱/静的混合領域(2)である。単軸(7)がチャネル付バレル(3)のチャネル(5)を通して組成物を搬送するとき、それは、押出成形機(1)の各領域(9、6、2)を通って組成物を搬送する。
【0025】
充填機
押出乾燥機用バー組成物を作製するプロセスにおける工程は、原材料(即ち、乾燥機用バー、あるいは布地柔軟化組成物において使用するのに好適な組成物)を押出成形機の供給領域に供給する(好ましくは、大規模プロセスで充填する)ことを含み得る。充填は、シングル又はダブルパドル充填機を用いることにより行うことができる。1つの具体例では、充填機は、単軸押出成形機の供給領域の入口上方に位置する、長さ約30cmの、2つの共回転スクリューからなる。パイロット規模又はより小さな規模の運転では、単なる供給機(例えば、ホッパー(手動又は自動))を用いてもよい。充填機の毎分回転数(「rpm」)は、単軸押出成形機の単軸と同じ、又はほぼ同じである。理論に縛られるものではないが、充填により原材料の物理的形態の粒径の低下がもたらされ、また、押出成形機を通る一定の組成物の流動を常にもたらすために、押出成形機が十分に満ちていることを保証する。
【0026】
幾つかの実施形態では、単軸押出成形機の供給領域の下流は、冷却領域である。
【0027】
スクリュー
押出成形機の単軸は、供給領域から冷却領域、加熱/静的混合領域を通して押出成形機のチャネルの下方に組成物を搬送して、押出組成物を作製する。単軸のrpmの作動範囲は、運転規模に依存するが、剪断速度は、典型的に、スケールアップしても一定に保たれる。軸の全長/直径比(「L:D」)は、それぞれ約10:1〜約50:1、好ましくは27:1である。軸は、所望により、中空ジャケットを用いることにより加熱又は冷却される。
【0028】
1つの実施形態では、単軸押出成形機の単軸は、20馬力のモータによって動力が供給され、単軸のrpmは約1〜約60、あるいは約30〜約50、あるいはこれらの組み合わせである。
【0029】
冷却領域
原材料を供給領域に充填した後、プロセスにおける次の工程は、組成物が軸によりチャネルの下方に搬送されるときに、押出成形機の冷却領域のチャネル内で組成物を冷却することを含み得る。冷却工程は、小規模の運転では必須でない場合もあるが、大規模では好ましい実施形態であり得る。単軸押出成形機における冷却の例としては、米国特許第5,704,555号が挙げられる。冷却は、チャネル付バレルを取り囲むジャケットにより行われるか、あるいは、バレル内の中空ジャケットによって行われる。冷却水の温度は、典型的に、摂氏5〜30度(「℃」)である。冷却ジャケットの非限定的な例としては、Stearlco Inc.,Milwaukee,WI製の型番S8422−Aが挙げられる。理論に縛られるものではないが、冷却により、壁面スリップを最小化しながら、単軸によってチャネル付バレルのチャネルを通して組成物の固体の塊を前方に搬送することができる。冷却領域には静的混合ピンが存在してもよく、又は冷却領域は、静的混合ピンを含まなくてもよい。
【0030】
所望により、冷却領域の下流は、加熱/静的混合領域である。
【0031】
加熱/静的混合領域
プロセスの別の工程は、単軸押出成形機のチャネル付バレルのチャネルの下方に組成物が搬送されるときに、静的混合及び/又は加熱することを含む。静的混合工程及び/又は加熱工程は、小規模の運転では必須でない場合もあるが、大規模では好ましい実施形態であり得る。任意の混合装置を用いて、融解温度の均一性及び/又は分配混合を促進することができる。混合装置の例としては、溝付き混合機又は混合ピンが挙げられる。単軸押出成形機における混合ピンの非限定的な例としては、米国特許第4,696,575号、同第4,994,223号、同第6,814,481号、及び同第7,316,500号に記載されているものを挙げることができる。加熱は、押出成形機のチャネル付バレルの外面における電気ヒーターによって行ってもよい。軸の設計及び製品に付与される剪断力の量に依存して、粘性消散及び電気ヒーターから製品を加熱することができる。電気ヒーターの温度は、熱電対でモニタし、理想的には1℃以内に制御する。1つの実施形態では、製品の均一性及び乾燥機の性能を高めるために、四級アンモニウム化合物成分は融解するが、担体成分(例えば、ワックス)は融解しないように温度を制御することが好ましい。温度範囲としては、約50℃〜約80℃を挙げることができ、温度は電気ヒーターの熱電対によって測定する。
【0032】
理論に縛られるものではないが、静的混合工程は、(洗濯物の処理において乾燥機内で)より均一な乾燥機用バー及びより良好な性能をもたらす乾燥機用バーの提供に寄与し得る。
【0033】
押出温度は、(洗濯物の処理において)望ましい乾燥機内(in-dryer)性能を有する乾燥機用バーをもたらす重要な制御レバーである可能性がある。一般的に、理論に縛られるものではないが、押出温度が高くなるにつれて、乾燥機における各サイクル中に、より多くの物質が乾燥機用バーから布地に放出されると考えられる。しかし、押出温度が高すぎると、得られる乾燥機用バーは、一般的に、柔らかく且つ粘着性になるので、加工が困難である。押出温度が低すぎる場合、加工上の問題が生じる(例えば、十分に混合されない等)。加熱領域における押出成形温度の好ましい範囲は、約30℃〜約90℃、あるいは約50℃〜約80℃、あるいは約65℃〜約75℃、あるいはこれらの組み合わせである。温度は、電気ヒーターの熱電対によって測定される。これら条件は、製品の性能及び加工精度の両方に関する要件を満たし得る。
【0034】
移行領域
単軸押出成形機に沿って、冷却、加熱、及び/又は静的混合が行われないもう1つの移行領域が存在してもよい。しかし、移行領域は、存在しなくてもよい。
【0035】
ブレーカープレート
本発明の1つの態様では、プロセスは、ブレーカープレートを含まない。ブレーカープレートの少なくとも1つの機能としては、押出成形機のチャネル付バレルのチャネルに収容されている組成物により高い背圧を及ぼすことを挙げることができる。本発明の1つの実施形態では、プロセスは、一般的に、低い背圧、例えば、2barg以下、あるいは約0〜約2barg、あるいは約0.0001barg〜約1.5barg、あるいは約0.01barg〜約1barg、あるいは約0.1〜0.5barg、あるいはこれらの組み合わせを有する。押出成形機とダイとの間の供給管における圧力計は、この圧力を測定するのに好適な位置にある。
【0036】
ダイ
プロセスの別の工程は、(単軸押出成形機から)押出組成物を型抜きすることを含み得る。ダイは、典型的に、押出成形機の出口に位置する金属板である。ダイの大きさ及び形状は、押出品の望ましい輪郭、例えば、円柱又は直方柱を得るために変化させてもよい。1つの実施形態では、ダイは、図4aの大きな円柱を含んでもよい。別の実施形態では、ダイは、図4bの小さな円柱を含んでもよい。
【0037】
供給管は、押出成形機の末端と、長さ及び直径プロファイルが変化し得るダイプレートとの間で用いて、押出成形機のチャネル内の背圧を最適化し、押出成形機から出る押出組成物の均一な流れを促進することができる。典型的に、ダイプレートの断面積は、チャネルの断面積とは異なり、供給管の直径プロファイルは、搬送又は分岐ノズルに類似していてよい。所望により、最終出口温度を調節するために、供給管にバンドヒーターが任意に設けられる。この機構は、押出組成物の望ましい表面温度を得るために有用である場合がある。
【0038】
1つの実施形態では、ダイを加熱し、次いで、ダイが押出組成物の外表面を加熱し、それによって、圧印工程前に外表面を滑らかにする。ダイの温度は、前の工程中に組成物に付与された熱よりも低くてもよい。
【0039】
別の実施形態では、型抜き組成物を提供する単軸押出成形機の運転速度が、約100kg/時間〜約1,000kg/時間、あるいは約200kg/時間〜約900kg/時間、あるいは約300kg/時間〜約1000kg/時間、あるいはこれらの組み合わせである。
【0040】
圧印
従来の圧印プロセスによって型抜き組成物を好適な乾燥機用バーの形状に型抜きすることができる。組成物は、組成物の温度を上昇させながら(即ち、押出成形/型抜き加工工程から)圧印されることが好ましい。任意の好適な形状を用いることができると思われる。1つの実施形態では、乾燥機用バーの組成物は、プラスチック支持材料上に圧印される。プラスチック支持材料は、例えば、米国特許第6,908,041号(「プレート部材11;「製品支持材料21」等)に記載されている。限定するものではないが、一般的に、プラスチック支持材料を用いると、乾燥機用バーを自動洗濯乾燥機の内面に取り付けるのに役立つ。したがって、1つの実施形態では、組成物を含む乾燥機用バーは、プラスチック支持材料上に圧印される。
【0041】
空隙容積を含む乾燥機用バー
記載される方法は、好ましい実施形態では、規定の割合範囲の空隙容積を含む乾燥機用バーを作製する。マイクロコンピュータ断層撮影(「マイクロCT」又は「μCT」)等の画像解析技術を用いて、これらの空隙容積パーセントを評価することができる。乾燥機用バー組成物の百分率として表される空隙容積(バー組成物は、任意の「器材」又は他のかかるプラスチック組成物を含まない)は、以下のように計算される:(i)乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物における非空隙容積(mm3)の容積を得る、(ii)乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物の合計容積(空隙容積+非空隙容積)を得る、(iii)1−[非空隙容積/合計容積]×100%=空隙容積パーセント。
【0042】
本発明の1つの態様は、乾燥機用バー組成物を有する乾燥機用バーであって、該組成物(任意の「器材」又は他のかかるプラスチック組成物を含まない)は、0.33%超、あるいは約0.4%〜約20%、あるいは約1%〜約15%、あるいは約3%〜約10%、あるいは約3%〜約8%、あるいは約3.19%〜約7.45%、あるいは約3.35%〜約7.07%、あるいは約3.35%超であるが約7.07%未満、あるいは約4%〜約7%、あるいは約4.11%〜約6.91%、あるいはこれらの組み合わせの、空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーを提供する。1つの実施形態では、乾燥機用バー組成物に関する空隙容積パーセントを含む乾燥機用バーは、単軸押出成形プロセスによって作製される。
【0043】
用語「空隙」は、以下に概説する方法を用いて、マイクロCT撮像によって測定されるとき、固体組成物を欠いている乾燥機用バーの乾燥機用バー組成物の領域を意味する。分類すると、空隙は、空気、気体、香料蒸気、水分、及び他の非固体成分を有してもよい。
【0044】
マイクロCTは、三次元デカルト座標系におけるサンプルのX線吸収を報告する。機器は、コーンビームX線源を用いてサンプルにX線を照射する。放射線は、サンプルによって減弱し、シンチレータが透過X線を光に変換し、検出器のアレイを通過させる。投影像とも呼ばれる得られる二次元(2D)画像は、各容積要素(ボクセル)特有のX線吸収を測定するには不十分である。したがって、(精密さを増すために可能な限り小さな回転段階で)サンプルを回転させたときに異なる角度から一連の投影像を得て、三次元(3D)空間を再構築することができる。
【0045】
3Dデータセットは、一般的に8ビット画像(256階調レベル)として保存されるが、より高いビット深度を用いてもよい。X線の減弱は、概してサンプルの物質密度の関数であるので、より高エネルギーを透過させ、より明るく見せるために(より高度に減弱させるために)は、より密度の高いサンプルが必要である。階調の強度差を用いて、乾燥機用バーの空隙領域と非空隙領域を識別する。
【0046】
解像度は、視野(FOV)の直径及び用いられる投影像数の関数である。得られる3Dデータセットは、サンプルの3D構造の様々な測定値を決定するために画像処理ソフトウェアのアプリケーションを介して可視化され、分析される。
【0047】
乾燥機用バーの空隙容積を計算する方法
マイクロCTを介して乾燥機用バーの空隙容積を計算するために、未使用の完全な乾燥機用バー(切断、破壊、又は損傷されていない)を、連続的なボクセル及び少なくとも60μmの異方性空間解像度で単一の関心領域としてバーの容積の少なくとも40%をスキャンすることができるマイクロCT機器の内部に備えつけるべきである。機器の画像収集設定は、周囲空気からパラフィンろうのブロックの縁部を明瞭かつ再現可能に識別するのに十分な感度を有するように選択すべきである。この識別を行うのに使用できない画像収集設定は、乾燥機用バー内の空隙容積を測定するのに適していない。この感度要求は、設定が、1mLの脱気されたパラフィンろうを+/−0.01立方cmの精度で1立方cmと測定する場合に達成される。好適な機器の一例としては、エネルギー範囲35〜70kVp、177μA、500投影、視野61.4mm、積分時間800ms、2つの平均化で作動するSCANCO(Scanco Medical,Basserdorf,Switzerland)システム−μCT 80が挙げられる。SCANCO μCT 80の最大FOVは、直径80mm×高さ140mmである。
【0048】
一旦、乾燥機用バーが好適なマイクロCT機器設定下でスキャンされ、電子画像がデジタル3D再構築像に構成されると、バー内に完全に含まれ、乾燥機用バー組成物及び任意の空隙のみからなるように、バーの中心から対象容積が選択される。この容積は、外部の周囲空気及び任意のキャリア器材を除くべきであり、乾燥機用バーの全容積の少なくとも40%を表すべきである。
【0049】
次いで、閾値を選択して、固体物質のボクセルから空隙のボクセルを分離しなければならない。これは、3Dに再構築された対象容積内のボクセル階調レベルの強度ヒストグラムを観察することによって達成される。図9の強度ヒストグラム内で、閾値は、階調レベル52に位置する縦線として図9に示されている、バーの固体組成物物質を表すピークの最大値の7%として選択される。
【0050】
ピークの同定は、同一の機器設定下で、バー組成物の全ての要素を包含し、かつ周囲空気を含む、別のマイクロCTスキャンを収集することにより行われる。このようなスキャンの3D再構築像の強度ヒストグラムは、固体組成物のピーク(図9の左から2番目のピーク)に対する空気の空隙のピーク(図9の左から1番目のピーク)の位置を明らかにする。これは、空気のピークと空隙のピークとを組み合わせたものが、最低減弱ボクセルのピークとなるためである。より高い減弱ボクセルのピークは、バーの固体組成物物質を表す。図9は、バー全体のマイクロCTスキャン3D再構築から得られるボクセル階調の強度ヒストグラムであり、ピークの同定を示し、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定を示す。図9の左から3番目のピークは、器材のピークである。
【0051】
バーの空隙容積パーセントは、バー内に完全に含まれる対象容積から器材及び周囲空気を除き、非空隙ボクセル(即ち、閾値よりも大きな減弱のボクセル)の数を、対象容積におけるボクセルの総数で除し、次いで、これを1から減じ、100を乗じることによって計算される。この計算は、ボクセル数又は立方mmのいずれかで実施することができる。即ち、空隙容積パーセント=(1−非空隙容積/総容積))×100%である。
【0052】
任意の所定の種類の5つ以上の乾燥機用バーを測定し、個々の空隙容積パーセントを平均して、その種類のバーの空隙容積パーセントを求めるべきである。理想的には、バーの種類の異なる生産バッチのバーも測定すべきである。
【0053】
実施例マイクロCTのデータ収集
ここに提示される実施例のデータは、以下の画像収集パラメータを用いてSCANCO μCT 80でスキャンされたバー全体について収集した;45kVp、177μA、視野61.4mm、積分時間800ms、2つの平均化、500投影。撮像中、円筒形の管内にサンプルを固定した。再構築されたデータセットは、60μmの等方性解像度の各1024×1024ピクセルの画像の積み重ねから構成されており、バーの内部に完全に位置し、周囲空気及びキャリア器材を除く。収集された薄片数は、典型的に1664であり、これはバーの9.98cmの長さを網羅していた。
【0054】
物質の容積及び合計容積の測定(ひいては、空隙容積パーセント)は、Scanco Medicalの骨梁形態計測評価(例えば、Scancoモジュール64−ビットバージョンV5.04e)を用いて行われた。評価する乾燥機用バー組成物内の典型的な参照容積は、約84×516×1662ボクセルであった。列記される収集パラメータ下において、Scancoソフトウェアで用いられる閾値は、典型的に階調レベル52に設定された。
【0055】
評価される乾燥機用バー
図5は、試験した様々な乾燥機用バーの表であり、空隙容積パーセント(それぞれ、1回の測定から得られた結果である)、バーの作製方法、及びバーの性能を報告する。図6〜8は、図5で試験したバーのうちの幾つかのマイクロCTスキャン画像である。図9は、図5で試験したバーのうちの1つのボクセル階調レベルの強度ヒストグラムである。
【0056】
バーの望ましい性能は、乾燥機内の布地に最適なレベルのバーの質量を移動させることである。性能の欠陥は、空隙容積パーセント値が低い場合等、例えば、バーが硬すぎて有効に質量を移動させることができない(それによって、布地の効果が最低化される)ことに起因する。また、性能の欠陥は、例えば、乾燥機用バー組成物が柔らかすぎて、望ましくない過剰の質量が布地に移動する(例えば、所定の乾燥機条件下で布地に染みをつけたり、布地に不均一に分布したりする恐れがある等)ことに起因する場合もある。
【0057】
図6aは、望ましい6.91%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品6)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0058】
図6bは、望ましい4.62%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品2)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0059】
図6cは、望ましい5.72%の空隙容積を有する単軸押出成形機を用いて作製された乾燥機用バー(試作品4)の断面のマイクロCTスキャン画像である。
【0060】
図7aは、図1の乾燥機用バーの断面の更に別のマイクロCTスキャン画像である。
【0061】
図7bは、Ecolabから市販されている乾燥機用バーの断面のマイクロCTスキャン画像である。バーは、望ましくない0.28%の空隙容積を有する。
【0062】
図8は、図7bのEcolab製バーの更に別のマイクロCTスキャン画像である。
【0063】
図9は、ピークが表すプラスチックキャリア器材及び外部の周囲空気を含む乾燥機用バー全体のマイクロCTスキャンの3D再構築により得られるボクセル階調レベルの強度ヒストグラムであり、強度0が黒色(最小減弱)であり、強度255が白色(最大減弱)である適切な閾値設定を示す。
【0064】
乾燥機用バーの作製例を提供する。
【実施例】
【0065】
実施例1−小規模
乾燥機用バー組成物は、布地柔軟化活性物質、担体成分、及び香料を含む。この組成物の原材料を、厚さ約1mm及び直径0.5〜2cmのフレークとして押出成形機に添加する。
【0066】
単軸押出成形機は、長さ91.4cm(36”)、直径3.9cm(1.5”)の単軸を有する(L:D比24:1)。単軸のrpm範囲は、50〜144である。押出成形機の全長を3つの別個の加熱ゾーンで加熱する。押出成形機はパイロットプラント規模のモデルであるので、ツインパッカー、冷却ゾーン、又は混合ピンは用いられない。
【0067】
押出成形機の3つの加熱ゾーンの温度を60℃に設定し、ダイにおけるバンドヒーターも60℃に設定する。3つの異なる大きさのダイを用いる:直径1.6cm(5/8”)の円形ダイ、直径3.5cm(1 3/8”)の円形ダイ、及び寸法2.9cm×2.9cm(1 1/8”×1 1/8”)の矩形ダイ。出力速度は、以下の通りである:
【表1】
【0068】
押出品を約12.7cm(5”)の長さに切断し、特別設計の成形型で液圧プレスを用いてプラスチック基材に圧印する。乾燥機用バーは、満足のいく外観及び性能を有する。
【0069】
実施例2−大規模
乾燥機用バー組成物は、布地柔軟化活性物質、担体成分、及び香料を含む。組成物は、50.5重量%が柔軟化活性剤、46重量%がワックス、及び3.5重量%が香料である。組成物を厚さ約1mm、直径0.5〜2mmのフレークとして押出成形機に添加する。
【0070】
単軸押出成形機は、長さ274.3cm(108”)、直径10.16cm(4”)の単軸を有する(L:D 27:1)。rpm範囲は、23〜45である。押出成形機の冷却ゾーン及び5つの加熱ゾーンの温度を制御する。ツインパッカーを単軸押出成形機の供給ホッパーと供給ゾーンとの間で用いて、確実に一定速度で投入を行う。単軸押出成形機の領域は、以下の通りである:3:1 L:Dの供給セクション、4:1 L:Dの冷却セクション、4:1 L:Dの加熱セクション、39本の混合ピンを備える4:1 L:Dの第1の混合セクション、及び126本の混合ピンを備える12:1 L:Dの第2の混合セクション。
【0071】
冷却セクションの温度設定点は21℃であり、押出成形機の各加熱セクションの設定点は73℃である。ダイを加熱するための設定点は、70℃である。図4a及び4bのダイを用いることができる。小さい方のダイの稼働速度は、30rpmで約204kg/時であり、大きい方のダイの稼働速度は、45rpmで340kg/時である。
【0072】
押出品を自動切断機を用いて約12.7cm(5”)の長さに切断し、特別設計の成形型で液圧プレスを用いてプラスチック基材に圧印する。乾燥機用バーは、満足のいく外観及び乾燥機性能を有する。
【0073】
本明細書は、本発明を詳細に示し、明確に請求することによって結論付けられるが、本発明は次の記述によって更によく理解されるものと考えられる。
【0074】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を含むことができ、それらから本質的になることができ、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は成分が追加成分を包含してよいが、それら追加成分が特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を実質的に変化させない場合に限ることを意味する。
【0075】
本明細書で使用するパーセント及び割合は全て総組成物の重量によるものであり、及び全ての測定は、他に明示しない限り、25℃で行われる。1角度は、完全回転の1/360に等しい大きさの角度指標の平面単位である。
【0076】
本明細書で使用される全ての測定値は、特に指定のない限り、メートル法である。
【0077】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0078】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機用バー組成物を含む乾燥機用バーであって、前記乾燥機用バー組成物が、前記組成物の全容積に対して約0.33%〜約20%の空隙容積パーセントを含む、乾燥機用バー。
【請求項2】
前記組成物が、約1%〜約15%の空隙容積を含む、請求項1に記載の乾燥機用バー。
【請求項3】
前記組成物が、約3%〜約10%の空隙容積を含む、請求項2に記載の乾燥機用バー。
【請求項4】
前記組成物が、約3.19%〜約7.45%の空隙容積を含む、請求項3に記載の乾燥機用バー。
【請求項5】
前記組成物に機能的に取り付けられるプラスチックキャリアを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項6】
前記組成物が、洗濯物を柔軟化するのに好適な四級アンモニウム化合物を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項7】
前記組成物が、任意の洗浄性アニオン性界面活性剤を本質的に含まない、請求項6に記載の乾燥機用バー。
【請求項8】
前記乾燥機用バーが、単軸押出成形プロセスによって作製される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項9】
自動洗濯乾燥機の内部に請求項1〜8のいずれか一項に記載の乾燥機用バーを設置する工程を含む、布地を柔軟化する方法。
【請求項1】
乾燥機用バー組成物を含む乾燥機用バーであって、前記乾燥機用バー組成物が、前記組成物の全容積に対して約0.33%〜約20%の空隙容積パーセントを含む、乾燥機用バー。
【請求項2】
前記組成物が、約1%〜約15%の空隙容積を含む、請求項1に記載の乾燥機用バー。
【請求項3】
前記組成物が、約3%〜約10%の空隙容積を含む、請求項2に記載の乾燥機用バー。
【請求項4】
前記組成物が、約3.19%〜約7.45%の空隙容積を含む、請求項3に記載の乾燥機用バー。
【請求項5】
前記組成物に機能的に取り付けられるプラスチックキャリアを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項6】
前記組成物が、洗濯物を柔軟化するのに好適な四級アンモニウム化合物を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項7】
前記組成物が、任意の洗浄性アニオン性界面活性剤を本質的に含まない、請求項6に記載の乾燥機用バー。
【請求項8】
前記乾燥機用バーが、単軸押出成形プロセスによって作製される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乾燥機用バー。
【請求項9】
自動洗濯乾燥機の内部に請求項1〜8のいずれか一項に記載の乾燥機用バーを設置する工程を含む、布地を柔軟化する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−531278(P2012−531278A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517850(P2012−517850)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040328
【国際公開番号】WO2011/002743
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040328
【国際公開番号】WO2011/002743
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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