説明

立体マスク及びその製造方法

【課題】本発明は化粧料を含浸し顔等に装着して使用する立体マスク及びその製造方法に関し、顔との密着性を高め使用性の向上を図ることを課題とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布13を顔形状に立体的に成形したマスク本体11に化粧料を含浸して立体マスクを構成する。また、この立体マスクを製造する製造方法は、三次元計測ユニット20を用いて顔の三次元画像データを取り込むステップと、この三次元画像データに基づき顔の形状に対応した顔型30を形成するステップと、この顔型30に熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布13を装着して加熱及び加圧処理を行うことにより顔型30に対応した形状に成形しマスク本体11を製造するステップと、このマスク本体11に対し化粧料を含浸させるステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立体マスク及びその製造方法に係り、特に化粧料を含浸し顔等に装着して使用する立体マスク及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば化粧水、乳液、美容液などの化粧料を顔に簡単かつ長時間にわたり塗布する目的で、不織布等からなるシート状物に化粧料を含浸させた顔用マスク(フェイスマスクとも称される)が市販されている。
【0003】
この顔用マスクは、顔部の立体面に即してマスクが馴染んで密着するように、顔用マスクの周縁部の適所に複数の切り込みを入れ、更には顔用マスクにおける、目、鼻、口に対応する各部位に、孔を開けたり切り込みを入れたりする等の工夫が施され、これにより顔用マスクの使用性を向上させていた(特許文献1,2,3)。また、一対のシート材を中央で貼り合わせることにより、マスクを立体化した構成のものも提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3135002号公報
【特許文献2】特開2000−342323号公報
【特許文献3】特開2006−015049号公報
【特許文献4】特開2007−330329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シート状の不織布に複数の切り込みを入れた構成のマスクでは、複雑な凹凸を有する顔形状に対応させることができず、装着時に顔とマスクとの間に離れた部分(離間部分)が必然的に発生してしまう。この離間部分では、マスクに含浸させた化粧料を顔に塗布することができず、マスクによる美容効果を十分に発揮させることができないという問題点があった。
【0006】
また、顔とマスクの離間部分を少なくしようとする場合には、マスクに複数形成された切り込み部分の折り曲げ量や折り曲げ角度を適宜調整する必要があり、マスクの装着作業が面倒であるという問題点があった。更に、折り曲げた部分には、元の形状(シート状)に戻ろうとする力が作用するため、マスク装着後にこの折り曲げ部分が顔から剥がれてしまうおそれもあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、顔との密着性を高め使用性の向上を図った立体マスク及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、第1の観点からは、
熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を顔形状に立体的に成形したマスク本体を有し、該マスク本体に化粧料を含浸してなることを特徴とする立体マスクにより解決することができる。
【0009】
また上記の課題は、他の観点からは、
顔の形状に対応した立体形状を有する立体マスクの製造方法であって、
撮像装置と画像生成装置とを有する三次元計測ユニットを用いて顔の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記顔の形状に対応した顔型を形成するステップと、
前記顔型に熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を装着し、加熱及び加圧処理を行うことにより、前記不織布を前記顔型に対応した形状に成形しマスク本体を製造するステップと、
該マスク本体に対し化粧料を含浸させるステップとを有する立体マスクの製造方法により解決することができる。
【0010】
更に上記の課題は、他の観点からは、
顔の形状に対応した立体形状を有する立体マスクの製造方法であって、
撮像装置と画像生成装置とを有する三次元計測ユニットを用いて顔の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記顔と同一形状の第1の顔型を形成するステップと、
該第1の顔型の頬部分に切り込みを入れ、前記第1の顔型を前記切り込み部分を広げることにより前記第1の顔型を展開した第2の顔型を形成するステップと、
前記三次元計測ユニットを用いて前記第2の顔型の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記第2の顔型の形状に対応した第3の顔型を形成するステップと、
前記第3の顔型に熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を装着し、加熱及び加圧処理を行うことにより、前記不織布を前記顔型に対応した形状に成形しマスク本体を製造するステップと、
該マスク本体に対し化粧料を含浸させるステップとを有する立体マスクの製造方法により解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
開示の立体マスクによれば、マスク本体が顔に密着するため、化粧料を顔全体にむらなく塗布することができ、美容効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である立体マスクを装着した状態を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その1)。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その2)。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その3)。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その4)。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態である立体マスクを示す図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図であり、(A)は第1の顔型の断面図、(B)は第1の顔型の側面図である(その1)。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図であり、(A)は第1の顔型の断面図、(B)は第1の顔型の側面図である(その2)。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その3)。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その4)。
【図11】図11は、第1の顔型の正面図である。
【図12】図12は、スリットを形成した第1の顔型の斜視図である。
【図13】図13は、第2実施形態である美顔用マスクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0014】
図1は、被装着者Aが本発明の第1実施形態である立体マスク10を装着した状態を示している。図1に示すように、立体マスク10は被装着者Aの顔を覆うように装着される美顔用のマスクである。本実施形態に係る立体マスク10は、不織布よりなるマスク本体11に化粧料を含浸させた構成とされている。また、マスク本体11を構成する不織布は、熱可塑性樹脂よりなる繊維を60%以上100%未満含ませたものを使用している。
【0015】
これは、立体成形は繊維表面の溶融と固化によるマトリックス形成によって成り立つため、熱可塑性樹脂繊維の含まれる量を60%未満とすると熱による成形が困難になり、また繊維のマトリックスが弱くなって保形性が低下するためである。
【0016】
また本実施形態では熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を用いている。しかしながら、熱可塑性樹脂はPETに限定されるものではなく、ポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維等を用いることも可能である。
【0017】
また、本実施形態で使用している不織布は、目付が40g/m2以上120g/m2以下に設定されている。これは、目付が40g/m2未満になると、成形により伸ばされる部分が薄くなり過ぎて孔が生じる原因となるからである。また、目付が40g/m2以上120g/m2を越えると、不織布が硬すぎて顔へのフィット感及び使用感が損なわれるからである。なお、ここで「目付」とは不織布の厚みを表現する方法のひとつであり、1平方メートルあたりの重さをグラムで表したものである。
【0018】
次に、上記構成とされた立体マスク10の第1実施形態に係る製造方法について説明する。図2乃至図6は、立体マスク10の製造方法を製造手順に沿って示している。
【0019】
立体マスク10を製造するには、先ず被装着者Aの顔の三次元画像データを取り込む。この被装着者Aの顔の三次元画像データを取り込むには、図2に示す三次元計測ユニット20を用いる。三次元計測ユニット20は、大略するとカメラ21と画像生成装置22とを有している。
【0020】
カメラ21はCCDカメラであり、被装着者Aの顔を撮像する。撮像された被装着者Aの撮像データは、画像生成装置22に送信される。
【0021】
この際、撮像される被装着者Aの顔は一人に限定されるものではない。即ち、特定の被装着者Aの顔を撮像し、この撮像データを画像生成装置22に送信した場合には、後述する処理を実施することにより当該被装着者Aの顔形状に高精度に一致した立体マスク10を製造することができる。しかしながら、汎用性の高い立体マスク10を製造する方法として、複数の被装着者Aの顔を撮像し、これを画像生成装置22に送信すると共に画像処理により平均化し、この平均顔に基づき立体マスク10を製造することとしてもよい。以の説明では、この特定の被装着者Aの顔及び複数撮像された顔から生成された平均顔を纏めて「被装着者A」と表現するものとする。
【0022】
本実施形態では、パーソナルコンピュータにより画像生成装置22を実現している。パーソナルコンピュータには、三次元画像生成用のソフトウェアがインストールされている。そして、この三次元画像生成用ソフトウェアが実行されることにより、カメラ21から送信された撮像データに基づき被装着者Aの三次元画像データが生成される。
【0023】
この被装着者Aの三次元画像データは、図示しない三次元精密加工装置に送られる。この三次元精密加工装置は多軸(例えば5軸)のマシニングセンターであり、被装着者Aの三次元画像データに基づき被装着者Aの顔形状に対応した顔型15を製造する。顔型15は、立体マスク10を成形する際に成形型となるものであり、雄型16と雌型17とにより構成されている。図3は、顔型15を構成する雄型16及び雌型17を示している。雄型16には顔モデルに対応した凸状の顔型部16aが形成されており、また雌型17には顔モデルに対応した凹状のキャビティ17aが形成されている。
【0024】
顔型15が形成されると、続いてこの顔型15を用いて立体マスク10の成形処理が行われる。具体的には、先ず図3に示すように、雄型16と雌型17との間に予めヒータ等で加熱処理を行ったシート状の不織布13を配置する。この不織布13は、前記のように60%以上100%未満の熱可塑性樹脂を有し、かつ目付が40g/m2以上120g/m2以下に設定されている。
【0025】
次に、各型16,17に設けられたヒータを起動させると共に、雌型17を雄型16に向け移動させることにより不織布13を雌型17を介して雄型16に向けて加熱しながら加圧する。図4は、顔型15を用いて不織布13に加熱処理及び加圧処理を行っている状態を示している。
【0026】
不織布13は熱可塑性樹脂を60%以上100%未満と比較的多く含有した構成であるため、加熱処理を実施されつつ加圧処理化が実施されることにより、不織布13は顔型部16a及びキャビティ17aに対応した形状(即ち、被装着者Aの顔形状)に成形される。
【0027】
上記のように不織布13が被装着者Aの顔形状に成形されると、図5に示すように顔型15は離型され、雄型16と雌型17との間から立体マスク10を取り出す。図6は、顔型15から取り出された状態の立体マスク10を示している。
【0028】
顔型15から取り出された立体マスク10は、その外周部分の不要部分が除去されると共に化粧料が含浸される。以上の各製造工程を経ることにより、化粧料が含浸された立体マスク10が製造される。
【0029】
このようにして製造された立体マスク10は、被装着者Aの顔形状と一致した顔型部16a及びキャビティ17aを有する顔型15により製造される。よって、立体マスク10の立体形状は、被装着者Aの顔形状と一致した形状となっている。また、立体マスク10は従来のマスクのように切り込みや縫い目が存在することなく、立体形状を実現しているため、装着時に被装着者Aの顔表面と立体マスク10との間に切り込みや縫い目に起因した間隙が形成されるようなことはない。
【0030】
これにより、この立体マスク10を被装着者Aが装着した際、被装着者Aの顔表面と立体マスク10とは密着するため、化粧料を顔全体にむらなく塗布することができ、美容効果を高めることができる。
【0031】
また本実施形態による立体マスク10の製造方法では、被装着者Aの顔形状と一致した顔型部16a及びキャビティ17aを有した顔型15を用い、不織布13を加温・加圧して立体マスク10を製造するため、被装着者Aの顔形状と一致した立体マスク10を容易かつ生産性よく製造することができる。
【0032】
また、被装着者Aの画像データ(写真データ)の作製はデジタルカメラ等を用いて自宅で行うことが可能であるため、自宅で生成された被装着者Aの画像データをインターネット等の通信回線を利用してマスク製造施設に送信することにより、自己の顔形状に対応したオーダーメードの立体マスク10を製造するシステムとすることも可能である。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法について説明する。
【0034】
図7乃至図13は、本発明の第2実施形態である美顔用マスクの製造方法を示している。なお、図7乃至13において、図1乃至図6に示した構成と対応する構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
本実施形態に係る立体マスク40の製造方法は、製造可能な顔形状の範囲を拡大させたことを特徴とする。即ち、第1実施形態に係る製造方法では、顔型15として被装着者Aの顔形状を再現した顔型部16aを有した雄型16を用いていたため、特に顔型部16aの顎部分において立体マスク10を離型することができなかった。この顎部分は、顎先端が突出しており、この突出部分から喉の部分にかけて漸次内側に窪む形状(くびれた形状)となっている。このため、立体マスク10は顔型部16aの顎部分において離型することができなかった。
【0036】
本実施形態に係る立体マスク40の製造方法は、顔型部16aの顎部分においても離型性を良好としたものである。以下、具体的な立体マスク40の製造方法について説明する。
【0037】
本実施形態に係る立体マスク40の製造方法においても、図2を用いて説明した第1実施形態の製造工程は同様に実施される。即ち、図2に示すカメラ21を用いて被装着者Aの顔を撮像する。撮像された被装着者Aの撮像データは画像生成装置22に送信され、ここで被装着者Aの三次元画像データが生成される。
【0038】
この被装着者Aの三次元画像データは、図示しない三次元精密加工装置に送られ、簡易真空性型を作製する。これを元に真空成形により第1の顔型23を得る。第1の顔型23は、可塑性を有した樹脂等によりなる。
【0039】
図7(A),(B)及び図11は、このようにして作製された第1の顔型23を示している。特に、図7(A),(B)に示す第1の顔型23は、図11に示す第1の顔型23の内、破線で示す切り取り位置24で不用部分を除去した状態を示している。
【0040】
この第1の顔型23の形状は、被装着者Aの顔形状と一致している。この第1の顔型23に対しては、顎部分と目・鼻部分との間で一部を切り離す処理を行う。具体的には、第1の顔型23に対して図7(A),(B)に破線で示す切断位置25で切り込みを入れる(スリットを入れる)処理を行う。
【0041】
第1の顔型23にスリットが形成されると、続いて図8(A),(B)及び図12に示すように、第1の顔型23の両端部近傍を図8(A),(B)に矢印Bで示す方向に変位させ広げることにより、第1の顔型23を展開した第2の顔型27を形成する。第2の顔型27は、スリット26が形成されることにより、鼻・目部分となる顔型半体27Aと、顎部分となる顔型半体27Bとが唇近傍部分で接続された構造となる。このように、第2の顔型27の形状は、第1の顔型23をデフォルメした形状となる。
【0042】
この際、第1の顔型23の矢印B方向への広げ量(即ち、スリット26の角度)は、顎の突出部から喉に至るラインが内側に向かないように、具体的には図8(A)に矢印Cで示す顎の突出部から喉に至るラインが、同図に矢印Dで示す一点鎖線である顎の先端部を通る鉛直線より外側(図中左側)に位置するように設定されている。
【0043】
上記のように第2の顔型27が形成されると、図9に示すように、この第2の顔型27をカメラ21で撮像する処理が実施される。撮像された第2の顔型27の撮像データは、画像生成装置22に送信される。画像生成装置22は、カメラ21から送信された撮像データに基づき第2の顔型27の三次元画像データを生成する。
【0044】
この第2の顔型27の三次元画像データは、図示しない三次元精密加工装置に送られ、三次元精密加工装置は第2の顔型27の三次元画像データに基づき第2の顔型27の顔形状に対応した顔モデルを成形する。
【0045】
次にこの顔モデルに基づき、第3の顔型30を成形する。第3の顔型30は、図10に示すように雄型31と雌型32とにより構成されており、雄型31には顔モデル(第2の顔型27)に対応した凸状のデフォルメ顔型部31aが形成され、また雌型17には顔モデルに対応した凹状のキャビティ32aが形成されている。更に、雄型31及び雌型32には、図示しないヒータが設けられた構成とされている。
【0046】
第3の顔型30が形成されると、続いてこの第3の顔型30を用いて立体マスク40の成形処理が行われる。これから以降の処理は、第1実施形態で説明した製造処理と同一である。即ち、先ず図10に示すように雄型31と雌型32との間にシート状の不織布13を配置する。
【0047】
次に、各型31,32に設けられたヒータを起動させると共に、雌型32を雄型31に向け移動させることにより不織布13を雌型32を介して雄型16に向けて加熱しながら加圧する。そして、不織布13が第2の顔型27の顔形状に成形されると、第3の顔型30は離型され立体マスク40が取り出される。
この際、前記のように雄型31に形成されたデフォルメ顔型部31aは第2の顔型27の顔形状に対応した形状となっているため、デフォルメ顔型部31aの顎の突出部から喉に至るラインCが顎の先端部を通る鉛直線Dより外側(図中左側)に位置するように設定されている。このため、従来では成形ができない形状の成形が可能とになると共に離型時に立体マスク40が破損することを防止できる。図13は、第3の顔型30から取り出された状態の立体マスク40を示している。
【0048】
この第3の顔型30から取り出された立体マスク40は、その外周部分の不要部分が除去されると共に化粧料が含浸され、以上の各製造工程を経ることにより化粧料が含浸された立体マスク40が製造される。
【0049】
上記した第2実施形態に係る製造方法によれば、前記のように第3の顔型30からの離型時に破損するようなことはないため、立体マスク40を生産性よく製造することができる。また、立体マスク40は第1の顔型23をデフォルメした第2の顔型27に基づき成形されるため、立体マスク40にはスリット26に対応した部分(図13に示すスリット対応部41)が形成される。このため、スリット対応部41に対応した部分を被装着者Aが指で摘んで持ち上げることにより、顎のリフトアップを行うことも可能となる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0051】
10,40 立体マスク
11 マスク本体
12 開口部
13 不織布
15 顔型
16 雄型
17 雌型
20 三次元計測ユニット
21 カメラ
22 画像生成装置
23 第1の顔型
24 切り取り位置
25 切断位置
26 スリット
27 第2の顔型
30 第3の顔型
31 雄型
32 雌型
41 スリット対応部
A 被装着者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を顔形状に立体的に成形したマスク本体を有し、該マスク本体に化粧料を含浸してなることを特徴とする立体マスク。
【請求項2】
前記マスク本体は、前記熱可塑性樹脂繊維を60%以上100%未満含ませてなることを特徴とする請求項1記載の立体マスク。
【請求項3】
前記不織布は、目付40g/m2以上120g/m2以下であることを特徴する請求項1又は2記載の立体マスク。
【請求項4】
顔の形状に対応した立体形状を有する立体マスクの製造方法であって、
撮像装置と画像生成装置とを有する三次元計測ユニットを用いて顔の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記顔の形状に対応した顔型を形成するステップと、
前記顔型に熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を装着し、加熱及び加圧処理を行うことにより、前記不織布を前記顔型に対応した形状に成形しマスク本体を製造するステップと、
該マスク本体に対し化粧料を含浸させるステップとを有する立体マスクの製造方法。
【請求項5】
顔の形状に対応した立体形状を有する立体マスクの製造方法であって、
撮像装置と画像生成装置とを有する三次元計測ユニットを用いて顔の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記顔と同一形状の第1の顔型を形成するステップと、
該第1の顔型の頬部分に切り込みを入れ、前記第1の顔型を前記切り込み部分を広げることにより前記第1の顔型を展開した第2の顔型を形成するステップと、
前記三次元計測ユニットを用いて前記第2の顔型の三次元画像データを取り込むステップと、
前記三次元画像データに基づき前記第2の顔型の形状に対応した第3の顔型を形成するステップと、
前記第3の顔型に熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を装着し、加熱及び加圧処理を行うことにより、前記不織布を前記顔型に対応した形状に成形しマスク本体を製造するステップと、
該マスク本体に対し化粧料を含浸させるステップとを有する立体マスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−75795(P2012−75795A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225990(P2010−225990)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【出願人】(591147498)株式会社柏木モールド (10)