立体構造物
【課題】意匠的表現や装飾性の豊かな表現をすることのできる立体構造物を提供すること。
【解決手段】立体構造物1は、外観形状部材を構成するベース板3、蓋部材7とベース板3と蓋部材7との間に重合する被写部材5とで構成する。ベース板3は光透過性樹脂材からなり矩形板状に形成している。蓋部材7は光透過性樹脂材からなり上方に球状を成す湾曲部7aを備えている。被写部材5は木目を有する木製からなり薄板円板状に形成している。ベース板3と被写部材5、被写部材5と蓋部材7は可視光重合型一液性接着剤8で接着して重合する。被写部材5は光の屈折により湾曲部7aで広がり、全体的に膨潤した状態を表現する。
【解決手段】立体構造物1は、外観形状部材を構成するベース板3、蓋部材7とベース板3と蓋部材7との間に重合する被写部材5とで構成する。ベース板3は光透過性樹脂材からなり矩形板状に形成している。蓋部材7は光透過性樹脂材からなり上方に球状を成す湾曲部7aを備えている。被写部材5は木目を有する木製からなり薄板円板状に形成している。ベース板3と被写部材5、被写部材5と蓋部材7は可視光重合型一液性接着剤8で接着して重合する。被写部材5は光の屈折により湾曲部7aで広がり、全体的に膨潤した状態を表現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光透過性樹脂材を使用して多彩な表現をかもし出すことができる置物や飾り物あるいはこれらを組み合わせた組合せ体の立体構造物に関し、さらに意匠性、装飾性に優れた立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性樹脂材を使用した置物や飾り物は、従来から提供されている。例えば、従来において、固型中空部を透明性の樹脂枠体内に備えた立体有形物の樹脂構造体が特許文献1によって知られている。これによると、立体有形物の樹脂構造体は、各種の教材・展示物・置物において平面的な写真や印刷物に代わるものとして有用に活用できるものとして提供されている。この樹脂構造体は継ぎ目なし樹脂枠体に固型中空部として現した構造からなり、中空部を彫刻体の立体外周と同一サイズ同一形状の外形形状を有する立体中空部にして底部が開放されて外側と連通した構造となっている。
【特許文献1】特開2004−114473公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されているものでは、実物と同質同一となる精微な外周形状・表面意匠を備えた高度のリアリティで高品質なものであるものの、その成形方法は、精微鋳造のロストワックス工法を応用していることから、極めてコストを高くするものであった。また、透明な樹脂枠を使用しているものの、樹脂材内で表現される表現体を、例えば、光の屈折等を利用して強調することに関しては表現しきれない状態であった。つまり、透明な樹脂枠内に表現される表現体を挿入して、光を当てることによって多彩な意匠的表現や色彩的な表現を強調することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、多彩な表現を強調することができるとともに、多様なものに利用できる立体構造物を提供することを目的とする。そのために、本発明に係る立体構造物は、以下のように構成するものである。
すなわち、
請求項1記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と、前記外観形状部材に記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
請求項2記載の発明では、前記外観形状部材には、一部に湾曲部が形成されていることを特徴としている。
【0006】
請求項3記載の発明では、前記湾曲部が傾斜面を有する波状に形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項4記載の発明では、前記外観形状部材が一対配置され、前記被写部材が一対の前記外観形状部材の間に重合されて形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項5記載の発明では、前記外観形状部材と前記被写部材が接合された後、表面を切削加工又は研磨加工によって所定の形状に形成されることを特徴としている。
【0009】
請求項6記載の発明では、前記被写部材が、木材又は布材あるいは紙材さらに樹脂材で形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項7記載の発明では、前記外観形状部材を上下左右に並列して配置することによって、ユニット体として構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項8記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された複数のプレートと、記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを備え、前記複数のプレートのうち、離隔した位置のいずれかのプレート間に前記被写部材が、それぞれ可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項9記載の発明では、請求項8記載の発明において、前記被写部材の一方の面が、印刷面に形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項10記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された少なくとも2枚のプレートと、前記プレート間に挟持された薄状被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記薄状被写部材が、花びら又は木の葉であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と記録手段を施した被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合することによって、板状に形成する外観形状部材と被写部材を容易に接合することができる。しかもこの接着剤は気泡を発生することなくまた光の屈折を妨げることなく接着できる。したがって、外観形状部材に独自な表現を付与する被写部材に多様な記録手段(例えば、有色、印刷した文字、各種の模様等)を施すことによって、光透過性の外観形状部材を通して多彩な表現を付与することができて置物や飾り物に好適に使用することができる。
【0016】
この立体構造物の外観形状部材に湾曲部を形成することによって、光の屈折により、被写部材に施された記録手段が湾曲部で拡大されて写し出され、高度な意匠物品や装飾品等として独自の表現をかもし出すことができる。また、湾曲部を、傾斜面を有する波状に形成すれば、例えば、記録手段が色彩を有することによって、見る角度で異なる色彩を表現することができ、芸術性を向上させることができる。
【0017】
さらに、この立体構造物は、外観形状部材と被写部材とを接着して形成することから、多様な形状を切削加工あるいは研磨加工によって仕上げることができる。そのため、品質の高い独特の商品を提供することができる。
【0018】
また、この立体構造物は、飾り物や置物として利用するとともに、複数並設すれば組立ユニット体、例えば、装飾タイル壁として利用することもできる。
【0019】
また、被写部材を木製で形成すれば木目を表現することができ、布製で形成すれば布部材に形成した模様を浮き出させることができ、紙製で形成すれば、印刷した文字を表現することができ、さらに、樹脂製で形成すれば有色に形成することができカラフルな表現を付与することができる。
【0020】
この立体構造物は、外観形状部材を一対形成して、一対の外観形状部材間に被写部材を重合して形成することもでき、また、被写部材を1個の外観形状部材の端部に重合して形成することもできる。
【0021】
さらに、この立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された複数のプレート間に、離隔した位置の2箇所以上に被写部材を挿入することもできる。これによって、それぞれの被写部材に記録された表現を重ね合わせて、1つの完成された表現にすることができる。
【0022】
また、この立体構造物は、記録手段を有する薄板状の被写部材の代わりに花びらや木の葉等の植物を、直接、一対のプレート間に挟持するものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の一形態による立体構造物を図面に基づいて説明する。
【0024】
本願発明は、光透過性樹脂材で形成された一対のプレート(異形のものを含む)を外観形状部材として配置するとともに、一対のプレート間に被写部材を挟持しつつ接着剤で接合し、光を照射することによって多彩な表現を可能にするものである。以下に、各種の形態を示す。
【0025】
第1の形態の立体構造物は、図1〜3に示すように、本願発明の基本的な実施形態を示すものである。立体構造物1は、一対の外観形状部材として矩形板状のベース板3と蓋部材7とを設けている。ベース板3と蓋部材7との間に薄板状に形成された被写部材5をそれぞれ接着剤8で接着して重合している。
【0026】
ベース板3は光透過性樹脂材、例えば、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材、で形成されている。蓋部材7もベース板3と同様の光透過性樹脂材、例えば、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材、で形成されている。実施形態の蓋部材7は球状の一部を切り欠いた中実の湾曲部7aを有している。つまり、蓋部材7は被写部材5に当接する底面7bと底面7bから上方に突出する球状の湾曲部7aで形成され、湾曲部7aの最大外径はベース板3の外径より小径に形成されている。
【0027】
被写部材5は、木製、布製、紙製又は樹脂製のもので形成され、蓋部材7と略同一の外径で円板状に形成されている。また、被写部材5には記録手段が設けられている。記録手段は光透過性の外観形状部材を通じて被写部材5とともに写し出されて独自の雰囲気を表現するものであり、特に湾曲部7aを通ることによって光の屈折でその表現が拡大されることになる。この記録手段は、例えば、有色に形成されるか、印刷して形成されるか、適宜な模様をつけて形成されるかによって立体構造物の独自の表現を可能にしている。第1の形態の被写部材5の厚みは、0.1〜1mmの間に形成され、図1〜3の図例においては、被写部材5は木製で形成され、記録手段として床又は壁に適した木目模様が形成されている。
【0028】
また、被写部材5はベース板3及び蓋部材7との間に接着剤8で接着することによってベース板3と蓋部材7とを一体的に形成する。この接着剤8は、接着する際に気泡を発生させず、また、樹脂製のベース板3と蓋部材7に透過する光の屈折を妨げないような特殊な接着剤を使用する。この接着剤8は、例えば、可視光重合型プラスチック用接着剤として形成された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)を使用している。商品名「クリアルーチェMA21」は、成分が変成アクリレートで形成され、黄色透明液体の外観を有して粘度が15〜25mP・sと超低粘度を示している。つまり、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂板の面接着に最適な可視光重合型一液性接着剤であり、アクリル系モノマーだけからなる無溶剤系接着剤である。この接着剤8はアクリル樹脂やポリカーボネートを溶解せずに強力接着できることが特徴である。
【0029】
この第1の形態の立体構造物1は、矩形板状のベース板3と被写部材5と矩形板状の蓋部材7とを接着剤8の接着によって一体的に形成した後、切削加工又は研磨加工によって最終的な製品として形成する。つまり、まず矩形板状の2枚の樹脂板を予め工作機械で粗加工する。その後、円板状の被写部材5を接着剤8で接着して一体的に形成する。そして、一方の樹脂板を被写部材5の外径に合わせて湾曲状に切削加工して蓋部材7の外径形状を形成する。その後、ベース板3と蓋部材7との表面に研磨加工を行なって仕上げる。
【0030】
これによって形成された立体構造物1では、光の屈折により記録手段としての被写部材5とその木目模様が蓋部材7の湾曲部7aに写し出されて、被写部材5の形状と木目模様が膨潤した状態を鑑賞することができる。なお、光を照射する際に、ベース板3の下面あるいは側面に複数の色を有するLED装置を配置して立体構造物1に照射すれば、被写部材5は光の屈折と時間とともに変化する色により華麗なまたファンタジックな雰囲気を作り出すことができる。
【0031】
この立体構造物1のベース板3は矩形板状に形成されていることから、図4に示すように左右上下方向に多数並列させることによってタイル壁9として構成することができる。このタイル壁9は、蓋部材7が湾曲部7aを形成していることと被写部材5の外形及びその木目模様が膨潤して鑑賞できることから立体感があり、また木目の落ち着いた感じを表現することができるから、リラックスした安定感のある部屋を形成することができる。
【0032】
以下、外観形状部材と被写部材の別の形態について説明する。
【0033】
第2の形態の立体構造物11は、図5(a)(b)に示すように、ベース板13が円板状に形成されているものであり、蓋部材17は第1の形態と同様、ベース板13より小径に形成されるとともに上方に球状の一部を切り欠いた湾曲部17aに形成されている。被写部材15は適宜な模様を有する布製で形成されている。接着剤8は第1の形態と同様であり、ベース板13と被写部材15及び被写部材15と蓋部材17とを接着している。そして第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。したがって、この立体構造物11は、ベース板13を通じて適宜な模様を描いた布製の被写部材が写し出されることになる。そして、ベース板13が円板状に形成されていることから、立体感のある特殊な置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0034】
第3の形態の立体構造物21は、図6(a)(b)に示すように、ベース板23と被写部材25と蓋部材27とが同一の外径を有して円板状に形成されている。ベース板23は、第1の形態の立体構造物1におけるベース板3と略同一高さに形成され、蓋部材27は、第1の形態の立体構造物1における蓋部材7と同様の球状の一部を切り欠いた湾曲部27aを有して形成されているとともに高さ方向に円柱状の厚みを有して形成されている。
【0035】
被写部材25は、紙材からなり上面側に記録手段として文字が印刷されている。また、被写部材25は有色をなしており、実施形態では、例えば、青色が濃淡状に形成されている。この色は、側面視において、ベース板23と蓋部材27の厚み部位が透明に目視され、蓋部材27の湾曲部27aが青色に写し出されている。平面視や斜視においては青色が広まるとともに内部の文字が広がるように目視される。なお、色は、青色に限定するものではなく、例えば、桃色や黄色であればきれいな感じが表現でき赤色であれば派手な感じを表現することができる。
【0036】
接着剤8は第1の形態と同様であり、ベース板23と被写部材25、および被写部材25と蓋部材27とを接着している。そして第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。したがって、この立体構造物21は、被写部材25が印刷された紙部材で形成されるとともに有色を成し、全体的に略円柱状に形成されていることから、文字を表現することにふさわしい場所に置く置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0037】
第4の形態の立体構造物31は、図7(a)(b)に示すように、立方体に形成されている。この場合、一対の外観形状部材として下外観形状部33と上外観形状部37が同形に形成されている。下外観形状部33と上外観形状部37とは、いずれも複数の樹脂板を重ねて多層に形成されている。複数の層は、第1の形態と同様、接着剤8で接着して重合されている。下外観形状部33と上外観形状部37との間には樹脂材で形成された有色の被写部材35が接着剤8で接着して形成されている。この被写部材35は、記録手段として各種の色を写し出して表現するものである。被写部材35が樹脂製の材料で形成されている場合には、その厚みは第1の形態の被写部材3より厚く形成され、例えば図例においては、約3mm程度に形成されている。この形態の立体構造物31は、6面の一部あるいは全部に凹状の湾曲部34を形成している。したがって、被写部材35に形成された有色が湾曲部34に透過する際に、光の屈折で色が広がってカラフルな雰囲気をかもし出すことができる。
【0038】
この第4の形態の立体構造物31を製造する場合、矩形板状の複数の下外観形状部33、矩形板状の被写部材35、矩形板状の複数の上外観形状部37をそれぞれ接着して一体的に重合した後、湾曲部34を含めて外形を第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。この加工によって被写部材35は湾曲部34が削られて星型に形成されることとなる。
【0039】
この立体構造物31は、有色をなす立方体に形成されていることから、カラフルな特殊な置物又は飾り物として好適に使用するか、1〜6の数字を各面に刻設することによって遊技用のサイコロとしても使用することができる。
【0040】
第5の形態の立体構造物41は、図8(a)(b)に示すように、全体が略球状に形成されている。外観形状部材としては、球状の下半分を下外観形状部43として形成し、上半分を上外観形状部47として形成している。下外観形状部43と上外観形状部47との間に円板状の被写部材45が接着剤8で接合されている。被写部材45の記録手段としては、第4の形態と同様、有色に形成されていることにある。下外観形状部43の下面は平面部に形成して底部43aとし、底部43aから円錐状凹部44を上外観形状部47内に進出するように形成する。したがって、被写部材45は円錐状凹部44を横切って配置されることになる。もちろん被写部材45の円錐状凹部44に進入する部位は削り取られることになる。
【0041】
この被写部材45は有色であるため、円錐状凹部44における上外観形状部47と下外観形状部43とで屈折する方向が異なり、上からの目視状態と下からの目視状態では色の写り方が変わることとなる。
【0042】
この立体構造物41を製造する場合には、第4の形態の立体構造物31のように矩形板状の複数の樹脂板を複数に重合して立方体に形成した後、切削加工又は研磨加工によって円錐状凹部44を形成し、最後に表面を切削加工又は研磨加工によって仕上げる。
【0043】
この立体構造物41は、全面的に有色が表現されることからベース板43の底部43aを下面側に置けばカラフルな置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0044】
第6の形態の立体構造物51は、図9(a)(b)に示すように、円柱状に形成されている。この場合、樹脂製で形成された円柱状の外観形状部材53と外観形状部材53の一方の端部に配置される樹脂製で有色の被写部材55で形成されている。外観形状部材53は、複数の円板状の樹脂製部材を接着剤8で接着して多数層として形成する。また、被写部材55はやはり接着剤8によって外観形状部材53の一方の端部に接着して重合する。両端面には凹状湾曲部54が形成され、一方の側面には軸方向に沿って平面部56が形成されている。
【0045】
被写部材55に形成された記録手段は有色であり、被写部材55に形成された色が上方の湾曲部54で屈折して広がり、その色の特徴を表現することによってカラフルな雰囲気を表現することとなる。
【0046】
この立体構造物51を製造する場合、円板状に形成された被写部材55を一端に配置して円板状に形成された複数の樹脂製部材を接着剤8で接着した後、表面を切削加工で円柱状に形成する。そして、凹状湾曲部54及び側面の平面部56を切削加工して全体表面を研磨加工で仕上げる。
【0047】
この立体構造物51も有色の被写部材55が凹状湾曲部54に写し出されて全体的に有色された状態で目視されるから、立体的でカラフルな置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0048】
第7の形態の立体構造物61は、図10〜12に示すように、直方体状に形成されている。この場合、中央部に被写部材65を間にして樹脂製で形成された下外観形状部63と上外観形状部67とで形成されている。下外観形状部63及び上外観形状部67は、複数の矩形板状の樹脂製部材を接着剤8で接着して多数層として形成している。被写部材65は有色の樹脂製部材で形成されるとともに下外観形状部63と上外観形状部67とを接着剤8によって接着して重合する。そして、直方体の一辺に上面から正面にかけて傾斜した凹凸状の波形状部68を形成する。図例においては、図11に示す方向を正面側とし、図12に示す方向を平面側とすると、立体構造物61は上面側における後端部付近から正面側における被写部材65を越えて下端部付近まで傾斜しながら正面側及び平面側の略全面にわたって波形状部68を形成している。
【0049】
被写部材65に形成された記録手段は有色であり、被写部材65に形成された色が波形状部68で屈折して広がり、角度の異なる場所から目視するとその色の変化が極めて特徴的となる。つまり図11に示すように、正面から目視すると、有色の被写部材65の厚み分だけが有色となって写る。徐々に平面側に目視点を移動すると、被写部材65の幅方向に沿って色が広がるとともに正面及び傾斜面に現れた色彩部がずれた状態で目視される。さらに平面方向に目視点を移動すると、色が全体的に広がるとともに一部には透明部分が反映される。この立体構造物を左右方向又は上下方向に並列して、部屋の壁に貼り付けることによって、芸術的な雰囲気を表現できる部屋として形成することができる。
【0050】
次に第8の形態の立体構造物について説明する。図13〜15に示すように、この形態の立体構造物71は、複数のプレート73を重合して形成されている。プレート73は、前述と同様、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材の光透過性樹脂材で形成されている。実施形態のプレート73は矩形板状に形成され、各プレート73は、前述の接着剤8(可視光重合型一液性接着剤)で接合されている。複数のプレート73のうち離隔した位置のいずれかのプレート73、73間には、被写部材75が挟持され、被写部材75の一方の面が印刷面75aとして形成されている。
【0051】
実施形態の被写部材75は、光透過性樹脂材の矩形板状に形成されたものが使用され、プレート73、73間の3箇所の位置に挿入されている。それぞれの被写部材75の印刷面75aに描かれた印刷は、部分絵でありそれぞれの部分絵を組み合わせて図15に示すような1つの完成された絵となっている。
【0052】
この形態におけるプレート73は矩形板状に形成されているが、特徴的な外観形状を示すために、湾曲部を有する外形に形成してもよい。また、被写部材75は、樹脂材でなくても、紙で形成したものや布に形成したものの一方に印刷されたものであってもよい。また、それぞれ異なる色で形成された樹脂材であってもよい。記録手段については、適宜決定される。さらに、被写部材75が離隔した位置に複数挟持されているものであれば、プレート73、被写部材75はその数に限定されるものではない。
【0053】
この形態によれば、部分絵として形成された複数の被写部材75を組み合わせて1つの絵を完成することができることから、いろいろな角度で目視する表現がそれぞれ異なることとなって、ユニークな飾り物として鑑賞することができる。
【0054】
実施形態の被写部材75は、光透過性樹脂材の矩形板状に形成されたものが使用され、プレート73、73間の3箇所の位置に挿入されている。それぞれの被写部材75の印刷面75aに描かれた印刷は、部分絵でありそれぞれの部分絵を組み合わせて図15に示すような1つの完成された絵となっている。
【0055】
この形態におけるプレート73は矩形板状に形成されているが、特徴的な外観形状を示すために、湾曲部を有する外形に形成してもよい。また、被写部材75は、樹脂材でなくても、紙で形成したものや布に形成したものの一方に印刷されたものであってもよい。また、それぞれ異なる色で形成された樹脂材であってもよい。記録手段については、適宜決定される。さらに、被写部材75が離隔した位置に複数挟持されているものであれば、プレート73、被写部材75はその数に限定されるものではない。
【0056】
図16〜18に示す立体構造物81は、複数のプレート83を重合して形成されている。プレート83は、前述と同様、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材の光透過性樹脂材で形成されている。実施形態のプレート83は矩形板状に形成され、各プレート83は、前述の接着剤8(可視光重合型一液性接着剤)で接合されている。複数のプレート83のうち離隔した位置のいずれかのプレート83、83間には、3箇所に被写部材85が挟持され、そのうち2箇所の被写部材85Aは、1輪の花びらや木の葉等からなる植物が押し花状に挟持されている。1輪の植物からなる被写部材85Aは、正面視それぞれ重ならない別の位置に配置されている。1箇所に配置された被写部材85Bは、木目を示す薄い木材で形成されるとともに、被写部材85Aより後方の位置で、配置された植物の背景となるように配置されている。
【0057】
つまり、この形態においては、被写部材が、一対のプレート83、83間に挟持可能な植物(あるいは小石でもよい)そのものであり、例えば、立体構造物81の下面や側面にLED装置を接続して異種の光を照射することによって、背景を表す木目上にそれぞれの植物を交互に強調して表現することができる。これによって、特に夜間においては、華麗な、または、ファンタジックな独特の表現をすることができる。
【0058】
上述のように、各種の形態に示される立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材(又はプレート)と記録手段を有する被写部材を可視光重合型一液性接着剤8で接着して形成されていることから、光が透過することによって記録手段に表現された表示物を鑑賞できる。特に、外観形状部材に湾曲部が形成されることによって、光の屈折で表示物を拡大して鑑賞できることから、新たなオブジェとして鑑賞することができる。しかも、単一又は複数の外観形状部と被写部材とを接着剤で重合して形成できることから、廉価な費用で製作できる。そのため、置物や飾り物、又は室内の装飾品として利用できる。
【0059】
また、被写部材は、記録手段を有する薄板状部材で形成されるものであればよく、あるいは、植物や小石等の実物そのものを被写部材として挟持するものであってもよい。
【0060】
また、外周面を切削加工や研磨加工で仕上げることから、自由な外周形状に形成できるとともに、仕上げ精度を上げることによって、表面をさらに華麗に形成して高級感を持たせることができる。
【0061】
さらに、第1の形態の立体構造物1のように、一方の外観形状部材であるベース板を矩形板状に形成することによって、多数の立体構造物1を並列状に組み合わせることができ、室内のタイル壁として利用することができる。
【0062】
なお、本発明の立体構造物は、上記の形態に限定するものではなく、外観形状部材は、一般に知られている部材、例えば、囲碁や将棋盤又はベンチ等、又は他のどのようなものでも適用することができる。また湾曲部の形状は、適用する部材に合わせて適宜形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における第1の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図2】同正面図である。
【図3】同分解正面図である。
【図4】図1の立体構造物をユニット体として形成した状態を示す正面図である。
【図5】第2の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図6】第3の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図7】第4の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図8】第5の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図9】第6の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図10】第7の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図11】同正面図である。
【図12】同平面図である。
【図13】第8の形態の立体構造物を示す分解斜視図である。
【図14】同側面図である。
【図15】同正面図である。
【図16】第9の形態の立体構造物を示す正面図である。
【図17】同分解斜視図である。
【図18】同側面図である。
【符号の説明】
【0064】
1、11、21、31、41、51、61、71、81、立体構造物
3、13、23、ベース板
5、15、25、35、45、55、65、75、85、被写部材
7、17、27、蓋部材
7a、17a、27a、34、湾曲部
8、接着剤
9、タイル壁
33、43、63、下外観形状部
37、47、67、上外観形状部
44、円錐状凹部
54、凹状湾曲部
68、波形状部
【技術分野】
【0001】
本発明は光透過性樹脂材を使用して多彩な表現をかもし出すことができる置物や飾り物あるいはこれらを組み合わせた組合せ体の立体構造物に関し、さらに意匠性、装飾性に優れた立体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性樹脂材を使用した置物や飾り物は、従来から提供されている。例えば、従来において、固型中空部を透明性の樹脂枠体内に備えた立体有形物の樹脂構造体が特許文献1によって知られている。これによると、立体有形物の樹脂構造体は、各種の教材・展示物・置物において平面的な写真や印刷物に代わるものとして有用に活用できるものとして提供されている。この樹脂構造体は継ぎ目なし樹脂枠体に固型中空部として現した構造からなり、中空部を彫刻体の立体外周と同一サイズ同一形状の外形形状を有する立体中空部にして底部が開放されて外側と連通した構造となっている。
【特許文献1】特開2004−114473公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されているものでは、実物と同質同一となる精微な外周形状・表面意匠を備えた高度のリアリティで高品質なものであるものの、その成形方法は、精微鋳造のロストワックス工法を応用していることから、極めてコストを高くするものであった。また、透明な樹脂枠を使用しているものの、樹脂材内で表現される表現体を、例えば、光の屈折等を利用して強調することに関しては表現しきれない状態であった。つまり、透明な樹脂枠内に表現される表現体を挿入して、光を当てることによって多彩な意匠的表現や色彩的な表現を強調することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、多彩な表現を強調することができるとともに、多様なものに利用できる立体構造物を提供することを目的とする。そのために、本発明に係る立体構造物は、以下のように構成するものである。
すなわち、
請求項1記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と、前記外観形状部材に記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
請求項2記載の発明では、前記外観形状部材には、一部に湾曲部が形成されていることを特徴としている。
【0006】
請求項3記載の発明では、前記湾曲部が傾斜面を有する波状に形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項4記載の発明では、前記外観形状部材が一対配置され、前記被写部材が一対の前記外観形状部材の間に重合されて形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項5記載の発明では、前記外観形状部材と前記被写部材が接合された後、表面を切削加工又は研磨加工によって所定の形状に形成されることを特徴としている。
【0009】
請求項6記載の発明では、前記被写部材が、木材又は布材あるいは紙材さらに樹脂材で形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項7記載の発明では、前記外観形状部材を上下左右に並列して配置することによって、ユニット体として構成されることを特徴としている。
【0011】
請求項8記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された複数のプレートと、記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを備え、前記複数のプレートのうち、離隔した位置のいずれかのプレート間に前記被写部材が、それぞれ可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項9記載の発明では、請求項8記載の発明において、前記被写部材の一方の面が、印刷面に形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項10記載の発明では、光透過性樹脂材で形成された少なくとも2枚のプレートと、前記プレート間に挟持された薄状被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記薄状被写部材が、花びら又は木の葉であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と記録手段を施した被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合することによって、板状に形成する外観形状部材と被写部材を容易に接合することができる。しかもこの接着剤は気泡を発生することなくまた光の屈折を妨げることなく接着できる。したがって、外観形状部材に独自な表現を付与する被写部材に多様な記録手段(例えば、有色、印刷した文字、各種の模様等)を施すことによって、光透過性の外観形状部材を通して多彩な表現を付与することができて置物や飾り物に好適に使用することができる。
【0016】
この立体構造物の外観形状部材に湾曲部を形成することによって、光の屈折により、被写部材に施された記録手段が湾曲部で拡大されて写し出され、高度な意匠物品や装飾品等として独自の表現をかもし出すことができる。また、湾曲部を、傾斜面を有する波状に形成すれば、例えば、記録手段が色彩を有することによって、見る角度で異なる色彩を表現することができ、芸術性を向上させることができる。
【0017】
さらに、この立体構造物は、外観形状部材と被写部材とを接着して形成することから、多様な形状を切削加工あるいは研磨加工によって仕上げることができる。そのため、品質の高い独特の商品を提供することができる。
【0018】
また、この立体構造物は、飾り物や置物として利用するとともに、複数並設すれば組立ユニット体、例えば、装飾タイル壁として利用することもできる。
【0019】
また、被写部材を木製で形成すれば木目を表現することができ、布製で形成すれば布部材に形成した模様を浮き出させることができ、紙製で形成すれば、印刷した文字を表現することができ、さらに、樹脂製で形成すれば有色に形成することができカラフルな表現を付与することができる。
【0020】
この立体構造物は、外観形状部材を一対形成して、一対の外観形状部材間に被写部材を重合して形成することもでき、また、被写部材を1個の外観形状部材の端部に重合して形成することもできる。
【0021】
さらに、この立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された複数のプレート間に、離隔した位置の2箇所以上に被写部材を挿入することもできる。これによって、それぞれの被写部材に記録された表現を重ね合わせて、1つの完成された表現にすることができる。
【0022】
また、この立体構造物は、記録手段を有する薄板状の被写部材の代わりに花びらや木の葉等の植物を、直接、一対のプレート間に挟持するものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の一形態による立体構造物を図面に基づいて説明する。
【0024】
本願発明は、光透過性樹脂材で形成された一対のプレート(異形のものを含む)を外観形状部材として配置するとともに、一対のプレート間に被写部材を挟持しつつ接着剤で接合し、光を照射することによって多彩な表現を可能にするものである。以下に、各種の形態を示す。
【0025】
第1の形態の立体構造物は、図1〜3に示すように、本願発明の基本的な実施形態を示すものである。立体構造物1は、一対の外観形状部材として矩形板状のベース板3と蓋部材7とを設けている。ベース板3と蓋部材7との間に薄板状に形成された被写部材5をそれぞれ接着剤8で接着して重合している。
【0026】
ベース板3は光透過性樹脂材、例えば、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材、で形成されている。蓋部材7もベース板3と同様の光透過性樹脂材、例えば、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材、で形成されている。実施形態の蓋部材7は球状の一部を切り欠いた中実の湾曲部7aを有している。つまり、蓋部材7は被写部材5に当接する底面7bと底面7bから上方に突出する球状の湾曲部7aで形成され、湾曲部7aの最大外径はベース板3の外径より小径に形成されている。
【0027】
被写部材5は、木製、布製、紙製又は樹脂製のもので形成され、蓋部材7と略同一の外径で円板状に形成されている。また、被写部材5には記録手段が設けられている。記録手段は光透過性の外観形状部材を通じて被写部材5とともに写し出されて独自の雰囲気を表現するものであり、特に湾曲部7aを通ることによって光の屈折でその表現が拡大されることになる。この記録手段は、例えば、有色に形成されるか、印刷して形成されるか、適宜な模様をつけて形成されるかによって立体構造物の独自の表現を可能にしている。第1の形態の被写部材5の厚みは、0.1〜1mmの間に形成され、図1〜3の図例においては、被写部材5は木製で形成され、記録手段として床又は壁に適した木目模様が形成されている。
【0028】
また、被写部材5はベース板3及び蓋部材7との間に接着剤8で接着することによってベース板3と蓋部材7とを一体的に形成する。この接着剤8は、接着する際に気泡を発生させず、また、樹脂製のベース板3と蓋部材7に透過する光の屈折を妨げないような特殊な接着剤を使用する。この接着剤8は、例えば、可視光重合型プラスチック用接着剤として形成された商品名「クリアルーチェMA21」(株式会社アーデル製 登録商標)を使用している。商品名「クリアルーチェMA21」は、成分が変成アクリレートで形成され、黄色透明液体の外観を有して粘度が15〜25mP・sと超低粘度を示している。つまり、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂板の面接着に最適な可視光重合型一液性接着剤であり、アクリル系モノマーだけからなる無溶剤系接着剤である。この接着剤8はアクリル樹脂やポリカーボネートを溶解せずに強力接着できることが特徴である。
【0029】
この第1の形態の立体構造物1は、矩形板状のベース板3と被写部材5と矩形板状の蓋部材7とを接着剤8の接着によって一体的に形成した後、切削加工又は研磨加工によって最終的な製品として形成する。つまり、まず矩形板状の2枚の樹脂板を予め工作機械で粗加工する。その後、円板状の被写部材5を接着剤8で接着して一体的に形成する。そして、一方の樹脂板を被写部材5の外径に合わせて湾曲状に切削加工して蓋部材7の外径形状を形成する。その後、ベース板3と蓋部材7との表面に研磨加工を行なって仕上げる。
【0030】
これによって形成された立体構造物1では、光の屈折により記録手段としての被写部材5とその木目模様が蓋部材7の湾曲部7aに写し出されて、被写部材5の形状と木目模様が膨潤した状態を鑑賞することができる。なお、光を照射する際に、ベース板3の下面あるいは側面に複数の色を有するLED装置を配置して立体構造物1に照射すれば、被写部材5は光の屈折と時間とともに変化する色により華麗なまたファンタジックな雰囲気を作り出すことができる。
【0031】
この立体構造物1のベース板3は矩形板状に形成されていることから、図4に示すように左右上下方向に多数並列させることによってタイル壁9として構成することができる。このタイル壁9は、蓋部材7が湾曲部7aを形成していることと被写部材5の外形及びその木目模様が膨潤して鑑賞できることから立体感があり、また木目の落ち着いた感じを表現することができるから、リラックスした安定感のある部屋を形成することができる。
【0032】
以下、外観形状部材と被写部材の別の形態について説明する。
【0033】
第2の形態の立体構造物11は、図5(a)(b)に示すように、ベース板13が円板状に形成されているものであり、蓋部材17は第1の形態と同様、ベース板13より小径に形成されるとともに上方に球状の一部を切り欠いた湾曲部17aに形成されている。被写部材15は適宜な模様を有する布製で形成されている。接着剤8は第1の形態と同様であり、ベース板13と被写部材15及び被写部材15と蓋部材17とを接着している。そして第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。したがって、この立体構造物11は、ベース板13を通じて適宜な模様を描いた布製の被写部材が写し出されることになる。そして、ベース板13が円板状に形成されていることから、立体感のある特殊な置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0034】
第3の形態の立体構造物21は、図6(a)(b)に示すように、ベース板23と被写部材25と蓋部材27とが同一の外径を有して円板状に形成されている。ベース板23は、第1の形態の立体構造物1におけるベース板3と略同一高さに形成され、蓋部材27は、第1の形態の立体構造物1における蓋部材7と同様の球状の一部を切り欠いた湾曲部27aを有して形成されているとともに高さ方向に円柱状の厚みを有して形成されている。
【0035】
被写部材25は、紙材からなり上面側に記録手段として文字が印刷されている。また、被写部材25は有色をなしており、実施形態では、例えば、青色が濃淡状に形成されている。この色は、側面視において、ベース板23と蓋部材27の厚み部位が透明に目視され、蓋部材27の湾曲部27aが青色に写し出されている。平面視や斜視においては青色が広まるとともに内部の文字が広がるように目視される。なお、色は、青色に限定するものではなく、例えば、桃色や黄色であればきれいな感じが表現でき赤色であれば派手な感じを表現することができる。
【0036】
接着剤8は第1の形態と同様であり、ベース板23と被写部材25、および被写部材25と蓋部材27とを接着している。そして第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。したがって、この立体構造物21は、被写部材25が印刷された紙部材で形成されるとともに有色を成し、全体的に略円柱状に形成されていることから、文字を表現することにふさわしい場所に置く置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0037】
第4の形態の立体構造物31は、図7(a)(b)に示すように、立方体に形成されている。この場合、一対の外観形状部材として下外観形状部33と上外観形状部37が同形に形成されている。下外観形状部33と上外観形状部37とは、いずれも複数の樹脂板を重ねて多層に形成されている。複数の層は、第1の形態と同様、接着剤8で接着して重合されている。下外観形状部33と上外観形状部37との間には樹脂材で形成された有色の被写部材35が接着剤8で接着して形成されている。この被写部材35は、記録手段として各種の色を写し出して表現するものである。被写部材35が樹脂製の材料で形成されている場合には、その厚みは第1の形態の被写部材3より厚く形成され、例えば図例においては、約3mm程度に形成されている。この形態の立体構造物31は、6面の一部あるいは全部に凹状の湾曲部34を形成している。したがって、被写部材35に形成された有色が湾曲部34に透過する際に、光の屈折で色が広がってカラフルな雰囲気をかもし出すことができる。
【0038】
この第4の形態の立体構造物31を製造する場合、矩形板状の複数の下外観形状部33、矩形板状の被写部材35、矩形板状の複数の上外観形状部37をそれぞれ接着して一体的に重合した後、湾曲部34を含めて外形を第1の形態と同様の切削加工又は研磨加工を行って仕上げる。この加工によって被写部材35は湾曲部34が削られて星型に形成されることとなる。
【0039】
この立体構造物31は、有色をなす立方体に形成されていることから、カラフルな特殊な置物又は飾り物として好適に使用するか、1〜6の数字を各面に刻設することによって遊技用のサイコロとしても使用することができる。
【0040】
第5の形態の立体構造物41は、図8(a)(b)に示すように、全体が略球状に形成されている。外観形状部材としては、球状の下半分を下外観形状部43として形成し、上半分を上外観形状部47として形成している。下外観形状部43と上外観形状部47との間に円板状の被写部材45が接着剤8で接合されている。被写部材45の記録手段としては、第4の形態と同様、有色に形成されていることにある。下外観形状部43の下面は平面部に形成して底部43aとし、底部43aから円錐状凹部44を上外観形状部47内に進出するように形成する。したがって、被写部材45は円錐状凹部44を横切って配置されることになる。もちろん被写部材45の円錐状凹部44に進入する部位は削り取られることになる。
【0041】
この被写部材45は有色であるため、円錐状凹部44における上外観形状部47と下外観形状部43とで屈折する方向が異なり、上からの目視状態と下からの目視状態では色の写り方が変わることとなる。
【0042】
この立体構造物41を製造する場合には、第4の形態の立体構造物31のように矩形板状の複数の樹脂板を複数に重合して立方体に形成した後、切削加工又は研磨加工によって円錐状凹部44を形成し、最後に表面を切削加工又は研磨加工によって仕上げる。
【0043】
この立体構造物41は、全面的に有色が表現されることからベース板43の底部43aを下面側に置けばカラフルな置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0044】
第6の形態の立体構造物51は、図9(a)(b)に示すように、円柱状に形成されている。この場合、樹脂製で形成された円柱状の外観形状部材53と外観形状部材53の一方の端部に配置される樹脂製で有色の被写部材55で形成されている。外観形状部材53は、複数の円板状の樹脂製部材を接着剤8で接着して多数層として形成する。また、被写部材55はやはり接着剤8によって外観形状部材53の一方の端部に接着して重合する。両端面には凹状湾曲部54が形成され、一方の側面には軸方向に沿って平面部56が形成されている。
【0045】
被写部材55に形成された記録手段は有色であり、被写部材55に形成された色が上方の湾曲部54で屈折して広がり、その色の特徴を表現することによってカラフルな雰囲気を表現することとなる。
【0046】
この立体構造物51を製造する場合、円板状に形成された被写部材55を一端に配置して円板状に形成された複数の樹脂製部材を接着剤8で接着した後、表面を切削加工で円柱状に形成する。そして、凹状湾曲部54及び側面の平面部56を切削加工して全体表面を研磨加工で仕上げる。
【0047】
この立体構造物51も有色の被写部材55が凹状湾曲部54に写し出されて全体的に有色された状態で目視されるから、立体的でカラフルな置物又は飾り物として好適に使用することができる。
【0048】
第7の形態の立体構造物61は、図10〜12に示すように、直方体状に形成されている。この場合、中央部に被写部材65を間にして樹脂製で形成された下外観形状部63と上外観形状部67とで形成されている。下外観形状部63及び上外観形状部67は、複数の矩形板状の樹脂製部材を接着剤8で接着して多数層として形成している。被写部材65は有色の樹脂製部材で形成されるとともに下外観形状部63と上外観形状部67とを接着剤8によって接着して重合する。そして、直方体の一辺に上面から正面にかけて傾斜した凹凸状の波形状部68を形成する。図例においては、図11に示す方向を正面側とし、図12に示す方向を平面側とすると、立体構造物61は上面側における後端部付近から正面側における被写部材65を越えて下端部付近まで傾斜しながら正面側及び平面側の略全面にわたって波形状部68を形成している。
【0049】
被写部材65に形成された記録手段は有色であり、被写部材65に形成された色が波形状部68で屈折して広がり、角度の異なる場所から目視するとその色の変化が極めて特徴的となる。つまり図11に示すように、正面から目視すると、有色の被写部材65の厚み分だけが有色となって写る。徐々に平面側に目視点を移動すると、被写部材65の幅方向に沿って色が広がるとともに正面及び傾斜面に現れた色彩部がずれた状態で目視される。さらに平面方向に目視点を移動すると、色が全体的に広がるとともに一部には透明部分が反映される。この立体構造物を左右方向又は上下方向に並列して、部屋の壁に貼り付けることによって、芸術的な雰囲気を表現できる部屋として形成することができる。
【0050】
次に第8の形態の立体構造物について説明する。図13〜15に示すように、この形態の立体構造物71は、複数のプレート73を重合して形成されている。プレート73は、前述と同様、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材の光透過性樹脂材で形成されている。実施形態のプレート73は矩形板状に形成され、各プレート73は、前述の接着剤8(可視光重合型一液性接着剤)で接合されている。複数のプレート73のうち離隔した位置のいずれかのプレート73、73間には、被写部材75が挟持され、被写部材75の一方の面が印刷面75aとして形成されている。
【0051】
実施形態の被写部材75は、光透過性樹脂材の矩形板状に形成されたものが使用され、プレート73、73間の3箇所の位置に挿入されている。それぞれの被写部材75の印刷面75aに描かれた印刷は、部分絵でありそれぞれの部分絵を組み合わせて図15に示すような1つの完成された絵となっている。
【0052】
この形態におけるプレート73は矩形板状に形成されているが、特徴的な外観形状を示すために、湾曲部を有する外形に形成してもよい。また、被写部材75は、樹脂材でなくても、紙で形成したものや布に形成したものの一方に印刷されたものであってもよい。また、それぞれ異なる色で形成された樹脂材であってもよい。記録手段については、適宜決定される。さらに、被写部材75が離隔した位置に複数挟持されているものであれば、プレート73、被写部材75はその数に限定されるものではない。
【0053】
この形態によれば、部分絵として形成された複数の被写部材75を組み合わせて1つの絵を完成することができることから、いろいろな角度で目視する表現がそれぞれ異なることとなって、ユニークな飾り物として鑑賞することができる。
【0054】
実施形態の被写部材75は、光透過性樹脂材の矩形板状に形成されたものが使用され、プレート73、73間の3箇所の位置に挿入されている。それぞれの被写部材75の印刷面75aに描かれた印刷は、部分絵でありそれぞれの部分絵を組み合わせて図15に示すような1つの完成された絵となっている。
【0055】
この形態におけるプレート73は矩形板状に形成されているが、特徴的な外観形状を示すために、湾曲部を有する外形に形成してもよい。また、被写部材75は、樹脂材でなくても、紙で形成したものや布に形成したものの一方に印刷されたものであってもよい。また、それぞれ異なる色で形成された樹脂材であってもよい。記録手段については、適宜決定される。さらに、被写部材75が離隔した位置に複数挟持されているものであれば、プレート73、被写部材75はその数に限定されるものではない。
【0056】
図16〜18に示す立体構造物81は、複数のプレート83を重合して形成されている。プレート83は、前述と同様、アクリル系樹脂材あるいはポリカーボネート系樹脂材の光透過性樹脂材で形成されている。実施形態のプレート83は矩形板状に形成され、各プレート83は、前述の接着剤8(可視光重合型一液性接着剤)で接合されている。複数のプレート83のうち離隔した位置のいずれかのプレート83、83間には、3箇所に被写部材85が挟持され、そのうち2箇所の被写部材85Aは、1輪の花びらや木の葉等からなる植物が押し花状に挟持されている。1輪の植物からなる被写部材85Aは、正面視それぞれ重ならない別の位置に配置されている。1箇所に配置された被写部材85Bは、木目を示す薄い木材で形成されるとともに、被写部材85Aより後方の位置で、配置された植物の背景となるように配置されている。
【0057】
つまり、この形態においては、被写部材が、一対のプレート83、83間に挟持可能な植物(あるいは小石でもよい)そのものであり、例えば、立体構造物81の下面や側面にLED装置を接続して異種の光を照射することによって、背景を表す木目上にそれぞれの植物を交互に強調して表現することができる。これによって、特に夜間においては、華麗な、または、ファンタジックな独特の表現をすることができる。
【0058】
上述のように、各種の形態に示される立体構造物は、光透過性樹脂材で形成された外観形状部材(又はプレート)と記録手段を有する被写部材を可視光重合型一液性接着剤8で接着して形成されていることから、光が透過することによって記録手段に表現された表示物を鑑賞できる。特に、外観形状部材に湾曲部が形成されることによって、光の屈折で表示物を拡大して鑑賞できることから、新たなオブジェとして鑑賞することができる。しかも、単一又は複数の外観形状部と被写部材とを接着剤で重合して形成できることから、廉価な費用で製作できる。そのため、置物や飾り物、又は室内の装飾品として利用できる。
【0059】
また、被写部材は、記録手段を有する薄板状部材で形成されるものであればよく、あるいは、植物や小石等の実物そのものを被写部材として挟持するものであってもよい。
【0060】
また、外周面を切削加工や研磨加工で仕上げることから、自由な外周形状に形成できるとともに、仕上げ精度を上げることによって、表面をさらに華麗に形成して高級感を持たせることができる。
【0061】
さらに、第1の形態の立体構造物1のように、一方の外観形状部材であるベース板を矩形板状に形成することによって、多数の立体構造物1を並列状に組み合わせることができ、室内のタイル壁として利用することができる。
【0062】
なお、本発明の立体構造物は、上記の形態に限定するものではなく、外観形状部材は、一般に知られている部材、例えば、囲碁や将棋盤又はベンチ等、又は他のどのようなものでも適用することができる。また湾曲部の形状は、適用する部材に合わせて適宜形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における第1の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図2】同正面図である。
【図3】同分解正面図である。
【図4】図1の立体構造物をユニット体として形成した状態を示す正面図である。
【図5】第2の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図6】第3の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図7】第4の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図8】第5の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図9】第6の形態の立体構造物を示す斜視図と正面図である。
【図10】第7の形態の立体構造物を示す斜視図である。
【図11】同正面図である。
【図12】同平面図である。
【図13】第8の形態の立体構造物を示す分解斜視図である。
【図14】同側面図である。
【図15】同正面図である。
【図16】第9の形態の立体構造物を示す正面図である。
【図17】同分解斜視図である。
【図18】同側面図である。
【符号の説明】
【0064】
1、11、21、31、41、51、61、71、81、立体構造物
3、13、23、ベース板
5、15、25、35、45、55、65、75、85、被写部材
7、17、27、蓋部材
7a、17a、27a、34、湾曲部
8、接着剤
9、タイル壁
33、43、63、下外観形状部
37、47、67、上外観形状部
44、円錐状凹部
54、凹状湾曲部
68、波形状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と、前記外観形状部材に記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項2】
前記外観形状部材には、一部に湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造物。
【請求項3】
前記湾曲部が傾斜面を有する波状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の立体構造物。
【請求項4】
前記外観形状部材が一対配置され、前記被写部材が一対の前記外観形状部材の間に重合されて形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の立体構造物。
【請求項5】
前記外観形状部材と前記被写部材が接合された後、表面を切削加工又は研磨加工によって所定の形状に形成されることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項6】
前記被写部材が、木材又は布材あるいは紙材さらに樹脂材で形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項7】
前記外観形状部材を上下左右に並列して配置することによって、ユニット体として構成されることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の立体構造物。
【請求項8】
光透過性樹脂材で形成された複数のプレートと、記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを備え、前記複数のプレートのうち、離隔した位置のいずれかのプレート間に前記被写部材が、それぞれ可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項9】
前記被写部材の一方の面が、印刷面に形成されていることを特徴とする請求項8記載の立体構造物。
【請求項10】
光透過性樹脂材で形成された少なくとも2枚のプレートと、前記プレート間に挟持された薄状被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項11】
前記薄状被写部材が、花びら又は木の葉であることを特徴とする請求項10記載の立体構造物。
【請求項1】
光透過性樹脂材で形成された外観形状部材と、前記外観形状部材に記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項2】
前記外観形状部材には、一部に湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造物。
【請求項3】
前記湾曲部が傾斜面を有する波状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の立体構造物。
【請求項4】
前記外観形状部材が一対配置され、前記被写部材が一対の前記外観形状部材の間に重合されて形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の立体構造物。
【請求項5】
前記外観形状部材と前記被写部材が接合された後、表面を切削加工又は研磨加工によって所定の形状に形成されることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項6】
前記被写部材が、木材又は布材あるいは紙材さらに樹脂材で形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載の立体構造物。
【請求項7】
前記外観形状部材を上下左右に並列して配置することによって、ユニット体として構成されることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の立体構造物。
【請求項8】
光透過性樹脂材で形成された複数のプレートと、記録手段を施して薄板状に形成された被写部材とを備え、前記複数のプレートのうち、離隔した位置のいずれかのプレート間に前記被写部材が、それぞれ可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項9】
前記被写部材の一方の面が、印刷面に形成されていることを特徴とする請求項8記載の立体構造物。
【請求項10】
光透過性樹脂材で形成された少なくとも2枚のプレートと、前記プレート間に挟持された薄状被写部材とを、可視光重合型一液性接着剤で接合して形成されていることを特徴とする立体構造物。
【請求項11】
前記薄状被写部材が、花びら又は木の葉であることを特徴とする請求項10記載の立体構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−119840(P2009−119840A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40102(P2008−40102)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501403656)株式会社新工 (5)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501403656)株式会社新工 (5)
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