説明

立坑内壁調査用計測器の固定装置

【課題】立坑4の形状変形等を非接触式の計測器3で調査する際に、計測器を立坑内で安定して固定することができ、計測器の固定、固定解除等を能率的に行うことが可能な固定装置を提供する。
【解決手段】360°回転可能な計測器3を立坑の任意の深さ位置で固定するための固定装置であって、立坑4の上方から線状体10aで吊り下げられて上下動可能な計測器支持用の中心枠体15と、前記中心枠体15に基端部側が固定されてそれぞれ水平面内で放射状に伸びて先端部が立坑内壁に当接可能な、少なくとも3本以上の伸縮可能な脚16とを備えている。固定装置2を下降させ脚16を伸長させるという簡単な操作で計測器を立坑内壁に安定して固定できる。この計測器の固定、固定解除等を能率的に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集水井などの立坑の主として経年による変形状況や腐食状況等を調査するために用いる立坑内壁調査用計測器を立坑内に固定するための固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地すべりが起こりやすい場所で地下水を集めて川等に流すために設ける集水井として、例えば図11(イ)に示すようなライナープレート1を周方向及び鉛直方向に連結して立坑を構築することが行われている。
図11(ロ)は、この種の集水井の設置状況を説明するもので、地すべりが起こりやすい斜面に、例えば内径が3〜4m、深さが20〜60mなどの立坑として集水井4が設置され、この集水井4に、集水のための複数本の集水管51が接続され、かつ、川等に流すための1本の排水管52が接続される。すべり面を破線53で示す。
このライナープレート製の集水井あるいはその他の金属部材で構築した集水井で、構築後年月を経過しているものは、変形状況や腐食状況を調査することが必要となる場合がある。また、セグメントなどの鉄筋コンクリート造りの立坑でも、変形状況などを調査することが必要となる場合がある。
従来、この種の立坑の内部を調査する場合は、人が立坑内に入って点検していた。
【0003】
ところで、内径の大きな立坑ではないが、ボーリング孔の孔壁を観測するために装置として、特許文献1のボアホールスキャナーがある。
このボアホールスキャナーは、光源から光を孔壁に向けて出射し反射光を光電変換して孔壁の観測画像を得る機構を内蔵した測定装置であり、測定装置本体(ゾンデ1、32)をウインチのワイヤロープでボーリング孔内に吊り下げて、孔壁を観測するものである。
この測定装置本体は、ボーリング孔に対してあまり大きな隙間なしにボーリング孔に挿入されるものであり、かつ、観測に際して測定装置本体自体を回転させることなく360°全周を観測するものであるから、測定装置本体をボーリング孔に固定可能にすることは考慮していない。
なお、特許文献1には、直接ボアホールの孔壁を観測する方法とし、ボアホールテレビ、ボアホールペリスコープ(潜望鏡)、ボアホールカメラ、ボアホールスキャナーなどの装置が使用されると記載されている。
【0004】
また、立坑ではないが、水道管や下水道管などの管渠の内壁を観測する装置として、スキャナーを搭載した移動装置を管渠内で走行させて、管渠の内壁を映像として写し出す管渠内壁面観測装置がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2‐54086、図1、図8、第2頁左上欄ほか
【特許文献2】特開平8‐262332、図1、要約、[0013]〜[0015],[0022}等
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のように、人が深い立坑内に入って種々の調査の作業をすることは、安全性の点で好ましくない。このため、人が立坑内に入らずに調査作業ができることが望まれていた。
【0007】
そこで、本願発明者らは、対象物の3次元座標データを取得可能な非接触式計測器を用いて立坑内の調査をすることを検討した。
この種の非接触式計測器として、特許文献1のスキャナーもその類の1つと思われるが、対象物にレーザー光を照射しその反射光に基づいて対象物の形状を3次元デジタルデータ化する3次元形状計測器があり、3Dレーザースキャナーなどと呼ばれている。
この3Dレーザースキャナーは、水平面内で360°回転して、上下方向の一定の角度範囲について水平方向360°全周をスキャン可能である。重量は例えば20kg等でやや重量がある。
この種の3Dレーザースキャナーを用いて立坑内壁全体を計測する場合、3Dレーザースキャナーを立坑の複数の深さ位置に移動させ、各深さ位置で3Dレーザースキャナーを固定した上で水平面内で360°回転させて計測することになる。
その場合、重量のある3Dレーザースキャナーを立坑内で安定して固定できる必要がある。
また、重量のある3Dレーザースキャナーを概ね立坑中心位置(立坑水平断面中心位置)に固定する作業と、360°回転させて計測する作業と、固定を解除して次の計測位置に移動させる作業とを何度も繰り返す必要があるので、適切な作業手段を採用しなければ、深い立坑の内壁計測は極めて困難なものとなる。その内壁計測作業を能率的に行うには、3Dレーザースキャナーを固定する手段が大きく影響する。
したがって、3Dレーザースキャナーを立坑内で安定して固定することができ、また、その固定、固定解除等を能率的に行うことが可能な固定装置が望まれる。
また、3Dレーザースキャナーを用いる場合でなくても、深い立坑の形状変形を計測器で調査する場合には、計測器を立坑内で安定して固定することができ、計測器の固定、固定解除等を能率的に行うことが可能な固定装置が望まれる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、深い立坑の主として形状変形を非接触式の計測器で調査する場合に、計測器を立坑内で安定して固定することができ、また、計測器の固定、固定解除等を能率的に行うことが可能な固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1の発明は、立坑の内壁の状態を水平面内で360°回転可能な非接触式の計測器で調査する際に、前記計測器を立坑の任意の深さ位置で固定するための立坑内壁調査用計測器の固定装置であって、
立坑の上方から線状体で吊り下げられて上下動可能な計測器支持用の中心枠体と、前記中心枠体に基端部側が固定されてそれぞれ水平面内で放射状に伸びて先端部が立坑内壁に当接可能な、少なくとも3本以上の伸縮可能な脚とを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項2は、請求項1の固定装置において、中心枠体が、計測器の重心が当該固定装置を線状体で吊った時の固定装置の重心の作用線上にくるように計測器を支持する構成であることを特徴とする。
【0011】
請求項3は、請求項1又は2の固定装置において、複数の脚が個別に伸縮可能であることを特徴とす。
【0012】
請求項4は、請求項1〜3のいずれかの固定装置において、脚の伸縮機構部分が、ピストンロッドの先端側を立坑内壁に向けシリンダ部の基端部側を前記中心枠体に固定した水又は油又は空気による流体圧シリンダ装置で構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5は、請求項1〜3のいずれかの固定装置において、脚の伸縮機構部分が、ガイドに沿って立坑内壁に向けて進退可能なロッドを電動モータで駆動する電動装置であることを特徴とする。
【0014】
請求項6は、請求項1〜5のいずれかの固定装置において、対象とする立坑がライナープレートで構築された立坑であることを特徴とする。
【0015】
請求項7は、請求項1〜6のいずれかの固定装置において、脚の先端に鉛直方向をなす棒状の突き当て部材を取り付けたことを特徴とする。
請求項8は、請求項7の固定装置において、棒状の突き当て部材を、脚の先端に鉛直面内で回動可能にピン結合したことを特徴とする。
請求項9は、請求項7又は8の固定装置において、棒状の突き当て部材の外面にゴムなどの緩衝材を取り付けたことを特徴とする。
【0016】
請求項10は、請求項4の固定装置において、シリンダ部に、ピストンロッド軸心周りに回転することなく当該シリンダに沿ってスライド可能な細長いスライド部材を取り付け、このスライド部材の先端部をピストンロッドの先端部に、ピストンロッドの回転を拘束するように連結したことを特徴とする。
【0017】
請求項11は、請求項1〜10のいずれかの固定装置において、脚の一部に、脚の先端が立坑内壁に突き当たった時に弾性的に縮退変形可能なバネ部を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項12は、請求項1〜11のいずれかの固定装置において、計測器が複数の深さ位置において計測した計測データの連続性を確保するための目印となるターゲットとして、立坑内に垂らした紐状体に、区別のための印しを付けた複数の電磁石を間隔をあけて取り付けるとともに、前記電磁石に電流を流すことにより内壁に密着可能にしたことを特徴とする。
【0019】
請求項13は、請求項1〜12のいずれかの固定装置において、立坑が円形であり、脚が120°間隔の放射状をなして3本設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項14は、請求項1〜12のいずれかの固定装置において、立坑が矩形又は小判形であり、脚が90°間隔の放射状をなして4本設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の立坑内壁調査用計測器の固定装置を用いて、計測器による立坑内壁の調査をする場合、固定装置の中心枠体に計測器を取り付け、その中心枠体部分を、立坑の上方外部に設置した例えば電動ウインチのワイヤロープで吊り、電動ウインチを作動させて、所望の深さ位置まで下降させる。
次いで、放射状をなす複数の水平な脚をそれぞれ伸長させて脚先端部を立坑内壁に突き当てると、固定装置が立坑内壁に安定して固定される。すなわち、固定装置及び計測器が立坑内に安定して固定される。
次いで、計測器を水平面内で例えば360°回転させて、その深さ位置での立坑内壁の360°全周を計測する。固定装置が安定して固定されているので、計測器による精度よい立坑内壁計測が可能である。
その深さ位置での計測が済めば、脚を縮退させて立坑内壁から離間させて固定を解除し、次に調査しようとする深さ位置に移動する。
上記の作業を繰り返して立坑内壁の複数の深さ位置の計測を行うことができる。
このように、深い立坑の内壁の例えば360°全周を非接触式の計測器で調査するに際して、簡単な操作で、固定装置及び計測器を任意の高さ位置に容易に移動させることができ、固定装置及び計測器を安定して立坑に固定をすることができ、固定装置及び計測器の固定、固定解除等を能率的に行うことが可能となる。
【0022】
請求項2によれば、計測器の重心が固定装置を線状体で吊った時の固定装置の重心の作用線上にあるので、固定装置及び計測器は安定して昇降することができ、停止した状態でも安定し、したがって、固定装置を立坑内壁に安定して固定できる。
【0023】
請求項3によれば、各脚が個別に伸縮可能なので、例えば計測器を立坑中心に位置させる調整をする場合に好都合である。
【0024】
請求項4のように脚の伸縮機構部分として流体圧シリンダ装置を用いることは、脚の伸長退縮による固定装置の安定した固定、固定装置の能率的な固定及び固定解除を可能にするために有効である。
特に、流体が水である水圧シリンダ装置を用いると、簡単に水をシリンダに充填して作動状態にすることができるので、取り扱いが極めて容易である。
【0025】
請求項7によれば、脚の先端に鉛直方向をなす棒状の突き当て部材を取り付けているので、立坑の壁材が特に請求項6のような波形断面のライナープレートである場合に、そのライナープレートへの当たり方を、複数の山部に当たるようにすることができる。したがって、壁面に局所的な集中荷重として当たることを避けることができ、壁材が腐食している場合に壁材が破壊されることを防止できる。
請求項8のように、突き当て部材を鉛直面内で回動可能にピン結合すれば、壁面が変形していて鉛直になっていない場合でも、壁面の変形に柔軟に追随することができ、脚の壁面への当たりが安定したものとなる。
請求項9のように、棒状の突き当て部材にゴムなどの緩衝材を取り付けると、脚の先端が壁面に突き当たった時の衝撃を吸収緩和することができ、壁面の保護が図られる。また、ゴムなどの緩衝材の弾力性のため、脚の先端を壁面に突き当てた固定状態が安定したものとなる。
【0026】
請求項10によれば、スライド部材により、ピストンロッドの軸心周りの回転が防止されるので、上記のように脚の先端に鉛直方向をなす棒状の突き当て部材を取り付けた場合に、突き当て部材が鉛直方向から傾いてしまうことを防止でき、突き当て部材を常に鉛直な姿勢で壁面に当てることができる。
【0027】
請求項11によれば、脚の一部にバネ部を設けているので、脚が弾性的に伸縮可能であり、壁面が変形した場合でも、脚の先端が壁面に追随し、脚を壁面にしっかり固定できる。
【0028】
請求項12によれば、紐状体に間隔をあけて取り付けられた複数のターゲットが電磁石で壁面に吸着可能なので、計測器で立坑内壁をスキャンする際に立坑内壁の特定位置の標識となるターゲットを簡単に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例の固定装置で立坑内壁調査用計測器を固定して立坑の内壁を計測している使用状態を示すもので、立坑の模式的な断面図である。
【図2】図1における固定装置の近傍を拡大して示した図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図3において固定装置の脚を縮小させた状態の図である。
【図5】図2における固定装置の1つの脚部を拡大して示した図である。
【図6】図5の脚部のシリンダロッドを縮退させた状態の図である。
【図7】図2のA部拡大図である。
【図8】(イ)は脚部の先端部の構造についての他の実施例を示すもので、図7に相当する図、(ロ)はさらに他の実施例を示す図である。
【図9】脚部の先端部の構造についてのさらに他の実施例を示すもので、図7に相当する図である。
【図10】(イ)、(ロ)はそれぞれ脚部の先端に取り付ける突き当て部材についての他の実施例を示す断面図である。
【図11】(イ)は実施例の集水井に用いたライナープレートを示す斜視図、(ロ)は集水井の設置状況の説明図である。
【図12】立坑の断面形状が矩形である場合の実施例を示すもので、図3に相当する平面図である。
【図13】脚の伸縮機構部分が電動装置である場合の実施例を示す図である。
【図14】固定装置に計測器とともにカメラ又はビデオカメラを設け、かつ、水位計を設けた実施例を示す図である。
【図15】実施例で用いた立坑内壁調査用計測器の概略の外観を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の立坑内壁調査用計測器の固定装置の実施例を、図1〜図15を参照して説明する。
【実施例1】
【0031】
本発明の立坑内壁調査用計測器の固定装置は、図1にその使用状態を模式的に示すように、例えばライナープレートで構成された立坑4の内壁4aの状態を、水平面内で360°回転可能な非接触式の計測器3で例えば内壁全周に亘って調査する際に、前記計測器3を立坑4の任意の深さ位置で固定するための立坑内壁調査用計測器の固定装置2である。
図1は実施例の固定装置2の使用状態で示した立坑断面図、図2は図1における固定装置2の近傍を拡大して示した図、図3は図2の平面図である。図4は図3において後述の脚16が退縮した状態の平面図である。
この立坑4は、図11(ロ)に示したように、地すべりが起こりやすい場所で地下水を集めて川等に流すために設ける集水井であり、図11(イ)に示すような円弧状のライナープレート1を周方向及び鉛直方向に連結して構築した円筒状の立坑である。サイズは種々であるが、例えば内径が3〜4m、深さが20〜60mなどである。
【0032】
ライナープレート1は、円弧状の波付け鋼板部1aの波付け方向の両端に鋼板を折り曲げて形成したフランジ1bを持ち、波付け方向と直交する方向の両端に、別部材の端面プレートを溶接固定したフランジ1cを持つ構造であり、表面には亜鉛メッキが施されている。
複数のライナープレート1を、円周方向(波付け方向と直交する方向)のフランジ1c同士をボルト接合してリングを形成するとともに、上下に隣接するライナープレート1のフランジ1b同士をボルト接合して、円筒状の立坑4を構築する。その施工は一般に、立坑の頂部(最初の1〜3リング分)を組み立てその周囲を裏込めしかつ固定した後、掘削、組立てを繰り返してライナープレートを下に継ぎ足していき、所望の深さの立坑4を構築する。したがって、通常、ライナープレートと地山との間に若干の隙間が発生する。
また、通常、図2、図7に示すように、高さ方向の適宜の間隔で、上下に隣接するライナープレート1間に、ライナープレート1と同様に円弧状をなすH形鋼による補強リング6を介在させる(図3、図4では補強リング6の図示を省略した)。
この集水井(立坑)4には、図11(ロ)のように複数本の集水管51が接続され、かつ、1本の排水管52が接続されている。
【0033】
このライナープレート製の集水井4で構築後例えば20〜30年などと年月を経過しているものは、変形状況や腐食状況等を調査することが必要となる場合があるが、そのような場合に、本発明の固定装置2は好適に用いられる。
【0034】
図1において、10は電動ウインチである。この電動ウインチ10は、現場で組み立てた門形の支持架13に取り付けられている。
固定装置2は電動ウインチ10のワイヤロープ(線状体)10aで昇降するフック10bに掛けた3点吊りワイヤ11で吊り下げられている。
12は梯子であり、図1、図3、図4では一部のみを示したが、立坑4の内壁4aに沿って図示例では螺旋状に取り付けられている(平面図の図3、図4では全周に配される)。
【0035】
固定装置2は、ワイヤロープ10aで吊り下げられる計測器支持用の中心枠体15と、前記中心枠体15に基端部側が固定されてそれぞれ水平面内で放射状に伸びて先端部が立坑内壁に当接可能な3本の伸縮可能な脚16とを備えている。3つの脚16はそれぞれ同じ構造であり、120°間隔で放射状に配置されている。
ワイヤロープ10aのフック10bに掛けた前記3点吊りワイヤ11の下端のフックを、略三角形状の中心枠体15の三方の端部近傍の中心枠体中心から等距離位置に設けたワイヤ掛け部15bに掛けて吊り下げた時、ワイヤロープ10aが固定装置2の重心(3つの脚16が均等に伸長した状態での重心)を吊り下げるようになっている。この時、3つの各脚16は同一水平面上にある。
【0036】
図5、図6に1つの脚16の詳細を示す。図5は脚16が伸長した状態(図3の状態)、図6は脚16が退縮した状態(図4の状態)である。
3つの各脚16は伸縮機構部分に水圧シリンダ装置17を用いた構成である。
中心枠体15は各頂点部が面取りされた略三角形の上下の挟持プレート15aからなり、3つの水圧シリンダ装置17のシリンダ部17aの基端部側を前記上下の挟持プレート15aで挟みボルト19で締付けて固定している。
17cは図示せぬ水圧ポンプから送られる圧力水を供給する圧力水ホースである。
【0037】
水圧シリンダ装置17のピストンロッド17bの先端にブロック部材20が固定され、このブロック部材20にピストンロッド17bと軸心線を共通にする延長ロッド21が固定されている。
また、この延長ロッド21の先端(脚16の先端)に、図7にも拡大して示すように、鉛直方向をなす例えば丸鋼管からなる突き当て部材22が固定されている。
水圧シリンダ装置17のシリンダ部17aの下面に、ピストンロッド軸心周りに回転することなく当該シリンダ部17aに沿ってスライド可能な細長いスライド部材25が取り付けられている。スライド部材25は、その基端部に設けた被案内部25aがシリンダ部17aの下面に設けた案内部26の案内溝26aに摺動可能に嵌合して、ピストンロッド伸縮方向にスライド可能であり、ピストンロッド軸心回りに回転することはない。
このスライド部材25の先端の連結部25bがピストンロッド17bに先端に固定したブロック部材20に固定されている。したがって、ピストンロッド17bのピストンロッド軸心周りの回転は防止され、前記突き当て部材22の姿勢は鉛直に保たれる。この突き当て部材22の長さは、この鉛直の姿勢でライナープレートの少なくとも3つの山部に当たる長さ(約40cm)を持つ。
なお、脚16の退縮時の長さ、すなわち、ピストンロッド17bを退縮させた時の長さは、図4に示すように、螺旋状の梯子12の張り出し領域a(図4で破線で示す円aの内壁側領域)に触れない長さとしてもよいし、また、脚16に紐を結んで立坑の外から引っ張る等して固定装置全体を回転させれば、梯子などの障害物をかわせることができるので、図4の円aの範囲より長くてもよい。
【0038】
中心枠体15の下面側の挟持プレート15aの下面の中心位置に、計測器3を下端に固定した支持ロッド27の上端が固定されている。各脚16の伸長量が同じでかつ先端が立坑内壁に当たっていない状態では、ワイヤロープ10aで吊られた固定装置2の重心及び計測器3の重心はいずれもワイヤロープ10aの鉛直線上にある。
この計測器3は、地上に配置される制御部32により制御される。この制御部32はディスプレーを持つ操作用のパソコン32a、電源部32bなどを備えている。
【0039】
実施例の計測器3は、対象物にレーザー光を照射しその反射光に基づいて対象物の形状を三次元デジタルデータ化することが可能な市販の三次元形状計測器であり、3Dレーザースキャナーなどと呼ばれているものである。この計測器3は、地上の制御部32の操作用パソコン32aにて操作することができる。また、計測中に対象物の表面の画像をディスプレイにてリアルタイムで見ることもできる。
図15に計測器(3Dレーザースキャナー)3の概略の外観を示す。支持ロッド27の下端部に設けられた回転駆動部28が、計測器3と一体の軸部3bを回転駆動して、計測器3を水平面内で360°回転(図中の垂直なz軸周りに360°回転)させることができ、水平方向の全周を計測できる。また、計測器3のスキャン部3aは回転鏡を備えておりこの回転鏡を回転させることで、水平なx軸周りの310°の範囲をスキャンすることができる。すなわち、この計測器3は360°×310°の天球領域をスキャンできる性能を持つ。
計測器3はこれにより、内壁全周に亘ってスキャンすることができ、内壁面の形状を3次元デジタルデータ化することができ、立坑の変形を調査することができる。
【0040】
前記3次元デジタルデータは円筒座標データである。すなわち、水平面の座標をx=rcosφ、y=rsinφの極座標とし、極座標の原点を通る鉛直線をz軸とする円筒座標のデータであり、360°回転する計測器の回転中心線がz軸となる。
計測器をある深さ位置Hに固定して内壁の360°全周の3次元デジタルデータDを得、次いで、計測器3を深さ位置Hまで移動させて固定して内壁の360°全周の3次元デジタルデータDを得たとする。この場合、2つの深さ位置H、Hにおけるそれぞれのスキャン領域の一部が重複するようにスキャンする。
計測器がある深さ位置H(又はH)で取得した内壁の360°全周の3Dデジタルデータは、深さ位置H(又はH)を含むある高さ範囲の内壁の円筒座標データである。
前記重複領域の内壁面に明確な目印があるとして、その目印の深さ位置h12についての、計測器が深さ位置Hで得た座標データと深さ位置Hで得た座標データとが同一のものであると整合させることで、深さ位置H、Hの2箇所でそれぞれ得た3次元デジタルデータに連続性が得られる。こうして多数の深さ位置で得た座標データの連続性を確保できる。
【0041】
この実施例では、前記重複領域における目印として、すなわち、計測器3が複数の深さ位置において計測した各3次元デジタルデータの連続性を確保するための目印として、図1、図2に示すように、立坑内に垂らした紐状体35に、区別のための印しを付けた複数の電磁石36を例えば2〜3m程度の間隔をあけて取り付けるとともに、前記電磁石36に電流を流すことにより磁化させて内壁に密着可能にしたターゲット37を設けている。紐状体35は制御部32に接続される電線を複合しており、制御部32を操作して電磁石36をオン・オフ(吸着・吸着解除)する。
【0042】
この計測器(3Dレーザースキャナー)3は、3次元の形状データを得ることができるだけでなく、測対象物の表面性状も認識可能な性能を持つ。亜鉛メッキされたライナープレートの錆びた面と錆びていない面とには、外観として表れる表面性状に大きな差異があるので、表示された画像として目視で識別可能である。また、画像解析により識別することも考えられる。例えば、種々の錆びた面の画像を観察をすることで、錆びた面と錆びていない面との色合いの差異や、レーザーの反射強度をデータ化して識別することが可能である。
【0043】
上記の固定装置2を用いて、計測器3による立坑内壁4aの計測をする場合、固定装置2の中心枠体15に計測器3を取り付け、その中心枠体15を、立坑の上方外部に設置した電動ウインチ10のワイヤロープ10aで昇降するフック10bに掛けた3点吊りワイヤ11で吊り、電動ウインチを作動させて例えば上方箇所から順に下降させながら、計測を行う。
この場合、計測器3の重心は上述の通り固定装置2の全体の重心の作用線上にあるので、計測器3は安定して昇降し、停止した状態でも安定している。
【0044】
固定装置2を所望の計測位置に移動させた後、放射状をなす3本の水平な脚16のそれぞれを伸長させて先端部を立坑内壁面に突き当てる。すなわち、3つの各脚16について、水圧シリンダ装置17のピストンロッド17bをそれぞれ伸長させて、延長ロッド21の先端の鉛直な突き当て部材22を内壁に当てる。これにより固定装置2及び計測器3がその深さ位置で立坑内壁に固定される。
この場合、各脚16を個別に伸縮させることができるので、例えば計測器3を極力立坑中心位置に置きたい場合など、何らかの調整をする必要がある場合等には好都合である。
【0045】
前述の通り、スライド部材25がピストンロッド17bの回転を防止するので、脚先端の突き当て部材22の姿勢は傾くことなく鉛直に保たれる。そして、鉛直をなしている突き当て部材22が前述のようにライナープレート1の少なくとも3つの山に当たる長さを持つので、壁面に局所的な集中荷重として当たることを避けることができ、例えば壁材が腐食している場合に壁材が破壊されることを防止できる。
【0046】
次いで、支持ロッド27の下端部の回転駆動部28により計測器3を水平面内で360°回転させて、その深さ位置を中心とする上下方向の一定範囲で360°全周の立坑内壁面をスキャンすると、そのスキャン範囲の三次元形状データが得られる。
また、前述したように、亜鉛メッキ鋼板であるライナープレートの表面性状データを得て、錆の有無を調査する。
【0047】
計測データが得られたら、水圧シリンダ装置17のピストンロッド17bを図4、図6のように退縮させて、先端の突き当て部材22を内壁から離間させ、次に調査しようとする深さ位置に移動する。
この場合、脚16の先端が螺旋状の梯子12に当たることがないように、ピストンロッド17bを退縮限まで退縮させた上で、固定装置2を昇降させる。
【0048】
本発明の固定装置2によれば、深い立坑であっても、上述のような簡単な操作で、固定装置2及び計測器3を容易に任意の深さ位置に移動させることができ、かつ、任意の深さ位置で安定して固定することができ、精度よい計測が可能となる。また、固定装置2及び計測器3の固定、固定解除、上下移動等を能率的に行うことができる。
【0049】
実施例では、流体が水である水圧シリンダ装置17を用いており、水を用意することは容易なので、簡単にシリンダに充填して作動状態にすることができ、取り扱いが極めて容易である。
【0050】
立坑内壁の計測を終了した後は、電動ウインチ10で固定装置2を地上に引き上げる。
地上では、3点吊りワイヤ11を固定装置2から外し、計測器3を固定装置2から取り外した後、固定装置2を分解する。固定装置2は、中心枠体15のボルト19を緩めることで、各水圧シリンダ装置17を中心枠体15から取り外すことができ、また、中心枠体15も2枚の挟持プレート15aとなる。このように、各部分に分解されるので、コンパクトになり運搬が容易である。作業現場は概ね山間なので運搬が容易であることは極めて有益である。
【実施例2】
【0051】
図8に脚16の先端部の構造についての他の実施例を示す。
この実施例の脚16は、内壁面が形状変形により傾斜していた場合に、突き当て部材22がその傾斜に追随して傾斜することができるように、突き当て部材22を延長ロッド21の先端部にピン38を介して上下に回動可能に取り付けたものである。
図8(イ)の実施例では、突き当て部材22が立坑内壁に突き当たっていないフリーの状態でも概ね鉛直な姿勢を保つことができるように、突き当て部材22の上下部と延長ロッド21の上下面とをそれぞれ引っ張りばね39で連結している。
立坑内壁面が傾斜していた場合、突き当て部材22は、立坑内壁に突き当たった時に上下に回動して立坑内壁面に追随して傾斜し、突き当て部材22の全体で立坑内壁面に突き当たる。したがって、立坑内壁面が傾斜していた場合でも、固定装置2を安定して立坑に固定できる。
【0052】
なお、突き当て部材22は、大きく傾斜することを防ぐことができればよいので、図8(ロ)のように、突き当て部材22の上下部にそれぞれ突起22aを設け、突き当て部材22の上下の突起22aが延長ロッド21のそれぞれ上下面に当たる範囲内で上下に回動できる構造にしてもよい。
【実施例3】
【0053】
図9に延長ロッドの先端部を弾性的に伸縮可能にした実施例を示す。
この実施例の延長ロッド41は、ピストンロッド17b側のブロック部材20に固定した鍔付きの筒状ロッド41aに、先端に突き当て部材22を固定した出没ロッド41bを摺動可能に嵌合させ、この出没ロッド21b’にコイルばね41cを被せて、突き当て部材22を弾性的に出没可能にしたものである。なお、図示は省略したが、出没ロッド41bの抜け止めは設けられている。
【0054】
この延長ロッド41を持つ脚16では、立坑内壁が、突き当て部材22に押されて後退変形するような場合には、出没ロッド41aがコイルばね41cの付勢力で伸長するので、固定装置の安定した固定に必要な突き当て力を保ちながら立坑内壁の後退変形に追随することができる。
したがって、立坑内壁が突き当て部材22に押されて後退変形するような場合でも、水圧シリンダ装置17の力が抜けることがなく、固定装置の安定した固定に必要な突き当て力を保つことができる。
【実施例4】
【0055】
上述した各突き当て部材22は単なる丸鋼管であるが、図10(イ)に断面で示した突き当て部材22’のように、丸鋼管22a’の外面に緩衝材としてのゴム層22b’を設けた構造とすることができる。
このゴム層22b’により、突き当て部材22’が立坑内壁面に突き当たる時の衝撃を吸収緩和することができ、壁面の保護が図られる。また、摩擦が大となり上下方向のずれ防止の作用をするので、脚16の内壁面への固定が一層堅固になる。
なお、図10(ロ)に示した突き当て部材22”のように、丸鋼管22a”の内壁面側のみにゴム22b”を貼り付けてもよい。
【実施例5】
【0056】
図12は立坑が矩形断面の立坑である場合の実施例の固定装置2’を示す。
この場合は、直線状のライナープレートを用いて、矩形筒状の立坑に構築する。また、円形の場合と同様にH形鋼による補強リング(図示略)を用いる。
この場合の固定装置2’は、四方の内壁に合わせて4本の脚16’を持つ。その他は、円形立坑に用いた固定装置2と基本的には同様である。
図12において、17’は水圧シリンダ装置、17a’はそのシリンダ、17b’はピストンロッド、20’はブロック部材、21’は延長ロッド、22’は突き当て部材、15’は中心枠体、15a’は挟持プレートである。
【実施例6】
【0057】
上記実施例の脚16の伸縮機構部分は、流体圧シリンダ装置17で構成されているが、図13に示した脚16”のように、ガイド44に沿って立坑内壁に向けて進退可能なロッド45を電動モータ46で駆動する電動装置43を用いることができる。
この場合、例えば、ロッド45をラック付きロッドとし、このラック付きのロッド45に噛み合うピニオンを内蔵する減速機47を電動モータ46で駆動する構成とすることができる。
【実施例7】
【0058】
図14に示すように、計測器3にCCDイメージセンサ等を用いたビデオカメラ51を設置することもできる。このビデオカメラも、計測器3と同じくケーブルで地上の制御部32に接続して、ビデオカメラ51で撮影した映像を地上のディスプレーでリアルタイムで観察できるようにするとよい。
ビデオカメラ51は計測器3のスキャン視野を妨げないように設置できればよい。
ビデオカメラ51が小形であれば、図示のように計測器3の上に設置することができる。
ビデオカメラ51を設置すると、立坑の内部を3Dレーザースキャナーによる映像より鮮明に見ることができるので、立坑内部の状況を種々観察することができ、錆の発生の有無などの観察にも有効である。
また、ビデオカメラ51を計測器3の設置位置に、計測器3に代えて設置することもできる。
また、図示は省略するが、ビデオカメラ51に代えて静止画を撮影する通常のカメラを設置してもよい。
【0059】
図示例ではさらに、水位計52を設置している。
この水位計52は、本体部52aを計測器3の側面に取り付け、適宜長さのコード52bでぶら下げた水位センサ52cを計測器3の下方に位置させている。この場合、水位センサ52cが水に浸かった時、音が鳴るようにして利用できる。
また、図示は省略するが、水位センサを先端に取り付けた長いコードを計測器3のコードと一緒に地上の制御操作部32まで引いて、水位計用の表示板を地上の操作者が見て水位を確認できるようにしてもよい。
【実施例8】
【0060】
本発明の固定装置2が対象とする非接触式の計測器は、対象物の形状を三次元デジタルデータ化できる機能を持つことを基本とするが、対象物をスキャンする方式、あるいはデジタルデータ化する方式は特に限定されない。実施例のような光学スキャン方式が一般的であるが、これに限らず、例えば超音波によるスキャン方式であってもよい。
また、三次元形状を計測する計測器に限らず、また、上述したビデオカメラやカメラ以外に、立坑内壁の種々の性状・項目を計測する計測器を用いることもできる。
【0061】
実施例の固定装置2で対象とした立坑はライナープレートで構築された立坑であるが、立坑の構造自体は特に限定されるものではなく、モルタル吹き付けライニングで構築した立坑であってもよいし、さらには、セグメントなどの鉄筋コンクリートで構築した立坑でもよい。
【0062】
また、固定装置2を上下動可能に吊り下げる線状体は、実施例のワイヤロープに限らず、合成樹脂等のロープでもよいし、チェーンでもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 ライナープレート
2 立坑内壁調査用計測器の固定装置
3 計測器
4 立坑
4a (立坑の)内壁
10 電動ウインチ
10a ワイヤロープ(線状体)
11 3点吊りワイヤ
12 梯子
15 中心枠体
15a 挟持プレート
16、16’、16” 脚
17 水圧シリンダ装置(流体圧シリンダ装置)
17a シリンダ部
17b ピストンロッド
19 ボルト
20 ブロック部材
21 延長ロッド
22 突き当て部材
25 スライド部材
25a 被案内部
25b 連結部
26 案内部
26a 案内溝
27 支持ロッド
28 回転駆動部
32 制御部
43 電動装置
44 ガイド
45 ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立坑の内壁の状態を水平面内で360°回転可能な非接触式の計測器で調査する際に、前記計測器を立坑の任意の深さ位置で固定するための立坑内壁調査用計測器の固定装置であって、
立坑の上方から線状体で吊り下げられて上下動可能な計測器支持用の中心枠体と、前記中心枠体に基端部側が固定されてそれぞれ水平面内で放射状に伸びて先端部が立坑内壁に当接可能な、少なくとも3本以上の伸縮可能な脚とを備えていることを特徴とする立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項2】
前記中心枠体は、計測器の重心が当該固定装置を線状体で吊った時の固定装置の重心の作用線上にくるように計測器を支持する構成であることを特徴とする請求項1記載の立坑内壁計測用計測器の固定装置。
【請求項3】
前記複数の脚が個別に伸縮可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項4】
前記脚の伸縮機構部分が、ピストンロッドの先端側を立坑内壁に向けシリンダ部の基端部側を前記中心枠体に固定した水又は油又は空気による流体圧シリンダ装置で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項5】
前記脚の伸縮機構部分が、ガイドに沿って立坑内壁に向けて進退可能なロッドを電動モータで駆動する電動装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の立坑内壁計測用計測器の固定装置。
【請求項6】
前記立坑がライナープレートで構築された立坑であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の立坑内壁計測用計測器の固定装置。
【請求項7】
前記脚の先端に鉛直方向をなす棒状の突き当て部材を取り付けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項8】
前記棒状の突き当て部材を、脚の先端に鉛直面内で回動可能にピン結合したことを特徴とする請求項7記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項9】
前記棒状の突き当て部材の外面にゴムなどの緩衝材を取り付けたことを特徴とする請求項7又は8記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項10】
前記シリンダ部に、ピストンロッド軸心周りに回転することなく当該シリンダに沿ってスライド可能な細長いスライド部材を取り付け、このスライド部材の先端部をピストンロッドの先端部に、ピストンロッドの回転を拘束するように連結したことを特徴とする請求項4記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項11】
前記脚の一部に、脚の先端が立坑内壁に突き当たった時に弾性的に縮退変形可能なバネ部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項12】
計測器が複数の深さ位置において計測した計測データの連続性を確保するための目印となるターゲットとして、立坑内に垂らした紐状体に、区別のための印しを付けた複数の電磁石を間隔をあけて取り付けるとともに、前記電磁石に電流を流すことにより内壁に密着可能にしたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項13】
立坑が円形であり、脚が120°間隔の放射状をなして3本設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。
【請求項14】
立坑が矩形又は小判形であり、脚が90°間隔の放射状をなして4本設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の立坑内壁調査用計測器の固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−281145(P2010−281145A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136449(P2009−136449)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)