説明

立木の管理装置、立木の資産管理システム、立木の金融商品取引システム、立木資産算出方法、立木資産算出プログラム、立木の金融商品化方法及び立木の金融商品化プログラム

【課題】 所定区画の森林の立木を保全・管理し、なおかつ当該立木の資産価値をリアルタイムに評価できる装置を提供する。
【解決手段】 コンピュータシステムに格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部T1と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部T2と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部T3と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部T4と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、各立木の資産価値を計算する計算部とから構成される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立木の管理装置、立木の資産管理システム、立木の金融商品取引システム、立木資産算出方法、立木資産算出プログラム、立木の金融商品化方法及び立木の金融商品化プログラムに関する。より詳しく述べると、所定区画の森林における立木の保全・管理を行うことが可能であるのと同時に立木を資産としてリアルタイムに評価可能な立木の管理装置、立木の資産管理システム、立木の金融商品取引システム、立木資産算出方法、立木資産算出プログラム、立木の金融商品化方法及び立木の金融商品化プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界の自然林は文明が始まった時期とされる8000年前に比べ、約3分の2が消滅し、このままでは、50年後には自然林が完全に消失してしまう国が出るという結果が出ており、森林問題はより深刻な状況をむかえつつあるのが実状である。
とりわけ、20世紀以降の世界の森林環境の悪化は、急激に進んでおり、森林の保全・管理・回復という大きな三つの方針に基づいた活動を展開する必要がある。
【0003】
森林を保全し、適切な管理を行いそして森林を回復を行うために、森林そのものの資産価値を適切に把握し、なおかつ把握した資産価値に基づいて森林の保全・管理・回復を行うことが可能な資金を調達する仕組みが必要となる。
【0004】
特許文献1によると「我が国では、森林法で規定された森林計画制度の中で森林情報の整備が行われている。当初多大な労力を費やして整備された森林計画図や森林簿の情報は、現状では更新作業が十分に行われないためにその精度の低下が危惧されている。森林の状況は変化するから常に更新されていなければ利用価値がなくなってしまう。また、UNFCCC(気候変動枠組条約)に報告する際には、統計でいう95%信頼限界の下限値を用いる可能性がある。」と言われている。
【0005】
そのため、写真測量図化機等により作成した3次元空中写真に基づいて森林を構成する樹種、林冠の疎密度、樹高階をもとに林相区分を行う林相区分ステップと、区分された前記各林相毎の面積を計測する林相面積計測ステップと、前記林相毎に当該林相を代表する平均的な標準地を一定面積で選定する標準地選定ステップと、前記標準地内の樹種を識別する樹種識別ステップと、前記標準地内の樹木の樹高を測定する樹高測定ステップと、前記樹高を所定の樹高・胸高直径回帰式に代入して胸高直径を算出する胸高直径算出ステップと、前記樹高および前記胸高直径から単位面積当たりの立木幹材積を算出する材積算出ステップと、前記単位面積当たりの立木幹材積に前記林相面積を乗じて当該林相内の立木幹材積を求める林相立木幹材積算出ステップと、算出した林相毎の立木幹材積に、樹種別の樹幹材積に対する枝条材積の百分率から得られたバイオマス係数を乗じて当該林相のバイオマス蓄積量を求めるバイオマス蓄積量算出ステップとを有することを特徴とする森林資源調査方法が開示されており、この方法において、前記樹高測定ステップでは、三次元空中写真に基づいて樹木の最も高い部分である樹冠高を計測するとともに、直下の地上部である地際高の標高を計測し、両者の差を樹高として算出することが好ましいとされている。
【0006】
特許文献1はまた、写真測量図化機等により作成した3次元空中写真に基づいて森林を構成する樹種、林冠の疎密度、樹高階の違いを判別して林相区分を行う林相区分設定手段と、区分された各林相毎の面積を計測する林相面積計測手段と、前記林相毎に当該林相を代表する平均的な標準地を一定面積で選定する標準地選定手段と、前記標準地内の樹種を識別する樹種識別手段と、前記標準地内の樹木の樹高を測定する樹高測定手段と、前記樹高を所定の樹高・胸高直径回帰式に代入して胸高直径を算出する胸高直径算出手段と、前記樹高および前記胸高直径から単位面積当たりの立木幹材積を算出する材積算出手段と、前記単位面積当たりの立木幹材積に前記林相面積を乗じて当該林相内の立木幹材積を算出する林相立木幹材積算出手段と、算出した林相毎の立木幹材積に、樹種別の樹幹材積に対する枝条材積の百分率から得られたバイオマス係数を乗じて当該林相のバイオマス蓄積量を算出するバイオマス蓄積量算出手段とを有することを特徴とする森林資源調査装置が開示されている。
【0007】
特許文献2によると、小型で測定精度のよい外径測定装置を提供することを目的として、下記技術が開示されている。
【0008】
1.円形断面を有する柱状体の被測定物に当接させるための第1の接点が設けられた第1の測定腕部と、被測定物に当接させるための第2及び第3の接点が距離をおいて設けられた第2の測定腕部と、第1及び第2の測定腕部を展開可能に連結させる可動連結部と、第1及び第2の測定腕部のなす角度を測定する角度測定部と、角度測定部の測定信号に基づいて演算処理を行う演算処理部を備えたことを特徴とする外径測定装置。
【0009】
2.可動連結部は、第1及び第2の測定腕部の一端を回転軸を中心にして展開可能に連結し、第1の測定腕部は、他端側において被測定物側へ突出させた先端部に第1の接点が設けられ、第2の測定腕部は、他端側に第2の接点が設けられるとともに、被測定物側から後退させた腕部の一部を挟んで第3の接点が設けられたことを特徴とする1に記載の外径測定装置。
【0010】
3.可動連結部は、第1及び第2の測定腕部を回転軸を中心に展開可能に連結し、回転軸から第1の接点までの距離が、回転軸から第2の接点までの距離よりも短く、回転軸から第3の接点までの距離よりも長いことを特徴とする1に記載の外径測定装置。
【0011】
4 可動連結部は、第1及び第2の測定腕部を回転軸を中心に展開可能に連結し、第2の接点は、回転軸及び第3の接点を結ぶ直線よりも内側に配置されることを特徴とする1に記載の外径測定装置。
【0012】
5 第1の接点が、被測定物への当接を検出するための当接検出部からなり、演算処理部が、当接検出部による被測定物への当接検出結果に基づいて演算処理を行うことを特徴とする1に記載の外径測定装置。
【0013】
6 当接検出部が、第1及び第2の測定腕部を閉じたときに第2の測定腕部に当接し、演算処理部が、当接検出部による第2の測定腕部への当接検出結果に基づいて、角度測定部による測定角度を補償することを特徴とする5に記載の外径測定装置。
【0014】
7 角度測定部及び演算処理部が、第1の測定腕部に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の外径測定装置。
【0015】
8 立木に当接させるための第1の接点が設けられた第1の測定腕部と、立木に当接させるための第2及び第3の接点が距離をおいて設けられた第2の測定腕部と、第1及び第2の測定腕部を展開可能に連結させる可動連結部と、第1及び第2の測定腕部のなす角度を測定する角度測定部と、角度測定部の測定結果に基づいて材積データを求める材積演算部を備えたことを特徴とする材積測定装置。
【0016】
9 2以上の材積データを記憶することができるデータ記憶部を備え、第1の接点が、被測定物への当接を検出するための当接検出部からなり、当接検出部による被測定物への当接検出結果に基づいて、材積演算部が材積データを求めるとともに、データ記憶部が前回の当接検出結果に基づいて求められた材積データを記憶することを特徴とする8に記載の外径測定装置。
【0017】
10 ユーザが材積演算のためのデータを入力する操作入力部と、材積演算部により求められた材積データを表示する表示部を備え、材積演算部が連続して材積データを求める際、前回の材積演算に用いられた入力データに基づいて材積データを求め、求められた材積データが表示部に表示されることを特徴とする9に記載の材積測定装置。
【0018】
また、特許文献4には、森林収穫およびその計画の合理化のための条件を創設する目的で下記事項が記載されている。
【0019】
(1) 車両と該車両に搭載された収穫装置とからなる収穫機により森林の材木を収穫する方法であって、収穫前に森林立木の特性について高地理学的精度と高精密度を有するデータベースに森林のある部分の特性を登録し、分析し、処理しておき、前記データベースに基づいて収穫計画を行い、収穫の結果を収穫計画と比較し、前記車両に設けた第1コンピュータ装置に収穫された材木片に対する品質とサイズを登録する材木収穫方法において、収穫機に配置された位置決定装置により収穫を行い、無線で受信可能な信号により収穫機または収穫装置の位置を決定し、収穫機または収穫装置の位置に関するデータを第1コンピュータ装置により材木片の品質またはサイズに関するデータと調整し、該調整したデータをデータベースを有する第2コンピュータ装置に転送し、前記調整したデータを、収穫計画および前記第2コンピュータ装置による収穫の実行を補正する基礎として使用することを特徴とする材木収穫装置。
【0020】
2 車両と該車両に搭載された収穫装置とからなる収穫機により森林の材木を収穫する方法であって、収穫前に森林立木の特性に関して高地理学的精度と高精密度を有するデータベースに森林のある部分の特性を登録し、分析し、処理する材木収穫方法において、収穫機に配置された位置決定装置により収穫を行い、無線で受信可能な信号により収穫機または収穫装置の位置を決定し、収穫機の運転者の前方にありかつデータベース化された収穫計画に含まれる森林立木の前記部分を再生して、収穫機に設けられた第1コンピュータ装置により、収穫案とともに収穫機の運転者に提供することを特徴とする材木収穫方法。
【0021】
(3) 前記第1コンピュータ装置は、収穫機を自動的に制御して、前記収穫案にしたがって収穫を行うことを特徴とする項目2に記載の方法。
【0022】
(4) 車両と該車両に搭載された収穫装置とからなる収穫機により森林の材木を収穫し、車両に設けたコンピュータ装置に収穫された材木片に関する品質またはサイズを登録する材木収穫方法において、木の伐採に関する収穫機の位置を決定し、当該木から得られる少なくとも1つの材木片に位置情報またはそのコードをマークし、これにより、材木片を位置情報と関連させ、位置情報またはそのコードを当該材木片に関する品質またはサイズと関連させるのに使用することを特徴とする材木収穫方法。
【0023】
(5) 前記材木片に品質またはサイズに関する情報をマークすることを特徴とする項目4に記載の方法。
【0024】
(6) 木から複数の材木片を得た場合、当該全ての材木片にその材木素材の中の位置に関する情報をマークすることを特徴とする項目5に記載の方法。
【0025】
(7) 個々の材木片の売手または買手に関する情報を記憶し、当該材木片を位置情報またはそのコードにより前記売手または買手に関する情報と関連させることを特徴とする項目4から6のいずれかに記載の方法。
【0026】
(8) 前記マーキングは、パンチ穿孔、切断、ドリル穿孔、打印等のような材木と接触するマーキング技術によって行うことを特徴とする項目4から7のいずれかに記載の方法。
【0027】
(9) 前記マーキングは、放射エネルギーやインク噴射のような非接触マーキング技術によって行うことを特徴とする項目4から8のいずれかに記載の方法。
【0028】
(10) 前記収穫機の位置情報は、収穫機の収穫装置の位置を言及していることを特徴とする項目4から9のいずれかに記載の方法。
【0029】
(11) 材木片のマーキングを当該材木片の端面に行うことを特徴とする項目4から10のいずれかに記載の方法。
【0030】
(12) 前記マーキングを、樹皮から暴露した後の前記材木片の外皮面の一部に行うことを特徴とする項目4から10のいずれかに記載の方法。
【0031】
(13) 材木片の成長位置、品質、サイズおよび木の中での概略位置に関する収穫時に決定されるデータを、評価のために記憶し、収穫前に行った収穫の結果に関する予測と比較することを特徴とする項目4から12のいずれかに記載の方法。
【0032】
(14) 収穫前に、収穫しまたは間引く領域内で、個々の立木または比較的小さな生い茂った樹木に関して、森林立木評価を遠隔分析により例えば飛行機から行うことを特徴とする項目1から13のいずれかに記載の方法。
【0033】
(15) 収穫機に設けられたデータにより前記森林立木評価の援助を得て収穫を制御することにより、収穫中に、その瞬間に要求される品質とサイズの収穫を優先させるようにすることを特徴とする項目14に記載の方法。
【0034】
(16) 得られた材木片を製材所で鋸引きして板にし、製材所で、個々の材木片のマーキングを読取り、品質やサイズその他の特性のような材木片に関する情報または鋸引きによる材木片の歩留まりとともに記憶し、これらのデータを収穫予測の評価または訂正に利用することを特徴とする項目4から15のいずれかに記載の方法。
【0035】
(17) 項目4から16のいずれかに記載の方法により収穫された材木片を鋸引きして板にする方法において、鋸引き前に個々の材木片のマーキングを読み取って記憶し、材木片からの板に、少なくとも原木の成長位置についての情報を含むマーキングまたはそのコードを付与し、これにより板をデータベースに存在する成長場所についての情報と関連させることを特徴とする材木片の鋸引方法。
【0036】
(18) 項目4から16のいずれかに記載の方法により収穫された材木片を鋸引きして板にする方法において、材木片の端面を鋸引き前に再生し、この再生において、径や樹皮厚さ等の形状、年輪の幅等の成長に関する情報を記録し記憶することを特徴とする材木片の鋸引方法。
【0037】
(19) 一定時間間隔における森林成長に関する分析と予測を行い、材木片が生まれた森林領域について形状や成長に関する情報によって裏付けし、あるいは収穫前に行った収穫計画と比較する項目18に記載の方法。
【0038】
(20) 収穫機によって収穫される木を、収穫機に配置されたスキャナーによって伐採前に走査し、該走査情報をクロスカットまたはクロスカット予測に対する案内手段として利用する項目4から19のいずれかに記載の方法。
【0039】
(21) 車両と該車両に搭載された収穫装置とからなる収穫機による材木収穫を含む森林管理システムにおいて、外部の無線で受信可能な信号によって収穫機の位置を決定することができる少なくとも1つの位置決定装置を収穫機に配置し、木から得られた少なくとも1つの材木片にマークを付与するためにマーキング装置を収穫機に配置し、マーキング装置を制御して材木片に位置情報またはそのコードをマークするコンピュータ装置を収穫機に配置し、これにより、位置決定装置から受信した位置情報に基づいて、材木をデータベースに記憶された位置情報と関連させるようにしたことを特徴とする森林管理システム。
【0040】
(22) 前記収穫機は、材木片の品質またはサイズに関する情報を決定し入力する手段を有し、前記コンピュータ装置は、マーキング装置を制御して材木片に品質またはサイズの情報をマークし、この情報を前記コードによって材木片と関連可能なように登録するようになっていることを特徴とする項目21に記載のシステム。
【0041】
(23) 前記収穫機は、素材の中の現在の材木片の位置に関する情報を自動決定し手動入力する手段を有し、前記コンピュータ装置は、マーキング装置を制御して、材木片に位置情報をマークし、またはこの位置情報を前記コードによって材木片と関連可能なように登録するようになっていることを特徴とする項目21または22のいずれかに記載のシステム。
【0042】
(24) 前記コンピュータ装置は、個々の材木片の買手または売手に関する情報を受け入れる手段を有し、マーキング装置を制御して、材木片に買手または売手に関する情報をマークし、またはこの情報を前記コードによって材木片と関連可能なように登録するようになっていることを特徴とする項目21から23のいずれかに記載のシステム。
【0043】
(25) 前記コンピュータ装置は、処理された材木片を収穫装置から排出する時に、収穫装置の位置を決定し登録するようになっており、当該位置情報は、データベースに記憶して、その後の運送業者による材木片の引出し(fetching)で使用されるようになっている項目21から24のいずれかに記載のシステム。
【0044】
(26) 前記位置決定装置は、GPSシステム(全地球位置把握システム)によって動作することを特徴とする項目21から25のいずれかに記載のシステム。
【0045】
(27) 前記マーキング装置(9)は、収穫機の収穫装置(3)に適用され、収穫装置で処理される材木素材に関連したマーキングを材木片に付与するようになっている項目21から26のいずれかに記載のシステム。
【0046】
(28) 前記マーキング装置は、パンチ穿孔、切断、ドリル穿孔、打印等のような接触マーキング技術により動作するようになっていることを特徴とする項目21から27のいずれかに記載のシステム。
【0047】
(29) 前記マーキング装置は、レーザのような放射エネルギーやインク噴射等のような非接触マーキング技術により材木片にマークスするようになっていることを特徴とする項目21から27のいずれかに記載のシステム。
【0048】
(30) 前記マーキング装置は、材木片に接触するようにした複数のマーキング手段(16)を有し、前記マーキング手段は、動作マーキング位置と非動作静止位置との間で選択的に移動可能であり、これにより、材木片に対する意図されたマーキング情報は、所望のマーキング情報に基づいてコンピュータ装置によって組み立てられることを特徴とする項目28に記載のシステム。
【0049】
(31) 前記マーキング手段(16)は、パンチ穿孔手段、打印手段、ドリル穿孔手段として形成されている項目30に記載のシステム。
【0050】
(32) 前記マーキング手段は、マーキングインクをマーキング手段に供給する手段(24)を有することを特徴とする項目31に記載のシステム。
【0051】
(33) 前記マーキング装置は、マーキング情報を備えたキャリアを生成し、該キャリアを材木片に付与するように形成されている項目28に記載のシステム。
【0052】
(34) 前記キャリアは、例えばバーコードの形態のマーキング情報を備えた粘着ストリップからなることを特徴とする項目33に記載のシステム。
【0053】
(35) 前記マーキング手段は、マーキング情報を材木片に付与するために1または複数のレーザを有する項目29に記載のシステム。
【0054】
(36) 前記マーキング装置は、マーキング手段を支持するキャリアを有し、該キャリアは回転手段(15)として形成されていることを特徴とする項目28に記載のシステム。
【0055】
(37) 前記マーキング装置は、マーキングを材木片の一端に付与するようになっていることを特徴とする項目21から36に記載のシステム。
【0056】
(38) 前記マーキング装置は、マーキングを材木片の外皮面の一部に、その部分が樹皮から露出された後に、付与するようになっている項目21から36に記載のシステム。
【0057】
(39) 前記第1コンピュータ装置は、収穫中に決定されるデータを前記第2コンピュータ装置のデータベースに無線で転送するように配置され、前記データは、収穫前になされた収穫結果に関する予測と比較するために、成長位置、品質、サイズ、および材木片の木の中の位置に関するものであることを特徴とする項目21から38のいずれかに記載のシステム。
【0058】
(40) 前記システムは、材木片を板に鋸引きする製材所を有し、鋸引き前に個々の材木片のマーキングを読み取り、該マーキング情報を記憶するように配置された読み取り装置が設けられ、製材所に接続された第3コンピュータ装置が設けられ、該第3コンピュータ装置は、さらなるマーキング装置を制御して、当該材木片からの板または板群に、少なくとも原木の成長位置またはそのコードについての情報からなるマーキングを設けるように配置され、これによりこの情報が板に関連可能であるようにした項目21から39のいずれかに記載のシステム。
【0059】
(41) 材木片の端面を鋸引き前に再生し、この再生において、径や樹皮厚さ等の形状、年輪の幅等の成長に関する情報を記録し記憶するように、再生装置が配置されていることを特徴とする項目40に記載のシステム。
【0060】
(42) 材木片が前記形状または成長に関する情報の援助により、材木片が発出する森林領域に関し、時間的な森林成長に関する分析と予測を生成する装置を有することを特徴とする項目41に記載のシステム。
【0061】
(43) 木が伐採される前に、収穫される木を走査するために収穫機にスキャナが配置され、該スキャナは、走査情報を転送するために第1コンピュータ装置に接続され、前記走査情報はコンピュータ装置によりクロスカットまたはクロスカット予測の案内として利用されることを特徴とする項目21から42のいずれかに記載のシステム。
【0062】
(44) 前記収穫機の位置決定装置は、収穫機の車両に少なくとも1つの位置決定ユニットを有し、該位置決定ユニットに対する収穫装置の位置を決定する手段が収穫機に設けられていることを特徴とする項目21から43のいずれかに記載のシステム。
【0063】
(45) 前記位置決定ユニットに対する収穫装置の位置を決定する手段は、距離計測器、角度決定手段、方向指示器(コンパス)、ビデオ写真測量機器、およびさらなる位置決定ユニットを有することを特徴とする項目44に記載のシステム。
【0064】
このような、森林情報に基づいて、所定区間の森林を金融商品化したいという要望がある。
【0065】
ETFは、1990年代初頭から取引されてきた。取引される周知のファンド単位およびETFは一般に、株式や証券ベースの商品などの他の証券が証券化された形である。たとえば、スタンダードアンドプアーズ預託証券(Standard and PoorsDepository Receipt)を省略形してSPDR(登録商標)と呼ばれる商品は、米国証券取引所で取引されており、その取引される株式は、スタンダードアンドプアーズ500銘柄(S&P500)中の株式など、特定の株式バスケットのごく一部である。ETFおよび関連のデリバティブ商品は、ミューチュアルファンドからも派生し得る。ミューチュアルファンドを証券化する特定の方法は、特許文献3に開示されている。
【0066】
一般に、券取引所におけるファンド単位の取引は、確立されており、クローズドエンドファンドは、かねてから取引されてきた。上場投資信託(ETF:Exchange traded fund)、すなわちクローズドエンドファンドとオープンエンドファンドの中間物は、従来の証券株式と同じ様に取引され得るファンドに基づく証券である。
【0067】
信託が様々なタイプの金融商品でファンド化され、次いで保有される資産に基づいて証券を発行する様々な他の技術が知られている。しかし、現在の技術は、デリバティブ市場自体に実際に参加し、初期投資を超える債務に自身をさらす必要なく、投資家が、商品取引所によって公表される指数に基づく先物契約の市場などデリバティブ市場の価格変化に関与するための柔軟な機構がない。
【0068】
そのため、特許文献4では、下記項目が記載されている。
信託または他の特別目的事業体(SPE:special purpose entity)から発行され、先物取引から(または他の手段を介して)導出される指数や別の価値尺度などの指数に価値が連動しており、また証券取引所または類似の市場で取引するために証券が上場され得る、一種類の取引可能な証券を提供することである。
【0069】
指数は、多角的取引執行施設(MTEF:multilateral transactional execution facility)、またはMTEFによって取引される品目に基づく第三者によって公表される。一実施形態では、MTEFは先物取引所であり、その指数は、ニューヨーク商品取引所(「NYMEX」:New York Mercantile Exchange)に上場している先物契約など、MTEFで取引される契約の決済価格に基づいている。現金および/または他の妥当な資産と引き換えに、契約ディーラは、先物契約やスワップなどのデリバティブ契約をSPEと結ぶ。デリバティブ契約は、指数と連動しており、また拠出時の当初拠出額に基づく価値を有する。デリバティブ契約は、追加の拠出を行うことによって契約の価値が増加され得るようにスケーリング可能であり得る。あるいは、既存の契約をスケーリングする代わりに、追加の契約を購入することもできる。契約は、全体でも部分でも償還されることができ、償還時に契約ディーラは、現在の指数値、および償還される契約高に基づいてSPEに解約金を支払う義務がある。契約ディーラは、SPEへの定期的な支払いを行う必要もあり得る。
【0070】
デリバティブ契約は、SPEによって、その主要資産の1つとして保有される。SPEは取引可能な証券を発行し、この取引可能な証券は、フィラデルフィア証券取引所(「PHLX」:Philadelphia Stock Exchange)などの証券市場で自由に取引され得る。取引可能証券は、ハイブリッド証券についての法によって定められる免責条項の範囲内にその証券が含まれるようにすることによって、商品取引法によって制限される先物または関連オプションに再分類されないように構成されることができる。
【0071】
新たに発行される株式は、認可された特定の者(それぞれが「証券ディーラ」である)によって、それ自身のために、または他者の代理でSPEから購入され得る。証券ディーラが新たに発行されたこうした株式をたとえば創出単位(creation unit)サイズのブロックで購入する場合、その株式の価値は、取引終了時の指数に基づいて判断される。証券ディーラはまず、直接にまたはSPEを介して契約ディーラに現金および/または他の妥当な資産を提供する。契約ディーラは、SPEとの契約の価値を対応する額だけ増加し、またはSPEと新しい契約を適宜締結する。次いで、SPEは、保有される契約の価値に基づいて証券ディーラに取引可能な証券を発行し得る。証券ディーラは、自身のために、または他者の代理で証券を償還したい場合、創出単位サイズのブロックで(または他の適切な方法で)SPEにその証券を提出する。SPEまたはそのエージェントは、契約ディーラに、指定された単位数に関する分だけその契約の想定元本を減らし、または現在の指数価格での株価および償還される証券数に対応する分だけ1つまたは複数の特定の契約を終了するように指示する。次いで、契約ディーラは契約価値の減少に等しい額をSPEに支払い、この支払いは、証券ディーラに渡される。
【0072】
この方法論によって、交換取引可能な証券がエネルギーおよび金属の指数などの先物指数に基づいて提供されることが可能になる。証券は、各取引日の終わりに毎日発行され償還されることができ、また適切な証券取引所で取引されることができる。オプション、先物および取引可能証券に基づく他のデリバティブ商品を創造することもできる。発行された証券の取引価格は、市場動向によって、たとえば証券の呼び値、およびリアルタイムの先物契約価格またはMTEFによって公開される指数を参照して設定される。こうした取引可能株式を保有する「経済体験」は、先物契約を保有する体験とは異なるが、取引可能な株式によって、投資家は、先物市場自体に実際に参加する必要なしに、先物契約が基にしている価格変化に関与することができる。さらに、先物市場の直接投資家とは異なり、取引可能株式の投資家の債務は、上限がその初期投資額に定められる。
【0073】
より一般的にはある種類の商品の取引を、先物契約の規制制度などの関連する規制制度を伴うある市場タイプから、取引可能証券の規制制度などの異なる規制制度を伴う別の市場に移動することが可能になる。
【0074】
様々な先物市場では、保有される先物契約が満了すると、その先物の所有者は一般に、その先物を「乗換え」し、その代わりに新しい契約を取得する。一実施形態では、指数は、関連する市場における先物の特徴的な乗換えを反映するように構成される。有利なことに、先物の乗換えを指数に組み込むことによって、取引可能証券の投資家は、乗換えする必要なしに証券化された先物契約の持ち高を保有することができる。これは、先物取引が許可され得ない、またはそうすることを面倒であると思うが、何らかのやり方で先物の価値に投資することを望む投資家グループにとって特に有利である。さらに、すべての投資家の乗換えを統合することによって、様々な効率をもたらすことができる。
【0075】
SPEは、ファンドレベルの課税が最小限に抑えられるように、また投資家または他の保有者がどんな幽霊所得に対する課税をも課されないように構成されることができる。(一部のファンドレベルの課税は、SPEの見直しによる損益のせいで存在し得る。)有利なことに、証券ディーラから契約ディーラへの前払い金は、ディーラがさらされる指数価格の変化に関するリスクを実質上最小限に抑えるように構成され得る。
【0076】
契約ディーラは、MTEFで取引される先物で契約をヘッジすることができ、したがって契約の提供元および専門家、または関連する証券取引場のマーケットメーカーによるMTEFでの取引高が増加する。特定の一実施形態では、SPEから株式を購入する証券ディーラは、(直接にまたはSPEを介して)契約エージェントに、発行される株式の価値に等しい「現物支払い」とともに現金を支払う。現物支払いは、発行される株式の価格に類似の想定元本、およびSPEとの契約が基にしている指数に密接に相関する価値を有するデリバティブ契約の形であることが好ましい。この目的によく適している特定のデリバティブ契約は、関連指数に関する先物契約である。先物契約は、先物契約(多分追加のオーバヘッドを伴う)を取得するのに必要な証拠金に等しい当初の正味価格を有し、この証拠金は、証券ディーラによって支払われることができ、拠出の現金構成要素がそれに従って調整される。次いで、先物契約は、契約ディーラによって、契約ディーラとSPEの間のデリバティブ契約をヘッジするため、また契約ディーラがSPEへの支払い義務を満たし得ることをSPEに保証するための担保源として使用され得る。
【0077】
このような証券取引を所定区画の森林に対して適用する場合、所定区画の森林の資産価値を正確に把握する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】 特開2008−46837号公報
【特許文献2】 特開2003−294402号公報
【特許文献3】 国際公開WO/1999/023873号パンフレット
【特許文献4】 米国特許第6088685号、Kiron他、「Open End Mutual Fund Securitization Process」
【特許文献5】 特表2005−532633号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0079】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、あくまでも収穫側に立った森林の伐採方法及び伐採計画の合理化を行うためのシステムであって、特許文献2や特許文献3に記載の証券システムにそのまま適用することができない。
【0080】
さらに、特許文献1に記載の発明は、森林の保全・育成などの森林保護の観点が欠如しており、そのまま適用しても森林資源を保全・育成しつつ森林資源を金融商品として有効活用することができない。
【0081】
したがって、本発明の課題は、所定区画の森林の立木を保全・管理し、なおかつ当該立木の資産価値をリアルタイムに評価できる立木の管理装置を提供することである。
【0082】
本発明の別の課題は、所定区画の森林の立木を保全・管理し、なおかつ当該立木の資産価値をリアルタイムに評価できるシステムを提供することである。
【0083】
本発明のさらに別の課題は、リアルタイムに評価した立木の資産価値に基づいて、森林の金融商品化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0084】
本発明の課題は、下記項目により達成される。
【0085】
(発明1) 中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理装置。
【0086】
(発明2) 前記第2の情報管理部は、前記各第2の情報が更新された際に枝番として、各第2の情報を更新し、
前記第3の情報管理部は、前記各第3の情報が更新された際に枝番として、各第3の情報を更新し、
前記第2の情報または第3の情報が更新された際に前記計算部は、前記各立木の資産価値を再計算することを特徴とする発明1に記載の立木の管理装置。
【0087】
(発明3) 前記立木の管理装置は、さらに前記第2から第4の情報に分類されない情報を管理する第5の情報管理部を備えたことを特徴とする発明1または発明2に記載の立木の管理装置。
【0088】
(発明4) 前記電子計算機は、回線を介して他の電子計算機と接続可能な通信手段を有していることを特徴とする発明1から発明3のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【0089】
(発明5) 前記第4の情報を回線を介して他の電子計算機より入手することを特徴とする発明4に記載の立木の管理装置。
【0090】
(発明6)
さらに、前記立木の管理装置は、前記第3の情報管理部からの施業に関する情報に基づいて施業指示情報を生成する施業指示生成部を有し、
前記第2の情報部および第3の情報部は、前記施業指示生成部で生成された施業情報に基づいて前記第2の情報および第3の情報を更新することを特徴とする発明1から5のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【0091】
(発明7) 前記立木の管理装置は、さらに前記第3の情報管理部からの木材加工に関する情報に基づいて木材加工指示情報を生成する木材加工指示生成部を有していることを特徴とする発明1から6のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【0092】
(発明8) 前記立木の管理装置は、さらに計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部を有していることを特徴とする発明1から発明7のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【0093】
(発明9) 前記所定単位が区画単位であることを特徴とする発明8記載の立木の管理装置。
【0094】
(発明10) 前記所定単位が所定区画または前記所定区画を分割した区画単位における立木の種類であることを特徴とする発明8に記載の立木管理装置。
【0095】
(発明11) 前記計算部は、前記金融商品化した所定単位の立木の資産を、前記第1から第4の情報を更新した際に再計算して金融商品券の価値情報を生成することを特徴とする発明8から発明10のいずれか1項に記載の立木管理装置。
【0096】
(発明12) 中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
通信回線を介して端末と接続可能な通信部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理サーバと、
通信回線を介して立木の商品情報を格納した商品情報端末と、
から構成された立木の管理システムであって、
前記第3の情報部は、前記商品情報端末からの商品情報を格納し、
前記計算部は、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算することを特徴とする立木の管理システム。
【0097】
(発明13)
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
通信回線を介して端末と接続可能な通信部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理サーバと、
前記立木管理サーバと通信回線を介して可能な施業者側の端末と
から構成され、
前記施業指示生成部で生成された施業指示情報を前記通信部を介して前記施業者側の端末に送信することを特徴とする立木の管理システム。
【0098】
(発明14) 前記第2および第3の情報部は、前記施業者側の端末から前記施業指示生成部で生成された施業指示情報に基づいた施業を実施した後、施業完了情報を受け取ると前記第2および第3の情報を前記施業完了情報に基づいて更新することを特徴とする発明13に記載の立木の管理システム。
【0099】
(発明15) 前記立木の管理システムは、さらに前記第3の情報管理部からの木材加工に関する情報に基づいて木材加工指示情報を生成する木材加工指示生成部を有しており、
前記立木の管理システムは、さらに木材加工者側の端末と通信回線を介して接続されており、
前記立木の管理システムは、生成した木材加工指示情報を前記木材加工者側の端末に通信回線を介して送信することを特徴とする発明12から発明14のいずれか1項に記載の立木の管理システム。
【0100】
(発明16) 前記立木管理サーバは、さらにさらに計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部を有しており、
前記管理サーバは、さらに金融商品取引機関の端末と通信回線を介して接続されていることを特徴とする発明12から発明15のいずれか1項に記載の立木の管理システム。
【0101】
(発明17) 前記所定単位が区画単位であることを特徴とする発明16記載の立木の管理システム。
【0102】
(発明18) 前記所定単位が所定区画または前記所定区画を分割した区画単位における立木の種類であることを特徴とする発明17に記載の立木管理システム。
【0103】
(発明19) 発明16から発明18のいずれか1項に記載の立木管理システムと、
金融商品取引機関の端末と、
顧客端末と、から構成された立木の金融商品取引システム。
【0104】
(発明20) 前記生成される債券が先物取引債券であることを特徴とする発明19に記載の金融商品取引システム。
【0105】
(発明21)
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、から構成される立木の管理装置における立木資産算出方法であって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、を含むことを特徴とする立木資産算出方法。
【0106】
(発明22)
前記工程Aは、区分により資産評価する集団を抽出する工程、立木の種類により資産評価する集団を抽出する工程または両者により資産評価する集団を抽出する工程を含むことを特徴とする発明21に記載の立木資産算出方法。
【0107】
(発明23) 中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、から構成される立木の管理装置における立木資産算出プログラムであって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程
を実行することを特徴とするプログラム。
【0108】
(発明24) 前記工程Aは、区分により資産評価する集団を抽出する工程、立木の種類により資産評価する集団を抽出する工程または両者により資産評価する集団を抽出する工程を含むことを特徴とする発明23に記載のプログラム、
【0109】
(発明25) 発明22または発明24に記載のプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体。
【0110】
(発明26) 中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、前記計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部とから構成される立木の管理装置を用いて立木を金融商品化する立木の金融商品化方法であって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、
(E) 算出した立木の製造原価に基づいて前記抽出した立木群を金融商品化する工程と、
(F) 前記抽出した立木群を別の管理情報群として保存する工程と、
を含むことを特徴とする立木の金融商品化方法。
【0111】
(発明27) 前記金融商品が先物取引に関する金融商品であることを特徴とする発明26に記載の立木の金融商品化方法。
【0112】
(発明28)
前記第2の情報管理部は、管理する立木の所有者であるオーナー情報を有しており、前記抽出した立木群を、前記オーナー情報を書き換えることにより別の管理情報群を生成し、生成した別の管理情報群を保存することを特徴とする発明26または発明27に記載の立木の金融商品化プログラム。
【0113】
(発明29) 中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、前記計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部とから構成される立木の管理装置を用いた立木を金融商品化する立木の金融商品化プログラムであって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、
(E) 算出した立木の製造原価に基づいて前記抽出した立木群を金融商品化する工程と、
(F) 前記抽出した立木群を別の管理情報群として保存する工程と、
を含むことを特徴とする立木の金融商品化プログラム。
【0114】
(発明30) 前記金融商品が先物取引に関する金融商品であることを特徴とする発明29に記載のプログラム。
【0115】
(発明31) 前記第2の情報管理部は、管理する立木の所有者であるオーナー情報を有しており、前記抽出した立木群を、前記オーナー情報を書き換えることにより別の管理情報群を生成し、生成した別の管理情報群を保存することを特徴とする発明29または発明30に記載の立木の金融商品化プログラム。
【0116】
(発明32) 発明29から発明31のいずれか1項に記載のプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体。
【発明の効果】
【0117】
本発明の立木管理装置および本発明の立木管理システムによると、所定区画の立木の資産情報をリアルタイムに更新することが可能であるので、時々刻々と変化する所定区画の立木の資産情報を把握可能となる。さらに、本発明の立木管理装置は、施業情報、木材加工情報などを取り扱い、要求に応じて施業側、加工側に施業・加工の指示を行うことが可能であるので、施業から加工まで立木の管理・育成を指示でき、指示結果に基づいて施業管理・加工管理を行うことが可能である。そのため、立木の保全・育成および資産価値の管理・把握を行うことが可能となる。
【0118】
また、本発明の立木金融商品取引システムは、時々刻々と変化する所定区画の立木の資産情報を把握可能となるので、所定区画の立木を金融商品化することが可能となる。したがって、施業等の森林の管理保全、森林従事者の雇用の促進にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【00119】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面。
【図2】 図1における更新情報を管理する情報テーブルを示す図面。
【図3】 (a)から(c)は各々図2における第2から第4の情報管理部T2〜T4の情報テーブルの入力インターフェースを示す図面。
【図4】 図1における立木管理装置を用いて立木の資産管理を実行するフローを示すフローチャート。
【図5】 (a)から(c)は図4における選択・抽出工程を実施する際の入力インターフェースを示す図面である。
【図6】 本発明の第2実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面。
【図7】 本発明の第3実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面。
【図8】 本発明の第4施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面。
【図9】 本発明の第3実施形態と第4実施形態を組み合わせた立木管理装置の概略を示す図面。
【図10】 本発明の第5実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面。
【図11】 本発明における金融取引の一例を示す図面。
【図12】 図10における立木管理装置を用いて立木の金融商品化を実行するフローを示すフローチャート。
【図13】 本発明の第2実施形態と第5実施形態を組み合わせた立木管理装置の概略を示す図面。
【図14】 本発明の立木の管理システムの一例を示す図面。
【図15A】 本発明の木材の管理システムを用いた特定の実施形態を示す図面。
【図15B】 図15Aに示す実施形態における木材の管理システムの一例を示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0120】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1実施形態にかかる立木管理装置について図1から図5に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面であり、図2は図1における更新情報を管理する情報テーブルを示す図面であり、図3(a)から(c)は各々図2における第2から第4の情報管理部T2〜T4の情報テーブルの入力インターフェースを示す図面であり、図4は図1における立木管理装置を用いて立木の資産管理を実行するフローを示すフローチャートであり、そして図5(a)から(c)は図4における選択・抽出工程を実施する際の入力インターフェースを示す図面である。
【0121】
図1に示す通り、本発明の第1実施形態にかかる立木管理装置Dは、第1の情報管理部T1、第2の情報管理部T2、第3の情報管理部T3および第4の情報管理部T4を含む情報管理部Tと、前記情報管理部Tの第1の情報管理部T1から所定の要件で検索し検索した結果を抽出する検索抽出部Rと抽出した立木情報に基づいて立木の資産を計算する計算部Cとから主として構成されている。
【0122】
本発明の立木管理装置Dは、資産管理単位である所定の区画における立木を1本1本識別番号にて管理することが第1の特徴である。そのため、第1の情報管理部T1では、所定の区画における立木に対する基礎的情報(すなわち、立木が伐採あるいは外的要因により消滅するまでの不変的情報)を識別番号単位で取り扱う。
【0123】
より具体的には、図2に示す通り、各立木のID番号である識別情報と、各立木の所在地と、各立木の種類(例えば、松、檜・・・)を当該所定区域内1本1本に識別番号を付与して管理を行う管理部である。
【0124】
このような識別番号は、ICタグ等を後述する施業の際に付与することによって実施することが可能である。
【0125】
第2の情報管理部T2は、立木の主として資産に関する情報を第1の情報管理部T1における識別番号と関連付けして管理する管理部である。すなわち、図2に示す通り、樹齢情報、材積情報、立木密度情報、立木価格情報、立木の二酸化炭素吸収量等の立木など時々刻々と変化する情報であって、立木の資産価値に関する情報である。
【0126】
立木または造材された丸太、あるいは製材された木材の容積をいう。材積は、実積と層積に区分され、実積は立木(枝条を含む)や丸太の材積をいう(大面積の立木群の材積を蓄積ともいう)。層積は薪炭材などの小径木を一定の枠に積み重ね、丸太間の空間を含めて計算した材積をいう。実積の単位は、立方メートル(m3)を用いる(立方フィート(cft)、ボードフィート(BF)を用いる国もある)。層積の単位は、取引上の慣習で棚(たな:空間ともに108立方尺=3.00526m3)が使われる。本発明では、立木の容積を意味する。
【0127】
なお、二酸化炭素吸収などを考慮しない場合には枝条を含めない材積を使用するのが好ましいが、枝条を含めた材積と両者を第2の情報管理部T2で管理することが好ましい。
【0128】
また、本発明の第2の情報管理部T2で管理する立木の材積の総和が森林を構成する樹木(立木)の総材積である森林蓄積(growing stock)となる。この森林蓄積に基づいて二酸化炭素吸収量を評価することが可能となる。
【0129】
この際の材積の測定方法は、二変数材積式(山本式)や回帰式など当該技術分野に周知の方法から選択して行うことができ、あるいは例えば特許文献1に記載の方法などから適宜選択して行うことができる。
【0130】
ここで重要であるのは、材積の測定方法がいくつか存在するのでどのような材積測定方法で測定したかを明記する必要がある。
【0131】
立木密度とは、林分内の立木の密集度合を表す尺度で木の大きさや本数・空間分布を単位面積当たりで表される。例えば、個体サイズと立木密度−トドマツ密度試験でみられた最適密度について−(清和研二、久保田泰則)によると、立木密度は林分の量的,質的構造を決定する大きな要因である。これまでにも密度を主要因とした林分の平均値レベル,総量レベル,個体レベルでの法則性が定式化されてきている。しかし,その法則性は主に林冠の閉鎖以後の林分構造に関するものであり,閉鎖以前の林分から閉鎖後かなり時間の経た林分まで,低密度から高密度にかけて十分に広い密度の幅をもったトドマツ同齢人工林の解析を行っている。清和等の解析の結果,丁度,閉鎖に達したばかりの林分で,平均値レベルおよび個体レベルで,個体のサイズを大きくする方向に最適な密度があることが認められたとある(http://www.fri.hro.or.jp/kanko/kenpo/pdf/kenpo20−3.pdf)。
【0132】
また、日本の針葉樹人工林における立木密度と遮断率の関係、小松光(日林誌89(3)2007 217〜220)によると、「森林水文学において,森林の特性(立木密度,樹高,葉量など)と蒸発散量の関係を明らかにするのは重要なテーマの一つである(小松,2007)。こうした関係が明らかになれば,任意の森林における蒸発散量を,観測せずに推定することができるようになる。同時に,こうした関係が明らかになると,森林管理が森林水循環をどのように変化させるかも予想できるようになり,水資源管理などにおける森林管理の有効性を議論する基礎が築かれることになる。このような議論の基礎が築かれることは,わが国で管理されなくなった針葉樹人工林が増加しているなどの現状(たとえば,藤森,2000)から考えて,望ましいことと思われる。森林蒸発散はおもに蒸散と遮断蒸発からなるが,蒸散についてはすでにKomatsu(2003,2004,2005)などにおいて詳細な検討がなされ,任意の森林における蒸散量を精度よく推定することができるようになりつつある(小松・堀田,2005;小松ら,2005)。その一方で,遮断蒸発についてはいくつかレビュー研究があるものの(たとえば,Ward and Robinson,2000;Dingman,2001),任意の森林における遮断蒸発量を精度よく推定するには至っていない。遮断蒸発量の推定の基礎として,手始めに日本の針葉樹人工林における遮断蒸発研究の結果をまとめたところ,立木密度と遮断率の間に関係を発見した。」のと記載してある。
【0133】
このように立木密度は、単位面積当たりの立木の本数を示すものであり、所定区画の森林育成・保全に要求される重要な情報である。
【0134】
その他立木に関する情報として、どのような丸太(素材)や加工材となり得るかの情報など適宜必要な情報を第2の情報管理部T2に登録することが可能である。
【0135】
第3の情報管理部T3は、施業や伐採・加工など立木を管理・保全の指示や立木を伐採加工して製材化指示を行うと同時にこれらに要するコストについて識別番号と関連付けして登録してある情報である。
【0136】
すなわち、一般には森林資源である立木を維持・管理するためには、森林計画に基づいて施業が施される。また、これらの立木のうち特定の立木を選択して、伐採・製材化される。そのため、道路付け情報、施業情報、加工情報など森林の維持管理に必要なコストや製材化に要するコストを第3の情報管理部T3では管理している。
【0137】
施業情報は、施業内容、例えば下草とり、枝切りなどの実施業に要するコストを管理する。本発明では、森林を維持管理するために森林計画に基づいて施業を実行するための情報を管理していることが第2の特徴である。このように施業情報を考慮して立木の資産を評価することにより、森林の維持管理を確実に実施することが可能となるとともに、林業従事者の雇用促進にもつながる。
【0138】
本発明の特定の実施形態では、森林計画に基づいて施業を所定期間実施した際の費用を立木1本単位に割り当てて情報管理している。例えば、1回の施業当たりに所定区間を施業するに当たって、道路付けなど作業性や作業を行う際に要するコストを割り出して、各立木に割り当てている。
【0139】
第4の情報管理部T4は、主として立木を所定期間育成した後に各立木を丸太としてあるいは加工材とした場合の価格情報を管理する情報部である。このような情報は、後述する通り、木材市場等の市場価格と連動して更新することが好ましい。
【0140】
なお、図2に示す実施形態では、第2の情報管理部T2、第3の情報管理部T3または第4の情報管理部T4のいずれかの情報が更新された際に、各立木の管理情報に枝番を付与して枝番管理を行っている。
【0141】
すなわち、例えばある識別番号の立木の材積を新たに測定した場合には、第2の情報管理部における材積情報を書き換え新たな枝番を付与する。
【0142】
このように枝番管理することにより、元の情報を保持しつつ絶えず新たな情報の更新を容易に実行することが可能となる。本発明ではこのように枝番管理を実施することが第3の特徴である。なお、この際の入力インターフェースは、例えば図3(a)〜図3(c)に示す通り、直前に更新した第2から第4の情報管理部T2〜T4の情報テーブルそのものとすることができる。
【0143】
また、所望に応じて、本発明の立木の管理装置Dは、第2から第4の情報管理部T2〜T4の情報テーブルで管理できない情報を管理するための別の情報管理部を有することも可能である。例えば、このような別の情報管理部は、各識別番号で管理された立木の伐採時期および製材化時期、新たな立木の植林計画などの情報を管理する第5の情報部であることができる。
【0144】
次に、図4および図5に基づいて、立木の管理装置を用いて立木の資産管理を実行する工程(立木の資産管理装置の動作)を説明する。
【0145】
図4に示す通り、本発明の立木の管理装置Dは、(A)前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、(B)前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、(C)前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、(D)工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程により動作をする。
【0146】
工程Aは、例えば図5に示す通り、資産評価したい群を選択する。例えば、後述する通り、所定区画内の所定区分を金融商品化したい場合は、金融商品化したい所定区分や立木の種類、あるいは区分と種類の両方を選択する。
【0147】
例えば、図5(a)に示す通り、区分と種類の両方を選択した場合、検索抽出部R(図1参照)は、図5(b)に示す通り所定区域内の地図がブロック化されて表示され、資産評価したい1または複数のブロックを選択し、そして選択内容を確定する。次いで、図5(c)に示す通り、資産評価したい1または複数の立木の種類を選択し、そして選択内容を確定する。
【0148】
すると、本発明の立木の管理装置Dにおける選択抽出部Rは、図4に示す通り選択した内容を抽出し、本発明の立木の管理装置Dは、工程(B)に移行し、計算部Cにより抽出した各立木の価値を計算する。
【0149】
すなわち、工程(B)に移行すると抽出した全ての立木について図1に示す第2の情報管理部T2の情報を参酌して立木の価値を計算し、そして全ての立木の価値の総和を求める。
【0150】
次いで、本発明の立木の管理装置Dは、工程Cに移行して、前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する。この際に本発明の立木の管理装置Dは、第3の情報管理装置T3により所定期間、例えば10年間の施業に要する費用と、製材に要する費用を各立木につき計算し、そして各立木の計算値の総和としてトータルコストを計算する。
【0151】
そして、本発明の立木の管理装置Dは、工程Dにおいて、工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する。
【0152】
このようにして、本発明の立木の管理装置Dは、所望の区間(ブロック)や所定区間における立木の種類の資産評価を行うことが可能である。
【0153】
しかも、図2に示す通り、本発明の立木の管理装置Dは、枝番管理により資産に関する情報が変化するのと同時に再計算可能であるので、情報の変化に追随して資産計算を正確に行うことが可能である。
【0154】
さらに、本発明の立木の管理装置Dは、施業情報を管理しており、例えば森林計画に基づいた施業を実施することを考慮に入れている。そのため、森林の保全・育成や林業従事者の雇用問題にも対応可能である。
【0155】
次に、図6から図13に基づいて本発明の第2から第5実施形態に係る本発明の立木の管理装置を説明する。
【0156】
図6は、本発明の第2実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面であり、図7は本発明の第3実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面であり、図8は本発明の第4施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面であり、図9は本発明の第3実施形態と第4実施形態を組み合わせた立木管理装置の概略を示す図面であり、図10は本発明の第5実施形態にかかる立木管理装置の概略を示す図面であり、図11は、本発明における金融取引の一例を示す図面であり、図12は図10における立木管理装置を用いて立木の金融商品化を実行するフローを示すフローチャートであり、そして図13は本発明の第2実施形態と第5実施形態を組み合わせた立木管理装置の概略を示す図面である。
【0157】
なお、図1から図5に示した第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を附し、その詳細な説明は省略する。
【0158】
図6に示す第2実施形態は、図1から図5に示す第1実施形態において、通信手段COMを介して通信回線(ネットワーク回線)を介して木材市場の端末X1と接続されている点以外第1実施形態と同様な構成を有している。
【0159】
木材市場の端末X1は、絶えず新しい木材の取引要件情報を有している。そのため、本実施形態では、木材市場の端末X2より第4の情報管理部T4に格納された情報を更新する構成としている。そのため、第2実施形態に係る立木の管理装置は、第1実施形態に係る立木の管理システムの有する効果に加えてより正確な立木の資産価値情報を得ることが可能となる。
【0160】
図7に示す第3実施形態は、図1から図5に示す第1実施形態において、通信手段COMを介して通信回線(ネットワーク回線)を介して施業者側の端末X2と接続されている点および立木の管理装置Dが第3の情報管理部T3からの施業に関する情報に基づいて施業指示情報を生成する施業指示生成部P1を有している点以外第1実施形態と同様な構成を有している。
【0161】
第3の情報管理部T3からの施業に関する情報に基づいて施業指示情報を生成する施業指示は、例えば森林計画に基づいて所定区間の森林において施業を実施するための作業指示書形式のデータであることができる。
【0162】
このように、第3実施形態では、施業者側の端末X2に適切な指示を行うことができるので、森林計画に基づく施業管理を首尾よく実施することが可能となる。
【0163】
図8に示す第4実施形態は、図1から図5に示す第1実施形態において、通信手段COMを介して通信回線(ネットワーク回線)を介して加工業者の端末X3と接続されている点および立木の管理装置Dが第3の情報管理部T3からの木材加工に関する情報に基づいて加工指示情報を生成する施業指示生成部P2を有している点以外第1実施形態と同様な構成を有している。
【0164】
本第4実施形態の立木の管理装置では、第3実施形態の立木の管理装置と同様に加工業者側の端末X2に適切な指示を行うことができるので、森林の伐採加工管理を首尾よく実施することが可能となる。
【0165】
図9に示す実施形態は、図7に示す第3実施形態の立木の管理装置と図8に示す第4実施形態の立木の管理装置とを組み合わせた実施形態である。
【0166】
このように施業者側の端末X2と木材加工業者の端末X3の両方の端末と接続し、各々施業指示と加工指示を行うことにより森林の施業から加工までを一連で管理することが可能となる。
【0167】
図10に示す第2実施形態は、図1から図5に示す第1実施形態において、通信手段COMを介して通信回線(ネットワーク回線)を介して金融取引機関の端末X3と接続されている点および立木の管理装置Dが金融商品券生成手段P3を有している点以外第1実施形態と同様な構成を有している。
【0168】
なお本発明でいう金融商品券とは、本発明の立木管理装置Dで所定区画の森林の管理運営から立木を丸太あるいは加工木材として販売するまでの一連の森林管理・運営を管理しなおかつ所定期間後に得る資産価値をリアルタイムで算定することにより創出される金融商品の全てを意味し、例えば図11に示す通り、森林保有者からの管理委託及び運用委託された所定区画を所定年数で製品(丸太あるいは加工木材)として先物取引する場合の証券や森林保有者である株式会社から森林の管理運営から商品の販売までの事業における株式購入による資金調達あるいは記念樹など小口の先物取引などの証券を発行する行為を意味する。
【0169】
このような金融商品化を実施するに当たって、本発明では、図12に示す工程により商品化を実施する。
【0170】
すなわち、本発明において、まず、(A)前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、(B)前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、(C)前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、(D)工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、(E)算出した立木の製造原価に基づいて前記抽出した立木群を金融商品化する工程と、(F)前記抽出した立木群を別の管理情報群として保存する工程により立木の金融商品化の実施を行う。
【0171】
より具体的にはまず、金融化する立木の設定を行う。この際に、所定区間全ての立木について一括して金融商品化することも可能であるが、本発明の好ましい実施形態においては、所定区間の森林のうち所定ブロック単位あるいは所定の種類の立木などのパラメータを用いて金融化対象となる立木の絞り込みを行う。
【0172】
例えば、図5(a)に示す通り区分と種類の両方を選択した場合、検索抽出部R(図1参照)は、図5(b)に示す通り所定区域内の地図がブロック化されて表示され、資産評価したい1または複数のブロックを選択し、そして選択内容を確定する。次いで、図5(c)に示す通り、資産評価したい1または複数の立木の種類を選択し、そして選択内容を確定する。
【0173】
すると、本発明の立木の管理装置Dにおける選択抽出部Rは、図4に示す通り選択した内容を抽出し、本発明の立木の管理装置Dは、工程(B)に移行し、計算部Cにより抽出した各立木の価値を計算する。
【0174】
すなわち、工程(B)に移行すると抽出した全ての立木について図10に示す第2の情報管理部T2の情報を参酌して立木の価値を計算し、そして全ての立木の価値の総和を求める。
【0175】
次いで、本発明の立木の管理装置Dは、工程Cに移行して、前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する。この際に本発明の立木の管理装置Dは、第3の情報管理装置T3により所定期間、例えば10年間の施業に要する費用と、製材に要する費用を各立木につき計算し、そして各立木の計算値の総和としてトータルコストを計算する。
【0176】
そして、本発明の立木の管理装置Dは、工程Dにおいて、工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する。
【0177】
このようにして、本発明の立木の管理装置Dは、所望の区間(ブロック)や所定区間における立木の種類の資産評価を行うことが可能である。
【0178】
次いで、工程Eで本発明の立木管理装置Dは、設定した群の立木の資産評価に基づいて所望の金融商品化を行う。
【0179】
このようにして金融商品化を実施した後、工程Fで本発明の立木管理装置Dは、元の管理とは別の群として設定した群の立木を管理する必要がある。そのため、本発明の特定の実施形態において、金融商品化した立木の群のオーナー情報(図2参照)を変更して新たな管理グループを作成する。
【0180】
このように構成することにより、本発明の立木管理装置Dは、森林の管理・保全から製材化まで一連の流れを管理しつつリアルタイムで立木の資産評価を行うことが可能となる。また、金融商品化することにより資金調達が可能となり、確実に施業を実行する費用を捻出することが可能となる。
【0181】
このように金融商品化する際に、資産価値をできるだけ正確に把握するために図13に示す通り本第5実施形態と図6に示す第2実施形態と組み合わせた構成にすることが好ましい。
【0182】
すなわち、材木市場の端末X1より製材した商品情報、価格情報等の最新の情報を素早く把握することにより商品化した立木の資産価値がリアルタイムで把握できるようになる。
【0183】
以上、本発明の実施の形態を説明したが本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0184】
例えば、図14に示す通り、本発明の立木の管理装置か等構成される立木の管理サーバS1をネットワーク回線で木材の保有者の端末X0、木材市場の端末X1、施業者側の端末X2、金融機関の端末と接続する木材の管理システムも本発明の範囲内である。同様に、図4および図12で示すフローチャートから構成された本発明の立木管理システムを動作させるプログラムや当該プログラムを格納したコンピュータ可読媒体も本発明の範囲内である。
【0185】
図14に示す本発明の立木の管理システムは、森林保有者の端末X0と木材管理サーバS1との間で、森林保有者の立木維持管理情報を提供し、木材市場の端末X1と木材の管理サーバS1との間で、木材の価格情報や出荷情報のやりとりを行い、施業者側の端末X2と木材管理サーバS1との間で、立木の施業指示を行うことにより立木の維持管理を行うとともに、立木を金融商品化した立木金融商品券を金融取引機関の端末X3に送信するとともに、当該親友商品券の資産価値情報を金融取引機関の端末X3に提供する構成となっている。
【0186】
なお、金融取引機関の端末X3は、例えば引用文献4および引用文献5に記載した通りの周知の金融取引システムS2とネットワーク回線を介して接続されている。
【0187】
また、例えば、図15Aに示すように、例えば立木の保有者が家具メーカ、住宅販売メーカなどであり、ユーザが立木の保有者から立木を所定年月後に最終加工製品として例えば家具や住宅建築材料として立木の加工製品を購入する場合を想定した実施形態が考えられる。
【0188】
この場合、図15Bに示す通り、本発明の立木の管理システムは図14に示す実施形態に加えて最終製品加工業者の端末X2と接続された構成を有している。
【0189】
このように構成すると、例えば、ユーザ側が子供の誕生、結婚式用の家具として所定の識別番号の立木を購入し、結婚時等の所定期間時に立木の最終加工品として立木を維持管理することとなる。そのため、新たな消費を拡大するとともに、施業を通じた森林の維持管理費用を捻出可能となる。
【0190】
また、ユーザにとっても森林の維持・管理に貢献ができるとともに、直接立木を購入するので、市場を介して購入するよりも安価で品質保証された商品を購入可能となる。
【0191】
さらに、ユーザと木材製品販売業者との契約は、一つの証券であるので、ユーザはユーユーザの都合により任意に転売することも可能である。
【0192】
また、木材製品販売業者は、最終製品となる所望の種類の立木を予め確保することができるので、原木を確保する労力が軽減される。
【0193】
以上、説明した通り、本発明の立木の管理システムは、新たな産業を創出することにも貢献可能である。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の第1実施形態に係る立木の管理装置は、所望の区間(ブロック)や所定区間における立木の種類の資産評価を行うことが可能である。しかも、本発明の立木の管理装置は、枝番管理により資産に関する情報が変化するのと同時に再計算可能であるので、情報の変化に追随して資産計算を正確に行うことが可能である。さらに、本発明の立木の管理装置は、施業情報を管理しており、例えば森林計画に基づいた施業を実施することを考慮に入れている。そのため、森林の保全・育成や林業従事者の雇用問題にも対応可能である。
【0195】
また本発明の立木の管理装置を通信回線を介して木材市場の端末と接続する構成とする第2実施形態に係る立木の管理装置は、木材市場の端末の有する絶えず新しい木材の取引要件情報に基づいて第4の情報管理部T4に格納された情報を更新することが可能となる。そのため、第2実施形態に係る立木の管理装置は、第1実施形態に係る立木の管理システムの有する効果に加えてより正確な立木の資産価値情報を得ることが可能となる。
【0196】
第3実施形態に係る立木の管理装置では、施業者側の端末に適切な指示を行うことができるので、森林計画に基づく施業管理を首尾よく実施することが可能となる。
【0197】
施業者側の端末および/または木材加工業者の端末両方の端末と接続し、各々施業指示と加工指示を行うことにより本発明の立木の管理装置は、第1実施形態の効果に加えて森林の施業から加工までを一連で管理することが可能となる。
【0198】
本発明の立木管理装置は、金融商品化することにより森林の管理・保全から製材化まで一連の流れを管理しつつリアルタイムで立木の資産評価を行うことが可能となる。また、金融商品化することにより資金調達が可能となり、確実に施業を実行する費用を捻出することが可能となる。
【0199】
本発明の立木管理システムは、上記の効果に加えて新たな産業を創出する機会と末端ユーザに対する所望の種類の木材の確保を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0200】
D 立木の管理装置
T 情報管理部
T1 第1の情報管理部
T2 第2の情報管理部
T3 第3の情報管理部
T4 第4の情報管理部
R 検索抽出部
C 計算部
COM 通信手段
X0 立木保有者の端末
X1 木材市場の端末
X2 施業者側の端末
X3 金融取引機関の端末
X4 最終加工業者の端末
P1 施業指示生成部
P2 加工指示生成部
P3 金融商品券生成部
S1 立木の管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理装置。
【請求項2】
前記第2の情報管理部は、前記各第2の情報が更新された際に枝番として、各第2の情報を更新し、
前記第3の情報管理部は、前記各第3の情報が更新された際に枝番として、各第3の情報を更新し、
前記第2の情報または第3の情報が更新された際に前記計算部は、前記各立木の資産価値を再計算することを特徴とする請求項1に記載の立木の管理装置。
【請求項3】
前記立木の管理装置は、さらに前記第2から第4の情報に分類されない情報を管理する第5の情報管理部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立木の管理装置。
【請求項4】
前記電子計算機は、回線を介して他の電子計算機と接続可能な通信手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【請求項5】
前記第4の情報を回線を介して他の電子計算機より入手することを特徴とする請求項4に記載の立木の管理装置。
【請求項6】
さらに、前記立木の管理装置は、前記第3の情報管理部からの施業に関する情報に基づいて施業指示情報を生成する施業指示生成部を有し、
前記第2の情報部および第3の情報部は、前記施業指示生成部で生成された施業情報に基づいて前記第2の情報および第3の情報を更新することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【請求項7】
前記立木の管理装置は、さらに前記第3の情報管理部からの木材加工に関する情報に基づいて木材加工指示情報を生成する木材加工指示生成部を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【請求項8】
前記立木の管理装置は、さらに計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部を有していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の立木の管理装置。
【請求項9】
前記所定単位が区画単位であることを特徴とする請求項8記載の立木の管理装置。
【請求項10】
前記所定単位が所定区画または前記所定区画を分割した区画単位における立木の種類であることを特徴とする請求項8に記載の立木管理装置。
【請求項11】
前記計算部は、前記金融商品化した所定単位の立木の資産を、前記第1から第4の情報を更新した際に再計算して金融商品券の価値情報を生成することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の立木管理装置。
【請求項12】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
通信回線を介して端末と接続可能な通信部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理サーバと、
通信回線を介して立木の商品情報を格納した商品情報端末と、
から構成された立木の管理システムであって、
前記第3の情報部は、前記商品情報端末からの商品情報を格納し、
前記計算部は、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算することを特徴とする立木の管理システム。
【請求項13】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、
前記電子計算機の記憶装置に格納された
所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、
各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、
各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、
を含み、
各立木の材積に基づく商品情報である第4の情報を管理する第4の情報管理部と、
前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、
前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、
通信回線を介して端末と接続可能な通信部と、
から構成され、
前記第2〜第4の情報管理部に格納された情報に変化があった際に当該変化した情報を更新するとともに、前記第1から第4の情報に基づいて前記識別番号で識別された各立木を所定期間育成・管理した後に商品として出荷した場合の資産価値を評価することを特徴とする立木の管理サーバと、
前記立木管理サーバと通信回線を介して可能な施業者側の端末と
から構成され、
前記施業指示生成部で生成された施業指示情報を前記通信部を介して前記施業者側の端末に送信することを特徴とする立木の管理システム。
【請求項14】
前記第2および第3の情報部は、前記施業者側の端末から前記施業指示生成部で生成された施業指示情報に基づいた施業を実施した後、施業完了情報を受け取ると前記第2および第3の情報を前記施業完了情報に基づいて更新することを特徴とする請求項13に記載の立木の管理システム。
【請求項15】
前記立木の管理システムは、さらに前記第3の情報管理部からの木材加工に関する情報に基づいて木材加工指示情報を生成する木材加工指示生成部を有しており、
前記立木の管理システムは、さらに木材加工者側の端末と通信回線を介して接続されており、
前記立木の管理システムは、生成した木材加工指示情報を前記木材加工者側の端末に通信回線を介して送信することを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の立木の管理システム。
【請求項16】
前記立木管理サーバは、さらにさらに計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部を有しており、
前記管理サーバは、さらに金融商品取引機関の端末と通信回線を介して接続されていることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の立木の管理システム。
【請求項17】
前記所定単位が区画単位であることを特徴とする請求項16記載の立木の管理システム。
【請求項18】
前記所定単位が所定区画または前記所定区画を分割した区画単位における立木の種類であることを特徴とする請求項17に記載の立木管理システム。
【請求項19】
請求項16から請求項18のいずれか1項に記載の立木管理システムと、
金融商品取引機関の端末と、
顧客端末と、から構成された立木の金融商品取引システム。
【請求項20】
前記生成される債券が先物取引債券であることを特徴とする請求項19に記載の金融商品取引システム。
【請求項21】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、から構成される立木の管理装置における立木資産算出方法であって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、を含むことを特徴とする立木資産算出方法。
【請求項22】
前記工程Aは、区分により資産評価する集団を抽出する工程、立木の種類により資産評価する集団を抽出する工程または両者により資産評価する集団を抽出する工程を含むことを特徴とする請求項21に記載の立木資産算出方法。
【請求項23】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、から構成される立木の管理装置における立木資産算出プログラムであって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項24】
前記工程Aは、区分により資産評価する集団を抽出する工程、立木の種類により資産評価する集団を抽出する工程または両者により資産評価する集団を抽出する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載のプログラム、
【請求項25】
請求項22または請求項24に記載のプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、前記計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部とから構成される立木の管理装置を用いて立木を金融商品化する立木の金融商品化方法であって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、
(E) 算出した立木の製造原価に基づいて前記抽出した立木群を金融商品化する工程と、
(F) 前記抽出した立木群を別の管理情報群として保存する工程と、
を含むことを特徴とする立木の金融商品化方法。
【請求項27】
前記金融商品が先物取引に関する金融商品であることを特徴とする請求項26に記載の立木の金融商品化方法。
【請求項28】
前記第2の情報管理部は、管理する立木の所有者であるオーナー情報を有しており、前記抽出した立木群を、前記オーナー情報を書き換えることにより別の管理情報群を生成し、生成した別の管理情報群を保存することを特徴とする請求項27に記載の立木の金融商品化方法。
【請求項29】
中央演算子、一次記憶装置、記憶装置、オペレーティングシステム、入力装置、出力装置を含む電子計算機と、前記電子計算機の記憶装置に格納された所定区間内の立木を識別番号単位で、立地場所、立木の種類を含む第1の情報を管理する第1の情報管理部と、各立木の材積情報、樹齢情報を含む第2の情報を管理する第2の情報管理部と、各立木の施業情報、製材・搬出情報を含む第3の情報を管理する第3の情報管理部と、を含み、
各立木の材積に基づく商品情報を管理する第4の情報管理部と、前記第1の情報から資産価値を計算するグループを検索・抽出するための検索・抽出部と、前記第1から第3の情報管理部からの情報に基づいて、立木の種類情報別に立木の材積情報に基づいて各立木の資産価値を計算する計算部と、前記計算部で計算した所定単位の立木の資産に基づいて金融商品券を生成する金融商品券生成部とから構成される立木の管理装置を用いた立木を金融商品化する立木の金融商品化プログラムであって、
(A) 前記第1の情報から資産評価する集団を抽出する工程と、
(B) 前記抽出した集団の各立木の材積情報から立木の価値を算出する工程と、
(C) 前記抽出した集団の各立木を製材するまでに要する費用を算出する工程と、
(D) 工程Bで算出した立木の価値から工程Cで算出した費用を差し引いて各立木の製造原価を算出する工程と、
(E) 算出した立木の製造原価に基づいて前記抽出した立木群を金融商品化する工程と、
(F) 前記抽出した立木群を別の管理情報群として保存する工程と、
を含むことを特徴とする立木の金融商品化プログラム。
【請求項30】
前記金融商品が先物取引に関する金融商品であることを特徴とする請求項28に記載のプログラム。
【請求項31】
前記第2の情報管理部は、管理する立木の所有者であるオーナー情報を有しており、前記抽出した立木群を、前記オーナー情報を書き換えることにより別の管理情報群を生成し、生成した別の管理情報群を保存することを特徴とする請求項29または請求項30に記載の立木の金融商品化プログラム。
【請求項32】
請求項29から請求項31のいずれか1項に記載のプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2011−238191(P2011−238191A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117774(P2010−117774)
【出願日】平成22年5月1日(2010.5.1)
【出願人】(510106278)株式会社通善商店 (3)