説明

端末及び接続先サーバの状態等表示システム、シンクライアント端末、接続先サーバ及びその方法

【課題】使用者の利便性の向上のために、接続先OSのデスクトップ画面上で直接、端末の状態等の各種状態を確認する。
【解決手段】端末が、接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を接続先サーバに返信し、接続先サーバが、返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、端末が、ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して端末情報が含まれている接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって接続先サーバから端末に宛てて接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシンクライアントシステムにおける端末及び接続先サーバの状態等の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のPC上で作業を行っている場合は、PCのデバイス等の状態を利用者は容易に確認することが出来る。しかし、シンクライアントシステムを利用した場合は、実際に作業を行っているのはシンクライアント端末上ではなく、ネットワークを介して接続したサーバのOS(以下、適宜「接続先OS」と呼ぶ。)上である。
【0003】
そのため、接続先OSが実際に動作しているデータセンター等のサーバの状態確認することが出来る。また、特許文献1に記載の技術等を用いることにより、設定ファイル等を参照することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−178794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような技術には以下のような問題があった。
【0006】
それは、シンクライアントシステム使用者が、接続先のOS上で作業を行っている場合、接続先OSのデスクトップ画面をシンクライアント端末側のディスプレイ上で最大化して使用することが多いが、シンクライアント端末の状態を確認するには、一旦接続を切断するか、画面をシンクライアント端末側へ切り替えて確認する必要があり、接続先OS上での作業を一旦作業を中断する必要があるという問題である。
【0007】
他方、以下のような問題もある。
【0008】
クライアントからサーバへ接続するシンクライアントシステムにおいては、クライアント端末はユーザの手元に、接続先OSはデータセンター等のサーバ上に存在し、独立したものとなっている。このようなシステムにおいては、サーバ側は定期的または緊急メンテナンスが行われ、その期間はクライアントから接続先OSに接続出来ない状態となる場合がある。
【0009】
通常、このような場合E−Mail等で利用者に情報が通知されるが、利用者がE−Mailでの通知を確認する為にも接続先OS上のアプリケーションで確認する必要がある場合、利用者がサーバ側の状態(メンテナンス中かどうか)を確認出来ず、接続先OSへ接続を試みた際に接続出来ないという状態となるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、使用者の利便性の向上のために、接続先OSのデスクトップ画面上で直接、端末の状態等の各種状態を確認することが可能な、端末及び接続先サーバの状態等表示システム、シンクライアント端末、接続先サーバ及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点によれば、接続先サーバと、前記接続先サーバと接続された端末と、を有するシンクライアントシステムにおいて、前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、前記端末が、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、前記接続先サーバが、前記返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、前記端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステムが提供される。
【0012】
本発明の第2の観点によれば、端末と接続される接続先サーバにおいて、前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、前記端末より送信されてきた、前記端末の状態に関する情報である端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、前記端末に、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信することを特徴とする接続先サーバが提供される。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、接続先サーバと接続される端末において、前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先サーバが生成した前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を受信し、該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とする端末が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接続先サーバ及びシンクライアント端末が相互に状態情報を送信し、表示することから、使用者の利便性の向上のために、接続先OSのデスクトップ画面上で直接、端末の状態等の各種状態を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態における接続先サーバの基本的動作を表すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態におけるシンクライアント端末の基本的動作を表すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の第1の変形例を表す図である。
【図5】本発明の実施形態の第2の変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。
【0017】
本発明の実施形態はクライアントからサーバへ接続するシンクライアントシステムにおいて、シンクライアント端末からリモートデスクトップ機能にて接続した接続先OS上で、セッションの切断や画面をシンクライアント端末側へ切り替えることなく、シンクライアント端末のディスプレイに表示されている接続先OSのデスクトップ画面上から直接シンクライアント端末の状態(デバイス情報、バッテリーの状態等)を確認する方法を実現する。
【0018】
また、本実施形態では、シンクライアント端末側と接続先OS側に、それぞれ端末の状態情報をやりとりするプログラムを作成する。シンクライアント端末側のプログラムは、接続先OS側のプログラムからの要求に応じて端末の状態を取得し、接続先OS側のプログラムに端末の状態を送信する。接続先OS側のプログラムは、受信したデータを接続先OSのデスクトップ画面に表示することによって、シンクライアントシステム利用者が接続先OSのデスクトップ画面上で直接シンクライアント端末の状態を確認することが出来るようにする。
【0019】
以上が本願発明の実施形態の概略である。
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1を参照すると本実施形態のシンクライアントシステムは、シンクライアント端末100及び接続先サーバ200を有する。また、シンクライアント端末100及び接続先サーバ200はネットワーク300を介して相互に接続されている。なお、ネットワーク300はどのように実現してもよく、例えばインターネット等の公衆網や、会社内等に設けられたLANによって実現される。また、ネットワーク300は有線であってもよいがその一部又は全部が無線であってもよい。また、本実施形態では便宜上一台のシンクライアント端末100を図示しているが、1つの接続先サーバ200と複数台のシンクライアント端末100が通信を行うようにしてもよい。
【0022】
シンクライアント端末100は、ユーザが直接操作する端末であり、例えば汎用のPCに本実施形態特有のプログラムを組み込むことにより実現される。
【0023】
また、シンクライアント端末100は、リモートデスクトップ機能部110及びシンクライアント端末側プログラム130を有する。また、シンクライアント端末100の状態を表す端末の状態情報120を図示する。なお、端末の状態情報120にはどのような情報が含まれていてもよく、例えばデバイス情報やバッテリーの状態、通信電波強度等が含まれていてもよい。
【0024】
更に、シンクライアント端末100には表示装置140が接続されている。表示装置140はユーザに情報を提示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイにより実現される。
【0025】
シンクライアント端末側プログラム130は、要求受信部131、状態取得部132及び状態送信部133の各部を実現する。各部の具体的な動作内容については後述する。
【0026】
リモートデスクトップ機能部110は、シンクライアント端末側プログラム130により実現されてもよいが、シンクライアント端末100に予め組み込まれているOSの機能により実現してもよい。
【0027】
一方、接続先サーバ200は例えばデータセンターや会社等に設置されたサーバにより実現される。接続先サーバ200は、接続先OS側プログラム210及びターミナルサービス機能部230を有する。更に、接続先サーバ200が生成する接続先OSデスクトップ画面220を図示する。
【0028】
接続先OS側プログラム210は接続先サーバ200で常駐して動作するプログラムであり、状態要求部211、状態受信部212及び表示画面生成部213の各部を実現する。各部の具体的な動作内容については後述する。
【0029】
ターミナルサービス機能部230は、接続先OS側プログラム210により実現されてもよいが、接続先サーバ200シンクライアント端末100に予め組み込まれているOSの機能により実現してもよい。
【0030】
そして、本実施形態では、シンクライアント端末100からリモートデスクトップ機能部110を利用して、ターミナルサービス機能部230と連携することにより、接続先OSデスクトップ画面200をシンクライアント端末側の表示装置140に表示させることができる。
【0031】
接続先サーバ200上では接続先OS側プログラム210が動作しており、ネットワーク300を通してシンクライアント端末側プログラム130とデータの送受信を行う。
【0032】
接続先OS側プログラム210の状態要求部211からネットワーク300を通してシンクライアント端末側プログラム130の要求受信部131に対して、シンクライアント端末の状態取得要求が発行される。
【0033】
受信した状態取得要求は、シンクライアント端末側プログラム130の要求受信部131から状態取得部132へ渡される。
【0034】
状態取得部132は、要求に応じてシンクライアント端末の状態情報120を取得する。取得された端末の状態情報120は、状態送信部133へ渡される。
【0035】
状態送信部133は、取得した端末の状態情報120をネットワーク300を介して、接続先OS側プログラム210の状態受信部212に送信する。
【0036】
接続先OS側プログラム210の状態受信部212は、受信した端末の状態情報120を表示画面生成部213に渡す。表示画面生成部213は、取得した端末の状態情報120に基づいて表示画面を生成し、生成した表示画面を接続先OSのデスクトップ画面220上に表示する。接続先OSのデスクトップ画面220は、ターミナルサービス機能部230により、シンクライアント端末へ転送され、リモートデスクトップ機能部110によりシンクライアント端末の表示装置140に表示される。
【0037】
これにより、利用者は、接続先OSに接続し、接続先OSのデスクトップ画面を表示した状態のままで、シンクライアント端末100の状態を確認出来るようになる。
【0038】
続いて、図2のフローチャートにてシンクライアント端末側プログラム130の、図3のフローチャートにて接続先OS側プログラム210の処理の流れを説明する。
【0039】
まず、シンクライアント端末100からリモートデスクトップ機能部110にて接続先サーバ200への接続が確立されると、シンクライアント端末側プログラム130内で要求受信部131が動作を開始する(図2のステップS11)。これにより状態取得要求受信待ち状態となる(図2のステップS12)。
【0040】
接続先OS側プログラム210では、状態要求部211が開始する(図3のステップS21)。そして、状態要求部211は、状態取得要求をシンクライアント端末側プログラム130の要求受信部131へ送信する(図3のステップS22)。
【0041】
シンクライアント端末側プログラム130は、状態取得要求を受信する(図2のステップS13においてYes)と要求に基づき端末の状態情報120を取得する(図2のステップS14)。
【0042】
取得した状態情報は、状態送信部から接続先OS側プログラム210の状態受信部212へネットワーク300を通して送信される(図2のステップS15)。その後、接続中か否かを確認し(図2のステップS16)、接続中であれば(図2のステップS16においてYes)状態要求取得待ち状態へ戻る(図2のステップS11)。
【0043】
一方、シンクライアント端末側プログラム130から送信された端末の状態情報120は、接続先OS側プログラム210の状態受信部212で受信される(図3のステップS23、ステップS24においてYes)。
【0044】
受信した端末の状態情報120は表示画面生成部213に渡され、表示画面生成部32は接続先OSのデスクトップ画面220上に端末の状態情報を表示する(図3のステップS25)。
【0045】
その後、接続中か否かを確認し(図3のステップS26)、接続中であれば(図3のステップS26においてYes)状態取得要求処理へ戻る(図3のステップS21)。
【0046】
接続が終了すると(図2のステップS16及び図3のステップS26においてNo)、シンクライアント端末側プログラム130及び接続先OS側プログラム210が終了する。
【0047】
以上説明した本実施形態によって、シンクライアントシステム利用者が、リモートデスクトップ機能部により、接続先OSの画面を表示した状態のままで、一旦接続を切断したり、端末側へ画面を切り替えたりすることなくシンクライアント端末の状態を確認することを可能となるという効果を奏する。例えば、バッテリー駆動のノート側シンクライアント端末を使用している場合にシンクライアント端末のバッテリー残量を接続先OS上で確認することができ、シンクライアント使用時の利便性が向上する。
【0048】
また、本実施形態で表示される端末の状態情報120は、接続先サーバ200からの状態要求を受けてから採取される最新ものである。よって、過去の状態情報ではなく、最新の状態情報をリアルタイムに表示できるという有利な効果を奏する。
【0049】
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
【0050】
第1の変形例は、上述の実施形態と同様にシンクライアント端末100からリモートデスクトップ機能部110を使用することにより、ターミナルサービス機能部230によって接続先OSのデスクトップ画面220がシンクライアント端末100側の表示装置140に表示される。
【0051】
接続先サーバ200上では接続先OS側プログラム210が動作しており、ネットワーク300を通してシンクライアント端末側プログラム130とデータの送受信を行う点も上述の実施形態と同様である。そして、第1の変形例では、サーバ側プログラム240が更に追加され、このサーバ側プログラム240と接続先OS側プログラム210とでもデータの送受信を行う。図4は、第1の変形例の接続先サーバ200の構成を表す図である。なお、シンクライアント端末100の構成及びシンクライアント端末100との接続、は図1と同様であるので図4ではシンクライアント端末100の図示を省略する。
【0052】
図4を参照すると、第1の変形例の接続先サーバ200は、図1に示した各部に加え、サーバ側プログラム240を有する。また、サーバ側プログラム240は要求受信部241、状態取得部242及び状態送信部243の各部を実現する。各部の具体的な動作内容については後述する。また、サーバ200の状態を表すサーバの状態情報250を図示する。
【0053】
また、接続先OS側プログラム210の状態要求部211は、サーバ側プログラム240の要求受信部241に対しても、サーバの状態取得要求を発行する。受信した状態取得要求は、サーバ側プログラムの要求受信部241からサーバ側プログラムの状態取得部242へ渡される。
【0054】
状態取得部242は要求に応じてサーバの状態情報250を取得する。取得されたサーバの状態情報は、状態送信部243へ渡され、取得したサーバの状態情報250を、接続先OS側プログラム210の状態受信部212に送信する。接続先OS側プログラム210の状態受信部212は、受信したサーバの状態情報250を表示画面生成部213に渡す。表示画面生成部213は、取得したサーバの状態情報250を接続先OSデスクトップ画面220に表示する。
【0055】
接続先OSデスクトップ画面220は、ターミナルサービス機能部230により、シンクライアント端末100へ転送されリモートデスクトップ機能部110により、シンクライアント端末100の表示装置140へ表示される。これにより、利用者は、シンクライアント端末100の状態と合わせて、接続先サーバ200の状態も確認出来るようになる。
【0056】
サーバ側プログラム240の処理と接続先OS側プログラム210の処理の流れは、図2及び3を参照して説明したシンクライアント端末側プログラム130と接続先OS側プログラム210との処理の流れと同様である。
【0057】
続いて、上述の実施形態を変形した第2の変形例について説明する。
【0058】
第2の変形例は、上述の実施形態と同様にシンクライアント端末100からリモートデスクトップ機能部110を使用することにより、ターミナルサービス機能部230によって接続先OSのデスクトップ画面220がシンクライアント端末100側の表示装置140に表示される。
【0059】
接続先サーバ200上では接続先OS側プログラム210が動作しており、ネットワーク300を通してシンクライアント端末側プログラム130とデータの送受信を行う点も上述の実施形態と同様である。そして、第2の変形例では、サーバ側プログラム240が更に追加され、このサーバ側プログラム240と接続先OS側プログラム210とでもデータの送受信を行う。加えて、第2の変形例では、メンテナンス情報データベース260が存在する。
【0060】
図5は、第2の変形例の接続先サーバ200の構成を表す図であり、メンテナンス情報データベース260が追加されていることが分かる。また、シンクライアント側プログラム130には、新たにメンテナンス情報管理部134が追加されている。なお、シンクライアント側プログラム130の他の部分及びシンクライアント端末100全体の構成は図示を省略する。
【0061】
本変形例では、利用者がサーバ側の状態(メンテナンス中かどうか)を確認出来ず、接続先OSへ接続を試みた際に接続出来ないという状態となる、という上述した問題を解消する。
【0062】
本実施形態では、この問題を解決する為に、接続先OSが存在するサーバ上に新たにサーバ側プログラム240を組み込み、サーバ側プログラム240にてメンテナンス情報を取得し保持する。
【0063】
まず、利用者がシンクライアント端末100を起動した際に、シンクライアント端末側プログラム130のメンテナンス情報管理部134は、ネットワーク300を通してサーバ側プログラム240の要求受信部241にメンテナンス情報の有無を確認する。メンテナンス情報が登録されていた場合は、サーバ側プログラム240の情報送信部243はそのメンテナンス情報をネットワーク300を通して、シンクライアント端末側プログラムのメンテナンス情報管理部134に送信する。メンテナンス情報を受信したシンクライアント側プログラムのメンテナンス情報管理部134は、その情報を保持し、表示装置140に表示する。
【0064】
また、利用者が接続先OSに接続して作業を行っている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた場合にシンクライアント側プログラム130は、保持しているメンテナンス情報を、表示装置140の最前面に表示する。
【0065】
これによって、利用者はリモートデスクトップ機能部110で接続先OSに接続する前に、サーバ側のメンテナンス情報をシンクライアント端末上ですぐに確認することが出来、利便性が向上する。
【0066】
更に、利用者が接続先OSに接続して作業を行っている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた場合に、接続先OSデスクトップ画面220にメンテナス情報を表示させるようにしてもよい。
【0067】
この場合、接続先OS側プログラム210の状態要求部211は、サーバ側プログラム240の要求受信部241にメンテナンス情報の取得要求を発行する。受信した状態取得要求は、サーバ側プログラムの要求受信部241からサーバ側プログラムの状態取得部242へ渡される。
【0068】
状態取得部242は要求に応じてメンテナンス情報を取得する。取得されたメンテナンス情報は、状態送信部243へ渡され、状態受信部212に送信する。接続先OS側プログラム210の状態受信部212は、受信したサーバの状態情報250を表示画面生成部213に渡す。表示画面生成部213は、取得したメンテナンス情報250を接続先OSデスクトップ画面220に表示する。
【0069】
接続先OSデスクトップ画面220は、ターミナルサービス機能部230により、シンクライアント端末100へ転送されリモートデスクトップ機能部110により、シンクライアント端末100の表示装置140へ表示される。
【0070】
なお、本発明の実施形態であるシンクライアント端末及び接続先サーバは、ハードウェアにより実現することもできるが、コンピュータをそのシンクライアント端末及び接続先サーバとして機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0071】
更に、上記実施形態では、プログラムが、シンクライアント端末及び接続先サーバに予め記憶されているものとして説明した。しかし、コンピュータを、シンクライアント端末及び接続先サーバの全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disk(Disc))BD(Blu-ray Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0072】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波にプログラムを重畳させて、コンピュータにダウンロード等してプログラムを実行してもよい。
【0073】
また、本発明の実施形態によるシンクライアント端末の状態取得と表示方法は、ハードウェアにより実現することもできるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0074】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0075】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0076】
(付記1) 接続先サーバと、前記接続先サーバと接続された端末と、を有するシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末が、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記接続先サーバが、前記返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、前記端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【0077】
(付記2) 付記1に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバが当該接続先サーバ自身の状態に関する情報である接続先サーバ情報を取得し、当該取得したサーバ情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記サーバ情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【0078】
(付記3) 付記1又は2に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記端末は、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先OSデスクトップ画面を表示させている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた際は、前記メンテナンス情報を表示装置の最前面に表示することを特徴とするシンクライアントシステム。
【0079】
(付記4) 付記3に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバは、前記端末に対して、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先OSデスクトップ画面を表示させている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた際は、前記メンテナンス情報を接続先OSデスクトップ画面最前面に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【0080】
(付記5) 付記1乃至4の何れか1に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の前記接続が確立している間は一定又は不定の間隔で前記端末情報を新たに取得し、当該取得した最新の前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【0081】
(付記6) 端末と接続される接続先サーバにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末より送信されてきた、前記端末の状態に関する情報である端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末に、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信することを特徴とする接続先サーバ。
【0082】
(付記7) 接続先サーバと接続される端末において、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先サーバが生成した前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を受信し、該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とする端末。
【0083】
(付記8) 接続先サーバと、前記接続先サーバと接続された端末と、を有するシステムが行うシンクライアント方法において、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末が、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記接続先サーバが、前記返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、前記端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアント方法。
【0084】
(付記9) 端末と接続される接続先サーバに組み込まれる接続先プログラムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末より送信されてきた、前記端末の状態に関する情報である端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末に、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信する接続先サーバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする接続先プログラム。
【0085】
(付記10) 接続先サーバと接続される端末に組み込まれる端末プログラムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先サーバが生成した前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を受信し、該メンテナンス情報を表示装置に表示させる端末としてコンピュータを機能させることを特徴とする端末プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本願発明は、クライアントからサーバへ接続するシンクライアントシステムに好適である。
【符号の説明】
【0087】
100 シンクライアント端末
110 リモートデスクトップ機能部
120 端末の状態情報
130 シンクライアント端末側プログラム
131 要求受信部
132 状態取得部
133 状態送信部
134 メンテナンス情報管理部
140 表示装置
200 接続先サーバ
210 接続先OS側プログラム
211 状態要求部
212 状態受信部
213 表示画面生成部
220 接続先OSデスクトップ画面
230 ターミナルサービス機能部
240 サーバ側プログラム
241 要求受信部
242 状態取得部
243 状態送信部
250 サーバの状態情報
260 メンテナンス情報データベース
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続先サーバと、前記接続先サーバと接続された端末と、を有するシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末が、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記接続先サーバが、前記返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、前記端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバが当該接続先サーバ自身の状態に関する情報である接続先サーバ情報を取得し、当該取得したサーバ情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記サーバ情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記端末は、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先OSデスクトップ画面を表示させている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた際は、前記メンテナンス情報を表示装置の最前面に表示することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記接続先サーバは、前記端末に対して、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先OSデスクトップ画面を表示させている間に、メンテナンスのタイミングが近づいてきた際は、前記メンテナンス情報を接続先OSデスクトップ画面最前面に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシンクライアントシステムにおいて、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の前記接続が確立している間は一定又は不定の間隔で前記端末情報を新たに取得し、当該取得した最新の前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項6】
端末と接続される接続先サーバにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末より送信されてきた、前記端末の状態に関する情報である端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末に、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信することを特徴とする接続先サーバ。
【請求項7】
接続先サーバと接続される端末において、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先サーバが生成した前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を受信し、該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とする端末。
【請求項8】
接続先サーバと、前記接続先サーバと接続された端末と、を有するシステムが行うシンクライアント方法において、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末が、前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記接続先サーバが、前記返信されてきた端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末が、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信し、前記端末は当該メンテナンス情報を表示装置に表示させることを特徴とするシンクライアント方法。
【請求項9】
端末と接続される接続先サーバに組み込まれる接続先プログラムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記端末より送信されてきた、前記端末の状態に関する情報である端末情報を用いて接続先OSデスクトップ画面を生成し、
前記端末に、前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を送信する接続先サーバとしてコンピュータを機能させることを特徴とする接続先プログラム。
【請求項10】
接続先サーバと接続される端末に組み込まれる端末プログラムにおいて、
前記接続先サーバが有するターミナルサービス機能と、前記端末が有するリモートデスクトップ機能間の接続を確立し、
前記接続先サーバの要求に応じて当該端末自身の状態に関する情報である端末情報を取得し、当該取得した端末情報を前記接続先サーバに返信し、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続を利用して前記接続先サーバが生成した前記端末情報が含まれている前記接続先OSデスクトップ画面を表示装置に表示させ、
前記ターミナルサービス機能及びリモートデスクトップ機能間の接続の確立に先だって前記接続先サーバから前記端末に宛てて前記接続先サーバのメンテナンス情報を受信し、該メンテナンス情報を表示装置に表示させる端末としてコンピュータを機能させることを特徴とする端末プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−226647(P2012−226647A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94969(P2011−94969)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)