説明

端末装置、薬服用支援方法、およびプログラム

【課題】従来、薬の服用を支援するシステムが存在しなかった。
【解決手段】薬用袋と端末装置とを具備する服用支援システムを構成する端末装置であって、薬用袋は、薬を識別する薬識別情報を格納し得る薬識別情報格納部と、薬識別情報を含む薬情報を端末装置に送信する薬情報送信部とを具備し、端末装置は、薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納し得る薬服用ルール格納部と、薬用袋から、1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部とを具備する服用支援システムを構成する端末装置により、薬の服用を支援できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不適切な薬の服用について注意喚起する服用支援システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、梱包物の受領者がその梱包物を開封したことを記録し、梱包物の提供者が開封証跡確認を可能とする開封証跡確認システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−178736号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の開封証跡確認システムを薬の梱包物等の薬用袋に利用した場合、薬の梱包物の開封が記録されるが、薬の服用を支援することはできなかった。
【0005】
そのため、例えば、薬の誤飲により、重大な副作用が生じたり、病気が快方に向かわなかったりした。また、特に、認知症患者など、自力で適切な薬の服用が困難な者にとって、適切に薬を服用することは容易ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第一の発明の端末装置は、薬用袋と端末装置とを具備する服用支援システムを構成する端末装置であって、薬用袋は、薬を識別する薬識別情報を格納し得る薬識別情報格納部と、薬識別情報を含む薬情報を端末装置に送信する薬情報送信部とを具備し、端末装置は、薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納し得る薬服用ルール格納部と、薬用袋から、1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部とを具備する服用支援システムを構成する端末装置である。
【0007】
かかる構成により、薬の服用を支援できる。
【0008】
また、本第二の発明の端末装置は、第一の発明に対して、薬服用ルールは、前回の服用時刻から所定時間が経過するまでに薬を服用することであり、薬情報と薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、薬情報を受信した時刻を取得し、時刻と薬情報とを有する薬服用情報を、薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、判断部は、薬服用情報格納部の最新の薬服用情報が有する時刻を取得し、現在時刻を取得し、薬服用情報が有する時刻と現在時刻とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、出力部は、判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していると判断した場合、不適切服用情報を出力する端末装置である。
【0009】
かかる構成により、薬の服用忘れを防止できる。
【0010】
また、本第三の発明の端末装置は、第一の発明に対して、薬服用ルールは、所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用しないことであり、薬情報と薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、薬情報を受信した時刻を取得し、時刻と薬情報とを有する薬服用情報を、薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、判断部は、薬服用情報格納部の1以上の各薬服用情報が有する時刻を取得し、1以上の各薬服用情報が有する時刻を薬服用ルールに適用し、所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用するか否かを判断し、出力部は、判断部が所定の時間内に所定量以上の薬を服用すると判断した場合、不適切服用情報を出力する端末装置である。
【0011】
かかる構成により、薬の過剰服用を防止できる。
【0012】
また、本第四の発明の端末装置は、第一の発明に対して、薬服用ルールは、前回の服用時刻から所定時間以上が経過した後に薬を服用することであり、薬情報と薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、薬情報を受信した時刻を取得し、時刻と薬情報とを有する薬服用情報を、薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、判断部は、薬服用情報格納部の直前の薬服用情報が有する時刻を取得し、かつ現在時刻を取得し、薬服用情報が有する時刻と現在時刻とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、出力部は、判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する端末装置である。
【0013】
かかる構成により、薬の適切な時間間隔での服用を支援できる。
【0014】
また、本第五の発明の端末装置は、第一の発明に対して、薬服用ルールは、薬の服用時刻または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用することであり、薬情報と薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、薬情報を受信した時刻を取得し、時刻と薬情報とを有する薬服用情報を、薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部と、薬の服用すべき時刻である薬服用時刻を格納し得る薬服用時刻格納部と、薬情報受信部が薬情報を受信した時刻を用いて、薬服用時刻を取得し、薬服用時刻を薬服用時刻格納部に蓄積する薬服用時刻蓄積部をさらに具備し、判断部は、薬服用時刻格納部の薬服用時刻を用いて、薬の服用時刻または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用しているか否かを判断し、出力部は、判断部が薬の服用時刻または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する端末装置である。
【0015】
かかる構成により、薬の適切な時刻での服用を支援できる。
【0016】
また、本第六の発明の端末装置は、第一の発明に対して、薬用袋は、薬を服用する者を識別する服用者識別子を取得する服用者識別子取得部をさらに具備し、薬情報送信部は、薬識別情報と服用者識別子とを含む薬情報を端末装置に送信し、薬服用ルールは、予め決められた者が薬を服用することであり、判断部は、薬を服用する者を識別する服用者識別子を格納し得る服用者識別子格納手段と、薬情報受信部が受信した薬情報が有する服用者識別子と、服用者識別子格納手段の服用者識別子とを比較し、一致するか否かを判断する判断手段とを具備し、出力部は、判断手段が一致しないと判断した場合、不適切服用情報を出力する端末装置である。
【0017】
かかる構成により、薬の誤飲が防止できる。
【0018】
また、本第七の発明の端末装置は、第一から第六いずれかの発明に対して、端末装置は、薬用袋または情報処理装置から1以上の薬服用ルールを受信する薬服用ルール受信部と、薬服用ルール受信部が受信した1以上の薬服用ルールを、薬服用ルール格納部に蓄積する薬服用ルール蓄積部とをさらに具備する端末装置である。
【0019】
かかる構成により、薬に対応した薬服用ルールを用いて、薬の服用を支援できる。
【0020】
また、本第八の発明の端末装置は、第一から第七いずれかの発明に対して、薬情報の転送先を示す1以上の転送先情報を格納し得る転送先情報格納部と、薬情報受信部が1以上の薬情報を受信した場合、1以上の転送先情報が示す転送先に、受信された1以上の薬情報を転送する薬情報転送部とをさらに具備する端末装置である。
【0021】
かかる構成により、薬の服用状況を、介護者や親族などの第三者に通知できる。
【0022】
また、本第九の発明の端末装置は、薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納し得る薬服用ルール格納部と、1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部とを具備する端末装置である。
【0023】
かかる構成により、薬の服用を支援できる。
【0024】
また、本第十の発明の端末装置は、第一から第九いずれかの発明に対して、薬情報送信部は、薬用袋を開封した際に、端末装置に、薬識別情報を含む薬情報を端末装置に送信する端末装置である。
【0025】
かかる構成により、薬の不適切な服用を未然に防止できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による服用支援システムによれば、薬の服用を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態1における服用支援システム1の概念図
【図2】同服用支援システム1の別の概念図
【図3】同服用支援システム1のブロック図
【図4】同薬用袋11の動作について説明するフローチャート
【図5】同端末装置12の動作について説明するフローチャート
【図6】同判断処理について説明するフローチャート
【図7】同転送先情報管理表を示す図
【図8】同コンピュータシステムの概観図
【図9】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、服用支援システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
【0029】
本実施の形態において、薬服用ルールに基づいて、不適切な薬の服用について注意喚起する服用支援システムについて説明する。また、本実施の形態において、端末装置に薬服用ルールや、適切な薬の服用か否かを判断するプログラム等をダウンロードできる服用支援システムについて説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態における服用支援システム1の概念図である。服用支援システム1は、薬用袋11、端末装置12を具備する。薬用袋11は、ここでは、例えば、特許文献1に記載されている開封タグを有する薬用袋11である。薬を服用する前に、薬が入った袋等の梱包物を開封した際に、開封タグは、当該開封タグに格納されている情報(後述する薬識別情報や薬情報など)を送信する。ただし、薬用袋11は、薬の梱包物(袋など)と、当該梱包物に記載された薬識別情報や薬情報など(バーコードなど)を読み取り、薬識別情報や薬情報など送信する機能を有する薬情報読取転送装置とを有していても良い。かかる場合の服用支援システム1の概念図は、図2である。
【0031】
端末装置12は、携帯端末、携帯電話、いわゆるパソコン等、情報を受信し、出力できる装置であれば何でも良い。
【0032】
図3は、本実施の形態における服用支援システム1のブロック図である。
薬用袋11は、薬識別情報格納部111、服用者識別子取得部112、および薬情報送信部113を具備する。
【0033】
端末装置12は、薬服用ルール格納部1201、薬服用情報格納部1202、薬服用時刻格納部1203、転送先情報格納部1204、薬情報受信部1205、薬服用情報蓄積部1206、薬服用時刻蓄積部1207、薬服用ルール受信部1208、薬服用ルール蓄積部1209、判断部1210、出力部1211、および薬情報転送部1212を具備する。
【0034】
判断部1210は、服用者識別子格納手段12101、および判断手段12102を具備する。
【0035】
薬識別情報格納部111は、薬を識別する薬識別情報を格納し得る。薬とは、錠剤、液体、粉等、薬の種類は問わない。また、薬には、サプリメントなども含む、と考えても良い。薬識別情報は、例えば、IDであるが、薬を特定する情報であれば何でも良い。薬識別情報は、薬の種類を特定する情報でも良い。
【0036】
服用者識別子取得部112は、薬を服用する者を識別する服用者識別子を取得する。服用者識別子は、指紋、ID、虹彩、音声等、薬を服用する者を識別する情報であれば何でも良い。
【0037】
薬情報送信部113は、薬識別情報を含む薬情報を端末装置12に送信する。薬情報は、服用者識別子を含んでも良い。薬情報は、薬情報の送信時刻を含んでも良い。また、薬情報は、薬服用のサイクルの情報(例えば、朝食後、昼食後、夕食後など)や、薬服用ルールや、薬の消費期限などを含んでも良い。薬情報送信部113が薬情報を送信するタイミングは、薬用袋11を開封した際が好適である。また、薬情報送信部113が薬情報を送信するタイミングは、薬用袋11を送信装置に近づけた際などでも良い。
【0038】
薬服用ルール格納部1201は、1以上の薬服用ルールを格納し得る。薬服用ルールは、薬の服用に関するルールである。薬服用ルールは、薬の服用タイミングに関するルール、薬の服用量に関するルール、薬間の関係に関するルール(同時に服用しては行けない2以上の薬)、服用者に関するルールなど多種あり得る。また、薬服用ルールは、適切な服用のルールでも良いし、不適切な服用のルールでも良い。薬服用ルールは、例えば、服用の時間帯、食後、食前などでも良い。なお、薬服用ルール格納部1201は、薬服用ルールに対応付けて、後述する不適切服用情報を格納していても良い。
【0039】
薬服用情報格納部1202は、薬服用情報を格納し得る。薬服用情報は、薬情報と薬情報を受信した時刻とを有する。なお、受信した時刻とは、薬情報が送信された時刻でも良い。時刻とは、年月日時分秒でも良いし、時分秒などでも良い。
【0040】
薬服用時刻格納部1203は、薬の服用すべき時刻である薬服用時刻を格納し得る。
【0041】
転送先情報格納部1204は、1以上の転送先情報を格納し得る。転送先情報は、薬情報の転送先を示す情報であり、例えば、メールアドレス、IPアドレス、FAX番号、電話番号、MACアドレスなどである。
【0042】
薬情報受信部1205は、薬用袋11から1以上の薬情報を受信する。薬情報受信部1205は、後述する、薬代の支払いや医療費の支払いの決裁のための情報を受信しても良い。かかる情報も薬情報と考えても良い。決裁のための情報は、例えば、薬代、医療費の情報を含む。決裁のための情報は、例えば、薬識別情報や薬の量、用法などの情報を含んでも良い。
【0043】
薬服用情報蓄積部1206は、薬情報受信部1205が薬情報を受信した場合に、時刻と薬情報とを有する薬服用情報を薬服用情報格納部1202に蓄積する。薬服用情報蓄積部1206は、薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と薬情報とを有する薬服用情報を構成する。そして、薬服用情報蓄積部1206は、構成した薬服用情報を薬服用情報格納部1202に蓄積する。なお、薬情報に送信時刻が含まれる場合、薬情報を受信した時刻とは当該送信時刻である、としても良い。また、薬服用情報蓄積部1206は、端末装置12内の時計、または外部の時計から、薬情報を受信した時刻を取得する。
【0044】
薬服用時刻蓄積部1207は、薬情報受信部1205が薬情報を受信した時刻を用いて、薬服用時刻を取得し、薬服用時刻を薬服用時刻格納部1203に蓄積する。薬情報を受信した時刻とは、最初に受信した時刻が好適であるが、直前に受信した時刻から算出(予測)された時刻でも良い。なお、薬服用時刻とは、通常、薬情報が受信された時刻である。
【0045】
薬服用ルール受信部1208は、薬用袋11または図示しない情報処理装置から1以上の薬服用ルールを受信する。なお、薬服用ルール受信部1208は、判断部1210を実現するプログラムも受信しても良い。なお、情報処理装置とは、例えば、バーコードリーダーなどである。
【0046】
薬服用ルール蓄積部1209は、薬服用ルール受信部1208が受信した1以上の薬服用ルールを、薬服用ルール格納部1201に蓄積する。
【0047】
判断部1210は、薬情報受信部1205が受信した1以上の薬情報に対して、1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する。
【0048】
薬服用ルールが前回の服用時刻から所定時間が経過するまでに薬を服用することである場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の最新の薬服用情報が有する時刻を取得し、かつ現在時刻を取得し、薬服用情報が有する時刻と現在時刻とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断しても良い。
【0049】
薬服用ルールが所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用しないことである場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202から、所定の時間内または一時に該当する時間の範囲の時刻の情報を有する1以上の薬服用情報を取得する。そして、判断部1210は、取得した1以上の薬服用情報から服用量を算出する。ここで、例えば、判断部1210は、特定の薬識別情報を有する薬服用情報のレコード数を服用量として算出する。そして、判断部1210は、算出した服用量が薬服用ルールが示す服用量を満たすか否かを判断しても良い。
【0050】
薬服用ルールが前回の服用時刻から所定時間以上が経過した後に薬を服用することである場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の直前の薬服用情報が有する時刻を取得し、かつ現在時刻を取得し、薬服用情報が有する時刻と現在時刻とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断しても良い。
【0051】
薬服用ルールが薬の服用時刻に、または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用することである場合、判断部1210は、薬服用時刻格納部1203の薬服用時刻を用いて、薬の服用時刻または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用しているか否かを判断しても良い。
【0052】
また、薬服用ルールが予め決められた者が薬を服用することである場合、判断部1210は、薬情報受信部1205が受信した薬情報が有する服用者識別子と、服用者識別子格納手段12101の服用者識別子とを比較し、一致するか否かを判断しても良い。
【0053】
ここで、1以上の薬情報とは、過去に受信した薬情報をも含むこともあることは言うまでもない。また、1以上の薬情報とは、一つの薬情報の場合もあるし、2以上の薬情報の場合もある。また、1以上の薬情報とは、送信時刻が異なる2以上の薬情報の場合もあるし、送信時刻が同一またはほぼ同一の2以上の薬情報の場合もある。また、上記の「直前の」とは、時間的に、現在より前であり、直前の薬服用情報のことである。
【0054】
服用者識別子格納手段12101は、薬を服用する者を識別する服用者識別子を格納し得る。服用者識別子格納手段12101は、2以上の服用者識別子を格納していても良い。2以上の服用者識別子とは、例えば、患者、患者の家族、担当のヘルパーなどを識別する情報である。
【0055】
判断手段12102は、受信された薬情報が有する服用者識別子と、服用者識別子格納手段12101の服用者識別子とを比較し、一致するか否かを判断する。なお、服用者識別子格納手段121011に2以上の服用者識別子が格納されている場合、判断手段12102は、受信された薬情報が有する服用者識別子と服用者識別子格納手段12101の各服用者識別子とを比較し、いずれかと一致するか否かを判断する。
【0056】
出力部1211は、判断部1210が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する。つまり、例えば、出力部1211は、判断部1210が前回の服用時刻から所定時間が経過していると判断した場合、不適切服用情報を出力する。また、例えば、出力部1211は、判断部1210が所定の時間内に所定量以上の薬を服用すると判断した場合、不適切服用情報を出力する。また、例えば、出力部1211は、判断部1210が前回の服用時刻から所定時間が経過していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する。また、例えば、出力部1211は、判断部1210が薬の服用時刻または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する。また、例えば、出力部1211は、判断手段12102が一致しないと判断した場合、不適切服用情報を出力する。さらに、例えば、出力部1211は、判断部1210が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する。出力部1211が出力する不適切服用情報は、薬服用ルール格納部1201において、薬服用ルールと対応付けて格納されていても良い。また、出力部1211は、後述するように、不適切服用情報を構成しても良い。
【0057】
ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示であるが、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である、とする。
【0058】
薬情報転送部1212は、薬情報受信部1205が1以上の薬情報を受信した場合、1以上の転送先情報が示す転送先に、受信された1以上の薬情報を転送する。
【0059】
薬識別情報格納部111、薬服用情報格納部1202、薬服用時刻格納部1203、転送先情報格納部1204、および服用者識別子格納手段12101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0060】
薬識別情報格納部111等に薬識別情報等が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して薬識別情報等が薬識別情報格納部111で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された薬識別情報等が薬識別情報格納部111で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された薬識別情報等が薬識別情報格納部111で記憶されるようになってもよい。
【0061】
服用者識別子取得部112は、例えば、指紋リーダー、指紋や虹彩などを読み取るスキャナ、IDの入力装置などにより実現され得る。服用者識別子取得部112は、服用者識別子を取得できる機能手段であれば何でも良い。
【0062】
薬情報送信部113、および薬情報転送部1212は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0063】
薬情報受信部1205、および薬服用ルール受信部1208は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0064】
薬服用情報蓄積部1206、薬服用時刻蓄積部1207、薬服用ルール蓄積部1209、判断部1210、および判断手段12102は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。薬服用情報蓄積部1206の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0065】
出力部1211は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部1211は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0066】
次に、服用支援システム1の動作について説明する。まず、薬用袋11の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
(ステップS401)薬情報送信部113は、薬用袋11(薬のパッケージや袋などある)の開封を検知したか否かを判断する。開封を検知すればステップS402に行き、開封を検知しなければステップS401に戻る。
【0068】
(ステップS402)薬情報送信部113は、薬識別情報格納部111から、薬識別情報を読み出す。
【0069】
(ステップS403)服用者識別子取得部112は、服用者識別子を取得する。
【0070】
(ステップS404)薬情報送信部113は、ステップS402で読み出した薬識別情報、ステップS403で取得された服用者識別子等の情報を用いて、薬情報を構成する。
【0071】
(ステップS405)薬情報送信部113は、ステップS404で構成した薬情報を、端末装置12に送信する。
【0072】
なお、図4のフローチャートにおいて、送信する薬情報の中に、服用者識別子を含まなくても良い。
【0073】
次に、端末装置12の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
(ステップS501)薬情報受信部1205は、薬用袋11から1以上の薬情報を受信したか否かを判断する。薬情報を受信すればステップS502に行き、薬情報を受信しなければステップS511に行く。
【0075】
(ステップS502)薬服用情報蓄積部1206は、図示しない時計等から、現在時刻を取得する。
【0076】
(ステップS503)薬服用情報蓄積部1206は、ステップS501で受信された薬情報、およびステップS502で取得した現在時刻から、薬服用情報を構成する。そして、薬服用情報蓄積部1206は、構成した薬服用情報を薬服用情報格納部1202に蓄積する。
【0077】
(ステップS504)薬服用時刻蓄積部1207は、ステップS502で取得された現在時刻を用いて、薬服用時刻を取得する。ここでは、例えば、薬服用時刻は、ステップS502で取得された現在時刻である。そして、薬服用時刻蓄積部1207は、取得した薬服用時刻を薬服用時刻格納部1203に蓄積する。
【0078】
(ステップS505)薬情報転送部1212は、転送先情報格納部1204に格納されている1以上の転送先情報が示す転送先に、ステップS501で受信された1以上の薬情報を転送する。なお、薬情報転送部1212は、1以上の転送先情報が示す転送先に、ステップS503で構成された薬服用情報を転送しても良い。
【0079】
(ステップS506)判断部1210は、カウンタiに1を代入する。
【0080】
(ステップS507)判断部1210は、i番目の薬服用ルールが、薬服用ルール格納部1201に存在するか否かを判断する。i番目の薬服用ルールが存在すればステップS508に行き、存在しなければステップS501に戻る。
【0081】
(ステップS508)判断部1210は、i番目の薬服用ルールについて、合致するか否か(不適切な服用か否か)を判断する。かかる処理を判断処理という。判断処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
(ステップS509)判断部1210は、ステップS508における判断処理の結果が、不適切な服用であればステップS510に行き、不適切な服用でなければステップS511に行く。
【0083】
(ステップS510)出力部1211は、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する。
【0084】
(ステップS511)判断部1210は、カウンタiを1、インクリメントする。
【0085】
(ステップS512)薬服用ルール受信部1208は、薬服用ルールを受信したか否かを判断する。薬服用ルールを受信すればステップS513に行き、受信しなければステップS506に行く。
【0086】
(ステップS513)薬服用ルール蓄積部1209は、ステップS512で受信された薬服用ルールを薬服用ルール格納部1201に蓄積する。
【0087】
なお、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0088】
ステップS508の判断処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0089】
(ステップS601)判断部1210は、着目している薬服用ルールが、服用タイミングに関するルールであるか否かを判断する。服用タイミングに関するルールであればステップS602に行き、服用タイミングに関するルールでなければステップS605に行く。
【0090】
(ステップS602)判断部1210は、着目している薬服用ルールに従って、1または2以上の薬服用情報が有する1または2以上の時刻を、薬服用情報格納部1202から取得する。なお、ここでの1以上の薬服用情報には、通常、最新の薬服用情報が含まれる。また、判断部1210は、現在時刻を取得しても良い。
【0091】
(ステップS603)判断部1210は、ステップS602で取得した1または2以上の時刻を用いて、ルールに合致するか否かを判断する。
【0092】
(ステップS604)判断部1210は、判断結果を、予め決められたバッファに書き込む。上位処理にリターンする。
【0093】
(ステップS605)判断部1210は、着目している薬服用ルールが、服用量に関するルールであるか否かを判断する。服用量に関するルールであればステップS606に行き、服用量に関するルールでなければステップS609に行く。
【0094】
(ステップS606)判断部1210は、着目している薬服用ルールに対応する所定期間の薬服用情報を、薬服用情報格納部1202から読み出す。
【0095】
(ステップS607)判断部1210は、ステップS606で読み出した薬服用情報から、薬の服用量を算出する。なお、薬の服用量は、例えば、ステップS606で読み出した薬服用情報のレコード数である。また、薬の服用量は、例えば、ステップS606で読み出した薬服用情報が有する「薬の量」を加算した情報である。
【0096】
(ステップS608)判断部1210は、ステップS607で算出した服用量が、ルールに合致するか否かを判断する。ステップS604に行く。
【0097】
(ステップS609)判断部1210は、着目している薬服用ルールが、服用者に関するルールであるか否かを判断する。服用者に関するルールであればステップS610に行き、服用者に関するルールでなければステップS613に行く。
【0098】
(ステップS610)判断部1210は、受信された薬情報が有する服用者識別子を取得する。
【0099】
(ステップS611)判断部1210は、服用者識別子格納手段12101の服用者識別子を読み出す。
【0100】
(ステップS612)判断部1210は、ステップS610,およびステップS61で取得した服用者識別子が、一致するか否かを判断する。一致する場合の判断結果は適切な服用であり、一致しない場合の判断結果は不適切な服用である。ステップS604に行く。
【0101】
(ステップS613)判断部1210は、着目している薬服用ルールが、薬間の関係に関するルールであるか否かを判断する。薬間の関係に関するルールであればステップS614に行き、薬間の関係に関するルールでなければステップS616に行く。
【0102】
(ステップS614)判断部1210は、着目している薬服用ルールに対応する所定期間(例えば、「現在時刻から3分以内」)の薬服用情報を、薬服用情報格納部1202から読み出す。
【0103】
(ステップS615)判断部1210は、ステップS614で読み出した薬服用情報が、着目している薬服用ルールに合致するか否かを判断する。ステップS604に行く。
【0104】
(ステップS616)判断部1210は、薬服用情報格納部1202の薬服用情報が、着目している薬服用ルールに合致するか否かを判断する。ステップS604に行く。
【0105】
以下、本実施の形態における服用支援システム1の具体的な動作について説明する。服用支援システム1の概念図は図1である。今、薬用袋11には、開封タグ(マイクロチップでも良い)が付与されている。そして、薬用袋11の開封タグは、薬識別情報格納部111、服用者識別子取得部112、および薬情報送信部113を有する。そして、薬用袋11の薬を一つ取り出すごとに、薬情報送信部113は、開封を判断し、上述したように薬情報を構成し、当該薬情報を端末装置12に送信するものとする。なお、薬識別情報格納部111は、薬識別情報「M1」を格納している、とする。
【0106】
また、服用者識別子取得部112には、患者の指紋情報が格納されており、薬情報送信部113が薬情報を送信する際に、服用者識別子取得部112は、当該患者の指紋情報を取得する。そして、薬情報送信部113は、薬情報を送信するものとする。また、端末装置12は、ここでは、電子決済の機能(電子決済部が実現する機能)を有する、とする。
【0107】
また、端末装置12の転送先情報格納部1204には、図7に示す転送先情報管理表が格納されている、とする。転送先情報管理表は、「ID」「転送先識別子」「メールアドレス」を有するレコードを格納している。ここで、「メールアドレス」で識別される送信先に、薬情報が送信される、とする。
【0108】
さらに、服用者識別子格納手段12101には、端末装置12のユーザ(患者)の指紋情報が格納されている、とする。
【0109】
そして、今、患者が医師の診察を受けて、薬を処方される、とする。その際、医師は、マイクロチップを患者の体の一部に貼り付けた、とする。このマイクロチップは、患者の端末装置12と通信し、端末装置12の機能(上記で説明した判断部1210の判断機能等)を実現するためのソフトウェアが、端末装置12にダウンロードされるものとする。そして、医師は、患者に指導箋を患者に手渡した、とする。
【0110】
そして、マイクロチップには、1以上の薬服用ルールが格納されており、かかる薬服用ルールもマイクロチップから、端末装置12に送信されるものとする。そして、端末装置12の薬服用ルール受信部1208は、薬服用ルールを受信する。次に、薬服用ルール蓄積部1209は、受信された薬服用ルールを薬服用ルール格納部1201に蓄積する。
【0111】
次に、患者が、薬代、医療費を支払うために、端末装置12の図示しない電子決済部が、電子決済を行った、とする。そして、患者の支払いが完了した、とする。
【0112】
次に、薬情報受信部1205が薬情報(ここでは、電子決済の情報)を受信する。そして、薬服用時刻蓄積部1207は、現在時刻を取得する。そして、現在時刻が10時以前の場合は、薬服用時刻蓄積部1207は、初回の薬の服用時刻「13時まで(13時でも良い)」を構成し、薬服用情報格納部1202に「初回薬服用時刻:13時まで」を蓄積する。また、現在時刻が10時以降の場合は、薬服用時刻蓄積部1207は、初回の薬の服用時刻「18時まで(18時でも良い)」を構成し、薬服用情報格納部1202に「初回薬服用時刻:18時まで」を蓄積する。
【0113】
なお、後に詳細に説明するが、薬服用ルール格納部1201は、「設定されている時刻の情報に対応して薬を服用する」という薬服用ルールが格納されている、とする。例えば、初回薬服用時刻「13時まで」が薬服用情報格納部1202に格納されている場合、判断部1210は、現在時刻を取得し、現在時刻が薬服用ルール「設定されている時刻(13時まで)の情報に対応して薬を服用する」を満たすか否かをチェックし、満たさない場合、出力部1211は、不適切服用情報(例えば、「お薬を服用してください。」)を出力する。
【0114】
次に、例えば、患者は1回目に処方された薬を服用するために、薬用袋11を開封した、とする。次に、薬情報送信部113は、薬用袋11の開封を検知する。薬情報送信部113は、薬識別情報格納部111から、薬識別情報「M1」と用法の情報「朝食後、昼食後、夕食後」とを読み出す。
【0115】
また、服用者識別子取得部112は、服用者識別子(この患者の指紋情報)を取得する。
【0116】
次に、薬情報送信部113は、薬識別情報「M1」と用法の情報「朝食後、昼食後、夕食後」と服用者識別子とを有する薬情報を構成し、端末装置12に送信する。
【0117】
次に、薬情報受信部1205は、薬用袋11から薬情報を受信する。次に、薬服用情報蓄積部1206は、図示しない時計から現在時刻「13時05分」を取得する。
【0118】
次に、薬服用情報蓄積部1206は、受信された薬情報および取得した現在時刻「13時05分」から、薬服用情報「時刻;13:05,薬識別情報;M1,用法;朝食後、昼食後、夕食後」を構成する。なお、ここでは、薬服用情報は、薬情報のうちの指紋情報は有しない。つまり、薬服用情報は、薬情報のうちの一部の情報のみを有しても良い。そして、薬服用情報蓄積部1206は、構成した薬服用情報を薬服用情報格納部1202に蓄積する。
【0119】
薬服用時刻蓄積部1207は、取得された現在時刻「13時05分」を用いて、薬服用時刻を取得する。つまり、薬服用時刻蓄積部1207は、「13時05分」は、昼食後に該当する時間である、と判断し、朝食後「8時05分」、夕食後「19時05分」を算出する。なお、薬服用時刻蓄積部1207は、朝食の基準時刻「7時」、昼食の基準時刻「12時」、夕食の基準時刻「18時」を保持しており、現在時刻が最も近い基準時間を決定し、当該決定した基準時刻に対応する食事の種類「朝食または昼食または夕食」を取得する。そして、薬服用時刻蓄積部1207は、朝食、昼食、および夕食のそれぞれの基準時間間隔「朝食と昼食は5時間,昼食と夕食は6時間,夕食と朝食は13時間」を保持している、とする。
【0120】
そして、例えば、薬服用時刻蓄積部1207は、食事間の基準時間間隔を用いて、朝食後「8時05分」、夕食後「19時05分」を算出する。そして、薬服用時刻蓄積部1207は、取得した薬服用時刻(朝食「8時05分」、昼食「13時05分」、夕食「19時05分」)を薬服用時刻格納部1203に蓄積する。
【0121】
次に、薬情報転送部1212は、転送先情報格納部1204に格納されている1以上の転送先情報が示す転送先「a1@xy.co.jp,B1@cc.co.jp,C3@dd.com」に、薬情報「時刻;13:05,薬識別情報;M1」を転送する。なお、ここでは、送信する薬情報において、受信された指紋情報や用法の情報は除かれている。
【0122】
次に、判断部1210は、薬服用ルール格納部1201に格納されている薬服用ルールに合致するか否かを判断していく。また、上述したように、薬服用ルールによって、判断方法は異なる。以下、具体例1から具体例5を用いて、薬服用ルールごとに異なる判断部1210の判断方法について説明する。なお、薬服用ルールが、予め決められた薬の服用時刻(朝食後、昼食後、夕食後など)に、または薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用することである場合については、既に説明した。
(具体例1)
【0123】
具体例1の薬服用ルールは、「前回の服用時刻から所定時間(例えば、6時間)が経過するまでに薬を服用すること」である。
【0124】
かかる場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の最新の薬服用情報が有する時刻(例えば「12:00」)を取得する。次に、判断部1210は、現在時刻(例えば「18:01」)を取得する。次に、薬服用情報が有する時刻「12:00」と現在時刻「18:01」とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間「6時間」が経過していると判断する。
【0125】
そして、出力部1211は、不適切服用情報「薬を服用すべき時刻になりました。」を出力する。なお、不適切服用情報は、薬服用ルールに対応付けて格納されている、とする。
(具体例2)
【0126】
具体例2の薬服用ルールは、「所定の時間内(ここでは、例えば「1時間以内」)または一時に所定量以上(ここでは、例えば「2錠以上」)の薬を服用しないこと」である。
【0127】
かかる場合、判断部1210は、現在時刻(例えば「18:01」)を取得する。次に、現在時刻から所定の時間(1時間前)の「17:01」を算出する。次に、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の薬服用情報が有する時刻が現在時刻から「17:01」の間である薬服用情報を取得する。次に、判断部1210は、取得した薬服用情報のレコード数(薬の数)(例えば、「1」)を取得する。
【0128】
次に、取得した薬の数は、所定量以上「2錠以上」ではないので、判断部1210は、薬服用ルールを満たすと判断する。そして、出力部1211は、不適切服用情報を出力しない。
(具体例3)
【0129】
具体例3の薬服用ルールは、「前回の服用時刻から所定時間(ここでは、例えば「6時間」)以上が経過した後に薬を服用すること」である。
【0130】
かかる場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の最新の(前回の)薬服用情報が有する時刻(例えば「12:00」)を取得する。次に、判断部1210は、現在時刻(例えば「17:15」)を取得する。次に、薬服用情報が有する時刻「12:00」と現在時刻「17:15」とを薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間「6時間」以上が経過していないと判断する。つまり、判断部1210は、薬服用ルールに反する、と判断する。
【0131】
そして、出力部1211は、不適切服用情報「薬を服用するには早すぎます。「18:00」まで待ってください。」を出力する。なお、ここで、薬服用ルール格納部1201は、「薬を服用するには早すぎます。「$時刻」まで待ってください。」という文の雛形を、薬服用ルールに対応付けて格納している。そして、出力部1211は、薬服用情報が有する時刻「12:00」に所定時間「6時間」を加算して、「$時刻」の値「18:00」を取得する。そして、出力部1211は、不適切服用情報「薬を服用するには早すぎます。「18:00」まで待ってください。」を構成し、出力する。
(具体例4)
【0132】
具体例4の薬服用ルールは、「予め決められた者が薬を服用すること」である。
【0133】
かかる場合、判断部1210は、服用者識別子格納手段12101から1以上の服用者識別子(ここでは、指紋情報)を取得する。そして、判断部1210は、薬情報受信部1205が受信した薬情報に含まれる服用者識別子を取得する。次に、判断部1210は、受信あれた薬情報に含まれる服用者識別子が、服用者識別子格納手段12101のいずれかの服用者識別子に合致するか否かを判断する。そして、合致しない場合、出力部1211は、本薬服用ルールに対応付けて格納されている不適切服用情報「他の方の薬を誤って飲んではいけません。」を読み出し、出力する。
(具体例5)
【0134】
具体例5の薬服用ルールは、「薬Xと薬Yとを同時に服用してはいけないこと」である。
【0135】
かかる場合、判断部1210は、直前に薬情報を受信した時刻(例えば「18:01」)を取得する。判断部1210は、直前に受信した薬情報が有する薬識別情報(例えば、「薬Y」)を取得する。そして、判断部1210は、取得した薬識別情報が薬服用ルール「薬Xと薬Yとを同時に服用しては行けないこと」に含まれる、と判断する。
【0136】
次に、判断部1210は、当該時刻(例えば「18:01」)から所定時間以内(例えば、5分以内)の薬服用情報を、薬服用情報格納部1202から取得する。そして、取得した薬服用情報の中の薬識別情報を取得し、「薬X」が含まれるか否かを判断する。ここで、取得した薬識別情報の中に「薬X」が含まれていた、とする。つまり、薬服用ルールを満たす、とする。
【0137】
次に、出力部1211は、本薬服用ルールに対応付けて格納されている不適切服用情報「薬Xと薬Yとを同時に服用してはいけません。」を読み出し、出力する。
(具体例6)
【0138】
具体例6の薬服用ルールは、「最後まで服用する」である。また、薬服用ルールは、服用する時間帯(例えば、朝食後、昼食後、夕食後)、および服用日数(例えば、「3日」)の情報を有する。また、薬服用ルールは、例えば、服用する時間帯の標準時刻(例えば、朝食後は「7:30」)や標準時間帯(例えば、朝食後は「6:00−21:00」)を有しても良い。
【0139】
かかる場合、判断部1210は、薬服用情報格納部1202の薬服用情報のレコード数(服用した薬の数)(例えば、「1」)を取得する。また、判断部1210は、時間帯(例えば、朝食後、昼食後、夕食後)、および服用日数(例えば、「3日」)の情報から、時間帯のデータ数「3」と服用日数「3」を乗算して、薬の全服用回数「9」を算出する。
【0140】
次に、判断部1210は、直前に薬情報を受信した時刻(例えば「18:01」)を取得する。そして、判断部1210は、現在時刻(例えば、「8:02」)を取得する。
【0141】
次に、判断部1210は、前回の服用時刻から所定の時間(例えば、14時間)以上、経過しており、かつ、今までの服用回数が薬の全服用回数「9」未満であるか否かを判断する。ここで、前回の服用時刻から所定の時間(ここでは、14時間1分経過している)以上経過しており、かつ、今までの服用回数「1」が薬の全服用回数「9」未満であるので、判断部1210は、薬服用ルールを満たさない、と判断する。
【0142】
次に、出力部1211は、本薬服用ルールに対応付けて格納されている不適切服用情報「この薬は最後まで服用してください。」を読み出し、出力する。
【0143】
具体例6において、例えば、薬が抗生物質の薬などを想定している。そして、抗生物質の薬は、患者自身が治癒したと思っても、最後まで服用しなければならないので、かかる機能は極めて有効である。
【0144】
以上、本実施の形態によれば、薬の服用を支援できる。さらに具体的には、本実施の形態によれば、薬の服用忘れを防止できたり、薬の過剰服用を防止できたり、薬の適切な時間間隔での服用を支援できる。また、本実施の形態によれば、薬の適切な時刻での服用を支援できる。
【0145】
また、本実施の形態によれば、薬の誤飲が防止できたりする。つまり、おじいちゃんの血圧降下剤を、孫が飲んでしまうことなどを防止できる。
【0146】
また、本実施の形態によれば、薬の服用実績管理ができる。つまり、例えば、おじいちゃんの血圧降下剤を、おばあちゃんが開封していたことが記録されている。そして、最近、おばあちゃんの体調が思わしくないとすれば、間違っておばあちゃんがおじいちゃんの血圧降下剤を飲んだかもしれないと推定できる。
【0147】
また、本実施の形態によれば、薬服用時刻蓄積部1207が薬の服用時刻を蓄積することにより、個人の生活サイクルに応じた服用支援が可能となる。つまり、例えば、夕食後に服用する薬の場合、患者ごとに「夕食」の時間が異なる。そこで、初日(あるいは初回)の夕食後に服用した場合、その服用時刻を翌日以降も「夕食後」と判断することで、服用忘れを適切に防止できる。
【0148】
また、本実施の形態によれば、薬の服用状況を、介護者や親族などの第三者に通知できる。
【0149】
なお、本実施の形態によれば、薬の服用状況を、介護者や親族などの第三者に通知する機能があったが、この通知のタイミングは問わない。薬情報受信部1205が薬情報を受信した後すぐでも良いし、薬情報受信部1205が薬情報を受信した後、所定時間経過後(この場合、図示しない入力手段により、薬の服用を取り消した場合は送信せずに済む)でも良いし、一日の所定時刻に一度だけ、その日の薬情報を送信するなどしても良い。また、かかる通知の機能により、自宅に居るときだけではなく、旅先や散歩などの外出先でも、通常通りの生活を送っているか否か、倒れていないか否かを親族や介護者などに知らせることができる。
【0150】
また、本実施の形態において、薬服用ルール格納部1201は、薬服用ルールに対応付けてコメントを格納し得る、とする。または、図示しない格納手段(例えば、コメント格納部)は、薬識別情報に対応付けてコメントを格納していても良い。コメントとは、例えば、「本薬は眠たくなりますので、自動車の運転や屋外でのお仕事はしないでください。」などである。そして、出力部1211は、判断部1210の判断結果に関わらず、薬服用ルールまたは薬識別情報に対応するコメントを出力することは好適である。
【0151】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納しており、コンピュータを、1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、前記薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、前記1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、前記判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
【0152】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記記録媒体に蓄積する薬情報蓄積部としてさらに機能させるためのプログラムであり、前記判断部は、前記薬服用情報格納部の最新の薬服用情報が有する時刻を取得し、現在時刻を取得し、前記薬服用情報が有する時刻と前記現在時刻とを前記薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、前記出力部は、前記判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していると判断した場合、不適切服用情報を出力するプログラムであることは好適である。
【0153】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記記憶媒体に蓄積する薬情報蓄積部としてさらに機能させるためのプログラムであり、前記判断部は、前記薬服用情報格納部の1以上の各薬服用情報が有する時刻を取得し、当該1以上の各薬服用情報が有する時刻を前記薬服用ルールに適用し、所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用するか否かを判断し、前記出力部は、前記判断部が所定の時間内に所定量以上の薬を服用すると判断した場合、不適切服用情報を出力するプログラムであることは好適である。
【0154】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記記憶媒体に蓄積する薬情報蓄積部としてさらに機能させるためのプログラムであり、前記判断部は、前記薬服用情報格納部の直前の薬服用情報が有する時刻を取得し、かつ現在時刻を取得し、前記薬服用情報が有する時刻と前記現在時刻とを前記薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、前記出力部は、前記判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していないと判断した場合、不適切服用情報を出力するプログラムであることは好適である。
【0155】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記記憶媒体に蓄積する薬情報蓄積部と、前記薬情報受信部が薬情報を受信した時刻を用いて、薬服用時刻を取得し、当該薬服用時刻を前記記憶媒体に蓄積する薬服用時刻蓄積部としてさらに機能させるためのプログラムであり、前記判断部は、前記薬服用時刻格納部の薬服用時刻を用いて、前記薬の服用時刻または前記薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用しているか否かを判断し、前記出力部は、前記判断部が薬の服用時刻または前記薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用していないと判断した場合、不適切服用情報を出力するプログラムであることは好適である。
【0156】
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体に、薬を服用する者を識別する服用者識別子を格納しており、前記判断部は、前記薬情報受信部が受信した薬情報が有する服用者識別子と、前記記憶媒体の服用者識別子とを比較し、一致するか否かを判断する判断手段とを具備し、前記出力部は、前記判断手段が一致しないと判断した場合、不適切服用情報を出力するプログラムであることは好適である。
【0157】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記薬用袋または情報処理装置から1以上の薬服用ルールを受信する薬服用ルール受信部と、前記薬服用ルール受信部が受信した1以上の薬服用ルールを、前記薬服用ルール格納部に蓄積する薬服用ルール蓄積部としてさらに機能させるためのプログラムであることは好適である。
【0158】
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体に、薬情報の転送先を示す1以上の転送先情報を格納しており、コンピュータを、前記薬情報受信部が1以上の薬情報を受信した場合、前記1以上の転送先情報が示す転送先に、前記受信された1以上の薬情報を転送する薬情報転送部としてさらに機能させるためのプログラムであることは好適である。
【0159】
また、図8は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の服用支援システム等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図8は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図9は、コンピュータシステム340の内部構成を示す図である。
【0160】
図8において、コンピュータシステム340は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412を含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
【0161】
図9において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415とに接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0162】
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の服用支援システム等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0163】
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の服用支援システム等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0164】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、モデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0165】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0166】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0167】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0168】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0169】
以上のように、本発明にかかる服用支援システムは、薬の服用を支援できる、という効果を有し、服用支援システム等として有用である。
【符号の説明】
【0170】
1 服用支援システム
11 薬用袋
12 端末装置
111 薬識別情報格納部
112 服用者識別子取得部
113 薬情報送信部
1201 薬服用ルール格納部
1202 薬服用情報格納部
1203 薬服用時刻格納部
1204 転送先情報格納部
1205 薬情報受信部
1206 薬服用情報蓄積部
1207 薬服用時刻蓄積部
1208 薬服用ルール受信部
1209 薬服用ルール蓄積部
1210 判断部
1211 出力部
1212 薬情報転送部
12101 服用者識別子格納手段
12102 判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬用袋と端末装置とを具備する服用支援システムを構成する端末装置であって、
前記薬用袋は、
薬を識別する薬識別情報を格納し得る薬識別情報格納部と、
前記薬識別情報を含む薬情報を前記端末装置に送信する薬情報送信部とを具備し、
前記端末装置は、
薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納し得る薬服用ルール格納部と、
前記薬用袋から、1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、
前記薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、前記1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部とを具備する服用支援システムを構成する端末装置。
【請求項2】
前記薬服用ルールは、
前回の服用時刻から所定時間が経過するまでに薬を服用することであり、
薬情報と当該薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、
前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記薬服用情報格納部の最新の薬服用情報が有する時刻を取得し、現在時刻を取得し、前記薬服用情報が有する時刻と前記現在時刻とを前記薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、
前記出力部は、
前記判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していると判断した場合、不適切服用情報を出力する請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記薬服用ルールは、
所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用しないことであり、
薬情報と当該薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、
前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記薬服用情報格納部の1以上の各薬服用情報が有する時刻を取得し、当該1以上の各薬服用情報が有する時刻を前記薬服用ルールに適用し、所定の時間内または一時に所定量以上の薬を服用するか否かを判断し、
前記出力部は、
前記判断部が所定の時間内に所定量以上の薬を服用すると判断した場合、不適切服用情報を出力する請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記薬服用ルールは、
前回の服用時刻から所定時間以上が経過した後に薬を服用することであり、
薬情報と当該薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、
前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記薬服用情報格納部の直前の薬服用情報が有する時刻を取得し、かつ現在時刻を取得し、前記薬服用情報が有する時刻と前記現在時刻とを前記薬服用ルールに適用し、前回の服用時刻から所定時間が経過しているか否かを判断し、
前記出力部は、
前記判断部が前回の服用時刻から所定時間が経過していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記薬服用ルールは、
前記薬の服用時刻または前記薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用することであり、
薬情報と当該薬情報を受信した時刻とを有する薬服用情報を格納し得る薬服用情報格納部と、
前記薬情報受信部が薬情報を受信した場合に、当該薬情報を受信した時刻を取得し、当該時刻と前記薬情報とを有する薬服用情報を、前記薬服用情報格納部に蓄積する薬服用情報蓄積部と、
薬の服用すべき時刻である薬服用時刻を格納し得る薬服用時刻格納部と、
前記薬情報受信部が薬情報を受信した時刻を用いて、薬服用時刻を取得し、当該薬服用時刻を前記薬服用時刻格納部に蓄積する薬服用時刻蓄積部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記薬服用時刻格納部の薬服用時刻を用いて、前記薬の服用時刻または前記薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用しているか否かを判断し、
前記出力部は、
前記判断部が薬の服用時刻または前記薬の服用時刻から所定時間以内に、薬を服用していないと判断した場合、不適切服用情報を出力する請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記薬用袋は、
薬を服用する者を識別する服用者識別子を取得する服用者識別子取得部をさらに具備し、
前記薬情報送信部は、
前記薬識別情報と前記服用者識別子とを含む薬情報を前記端末装置に送信し、
前記薬服用ルールは、
予め決められた者が薬を服用することであり、
前記判断部は、
薬を服用する者を識別する服用者識別子を格納し得る服用者識別子格納手段と、
前記薬情報受信部が受信した薬情報が有する服用者識別子と、前記服用者識別子格納手段の服用者識別子とを比較し、一致するか否かを判断する判断手段とを具備し、
前記出力部は、
前記判断手段が一致しないと判断した場合、不適切服用情報を出力する請求項1記載の端末装置。
【請求項7】
前記端末装置は、
前記薬用袋または情報処理装置から1以上の薬服用ルールを受信する薬服用ルール受信部と、
前記薬服用ルール受信部が受信した1以上の薬服用ルールを、前記薬服用ルール格納部に蓄積する薬服用ルール蓄積部とをさらに具備する請求項1から請求項6いずれか記載の端末装置。
【請求項8】
薬情報の転送先を示す1以上の転送先情報を格納し得る転送先情報格納部と、
前記薬情報受信部が1以上の薬情報を受信した場合、前記1以上の転送先情報が示す転送先に、前記受信された1以上の薬情報を転送する薬情報転送部とをさらに具備する請求項1から請求項7いずれか記載の端末装置。
【請求項9】
薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納し得る薬服用ルール格納部と、
1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、
前記薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、前記1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部とを具備する端末装置。
【請求項10】
前記薬情報送信部は、
前記薬用袋を開封した際に、前記端末装置に、前記薬識別情報を含む薬情報を前記端末装置に送信する請求項1から請求項9いずれか記載の端末装置。
【請求項11】
記録媒体に、
薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納しており、
薬情報受信部、判断部、および出力部により実現される薬服用支援方法であって、
前記薬情報受信部が、1以上の薬情報を受信する薬情報受信ステップと、
前記判断部が、前記薬情報受信ステップで受信された1以上の薬情報に対して、前記1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断ステップと、
前記出力部が、前記判断ステップで薬を適切に服用していないと判断された場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力ステップとを具備する薬服用支援方法。
【請求項12】
記録媒体に、
薬の服用に関するルールである1以上の薬服用ルールを格納しており、
コンピュータを、
1以上の薬情報を受信する薬情報受信部と、
前記薬情報受信部が受信した1以上の薬情報に対して、前記1以上の各薬服用ルールを適用し、薬を適切に服用しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が薬を適切に服用していないと判断した場合、不適切な服用である旨の情報である不適切服用情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−88882(P2012−88882A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234275(P2010−234275)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(507228172)株式会社JSOL (23)