説明

筋肉弛緩装置

【課題】使用者が手で把持できるコンパクトなサイズを有し、腕、首の周り、太ももなどの身体部位に容易に接触させて用いられるハンドタイプの筋肉弛緩装置を提供する。また、筋肉弛緩装置に別途の固定部材を装着して身体の特定部位に固定して用いられるハンドタイプの筋肉弛緩装置を提供する。
【解決手段】本発明の筋肉弛緩装置100は、身体の一部の筋肉を弛緩させることができる筋肉弛緩装置100であって、内部に空間が形成され、把持可能な把持部を有するケース110と、前記身体の一部に接触し、往復運動によるバイブレーションを提供する筋肉弛緩部材140と、前記ケース110の前記空間に設けられて、回転力を発生させるモータ131と、回転力を前記筋肉弛緩部材140の往復運動に変換する伝動部130とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドタイプの筋肉弛緩装置に関し、より詳しくは、使用者が把持して往復運動によるバイブレーション作動により身体部位に対する部分的な運動の遂行が可能なハンドタイプの筋肉弛緩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人は、常に多忙で緊張が続く生活の中、筋肉が常に緊張状態を維持し、それは身体部位に痛みを誘発したり、合併症を誘発したりし得る。従って、このように緊張した筋肉は随時弛緩させる必要がある。筋肉を弛緩させるための方法としては、運動やマッサージなどがある。このような方法によって、血液循環の促進と筋肉の癒着防止などのような効果を奏し、また、脂肪組織を刺激して脂肪を燃やすため、肥満を予防し、ボディーのバランスを維持すると共に、顔の輪郭及び皮膚を管理することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年は、筋肉を随時弛緩させることのできる運動器具やマッサージ機などが広く用いられている。従来のマッサージ機においては、ソレノイドやモータなどの駆動部を用いて施術部を往復駆動して、被施術者に対して叩きマッサージの施術を行うことが一般的である。
【0004】
しかしながら、前記のような往復駆動による叩きマッサージは叩くことに制限されて、マッサージの効果が大きくないという問題があった。
【0005】
また、脂肪を分解する効果のある運動器具も多く市販されているが、それも使用者が運動器具に直接力を加えて運動する器具が主流となっている。そのため、腹部の肥満が深刻な人や、リハビリ治療が必要な使用者または激しい運動を避けるべき高齢者には適していない。さらに、体脂肪を減らし難い腕、太ももなどに部分的に適用するのが容易でないという短所があった。
【0006】
本発明は前記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、使用者が手で把持できるコンパクトなサイズを有し、腕、首の周り、太ももなどの身体部位に容易に接触させて用いられるハンドタイプの筋肉弛緩装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、筋肉弛緩装置に別途の固定部材を装着して身体の特定部位に固定して用いられるハンドタイプの筋肉弛緩装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の筋肉弛緩装置は、身体の一部の筋肉を弛緩させることができる筋肉弛緩装置であって、内部に空間が形成され、把持可能な把持部を有するケースと、前記身体の一部に接触し、往復運動によるバイブレーションを提供する筋肉弛緩部材と、前記ケースの前記空間に設けられて、回転力を発生させるモータと、回転力を前記筋肉弛緩部材の往復運動に変換する伝動部とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の筋肉弛緩装置は、請求項1に記載の発明において、前記ケースに設けられているガイドレールと、前記伝動部により連結されて前記ガイドレールに沿って直線往復移動をする移動部材と、前記筋肉弛緩部材を支持するように前記移動部材の下面に設けられる複数の支持部とをさらに含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明のハンドタイプの筋肉弛緩装置は、使用者が手で把持できるコンパクトなサイズを有するので、腕、首の周り、太ももなどに容易に接触させて用いることができる。さらに、筋肉弛緩装置に別途の固定部材を装着して身体の特定部位に固定して用いられるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の斜視図であり、図2は本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の正面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、ハンドタイプの筋肉弛緩装置100は、駆動力を発生するメカニズムが内蔵されているケース110と、ケース110の複数の支持部143に連結されている筋肉弛緩部材140とを含む。
【0014】
筋肉弛緩部材140は、身体部位、例えば、首、太もも、腕などに接触する。また、ケース110の内部から発生した駆動力は筋肉弛緩部材140に伝達される。これにより、身体の部位にバイブレーションを誘発する機能を行わせる。さらに、筋肉弛緩部材140は、比較的に平らであり、下部ケース113の面積よりは小さく製作されることが好ましい。しかし、身体に接触して十分なバイブレーション動作を伝達できるような大きさが好ましい。
【0015】
また、筋肉弛緩部材140は、図3に示すように、その下部表面に取り付けられているシリコン材質からなる複数の指圧突起145a、145bを備える指圧板145を有する。指圧板145上で、複数の指圧突起145aは筋肉弛緩部材140の全面に渡って分布するが、筋肉弛緩部材140の各コーナーには指圧突起145aよりも大きい円形の指圧突起145bが突出形成される。そのため、 筋肉弛緩部材140は身体部位を覆うように接触してバイブレーションの効果を増大させることができる。
【0016】
ケース110は、使用者が手で把持して容易に携帯できる大きさを有する。ケース100は、例えば、樹脂材の上部ケース111と下部ケース113からなって互いに結合し、内部に空間を形成するようになっている。
【0017】
上部ケース111の上面には、「V」字状に一側が開放され、その開放されている部分から使用者の指が挿入されて把持できる把持部112が形成されている。また、上部ケース111の上面には、後述する駆動モータ131と電気的に連結されて駆動を制御できる操作部150が設けられる。操作部150は、好ましくは、図示されていない電源のオン/オフボタンと、速度調節ボタン及びモード切替ボタンなどが設けられることができる。さらに、ケース110に脱着可能な無線受信機を含めて無線操作ができる構成を有することもできる。
【0018】
また、上部ケース111上には、複数のスリット状にカットした換気口111aがさらに形成されてケース110の内部で発生する熱を排出できるようにし、好ましくは、換気口111aは上部ケース111の両端側に形成される。
【0019】
さらに、下部ケース113は上部ケース111と共に内部に空間を形成するように上部ケース111と同一材質で上部ケース111と結合される。下部ケース113の両側端には環状の連結ループ114が形成される。連結ループ114には筋肉弛緩装置100を身体に固定するための固定部材120、例えばベルトが結合される。固定部材120は、身体に巻くことができるほどの長さを有し、長さの調整が可能であることが好ましい。また、固定部材120はその一側を連結ループ114に巻いて固定させる固定要素、例えばベルクロ(Velcro)(登録商標)タイプのマジックテープ(登録商標)(hook and loop fasteners)を備える。
【0020】
下部ケース113には、本発明の筋肉弛緩装置に電源を供給する電源線115が連設される。電源線115は、筋肉弛緩装置100がどの身体部位にも届くように十分な長さを有することが好ましい。
【0021】
図4は本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置のケース内部の構成を示す平面図であり、図5は本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の側断面図である。
【0022】
上部及び下部ケース111、113の内部には、一側で操作部150により制御される駆動モータ131と、駆動モータ131から発生する回転力を直線往復運動に変換する伝動部130と、筋肉弛緩部材140に直線往復運動を伝達する移動部材142が設けられる。
【0023】
駆動モータ131の一端には駆動プーリ132が連設される。駆動プーリ132にはベアリング133aにより回転可能に支持される第1減速プーリ133がベルト(図示せず)を通じて連結され、第2減速プーリ137には同様にベアリング134aにより回転可能に支持される回動プーリ134がベルト(図示せず)を通じて連結される。図4において、第1及び第2減速プーリ133,137が筋肉弛緩装置で用いられることが例示されているが、これは筋肉弛緩装置を小型化するためであって、それらの何れか一つの減速プーリを用いることも可能であることが注目される。
【0024】
そして、回動プーリ134の一側面には円周方向に沿ってファン(fan:134b)が設けられてケースの内部から発生する熱を換気口111aを介してケース111の外部へ放出させることができる。
【0025】
さらに、回動プーリ134の一端部には偏心のカムを備えたカム軸135が設けられ、このカムには回転運動を直線運動に変換するコンロッド136の一端が連結される。
【0026】
このような減速プーリ133、137、回動プーリ134、カムを備えたカム軸135及びコンロッド136は駆動モータ131の回転力の伝達を受けて筋肉弛緩部材140を往復移動させるための伝動部130として機能する。
【0027】
また、下部ケース113の内部下面の中央領域には、一対のガイドレール141が一定の間隔を維持した状態で水平に設けられる。
【0028】
移動部材142は、伝動部130によりガイドレール141に沿って直線往復移動を行うように設けられる。移動部材142は、好ましくは板状で構成され、カム軸135のカムに一端が連結されている、ベアリング142aにより回転可能に支持されるコンロッド136の他端に連結されて駆動力の伝達を受け、ガードレール141に沿って直線往復運動を行う。
【0029】
そして、移動部材142の下面からは複数の支持部143(図2参照)が連結されて下部ケース113のガイドスロット(図示せず)を通じてその外部に突出するように延長される。複数の支持部143は、筋肉弛緩部材140を支持するための、身体と接触している筋肉弛緩部材140と連結される。
【0030】
前記のように構成されている本実施例の筋肉弛緩装置100によれば、駆動モータ131の回転力が、伝動部130として機能する第1及び第2減速プーリ133、137、回動プーリ134、カム及びコンロッド136を介して移動部材142に伝達され、また、移動部材142がガイドレール141に沿って往復移動し、それにより筋肉弛緩部材140も共に往復移動する。
【0031】
以下、前記のように構成されたハンドタイプの筋肉弛緩装置の実施例による使用状態を示す図6を参照して説明する。
【0032】
図6に示すように、まず、電源線115を差し込んで電源供給部(図示せず)に連結させ、使用者が上部ケース111に形成されている把持部112に指を入れてケース110を把持する。その後、操作部150で電源ボタンを押して電源を印加する。このとき、操作部150のボタンを通じて速度の調節やその他のモードへの切り替えが可能である。
【0033】
電源の印加によって駆動モータ131は駆動を開始し、続いてベルトを通じて連結されている駆動プーリ132と第1減速プーリ133により減速されてトルクが増加した駆動力が回動プーリ134に伝達される。さらに、第2減速プーリ137と回動プーリ134により減速されて再びトルクが増大した駆動力はカム軸135とコンロッド136を通じて、移動部材142をガイドレール141に沿って直線往復運動させる。
【0034】
ガイドレール141に沿って直線往復運動をする移動部材142は、支持部材143と連結されている筋肉弛緩部材140を連動させることにより、使用者はこの筋肉弛緩部材140を筋肉弛緩を必要とする身体の特定部位に接触させて身体にバイブレーション作動を誘発する。
【0035】
バイブレーション作動により、接触された身体部位の凝って緊張した状態の筋肉が自然にほぐれる。特に、筋肉を左右に振り動かすバイブレーション作動により筋肉のねじれ現像が防止されて、従来の類似する器具が叩くことに比べて、優れた効果を有する。
【0036】
また、指圧板145の指圧突起145a、145bは、筋肉弛緩効果を倍増させる。
【0037】
さらに、一定の身体部位への施術が完了すれば、使用者の他の手で再び把持した後、施術し難い腕または太ももなどのような身体の他の部位にも容易に筋肉弛緩装置100を接触させて筋肉弛緩が可能になる。
【0038】
一方、図7は本発明による筋肉弛緩装置をベルトを通じて使用者の身体に取り付けている使用状態図である。
【0039】
図7に示すように、下部ケース113の連結ループ114には長さの調節が可能な固定部材120を連結して使用者の腹部に筋肉弛緩部材140が密着するように取り付けた後、ケース110を固定した状態でバイブレーション動作を腹部に直接伝達する。それによって、従来のベルト運動器具の効果を奏することができる。
【0040】
ここで、固定部材120の長さの調節に応じて太ももなどにも固定して用いることができる。
【0041】
このように、使用者はハンドタイプの筋肉弛緩装置100を身体のどの部位にも容易に接触させることができ、そのバイブレーション動作によりハンドタイプの筋肉弛緩装置100は筋肉弛緩効果を奏することができる。
【0042】
以上、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の実施形態に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の斜視図である。
【図2】図2は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の正面図である。
【図3】図3は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の底面図である。
【図4】図4は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の内部の構成を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の側断面図である。
【図6】図6は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置の使用状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明によるハンドタイプの筋肉弛緩装置のベルトを着用した状態を示す使用状態図である。
【符号の説明】
【0044】
100…筋肉弛緩装置、110…ケース、111a…換気口、114…連結ループ、120…固定部材、130…伝動部、131…駆動モータ、132…駆動プーリ、133…第1減速プーリ、134…回動プーリ、135…カム軸、136…コンロッド、137…第2減速プーリ、140…筋肉弛緩部材、141…ガイドレール、142…移動部材、143…支持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部の筋肉を弛緩させることができる筋肉弛緩装置であって、
内部に空間が形成され、把持可能な把持部を有するケースと、
前記身体の一部に接触し、往復運動によるバイブレーションを提供する筋肉弛緩部材と、
前記ケースの前記空間に設けられて、回転力を発生させるモータと、
回転力を前記筋肉弛緩部材の往復運動に変換する伝動部とを含むことを特徴とする筋肉弛緩装置。
【請求項2】
前記ケースに設けられているガイドレールと、
前記伝動部により連結されて前記ガイドレールに沿って直線往復移動をする移動部材と、
前記筋肉弛緩部材を支持するように前記移動部材の下面に設けられる複数の支持部とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項3】
前記筋肉弛緩部材は前記筋肉弛緩部材に取り付けられ、複数の指圧突起を備えた指圧板を含むことを特徴とする請求項2に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項4】
前記伝動部は、
前記モータと連動する第1減速プーリと、
前記第2減速プーリと連動する回動プーリと、
前記回動プーリに連結されているカム軸と、
前記カム軸のカムに一端が連結され、前記移動部材に他端が連結されているコンロッドと
を備えることを特徴とする請求項2に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項5】
前記ケースはその両側端に形成されている連結ループを含み、前記連結ループには前記ケースを身体に固定させる固定部材が連結されることを特徴とする請求項1に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項6】
前記ケースはスリット状にカットされて前記ケースの内部で発生する熱を排出できるように換気部を含むことを特徴とする請求項1に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項7】
前記回動プーリの一側面には円周方向に沿ってファンがさらに設けられて前記ケース内で発生する熱を放出させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の筋肉弛緩装置。
【請求項8】
前記駆動手段の駆動を制御するための操作部と、
前記ケースに設けられ、前記操作部に連結されて外部から伝送された操作信号を受信する無線受信機をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の筋肉弛緩装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−126059(P2008−126059A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183174(P2007−183174)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(507237716)
【出願人】(507237727)
【出願人】(507237521)シズテック・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】