説明

筺体及び棚板システム構造

【課題】取り付け並びに手間を簡単にしてなる筺体及び棚板システム構造を提供すること。
【解決手段】平板と、筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、前記平板は、その側面に前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、
前記筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、前記平板の幅と前記筺体の幅の長さを合わせた長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に前記平板を設け、他方端に前記筺体を設け、前記平板と前記筺体との間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記平板の穴と前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持する筺体及び棚板システム構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面間に筺体及び棚板を簡単に取り付けることができ、且つ見栄えのよい筺体及び棚板システム構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集合住宅用のキャビネットとして、例えばトイレの壁面等に設けられるものがある。図9にその一例を示す。キャビネットとしての筺体30は、天板31、底板32、左右側板33、33及び背板34、並びに必要に応じて内部を上下に仕切る棚板を有し、多くの場合、その前面に取手37を有する扉36が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この筺体30をトイレの壁面に取り付けた状態を図10に示す。この筺体30の左右方向の長さhは、壁面20の長さ、即ち左右の側壁21、21間の長さHより短かく、図に示すようにトイレの正面上方の壁面20に取り付けられる。なお、符号23は窓、22は便器である。
【0004】
ところで、この筺体30の長さhは、できるだけ側壁21、21間の長さHに近い方が側壁21、21と筺体30との間の隙間rが小さくなり見栄えがよくなるため好ましい。しかしながら、筺体30の長さhはトイレのドアの幅より長いため、筺体30をトイレのドアから運び込む際、図に示す取付方向より90度回転した状態で運び込み、運び込んだ後再び90度回転し取付位置の状態に戻して壁面20に取り付けざるを得ない。即ち、トイレ内で90度回転するためには筺体30の長さhを側壁21、21間の長さHよりある程度短くせざるを得ず、その結果筺体30を壁面20に取り付けた際、どうしてもその両側にある幅を有する隙間rが生じることになる。
【0005】
この隙間rをそのままにしておくとどうしても見栄えが悪くなる。そのため従来、側面視L字状の埋め木38を用いて隙間rを埋めていた。ところが、ほとんどの場合、隙間rの幅は左右で異なるとともに、それぞれの隙間rでも上と下とでは間隔が異なっており、壁面20に筺体30を取り付け、その後、左右の隙間rを測り、その隙間rにピッタリ入る埋め木38を作ってその隙間rを埋めていた。そのため、筺体30の取り付けに多くの手間並びに時間が掛かり、結果的に生産コストを押し上げていた。
【0006】
また、一般に壁面20に棚板を取り付ける場合、壁面20に予め棚板取付金具を取り付けなければならず、やはりその取り付けに多くの手間並びに時間を要していた。
【特許文献1】特開2007−182721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、取り付けが簡単で且つ見栄えのよい筺体及び棚板システム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
【0009】
請求項1に係る発明では、平板と、筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、前記平板は、その側面に前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、前記筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、前記平板の幅と前記筺体の幅の長さを合わせた長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に前記平板を設け、他方端に前記筺体を設け、前記平板と前記筺体との間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記平板の穴と前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持する構成。
【0010】
請求項2に係る発明では、2個の筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、前記2個の筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、前記2個の筺体の幅の長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に1個の筺体を設け、他方端に他の1個の筺体を設け、前記2個の筺体間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持する構成。なお、この構成では、筺体、棚板、筺体の順になる。
【0011】
請求項3に係る発明では、3個以上の筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、前記3個以上の筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、前記3個以上の筺体の幅の長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に1個の筺体を設け、他方端に他の1個の筺体を設け、更に他の筺体を前記2個の筺体間に設け、筺体間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持する構成。なお、この構成で筺体が3個の場合には、筺体、棚板、筺体、棚板、筺体、或いは筺体、筺体、棚板、筺体の順でもよく、4個の場合には、筺体、棚板、筺体、棚板、筺体、棚板、筺体、或いは筺体、筺体、棚板、筺体、筺体、或いは筺体、筺体、筺体、棚板、筺体の順等でもよく、要は、壁面の両端に1個ずつ筺体があり、その間の空間を残りの筺体と棚板とで埋める配置であれば、残りの筺体と棚板の順序はどのような順序でもよい。5個以上のものも同様である。
【0012】
請求項4に係る発明では、前記穴は、前記左右側板に設けられる構成。
【0013】
請求項5に係る発明では、前記穴は、前記側板を貫通しない穴である構成。
【0014】
請求項6に係る発明では、前記壁面は、平面視コ字状である構成。
【0015】
なお、本発明の棚板の幅の長さ、即ち左右方向の長さは、前記空間内に収まり棚板取付金具で支持可能な長さであればどのような長さでもよいが、見栄えを良くするためにはその両端の隙間はできるだけ少ない方がよい。また、空間に収まり棚板取付金具で支持可能な長さの棚板があればそのまま使用するが、空間より長い棚板であれば切断等の加工を施して用いることになる。なお、平板、筺体及び棚板とも図1の正面視での左右方向を「幅」と言い、同正面視での上下方向を「高さ」と言い、同正面視での前後方向(紙面に直交方向)を「奥行き」と言う。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、以下の効果がある。
(1)トイレのドア枠の上、壁面、サッシの上、台所の壁面やカウンターの上下等の予め決められた壁面の範囲に、筺体及び棚板を、見栄えよく正確且つ、簡単に取り付けることができる。そして、予め決められた壁面が側壁を有する平面視コ字状の壁面であれば、その側壁との間に隙間なく取り付けることができる。
【0017】
(2)筺体と棚板とを適宜組み合わせることにより、思いのままの収納空間を演出することができる。
【0018】
(3)建築現場等においては以下の効果がある。
・従来の工法に比べ工期を大幅に短縮することができる。
・建築現場での実寸計測を不要にすることができる。
・基本キャビネットを標準化することができる。
・標準化できることにより建築現場への納入を現場の予定に合わせることができる。
・キャビネットを分割することにより個々の重量が軽減するため、キャビネットの取付けを容易に行うことができる。
・従来の埋め木が不要になるため、それだけ生産コストを低減することができる。
【実施例】
【0019】
図1にトイレでの1個の平板と1個の筺体と1組の棚板とのシステム構造の例を示し、図2に同じくトイレでの2個の筺体と1組の棚板とのシステム構造の例を示し、図3に部屋の壁面での3個の筺体と2組の棚板とのシステム構造の例を示し、図4に同じく部屋の壁面での4個の筺体と3組の棚板とのシステム構造の例を示し、図5に部屋のサッシ上方の壁面での3個の筺体と1組の棚板とのシステム構造の例を示す。
【0020】
図1にトイレTの壁面に配置する一例を示す。トイレTは、壁面20、左右側壁21、21及び図示しない扉を有し、その床には便器22が取り付けられ、壁面20には、窓23を有する。そして、窓23の上方の壁面20には、左右側壁21、21間に亘って本発明の筺体及び棚板システム構造が設けられる。
【0021】
この構造は、平面視コ字状の壁面に適用されるもので、1個の平板24、1個の筺体30及び1組の棚板40からなる。平板24は、図6に示すような平板状の板材であり、その幅、高さ及び奥行きは筺体30の側板33とほぼ同様なものが用いられるが、その大きさは適宜変更可能である。平板24の両側面には図に示すような棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴25が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段形成される。この穴25の深さは、平板24の幅より短くされるが、貫通穴であってもよい。また、図7に示すように両側面で上下方向或いは斜め方向にずらして設けてもよい。
【0022】
この平板24は、前記左右側壁21、21のいずれかの面に釘或いはビス等により取り付けられる。穴25を貫通穴にしたり或いは両側面に穴25を設けておくことにより左右側壁21、21のいずれの面にも平板24を取り付けることができる。なお、穴25の形状は楕円、四角、三角等であってもよい。
【0023】
前記筺体30は、図9に示すものと同様のものであるが、幅の長さは略半分である。即ち、筺体30は、天板31、底板32、左右側板33、33及び背板34を有し、内部には内部を上下に仕切る複数個の内部棚板35(図1では2個)が必要に応じて設けられる。この内部棚板35は、左右側板33、33の内面に前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段有する円形の穴のいずれかに取り付けた棚板取付金具45により支持される。また、筺体30の前面には取手37を有する片開きの扉36が設けられる。なお、左右側板33、33以外はほぼ従来のものと同じ構造である。
【0024】
左右側板33、33の形状は、前記平板24とほぼ同様である。即ち、図6に示すような平板状の板材であり、それぞれの外面には図に示すような棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴39が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段形成される。この穴39の深さは側板33の幅より短くされるとともに、この深さをできるだけ長くするために穴39の位置は、側板33の内面に設けられる複数の穴より上下方向或いは斜め方向に例えば図7で示すようにずらして設けられる。なお、穴39と平板24の穴25とは棚板40を水平に支持することができるように同じ位置になるように配置される。
【0025】
この筺体30は、前記平板24が取り付けられる側壁21と反対側の側壁21に釘或いはビス等により取り付けられる。このように、左右側板33、33の両外面に穴39を設けておくことにより、左右側壁21、21のいずれの面にも筺体30を取り付けることができる。なお、穴39の形状は楕円、四角、三角等であってもよいし、取付面が左右側壁21、21のいずれかに決まっている場合には、その取付面と反対の側板33の外面のみに設けてもよい。また、穴39は貫通穴であってもよい。
【0026】
前記棚板40は、通常用いられている矩形状の平板部材である。その奥行きは筺体30の奥行きとほぼ同じで、幅は長めのものが用意され、現場等で必要な長さの幅に加工、即ち切断して用いることになる。即ち、前記平板24を一方の側壁21に取り付け、筺体30を他方の側壁21に取り付け、平板24と筺体30との間にできる空間の長さを測り、その長さより若干短い長さのものに必要枚数(図1では2枚で1組)切断し、切断した棚板40を空間の上下方向に収納し、棚板取付金具45に支持させる。
【0027】
図8に本発明の棚板取付金具45の概略斜視図を示す。棚板取付金具45は、円柱状の取付部46と、L字状の支持部47とを有しており、取付部46を前記穴25、39に圧入し、支持部47に棚板40の端部を載せることにより図に示すような形態で棚板40を支持するものである。即ち、前記したように、平板24を一方の側壁21に取り付け、筺体30を他方の側壁21に取り付け、対向する平板24の穴25と筺体30の穴39であって、同一高さで且つ必要な高さの位置の穴25、39に棚板取付金具45を圧入して取り付け、棚板取付金具45の支持部47に空間の長さに切断した棚板40を水平に支持させることにより棚板として利用する。
【0028】
この例のものは、壁面20の長さの略半分の幅の筺体30を用い、該筺体30と平板24とを側壁21のそれぞれに接する形態で取り付け、取り付けた筺体30と平板24との穴25、39に棚板取付金具45を圧入し、筺体30と平板24との間の空間に、該空間の長さより若干短く加工した棚板40を収納し水平に支持させるだけの作業であり、組立を見栄えよく短時間且つ簡単に行うことができる。更に従来必要であった埋め木38も不要になる。
【0029】
図2にトイレTの壁面に配置する他の一例を示す。図1と異なる点について主として説明し、共通なものは図1のものと同じであり説明は省略する。この例の構造は、2個の筺体30と1組の棚板40とからなる。前記筺体30は、図1のものと同様であるが、幅の長さは短く壁面20の幅の略1/3である。そして、筺体30は、その内部に複数個の内部棚板35(図2では2個)が図1と同様な支持形態で取り付けられる。
【0030】
また、左右側板33、33の形状も図1のものとほぼ同様である。即ち、それぞれの外面には図6に示すような棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴39が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段同じ位置に設けられ、棚板40を水平に支持する。この穴39の深さは側板33の幅より短くされるとともに、この深さをできるだけ長くするために穴39の位置は、側板33の内面に設けられる複数の穴より上下方向或いは斜め方向に例えば図7で示すようにずらして設けられる。
【0031】
2個の筺体30は、両側壁21、21のいずれかに接して釘或いはビス等により取り付けられる。そして、対向する側板33、33の外面の穴であって、同一高さで且つ必要な高さの位置の穴39、39に棚板取付金具45を圧入して取り付け、棚板取付金具45の支持部47に空間の長さに切断した棚板40を水平に支持させることにより棚板として利用することになる。
【0032】
この例のものにおいても、簡単な作業で、組立を見栄えよく短時間で行うことができるとともに、従来必要であった埋め木38も不要になる。
【0033】
図3に部屋の全一壁面に配置する一例を示す。この例のものは、3個の筺体として洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52を用い、これら洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52と、2組の棚板40とでシステム構造を構成するものであり、洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52の側板及び穴は図6に示すものと同じであり、以下においては同じ符号を用いて説明する。
【0034】
部屋は、壁面20、左右側壁21、21を有し、左右側壁21、21間に亘って本発明の筺体及び棚板システム構造が設けられる。
【0035】
この構造も平面視コ字状の壁面に適用されるもので、3個の筺体、即ち洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52と2組の棚板40からなる。そして、洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52は、広く利用されているものであり説明は省略する。
【0036】
洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52の左右側板33、33には、図6に示すようにそれぞれの外面には棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴39が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段形成される。この穴39の深さは側板33の幅より短くされるとともに、側板33の内面に内側棚板用の穴がある場合には、穴39の位置は内側棚板用の穴よりずらして設けられ、穴39の深さはできるだけ長くされる。
【0037】
そして、洋だんす50が左側の側壁21に接して置かれ、和だんす52が右側の側壁21に接して置かれ、洋だんす50と和だんす52との間のほぼ中央に棚付きキャビネット51が置かれ、洋だんす50と棚付きキャビネット51との間に1組の棚板40が収納され、棚付きキャビネット51と和だんす52との間に他の1組の棚板40がそれぞれ図1及び図2で説明した取り付け方法と同じ方法で取り付けられる。なお、右側の組の棚板40は、その最上部の棚板40の下面にハンガーパイプ54を取り付け、このハンガーパイプ54にハンガー55を掛け服等を吊すようにしている。
【0038】
この例のものにおいては、部屋の全一壁面に亘って、洋だんす50、棚付きキャビネット51及び和だんす52と2組の棚板40との配置を簡単且つ見栄えよく短時間で行うことができる。
【0039】
図4に部屋の全一壁面に配置する他の一例を示す。この例のものは、4個の筺体として洋だんす50、2個の棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53を用い、これら洋だんす50、棚付きキャビネット51、51及び収納キャビネット53と、3組の棚板40とでシステム構造を構成するものであり、洋だんす50、棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53の側板及び穴は図6に示すものと同じであり、以下においては同じ符号を用いて説明する。
【0040】
部屋は、壁面20、左右側壁21、21を有し、左右側壁21、21間に亘って本発明の筺体及び棚板システム構造が設けられる。
【0041】
この構造も平面視コ字状の壁面に適用されるもので、4個の筺体、即ち洋だんす50、2個の棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53と3組の棚板40からなる。洋だんす50、棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53は、広く利用されているものであり説明は省略する。
【0042】
洋だんす50、棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53の左右側板33、33には、図6に示すようにそれぞれの外面には棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴39が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段形成される。この穴39の深さは側板33の幅より短くされるとともに、側板33の内面に内側棚板用の穴がある場合には、穴39の位置は内側棚板用穴よりずらして設けられ、穴39の深さはできるだけ長くされる。
【0043】
そして、収納キャビネット53が左側の側壁21に接して置かれ、洋だんす50が右側の側壁21に接して置かれ、収納キャビネット53と洋だんす50との間にほぼ同じ間隔を開けて2個の棚付きキャビネット51が置かれ、収納キャビネット53と棚付きキャビネット51との間に1組の棚板40が収納され、棚付きキャビネット51と棚付きキャビネット51との間に1組の棚板40が収納され、棚付きキャビネット51と洋だんす50との間に他の1組の棚板40がそれぞれ図1及び図2で説明した取り付け方法と同じ方法で取り付けられる。
【0044】
この例のものにおいても、部屋の全一壁面に亘って、洋だんす50、2個の棚付きキャビネット51及び収納キャビネット53と3組の棚板40との配置を簡単且つ見栄えよく短時間で行うことができる。
【0045】
図5に側壁がない部屋の壁面、例えば窓の上方で、クーラー61近傍の壁面20の領域Qに配置する一例を示す。この構造は、3個の筺体30と1組の棚板40からなる。3個の筺体30は、ほぼ同じもので図1に示すものと同様のものである。そして、左右側板33、33の外面には図6に示すような棚板取付金具45を取り付けるための円形の穴39が、前後方向に複数個、例えば2個、且つ上下方向に複数段、例えば7段形成されている。
【0046】
この例のものは、まず壁面の指定領域Qの左側に1個の筺体30を壁面に釘或いはビス等により取り付け、右側に他の1個の筺体30を同様な手段で取り付け、次いで、右側の筺体30に接して3個目の筺体30を同様な手段で取り付ける。そして、左側の筺体30と3個目の筺体30との間の空間に図1等で説明した取り付け方法で棚板40を取り付ける。
【0047】
この例のものにおいても、上記システム構造を決められた領域Q内に簡単な作業で、見栄えよく短時間で行うことができる。
【0048】
本発明は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。また、図2ないし図5のもので図1と共通部は特に説明がなくても図1の説明と同様な記載があるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のトイレでの1個の平板と1個の筺体と1組の棚板とのシステム構造図
【図2】本発明のトイレでの2個の筺体と1組の棚板とのシステム構造図
【図3】本発明の部屋の壁面での3個の筺体と2組の棚板とのシステム構造図
【図4】本発明の部屋の壁面での4個の筺体と3組の棚板とのシステム構造図
【図5】本発明の部屋のサッシ上方の壁面での3個の筺体と1組の棚板とのシステム構造図
【図6】本発明の平板ないし筺体の側板の棚板取付金具用穴の状態を示す斜視図
【図7】本発明の筺体の側板外側の棚板取付金具用穴と、側板内側の棚板取付金具用穴との状態を示す断面図
【図8】本発明の棚板取付金具の概略斜視図
【図9】従来のキャビネット(筺体)の斜視図
【図10】従来のトイレでの筺体取付図
【符号の説明】
【0050】
20…壁面 21…側壁
22…便器 23…窓
24…平板 25…穴
30…筺体 31…天板
32…底板 33…側板
34…背板 35…内部棚板
36…扉 37…取手
38…埋め木 39…穴
40…棚板 45…棚板取付金具
46…取付部 47…支持部
50…洋だんす 51…収納キャビネット
52…和だんす 53…収納キャビネット
54…ハンガーパイプ 55…ハンガー
60…窓 61…クーラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板と、筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、
前記平板は、その側面に前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、
前記筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、
前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、
前記平板の幅と前記筺体の幅の長さを合わせた長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に前記平板を設け、他方端に前記筺体を設け、前記平板と前記筺体との間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記平板の穴と前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持することを特徴とする筺体及び棚板システム構造。
【請求項2】
2個の筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、
前記2個の筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、
前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、
前記2個の筺体の幅の長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に1個の筺体を設け、他方端に他の1個の筺体を設け、前記2個の筺体間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持することを特徴とする筺体及び棚板システム構造。
【請求項3】
3個以上の筺体と、棚板と、棚板取付金具を有する筺体及び棚板システム構造であって、
前記3個以上の筺体は、少なくとも天板、底板、左右側板及び背板を有し、前記側板には前記棚板取付金具を取り付けるための穴を複数個有し、
前記棚板取付金具は、前記穴に取り付ける取付部と、前記棚板を支持する支持部を有し、
前記3個以上の筺体の幅の長さより長い壁面に対し、該壁面の一方端に1個の筺体を設け、他方端に他の1個の筺体を設け、更に他の筺体を前記2個の筺体間に設け、筺体間に生じる空間に前記棚板を設け、該棚板を、対向する前記側板の穴にそれぞれ取り付けられる前記棚板取付金具で支持することを特徴とする筺体及び棚板システム構造。
【請求項4】
前記穴は、前記左右側板に設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筺体及び棚板システム構造。
【請求項5】
前記穴は、前記側板を貫通しない穴であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筺体及び棚板システム構造。
【請求項6】
前記壁面は、平面視コ字状であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の筺体及び棚板システム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−72341(P2009−72341A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243466(P2007−243466)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507314512)アート産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】