説明

粉粒体材料混合装置

【課題】簡易な構造でありながら、粉粒体材料を十分に混合し得る粉粒体材料混合装置を提供する。
【解決手段】粉粒体材料混合装置1は、上部に投入口12a,13a、下部に排出口14aを有した横向き筒状の混合槽10と、一対の攪拌翼34,37を有し、前記混合槽内で略水平に支持された攪拌軸30とを備えている。前記一対の攪拌翼には、粉粒体材料の通過を可能とする材料通過孔36,39がそれぞれ開設され、これら一対の攪拌翼は、逆スパイラル状とされて軸方向に沿って配置されるとともに、軸廻りに位相をずらして前記攪拌軸にそれぞれ固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体材料混合装置に関し、詳しくは、筒状の混合槽内に貯留した粉粒体材料を、攪拌翼によって攪拌して混合する粉粒体材料混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、主材と添加剤、或いは異なる二種類の粉粒体材料、バージン材と粉砕材等を、筒状の混合槽内において、攪拌翼によって攪拌して混合する混合装置が知られている。
下記特許文献1では、螺旋状の攪拌翼の軸を混合槽外の駆動装置により回転させるようにした粉粒体の混合装置が提案されている。
該混合装置は、上記攪拌翼に複数個の孔を開穿すると共に、その軸を傾斜させた構成としている。また、該混合装置は、粉粒体を斜上方に押上げる方向に攪拌翼を回しつつ、その孔より該粉粒体を逆流させることによって混合を促進する構成としている。
【特許文献1】特公昭58−27977号公報(第2図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された混合装置では、攪拌翼を有した軸は、混合槽内において傾斜させて支持されており、また、該攪拌翼は、該軸の回転によって、粉粒体を斜上方に押上げる方向に回転される螺旋状のものとされている。
このような構成によれば、上記軸や、該軸を回転させるモーター等への負荷が比較的、大きくなるという問題があった。すなわち、上記螺旋状の攪拌翼の推力によって斜め上方に粉粒体が押上げられることにより、該攪拌翼は、その反力を受けることとなるから、軸やモーターへの負荷が高くなるという問題があった。
また、上記のように軸を傾斜させて支持する構造となっているので該軸を内装する混合槽も斜めに配置する必要があり、装置の構造が複雑化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易な構造でありながら、粉粒体材料を十分に混合し得る粉粒体材料混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料混合装置は、上部に投入口、下部に排出口を有した横向き筒状の混合槽と、一対の攪拌翼を有し、前記混合槽内で略水平に支持された攪拌軸とを備え、前記一対の攪拌翼には、粉粒体材料の通過を可能とする材料通過孔がそれぞれ開設され、逆スパイラル状とされて軸方向に沿って配置されるとともに、軸廻りに位相をずらして前記攪拌軸にそれぞれ固着されていることを特徴とする。
【0006】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、これに限らず、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料は、主に、合成樹脂材等の樹脂ペレットや、樹脂繊維片、各種添加剤等を指すが、これに限らず、金属材料や木質材料、薬品材料、食品材料等であってもよい。
【0007】
また、本発明に係る前記粉粒体材料混合装置においては、前記投入口を、独立した2つの投入口としてもよい。
また、本発明に係る前記粉粒体材料混合装置においては、前記排出口を、前記混合槽の下部の略中央部に設けるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る前記粉粒体材料混合装置においては、前記混合槽の一端部に、前記攪拌軸の一端部を回転自在に支持する軸受部を有した蓋部材を着脱自在に取り付けたものとし、該蓋部材を脱離させることによって、該攪拌軸を前記混合槽から取外し自在としてもよい。
【0009】
また、本発明に係る前記粉粒体材料混合装置においては、前記一対の攪拌翼のそれぞれを、同枚数の板状羽根部材を、前記攪拌軸の周方向に沿って、均等配置した構造としてもよい。
上記構成とされた粉粒体材料混合装置においては、前記位相のずれを、180を、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数で除して得た値の角度としてもよい。
上記各構成とされた粉粒体材料混合装置においては、前記板状羽根部材のそれぞれが、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数を、2倍した値の逆数の巻き数を構成するよう、前記攪拌軸に固着された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る前記粉粒体材料混合装置では、上記攪拌軸が有する一対の攪拌翼は、逆スパイラル状とされて軸方向に沿って配置されるとともに、軸廻りに位相をずらして前記攪拌軸にそれぞれ固着されている。従って、上記攪拌軸を、所定の一方向に回転させることで、混合槽内に貯留されている粉粒体材料を、各攪拌翼によって、混合槽の中央に向けて移送させることができ、さらに、位相のずれにより、他方の攪拌翼の領域内へと移送させることができる。すなわち、上記構成により、混合槽内に貯留されている粉粒体材料は、一方の攪拌翼によって、中央に向けて移動しながらも軸廻りに移動して、空間が形成され、その空間内に、他方の攪拌翼によって、粉粒体材料が移動するような挙動を繰り返す。これにより、混合槽内の粉粒体材料を、軸方向に沿って、大きく移動させながら混合することができる。
また、上記一対の攪拌翼には、粉粒体材料の通過を可能とする材料通過孔がそれぞれ開設されているので、上記攪拌軸の回転に伴って、混合槽内の粉粒体材料は、攪拌翼の材料通過孔を通過して、該攪拌軸の軸廻りを移動し、混合がなされる。
上記のように、混合槽内に貯留されている粉粒体材料は、軸方向及び軸廻りに大きく移動しながら混合がなされるので、比較的、短時間で均一かつ十分に混合がなされる。
【0011】
また、混合槽内の粉粒体材料は、上記のように、軸廻りの移動を伴って、軸方向に大きく移動し、混合がなされるので、上部の投入口及び下部の排出口を設ける位置の自由度が高まる。これにより、当該粉粒体材料混合装置を、例えば、粉粒体材料の供給システムや加工システム等に組み込む場合に、上部の投入口や下部の排出口の配設位置を、システム全体の配置態様に合わせることができ、汎用性の高いものとなる。
さらに、上記特許文献1に記載された従来の混合装置のように、混合槽及び軸を斜めに配置する必要がないので、当該装置の構造を簡易なものとできるとともに、攪拌軸等への負担等も低減される。
【0012】
本発明に係る前記粉粒体材料混合装置において、前記投入口を、独立した2つの投入口とすれば、異なる2種類の材料(バージン材と粉砕材や、バージン材とマスターバッチ、添加剤等)を混合する際に、個別に投入することができる。
これにより、例えば、一つの投入口から混合槽内に2種類の材料を投入するものと比べて、各材料の配合量等のログデータを、容易かつ確実に収集できる。
【0013】
本発明に係る前記粉粒体材料混合装置において、前記排出口を、前記混合槽の下部の略中央部に設けるようにすれば、上述のように、混合槽内に貯留された粉粒体材料は、上記一対の攪拌翼によって、攪拌、混合されながら、徐々に、中央に向けて移送されるので、略中央部に設けられた排出口より、その排出がスムーズになされる。
【0014】
本発明に係る前記粉粒体材料混合装置において、前記混合槽の一端部に、前記攪拌軸の一端部を回転自在に支持する軸受部を有した蓋部材を着脱自在に取り付けたものとし、該蓋部材を脱離させることによって、該攪拌軸を前記混合槽から取外し自在とすれば、攪拌軸及び混合槽内の清掃を容易に行うことができる。これにより、材料替え等の際における清掃作業の簡便化が図られる。
【0015】
本発明に係る前記粉粒体材料混合装置において、前記一対の攪拌翼のそれぞれを、同枚数の板状羽根部材を、前記攪拌軸の周方向に沿って、均等配置した構造とすれば、均等配置しない構成としたものと比べて、混合槽内における軸方向に沿う粉粒体材料の移動が、安定してなされる。
また、上記構成とされた粉粒体材料混合装置において、前記位相のずれを、180を、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数で除して得た値の角度とすれば、軸方向に沿う粉粒体材料の移動が、より効果的かつ安定的になされ、混合性を高めることができる。
さらに、上記各構成とされた粉粒体材料混合装置において、前記板状羽根部材のそれぞれが、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数を、2倍した値の逆数の巻き数を構成するよう、前記攪拌軸に固着された構成にすれば、軸方向に沿う粉粒体材料の移動が、より効率的になされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)は、いずれも第1実施形態に係る粉粒体材料混合装置を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略平面図、図2(a)、(b)は、いずれも同粉粒体材料混合装置を示し、(a)は、概略左側面図、(b)は、一部分解概略左側面図である。
図3(a)〜(c)は、いずれも同粉粒体材料混合装置が備える攪拌軸の一例を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、(a)の状態から軸廻りに45度回転させた状態を示す概略正面図、(c)は、(a)の状態から軸廻りに90度回転させた状態を示す概略正面図である。
図4(a)〜(e)は、いずれも同攪拌軸を説明するための説明図であり、(a)は、概略左側面図、(b)は、概略右側面図、(c)は、図3(a)におけるX1−X1線矢視概略縦断面図、(d)は、図3(a)におけるX2−X2線矢視概略縦断面図、(e)は、攪拌翼を構成する板状羽根部材の概略展開平面図である。
尚、図4(c)では、後記する駆動側攪拌翼の図示を省略している。
【0017】
本実施形態に係る粉粒体材料混合装置1は、図1及び図2に示すように、大略的に、横向き筒状の混合槽10と、該混合槽10内で回転自在に支持された攪拌軸30と、該攪拌軸30を回転駆動するための駆動部40と、該混合槽10の排出口14aを開閉するための開閉手段50とを備えている。
上記混合槽10は、横向き円筒形状とされた筒状本体11と、該筒状本体11の一端部に形成された開口を閉塞する蓋部材20とを備えている。
【0018】
上記筒状本体11の上部には、2つの独立した材料投入管12,13が連結されており、これら材料投入管12,13の下端の混合槽10内に臨む開口が、それぞれ投入口12a,13aを構成する。
上記筒状本体11の下部には、当該粉粒体材料混合装置1を、他の装置等に対して、固定等するためのベース部14と、該ベース部14の下部に連設された材料排出管15とが設けられている。
上記ベース部14には、上端が混合槽10内に臨む開口孔が開設されており、該開口孔が排出口14aを構成する。本実施形態では、該排出口14aは、混合槽10の下部の駆動部40側近傍の端部に開設されている。
上記排出口14aと、上記材料排出管15とは、後記する開閉手段50を介して連通されている。
【0019】
上記筒状本体11の他端部には、後記する攪拌軸30に連結される連結軸17(図2(b)参照)を軸支する軸受部16が付設されている。
上記連結軸17の先端部は、四角柱形状とされ、筒状本体11の他端部壁11bから混合槽10内に向けて突出している。
また、上記筒状本体11の上記開口の外周部には、図2(b)に示すように、三つのスイングボルト部18が等間隔を空けて固設されている。
該スイングボルト部18は、スイング自在に構成された雄ネジを有しており、該雄ネジと、雌ネジ穴を有した摘み操作部19とを螺合させることで、後記する蓋部材20を筒状本体11の開口に対して着脱自在に取り付けるようにしている。
【0020】
上記蓋部材20は、図2に示すように、蓋本体21と、該蓋本体21の外周縁部に、半径方向外方に向けて延出するように設けられた三つの連結固定板22と、該蓋本体21の略中央に設けられ、後記する攪拌軸30の一端部33を回転自在に軸支する軸受部23とを備えている。
上記連結固定板22は、上記スイングボルト部18に合わせた位置に、それぞれ設けられている。また、該連結固定板22には、上記スイングボルト部18の雄ネジを受入れるための切欠部が形成されている。
【0021】
上記構成とされた混合槽10によれば、後記する攪拌軸30を、容易に混合槽10内から脱離させることができる。
すなわち、図2(a)に示すように、蓋部材20によって筒状本体11の開口が閉塞された状態から、図2(b)に示すように、蓋部材20を脱離させる際には、摘み操作部19を操作して、スイングボルト部18との螺合状態を緩める。これにより、摘み操作部19による連結固定板22の規制が解除されて、該蓋部材20を容易に筒状本体11から脱離させることができる。また、蓋部材20を脱離させた後に、後記する攪拌軸30を、筒状本体11から抜き出すことで、該攪拌軸30を、筒状本体11から容易に脱離させることができる。
このように、蓋部材20を着脱自在とし、攪拌軸30を取外し自在とすることによって、
攪拌軸30及び混合槽10内の清掃を容易に行うことができる。これにより、材料替え等の際における清掃作業の簡便化が図られる。
【0022】
尚、上記蓋部材20の筒状本体11への取り付け固定は、上述のようなスイングボルト部18によるものに限られず、当該蓋部材20を、筒状本体11に対して着脱自在に取り付け可能なものであれば、どのようなものでもよい。操作性の観点から、手動操作可能な操作部を有し、該操作部を操作することによって、蓋部材20の筒状本体11に対する着脱が可能な構成としてもよい。
【0023】
上記攪拌軸30は、図1(a)に示すように、一対の攪拌翼(蓋側攪拌翼34及び駆動側攪拌翼37)を有しており、上記混合槽10内で略水平に支持されている。
また、該攪拌軸30は、後記する各板状羽根部材35,38の外周縁部(軸方向に沿った縁部)が、図2(b)の二点鎖線で示すように、所定のクリアランスを設けて、筒状本体11の内周壁11aに近接して配置されている。
尚、攪拌軸30の具体的構成の詳細については、後述する。
【0024】
上記駆動部40は、図1に示すように、モーター部41と、所定の減速比に設定された減速部42と、各種配線用のターミナルボックス43とを備えている。
この駆動部40は、上記筒状本体11の他端部に付設された上記軸受部16にフランジ接続されており、上記連結軸17に、その駆動軸(出力軸、不図示)を連結させて、該連結軸17を回転駆動する。
尚、駆動部40の構成については、攪拌軸30を回転駆動可能なものであればどのようなものでもよい。また、例えば、インバータ回路等を組み込んで、回転速度を可変としてもよい。
【0025】
上記開閉手段50は、シリンダ部51と、該シリンダ部51の前端部に付設された弁体ハウジング52と、該シリンダ部51の前端部から伸縮されるピストンロッド53と、該ピストンロッド53に連結されたスライド弁体54とを有している。
該スライド弁体54をスライドさせることで、上記排出口14aの開閉が可能とされている。
尚、開閉手段50の構成については、上記排出口14aを開閉可能なものであれば、どのようなものでもよく、公知の開閉弁等を適用するようにしてもよい。
【0026】
上記構成とされた粉粒体材料混合装置1では、混合槽10の上部に設けられた上記投入口12a,13aのそれぞれから、所定量の粉粒体材料(樹脂ペレットと各種添加剤、或いは、異なる二種類の粉粒体材料、バージン材と粉砕材等)を投入し、粉粒体材料を混合槽10内に貯留させる。次いで、上記駆動部40を駆動して、攪拌軸30を回転させて、後記するように、混合槽10内の粉粒体材料を攪拌して混合する。
この混合時間は、予め設定された所定時間とし、その所定時間が経過した後、上記開閉手段50のスライド弁体54をスライドさせて、上記排出口14aを開放して、混合済みの粉粒体材料を排出するようにしてもよい。また、この排出の際には、上記攪拌軸30を回転させた状態で排出するようにすることが好ましい。これにより、混合槽10内に貯留されて混合された粉粒体材料は、後記するように、軸方向に大きく移動するので、排出口14aから略全量が排出される。
【0027】
このような粉粒体材料混合装置1は、例えば、上部の投入口12a,13aに、各種材料が貯留された計量ホッパー等を連通接続し、また、上記材料排出管15に一時貯留ホッパーや材料タンク等を連設させて構成される粉粒体材料の配合装置等に組み込むようにしてもよい。
このような配合装置等は、例えば、所定の配合比で配合して混合した混合済みの粉粒体材料を、次の処理工程である乾燥ホッパー、或いは、押出機や射出機等の樹脂成形機等に向けて供給する供給システムや加工システム等に組み込むようにしても良い。
【0028】
次に、上記攪拌軸30の具体的構成について、図3及び図4に基づいて説明する。
上記攪拌軸30は、一端部33が上記軸受部23(図1参照)に回転自在に軸支された軸本体31と、該軸本体31の軸方向に沿って、近接して配置された蓋側攪拌翼34及び駆動側攪拌翼37と、該軸本体31の他端部に連設され、上記連結軸17(図1(b)及び図2(b)参照)に連結される連結部32とを備えている。
上記連結部32には、上記連結軸17の四角柱形状とされた先端部が嵌め入れられる四角柱状に窪ませた連結凹部32aが設けられている。すなわち、この連結凹部32aと上記連結軸17の先端部とを軸方向に沿って嵌合させることで、連結軸17との連結がなされ、当該攪拌軸30の回転がなされる。
また、上述のように、蓋部材20を脱離させて攪拌軸30を混合槽10内から抜き出して脱離させた後に、当該攪拌軸30を混合槽10内に収容させて組み込む際には、上記連結凹部32aに、上記連結軸17を嵌め入れることで、その連結が容易になされる。
【0029】
上記一対の攪拌翼34,37は、逆スパイラル状とされて軸方向に沿って配置されるとともに、軸廻りに位相をずらして上記軸本体31にそれぞれ固着されている。また、これら各攪拌翼34,37には、粉粒体材料の通過を可能とする材料通過孔36,39がそれぞれ開設されている。
詳しくは、本実施形態では、上記各攪拌翼34,37のそれぞれは、二枚の板状羽根部材35,38を、上記軸本体31の周方向に沿って、均等配置した構造とされている。
これら攪拌軸30を構成する各部材は、ステンレス鋼や炭素鋼等の金属製とされ、溶接等によって接合されている。
【0030】
上記蓋側攪拌翼34を構成する二枚の板状羽根部材35,35は、その巻き方向が左ネジ状とされ、スパイラル状に捻られて、上記軸本体31にそれぞれ固着されている。すなわち、上記蓋側攪拌翼34を構成する二枚の板状羽根部材35,35は、蓋部材20側から見て、時計回り(図3の矢印方向)に攪拌軸30を回転させた際に、蓋側攪拌翼34の領域に存在する粉粒体材料(不図示)を、駆動側攪拌翼37側に向けて移送するような形状とされている。
上記駆動側攪拌翼37を構成する二枚の板状羽根部材38,38は、その巻き方向が右ネジ状とされ、スパイラル状に捻られて、上記軸本体31にそれぞれ固着されている。すなわち、上記駆動側攪拌翼37を構成する二枚の板状羽根部材38,38は、蓋部材20側から見て、時計回り(図3の矢印方向)に攪拌軸30を回転させた際に、駆動側攪拌翼37の領域に存在する粉粒体材料(不図示)を、蓋側攪拌翼34側に向けて移送するような形状とされている。
尚、図示反時計回りに回転される場合には、上記各攪拌翼34,37の配置を軸方向に沿って前後に入れ替えるようにすればよい。これによっても、回転させることで、いずれか一方の攪拌翼の領域に存在する粉粒体材料を、他方の攪拌翼側に向けて移送するような態様となる。
【0031】
また、上記各攪拌翼34,37をそれぞれ構成する4枚の板状羽根部材35,38のそれぞれは、図4(a)及び図4(b)に示すように、略1/4の巻き数を構成するよう、上記軸本体31に固着されている。つまり、板状羽根部材35,38のそれぞれが、軸本体31の周方向に沿って、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、略90度の範囲に亘って固着されている。
つまり、各板状羽根部材35,38のそれぞれを、仮想的に軸本体31の軸廻りに4枚、連結させたとすれば、一巻き分、すなわち、1ピッチ分のスクリューを構成するような態様となる。換言すれば、各板状羽根部材35,38のそれぞれが、略1/4ピッチを構成するような態様となっている。上記ピッチは、混合槽10の大きさや各板状羽根部材35,38の大きさ等によって、適宜、設定される。
また、上記蓋側攪拌翼34と、上記駆動側攪拌翼37とは、図4(c)及び図4(d)に示すように、略90度、軸廻りに位相をずらして上記軸本体31に固着されている。
このような構成とされた各攪拌翼34,37では、図4(a)及び図4(b)に示すように、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、各板状羽根部材35,38の左右縁部(軸方向に略直交する方向に沿った縁部)が、隙間なく配置されたような構成となる。
【0032】
上記各攪拌翼34,37を構成する4枚の板状羽根部材35,38のそれぞれは、図4(e)の展開図に示すように、扇の尖頭部側部位を切除したような形状とされるとともに、軸本体31側に向けて開口するように切欠形成された切欠部を有しており、該切欠部が上記材料通過孔36,39を構成する。
この材料通過孔36,39の大きさは、板状羽根部材35,38の枚数や、当該板状羽根部材35,38により形成される巻き数、混合対象である粉粒体材料の平均粒径や流動性、安息角等に応じて適宜、設定可能である。本実施形態では、当該材料通過孔36,39を含めた板状羽根部材35,38の面積全体に対して、当該材料通過孔36,39が占める面積の割合(空隙率)が、約30%となるようにしている。
尚、図4(e)において、符号38aは、上記連結部32の形状に合わせて切除される部位を示している。
【0033】
上記空隙率は、10%以上、70%以下程度とすることが好ましく、より好ましくは、20%以上、50%以下程度である。上記空隙率を、極端に小さくすれば、混合槽10内に貯留された粉粒体材料を、後記するように攪拌軸30を回転させて攪拌、混合する際に、粉粒体材料の軸廻りの移動に伴う混合が十分になされない傾向があり、また、上記空隙率を、極端に大きくすれば、粉粒体材料の軸方向に沿った移動に伴う混合が十分になされない傾向があるからである。
当該粉粒体材料混合装置1を、樹脂ペレットと各種添加剤、バージン材と粉砕材等の合成樹脂材料の混合に使用する場合には、上記空隙率は、20%以上、50%以下程度とすることが好ましい。
【0034】
次に、上記構成とされた攪拌軸30によってなされる混合槽10内における粉粒体材料の混合態様について説明する。尚、以下の説明では、便宜的に、混合槽10内の下半部に貯留されている粉粒体材料の挙動について説明するが、上半部に貯留されている粉粒体材料についても同様である。
上述のように、攪拌軸30は、上記駆動部40によって、上記混合槽10内において、蓋部材20側から見て、時計回り(図3の矢印方向)に回転される。
【0035】
図3(a)に示す状態から、矢印方向に向けて攪拌軸30を回転させると、駆動側攪拌翼37の図示手前側の板状羽根部材38による推力を受けて、その近傍下部に滞留している粉粒体材料は、混合槽10内の中央に向けて移送される。この直前の状態では、蓋側攪拌翼34の図示下側の板状羽根部材35によって、その下部近傍に滞留していた粉粒体材料が押上げられて、空間が形成される。また、この際、その回転に伴い、これら板状羽根部材35,38の各材料通過孔36,39を粉粒体材料が通過して、図示奥側より手前側に移動する。
また、上記各攪拌翼34,37は、上述のように、軸廻りに位相を略90度、ずらしてそれぞれ固着されているので、図3(b)に示すように、上記駆動側攪拌翼37の上記板状羽根部材38の蓋部材20側には、上記蓋側攪拌翼34の板状羽根部材35が存在せず、上述のように、粉粒体材料が押上げられて空間が形成される。この空間内へ、上記駆動側攪拌翼37の図示下側の板状羽根部材38によって、粉粒体材料が移送される。
【0036】
さらに回転がなされて、図3(c)に示す状態では、上記とは逆に、駆動側攪拌翼37の図示下側の板状羽根部材38によって、その下部近傍に滞留している粉粒体材料が押上げられて、空間が形成される。また、該空間に、上記同様、蓋側攪拌翼34の図示下側の板状羽根部材35によって、粉粒体材料が移送される。
すなわち、混合槽10内に貯留されている粉粒体材料は、攪拌軸30の回転によって、一方の蓋側攪拌翼34の領域内から他方の駆動側攪拌翼37の領域内へと移送され、また、駆動側攪拌翼37の領域内から蓋側攪拌翼34の領域内へと移送される。さらに、上記回転に伴って、上記各板状羽根部材35,38にそれぞれ形成された材料通過孔36,39を粉粒体材料が通過して、軸廻りに移動する。
【0037】
つまり、換言すれば、混合槽10内に貯留されている粉粒体材料の挙動は、上記攪拌軸30の回転によって、軸方向に大きく移動するとともに、軸廻りにも大きく移動するような挙動となる。
これにより、混合槽10内に貯留させた粉粒体材料を、比較的、短時間で均一かつ十分に混合することができる。
また、上述のような挙動となるので、投入口及び排出口を設ける位置の自由度が高まり、他の装置やシステム等に組み込む場合に、これら装置やシステムの配置態様に合わせて投入口及び排出口を設けることができ、汎用性の高いものとなる。
また、攪拌軸を斜めに配置する必要がないので、簡易な構造となるとともに、攪拌軸30を上記構成とすることにより、当該攪拌軸30自体への負荷及び駆動部40への負荷を低減することができる。
【0038】
また、本実施形態では、混合槽10に粉粒体材料を投入するための投入口を、2つ設けているので、異なる2種類の材料(バージン材と粉砕材や、バージン材とマスターバッチ、添加剤等)を混合する際に、個別に投入することができる。
これにより、例えば、一つの投入口から混合槽10内に2種類の材料を投入するものと比べて、各材料の配合量等のログデータを、容易かつ確実に収集できる。
また、本実施形態では、一対の攪拌翼34,37のそれぞれを、二枚の板状羽根部材35,35,38,38を、軸本体31の周方向に沿って、均等配置した構造としているので、均等配置しない構成としたものと比べて、混合槽10内における軸方向に沿う粉粒体材料の移動が、安定してなされる。
また、本実施形態では、上記各攪拌翼34,37を構成する各板状羽根部材35,38のそれぞれを、略1/4の巻き数を構成するように、軸本体31に固着するとともに、各攪拌翼34,37の位相のずれを略90度としているので、上述のように、混合槽10内の粉粒体材料の軸方向に沿う移動が、効果的かつ安定的になされるとともに、効率的になされる。
【0039】
次に、本実施形態に係る粉粒体材料混合装置1が備える攪拌軸の一変形例について、図5〜図7に基づいて説明する。
図5(a)〜(d)は、いずれも同攪拌軸の一変形例をそれぞれ示し、それぞれ図4(e)に対応させた図、図6(a)〜(f)は、いずれも同攪拌軸の一変形例をそれぞれ示し、(a)、(c)及び(e)は、それぞれ図4(a)に対応させた図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ図4(d)に対応させた図、図7(a)〜(c)は、いずれも同攪拌軸の一変形例を示し、(a)は、図4(a)に対応させた図、(b)、は、図4(c)に対応させた図、(c)は、図4(d)に対応させた図である。
尚、上記した例との相違点は、主に、板状羽根部材の構成、或いは攪拌翼の構成であり、同様の構成については、同一符合を付して、その説明を省略あるいは簡略に説明する。
【0040】
図5(a)〜(d)では、上記各攪拌翼34,37を構成する各板状羽根部材35,38に代えて、各攪拌翼34,37を構成可能な板状羽根部材の一変形例をそれぞれ図示している。また、以下の各変形例に示す各板状羽根部材では、上記のような切欠形成された材料通過孔に代えて、板状部材に孔を開設し、該孔が材料通過孔を構成する態様としている。
すなわち、図5(a)に示す第1変形例に係る板状羽根部材135,138は、扇形状に合わせて湾曲され、長辺が扇形状の円弧方向に沿った湾曲長方形状の1つの材料通過孔136,139を有している。
また、図5(b)に示す第2変形例に係る板状羽根部材235,238は、扇形状に合わせて湾曲され、長辺が扇形状の円弧方向に沿った湾曲細長形状(スリット形状)の3つの材料通過孔236,239を有している。
【0041】
また、図5(c)に示す第3変形例に係る板状羽根部材335,338は、長辺が扇形状の半径方向に沿った細長形状(スリット形状)の5つの材料通過孔336,339を有している。
また、図5(d)に示す第4変形例に係る板状羽根部材435,438は、円形状の7つの材料通過孔436,439を有している。
上記いずれの態様においても各材料通過孔の大きさ、個数等は、上記したように、各板状羽根部材の枚数や、当該板状羽根部材により形成される巻き数、混合対象である粉粒体材料の平均粒径や流動性、安息角等に応じて適宜、設定可能であり、上記同様の空隙率となるようにしてもよい。
また、上記各材料通過孔の形状は、図例のような形状に限られず、例えば、楕円形状や半円形状等の他の形状としてもよい。
【0042】
図6(a)、(b)に示す第1変形例に係る攪拌軸300は、上記攪拌軸30とは、各攪拌翼34,37の位相のずれの程度が異なる。
すなわち、上記攪拌軸30は、略90度、位相をずらしたものであるが、本変形例では、略45度、軸廻りに位相をずらして各攪拌翼34,37を軸本体31に固着している。
このような態様では、上記した例よりも、粉粒体材料の軸方向に沿う移動の安定性にはやや劣るが、上記同様、粉粒体材料を軸方向及び軸廻りに移動させて混合が可能である。
尚、本変形例に係る攪拌軸300が備える各板状羽根部材35,38に代えて、上記した第1変形例〜第4変形例に係る各板状羽根部材を適用するようにしてもよい。
また、上記位相のずれの角度は、上記各例のように、略90度、略45度に限られず、他の角度としてもよい。
【0043】
図6(c)、(d)に示す第2変形例に係る攪拌軸301は、上記攪拌軸30とは、各攪拌翼340,370を構成する各板状羽根部材350,380の巻き数が異なる。
すなわち、本変形例では、上記各板状羽根部材350,380は、略1/3の巻き数を構成するように軸本体31にそれぞれ固着されている。つまり、上記した例の各板状羽根部材35,38よりも大きく形成されるとともに、板状羽根部材350,380のそれぞれが、軸本体31の周方向に沿って、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、略120度の範囲に亘って固着されている。
尚、材料通過孔360,390についても上記した例よりも大きく形成されている。
【0044】
また、図6(e)、(f)に示す第3変形例に係る攪拌軸302は、上記攪拌軸30とは、各攪拌翼341,371を構成する各板状羽根部材351,381の巻き数が異なる。
すなわち、本変形例では、上記各板状羽根部材351,381は、略1/5の巻き数を構成するように軸本体31にそれぞれ固着されている。つまり、上記した例の各板状羽根部材35,38よりも小さく形成されるとともに、板状羽根部材351,381のそれぞれが、軸本体31の周方向に沿って、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、略72度の範囲に亘って固着されている。
尚、材料通過孔361,391についても上記した例よりも小さく形成されている。
【0045】
上記第2変形例に係る攪拌軸301及び第3変形例に係る攪拌軸302では、上記攪拌軸30と比べて、粉粒体材料の軸方向に沿う移動の効率性にはやや劣るが、例えば、混合する粉粒体材料の流動性や安息角等によっては、これらの態様の方が混合性に優れる場合がある。
尚、上記第2変形例及び第3変形例の各攪拌軸301、302では、各攪拌翼340,370,341,371の位相のずれを略90度としているが、上記例のように、略45度としたり、それ以外の角度としたりしてもよい。
また、これら各攪拌翼340,370,341,371を構成する各板状羽根部材350,380,351,381に代えて、上記した第1変形例〜第4変形例に係る各板状羽根部材を、適宜、形状を変更して適用するようにしてもよい。
【0046】
図7(a)〜(c)に示す第4変形例に係る攪拌軸303は、上記攪拌軸30とは、各攪拌翼342,372を構成する板状羽根部材352,382の枚数が異なる。
すなわち、本変形例では、上記各攪拌翼342,372のそれぞれは、図7(b)、(c)にそれぞれ示すように、三枚の板状羽根部材352,382を、軸本体31の周方向に沿って、均等配置した構造とされている。
また、上記各攪拌翼342,372をそれぞれ構成する6枚の板状羽根部材352,382のそれぞれは、略1/6の巻き数を構成するよう、上記軸本体31に固着されている。つまり、上記した例の各板状羽根部材35,38よりも小さく形成されるとともに、板状羽根部材352,382のそれぞれが、軸本体31の周方向に沿って、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、略60度の範囲に亘って固着されている。
尚、材料通過孔362,392についても上記した例よりも小さく形成されている。
【0047】
また、上記蓋側攪拌翼342と、上記駆動側攪拌翼372とは、図7(b)及び図7(c)に示すように、略60度、位相をずらして上記軸本体31に固着されている。
このような構成とされた各攪拌翼342,372では、上記攪拌軸30と同様、図7(a)に示すように、側面視(蓋部材20側又は駆動部40側から見た状態)において、各板状羽根部材352,382の左右縁部(軸方向に略直交する方向に沿った縁部)が、隙間なく配置されたような構成となる。
このように、各攪拌翼342,372をそれぞれ三枚の板状羽根部材352,382によって構成することで、上記攪拌軸30よりも軸方向に沿う粉粒体材料の移動はやや小さくなるが、より細かく軸方向に沿う移動が繰り返される。
【0048】
尚、本変形例では、位相のずれを略60度としているが、それ以外の角度としてもよい。
また、各攪拌翼342,372を構成する各板状羽根部材352,382に代えて、上記した第1変形例〜第4変形例に係る各板状羽根部材を、適宜、形状を変更して適用するようにしてもよい。
さらに、本変形例では、上記攪拌軸30,300と同様、各攪拌翼342,372を構成する各板状羽根部材352,382が形成する巻き数を、その枚数を2倍した値の逆数となるようにしているが、それ以外の巻き数としてもよい。例えば、それぞれの板状羽根部材342,372が、略1/4〜略1/8程度の巻き数を構成するような態様としてもよい。
【0049】
尚、上記各攪拌軸30,300,301,302,303では、各攪拌翼を構成する板状羽根部材の枚数を、2枚或いは3枚としたものを例示しているが、これ以外の枚数としてもよい。各攪拌翼を構成する板状羽根部材の枚数は、混合性の観点から1枚〜4枚程度とすることが好ましい。
例えば、1枚の板状羽根部材で各攪拌翼を構成した場合は、各攪拌翼を、略180度、位相をずらして上記軸本体に固着するような態様としてもよい。また、この場合は、各板状羽根部材が、略1/2の巻き数を構成するような態様としてもよい。
また、4枚の板状羽根部材で各攪拌翼を構成した場合は、各板状羽根部材を上記同様、軸本体の周方向に沿って均等配置し、各攪拌翼を、略45度、位相をずらして上記軸本体に固着するような態様としてもよい。また、この場合は、各板状羽根部材が、略1/8の巻き数を構成するような態様としてもよい。
【0050】
すなわち、好ましくは、各攪拌翼を構成する板状羽根部材の枚数を1枚〜4枚とし、これら各板状羽根部材を軸本体の周方向に沿って均等配置し、また、位相のずれを、180を、板状羽根部材の枚数で除して得た値の角度とするようにしてもよい。さらに、板状羽根部材のそれぞれが略1/2〜略1/8程度の巻き数を構成するよう、板状羽根部材のそれぞれを軸本体に固着するようにしてもよい。この場合において、より好ましくは、板状羽根部材の枚数を、2倍した値の逆数の巻き数を構成するよう、板状羽根部材を軸本体に固着するようにしてもよい。
【0051】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図8(a)、(b)は、いずれも第2実施形態に係る粉粒体材料混合装置を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略左側面図である。
尚、図8(b)では、蓋部材を図示省略している。
また、上記第1実施形態との相違点は、主に、混合槽の構成であり、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略あるいは簡略に説明する。
【0052】
本実施形態に係る粉粒体材料混合装置100では、混合槽110の形状が上記第1実施形態とは異なる。
すなわち、混合槽110の横向き筒状とされた筒状本体111は、図8(b)に示すように、下半部が半円筒形状とされた略U字形状とされている。
つまり、上記第1実施形態では、横向き円筒形状とされた筒状本体11の内周壁11aが、その全周に亘って、上記攪拌軸30の各板状羽根部材35,38の外周縁部(軸方向に沿った縁部)の周囲に、所定のクリアランスを設けて近接して配置された態様とされている。一方、本実施形態では、内周壁11aの半円筒形状とされた下半部が、上記攪拌軸30の各板状羽根部材35,38の外周縁部(軸方向に沿った縁部)の周囲に、所定のクリアランスを設けて近接して配置された態様とされている。
上記第1実施形態のように、横向き円筒形とされた混合槽10の方が混合の効率性の観点から好ましいが、本実施形態のように、少なくとも下半部が横向き円筒形状とされた混合槽110としてもよい。
【0053】
また、蓋部材200の蓋本体211も、筒状本体111に合わせた形状とされている。
さらに、本実施形態では、ベース部140を筒状本体111の下部の略中央に配置し、排出口140aが、筒状本体111の下部の略中央部に位置するように設けられている。
このような態様によれば、上述のように、混合槽110内に貯留された粉粒体材料は、一対の攪拌翼34,37によって、攪拌、混合されながら、徐々に、中央に向けて移送されるので、略中央部に設けられた排出口140aより、その排出がスムーズになされる。
【0054】
尚、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の攪拌軸30を図示しているが、該攪拌軸30に代えて、上記した各変形例に係る攪拌軸300,301,302,303等を設けるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態に係る粉粒体材料混合装置1が備える排出口14aを、本実施形態のように、混合槽10の下部の略中央部に設けるようにしてもよく、或いは、上記第1実施形態に係る粉粒体材料混合装置1が備える混合槽10を、本実施形態のように、下半部が半円筒形状とされた略U字形状のものとしてもよい。
さらに、上記各実施形態では、粉粒体材料混合装置1,100の混合槽10,110の上部に2つの独立した材料投入管を設けた例を示しているが、材料投入管を1つのみ設けるようにしてもよい。或いは、上部の全体を開放させて、ホッパー形状の材料投入部を形成するような態様としてもよい。または、3つ以上の材料投入管を設ける、すなわち、3つ以上の投入口を設けるような態様としてもよい。
さらにまた、上記各実施形態では、粉粒体材料混合装置1,100の混合槽10,110の一端部を着脱自在に閉塞する蓋部材20,200を備えた例を示しているが、このような蓋部材20,200を設けない態様としてもよい。
【0055】
また、上述の図3に基づいて説明した粉粒体材料の混合態様の例では、攪拌軸30を、所定の一方向(蓋部材20側から見て時計回り)に回転させることで、いずれか一方の攪拌翼の領域に存在する粉粒体材料を、他方の攪拌翼側に向けて移送するようにして、混合する態様、すなわち、各攪拌翼によって混合槽10内の粉粒体材料を、中央に向けて移送するような態様を例示しているが、適宜、回転を反転させるようにしてもよい。すなわち、一方向のみの回転によって混合する態様に代えて、例えば、タイマー制御等によって、正転(一方向への回転)、逆転(他方向への回転)を繰り返すことで、混合するような態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る粉粒体材料混合装置の一実施形態を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略平面図である。
【図2】(a)、(b)は、いずれも同粉粒体材料混合装置を示し、(a)は、概略左側面図、(b)は、一部分解概略左側面図である。
【図3】(a)〜(c)は、いずれも同粉粒体材料混合装置が備える攪拌軸の一例を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、(a)の状態から軸廻りに45度回転させた状態を示す概略正面図、(c)は、(a)の状態から軸廻りに90度回転させた状態を示す概略正面図である。
【図4】(a)〜(e)は、いずれも同攪拌軸を説明するための説明図であり、(a)は、概略左側面図、(b)は、概略右側面図、(c)は、図3(a)におけるX1−X1線矢視概略縦断面図、(d)は、図3(a)におけるX2−X2線矢視概略縦断面図、(e)は、攪拌翼を構成する板状羽根部材の概略展開平面図である。
【図5】(a)〜(d)は、いずれも同攪拌軸の一変形例をそれぞれ示し、それぞれ図4(e)に対応させた図である。
【図6】(a)〜(f)は、いずれも同攪拌軸の一変形例をそれぞれ示し、(a)、(c)及び(e)は、それぞれ図4(a)に対応させた図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ図4(d)に対応させた図である。
【図7】(a)〜(c)は、いずれも同攪拌軸の一変形例を示し、(a)は、図4(a)に対応させた図、(b)、は、図4(c)に対応させた図、(c)は、図4(d)に対応させた図である。
【図8】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る粉粒体材料混合装置の他の実施形態を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略左側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1,100 粉粒体材料混合装置
10,110 混合槽
12a,13a 投入口
14a,140a 排出口
20,200 蓋部材(混合槽)
23 軸受部(蓋部材)
30,300,301,302,303 攪拌軸
34,340,341,342 蓋側攪拌翼(攪拌翼)
35,135,235,335,435 板状羽根部材(蓋側攪拌翼)
36,136,236,336,436 材料通過孔
350,351,352 板状羽根部材(蓋側攪拌翼)
360,361,362 材料通過孔
37,370,371,372 駆動側攪拌翼(攪拌翼)
38,138,238,338,438 板状羽根部材(駆動側攪拌翼)
39,139,239,339,439 材料通過孔
380,381,382 板状羽根部材(駆動側攪拌翼)
390,391,392 材料通過孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に投入口、下部に排出口を有した横向き筒状の混合槽と、一対の攪拌翼を有し、前記混合槽内で略水平に支持された攪拌軸とを備え、
前記一対の攪拌翼には、粉粒体材料の通過を可能とする材料通過孔がそれぞれ開設され、これら一対の攪拌翼は、逆スパイラル状とされて軸方向に沿って配置されるとともに、軸廻りに位相をずらして前記攪拌軸にそれぞれ固着されていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記投入口は、独立した2つの投入口とされていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記排出口は、前記混合槽の下部の略中央部に設けられていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記混合槽の一端部には、前記攪拌軸の一端部を回転自在に支持する軸受部を有した蓋部材が着脱自在に取り付けられており、
前記攪拌軸は、前記蓋部材を脱離させることによって、前記混合槽から取外し自在とされていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記一対の攪拌翼のそれぞれは、同枚数の板状羽根部材を、前記攪拌軸の周方向に沿って、均等配置した構造とされていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記位相のずれは、180を、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数で除して得た値の角度であることを特徴とする粉粒体材料混合装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記板状羽根部材のそれぞれは、前記各攪拌翼を構成する前記板状羽根部材の枚数を、2倍した値の逆数の巻き数を構成するよう、前記攪拌軸に固着されていることを特徴とする粉粒体材料混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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