説明

粘着ゴミ取りロール

【課題】 従来の粘着ゴミ取りロールでは、ロール外周面にゴミが接着すると帯状シートの巻き終り端部が見えにくくなり、汚れたロール表層部分を剥がす作業が難しくなる。
【解決手段】 片面に粘着剤21を塗布した帯状シート2を巻回してなるロール体1の外面から芯管3に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目4を形成した粘着ゴミ取りロールにおいて、ロール体1の端面12における不連続切目4が形成された位置に、該不連続切目4の位置を示す目印5を設けていることにより、ロール外周面がゴミで汚れて巻き終り端部20が見えにくくなっても、上記目印5により巻き終り端部20の位置を簡単に見つけることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、外周面に粘着剤を塗布した帯状シートをロール状に巻回してなる粘着ゴミ取りロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の粘着ゴミ取りロールとして、図4〜図5に示すものが知られている。尚、この種(図4〜図5)の粘着ゴミ取りロールの先行技術文献としては、例えば特開2003−61884号公報(特許文献1)に示されるものがある。
【0003】
図4〜図5に示す従来の粘着ゴミ取りロールは、片面に粘着剤21を塗布した帯状シート2を粘着剤塗布面が外面になる状態で芯管3の回りに巻回してロール体1を形成する一方、該ロール体1の外面から芯管3に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目(ミシン目)4を形成して構成されている。
【0004】
この従来の粘着ゴミ取りロールは、操作ハンドル6の軸61部分に装着して、ロール外周面11を掃除したい被清掃面(カーペットや床面等)に転動させることにより、ゴミD(図5)をロール外周面の粘着剤塗布面に接着させ得るようになっている。そして、ロール外周面11がゴミDで汚れると、巻き終り端部20から帯状シート2を次の不連続切目4まで剥がして、該不連続切目4で切除することにより、ロール外周面に新しい粘着剤塗布面を露出させることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−61884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種の粘着ゴミ取りロールにおいて、不連続切目4部分は、単にミシン目加工をしただけであるので識別しにくいものである。又、帯状シート2の巻き終り端部20は、順次不連続切目4を切断した部分に位置するが、この巻き終り端部20はロール外周面に接着したままであるので識別しにくいものである。
【0007】
そして、ロール表層の使用済みシート部分(一単位長さ)を剥ぎ取る際には、帯状シート2の巻き終り端部20から剥がしていくが、該巻き終り端部20は識別しにくい(見つけにくい)とともに、該巻き終り端部20がどの方向に巻き終えているのかわかりにくい。特に、使用後はロール外周面11の全周(粘着剤塗布面)にゴミDが接着しているので、その接着ゴミDによって帯状シート2の巻き終り端部20が一層見えにくくなる。
【0008】
従って、従来の粘着ゴミ取りロールでは、ロール外周面11の使用済みシート部分を剥ぎ取る作業(巻き終り端部20を見つけ出す作業)が難しいとともに時間がかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本願発明は、ロール表層の汚れたシート部分(一単位長さ)を剥ぎ取る際に、帯状シートの巻き終り端部を容易に見つけることができるようにした粘着ゴミ取りロールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、カーペットや床面等のゴミをロール外周面に接着させるための粘着ゴミ取りロールを対象にしている。
【0011】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の粘着ゴミ取りロールは、片面に粘着剤を塗布した帯状シートを粘着剤塗布面が外面になる状態で芯管の回りに巻回してロール体を形成し、該ロール体の外面から芯管に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目を形成したものである。
【0012】
帯状シート、芯管、粘着剤等は、この種の粘着ゴミ取りロールとして従来から汎用されている材質のものが使用できる。尚、帯状シートに塗布される粘着剤は、一般に帯状シートの幅方向両端の所定小範囲の幅(例えば5mm程度の幅)には塗布されていない(無粘着部となっている)。
【0013】
そして、本願の粘着ゴミ取りロールでは、ロール体の少なくとも一方の端面における不連続切目が形成された位置に、該不連続切目の位置を示す目印を設けている。この不連続切目位置を示す目印は、ロール体の一方の端面のみでもよいが、両方の端面に設けることが好ましい。又、この目印は、幅が例えば2〜5mm程度でロール体端面の外端から芯管端面に至る範囲に形成するとよい。尚、この目印は、識別し得るものであれば例えばロール体端面に掘り溝加工をしたものも採用できるが、インクで印刷したものが簡単且つ安価である。
【0014】
本願の粘着ゴミ取りロールは、その芯管内に操作ハンドルの軸(回転体つき)を挿入し、該操作ハンドルのグリップ部を握って、ロール外周面を被清掃面(カーペットや床面等)に転動させることにより、粘着剤塗布面にゴミを接着させ得るようになっている。又、ロール外周面がゴミで汚れると、巻き終り端部から帯状シートを次の不連続切目まで剥がして、該不連続切目で切除することにより、ロール外周面に新しい粘着剤塗布面を露出させることができる。
【0015】
ところで、帯状シートの巻き終り端部は順次不連続切目部分に位置するが、この不連続切目部分は、ロール外周面からは識別しにくく且つロール外周面がゴミで汚れていると一層見えにくくなる(巻き終り端部がロール外周面のどの位置にあるかわかりにくい)。
【0016】
そこで、本願の粘着ゴミ取りロールでは、ロール体の端面に不連続切目の位置を示す目印を設けているので、巻き終り端部(不連続切目の位置にある)が見えにくくても該目印を見つけることにより、該巻き終り端部の位置を容易に確認できる。
【0017】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、請求項1の粘着ゴミ取りロールにおいて、帯状シートの外面に、帯状シートの巻き終り端部の剥がし方向を示す表示を施している。この剥がし方向を示す表示は、帯状シートの幅方向両端部の無粘着部に施しておくと、そこにはゴミが接着しないので該表示がゴミで見えなくなることがない。又、この表示は、剥がし方向に矢印を印刷したものでよい。
【0018】
本願発明の粘着ゴミ取りロールでは、上記請求項1のようにロール体端面に不連続切目(巻き終り端部)の位置を示す目印を設けているので、巻き終り端部の位置を容易に確認できるが、該巻き終り端部の位置を確認しても該巻き終り端部がいずれの方向に巻き終わっているか(どちらに巻き解けばよいか)見分けにくい。そこで、この請求項2のように、帯状シート外面に巻き終り端部の剥がし方向を示す表示を施しておけば、該巻き終り端部の剥がし方向を知ることができる。
【発明の効果】
【0019】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の粘着ゴミ取りロールでは、ロール体端面に不連続切目(帯状シートの巻き終り端部が位置する)の位置を示す目印を設けているので、ロール外周面がゴミで汚れて不連続切目(巻き終り端部)が見えにくくなっても、該目印を見ることで巻き終り端部の位置を容易に確認できる。
【0020】
このように、請求項1の粘着ゴミ取りロールでは、ゴミで汚れた外周部の帯状シート(一単位長さ)を剥がす際に、該帯状シートの巻き終り端部を容易に見つけ出すことができるので、汚れた帯状シート部分の剥がし作業が容易になるという効果がある。
【0021】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の粘着ゴミ取りロールでは、帯状シート外面に巻き終り端部の剥がし方向を示す表示を施しているので、上記請求項1のように巻き終り端部を見つけ出した後に、上記表示により巻き終り端部の剥がし方向が容易に確認できる。
【0022】
従って、この請求項2の粘着ゴミ取りロールでは、上記請求項1の効果に加えて、汚れた帯状シート部分の剥がし作業が一層容易になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図3を参照して本願の実施例を説明すると、この実施例の粘着ゴミ取りロールは、従来の汎用品と同様に、片面に粘着剤21を塗布した帯状シート2を粘着剤塗布面が外面になる状態で芯管3の回りに巻回してロール体1を形成し、該ロール体1の外面から芯管3に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目4を形成したものである。
【0024】
帯状シート2には、紙、プラスチックシート等が使用可能であるが、一般に比較的強靭に紙が使用されている。帯状シート2に塗布される粘着剤21は、一般にホットメルトタイプのものが使用されている。芯管3は、一般に紙製のものが使用されている。尚、芯管3の外径は、例えば40〜50mm程度のものが一般的である。
【0025】
帯状シート2の片面(外面)には、シート幅の両端にそれぞれ小範囲の幅W(図2)ずつ無粘着部22,22を残して全面に粘着剤21が塗布されている。帯状シート2における粘着剤塗布面の裏側には、剥離処理剤が塗布されていて、該帯状シート2をロール状に巻回した状態でシート裏面に粘着剤21が強く接着しないようにしている。
【0026】
帯状シート2におけるシート幅両端の各無粘着部22,22部分には、その外面に巻き終り端部20の剥がし方向を示す表示23,23を施している。このように各表示23,23をそれぞれ無粘着部22,22に施したものでは、該無粘着部22部分にゴミD(図3)が接着しないので該表示23が見えなくなることがない。尚、この表示23,23は、帯状シート2の長さ方向に所定小間隔をもって矢印を印刷したものでよい。
【0027】
そして、この粘着剤付き帯状シート2は、粘着剤塗布面が外面になる状態で芯管3の回りに所定長さだけ巻回してロール体1を構成している。尚、芯管3に巻回された帯状シート2の外径は、一般に50〜60mm程度のものが多い。
【0028】
ロール状に巻回された帯状シート2部分には、その外面から芯管3に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目(ミシン目)4が形成されているが、この不連続切目4は、帯状シート2をロール状に巻回した後に、ミシン目刃をロール体1の外面からロール体軸心に向けて芯管3に達するまで打ち込んで一気に形成される。従って、この各不連続切目4は、ロールシートの内外各層の同位置に形成されている。
【0029】
各不連続切目4は、この実施例では、図2に拡大図示するように切線部41,41・・が長く(例えば図2の寸法L=10〜15mm)、その間の連続部42,42・・が短小(例えば図2の寸法M=1〜2mm)に形成されている。又、不連続切目4におけるシート幅の一方の端部2aは、該シート端縁から符号N(図2)で示すように3〜4mm程度の短小長さだけ連続部(非切断部)43とし、該シート幅の他方の端部2bは、該シート端縁に達する位置まで切断部41としている。
【0030】
このように、不連続切目4におけるシート幅の一方の端部2aを小長さ(3〜4mm程度)の連続部43としていると、剥がし時において巻き終り端部20の角部20aを摘まむときに下のシートを摘まむことができず、確実に表面の1枚(巻き終り端部20の角部20a)だけを剥がすことができる。又、帯状シート2を不連続切目4で切断する際には、切断部41を形成している側のシート端部2bから切断すれば容易に切断できる。
【0031】
この実施例の粘着ゴミ取りロールには、ロール体1の左右両端面12,12に、それぞれ不連続切目4の位置を示す目印5,5を付している。この各目印5,5は、インクで印刷したもので、幅が例えば2〜5mm程度だけロール体端面12の外端から芯管3の端面に至る範囲に形成されている。尚、この目印5,5は、ロール体1に不連続切目4を形成する際に(ロール体1が固定された状態で)、それと同時又は前後して印刷するとよい。
【0032】
この実施例の粘着ゴミ取りロールは、図1又は図3に示すように、その芯管3内に操作ハンドル6の軸(回転体つき)61を挿入し、該操作ハンドル6のグリップ部62を握って、ロール外周面11を被清掃面(カーペットや床面等)に転動させることにより、ロール外周の粘着剤塗布面21にゴミD(図3)を接着させ得るようになっている。又、ロール外周面11がゴミDで汚れると、巻き終り端部20から帯状シート2を次の不連続切目4まで剥がして、該不連続切目4で切除することにより、ロール外周面11に新しい粘着剤塗布面21を露出させることができる。
【0033】
ところで、帯状シート2の巻き終り端部20は順次不連続切目4部分に位置するが、この巻き終り端部20は、ロール外周面11からは識別しにくく且つロール外周面11がゴミd(図3)で汚れていると一層見えにくくなる(巻き終り端部20がロール外周面11のどの位置にあるかわかりにくい)。
【0034】
そこで、上記のようにロール体1の端面12,12に不連続切目4の位置を示す目印5,5を付設しておくと、巻き終り端部20(不連続切目4の位置にある)が見えにくくても該目印5を見つけることにより、該巻き終り端部20の位置を容易に確認できる。従って、汚れたロール表層部分を剥がす際に、巻き終り端部20を見つけ易くなる。
【0035】
又、ロール外周面11がゴミDで汚れると、巻き終り端部20が見えにくくなって、該巻き終り端部20の剥がし方向がわかりにくくなるが、帯状シート2の各無粘着部22,22に巻き終り端部20の剥がし方向を示す表示(矢印)23,23を施しているので、巻き終り端部20の剥がし方向を容易に確認できる。従って、帯状シート2を正確に(間違わずに)剥がすことができる。
【0036】
又、汚れた表層部分の帯状シート2を剥がすには、図2に鎖線図示(符号20a′)するように巻き終り端部20の角部20aから剥がしていくが、その際に不連続切目4におけるシート端部に連続部43がある側(符号2a側)の角部を摘まむようにすると、下のシートの端部に切目がないので下のシートを同時に摘まむことがない(正確に表面の1枚のみを剥がせる)。尚、不連続切目4で帯状シート2を切断するには、該帯状シート2を1単位の長さだけ巻き解いた後、シート端部に切断部41がある側(符号2b側)から不連続切目4を切断すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本願実施例の粘着ゴミ取りロールの斜視図である。
【図2】図1の粘着ゴミ取りロールの一部拡大図である。
【図3】図1のA矢視図である。
【図4】従来の粘着ゴミ取りロールの斜視図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1はロール体、2は帯状シート、3は芯管、4は不連続切目(ミシン目)、5は目印、11はロール外周面、12はロール端面、20は巻き終り端部、21は粘着剤、22は無粘着部、23は剥がし方向を示す表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に粘着剤(21)を塗布した帯状シート(2)を粘着剤塗布面が外面になる状態で芯管(3)の回りに巻回してロール体(1)を形成し、該ロール体(1)の外面から前記芯管(3)に達する深さまでシート切り離し用の不連続切目(4)を形成した粘着ゴミ取りロールにおいて、
前記ロール体(1)の少なくとも一方の端面(12)における前記不連続切目(4)が形成された位置に、該不連続切目(4)の位置を示す目印(5)を設けた、
ことを特徴とする粘着ゴミ取りロール。
【請求項2】
請求項1において、帯状シート(2)の外面に、帯状シート(2)の巻き終り端部(20)の剥がし方向を示す表示(23)を施している、
ことを特徴とする粘着ゴミ取りロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−245(P2009−245A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163237(P2007−163237)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(507180711)
【Fターム(参考)】