粘着式クリーナ
【課題】粘着テープロールおよび巻芯を安全にワンタッチで取り外すことができる粘着式クリーナを提供する。
【解決手段】粘着テープロール2を支持する支持ローラ6の軸支端(図3では左端)に、粘着テープロール2を支持ローラ6に係止するロック手段としての弾性片66を設ける。
【解決手段】粘着テープロール2を支持する支持ローラ6の軸支端(図3では左端)に、粘着テープロール2を支持ローラ6に係止するロック手段としての弾性片66を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着面が表側を向くように巻回された粘着テープロールを、専用の清掃具を用いて清掃する粘着式クリーナに関し、さらに詳しく言えば、清掃具から粘着テープロールをワンタッチで取り外すことができる粘着テープロールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すように、粘着式クリーナは、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が表側を向くようにロール状に巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを回動可能に支持する清掃具本体とを有し、清掃具本体に設けられたグリップを手で把持して、カーペットなどの被清掃面上で粘着テープロールを転がすことによって、被清掃面上のゴミを粘着面で補足することができる。
【0003】
清掃具本体には、粘着テープロールを支持するための支持ローラが設けられている。特許文献1において、支持ローラは、グリップから引き出された金属製シャフトの一端に回動自在に取り付けられた樹脂製の筒体からなり、支持ローラの自由端側から粘着テープロールを差し込むことで、支持ローラに保持されるようになっている。
【0004】
ところで、支持ローラには、粘着テープロールが抜け落ちないようにするためのロック手段が設けられている。このロック手段として、特許文献1には、支持ローラの自由端側に粘着テープロール抜け止め用のストッパーが設けられている。
【0005】
ストッパーは、2本のすり割り溝で形成された弾性片の先端に支持ローラの外径方向に向かって係止爪を有し、係止爪が粘着テープロールの巻芯の端縁を係止することにより、粘着テープロールの軸方向への移動が規制されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このストッパには、次のような問題があった。すなわち、特許文献1のストッパには、各弾性片の先端同士を薄板で連結した連結板を備えており、この連結板の中央部分を押圧することにより、各弾性片の先端が巻芯の内径側に倒れ込み、係止爪によるロックが解除されるようになっている。
【0007】
これによれば、ワンタッチで使用済みの巻芯を支持ローラから取り外すことができる。しかしながら、この連結板は、支持ローラの自由端側に設けられているため、巻芯を抜き取る際に、勢い余ると、巻芯が指に当たって怪我をするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−067564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、粘着テープロールおよび巻芯を安全にワンタッチで取り外すことができる粘着式クリーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明は以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項1に記載の発明は、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が外側を向くように巻回してなる粘着テープロールと、上記粘着テープロールを支持する清掃具本体とを備え、上記清掃具本体は、上記粘着テープロールを支持する支持ローラと、上記支持ローラを回転可能に軸支するシャフトとを有する粘着式クリーナにおいて、上記支持ローラには、上記粘着テープロールを上記支持ローラに係止するロック手段と、上記ロック手段を解除するロック解除手段とが設けられており、上記ロック解除手段は、上記支持ローラの上記シャフトの軸支端側に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1において、上記支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2において、上記弾性片にはさらに、上記弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2において、上記支持ローラにはさらに、上記弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4において、上記粘着テープロールは、中心に上記粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、上記巻芯には、上記係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1において、上記ロック手段として、上記支持ローラの自由端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、上記ロック解除手段として、上記支持ローラには、一端が上記係止片に連結され、他端が上記支持ローラの軸線方向に沿って上記支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、上記ロック解除ロッドの他端に連結され、上記支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、上記ロック解除レバーの動きに連動して、上記係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1において、上記支持ローラの上記軸支端側には、上記粘着テープロールを内側から係止するロックリングが設けられており、上記ロックリングは、上記支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動可能に設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7において、上記ロックリングは、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが同一軸線上にある場合に、上記係止リングと上記支持ローラとは非ロック状態となり、上記ロックリングを回して、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが非同一直線状にある場合に、上記ロックリングの外周の一部が上記支持ローラの外周よりも外側に張り出すことにより、上記粘着テープロールの内径を係止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、支持ローラのシャフトの軸支端側に粘着テープロールと支持ローラとのロック手段を解除するロック解除手段を設けたことにより、粘着テープロールを安全かつスムーズに抜き取ることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることにより、何もしない場合は、弾性片の弾性復元力によって粘着テープロールを支持ローラに係止しておくことができ、弾性片を内側に可撓させるだけで粘着テープロールをワンタッチで取り外すことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、弾性片にはさらに、弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることにより、経年使用によって弾性片がへたって、係止効果が低下するのを防止することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、支持ローラには、弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることにより、弾性片が経年使用によってへたって、係止効果が低下するのを防止することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、粘着テープロールは、中心に粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、巻芯には係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることにより、係止凸部を係止孔に嵌合させることにより、粘着テープロールと支持ローラとの係止をより強固にすることができる。
【0023】
請求項6に記載によれば、ロック手段として、支持ローラの自由端側には、支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、ロック解除手段として、支持ローラには、一端が係止片に連結され、他端が支持ローラの軸線方向に沿って支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、ロック解除ロッドの他端に連結され、支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、ロック解除レバーの動きに連動して、係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することにより、支持ローラの自由端側に設けられたロック手段を、反対側(軸支端側)に設けられたロック解除レバーを操作してロックを解除することができる。
【0024】
請求項7および8に記載の発明によれば、支持ローラの軸支端側に支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動するロックリングを設けたことにより、ロックリングを回転させると、ロックリングの外周の一部が支持ローラの外周よりも外側に張り出すため、粘着テープロールの内側から固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る粘着式クリーナの斜視図。
【図2】上記粘着式クリーナの第1実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図および(c)左側面図。
【図3】上記第1実施形態の支持ローラに粘着テープロールを取り付けた状態の断面図。
【図4】上記第1実施形態の支持ローラのロックを解錠した状態の断面図。
【図5】(a)巻芯の変形例を示す模式図、(b)巻芯と支持ローラの係止状態を説明する模式図。
【図6】弾性片に補強リブを設けた状態の模式図。
【図7】(a)C字状に形成されたバネ部材の斜視図および(b)バネ部材を支持ローラに取り付けた状態の模式的な断面図。
【図8】(a)コ字状に形成されたバネ部材の斜視図および(b)バネ部材を支持ローラに取り付けた状態の模式的な断面図。
【図9】弾性片の変形例を示す模式図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図,(c)左側面図および(d)右側面図
【図11】第2実施形態の支持ローラの要部断面図。
【図12】上記第2実施形態の支持ローラのロックを解錠した状態の断面図。
【図13】本発明の第3実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図および左側面図。
【図14】上記第3実施形態の支持ローラとロックリングの取付状態を説明する要部断面図。
【図15】ロックリングの係止機構について説明する説明図。
【図16】ロックリングを回してロックした状態の(a)左側面図および(b)正面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
図1に示すように、この粘着式クリーナ1は、粘着面21が表側を向くように巻回された粘着テープロール2と、同粘着テープロール2を回動可能に支持する清掃具本体3とを備えている。
【0028】
通常、この粘着式クリーナ1には、粘着式クリーナ1の未使用時に、粘着テープロール2の粘着面21を保護するための図示しない保護カバーが設けられているが、本発明において、保護カバーは任意的事項であり、その図示や説明は省略する。
【0029】
粘着テープロール2は、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面21を有する粘着テープを、その粘着面が表側を向くように巻芯22に沿って多重に巻回したものからなる。粘着テープロール2には、ほぼ1周長毎に汚れた粘着テープを切り剥がすための切れ目(図示しない)が設けられている。
【0030】
本発明において、粘着テープロール2は、あくまで清掃用として粘着面が表側を向くように巻回されていればよく、粘着剤の材質や厚さ、粘着面のパターン形状、または切れ目の有無や形状などについては、任意に選択されてよい。
【0031】
この例において、巻芯22は、いわゆる紙管であって、その巻芯22を中心に粘着テープがロール状に多重巻回されている。なお、巻芯22は、紙管以外に樹脂などを用いてもよい。さらには、巻芯22を持たずに、粘着テープのみをロール状に巻回する、いわゆるコアレスタイプであってもよい。
【0032】
清掃具本体3は、手によって把持されるグリップ部4と、同グリップ部4の一端(図1では下端)に連結されるシャフト5と、シャフト5の他端側に同軸的に回動可能に連結される支持ローラ6とを備えている。
【0033】
図1に示すように、グリップ部4は、合成樹脂製の成型品からなり、手で把持しやすいよう若干扁平な棒状に形成されている。この実施形態において、グリップ部4の上端側には、この粘着式クリーナ1を例えばフックなどの吊下具に吊り下げて保管するためのフック孔41が設けられている。
【0034】
この例において、グリップ部4は、合成樹脂製で断面が楕円形状のストレート棒体からなるが、金属製であってもよいし、形状はT字状やL字状などであってもよい。また、さらに手で把持しやすいように表面に凹凸や梨地処理などを施してもよく、グリップ部4の具体的な材質や形状は、仕様に応じて任意に変更されてよい。
【0035】
図1に示すように、シャフト5は、一端側から他端側にかけて所定形状に折曲もしくは湾曲された金属棒からなる。シャフト5は、支持ローラ6を回動可能に軸支する軸支部51と、軸支部51からほぼU字状に折り曲げられた湾曲部52と、湾曲部52から折曲部53を介してほぼ直角に折り曲げられ、グリップ部4に同軸的に接続されるステム54とから構成されている。
【0036】
この例において、ステム54は、グリップ部4と粘着テープロール2との長さを自在に変えられる入れ子式の伸縮パイプからなる。これによれば、ステム54を長く調節することにより、立ったままの姿勢で床を清掃することができる。
【0037】
逆に、ステム54を短く調節することで、テーブルやソファなどの手元を清掃することができる。この例において、ステム54は入れ子式の伸縮手段を備えているが、その伸縮手段は特に限定されない、また伸縮性のない単なる棒状であってもよい。
【0038】
この実施形態において、シャフト5は、金属棒を折り曲げもしくは湾曲して形成されているが、これ以外にプレス成形などで成型してもよい。また、シャフト5は金属製以外に樹脂製であってもよい。本発明において、シャフト5の具体的な構成は、任意であってよい。
【0039】
次に、図2を参照しながら、第1実施形態の支持ローラ6について説明する。この支持ローラ6は、合成樹脂の成型品からなり、全体が粘着テープロール2の内周面に沿って挿通可能な筒状に形成されている。
【0040】
支持ローラ6は、粘着テープロール2の軸線方向に沿って平行に架け渡される一対の支持板61a,61bと、同支持板61a,61bの端面を覆う端板62a,62bとを備えている。支持板61a,61bおよび端板62a,62bは、射出成形によって一体成形されている。
【0041】
支持板61a,61bは、粘着テープロール2の軸線方向に沿って延在する断面T字状の梁部材であって、回転軸線を挟んで対称に配置されている。支持板61a,61bの一部には、補強用のリブ611,611が軸線方向に沿って所定の間隔をもって2箇所設けられている。
【0042】
支持板61a,61bは、円周方向の外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されている。すなわち、この例において、支持板61a,61bは断面T字状であり、その辺の頂点を結ぶ外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されている。
【0043】
この例において、支持板61a,61bはともに同一形状で、断面T字状に形成されているが、外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されていれば、その数と形状は仕様に応じて任意であってよい。
【0044】
端板62a,62bは、粘着テープロール2の内径とほぼ同径の外径を有する円盤体からなり、支持板61a,61bの端部を塞ぐように取り付けられている。2枚の端板62a,62bの内、一方の端板62a(図2(a)では左端)には、シャフト5の軸支部51が差し込まれる軸受孔621が同軸的に設けられている。
【0045】
他方の端板62b(図2(a)では右端)には、支持ローラ6を粘着テープロール2の内径に沿って挿入する際の案内役となるガイドキャップ63が設けられている。ガイドキャップ63は、円筒状に形成されており、その先端には粘着テープロール2を差し込みやすいようにテーパ面631が形成されている。この例において、ガイドキャップ63は、端板62bと一体成形されているが、別体であってもよい。本発明において、ガイドキャップ63の構成は任意であってよい。
【0046】
支持板61a,61bを挟んで軸線方向のほぼ中央には、シャフト5の軸支部51を軸受する軸受部64が設けられている。軸受部64は、支持板61a,61bとともに一体成形されており、内部に図示しない金属製の軸受部材が設けられている。この軸受部64に沿って、軸支部51が同軸的に差し込まれることにより、支持ローラ6は、軸受部64の軸線を中心に回動するようになっている。
【0047】
シャフト5が差し込まれる軸支端側(図2では左端)の端板62aには、粘着テープロール2の他端側を支持するエンドキャップ65が設けられている。エンドキャップ65は、端板62aに一体成形された円筒状を呈し、その終端には、粘着テープロール2の一端(終端側)を受け止める係止爪651が設けられている。係止爪651は、差し込まれた粘着テープロール2が支持ローラ6を通り過ぎて、軸支部65側に抜け出ないようにするためのストッパーである。
【0048】
エンドキャップ65には、粘着テープロール2を支持ローラ6に係止するための弾性片66,66が設けられている。弾性片66,66は、エンドキャップ65の軸線方向に沿って形成された2本のすり割り溝661,661によって形成される弾性変形可能な舌片からなり、自由端(図2(a)では左端)が、支持ローラ6の軸線方向に沿って張り出すように形成されている。
【0049】
弾性片66,66は、その外周が粘着テープロール2の内径に沿って差し込まれるため、円弧状に形成されており、その外周面には、粘着テープロール2の内周面を押圧して係止する係止凸部662が設けられている。
【0050】
係止凸部662は、弾性片66の外周面から半径方向の外側に向かって張り出された断面半円状の凸部からなり、その頂部が粘着テープロール2の内径よりも外側に位置するように形成されている。
【0051】
これによれば、図3に示すように、粘着テープロール2を支持ローラ6の自由端側(図3では右端側)から差し差し込んでゆくと、粘着テープロール2の先端がエンドキャップ65の係止爪651に引っ掛かり止まる。
【0052】
その際、弾性片66の係止凸部662が巻芯22によって内径方向に押し下げられるとともに、その弾性復元力によって、係止凸部662が巻芯22を押圧する。これにより、粘着テープロール2と支持ローラ6との間の摩擦係数が高められ、粘着テープロール2が自由端側に抜け落ちることが防止される。
【0053】
粘着テープロール2(使用済みの場合は巻芯22)を支持ローラ6から取り外すに当たっては、図4に示すように、例えば親指と人差し指で各弾性片66,66を挟むようにつまみ、そのまま弾性片66,66を内径方向に押し込む。
【0054】
これにより、係止凸部662が巻芯22の内径よりもさらに内側に押し下げられることで、係止凸部662によるロックが解除される。ロックを解除した状態で、片方の手で粘着テープ2を抜き取るか、支持ローラ6の自由端側を下に向けることで、ワンタッチで粘着テープロール2を支持ローラ6から抜き取ることができる。
【0055】
この例において、弾性片66,66は2箇所設けられているが、粘着テープロール2を支持ローラ6に固定するには、少なくとも1箇所設けられていればよい。また、係止凸部662に変えて、弾性片66の厚みを基端側から自由端側に向かうにつれて、粘着テープロール2の内径方向に向かって漸次高くするように形成してもよい。
【0056】
粘着テープロール2と支持ローラ6との結合をより確実にする方法の1つとして、図5(a)に示すように、巻芯22の一部に開口部221を設けて、その開口部221に係止凸部662を合致させるようにしてもよい。
【0057】
これによれば、開口部221に係止凸部662が入り込むことにより、粘着テープロール2の抜け止め効果がさらに向上する。なお、この例において、開口部221は貫通孔であるが、係止凸部662が入り込むことが可能な形状であれば、凹部であってもよい。さらには、巻芯22の内周面に沿って形成された環状の凹溝であってもよい。
【0058】
また、長期間にわたって使用した際、弾性片66,66がへたってくるおそれがある。そこで、図6に示すように、弾性片66,66のへたりを防止するため、弾性片66,66の内径側に補強リブ663,663を設けてもよい。
【0059】
これによれば、補強リブ663,663によって弾性片66,66の剛性が保たれるため、長期間にわたって弾性片66,66が変形した状態にあってもクリープ変形によってへたりが生じることを防止できる。なお、補強リブ663,663は、指によって変形させやすいように、基端側から先端側に向かうにつれて、その高さが漸次小さくなるように形成されていることが好ましい。このような態様も本発明に含まれる。
【0060】
弾性片66,66のへたりを防止する別の方法としては、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が用いられてもよい。図7に示すように、このバネ部材7aは、金属板をC字状に折り曲げてなる板バネ部材からなり、エンドキャップ65の内周面に沿って配置されている。
【0061】
これによれば、バネ部材7aの弾性復元力によって、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧することができ、へたりを防止することができる。また、このバネ部材の変形例として、図8に示すように、金属板をコ字状に折り曲げたバネ部材7bが用いられてもよい。
【0062】
この場合、コ字状に折り曲げられた両端部分を弾性片66,66の内側に沿って配置することにより、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧することができ、へたりを抑えることができる。このような態様も本発明に含まれる。
【0063】
さらに別な態様として、図9に示すように、弾性片66,66を囲むようにさらに別の弾性片からなる操作片67,67を設けてもよい。これによれば、操作片67,67を内側へ押し込むことで、弾性片66,66を同時に押し込むことができ、弾性片66,66の剛性を高めた場合であっても、簡単に弾性片66,66を変形させることができる。
【0064】
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る支持ローラについて説明する。第2実施形態に係る支持ローラ8は、両端に端板81a,81bを有するローラ本体81を備えている。ローラ本体81は合成樹脂の成型品からなる。ローラ本体81の中心には、軸支部51が差し込まれる軸受部811が設けられている。
【0065】
支持ローラ8の端板81bには、図示しないシャフトの軸支部が差し込まれる軸受孔812が同軸的に設けられている。
【0066】
同ローラ本体81の一方の端板81a(図10(a)では右端)には、粘着テープロール2の一端側に係止する第1ストッパー82が設けられている。第1ストッパー82は、端板81aの周縁から軸線方向に沿って延設された一対の弾性係止片821,821からなる。
【0067】
弾性係止片821,821は、その先端に粘着テープロール2の内縁に沿って係止されるフック部822が設けられている。フック部822は、その頂部が粘着テープロール2の内径よりも外側に向かって張り出されており、これにより、弾性係止片821とフック部822との段差面に粘着テープロール2の内縁が係止されるようになっている。
【0068】
弾性係止片822の内面には、後述する解除ロッド84の一端が係止される連結アーム823が設けられている。連結アーム823は、弾性係止片822の内径側の面から中心方向に向かって一体的に延設されており、その先端に解除ロッド84が連結されるリンク824が設けられている。
【0069】
ローラ本体82の他方の端板81b(図10(a)では左端)には、粘着テープロール2の他端側を係止する第2ストッパー83が設けられている。第2ストッパー83は、端板81bの周縁から軸方向に沿って一体的に突設され、粘着テープロール2の内径に沿って差し込まれる円筒部831を有し、円筒部831の先端には、粘着テープロール2の他方の内縁に沿って係止されるフック部832が設けられている。
【0070】
ローラ本体82には、その軸線方向に沿ってスライドする解除ロッド84と、解除ロッド84を前後にスライドさせるための解除レバー85とからなるロック解除手段が設けられている。
【0071】
図10および図11に示すように、解除ロッド84は、ローラ本体81の軸線方向に沿って配置されており、一端側841(図11では右端)はくの字状に折り曲げられ、上述した第1ストッパー82の連結アーム823に連結されている。
【0072】
解除ロッド84の他端842は、第2ストッパー83の内側に向けて引き出されており、その先端が後述する解除レバー85に連結されている。解除ロッド84は、1つの弾性係止片82に対して1つ連結され、この例では2本設けられている。
【0073】
解除レバー85は、L字型を呈する合成樹脂製で、一方の片が端板81bに沿って配置され、他方の片が端板81bから垂直(すなわち、軸線方向に沿って平行)に突設されている。解除レバー85のL字状の屈曲部には、上述した解除ロッド84の他端が連結されている。
【0074】
これによれば、図12に示すように、粘着テープロール2が支持ローラ8に取り付けられている状態においては、粘着テープロール2は、その両端が支持ローラ8の両端に設けられたフック部822,832によって係止されるため、軸方向の移動が規制されたロック状態となる。
【0075】
ロックを解除するに当たっては、軸支端側(図12では左端側)に設けられた解除レバー85を内側に押し倒すと、解除レバー85の他端が端板81bに当接しているため、解除ロッド84の連結部が軸線方向に沿って持ち上げられる。
【0076】
これに伴い、解除ロッド84が、軸支端側(図12では左側)にスライドするのに併せて、解除ロッド84の先端に連結された連結アーム823を介して、弾性係止片821が、その弾性力に抗して内側に引き込まれる。
【0077】
これにより、弾性係止片821の先端が粘着テープロール2の内径よりも内側に倒伏することで、粘着テープロール2の自由端側のロックが解除され、軸線方向に引き抜くことができる。
【0078】
次に、図13〜16を参照して、本発明の第3実施形態に係る支持ローラについて説明する。図13(a)〜(c)および図14に示すように、この支持ローラ9は、上記第1および第2実施形態と同様に合成樹脂の成型品からなり、筒状のローラ本体91と、同ローラ本体91の軸支端側(図13(a)では左端側)に配置されるロックリング92とを備えている。
【0079】
ローラ本体91の基本的な構成は、上述した第2実施形態のローラ本体と同じであるため、以下においては、その説明を省略する。なお、ローラ本体91の自由端側(図13(a)では右端側)は図面上省略されているが、先端には上述した第1実施形態のガイドキャップ63と同一のものが設けられている。
【0080】
ローラ本体91の軸支端側(図14では左端)には、端板91aが設けられており、端板91aにはローラ本体91をシャフト5の軸支部51が差し込まれる軸受孔911が設けられている。この軸受孔911に軸支部51が差し込まれることにより、軸支部511の軸線L1を中心に同軸的に回転するようになっている。この例において、端板91aの外径は、粘着テープロール2の内径とほぼ同径である。
【0081】
端板91aにはさらに、ロックリング92が回動可能に取り付ける軸受部912が設けられている。軸受部912は、ロックリング92に設けられた軸受孔921が差し込まれる円筒状を呈し、軸受孔911に対して回転軸が長さLだけ偏心して配置されている。
【0082】
図13(c)に示すように、軸受部912は、90°間隔で4分割されており、軸方向の高さが異なる第1軸受部912b,912bと、第2軸受部912a,912aとが中心軸L2を挟んで対称となるように設けられている。
【0083】
第1軸受部912bは、第2軸受部912aよりも軸方向長さが長く形成されており、第2軸受部912aの一部に後述するツマミ部913,913を合致させることで、その高さギャップを利用して、ロックリング92が90°で回転が止まるように規制することができるようになっている。
【0084】
ロックリング92は、その外径が粘着テープロール2の内径とほぼ同径の円筒状を呈し、中央には、端板91aの軸受部912に差し込まれる軸受孔921が設けられている。図13(c)に示すように、ロックリング92の内径面には、ロックリング92を回転させる際に指で操作されるツマミ部913,913が中心軸を挟んで対称的に設けられている。
【0085】
図14に示すように、ツマミ部913,913は、ロックリング92の端面(図14では左端面)から他端側に向かって軸線方向に沿って延設されたリブからなり、他端側が第1軸受部912aの頂部と、第2軸受部912bの頂部との間に入る長さに形成されている。
【0086】
これによれば、図14に示すように、ツマミ部913,913が第2軸受部912aの間に入り込むことにより、ツマミ部913の側面が、第1軸受部912bの側面に当接されることで、90°で回転が止まるように規制される。
【0087】
図15を参照して、ロックリング92のロック機構について説明する。まず、図15(a)に示すように、非ロック状態にあるロックリング92は、端板91aの外径と同一軸線上となり、互いに重なり合うため、粘着テープロール2は非係止状態となる。
【0088】
これに対して、図15(b)に示すように、ロックリング92を90°回転させると、ロックリング92が偏心軸である軸受部912を中心に回転することで、ロックリング92の一部が端板91aの外周からはみ出る。これにより、図16に示すように、粘着テープロール2の内径が押圧され、粘着テープロール2が支持ローラ9に固定される。
【0089】
この例において、ロックリング92は、単に端板91aに90°回動するように取り付けられているため、緩みなどが生じやすい。そこで、よりロックを強固に維持するため、ロックリング92を常にロック方向に付勢する付勢手段がさらに設けられていてもよい。
【0090】
上述した第1および第3実施形態において、各支持ローラは、粘着テープロール3の軸方向長さとほぼ同じ長さを有し、粘着テープロール2全体に差し込まれるようになっているが、例えば粘着テープロール2の軸方向長さの半分程度の長さであってもよい。
【0091】
すなわち、第1および第3実施形態においては、粘着テープロール2の軸支端側にロック手段が設けられているので、自由端側を拘束することなく、粘着テープロール2を支持ローラに対して確実に係止することができるためである。
【符号の説明】
【0092】
1 粘着式クリーナ
2 粘着テープロール
3 清掃具本体
4 グリップ部
5 シャフト
6 支持ローラ(第1実施形態)
7a,7b バネ部材
8 支持ローラ(第2実施形態)
9 支持ローラ(第3実施形態)
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着面が表側を向くように巻回された粘着テープロールを、専用の清掃具を用いて清掃する粘着式クリーナに関し、さらに詳しく言えば、清掃具から粘着テープロールをワンタッチで取り外すことができる粘着テープロールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すように、粘着式クリーナは、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が表側を向くようにロール状に巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを回動可能に支持する清掃具本体とを有し、清掃具本体に設けられたグリップを手で把持して、カーペットなどの被清掃面上で粘着テープロールを転がすことによって、被清掃面上のゴミを粘着面で補足することができる。
【0003】
清掃具本体には、粘着テープロールを支持するための支持ローラが設けられている。特許文献1において、支持ローラは、グリップから引き出された金属製シャフトの一端に回動自在に取り付けられた樹脂製の筒体からなり、支持ローラの自由端側から粘着テープロールを差し込むことで、支持ローラに保持されるようになっている。
【0004】
ところで、支持ローラには、粘着テープロールが抜け落ちないようにするためのロック手段が設けられている。このロック手段として、特許文献1には、支持ローラの自由端側に粘着テープロール抜け止め用のストッパーが設けられている。
【0005】
ストッパーは、2本のすり割り溝で形成された弾性片の先端に支持ローラの外径方向に向かって係止爪を有し、係止爪が粘着テープロールの巻芯の端縁を係止することにより、粘着テープロールの軸方向への移動が規制されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このストッパには、次のような問題があった。すなわち、特許文献1のストッパには、各弾性片の先端同士を薄板で連結した連結板を備えており、この連結板の中央部分を押圧することにより、各弾性片の先端が巻芯の内径側に倒れ込み、係止爪によるロックが解除されるようになっている。
【0007】
これによれば、ワンタッチで使用済みの巻芯を支持ローラから取り外すことができる。しかしながら、この連結板は、支持ローラの自由端側に設けられているため、巻芯を抜き取る際に、勢い余ると、巻芯が指に当たって怪我をするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−067564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、粘着テープロールおよび巻芯を安全にワンタッチで取り外すことができる粘着式クリーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明は以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項1に記載の発明は、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が外側を向くように巻回してなる粘着テープロールと、上記粘着テープロールを支持する清掃具本体とを備え、上記清掃具本体は、上記粘着テープロールを支持する支持ローラと、上記支持ローラを回転可能に軸支するシャフトとを有する粘着式クリーナにおいて、上記支持ローラには、上記粘着テープロールを上記支持ローラに係止するロック手段と、上記ロック手段を解除するロック解除手段とが設けられており、上記ロック解除手段は、上記支持ローラの上記シャフトの軸支端側に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1において、上記支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2において、上記弾性片にはさらに、上記弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2において、上記支持ローラにはさらに、上記弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4において、上記粘着テープロールは、中心に上記粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、上記巻芯には、上記係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1において、上記ロック手段として、上記支持ローラの自由端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、上記ロック解除手段として、上記支持ローラには、一端が上記係止片に連結され、他端が上記支持ローラの軸線方向に沿って上記支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、上記ロック解除ロッドの他端に連結され、上記支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、上記ロック解除レバーの動きに連動して、上記係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1において、上記支持ローラの上記軸支端側には、上記粘着テープロールを内側から係止するロックリングが設けられており、上記ロックリングは、上記支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動可能に設けられていることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7において、上記ロックリングは、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが同一軸線上にある場合に、上記係止リングと上記支持ローラとは非ロック状態となり、上記ロックリングを回して、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが非同一直線状にある場合に、上記ロックリングの外周の一部が上記支持ローラの外周よりも外側に張り出すことにより、上記粘着テープロールの内径を係止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、支持ローラのシャフトの軸支端側に粘着テープロールと支持ローラとのロック手段を解除するロック解除手段を設けたことにより、粘着テープロールを安全かつスムーズに抜き取ることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることにより、何もしない場合は、弾性片の弾性復元力によって粘着テープロールを支持ローラに係止しておくことができ、弾性片を内側に可撓させるだけで粘着テープロールをワンタッチで取り外すことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、弾性片にはさらに、弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることにより、経年使用によって弾性片がへたって、係止効果が低下するのを防止することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、支持ローラには、弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることにより、弾性片が経年使用によってへたって、係止効果が低下するのを防止することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、粘着テープロールは、中心に粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、巻芯には係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることにより、係止凸部を係止孔に嵌合させることにより、粘着テープロールと支持ローラとの係止をより強固にすることができる。
【0023】
請求項6に記載によれば、ロック手段として、支持ローラの自由端側には、支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、ロック解除手段として、支持ローラには、一端が係止片に連結され、他端が支持ローラの軸線方向に沿って支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、ロック解除ロッドの他端に連結され、支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、ロック解除レバーの動きに連動して、係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することにより、支持ローラの自由端側に設けられたロック手段を、反対側(軸支端側)に設けられたロック解除レバーを操作してロックを解除することができる。
【0024】
請求項7および8に記載の発明によれば、支持ローラの軸支端側に支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動するロックリングを設けたことにより、ロックリングを回転させると、ロックリングの外周の一部が支持ローラの外周よりも外側に張り出すため、粘着テープロールの内側から固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る粘着式クリーナの斜視図。
【図2】上記粘着式クリーナの第1実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図および(c)左側面図。
【図3】上記第1実施形態の支持ローラに粘着テープロールを取り付けた状態の断面図。
【図4】上記第1実施形態の支持ローラのロックを解錠した状態の断面図。
【図5】(a)巻芯の変形例を示す模式図、(b)巻芯と支持ローラの係止状態を説明する模式図。
【図6】弾性片に補強リブを設けた状態の模式図。
【図7】(a)C字状に形成されたバネ部材の斜視図および(b)バネ部材を支持ローラに取り付けた状態の模式的な断面図。
【図8】(a)コ字状に形成されたバネ部材の斜視図および(b)バネ部材を支持ローラに取り付けた状態の模式的な断面図。
【図9】弾性片の変形例を示す模式図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図,(c)左側面図および(d)右側面図
【図11】第2実施形態の支持ローラの要部断面図。
【図12】上記第2実施形態の支持ローラのロックを解錠した状態の断面図。
【図13】本発明の第3実施形態に係る支持ローラの(a)正面図,(b)平面図および左側面図。
【図14】上記第3実施形態の支持ローラとロックリングの取付状態を説明する要部断面図。
【図15】ロックリングの係止機構について説明する説明図。
【図16】ロックリングを回してロックした状態の(a)左側面図および(b)正面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
図1に示すように、この粘着式クリーナ1は、粘着面21が表側を向くように巻回された粘着テープロール2と、同粘着テープロール2を回動可能に支持する清掃具本体3とを備えている。
【0028】
通常、この粘着式クリーナ1には、粘着式クリーナ1の未使用時に、粘着テープロール2の粘着面21を保護するための図示しない保護カバーが設けられているが、本発明において、保護カバーは任意的事項であり、その図示や説明は省略する。
【0029】
粘着テープロール2は、基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面21を有する粘着テープを、その粘着面が表側を向くように巻芯22に沿って多重に巻回したものからなる。粘着テープロール2には、ほぼ1周長毎に汚れた粘着テープを切り剥がすための切れ目(図示しない)が設けられている。
【0030】
本発明において、粘着テープロール2は、あくまで清掃用として粘着面が表側を向くように巻回されていればよく、粘着剤の材質や厚さ、粘着面のパターン形状、または切れ目の有無や形状などについては、任意に選択されてよい。
【0031】
この例において、巻芯22は、いわゆる紙管であって、その巻芯22を中心に粘着テープがロール状に多重巻回されている。なお、巻芯22は、紙管以外に樹脂などを用いてもよい。さらには、巻芯22を持たずに、粘着テープのみをロール状に巻回する、いわゆるコアレスタイプであってもよい。
【0032】
清掃具本体3は、手によって把持されるグリップ部4と、同グリップ部4の一端(図1では下端)に連結されるシャフト5と、シャフト5の他端側に同軸的に回動可能に連結される支持ローラ6とを備えている。
【0033】
図1に示すように、グリップ部4は、合成樹脂製の成型品からなり、手で把持しやすいよう若干扁平な棒状に形成されている。この実施形態において、グリップ部4の上端側には、この粘着式クリーナ1を例えばフックなどの吊下具に吊り下げて保管するためのフック孔41が設けられている。
【0034】
この例において、グリップ部4は、合成樹脂製で断面が楕円形状のストレート棒体からなるが、金属製であってもよいし、形状はT字状やL字状などであってもよい。また、さらに手で把持しやすいように表面に凹凸や梨地処理などを施してもよく、グリップ部4の具体的な材質や形状は、仕様に応じて任意に変更されてよい。
【0035】
図1に示すように、シャフト5は、一端側から他端側にかけて所定形状に折曲もしくは湾曲された金属棒からなる。シャフト5は、支持ローラ6を回動可能に軸支する軸支部51と、軸支部51からほぼU字状に折り曲げられた湾曲部52と、湾曲部52から折曲部53を介してほぼ直角に折り曲げられ、グリップ部4に同軸的に接続されるステム54とから構成されている。
【0036】
この例において、ステム54は、グリップ部4と粘着テープロール2との長さを自在に変えられる入れ子式の伸縮パイプからなる。これによれば、ステム54を長く調節することにより、立ったままの姿勢で床を清掃することができる。
【0037】
逆に、ステム54を短く調節することで、テーブルやソファなどの手元を清掃することができる。この例において、ステム54は入れ子式の伸縮手段を備えているが、その伸縮手段は特に限定されない、また伸縮性のない単なる棒状であってもよい。
【0038】
この実施形態において、シャフト5は、金属棒を折り曲げもしくは湾曲して形成されているが、これ以外にプレス成形などで成型してもよい。また、シャフト5は金属製以外に樹脂製であってもよい。本発明において、シャフト5の具体的な構成は、任意であってよい。
【0039】
次に、図2を参照しながら、第1実施形態の支持ローラ6について説明する。この支持ローラ6は、合成樹脂の成型品からなり、全体が粘着テープロール2の内周面に沿って挿通可能な筒状に形成されている。
【0040】
支持ローラ6は、粘着テープロール2の軸線方向に沿って平行に架け渡される一対の支持板61a,61bと、同支持板61a,61bの端面を覆う端板62a,62bとを備えている。支持板61a,61bおよび端板62a,62bは、射出成形によって一体成形されている。
【0041】
支持板61a,61bは、粘着テープロール2の軸線方向に沿って延在する断面T字状の梁部材であって、回転軸線を挟んで対称に配置されている。支持板61a,61bの一部には、補強用のリブ611,611が軸線方向に沿って所定の間隔をもって2箇所設けられている。
【0042】
支持板61a,61bは、円周方向の外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されている。すなわち、この例において、支持板61a,61bは断面T字状であり、その辺の頂点を結ぶ外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されている。
【0043】
この例において、支持板61a,61bはともに同一形状で、断面T字状に形成されているが、外接円が粘着テープロール2の内径とほぼ同じとなるように配置されていれば、その数と形状は仕様に応じて任意であってよい。
【0044】
端板62a,62bは、粘着テープロール2の内径とほぼ同径の外径を有する円盤体からなり、支持板61a,61bの端部を塞ぐように取り付けられている。2枚の端板62a,62bの内、一方の端板62a(図2(a)では左端)には、シャフト5の軸支部51が差し込まれる軸受孔621が同軸的に設けられている。
【0045】
他方の端板62b(図2(a)では右端)には、支持ローラ6を粘着テープロール2の内径に沿って挿入する際の案内役となるガイドキャップ63が設けられている。ガイドキャップ63は、円筒状に形成されており、その先端には粘着テープロール2を差し込みやすいようにテーパ面631が形成されている。この例において、ガイドキャップ63は、端板62bと一体成形されているが、別体であってもよい。本発明において、ガイドキャップ63の構成は任意であってよい。
【0046】
支持板61a,61bを挟んで軸線方向のほぼ中央には、シャフト5の軸支部51を軸受する軸受部64が設けられている。軸受部64は、支持板61a,61bとともに一体成形されており、内部に図示しない金属製の軸受部材が設けられている。この軸受部64に沿って、軸支部51が同軸的に差し込まれることにより、支持ローラ6は、軸受部64の軸線を中心に回動するようになっている。
【0047】
シャフト5が差し込まれる軸支端側(図2では左端)の端板62aには、粘着テープロール2の他端側を支持するエンドキャップ65が設けられている。エンドキャップ65は、端板62aに一体成形された円筒状を呈し、その終端には、粘着テープロール2の一端(終端側)を受け止める係止爪651が設けられている。係止爪651は、差し込まれた粘着テープロール2が支持ローラ6を通り過ぎて、軸支部65側に抜け出ないようにするためのストッパーである。
【0048】
エンドキャップ65には、粘着テープロール2を支持ローラ6に係止するための弾性片66,66が設けられている。弾性片66,66は、エンドキャップ65の軸線方向に沿って形成された2本のすり割り溝661,661によって形成される弾性変形可能な舌片からなり、自由端(図2(a)では左端)が、支持ローラ6の軸線方向に沿って張り出すように形成されている。
【0049】
弾性片66,66は、その外周が粘着テープロール2の内径に沿って差し込まれるため、円弧状に形成されており、その外周面には、粘着テープロール2の内周面を押圧して係止する係止凸部662が設けられている。
【0050】
係止凸部662は、弾性片66の外周面から半径方向の外側に向かって張り出された断面半円状の凸部からなり、その頂部が粘着テープロール2の内径よりも外側に位置するように形成されている。
【0051】
これによれば、図3に示すように、粘着テープロール2を支持ローラ6の自由端側(図3では右端側)から差し差し込んでゆくと、粘着テープロール2の先端がエンドキャップ65の係止爪651に引っ掛かり止まる。
【0052】
その際、弾性片66の係止凸部662が巻芯22によって内径方向に押し下げられるとともに、その弾性復元力によって、係止凸部662が巻芯22を押圧する。これにより、粘着テープロール2と支持ローラ6との間の摩擦係数が高められ、粘着テープロール2が自由端側に抜け落ちることが防止される。
【0053】
粘着テープロール2(使用済みの場合は巻芯22)を支持ローラ6から取り外すに当たっては、図4に示すように、例えば親指と人差し指で各弾性片66,66を挟むようにつまみ、そのまま弾性片66,66を内径方向に押し込む。
【0054】
これにより、係止凸部662が巻芯22の内径よりもさらに内側に押し下げられることで、係止凸部662によるロックが解除される。ロックを解除した状態で、片方の手で粘着テープ2を抜き取るか、支持ローラ6の自由端側を下に向けることで、ワンタッチで粘着テープロール2を支持ローラ6から抜き取ることができる。
【0055】
この例において、弾性片66,66は2箇所設けられているが、粘着テープロール2を支持ローラ6に固定するには、少なくとも1箇所設けられていればよい。また、係止凸部662に変えて、弾性片66の厚みを基端側から自由端側に向かうにつれて、粘着テープロール2の内径方向に向かって漸次高くするように形成してもよい。
【0056】
粘着テープロール2と支持ローラ6との結合をより確実にする方法の1つとして、図5(a)に示すように、巻芯22の一部に開口部221を設けて、その開口部221に係止凸部662を合致させるようにしてもよい。
【0057】
これによれば、開口部221に係止凸部662が入り込むことにより、粘着テープロール2の抜け止め効果がさらに向上する。なお、この例において、開口部221は貫通孔であるが、係止凸部662が入り込むことが可能な形状であれば、凹部であってもよい。さらには、巻芯22の内周面に沿って形成された環状の凹溝であってもよい。
【0058】
また、長期間にわたって使用した際、弾性片66,66がへたってくるおそれがある。そこで、図6に示すように、弾性片66,66のへたりを防止するため、弾性片66,66の内径側に補強リブ663,663を設けてもよい。
【0059】
これによれば、補強リブ663,663によって弾性片66,66の剛性が保たれるため、長期間にわたって弾性片66,66が変形した状態にあってもクリープ変形によってへたりが生じることを防止できる。なお、補強リブ663,663は、指によって変形させやすいように、基端側から先端側に向かうにつれて、その高さが漸次小さくなるように形成されていることが好ましい。このような態様も本発明に含まれる。
【0060】
弾性片66,66のへたりを防止する別の方法としては、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が用いられてもよい。図7に示すように、このバネ部材7aは、金属板をC字状に折り曲げてなる板バネ部材からなり、エンドキャップ65の内周面に沿って配置されている。
【0061】
これによれば、バネ部材7aの弾性復元力によって、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧することができ、へたりを防止することができる。また、このバネ部材の変形例として、図8に示すように、金属板をコ字状に折り曲げたバネ部材7bが用いられてもよい。
【0062】
この場合、コ字状に折り曲げられた両端部分を弾性片66,66の内側に沿って配置することにより、弾性片66,66を常に外周方向に向けて押圧することができ、へたりを抑えることができる。このような態様も本発明に含まれる。
【0063】
さらに別な態様として、図9に示すように、弾性片66,66を囲むようにさらに別の弾性片からなる操作片67,67を設けてもよい。これによれば、操作片67,67を内側へ押し込むことで、弾性片66,66を同時に押し込むことができ、弾性片66,66の剛性を高めた場合であっても、簡単に弾性片66,66を変形させることができる。
【0064】
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る支持ローラについて説明する。第2実施形態に係る支持ローラ8は、両端に端板81a,81bを有するローラ本体81を備えている。ローラ本体81は合成樹脂の成型品からなる。ローラ本体81の中心には、軸支部51が差し込まれる軸受部811が設けられている。
【0065】
支持ローラ8の端板81bには、図示しないシャフトの軸支部が差し込まれる軸受孔812が同軸的に設けられている。
【0066】
同ローラ本体81の一方の端板81a(図10(a)では右端)には、粘着テープロール2の一端側に係止する第1ストッパー82が設けられている。第1ストッパー82は、端板81aの周縁から軸線方向に沿って延設された一対の弾性係止片821,821からなる。
【0067】
弾性係止片821,821は、その先端に粘着テープロール2の内縁に沿って係止されるフック部822が設けられている。フック部822は、その頂部が粘着テープロール2の内径よりも外側に向かって張り出されており、これにより、弾性係止片821とフック部822との段差面に粘着テープロール2の内縁が係止されるようになっている。
【0068】
弾性係止片822の内面には、後述する解除ロッド84の一端が係止される連結アーム823が設けられている。連結アーム823は、弾性係止片822の内径側の面から中心方向に向かって一体的に延設されており、その先端に解除ロッド84が連結されるリンク824が設けられている。
【0069】
ローラ本体82の他方の端板81b(図10(a)では左端)には、粘着テープロール2の他端側を係止する第2ストッパー83が設けられている。第2ストッパー83は、端板81bの周縁から軸方向に沿って一体的に突設され、粘着テープロール2の内径に沿って差し込まれる円筒部831を有し、円筒部831の先端には、粘着テープロール2の他方の内縁に沿って係止されるフック部832が設けられている。
【0070】
ローラ本体82には、その軸線方向に沿ってスライドする解除ロッド84と、解除ロッド84を前後にスライドさせるための解除レバー85とからなるロック解除手段が設けられている。
【0071】
図10および図11に示すように、解除ロッド84は、ローラ本体81の軸線方向に沿って配置されており、一端側841(図11では右端)はくの字状に折り曲げられ、上述した第1ストッパー82の連結アーム823に連結されている。
【0072】
解除ロッド84の他端842は、第2ストッパー83の内側に向けて引き出されており、その先端が後述する解除レバー85に連結されている。解除ロッド84は、1つの弾性係止片82に対して1つ連結され、この例では2本設けられている。
【0073】
解除レバー85は、L字型を呈する合成樹脂製で、一方の片が端板81bに沿って配置され、他方の片が端板81bから垂直(すなわち、軸線方向に沿って平行)に突設されている。解除レバー85のL字状の屈曲部には、上述した解除ロッド84の他端が連結されている。
【0074】
これによれば、図12に示すように、粘着テープロール2が支持ローラ8に取り付けられている状態においては、粘着テープロール2は、その両端が支持ローラ8の両端に設けられたフック部822,832によって係止されるため、軸方向の移動が規制されたロック状態となる。
【0075】
ロックを解除するに当たっては、軸支端側(図12では左端側)に設けられた解除レバー85を内側に押し倒すと、解除レバー85の他端が端板81bに当接しているため、解除ロッド84の連結部が軸線方向に沿って持ち上げられる。
【0076】
これに伴い、解除ロッド84が、軸支端側(図12では左側)にスライドするのに併せて、解除ロッド84の先端に連結された連結アーム823を介して、弾性係止片821が、その弾性力に抗して内側に引き込まれる。
【0077】
これにより、弾性係止片821の先端が粘着テープロール2の内径よりも内側に倒伏することで、粘着テープロール2の自由端側のロックが解除され、軸線方向に引き抜くことができる。
【0078】
次に、図13〜16を参照して、本発明の第3実施形態に係る支持ローラについて説明する。図13(a)〜(c)および図14に示すように、この支持ローラ9は、上記第1および第2実施形態と同様に合成樹脂の成型品からなり、筒状のローラ本体91と、同ローラ本体91の軸支端側(図13(a)では左端側)に配置されるロックリング92とを備えている。
【0079】
ローラ本体91の基本的な構成は、上述した第2実施形態のローラ本体と同じであるため、以下においては、その説明を省略する。なお、ローラ本体91の自由端側(図13(a)では右端側)は図面上省略されているが、先端には上述した第1実施形態のガイドキャップ63と同一のものが設けられている。
【0080】
ローラ本体91の軸支端側(図14では左端)には、端板91aが設けられており、端板91aにはローラ本体91をシャフト5の軸支部51が差し込まれる軸受孔911が設けられている。この軸受孔911に軸支部51が差し込まれることにより、軸支部511の軸線L1を中心に同軸的に回転するようになっている。この例において、端板91aの外径は、粘着テープロール2の内径とほぼ同径である。
【0081】
端板91aにはさらに、ロックリング92が回動可能に取り付ける軸受部912が設けられている。軸受部912は、ロックリング92に設けられた軸受孔921が差し込まれる円筒状を呈し、軸受孔911に対して回転軸が長さLだけ偏心して配置されている。
【0082】
図13(c)に示すように、軸受部912は、90°間隔で4分割されており、軸方向の高さが異なる第1軸受部912b,912bと、第2軸受部912a,912aとが中心軸L2を挟んで対称となるように設けられている。
【0083】
第1軸受部912bは、第2軸受部912aよりも軸方向長さが長く形成されており、第2軸受部912aの一部に後述するツマミ部913,913を合致させることで、その高さギャップを利用して、ロックリング92が90°で回転が止まるように規制することができるようになっている。
【0084】
ロックリング92は、その外径が粘着テープロール2の内径とほぼ同径の円筒状を呈し、中央には、端板91aの軸受部912に差し込まれる軸受孔921が設けられている。図13(c)に示すように、ロックリング92の内径面には、ロックリング92を回転させる際に指で操作されるツマミ部913,913が中心軸を挟んで対称的に設けられている。
【0085】
図14に示すように、ツマミ部913,913は、ロックリング92の端面(図14では左端面)から他端側に向かって軸線方向に沿って延設されたリブからなり、他端側が第1軸受部912aの頂部と、第2軸受部912bの頂部との間に入る長さに形成されている。
【0086】
これによれば、図14に示すように、ツマミ部913,913が第2軸受部912aの間に入り込むことにより、ツマミ部913の側面が、第1軸受部912bの側面に当接されることで、90°で回転が止まるように規制される。
【0087】
図15を参照して、ロックリング92のロック機構について説明する。まず、図15(a)に示すように、非ロック状態にあるロックリング92は、端板91aの外径と同一軸線上となり、互いに重なり合うため、粘着テープロール2は非係止状態となる。
【0088】
これに対して、図15(b)に示すように、ロックリング92を90°回転させると、ロックリング92が偏心軸である軸受部912を中心に回転することで、ロックリング92の一部が端板91aの外周からはみ出る。これにより、図16に示すように、粘着テープロール2の内径が押圧され、粘着テープロール2が支持ローラ9に固定される。
【0089】
この例において、ロックリング92は、単に端板91aに90°回動するように取り付けられているため、緩みなどが生じやすい。そこで、よりロックを強固に維持するため、ロックリング92を常にロック方向に付勢する付勢手段がさらに設けられていてもよい。
【0090】
上述した第1および第3実施形態において、各支持ローラは、粘着テープロール3の軸方向長さとほぼ同じ長さを有し、粘着テープロール2全体に差し込まれるようになっているが、例えば粘着テープロール2の軸方向長さの半分程度の長さであってもよい。
【0091】
すなわち、第1および第3実施形態においては、粘着テープロール2の軸支端側にロック手段が設けられているので、自由端側を拘束することなく、粘着テープロール2を支持ローラに対して確実に係止することができるためである。
【符号の説明】
【0092】
1 粘着式クリーナ
2 粘着テープロール
3 清掃具本体
4 グリップ部
5 シャフト
6 支持ローラ(第1実施形態)
7a,7b バネ部材
8 支持ローラ(第2実施形態)
9 支持ローラ(第3実施形態)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が外側を向くように巻回してなる粘着テープロールと、上記粘着テープロールを支持する清掃具本体とを備え、上記清掃具本体には、所定のシャフトを介して回転可能に支持される片持ち式の支持ローラを有し、上記支持ローラの自由端側から上記粘着テープロールが着脱される粘着式クリーナにおいて、
上記支持ローラには、上記粘着テープロールを上記支持ローラに係止するロック手段と、上記ロック手段を解除するロック解除手段とが設けられており、上記ロック解除手段は、上記支持ローラの上記シャフトの軸支端側に設けられていることを特徴とする粘着式クリーナ。
【請求項2】
上記支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることを特徴とする粘着式クリーナ。
【請求項3】
上記弾性片にはさらに、上記弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項4】
上記支持ローラにはさらに、上記弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項5】
上記粘着テープロールは、中心に上記粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、上記巻芯には、上記係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項6】
上記ロック手段として、上記支持ローラの自由端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、
上記ロック解除手段として、上記支持ローラには、一端が上記係止片に連結され、他端が上記支持ローラの軸線方向に沿って上記支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、上記ロック解除ロッドの他端に連結され、上記支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、上記ロック解除レバーの動きに連動して、上記係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することを特徴とする請求項1に記載の粘着式クリーナ。
【請求項7】
上記支持ローラの上記軸支端側には、上記粘着テープロールを内側から係止するロックリングが設けられており、上記ロックリングは、上記支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粘着式クリーナ。
【請求項8】
上記ロックリングは、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが同一軸線上にある場合に、上記係止リングと上記支持ローラとは非ロック状態となり、上記ロックリングを回して、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが非同一直線上にある場合に、上記ロックリングの外周の一部が上記支持ローラの外周よりも外側に張り出すことにより、上記粘着テープロールの内径を係止することを特徴とする請求項7に記載の粘着式クリーナ。
【請求項1】
基材の一方の面にゴミ捕捉用の粘着面が形成された粘着テープを、その粘着面が外側を向くように巻回してなる粘着テープロールと、上記粘着テープロールを支持する清掃具本体とを備え、上記清掃具本体には、所定のシャフトを介して回転可能に支持される片持ち式の支持ローラを有し、上記支持ローラの自由端側から上記粘着テープロールが着脱される粘着式クリーナにおいて、
上記支持ローラには、上記粘着テープロールを上記支持ローラに係止するロック手段と、上記ロック手段を解除するロック解除手段とが設けられており、上記ロック解除手段は、上記支持ローラの上記シャフトの軸支端側に設けられていることを特徴とする粘着式クリーナ。
【請求項2】
上記支持ローラの上記軸支端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも1つの弾性片を有し、上記弾性片の一部には、その弾性復元力によって上記粘着テープロールの内周面を常に押圧する係止凸部が設けられており、上記弾性片を上記粘着テープロールの内径よりも内側に可撓させることにより、上記係止凸部と上記粘着テープロールの係止が解除されることを特徴とする粘着式クリーナ。
【請求項3】
上記弾性片にはさらに、上記弾性片の剛性を高めるための補強リブが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項4】
上記支持ローラにはさらに、上記弾性片を常に外周方向に向けて押圧するためのバネ部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項5】
上記粘着テープロールは、中心に上記粘着テープが巻回される巻芯をさらに備え、上記巻芯には、上記係止凸部が差し込まれる係止孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粘着式クリーナ。
【請求項6】
上記ロック手段として、上記支持ローラの自由端側には、上記支持ローラの軸線方向に突設され、弾性変形可能な少なくとも2つの係止片が設けられているとともに、
上記ロック解除手段として、上記支持ローラには、一端が上記係止片に連結され、他端が上記支持ローラの軸線方向に沿って上記支持ローラの軸支端側に延設されるロック解除ロッドと、上記ロック解除ロッドの他端に連結され、上記支持ローラの軸支端側に支持されるロック解除レバーとを有し、上記ロック解除レバーの動きに連動して、上記係止片の自由端側が上記粘着テープロールの内側に向かって可撓することを特徴とする請求項1に記載の粘着式クリーナ。
【請求項7】
上記支持ローラの上記軸支端側には、上記粘着テープロールを内側から係止するロックリングが設けられており、上記ロックリングは、上記支持ローラの回転軸に対して偏心した偏心軸を中心に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粘着式クリーナ。
【請求項8】
上記ロックリングは、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが同一軸線上にある場合に、上記係止リングと上記支持ローラとは非ロック状態となり、上記ロックリングを回して、上記ロックリングの回転軸線と上記支持ローラの回転軸線とが非同一直線上にある場合に、上記ロックリングの外周の一部が上記支持ローラの外周よりも外側に張り出すことにより、上記粘着テープロールの内径を係止することを特徴とする請求項7に記載の粘着式クリーナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−223398(P2012−223398A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94152(P2011−94152)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(390003562)株式会社ニトムズ (64)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(390003562)株式会社ニトムズ (64)
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