説明

粘着面を有する使い捨て容器

【課題】容器自体に全く変更を加えずに、使い捨て容器本来の手軽さを損なうことなく、簡単かつ安価な構造で、当該容器の風による吹き飛ばしや揺れまたは不意な力による転倒を防止する構造を実現することを課題とする。
【解決手段】平らな底面を有する容器1の場合、底面中央部に粘着剤を塗布して粘着面1aを形成させ、これをシール2で保護する。凹型底面を有する容器の場合、容器の底面に蛇腹式浮き上がり構造を有する紙構造物を結合させ、紙構造物の底面に粘着面を形成させ、これをシールで保護する。いずれの場合も、シールに切り目を入れ、容器を使用する際には、これを容易に粘着面から剥がれるようにする。粘着剤は適度な粘着力を有する一方、容器は置かれている表面から容易に持ち上げられ、また、適度な繰り返し使用においても粘着力が保持されるものが選ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風による吹き飛ばしや揺れまたは不意な力による転倒を防止することのできる使い捨て容器に関する。
【背景技術】
【0002】
紙やプラスチック製の使い捨て容器は軽量のため、特に内容物が少ないときに、風によって吹き飛ばされ、また、小さな振動や不意な力を受けた際に、容易に転倒し、内容物が周りに飛び散る欠点があった。
【0003】
これらの容器の転倒を防止するために、転倒防止用コースター(特許文献1、2)を付加する方法が提案されている。
【0004】
しかし、部品数の増加や、コスト高など、使い捨て容器本来の手軽さが損なわれる問題が新たに発生し、また、風による吹き飛ばしの問題が解消されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−016985号公報
【特許文献2】特開2002−248044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
容器自体に変更を加えずに、使い捨て容器本来の手軽さを損なうことなく、簡単かつ安価な構造で、当該容器の風による吹き飛ばしや揺れまたは不意な力による転倒を防止する構造を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
平らな底面を有する容器の場合、底面中央部に粘着剤を塗布して粘着面を形成させ、これをシールで保護する。凹型底面を有する容器の場合、容器の底面に蛇腹式浮き上がり構造を有する紙構造物を結合させ、紙構造物の底面に粘着面を形成させ、これをシールで保護する。いずれの場合も、シールに切り目を入れ、容器を使用する際には、これを容易に粘着面から剥がれるようにする。粘着剤は適度な粘着力を有する一方、容器は置かれている表面から容易に持ち上げられ、また、適度な繰り返し使用においても粘着力が保持されるものが選ばれる。
【発明の効果】
【0008】
風による吹き飛ばしや揺れまたは不意な力による転倒を防止する機能を持つ実用的な使い捨て容器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の平らな底面を有する容器の底面図である。
【図2】本発明の凹型底面を有する容器の底の部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、容器が平らな底面を有する場合と、凹型底面を有する場合の二通りの実施形態に分かれる。
【実施例1】
【0011】
図1に本発明の第1実施形態である平らな底面を有する容器の底面図を示す。容器1と、容器底面の中央に粘着剤を塗布して形成した粘着面1aと、粘着面を保護するためのシール2を有することを特徴としている。保護シールには切り目が入れられており、容器を使用する際には、これを容易に粘着面から剥がれるようになっている。粘着剤は適度な粘着力を有する一方、容器は置かれている表面から容易に持ち上げられ、また、適度な繰り返し使用においても粘着力が保持されるものが選ばれる。
【実施例2】
【0012】
図2に本発明の第2実施形態である凹型底面を有する容器の底の部分の断面図を示す。容器3と、容器の底面3aに強く結合された蛇腹式浮き上がり構造を持つ紙構造物4を有することを特徴としている。紙構造物の下面4aは粘着面であり、その表面に保護シール2が貼られていることを特徴としている。なお、図2には使用状態にある容器が示されており、容器が重なって収納されているときは、紙構造物は押されて平らな状態となっている。
【符号の説明】
【0013】
1 平らな底面を持つ容器
1a 粘着剤を塗布して形成した粘着面
2 粘着面保護シール
3 凹型底面を有する容器の底の部分
3a 凹型底面を有する容器の底面
4 蛇腹式浮き上がり構造を持つ紙構造物
4a 蛇腹式浮き上がり構造を持つ紙構造物の粘着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に平らまたは蛇腹式浮き上がり構造を持つ保護シールつき粘着面を有する容器であって、粘着面は適度な粘着力を有する一方、容器は置かれている表面から容易に持ち上げられ、また、適度な繰り返し使用においても粘着力が保持されることと、粘着面保護シールに切り目が入れられており、容器を使用する際には、これを容易に粘着面から剥がれることを特徴とする使い捨て容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−121641(P2011−121641A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299374(P2009−299374)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(510006510)
【Fターム(参考)】