説明

糖尿病状態の代謝マーカーおよびその使用法

対象の体液または組織からのサンプル中の代謝産物の量を決定するステップを含む、対象の糖尿病状態の状況を判定する新規方法を説明する。当該方法はたとえば、インスリン抵抗性、前糖尿病状態、または糖尿病状態を変化させる薬物に対する応答を診断および監視に使用される可能性がある。一態様において、本発明は、対象からのサンプル中の1種以上の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、1種以上の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6などからなる群より選択される。一部の実施形態において、この方法は、1種以上のマーカーのレベルに糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、進行、後退、および/または重症度を相関させるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2007年2月22日に出願された米国仮出願第60/902,976号、2007年5月24日に出願された米国仮出願第60/931,766号および2008年1月17日に出願された米国仮出願第61/021,853号(これらの各々は、それらの全体が参考として本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
米国では1500万人の人々が2型糖尿病に罹患している。人的観点および経済的観点の両方から、糖尿病は現在、同国で最も費用のかかる疾患の1つである。糖尿病を治療するための医療ケア及びサービスの費用は、2002年には918億ドルであったと概算されている。生産性喪失、身体障害及び早期の死によってさらに402億ドルが該疾患に起因している。毎年、新たに100万例の新たな症例が診断され、多くの人々は、心臓疾患、卒中および腎臓疾患を含む、その生命を脅かす合併症の1つを発症するまで糖尿病に罹患していることに気付いていない。
【0003】
糖尿病は、肥満症、年齢、座っていることの多い生活様式、高血圧、およびインスリン作用を遮断またはインスリン作用を拮抗する薬物の使用を含む、遺伝的因子と生活様式因子の両方に起因している。結果として、予測診断がないため、糖尿病を発症する個人の傾向を正確に判定するために使用できる因子が1つもない。2型糖尿病は現在、空腹時血漿血糖値、2時間後血漿血糖値またはランダム血漿血糖値(症状が存在する場合)によって診断される。早期2型糖尿病の人は通常、無症候性であり、自分が病気であることを認識していない可能性があり;症状が常に発生するまでに、糖尿病を管理せずに何年も生活する可能性がある。これらの症状は、発生したときに、命を脅かす合併症に関連していることが多い。糖尿病の早期治療は、合併症の発生を遅延または予防することができる。
【0004】
前糖尿病状態の治療は、一部の個人では、特に早期疾患では、疾患を低速化または逆行させることが可能である。高リスクの人での生活様式介入またはメトホルミンによる治療は、糖尿病の発生率をそれぞれ58%および31%低下させることが可能である[1]。それゆえ早期疾患進行を監視して、治療有効性を判断する血漿ベースの方法は、疾患治療を大幅に改善するであろう。
【0005】
2型糖尿病および脂質代謝
2型糖尿病の発症には2つ以上の機構が存在する[2、3]。インスリン抵抗性の発症に関与する遺伝的原因および環境的要因のすべてが知られているわけではないが、脂質代謝障害が2型糖尿病の発症に重要な役割を果たすことが示されている。空腹時血漿脂肪酸の増加は、多くの人口での肥満やインスリン抵抗性の発症に相関しており、2型糖尿病の発症の独立した予測材料である[4、5]。
【0006】
空腹時血漿脂肪酸増加とインスリン抵抗性の発症に関する1つの仮説は、脂肪組織で始まる[6−8]。肥大した脂肪細胞によって炎症性サイトカインが血漿中に放出され、フィードバックされてインスリンに対する脂肪組織や他の組織の応答を変化させる[9、10]。脂肪細胞がインスリン抵抗性になると、インスリンに応答して脂肪分解を抑制することができない。これらの脂肪細胞は、余分の脂肪を貯蔵することも不可能であり、食事後の脂肪酸の摂取が低下して、血漿中に過剰な脂肪酸をもたらす。脂肪組織によって放出された圧倒的な量の脂肪酸によって血漿レベルが上昇して、脂質は肝臓、筋肉、および膵臓を含む他の組織に向けられる。
【0007】
肝臓では、増加した脂肪酸が糖新生と肝臓からの糖排出を刺激する[11]。慢性高インスリン血症と血漿血糖濃度上昇により、脂肪酸の肝臓デノボ産生が刺激される[12、13]。デノボ産生された脂肪酸の実際の量は少ないが、糖産生を上昇させる条件は、肝脂肪酸酸化も減少させる。このことはトリグリセリドエステル化率をより高くして、超低密度リポタンパク質合成および分泌に対するトリグリセリドの有用性を向上させる。さらなる利用可能な基質と共に、インスリンに対する肝細胞応答性の低下も、超低密度リポタンパク質の放出を増加させることがある[14、15]。肝臓からさらに放出されたポタンパク質脂質は、リパーゼ活性の基質となり、血漿中への遊離脂肪酸の放出は、正のフィードバックループを生成する。
【0008】
筋肉では、遊離脂肪酸と筋肉内脂質の増加が糖代謝障害と強く相関している[16]。筋肉は、グルコース摂取を低下させることによって、それゆえ空腹時および食後血漿血糖濃度を上昇させることによって、血漿脂肪酸の慢性的上昇に応答する[17、18]。筋肉組織はまた、脂肪酸の摂取を増加させ、脂肪酸の酸化を減少させて、筋肉内脂質の増加をもたらすことがある[19−21]。筋肉の酸化容量の低下は、ミトコンドリアの機能不全によるが、これがインスリン抵抗性状態によって引き起こされるのか、またはその原因によって引き起こされるのかは不明である。
【0009】
末梢インスリン抵抗性は、明らかな糖尿病を発症せずに存在する可能性がある[22−25]。2型糖尿病の発症は、膵臓β細胞がインスリン排出を増加させることによってインスリン抵抗性を代償できないときに起きる[26]。糖尿病への進行に付随して、膵臓β細胞の消失はもちろんのこと、残存する細胞によるインスリン分泌の基本速度の上昇、そしてこれらの細胞がグルコースに応答できないことも起こる[27]。機能喪失および細胞死は、β細胞が高レベルの脂肪酸とグルコースの両方に慢性的に曝露されているためである[28−30]。筋肉と同様に、高濃度の脂肪酸に曝露されたβ細胞は、脂質酸化を低下させて、細胞内トリグリセリドを増加させている。
【0010】
2型糖尿病は、糖代謝と同様に、脂質代謝の疾患でもある[31]。インスリン抵抗性と2型糖尿病の発症には複数の機構があるが、脂質代謝の変化は共通のテーマである。個人間そして個人の群の間で厳密に脂質代謝がどのように変化するかには違いがあるが、脂質貯蔵や代謝の障害は、インスリン抵抗性を持つすべての個人でインスリン抵抗性のきわめて早期の段階で発生し、糖尿病のマーカーと見なすことができる。脂質代謝と全身脂質代謝を監視することによって、インスリン抵抗性と2型糖尿病と共に発生する脂質の変化を定義して、その変化した脂肪代謝によって患者の群を分離し、療法に応答する人を予測することができるであろう。インスリン抵抗性の発現またはインスリン感受性の診断を予測する一部の脂質が同定されている[32−37]。しかしインスリン抵抗性の予測または糖尿病状態の診断を改良する特定の脂質の組合せは先に示されていない。
【0011】
要求されるのは、前糖尿病状態とインスリン抵抗性の患者を分類、診断、および監視するために、そして糖尿病を発症するリスクに瀕した患者を同定するために使用可能な、より優れた試験方法である。
【0012】
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)は、細胞代謝で転写因子として機能する核内受容体アイソフォームの群である。受容体は細胞代謝および細胞分化に関連している。別々の遺伝子によってそれぞれ産生された3種類のPPAR:アルファ、デルタおよびガンマがある。PPARアルファは、主に肝臓、腎臓、心臓、筋肉、および脂肪組織で発現されるが、他の組織でも低レベルで発現される。PPARデルタは体中の大半の組織で発現されるが、皮膚、脂肪細胞および脳ではより高レベルで発現される。PPARガンマは、同じ遺伝子によってすべて発現されるタンパク質の3種の型を有する。ガンマ1はあらゆる組織で発現される。ガンマ2は主に脂肪組織で発現される。ガンマ3は脂肪組織、マクロファージおよび腸で発現される。
【0013】
PPARそれぞれの機能および特異性は、そのリガンド結合ドメインの形状によってはもちろんのこと、コアクチベータおよびコリプレッサによっても決定される[39、40]。PPARの内因性リガンドは、遊離脂肪酸およびエイコサノイドである。いくつかのクラスの薬物化合物がPPARの外因性リガンドである。フィブラート薬、たとえばクロフィブラートおよびフェノフィブラートはPPARアルファのリガンドであり、コレステロール障害を治療するのに使用される。チアゾリジンジオン(TZD)は、PPARガンマのリガンドであり、糖尿病状態およびリポジストロフィーを治療するのに使用される。PPARデルタのリガンドは、現在開発中であり、脂肪酸酸化を増加させて、インスリン感受性を改善するのに使用される。
【0014】
PPARの機能を修飾する薬剤としては、作用薬、部分作用薬、拮抗薬、デュアル作用薬、選択的受容体モジュレータ;そしてこれらの受容体を活性化する、または受容体の活性化を阻害する抗体などの薬剤が挙げられる。これらは、PPARのコアクチベータおよびコリプレッサの結合を変化させる薬剤を含む、PPARの転写制御下で遺伝子に影響を及ぼす薬剤も含むことがある。
【0015】
エイコサノイド
エイコサノイドは、各種の生物刺激に応答してポリエン脂肪酸から合成される。生体液や組織に存在する酸化脂質の大部分は、急性的に調節された酵素の作用によって多価不飽和脂肪酸から特異的に生合成される。得られた不安定なペルオキシド、エポキシド、またはヒドロペルオキシド誘導体をさらに変換すると、強力な生物学的効果を及ぼすことが多い一連の化合物が生じる。ヒトでは、脂肪酸のアラキドン酸が、酸素添加誘導体の最も重要な前駆体、一般にエイコサノイドと呼ばれる化合物(20炭素鎖長脂肪酸より誘導)と見なされる。動物組織中のアラキドン酸および他の脂肪酸の最初の酸素添加はたいてい、シクロオキシゲナーゼ(プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ)によって触媒され[41]、プロスタグランジンH2、ロイコトリエンA4および多様な脂肪酸ヒドロペルオキシドなどのいくつかの酸素添加誘導体をもたらす。これらの化合物は、プロスタグランジンE、D、およびFシンターゼ、トロンボキサンAシンターゼ、プロスタサイクリンシンターゼ、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼおよびロイコトリエンC4シンターゼを含む第2の酵素によってさらに修飾されて、プロスタグランジン、ロイコトリエン、およびトロンボキサンファミリの構成要素を産生することができる[42]。P−450モノオキシゲナーゼ活性は、エポキシ、ヒドロキシ、およびジヒドロキシ誘導体の形成をもたらすが、アラキドン酸および他の多価不飽和脂肪酸の非酵素的水素添加は、化合物のイソプロスタン群の形成を引き起こすことができる[43]。総合すると、エイコサノイドは、出血に応答した血小板の凝集、負傷や感染への免疫細胞の補充などの急性細胞過程から、生殖などの生理学的過程に至る、著しく多様な生物学的効果を及ぼす。驚くべきではないが、その調節不全は、炎症反応、自己免疫、癌およびアテローム性動脈硬化などの病的過程に関与することが示されている。炎症は、糖尿病の重要な構成要素であり、共存症の発症に関与している。さらに特異的なエイコサノイドがPPARに結合して、PPARを活性化する。糖尿病でのエイコサノイド産生を変化させることは、糖尿病および他の炎症状態の多価不飽和脂肪酸による治療の基礎である。
【0016】
アシルカルニチン
カルニチン(L−3−ヒドロキシトリメチルアンモニオブタノアート)は、哺乳動物細胞代謝において複数の確立された役割を備えた外因性小型代謝産物である。カルニチンの生化学機能を最も良く表現しているのが、補酵素Aからカルニチンへの活性化カルボン酸(「アシル」部分)の可逆的転移が介在する機能である。アシルカルニチンは、細胞の細胞質からの脂肪酸相当物をミトコンドリア内部に転移して、そこでベータ酸化のための基質を形成する、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1の基質を形成する。このように、アシルカルニチンの形成は、長鎖脂肪酸のミトコンドリア酸化にとって重要である。アシルカルニチンの形成および運搬の各種の態様での遺伝子における遺伝的突然変異は、多種多様の先天性代謝異常の基礎であり、先天性代謝異常の多くは血中のアシルカルニチンの過剰な蓄積によって診断される(特許文献1)[44]。このような欠陥がある個体は、各種の形の不十分な代謝エネルギーによって苦しむ。カルニチンのさらなる機能はケトンおよびアミノ酸代謝からの代謝産物の運搬にあり、短鎖アシルカルニチンの形成は細胞を潜在的に毒性のアシル−CoA癒着から保護する[45]。それゆえ細胞はカルニチンと各種の鎖長のアシルカルニチンの両方を含有して、アシルカルニチンは広範囲に及ぶ特異的アシルカルニチン(すなわちミリストイルカルニチン)で構成される。公開された文献において、総カルニチンは遊離カルニチンおよびすべてのアシルカルニチンを指す。血漿中の総カルニチンの濃度は、空腹時ヒトで増加するが、レベルは肥満および糖尿病によって低下する[46−48]。アセチルカルニチンなどの特異的アシルカルニチンの血漿レベルは、ケトンの血漿濃度と高度に相関している[46、47、49、50]。筋肉および心筋において、アシルカルニチン分子種の分布および濃度は糖尿病および虚血によって変化する[51]。1型および2型糖尿病におけるカルニチンおよびアセチルカルニチンのレベル低下によって、疾患を予防または治療するためにこれらの化合物を補充することになる(特許文献2、特許文献3)。
【0017】
本明細書で引用するすべての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイトおよびアクセション番号/データベース配列(ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の両方を含む)は、あたかも個々の刊行物、特許、特許出願、インターネットサイトおよびアクセション番号/データベース配列が参照によりそのように組み込まれるように具体的かつ個別に示されているのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が本明細書での参照により本明細書に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2003/104802号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4,362,719号明細書
【特許文献3】米国特許第7,060,295号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
一態様において、本発明は、対象からのサンプル中の1種以上の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、1種以上の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択される。一部の実施形態において、方法は、1種以上のマーカーのレベルに糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、進行、後退、および/または重症度を相関させるステップを含む。
【0020】
別の態様において、本発明は、対象からのサンプル中の1種以上の代謝産物マーカーのレベルを、対象への治療実施後に測定するステップを含む、糖尿病状態を有する対象の糖尿病状態の治療に対する応答を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、1種以上の代謝産物マーカーは:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量からなる群より選択される。
【0021】
さらなる態様において、本発明は、対象の体液からのサンプル中の脂質代謝産物の量を決定するステップを含む、対象の糖尿病状態のレベルを判定する方法をさらに提供する。一実施形態において、脂質代謝産物は、脂質クラスに存在する脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスは、遊離脂肪酸、ジグリセリド、リゾホスファチジルコリン、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される。一実施形態において、代謝産物の量は、サンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量である。一実施形態において、相対量は:(a)サンプルのトリグリセリド中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(b)サンプルの遊離脂肪酸中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(c)サンプルのホスファチジルコリン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(d)サンプルのホスファチジルエタノールアミン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(e)サンプルのコレステロールエステル中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;および(f)サンプルの全脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;からなる群より選択される。一実施形態において、脂肪酸は:CE14.0、CE16.0、CE20.0、CE16:1n7、CE18.1n7、CE18.1n9、CE18.2n6、CE18.3n6、CE22:2n6、CE20.3n9、CE22.5n6、DG16:0、DG18.0、DG18.2n6、DG18.3n6、DG20:0、DG20.3n6、DG20.3n9、DG22.1n9、FA14.0、FA15.0、FA16.0、FA16.1n7、FA18.0、FA18.1n9、FA18.1n7、FA18.2n6、FA20.4n6、FA22.2n6、FA22.4n6、FA20.5n3、FA22.6n3、FA24.1n9、LY18.0、LY16.1n7、LY18:1n7、LY18.1n9、LY20.3n9、LY18.2n6、LY20:3n6、LY22:4n6、LY22:5n3、PC14.0、PC16.1n7、PC18.0、PC15.0、PC18.1n7、PC18.1n9、PC18.2n6、PC18.3n6、PC18.3n3、PC20.1n9、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20.2n6、PC20.4n6、PC22.4n6、PC22.5n3、PCdm16.0、PCdm18.0、PCdm18.1n9、PCdm18:1n7、PE14.0、PE16.0、PE20.0、PE16.1n7、PE18.1n9、PE18:3n6、PE20.0、PE20.1n9、PE20:3n9、PE20:3n6、PE20.4n6、PE20.5n3、PEdm16.0、PEdm18.0、TG14.0、TG14.1n5、TG16.0、TG20.0、TG16.1n7、TG18.1n7、TG18.1n9、TG18.2n6、TG20.2n6、TG20.3n6、TG20.3n9、TG22.2n6、TG22:4n6、CETotal.LC、TGTotal.LC、DGTotal.LC、FSTotal.LC、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC3:0、AC12:0、L−カルニチン、およびAC4:0からなる群より選択される。
【0022】
一実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、単離リポタンパク質画分、唾液、尿、リンパ液、および脳脊髄液からなる群より選択される。別の実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分からなる群より選択される。一実施形態において、サンプルはリンパ液または脳脊髄液である。
【0023】
対象の糖尿病状態を判定する方法は、糖尿病状態の重症度を診断、監視、判定および/または糖尿病状態の進行または後退を判定するのに使用してもよく、状態は糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、空腹時血糖異常、前糖尿病状態、メタボリックシンドローム、肝臓脂肪症、インスリン感受性、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症からなる群より選択される。
【0024】
本発明の別の態様において、対象の体液からのサンプル中の脂質代謝産物の量を決定するステップを含む、対象でのPPARガンマの作用を修飾する介入に対する応答を判定する方法が提供される。一実施形態において、脂質代謝産物は、脂質クラスに存在する脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスは、遊離脂肪酸、ジグリセリド、リゾホスファチジルコリン、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される。一実施形態において、代謝産物の量は、サンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量である。一実施形態において、相対量は:(a)サンプルのトリグリセリド中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(b)サンプルの遊離脂肪酸中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(c)サンプルのホスファチジルコリン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(d)サンプルのホスファチジルエタノールアミン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(e)サンプルのコレステロールエステル中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;および(f)サンプルの全脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;からなる群より選択される。一実施形態において、脂肪酸は:PC20:4n3、PC16:1n7、CE16:1n7、CE18:1n9、LY20:3n6、PC18:1n9、CE20:2n6、FA24:0、PE20:3n9、CE20:3n9、PC20:3n9、PE20:3n6、LY18:1n7、TG16:1n7、FA14:0、FA16:1n7、FA22:6n3、FA20:5n3、PC20:2n6、CETotal.LC、TG16:0、PC20:3n6、PE18:1n7、PE18:2n6、CE18:0、PE16:1n7、CE18:1n7、PE16:0、LY20:3n9、PC18:1n7、LY20:1n9、CE14:0、FA18:1n7、TG14:0、PC20:1n9、CE20:3n6、TG18:1n7、LY18:1n9、LY16:0、PC16:0、DGTotal.LC、DG16:0、DG18:0、LYTotal.LC、PETotal.LC、PC20:4n6、CE20:4n6、TG22:4n6、PC20:0、LY22:5n3、FA18:1n9、DG18:1n9、LY20:5n3、PC22:6n3、FATotal.LC、TG22:6n3、PE20:4n6、LY18:0、PC18:0、FA22:5n3、CE18:2n6、LY20:4n6、FA18:2n6、LY18:2n6、DG18:2n6、PC18:4n3、LY18:3n3、TG20:5n3、DG20:4n6、TG20:4n6、PC18:3n3、TG18:3n3、Pedm、TG18:4n3、TG18:2n6、PCdml6:0、PEdm18:0、PEdml8:1n9、PC14:0、TG22:0、TG18:3n6、CE16:0、SP18:0からなる群より選択される。
【0025】
一実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、単離リポタンパク質画分、唾液、尿、リンパ液、および脳脊髄液からなる群より選択される。別の実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分からなる群より選択される。一実施形態において、サンプルはリンパ液または脳脊髄液である。
【0026】
本発明の別の態様において、対象の体液からのサンプル中の脂質代謝産物の量を決定するステップを含む、対象でのPPARアルファの作用を修飾する介入に対する応答を判定する方法が提供される。一実施形態において、脂質代謝産物は、脂質クラスに存在する脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスは、遊離脂肪酸、ジグリセリド、リゾホスファチジルコリン、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される。一実施形態において、代謝産物の量は、サンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量である。一実施形態において、相対量は:(a)サンプルのトリグリセリド中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(b)サンプルの遊離脂肪酸中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(c)サンプルのホスファチジルコリン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(d)サンプルのホスファチジルエタノールアミン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(e)サンプルのコレステロールエステル中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;および(f)サンプルの全脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;からなる群より選択される。一実施形態において、脂肪酸は:CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、CE20:4n6、DG14:0、DG14:1n5、DG15:0、DG16:0、DG18:0、DG20:4n6、DG22:6n3、DG24:0、FA14:1n5、FA15:0、FA16:0、FA18:0、FA20:0、FA22:0、FA22:1n9、FA24:0、FA24:1n9、LY16:0、LY18:3n6、LY20:4n3、PC16:0、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n6、PC18:4n3、PC20:2n6、PC20:3n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PCdml6:0、PCdml8:1n7、PE16:1n7、PEdm16:0、PEdm18:1n7、TG15:0、TG16:0、TG16:1n7、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG22:5n6、TG24:0、TG18.3n6、TG18.4n3、CE18:2n6、CETotal.LC、DG18:1n7、DG18:1n9、DG18:2n6、DGTotal.LC、FA18:1n9、FA18:2n6、FA20:1n9、FATotal.LC、PC18:2n6、PC22:5n3、PE18:0、PE22:0、PE22:1n9、TG18:2n6、TG18:3n3、TGTotal.LC.からなる群より選択される。
【0027】
一実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、単離リポタンパク質画分、唾液、尿、リンパ液、および脳脊髄液からなる群より選択される。別の実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分からなる群より選択される。一実施形態において、サンプルはリンパ液または脳脊髄液である。
【0028】
本発明の別の態様において、対象の体液からのサンプル中の脂質代謝産物の量を決定するステップを含む、対象でのPPARデルタの作用を修飾する介入に対する応答を判定する方法が提供される。一実施形態において、脂質代謝産物は、脂質クラスに存在する脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスは、遊離脂肪酸、ジグリセリド、リゾホスファチジルコリン、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される。一実施形態において、代謝産物の量は、サンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量である。一実施形態において、相対量は:(a)サンプルのトリグリセリド中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(b)サンプルの遊離脂肪酸中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(c)サンプルのホスファチジルコリン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(d)サンプルのホスファチジルエタノールアミン中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;(e)サンプルのコレステロールエステル中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;および(f)サンプルの全脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量;からなる群より選択される。一実施形態において、脂肪酸は:CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、DG14:0、DG15:0、DG16:0、DG16:1n7、FA14:0、FA14:1n5、FA15:0、FA18:0、FA20:0、FA20:4n6、FA22:0、FA22:2n6、FA22:5n6、FA24:1n9、LY16:1n7、LY18:1n9、LY18:3n6、LY20:3n9、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n3、PC18:3n6、PC20:2n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20:5n3、PCdm16:0、PCdml8:1n9、PE16:1n7、PE18:1n7、PE20:3n9、TG14:0、TG14:1n5、TG16:0、TG16:1n7、TG18:3n6、TG18:4n3、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG24:1n9、L−カルニチンおよびブチロベタイン、CE18:1n7、CE18:2n6、CE20:4n6、CE22:1n9、CETotal.LC、DG18:2n6、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:1n9、FA22:6n3、FATotal.LC、LY18:0、LY20:4n6、LY22:6n3、PC15:0、PC20:4n6、PC22:5n6、PC22:6n3、PE18:0、PE22:6n3、TG18:2n6、TG18:3n3、CE16:0、DG18:3n3、DG20:3n6、DGTotal.LC、FA18:2n6、FA20:2n6、FA20:3n6、PC18:2n6、PE20:2n6、PEdml8:0、PETotal.LCおよびTGTotal.LCからなる群より選択される。
【0029】
一実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、単離リポタンパク質画分、唾液、尿、リンパ液、および脳脊髄液からなる群より選択される。別の実施形態において、サンプルは、血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分からなる群より選択される。一実施形態において、サンプルはリンパ液または脳脊髄液である。
【0030】
さらなるバイオマーカーおよび検査は、糖尿病状態の重症度を診断、監視、判定する、および糖尿病状態の進行または後退を判定する方法に、あるいはPPARの作用を修飾する介入に対する応答を判定する方法に使用できる。一実施形態において、方法はさらに:(c)対象からの体液または細胞サンプル中のマロニル−CoAまたはマロニルカルニチンのレベルを判定するステップと;(d)対象からの体液または細胞サンプル中のアシルカルニチン、遊離カルニチン、またはブチロベタインのレベルを判定するステップと;および/または(e)対象からの体液または細胞サンプル中のステロールまたは胆汁酸のレベルを判定するステップと;を含む。一実施形態において、アシルカルニチンは表2のアシルカルニチンである。一実施形態において、ステロールまたは胆汁酸は表3のステロールまたは胆汁酸である。別の実施形態において、方法はさらに、対象からの体液または細胞サンプル中のエイコサノイドのレベルを決定するステップを含む。一実施形態において、エイコサノイドは表4のエイコサノイドである。別の実施形態において、方法はさらに、対象からの体液または細胞サンプル中のサイトカイン、ケモカイン、アディポカイン、レプチン、TNF、またはC反応性タンパク質のレベルを判定するステップを含む。一実施形態において、サイトカイン、ケモカイン、アディポカイン、レプチン、TNF、IL−6、またはC反応性タンパク質。
【0031】
なお別の態様において、本発明は、対象からのサンプル中の第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法を提供し、第1の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択される。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、およびPE16:0からなる群より選択される。一部の実施形態において、測定された脂質代謝産物の量は絶対量である(たとえば血漿または血清1グラム当りナノモル)。一部の実施形態において、測定された脂質代謝産物の量は相対量である(たとえば1種以上の脂質クラス中の全脂肪酸含有量に対する1種以上の脂肪酸の相対量)。一部の実施形態において、CE、DG、FA、LY、PC、PEおよびTG脂質クラスのマーカーでは、指示された脂肪酸成分は、指示された脂質クラスまたはクラス中の全脂肪酸の割合として定量される(たとえば1種以上の脂質クラス中の1種または複数種の脂肪酸のモルパーセント組成)。一部の実施形態において、AC脂質クラスのマーカーでは、指示された脂肪酸−カルニチンエステルは、絶対条件で定量される(たとえば血漿または血清1グラム当りのナノモル)。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルは、糖尿病状態の存在、非存在、または重症度を示す。一部の実施形態において、群より選択される第2の、第3の、第4の、第5の、第6の、第7の、第8の、第9の、および/または第10の代謝産物マーカーも測定され、測定されたマーカーのレベルは、糖尿病条件の存在、非存在、または程度を示す。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10)の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、およびCE18:2n6からなる群より選択される。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10)の代謝産物マーカーは、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、および/または第6)の代謝産物マーカーは、AC6:0、AC8:0、AC10:0、TG14:0、FA16:1n7、および/またはPC18:1n9からなる群より選択される。一部の実施形態において、糖尿病状態は、耐糖能異常、インスリン抵抗性、インスリン感受性、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症、または妊娠糖尿病である。一部の実施形態において、糖尿病症状は前糖尿病状態状態である。一部の実施形態において、糖尿病状態は耐糖能異常であるか、またはインスリン抵抗性である。一部の実施形態において、サンプルは血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分である。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルの測定としては、クロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、または質量分析法が挙げられる。一部の実施形態において、糖尿病状態を判定する方法は、糖尿病状態の重症度を診断、同定、監視、および/または判定する方法である。一部の実施形態において、対象は糖尿病状態の治療(これに限定されるわけではないが、PPAR−ガンマ作用薬、PPAR−アルファ作用薬、および/またはPPAR−デルタ作用薬を用いた治療)に対する応答を監視されている。
【0032】
さらなる態様において、本発明は、対象からのサンプル中の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の代謝産物マーカーの1つまたは複数のレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法を提供し、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択される。一部の実施形態において、群より選択される第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の代謝産物マーカーの1つまたは複数のレベルは(独立して、または組み合されてのどちらかで)、糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、および/または程度(または重症度)を示す。一部の実施形態において、本発明はさらに、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の代謝産物マーカーのレベルを、糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、および/または程度(または重症度)と相関させるステップを含む。一部の実施形態において、測定されるマーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、またはPCdmである場合、マーカーは、糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、または重症度と正の相関がある。一部の実施形態において、測定されるマーカーがTG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、またはPE16:0である場合、マーカーは糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と負の相関がある。一部の実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の代謝産物マーカーは、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される。一部の実施形態において、測定された脂質代謝産物の量は絶対量である(たとえば血漿または血清1グラム当りナノモル)。一部の実施形態において、測定された脂質代謝産物の量は相対量である(たとえば1種以上の脂質クラス中の全脂肪酸含有量に対する1種以上の脂肪酸の相対量)。一部の実施形態において、CE、DG、FA、LY、PC、PEおよびTG脂質クラスのマーカーでは、指示された脂肪酸成分は、指示された脂質クラスまたはクラス中の全脂肪酸の割合として定量される(たとえば1種以上の脂質クラス中の1種または複数種の脂肪酸のモルパーセント組成)。一部の実施形態において、AC脂質クラスのマーカーでは、指示された脂肪酸−カルニチンエステルは、絶対条件で定量される(たとえば血漿または血清1グラム当りのナノモル)。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルは、糖尿病状態の存在、非存在、または重症度を示す。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10)の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、およびCE18:2n6からなる群より選択される。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10)の代謝産物マーカーは、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される。一部の実施形態において、第1(および/または第2、第3、第4、第5、および/または第6)の代謝産物マーカーは、AC6:0、AC8:0、AC10:0、TG14:0、FA16:1n7、および/またはPC18:1n9からなる群より選択される。一部の実施形態において、糖尿病状態は、耐糖能異常、インスリン抵抗性、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症、または妊娠糖尿病である。一部の実施形態において、糖尿病症状は糖尿病である。一部の実施形態において、糖尿病症状は前糖尿病状態状態(たとえば前糖尿病状態)である。一部の実施形態において、糖尿病状態は耐糖能異常であるか、またはインスリン抵抗性である。一部の実施形態において、サンプルは血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分である。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルの測定としては、クロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、または質量分析法が挙げられる。一部の実施形態において、糖尿病状態を判定する方法は、糖尿病状態の重症度を診断、同定、監視、および/または判定する、ならびに/あるいは糖尿病状態の進行または後退を判定する方法である。一部の実施形態において、方法はさらに(1)糖尿病状態の1つ以上のリスク因子を決定して、リスク因子を糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップ;または(2)追加のバイオマーカーのレベルを測定して、追加のバイオマーカーのレベルを糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップを含む。
【0033】
別の態様において、本発明は、対象からのサンプル中の代謝産物マーカーのレベルを、対象への治療実施後に測定するステップを含む、糖尿病状態を有する対象の糖尿病状態の治療に対する応答を判定する方法を提供し、1種以上の代謝産物マーカーは:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量からなる群より選択される。一部の実施形態において、方法はさらに、群からの第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10のマーカーのレベルを測定するステップを含む。通例、サンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する脂肪酸の相対量は、1種以上の脂質クラス中の脂肪酸のモルパーセント組成として計算される。一部の実施形態において、(複数の)マーカーの(複数の)レベルは、糖尿病状態の存在または非存在を示す。一部の実施形態において、(複数の)マーカーの(複数の)レベルは、糖尿病状態の重症度を示す。一部の実施形態において、糖尿病状態は、耐糖能異常、インスリン抵抗性、インスリン感受性、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症、または妊娠糖尿病である。一部の実施形態において、糖尿病状態は耐糖能異常またはインスリン抵抗性である。一部の実施形態において、サンプルは血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分である。一部の実施形態において、1つまたは複数のマーカーの測定は、クロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、または質量分析法を含む。一部の実施形態において、糖尿病状態の治療は、PPAR−ガンマ作用薬、PPAR−アルファ作用薬、および/またはPPAR−デルタ作用薬の投与を含む。
【0034】
なお別の態様において、本発明は、対象のサンプル中の第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、糖尿病状態を同定または監視する方法を提供し、第1の代謝産物マーカーは、15:0、16:0、16:1n7、18:0、18:1n7、18:1n9、18:2n6、18:3n6、20:0、20:2n6、20:3n6、20:3n9、20:4n3、20:4n6、22:2n6、22:4n6、22:5n3、24:0、24:1n9、FAn3、CEn6、Pen6、PCn7、CEn7、TGn7、PCn9、CEn9、FAn9、PUFA、MUFA、SAT、PCLC、TGLC、PELC、LYLC、およびDGLCからなる群より選択され、第1の代謝産物マーカーは、糖尿病状態を特徴とする。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルは、代謝産物のクラスにおける第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは、16:1n7、18:1n9、dml8:1n7、t18:2n6、20:0、20:3n9、20:4n3、20:4n6、22:5n3、PUFA、またはMUFAであり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、ホスファチジルコリン中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは22:2n6または22:4n6であり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、トリアシルグリセロール中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは、16:0、16:1n7、18:1n9、20:2n6、20:3n9、20:4n6、22:2n6、PUFA、またはMUFAであり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、コレステロールエステル中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは18:1n7、20:3n6、22:4n6、22:5n3、または24:1n9であり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、LY中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは16:0または20:0であり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、スフィンゴミエリン中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは15:0、18:0、またはSATであり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、1,2−ジアシルグリセリド中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは18:1n9または24:0であり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、遊離脂肪酸中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーは18:3n6、20:3n6、または20:3n9であり、第1の代謝産物マーカーのレベルは、ホスファチジルエタノールアミン中の第1の代謝産物マーカーのレベルである。一部の実施形態において、対象は治療剤を投与され、第1の代謝産物マーカーのレベルは、糖尿病状態の治療のための治療剤の有効性を示す。一部の実施形態において、対象はレジメンを受け、第1の代謝産物マーカーのレベルは、糖尿病状態の治療のためのレジメンの効果を示す。一部の実施形態において、方法はさらに、PC16:1n7、PC18:1n9、PCt18:2n6、PCdm18:1n7、PC20:0、PC20:4n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC22:5n3、PCn9、PCn7、PCMUFA、PCLC、CEn7、CEn9、CE16:1n7、CE18:1n9、CE20:3n9、CE20:2n6、CEMUFA CEn6、CE16:0、CE20:4n6、CE22:2n6、CEPUFA、SP20:0、TG22:2n6、TG22:4n6、PCn6、PCPUFA、FAn9、FA18:1n9、LY22:4n6、LY22:5n3、LY18:1n7、LY20:3n6、LY24:1n9、LYLC、DGSAT、DG15:0、DG18:0、DGLC、PE18:3n6、PE20:3n6、PE20:3n9、PELC、TGn7、TGLC、FAn3、FA24:0、およびSP16:0からなる群より選択される第2、第3、および/または第4の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、第1、第2、第3、および/または第4の代謝産物マーカーのレベルは、糖尿病状態の特徴である。一部の実施形態において、糖尿病状態は、脂肪症、インスリン抵抗性、または2型糖尿病、前糖尿病状態、インスリン抵抗性、インスリン感受性、メタボリックシンドローム、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症である。一部の実施形態において、サンプルは、血液、組織、または血漿、血清、尿、または脳脊髄液である。関連する組織としては、脂肪、筋肉、腎臓、肝臓、血管内皮が挙げられる。一部の実施形態において、第1の代謝産物マーカーのレベルの測定としては、クロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、および質量分析法が挙げられる。
【0035】
上述の態様のそれぞれの一部の実施形態において、本明細書に記載した他の態様と同様に、対象は、ヒトまたは家畜などの哺乳動物である。一実施形態において、哺乳動物は霊長類である。一実施形態において、哺乳動物はヒトである。一実施形態において、対象は肥満手術について評価されているか、または肥満手術を受けたことがある。一実施形態において、対象は体重減少について監視されている。
【0036】
本発明の別の態様において、本発明の方法で使用するためのキットが提供される。一実施形態において、キットは(a)脂肪酸に対する抗体と;(b)使用説明書と;を含む。一実施形態において、キットはさらに:(c)第2の脂肪酸に対する第2の抗体を含む。一実施形態において、キットはさらに:(d)第3の脂肪酸に対する第3の抗体を含む。
【0037】
本発明の態様または実施形態がマーカッシュグループまたは代わりの他のグルーピングによって本明細書に記載されている場合、本発明は、記載されたグループ全体をまとめて含むだけでなく、グループの個々の構成要素および主グループの考えられるサブグループも、グループ構成要素の1つ以上が存在しない主グループも含む。本発明は、請求された発明におけるいずれかのグループ構成要素の1つ以上の明白な除外も想定している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】選択した代謝産物のROC曲線。これらの解析に使用した代謝産物測定値は、空腹時血漿によるもので、耐糖能を予測するために使用した。各グラフの下のAUC尺度は、曲線下面積であり、耐糖能障害を予測することの有効性を表す。図から明らかであるように、多くの脂質代謝産物は、空腹時血糖尺度(右下)よりも優れたAUCの予測材料である。
【図2】TG14:0のみ(左パネル)および空腹時血糖との組合せ(右パネル)による耐糖能障害の予測のためのROC。AUCは、単独のTG14:0および空腹時血糖よりも、TG14:0および空腹時血糖を組合せることによって著しく改善された。左パネルの灰色のラインは、空腹時血糖のみのROCである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
一態様において、本発明は、対象からのサンプル中の1種以上の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、1種以上の代謝産物マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9およびPE16:0からなる群より選択される。一部の実施形態において、方法は、1種以上のマーカーのレベルに糖尿病状態の存在、非存在、発症リスク、進行、後退、および/または重症度を相関させるステップを含む。
【0040】
別の態様において、本発明は、対象からのサンプル中の1種以上の代謝産物マーカーのレベルを、対象への治療実施後に測定するステップを含む、糖尿病状態を有する対象の糖尿病状態の治療に対する応答を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、1種以上の代謝産物マーカーは:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量からなる群より選択される。
【0041】
本発明のさらなる態様を本明細書に記載する。
【0042】
定義
「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別途指示しない限り、複数対象物を含む。
【0043】
本明細書に使用するように、「体液」としては、これに限定されるわけではないが、血液、血漿、血清、単離リポタンパク質画分、唾液、尿、リンパ、脳脊髄液、および胆汁が挙げられる。
【0044】
「脂質クラス」は本明細書で使用するように、たとえば中性脂質、リン脂質、遊離脂肪酸、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジグリセリド、リゾファチジルコリン、遊離コレステロール、モノアシルグリセリド、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、およびスフィンゴミエリンなどの脂質のクラスを示す。
【0045】
化学用語は、別途定義しない限り、当分野で公知であるように使用される。
【0046】
実施形態が「含む(comprising)」という語を用いて本明細書に記載されている場合には、「成る(consisting of)および/または本質的に成る(consisting essentially of)」によって記載された別の類似の実施形態も提供されることが理解される。
【0047】
本明細書で使用するように、状態または障害と「正の関連がある」または「正の相関がある」代謝産物(または他のバイオマーカー)は、そのレベルまたは濃度が正常な対象または正常な対象指示物と比較して障害を一般に増強する代謝産物を含む。状態または障害と「負の関連がある」または「負の相関がある」代謝産物(または他のバイオマーカー)は、そのレベルまたは濃度が正常な対象または正常な対象指示物と比較して障害を一般に減弱する代謝産物を含む。
【0048】
再度、本発明の態様または実施形態がマーカッシュグループまたは代わりの他のグルーピングに関して本明細書に記載されている場合、本発明は、記載されたグループ全体をまとめて含むだけでなく、グループの個々の構成要素および主グループの考えられるサブグループも、グループ構成要素の1つ以上が存在しない主グループも含む。本発明は、請求された発明におけるいずれかのグループ構成要素の1つ以上の明白な除外も想定している。
【0049】
糖尿病状態の定量的代用マーカー
一部の実施形態において、本発明は糖尿病状態を判定する方法を提供する。一部の実施形態において、糖尿病状態の判定は、糖尿病状態の発症リスクの可能性を診断、分類、同定、監視、判断する、糖尿病状態の程度(または重症度)を判定する、ならびに/あるいは糖尿病状態の進行および/または後退を判定するステップを含む。一部の実施形態において、糖尿病状態は前糖尿病状態状態である。一部の実施形態において、糖尿病状態はインスリン抵抗性である。一部の実施形態において、糖尿病状態は耐糖能異常である。(「耐糖能異常」という用語は、本明細書では「耐糖能障害」と互換的に使用される)。一部の実施形態において、糖尿病状態は空腹時血糖異常である。一部の実施形態において、糖尿病状態は前糖尿病状態である。一部の実施形態において、糖尿病状態は糖尿病の形である。
【0050】
一部の実施形態において、本発明は、糖尿病状態の患者を診断、分類、および/または監視するために使用できる試験方法を提供し、状態は:糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、空腹時血糖異常、前糖尿病状態、メタボリックシンドローム、肝臓脂肪症、インスリン感受性、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症からなる群より選択される。一部の実施形態において、本発明は、糖尿病状態の患者を診断、分類、および/または監視するために使用できる試験方法を提供し、状態は:経口耐糖能障害、インスリン抵抗性、インスリン感受性、肝臓脂肪症、2型糖尿病、および妊娠糖尿病からなる群より選択される。一部の実施形態において、本発明は、糖尿病状態の患者を診断、分類、および/または監視するために使用できる試験方法を提供し、状態は経口耐糖能障害またはインスリン抵抗性である。さらなる一部の実施形態において、本発明は、糖尿病状態の患者を診断、分類、および/または監視するために使用できる試験方法を提供し、状態は:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、および多嚢胞性卵巣症からなる群より選択される。
【0051】
糖尿病ならびにその関連共存症および状態は、脂質代謝の変化が大きな原因である。本発明者らは、体液中の特異的な脂質代謝産物の特定の量が糖尿病状態に関連していることを発見した。
【0052】
一部の態様において、本発明は経口耐糖能障害の代謝マーカーを提供する。耐糖能異常および空腹時血糖異常は、前糖尿病状態状態であることが公知である(Linら、Tohoku J.Exp.Med.,212:349−57(2007))。経口耐糖能異常は、肥満症小児における非アルコール性脂肪肝疾患の(Sartorioら、Eur.J.Clin.Nutr.,61:877−83(2007))、そして非アルコール性脂肪肝疾患患者における脂肪性肝炎および線維症の(Haukelandら、Scand.J.Gastroenterol.40:1469−77(2005))予測材料であることが報告されている。妊娠糖尿病の検出のための経口糖負荷試験(OGTT)も報告されている(Lapollaら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,2007 Dec 18[Epub ahead of print])。加えて、経口耐糖能障害およびインスリン感受性は、多嚢胞性卵巣症候群に結び付けられている(Amatoら、Clin Endocrinol.(Oxf),2007 Nov 22[Epub ahead of print])。
【0053】
一部の実施形態において、本発明のマーカーは、糖尿病状態を判定する既存の試験(たとえば空腹時血糖レベルまたは経口糖負荷試験(OGTT))の代わりに使用される。他の実施形態において、本発明のマーカーは、これに限定されるわけではないが、空腹時血糖レベルまたはOGTTを含む別の方法によって糖尿病状態をさらに試験するための対象を同定または選択する試験で使用される。
【0054】
糖尿病状態の代用物としてのモルパーセンテージ脂肪酸組成
トリグリセリド(または他のいずれかの脂質クラス)の相対的部分である脂質代謝産物は、血清または血漿などの体液中で、肝性トリグリセリド(または他の脂質クラス)中のその脂質代謝産物の相対的部分の定量的尺度として測定することができる。脂質代謝産物(または一連の脂質代謝産物)のこの相対的部分がインスリン抵抗性と相関している場合、それはインスリン抵抗性の定量的代用物として作用する。それゆえ特定の脂質クラス中の特定の脂肪酸のモルパーセンテージは、インスリン抵抗性の定量的代用物として使用できる。
【0055】
一実施形態において、1種の脂質代謝産物のモルパーセンテージが本発明の方法で使用されることがある。他の実施形態において、2種以上の脂質代謝産物の、たとえば2、3、4、5、10、15、20種以上の脂質代謝産物のモルパーセンテージが、本発明の方法で使用されることがある。
【0056】
本発明により、2種以上の脂質代謝産物が及ぼした効果を解析するときに、これらの脂質代謝産物の効果を個別に評価することが可能であるか、あるいはたとえば各脂質代謝産物の効果を定量する各種の数式またはモデルを使用することによって、これらの脂質代謝産物の正味の効果を得ることが可能である。1種以上の脂質代謝産物のレベルを変数として含む式としては、1種以上の脂質代謝産物の値を変数として使用する数学的または統計的原理に基づいて確立された、いずれかの数式、モデル、等式、または式が挙げられる。
【0057】
一般に、いずれの適切な数学的解析も、対象の糖尿病状態を予測することに関して、2種以上の脂質代謝産物の正味の効果を解析するために使用できる。たとえば多変量分散分析、多変数回帰、重回帰などの方法は、従属変数と独立変数との間の関係を決定するために使用可能である。非計量的次元スケーリングと同様に、階層化法および非階層化法の両方を含むクラスタリングを使用して、変数間の、そしてこれらの変数の変化の間の関連を決定することができる。
【0058】
さらに主成分分析は、研究の次元を減少させる一般的な方法であり、データセットの分散共分散構造を解釈するために使用可能である。主成分は、重回帰およびクラスタ分析などの応用で使用されることがある。因子分析を使用して、観察された変数から「隠れた」変数を構築することによって共分散を説明する。因子分析は、主成分分析の延長と見なされることがあり、そこでは主成分分析は最尤法と共にパラメータ推定として使用される。さらに2平均ベクトルの同等性などの単純仮説も、ホテリングT2乗統計を使用して検定することが可能である。
【0059】
一実施形態において、1種以上の脂質代謝産物を変数として含有する式は、回帰分析、たとえば多重線形回帰を使用して確立される。展開された式の例は、制限なく以下を含む:
式I:k+k(FA)+k(FA)+k(FA
式II:k−k(FA)+k(FA)+k(FA
式III:k+k(FA)−k(FA)+k(FA
式IV:k+k(FA)+k(FA)−k(FA
式V:k−k(FA)−k(FA)+k(FA
式VI:k+k(FA)−k(FA)−k(FA
式VII:k−k(FA)+k(FA)−k(FA
式VIII:k−k(FA)−k(FA)−k(FA
式は、1種以上の脂質代謝産物、たとえば1、2、3、4、5、10、15、20種以上の脂質代謝産物を変数として使用する。これらの式の定数は、公知の糖尿病状態から得たデータのセットを使用することによって確立することが可能である。通常、これらの式で使用される脂質代謝産物のレベルは、1時点でのレベルまたは1期間にわたるレベルの変化のどちらかであることが可能である。
【0060】
本発明により、脂質代謝産物を使用して確立された数式を使用して、1期間にわたって対象の糖尿病状態を定性的または定量的のどちらかで判定することが可能である。たとえば1種以上の脂質代謝産物を変数として含む式を使用して、対象の糖尿病状態を直接計算することが可能である。加えて、1種以上の脂質代謝産物を含有する式の正味値を、糖尿病状態パターン、たとえば糖尿病状態の進行または後退に相当するこのような式の標準値と比較することが可能であり、このような比較の結果を使用して糖尿病状態の発症を予測することが可能である。特に、糖尿病状態の進行に割当てられた、または関連付けられたこのような式の標準値の範囲に類似した、または範囲内の式の正味値を有する対象は、1期間にわたる進行を経験すると思われる。同様に、糖尿病状態の退行に割当てられた、または関連付けられたこのような式の標準値の範囲に類似した、または範囲内の式の正味値を有する対象は、1期間にわたる退行を経験すると思われる。
【0061】
糖尿病状態のさらなる定量的代用物
モルパーセンテージ以外の脂質代謝産物のモデルが糖尿病状態の代用マーカーとして使用されることがある。たとえばさらなるバイオマーカーのリスト、たとえばエイコサノイドを参照。
【0062】
糖尿病状態の脂質代謝産物およびさらなるバイオマーカー
一部の実施形態において、糖尿病状態を判定するための代謝産物マーカーとして1種以上の脂質代謝産物が使用される。一部の他の実施形態において、使用された代謝産物マーカーは、脂質代謝産物およびさらなるバイオマーカーの両方を含む。
【0063】
一実施形態において、脂質代謝産物は、特定の脂質クラスに存在する脂肪酸を含む。一実施形態において、脂質クラスは、中性脂質、リン脂質、遊離脂肪酸、全脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される。一実施形態において、脂質クラスは遊離脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスは全脂肪酸である。一実施形態において、脂質クラスはトリグリセリドである。一実施形態において、脂質クラスはコレステロールエステルである。一実施形態において、脂質クラスはホスファチジルコリンである。一実施形態において、脂質クラスはホスファチジルエタノールアミンである。一実施形態において、脂質代謝産物は表1に示す脂肪酸より選択される。方法は、1種以上の脂質代謝産物、たとえば2、3、4、5、10、15、20種以上の脂質代謝産物の量を測定するステップを含むことがある。一実施形態において、表1の2種以上の脂質代謝産物が測定される。一実施形態において、表1の3種以上の脂質代謝産物が測定される。
【0064】
一実施形態において、脂質代謝産物は糖尿病状態に正の相関がある。一実施形態において、脂質代謝産物は糖尿病状態に負の相関がある。一実施形態において、脂質代謝産物は、その特定の脂質クラス内の相対量として測定される。一実施形態において、脂質代謝産物は、血液ベースの体液、たとえば血液、血漿、血清、またはリポタンパク質画分中で測定される。
【0065】
【表1−1】

【0066】
【表1−2】

一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態の(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9およびPE16:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態の(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、およびPE16:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態の(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、およびCE18:2n6からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。
【0067】
一部の実施形態において、糖尿病状態の(複数の)マーカーは、コレステロールエステルの脂質クラス内の脂肪酸を含まない。一部の実施形態において、糖尿病状態の(複数の)マーカーは、全リン脂質内の脂肪酸を含まない。一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態の(複数の)マーカーは、次のマーカー:CE14:0、CE16:1n−7;およびCE18:2n−6の1種以上を含まない。
【0068】
一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態に正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、およびPCdmからなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、測定される(複数の)糖尿病状態に正の関連がある(複数の)マーカーは、すべて中鎖から長鎖のアシルカルニチンである。一部の実施形態において、測定される(複数の)糖尿病状態に正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0およびAC12:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0および/またはAC12:0の高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。一部の実施形態において、測定される(複数の)糖尿病状態に正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、AC8:0、および/またはAC10:0を含む。
【0069】
一部の実施形態において、(複数の)糖尿病状態に負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、およびPE16:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、測定される(複数の)糖尿病状態に負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7および/またはPC18:1n9のより低い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇に関連がある。一部の実施形態において、測定される(複数の)糖尿病状態に負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、FA16:1n7、および/またはPC18:1n9を含む。
【0070】
一部の実施形態において、耐糖能障害(すなわち耐糖能異常)の(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、およびPE16:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、耐糖能障害の(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、およびCE18:2n6からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。
【0071】
一部の実施形態において、経口耐糖能障害および/または糖AUCに正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、およびPCdmからなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、測定される経口耐糖能障害および/または糖AUCに正の関連がある(複数の)マーカーは、すべて中鎖から長鎖のアシルカルニチンである。一部の実施形態において、測定される経口耐糖能障害および/または糖AUCに正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0およびAC12:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0および/またはAC12:0のより高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。一部の実施形態において、測定される経口耐糖能障害および/または糖AUCに正の関連がある(複数の)マーカーは、AC6:0、AC8:0、および/またはAC10:0を含む。
【0072】
一部の実施形態において、経口耐糖能障害および/または糖AUCに負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、およびPE16:0からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、測定される経口耐糖能障害および/または糖AUCに負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7および/またはPC18:1n9のより低い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇に関連がある。一部の実施形態において、測定される経口耐糖能障害および/または糖AUCに負の関連がある(複数の)マーカーは、TG14:0、FA16:1n7、および/またはPC18:1n9を含む。
【0073】
経口耐糖能障害、インスリン抵抗性および/または他の糖尿病状態の治療的改善に正の相関があるマーカーは、以下の:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、マーカーそれぞれの相対量は通例、(指示した脂質クラス内または全脂質内の)脂肪酸のモルパーセンテージとして計算される。
【0074】
一部の実施形態において、経口耐糖能障害、インスリン抵抗性および/または他の糖尿病状態の治療的改善に負の相関があるマーカーは、以下のマーカー:FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量からなる群より選択される1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、マーカーそれぞれの相対量は通例、(指示した脂質クラス内または全脂質内の)脂肪酸のモルパーセンテージとして計算される。
【0075】
以下のさらなるバイオマーカーは、糖尿病状態の診断に役立つことがある:(1)マロニル−CoAおよびマロニルカルニチン;(2)遊離カルニチン、および表2に挙げたアシルカルニチン;ならびに(3)表3に挙げたステロールおよび胆汁酸。体液および細胞サンプルを使用して、これらのさらなるバイオマーカーを測定することもある。細胞サンプルの例としては、これに限定されるわけではないが、リンパ球およびマクロファージが挙げられる。
【0076】
【表2】

【0077】
【表3】

さらに、以下のさらなるバイオマーカーは、糖尿病状態の診断で役立つことがある:(1)表3に挙げたステロールおよび胆汁酸(レベルはコレステロール合成の増加と共に上昇する);(2)これに限定されるわけではないが、表4に示すものを含むエイコサノイド;(3)これに限定されるわけではないが、TNFアルファ、IL−6、レプチン、アディポネクチンを含むサイトカインおよびケモカイン。体液および細胞サンプルを使用して、さらなるバイオマーカーを測定することもある。細胞サンプルの例としては、これに限定されるわけではないが、リンパ球およびマクロファージが挙げられる。
【0078】
【表4−1】

【0079】
【表4−2】

さらなるバイオマーカーの1種以上の量の測定は、脂質代謝産物の測定に加えて、本明細書の方法で使用されることがある。一実施形態において、1種のバイオマーカーの量は対象からのサンプル中で測定される。一実施形態において、2種のバイオマーカーの量は対象からのサンプル中で測定される。他の実施形態において、バイオマーカーの3、4、5、6、7、8、10、12、15、20種以上が対象からのサンプル中で測定されることがある。
【0080】
経口耐糖能障害に関連する選択されたマーカーの診断カットオフ値:
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるAC6:0の濃度は、血漿または血清1グラム当り0.44〜0.70ナノモルである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。
【0081】
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるAC8:0の濃度は、血漿または血清1グラム当り0.119〜0.260ナノモルである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるAC10:0の濃度は、血漿または血清1グラム当り0.123〜0.315ナノモルである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるPE20:4n6の濃度は、血漿または血清中の全ホスファチジルエタノールアミン脂肪酸組成物の21.30〜24.15モルパーセントである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。
【0082】
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるPC18:0の濃度は、血漿または血清中の全ホスファチジルコリン脂肪酸組成物の12.40〜14.20モルパーセントである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。
【0083】
前糖尿病状態および他の糖尿病関連状態の診断での有用性をもたらすことが期待されるTG14:0の濃度は、血漿または血清中の全トリグリセリド脂肪酸組成物の0.07〜0.04モルパーセントである。より高い値は、より顕著な糖尿病状況またはリスク上昇と関連がある。
【0084】
診断および監視の方法
本発明の方法は、特定の状態、たとえば糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、空腹時血糖異常、前糖尿病状態、メタボリックシンドローム、肝臓脂肪症、インスリン感受性、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症を診断するために使用される可能性がある。方法は、糖尿病状態の重症度を判定するために、糖尿病状態を監視するために、糖尿病状態の進行または後退を判定するために、ならびに/あるいは療法に対する応答を監視するために使用されることもある。
【0085】
たとえば、診断の方法は、対象の体液からのサンプル中の1種以上の脂質クラスの脂質中の全脂肪酸含有量に対する1種以上の脂肪酸の相対量を決定するステップと、その量を糖尿病状態の存在と相関させるステップとを含むことがある。一部の実施形態において、方法はさらに、相対量を基準と比較するステップを含むことがあり、相対量が基準よりも大きい場合には、糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、空腹時血糖異常、前糖尿病状態、メタボリックシンドローム、肝臓脂肪症、インスリン感受性、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症が指摘される。一部の実施形態において、方法はさらに、相対量を基準と比較するステップを含むことがあり、相対量が基準よりも少ない場合には、糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、空腹時血糖異常、前糖尿病状態、メタボリックシンドローム、肝臓脂肪症、インスリン感受性、高インスリン血症、肝臓脂肪症、筋脂肪症、高脂血症、高コレステロール血症が示される。
【0086】
同様に、糖尿病状態の重症度が測定されることがあり、相対量は糖尿病状態の重症度を示す。さらに相対量は状態の現在の状況を示し、それゆえ糖尿病状態が監視される、ならびに/あるいは状態の進行または後退が判定されることがある。相対量は、2回以上の時点で測定されることがある。一部の実施形態において、相対量は2、3、4、5、6、7、8、10、12、15、20回以上の時点で測定されることがある。各時点は、1時間以上、1日以上、1週間以上、または1ヶ月以上隔離されることもある。臨床医は、2回以上の時点で相対量を測定することによって、対象の治療に対する応答を判定することがある。
【0087】
脂質代謝産物およびバイオマーカーの測定方法
脂質代謝産物含有量のアッセイは、体液または組織サンプルに対して実施されることがある。一実施形態において、アッセイは全血、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分に対して実施されることがある。さらなるバイオマーカーのアッセイは、体液または細胞サンプルに対して実施されることがある。これらの脂質代謝産物および他のバイオマーカーは、これに限定されるわけではないが:質量分析法(MS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、定組成HPLC、勾配HPLC、順相クロマトグラフィー、逆相HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、マイクロフルイディクス、クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC)、アフィニティクロマトグラフィー、イムノアッセイ、および/または比色分析を利用する方法を含む、当業者に公知の方法によってただちに単離および/または定量される可能性がある。一実施形態において、本発明の方法はMSを利用して脂質代謝産物含有量を決定する。一実施形態において、本発明の方法はイムノアッセイを利用して脂質代謝産物含有量を決定する。一実施形態において、本発明の方法はMSを利用してバイオマーカーの濃度を決定する。一実施形態において、本発明の方法はイムノアッセイを利用してバイオマーカーの濃度を決定する。
【0088】
各種の分析方法は、当業者に周知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている以下の文書にさらに記載されている:
質量分析法:Cyrら、J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.2006 Feb 17;832(1):24−9;Vogeserら、Clin Chem Lab Med.2003 Feb;41(2):117−26。
【0089】
HPLC:Khalilら、J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.2006 May 23;Fouassierら、J Thromb Haemost.2006 May;4(5):l136−9;Badiouら、Clin Lab.2004;50(3−4):153−8;Brunelliら、Clin Lab.2001;47(7−8):393−7。
【0090】
キャピラリー電気泳動:Zinelluら、J Sep Sci.2006 Mar;29(5):704−8;Jabeenら、Electrophoresis.2006 May 23;Gaoら、Electrophoresis.2006 May;27(9):1784−9。
【0091】
マイクロフルイディクス:Johannessenら、IEEE Trans Nanobioscience.2002 Mar;l(l):29−36;Herrmannら、Lab Chip.2006 Apr;6(4):555−60.;Yangら、ASAIO J.2005 Sep−Oct;51(5):585−90;Dupuyら、Clin Chem Lab Med.2005;43(12):1291−302。
【0092】
クロマトグラフィー:Patersonら、Addiction.2005 Dec;100(12):1832−9;Bottcherら、J Anal Toxicol.2005 Nov−Dec;29(8):769−76;Julak,Prague Med Rep.2005;106(2):175−94;Boettcherら、Clin Lab.2000;46(l−2):49−52。
【0093】
イムノアッセイ:Westermannら、Clin Lab.2002;48(1−2):61−71;Aoyagiら、Clin Lab.2001;47(3−4):119−27;Hublら、Clin Lab.2005;51(11−12):641−5;Hallerら、J Anal Toxicol.2006 Mar;30(2):106−11;Bayerら、Clin Lab.2005;51(9−10):495−504;Grocheら、Clin Lab.2003;49(11−12):657−61;Ivanら、Clin Lab.2005;51(7−8):381−7。
【0094】
比色分析:Kramerら、Clin Chem.2005 Nov;51(11):2110−6;Grocheら、Clin Lab.2003;49(11−12):657−61;Wolf,Clin Chim Acta.2006 Mar 24。
【0095】
TrueMass(登録商標)分析プラットフォームも本発明の方法に使用されることがある。TrueMass(登録商標)は、トリグリセリド、コレステロールエステルおよびリン脂質代謝産物などの、構造およびエネルギー脂質代謝に関与する約400種類の個々の代謝産物について、血清または血漿から定量的データを得るために使用される分析プラットフォームである。構造およびエネルギー脂質が代謝の重要な成分であり、体内のどの生物学的プロセスにも実質的に組み込まれているため、本プラットフォームは疾患をプロファイリングするのに有用である。血漿または血清サンプルのデータセットは、遊離コレステロールおよびホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン、トリグリセリド、ジグリセリド、遊離脂肪酸、およびコレステロールエステルからの以下の脂肪酸:14:0、15:0、16:0、18:0、20:0、22:0、24:0、14:1n5、16:1n7、tl6:1n7、18:1n9、t18:1n9、18:1n7、18:2n6、t18:2n6、18:3n6、18:3n3、18:4n3、20:1n9、20:2n6、20:3n9、20:3n6、20:4n6、20:3n3、20:4n3、20:5n3、22:1n9、22:2n6、22:4n6、22:5n3、22:6n3、24:1n9、24:6n3ならびに16:0、18:0、18:1n9および18:1n7のプラスマロゲン誘導体の定量的測定を含む。TrueMass(登録商標)を使用する方法は、当業者に周知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている以下の文書にも記載されている:米国特許出願第11/296,829号明細書(12/6/05出願;米国特許出願公開第2006/0084129号明細書);Mutchら、FASEB J.2005 Apr;19(6):599−601.;Stoneら、J Biol Chem.2004 Mar 19;279(12):11767−76;Watkinsら、J Nutr.2003 Nov;133(11):3386−91;Watkinsら、Lipid Res.2002 Nov;43(11):1809−17。
【0096】
他の指標/試験と組合せた代謝産物マーカーの使用
本発明は、本明細書に記載する1種以上の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップに加えて、1種以上のリスク指標を評価するステップ、血糖レベルを測定するするステップ、および/または糖尿病状態に関する別の診断試験を実施するステップを含む、糖尿病状態を判定する方法をさらに提供する。糖尿病の多種多様なリスク指標が、当業者に公知であり、これに限定されるわけではないが、以下:年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、家族歴(たとえば糖尿病の親類)、病歴(たとえば妊娠糖尿病暦)、民族的背景、高血圧、コレステロールレベル、および活動レベルを含むことが可能である。一部の実施形態において、血糖レベルは空腹時血漿血糖(FPG)によって測定する。一部の代わりの実施形態において、血糖レベルは経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)によって測定する。一部の実施形態において、本明細書で使用する代謝産物マーカーの1種以上を血中のグリコシル化ヘモグロビン(たとえばHbAlc)の試験と組合せて使用して、糖尿病状態を判定する。
【0097】
一部の実施形態において、方法は、脂質代謝産物などの1種以上の代謝産物マーカーを測定するステップに加えて、(1)糖尿病状態の1つ以上のリスク因子の有無を判断して、1つ以上のリスク因子の有無を糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップ、および/または(2)さらなるバイオマーカーのレベルを測定して、さらなるバイオマーカーのレベルを糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップをさらに含む。一部の実施形態において、1つ以上のリスク因子は:年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、家族歴、病歴、民族的背景、高血圧、コレステロールレベル、および活動レベルからなる群より選択される。一部の実施形態において、さらなるバイオマーカーは、血糖またはグリコシル化ヘモグロビンからなる群より選択される。
【0098】
キット
本発明の方法を実施するためのキットが提供される。キットは、(a)1種以上の脂質代謝産物(および/またはさらなるバイオマーカー)の量を測定するための1種以上の試薬と;(b)使用説明書と;を含む。キットは、1、2、3、4、5、10、15、20種以上の脂質代謝産物の量を測定するための1、2、3、4、5、10、15、20種以上の試薬を備えることがある。キットはさらに、上で開示した、そして表2〜4のバイオマーカーなどの、1種以上のさらなるバイオマーカーを測定するための1種以上の試薬を備えることがある。一実施形態において、キットはイムノアッセイで使用するための1種以上の試薬を含む。一実施形態において、キットはMSアッセイで使用するための1種以上の試薬を含む。本発明は、以下の非制限的な例によってさらに説明される。
【実施例】
【0099】
(実施例1)
脂質代謝産物は、空腹時血液サンプルからの耐糖能障害の判定の改善をもたらす。
【0100】
プロトコルおよび方法
若年者9名(女性5名、男性4名:年齢20〜32歳)および高齢者16名(女性11名、男性5名;年齢65〜74歳)の志願者25名の対象が試験に組み入れられた。群はどちらも同様に多民族より成り、若年群では白色人種6名、ヒスパニック2名、およびアフリカ系アメリカ人1名であり、高齢群では白色人種12名、ヒスパニック3名、およびアフリカ系アメリカ人1名であった。志願者はすべて病歴および理学的検査によって健常であり、いずれも定期的な有酸素または筋力トレーニングに参加していなかった。対象の総コレステロールは250mg/dl(6.5mmol/リットル)であり、TSHレベルは正常範囲内(0.49〜4.70μIU/ml)であった。さらなる除外には、触知可能な肝腫大;B型肝炎、C型肝炎、またはHIV検査陽性;貧血;または次の1つ以上のレベルの上昇:122U/リットルを超えるアルカリホスファターゼ、51U/リットルを超えるアラニンアミノトランスフェラーゼ、または40U/リットルを超えるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼが含まれていた。対象には、脂質低下薬、糖尿病薬、抗凝血薬、違法薬物の使用、またはアルコールの(1日1回または週6回を超える)過剰な消費はなかった。
【0101】
志願者はUniversity of Texas Medical BranchのGeneral Clinical Research Center(GCRC)に夕方入院して、翌朝、一晩絶食後にMRSを受け、続いて全身二重X線吸収測定(DEXA)スキャンを受けた。志願者は次にGCRCに戻り、20ゲージIVカテーテルを血液サンプル採取のために肘正中静脈に挿入した。2回のベースラインサンプルの後に、デキストロース75mgを用いた2時間経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で実施した。OGTT開始前に対象を約12時間絶食させた。血液を30分おきにサンプル採取した[52]。
【0102】
分析方法
各サンプルの脂質は、信頼できる代用標準の存在下で抽出した(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、“Generating,Viewing,Interpreting,and Utilizing a Quantitative Database of Metabolites”という名称の国際特許出願番号PCT/US02/21426号に記載、特に16〜17頁、および25〜28頁に記載。簡潔には、Folchらの方法[53]によって信頼できる内部標準の存在下で、血漿(200ul)から脂質をクロロホルム:メタノール(2:1、v/v)で抽出した。抽出物内の個々の脂質クラスを、Watkinsら[54]が記載するように分取クロマトグラフィーによって分離した。簡潔には、中性脂質の場合、TLCプレートを1mM EDA、pH5.5で含浸させて、上昇展開によって洗浄した。サンプル抽出物を窒素下で乾燥させて、EDTA含浸TLCプレートにスポットした。脂質クラス[全PL、FFA、TAG、DAG、FC、CE]の分離のために、石油エーテル/ジエチルエーテル/酢酸(80:20:1、体積による)より成る溶媒系を利用した。リン脂質クラスは、LutzkeおよびBraughler(REF1)が記載したように、Phenomenex Sperex 5u OH Diolカラム(250×4.6mm、5ミクロン)およびSEDEX 75蒸発光散乱検出器を用いて、Agilent 1100 Series HPLCでの高速液体クロマトグラフィーによって分離した。単離した脂質クラスを、窒素雰囲気下の密封バイアル内の3Nメタノール性HCl中で100℃にて45分間にわたってトランスエステル化した。得られた脂肪酸メチルエステルを、0.05%ブチル化ヒドロキシトルエンを含有するヘキサンで抽出して、窒素下でヘキサン抽出物を密封してガスクロマトグラフィー用に調製した。
【0103】
脂肪酸メチルエステルを分離して、60m DB−23キャピラリーカラム(J&W Scientific、フォルサム、カリフォルニア州)を装備したHewlett−Packard(ウィルミントン、デラウェア州)ガスクロマトグラフ(model 6890)、水素炎イオン化検出器、およびHewlett−Packard ChemStationソフトウェアを使用して、キャピラリーガスクロマトグラフィーによって定量した。
【0104】
クロマトグラムが生成されると、分析ソフトウェア(Atlas 2003;Thermo Electron Corporation)が参照標準に基づいて対象となる各検体脂質代謝産物を同定して、未処理面積を生成した。各検体の未処理面積、ピーク形状パラメータおよび応答因子を情報管理システムにエクスポートして、そこで積分アルゴリズムを使用して対象となる各検体の補正面積を生成した。定量的データは、検体ピークの面積の、適切な代用品の面積に対する比を得て計算した。この比に元のサンプル中の代用品の濃度を掛けて、サンプルフォーマット1グラム当りのデータをマイクログラムで生成した。次に各検体をその分子量で割り、1000を掛けて、サンプル1グラム当りの検体をナノモルで計算した。各脂質クラスのモルパーセンテージデータは、各脂肪酸の濃度をそのクラス内の脂肪酸の濃度の和で割ることによって計算した。
【0105】
統計分析
対象母集団には、広範囲のインスリン抵抗性および耐糖性を有する21〜78歳の対象34名が含まれていた。血液中の脂肪酸と耐糖能障害との関係を決定するために、2つの結果を使用した。顕性糖尿病患者は本分析から除外した。第1の結果は、ブドウ糖負荷試験(GTT)の曲線下面積(AUC)であった。GTTのAUCを予測するこれらの脂質代謝産物を決定するために、(ベースラインにおける)各代謝産物測定値を、AUC糖、AUC糖増分、空腹時血糖および空腹時インスリンとのその関係について調査した。第2の結果は、2時間時点での血中の血糖レベルであった。各検体が耐糖能障害対象を同定する能力(2時間血糖>140mg/dL)を、ROCの曲線下面積を計算することによって決定した。糖抵抗性対象の予測を十分に行った代謝産物について、ロジスティック回帰分析を使用して空腹時血糖を代謝産物と組合せた尺度を作成した。AUC糖の予測での選択した各検体の性能を、140mg/dLカットオフの2時間糖を使用して、受信者動作曲線のAUCを決定することによって評価した。
【0106】
耐糖能障害を予測する空腹時脂質代謝産物の原理
耐糖能障害(140mg/dLを超える、75mg OGTT試験2時間後の糖として定義される)は、空腹時血糖測定よりも、インスリン抵抗性ならびにインスリン抵抗性関連罹患率および死亡率の優れた予測材料である[55]。経口ブドウ糖負荷試験は、その予測能力はより優れているものの、扱いにくく、費用がかかり、実用的でないために、頻繁には利用されない。したがって、我々は、OGTTのAUCまたは予測耐糖能障害(2時間糖>140mg/dL)のどちらかと相関した、あるいは空腹時血糖測定値に予測値を追加した、血漿脂質代謝産物を同定することを試みた。
【0107】
Lipomicsは、対象34名のブドウ糖負荷試験前の空腹時サンプルから脂質代謝産物を定量した。測定した脂質には、アシルカルニチン(AC)、ブチロベタイン、L−カルニチン、コレステロール、コレステロールエステル(CE)、ジグリセリド(DG)、遊離コレステロール(FS)、遊離脂肪酸(FA)、リゾホスファチジルコリン(LY)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびトリグリセリド(TG)が含まれていた。CE、DG、FA、LY、PC、PEおよびTG脂質クラスでは、以下の脂肪酸成分を絶対項(血漿または血清1グラム当りのナノモル数)で、または脂質クラス内の全脂肪酸の割合としてのどちらかで定量した:14:0、15:0、16:0、18:0、20:0、22:0、24:0、14:1n5、16:1n7、18:1n7、18:1n9、20:1n9、20:3n9、22:1n9、24:1n9、18:2n6、18:3n6、20:2n6、20:3n6、20:4n6、22:2n6、22:4n6、22:5n6、18:3n3、18:4n3、20:3n3、20:4n3、20:5n3、22:5n3、22:6n3、24:6n3、16:0、18:0、18:1n7および18:1n9のプラスマロゲン誘導体、tl6:1n7 tl8:1n9 tl8:2n6。AC脂質クラスでは、以下の脂肪酸−カルニチンエステルを絶対項(血漿または血清1グラム当りのナノモル数)で定量した:2:0、3:0、4:0、5:0、6:0、8:0、10:0、12:0、14:0、16:0、18:0、18:1n9、18:2n6。「Total.LC」という用語は、示された値が血清または血漿1グラム当りのナノモル数として表現された脂質のクラスの総濃度であることを示す。それゆえ省略形PC18:2n6は、血漿または血清ホスファチジルコリン中の18:2n6の絶対量またはリノール酸(18:2n6)より成る血漿または血清ホスファチジルコリンのパーセンテージのどちらかを示し、AC6:0という用語は、血清または血漿中に存在するヘキサノイルカルニチンの絶対量を示し、TGTotal.LCという用語は、血清または血漿中に存在するトリグリセリドの絶対量を示す。
【0108】
結果
多くの脂質代謝産物の空腹レベルは、P<0.1でAUC糖を独立して予測した(表5)。特に、アシルカルニチンおよび遊離カルニチンはAUC糖と有意で正の相関があった。代謝産物AC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0およびCE18:2n6は、AUC糖の特に良好な独立した予測材料であり、糖尿病状態の潜在的な代用マーカーとして見なされる可能性がある。
【0109】
【表5−1】

【0110】
【表5−2】

空腹時サンプル中のその濃度とAUC糖との間に良好な相関を示す脂質代謝産物を、耐糖能障害の診断可能性について評価した。受信者動作特性曲線を使用して、検体が耐糖能障害(2時間OGTT糖>140mg/dL)を予測する能力を判定した。これらの分析の例を下に示す。多くの脂質代謝産物は、空腹時血糖測定よりも大幅に耐糖能障害を予測し(図1)、これらの代謝産物が糖尿病状態を診断および予測する現在の常法より優れた大幅な改善であることを示している。
【0111】
一例として、空腹時AC6:0がAUC糖の代用として役立つ可能性は、ROC分析の結果によって記載されている(表6)。(140mg/dLを超える2時間糖によって定義されるような)耐糖能障害を予測する定量的カットオフを左列に示し、血漿または血清1グラム当りのAC6:0のナノモル数で表す。AC6:0および他の脂質代謝産物は、ROC曲線下面積によって判定したような空腹時血糖よりも大幅に本母集団の耐糖能障害を予測した。
【0112】
【表6−1】

経口ブドウ糖負荷または他の糖尿病の診断試験は、用途に応じて感受性または特異性に基づく確実性をさらに必要とすることがある。それゆえ、空腹時血液サンプルから経口耐糖能障害(140mg/dLを超える2時間糖)を決定するための診断カットオフは、具体的な試験要件に基づいて異なることがある。経口耐糖能障害を決定する診断カットオフの有用な範囲を表6bに示す。選択した各代謝産物で、最も低い潜在的有用カットオフを「下限」という名称の列の下に示し、最も高い潜在的有用カットオフを「上限」という名称の列の下に示す。カットオフ値よりも高い、対象からのサンプル中の耐糖能障害と正の関連があるマーカーの濃度は、対象が耐糖能障害であることを示している。関連の方向は、最も右の列に示した。正の関連は、マーカーの濃度の上昇が経口耐糖能障害または糖尿病状態のリスクまたは重症度の上昇で示されることを表している。負の関連は、マーカーの濃度の低下が経口耐糖能障害または糖尿病状態のリスクまたは重症度の上昇で示されることを表している。
【0113】
【表6−2】

AUC糖を独立して予測し、2時間糖によって決定されたように耐糖能障害を予測した脂質代謝産物に加えて、多くの脂質代謝産物は、空腹時血糖がAUC糖を予測する能力を改善する情報をもたらした。線形回帰分析を利用して、空腹時脂質代謝産物のAUC糖との相関を調査して、空腹時血糖測定値を調整した。これらの空腹時血漿脂質代謝産物を表7に示す。
【0114】
【表7−1】

【0115】
【表7−2】

さらに、各代謝産物について、受信者動作特性曲線のAUCを評価することによって、耐糖能障害対象を予測するその能力について調査した。十分に作用した代謝産物では、ロジスティック回帰分析を使用して空腹時血糖を代謝産物と組合せた尺度を作成した。組合せた変数を使用した耐糖能障害の予測が改善したことが、ROC曲線のAUCを使用して判定された(表8)。
【0116】
【表8−1】

【0117】
【表8−2】

脂質代謝産物が測定した空腹時血糖による耐糖能障害の予測を改善する能力の例を図2に示す。TG14:0は、耐糖能障害の予測で空腹時血糖(AUC 0.789)よりも良好に作用した。しかしTG14:0の空腹時血糖との組合せによって0.815のAUCが得られ、TG14:0または空腹時血糖単独よりも改善された。
【0118】
空腹時血糖測定から耐糖能障害の予測を改善する空腹時血漿代謝産物濃度:CE14:0、CE20:0、CETotal:LC、DG18:1n7、DG20:3n6、FA14:0、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:5n3、FA22:6n3、FSTotal:LC、LY16:1n7、LY18:1n9、LY20:3n9、LY22:4n6、PC18:0、PC18:2n6、PC20:1n9、PC20:2n6、PC20:4n6、PC22:4n6、PCdm18:0、PCdm18:1n9、PE16:0、PE20:0、PE20:4n6、PE20:5n3、TG14:0、TG14:1n5、TG16:1n7、TG20:0、TG20:2n6、およびTG22:4n6。
【0119】
マーカーCETotal:LCおよびPC18:0は耐糖能障害に正の関連があることが見出されたが、PC18:2n6は耐糖能障害に負の関連があることが見出された。
【0120】
概要
本研究は、AUC糖および2時間糖を、血漿脂質代謝産物が糖尿病状態を判定するその能力について比較評価する終点として使用した。我々は、2時間糖が2型糖尿病、経口耐糖能障害、インスリン抵抗性などを含む糖尿病状態の多くの態様の論理的代用物であり、それゆえ本明細書で同定されたAUC糖のマーカーも他の糖尿病状態のマーカーであることを提唱する。本明細書に記載する脂質代謝産物マーカーは、糖尿病状態の態様の単独の予測材料または診断試験として作用する可能性がある。さらにそれらは空腹時血糖、空腹時インスリン、BMI、空腹時トリグリセリド、LDL−コレステロールおよび糖尿病状態の予測材料の代謝状況の他の尺度を含む、既存または今後の試験に付加価値を加える可能性がある。
【0121】
(実施例2)
PPARガンマ作用薬治療のマーカーが治療有効性および糖尿病状態の反転の診断ツールを提供する
原理
上で示したように、複数の血漿脂質代謝産物は、空腹時血糖およびその他よりもAUC糖のより優れた予測材料を与え、空腹時血糖測定に予測値を加える。それゆえ脂質代謝産物は、耐糖能障害および他の糖尿病状態で重要な役割を果たしている。この事実は、糖尿病状態の臨床治療プロトコルが脂質代謝に顕著な効果を有するチアゾリジンジオン類、フィブラート類およびスタチン類を含む薬物を利用することによって強調される。特に、PPAR作用薬として公知の薬剤の群は、脂質代謝経路を変化させることによってインスリン抵抗性および糖尿病状態を改善し、それゆえ糖尿病状態を反転させるPPAR作用薬の有効性を監視する診断ツールとして有用であろう血漿脂質代謝産物濃度の変化を生じさせることがある。
【0122】
薬物療法によって標的とされる3種のPPAR受容体、PPAR−アルファ、PPAR−デルタおよびPPAR−ガンマがある。本発明者らは、ヒト対象の各クラスの薬物例による治療で生じた血漿脂質代謝産物濃度の変化をプロファイリングして、治療および有効性のマーカーを決定した。これらのマーカーは、糖尿病症状の治療におけるこれらの薬物クラスの有効性および安全性を予測するのに有用なことがある。さらに、本明細書で同定したマーカーは、糖尿病状態の機構診断ツールおよび薬物療法によるその管理を与えることによって、治療選択肢(どの薬物、どのくらいの用量など)について指針を与えるのに役立つことがある。
【0123】
研究の概要
本探索的調査研究の主な目的は、治療8週間後のプラセボおよびロシグリタゾンの薬力学的効果について、付随する血糖変化との関連で説明することであった。食事および運動のみ、承認単剤療法、または承認低用量併用療法で治療されている、安定2型糖尿病の35〜70歳の男性を登録した。最大4週間のスクリーニング期間および5週間の洗い流し期間の完了後に、適格の対象をプラセボ群(対象20名)またはロシグリタゾン群(対象21名)に無作為に分けた。治療は8週間にわたって単純盲検で行い、ロシグリタゾン投薬量を滴定して最適糖調節(1日当り4〜8mg)を実現した。空腹時血漿サンプルをベースラインならびに療法開始の4および8週間後に採取した。
【0124】
各サンプル中で測定した測定した脂質には、アシルカルニチン(AC)、ブチロベタイン、L−カルニチン、コレステロール、コレステロールエステル(CE)、ジグリセリド(DG)、遊離コレステロール(FS)、遊離脂肪酸(FA)、リゾホスファチジルコリン(LY)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびトリグリセリド(TG)が含まれていた。CE、DG、FA、LY、PC、PEおよびTG脂質クラスでは、以下の脂肪酸成分を脂質クラス内の全脂肪酸の割合として定量した:14:0、15:0、16:0、18:0、20:0、22:0、24:0、14:1n5、16:1n7、18:1n7、18:1n9、20:1n9、20:3n9、22:1n9、24:1n9、18:2n6、18:3n6、20:2n6、20:3n6、20:4n6、22:2n6、22:4n6、22:5n6、18:3n3、18:4n3、20:3n3、20:4n3、20:5n3、22:5n3、22:6n3、24:6n3、16:0、18:0、18:1n7および18:1n9のプラスマロゲン誘導体、tl6:1n7 tl8:1n9 tl8:2n6。AC脂質クラスでは、以下の脂肪酸−カルニチンエステルを絶対項(血漿または血清1グラム当りのナノモル数)で定量した:2:0、3:0、4:0、5:0、6:0、8:0、10:0、12:0、14:0、16:0、18:0、18:1n9、18:2n6。「Total.LC」という用語は、示された値が血清または血漿1グラム当りのナノモル数として表現された脂質クラスの全濃度であることを示す。それゆえ省略形PC18:2n6は、リノール酸(18:2n6)より成る血漿または血清ホスファチジルコリンのパーセンテージを示し、AC6:0という用語は、血清または血漿中に存在するヘキサノイルカルニチンの絶対量を示し、TGTotal.LCという用語は、血清または血漿中に存在するトリグリセリドの絶対量を示す。
【0125】
結果
PPAR−ガンマ作用薬を用いた治療は、血漿中の脂質代謝産物濃度に対して強力な効果を生じた。これらの変化は、糖尿病状態の治療ならびに個人における治療の安全性および耐容性の評価におけるPPARガンマ剤の有効性を判定する診断可能性をもたらした。治療は、血漿血糖およびHbA1c濃度の低下を含む代謝パラメータの改善を引き起こして、それゆえ糖尿病状態の潜在的に有効な治療として機能する。
【0126】
PPARガンマ治療によって引き起こされた血漿脂質代謝産物濃度の変化は、上述の糖尿病状態の診断マーカーを反転させる機構に直接関連している可能性があり、または糖尿病状態を改善する代わりの経路を示す可能性がある。どちらの場合でも、後述のマーカーは、糖尿病状態の反転または予防でのPPAR−ガンマ治療の有効性を判断するのに有用である。
【0127】
治療によって引き起こされた血漿脂質代謝産物の濃度の有意な変化(各治療群について薬物治療前後の対応のあるt検定によって計算)を下のリストに記載する。
【0128】
PPAR−ガンマ治療の結果として上昇した血漿代謝産物濃度には:
PC20:4n3、PC16:1n7、CE16:1n7、CE18:1n9、LY20:3n6、PC18:1n9、CE20:2n6、FA24:0、PE20:3n9、CE20:3n9、PC20:3n9、PE20:3n6、LY18:1n7、TG16:1n7、FA14:0、FA16:1n7、FA22:6n3、FA20:5n3、PC20:2n6、CETotal.LC、TG16:0、PC20:3n6、PE18:1n7、PE18:2n6、CE18:0、PE16:1n7、CE18:1n7、PE16:0、LY20:3n9、PC18:1n7、LY20:1n9、CE14:0、FA18:1n7、TG14:0、PC20:1n9、CE20:3n6、TG18:1n7、LY18:1n9、LY16:0、PC16:0、DGTotal.LC、DG16:0、DG18:0、LYTotal.LC、PETotal.LCが含まれていた。
【0129】
PPAR−ガンマ治療の結果として低下した血漿代謝産物濃度には:
PC20:4n6、CE20:4n6、TG22:4n6、PC20:0、LY22:5n3、FA18:1n9、DG18:1n9、LY20:5n3、PC22:6n3、FATotal.LC、TG22:6n3、PE20:4n6、LY18:0、PC18:0、FA22:5n3、CE18:2n6、LY20:4n6、FA18:2n6、LY18:2n6、DG18:2n6、PC18:4n3、LY18:3n3、TG20:5n3、DG20:4n6、TG20:4n6、PC18:3n3、TG18:3n3、Pedm、TG18:4n3、TG18:2n6、PCdm16:0、PEdm18:0、PEdm18:1n9、PC14:0、TG22:0、TG18:3n6、CE16:0、SP18:0が含まれていた。
【0130】
PPAR−ガンマ治療の結果として上昇する、選択した血漿代謝産物濃度には:
・TGおよび/または全血漿脂質中の14:0のモルパーセント組成;
・PC、TGおよび/または全血漿脂質中の16:0のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、FAおよび/または全血漿脂質中の16:1n7のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、FAおよび/または全血漿脂質中の18:1n7のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の20:3n9のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の20:3n6のモルパーセント組成;
が含まれる。
【0131】
PPAR−ガンマ治療の結果として低下する、選択した血漿代謝産物濃度には:
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の20:4n6のモルパーセント組成;
・FA中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の22:6n3のモルパーセント組成;
・PCおよび/または全血漿脂質中の18:0のモルパーセント組成;
・PC、CE、FA、TGおよび/または全血漿脂質中の18:2n6のモルパーセント組成;
・PC、PE、および/または全血漿脂質中のプラスマロゲン(dm)のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の20:3n6のモルパーセント組成;
が含まれる。
【0132】
(実施例3)
PPAR−アルファおよびデルタ作用薬治療のマーカーが治療有効性、安全性および糖尿病状態の反転の診断ツールを提供する
研究の概要
プラセボと比較してPPARデルタ修飾剤(5mg/10mg)およびPPARデルタ修飾剤(20mg)を用いた12週間の治療の効果を調査する臨床研究を対象57名に実施した。血漿サンプルは投薬前ならびに治療28日、42日および84日後に採取した。Lipomicsは、試験の各時点からの脂質代謝産物の濃度を決定して、治療有効性、安全性および糖尿病状態の反転のマーカーの、脂質代謝産物濃度の変化について評価した。
【0133】
測定した脂質には、コレステロール、コレステロールエステル(CE)、ジグリセリド(DG)、遊離コレステロール(FS)、遊離脂肪酸(FA)、リゾホスファチジルコリン(LY)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびトリグリセリド(TG)が含まれていた。CE、DG、FA、LY、PC、PEおよびTG脂質クラスでは、以下の脂肪酸成分を脂質クラス内の全脂肪酸の割合として定量した:14:0、15:0、16:0、18:0、20:0、22:0、24:0、14:1n5、16:1n7、18:1n7、18:1n9、20:1n9、20:3n9、22:1n9、24:1n9、18:2n6、18:3n6、20:2n6、20:3n6、20:4n6、22:2n6、22:4n6、22:5n6、18:3n3、18:4n3、20:3n3、20:4n3、20:5n3、22:5n3、22:6n3、24:6n3、16:0、18:0、18:1n7および18:1n9のプラスマロゲン誘導体、tl6:1n7 tl8:1n9 tl8:2n6。AC脂質クラスでは、以下の脂肪酸成分を絶対項(血漿または血清1グラム当りのナノモル数)で定量した:2:0、3:0、4:0、5:0、6:0、8:0、10:0、12:0、14:0、16:0、18:0、18:1n9、18:2n6。「Total.LC」という用語は、示された値が血清または血漿1グラム当りのナノモル数として表現された脂質のクラスの総濃度であることを示す。それゆえ省略形PC18:2n6は、リノール酸(18:2n6)より成る血漿または血清ホスファチジルコリンのパーセンテージを示し、AC6:0という用語は、血清または血漿中に存在するヘキサノイルカルニチンの絶対量を示し、TGTotal.LCという用語は、血清または血漿中に存在するトリグリセリドの絶対量を示す。
【0134】
結果
PPAR−aおよびPPAR−d作用薬の両方を用いた治療は、血漿中の脂質代謝産物濃度に対して強力な効果を生じた。これらの変化は、糖尿病状態の治療ならびに個人における治療の安全性および耐容性の評価におけるPPAR剤の有効性を判定する診断可能性をもたらした。両方の治療が、血漿トリグリセリド、LDLおよび糖レベルを含む代謝パラメータの改善を引き起こして、それゆえ糖尿病状態の潜在的に有効な治療として機能する。
【0135】
PPAR治療によって引き起こされた血漿脂質代謝産物濃度の変化は、上述の糖尿病状態の診断マーカーを反転させる機構に直接関連している可能性があり、または糖尿病状態を改善する代わりの経路を示す可能性がある。どちらの場合でも、後述のマーカーは、糖尿病状態の反転または予防でのPPAR治療の有効性を判断するのに有用である。
【0136】
治療によって引き起こされた血漿脂質代謝産物の濃度の有意な変化は、下のリストに記載する。第1日〜第28日、第42日、および第84日までの変化を各治療群について計算して、対応のあるt検定を用いて治療群内の変化をプラセボ群の変化と比較することによって、有意性を判定した。
【0137】
PPAR−アルファ治療の結果として上昇した血漿代謝産物濃度には:
CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、CE20:4n6、DG14:0、DG14:1n5、DG15:0、DG16:0、DG18:0、DG20:4n6、DG22:6n3、DG24:0、FA14:1n5、FA15:0、FA16:0、FA18:0、FA20:0、FA22:0、FA22:1n9、FA24:0、FA24:1n9、LY16:0、LY18:3n6、LY20:4n3、PC16:0、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n6、PC18:4n3、PC20:2n6、PC20:3n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PCdml6:0、PCdml8:1n7、PE16:1n7、PEdm16:0、PEdm18:1n7、TG15:0、TG16:0、TG16:1n7、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG22:5n6、TG24:0、TG18.3n6、TG18.4n3が含まれていた。
【0138】
PPAR−アルファ治療の結果として低下した血漿代謝産物濃度には:
CE18:2n6、CETotal.LC、DG18:1n7、DG18:1n9、DG18:2n6、DGTotal.LC、FA18:1n9、FA18:2n6、FA20:1n9、FATotal.LC、PC18:2n6、PC22:5n3、PE18:0、PE22:0、PE22:1n9、TG18:2n6、TG18:3n3、TGTotal.LCが含まれていた。
【0139】
PPAR−デルタ治療の結果として上昇した血漿代謝産物濃度には:
CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、DG14:0、DG15:0、DG16:0、DG16:1n7、FA14:0、FA14:1n5、FA15:0、FA18:0、FA20:0、FA20:4n6、FA22:0、FA22:2n6、FA22:5n6、FA24:1n9、LY16:1n7、LY18:1n9、LY18:3n6、LY20:3n9、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n3、PC18:3n6、PC20:2n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20:5n3、PCdm16:0、PCdml8:1n9、PE16:1n7、PE18:1n7、PE20:3n9、TG14:0、TG14:1n5、TG16:0、TG16:1n7、TG18:3n6、TG18:4n3、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG24:1n9、L−カルニチンおよびブチロベタインが含まれていた。
【0140】
PPAR−デルタ治療の結果として低下した血漿代謝産物濃度には:
CE18:1n7、CE18:2n6、CE20:4n6、CE22:1n9、CETotal.LC、DG18:2n6、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:1n9、FA22:6n3、FATotal.LC、LY18:0、LY20:4n6、LY22:6n3、PC15:0、PC20:4n6、PC22:5n6、PC22:6n3、PE18:0、PE22:6n3、TG18:2n6、TG18:3n3、CE16:0、DG18:3n3、DG20:3n6、DGTotal.LC、FA18:2n6、FA20:2n6、FA20:3n6、PC18:2n6、PE20:2n6、PEdm18:0、PETotal.LCおよびTGTotal.LCが含まれていた。
【0141】
PPAR−アルファまたはデルタ治療の結果として上昇する、選択した血漿代謝産物濃度には:
・PC、TGおよび/または全血漿脂質中の16:0のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、FAおよび/または全血漿脂質中の16:1n7のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の20:3n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の18:3n6のモルパーセント組成;
・PC、CE、および/または全血漿脂質中の20:3n6のモルパーセント組成;
・PC、PE、および/または全血漿脂質中のプラスマロゲン(dm)のモルパーセント組成;
が含まれる。
【0142】
PPAR−アルファまたはデルタ治療の結果として低下する、選択した血漿代謝産物濃度には:
・FA中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の22:6n3のモルパーセント組成;
・PC、CE、FA、TGおよび/または全血漿脂質中の18:2n6のモルパーセント組成;
が含まれる。
【0143】
(実施例4)
療法に対して応答性のマーカー
3つすべてのPPAR標的(PPAR−ガンマ、PPAR−アルファ、およびPPAR−デルタ)を標的とする薬剤は使用されているか、または抗糖尿病剤として使用される可能性がある。以下のリストは、療法応答性マーカーを同定するためにPPAR治療の一般的なマーカーを組合せている。これらのマーカーは、PPAR剤による糖尿病状態の治療の有効性を判定するために使用することができる:
これらの代謝産物は、経口耐糖能異常、インスリン抵抗性および他の糖尿病状態の療法的改善によって増加する:
・TGおよび/または全血漿脂質中の14:0のモルパーセント組成;
・PC、TGおよび/または全血漿脂質中の16:0のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、FAおよび/または全血漿脂質中の16:1n7のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の20:3n9のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の20:3n6のモルパーセント組成。
【0144】
これらの代謝産物は、経口耐糖能障害、インスリン抵抗性および他の糖尿病状態の療法的改善によって減少する:
・FA中の18:1n9のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の22:6n3のモルパーセント組成;
・PCおよび/または全血漿脂質中の18:0のモルパーセント組成;
・PC、CE、FA TGおよび/または全血漿脂質中の18:2n6のモルパーセント組成;
・PC、CE、TG、および/または全血漿脂質中の18:3n6のモルパーセント組成;
・PC、CEおよび/または全血漿脂質中の20:3n6のモルパーセント組成。
【0145】
参考文献
数字表記によって巻末注の形で上で引用した参考文献を下に明記する:
【0146】
【数1】

【0147】
【数2】

【0148】
【数3】

【0149】
【数4】

【0150】
【数5】

【0151】
【数6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象からのサンプル中の第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法であって、前記第1の代謝産物マーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択され、前記第1の代謝産物マーカーのレベルが前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度を示す、方法。
【請求項2】
前記第1の代謝産物マーカーのレベルを糖尿病状態の存在、非存在、または程度と相関させるステップをさらに含み、前記第1のマーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、またはPCdmである場合、前記第1のマーカーは前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と正の相関があり、前記第1のマーカーがTG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、またはPE16:0である場合、前記第1のマーカーが前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と負の相関がある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象からの体液中の第1および第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法であって、前記第1および第2の代謝産物マーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択され、前記第1および第2の代謝産物マーカーが前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度を示す、方法。
【請求項4】
前記第1および第2の代謝産物マーカーのレベルを前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度と相関させるステップをさらに含み、前記第1または第2のマーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、またはPCdmである場合、前記第1または第2のマーカーは前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と正の相関があり、前記第1または第2のマーカーがTG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、またはPE16:0である場合、前記第1または第2のマーカーが前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と負の相関がある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
対象からのサンプル中の第1、第2、および第3の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法であって、前記第1、第2および第3の代謝産物マーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択され、前記第1、第2および第3の代謝産物マーカーが前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度を示す、方法。
【請求項6】
前記第1、第2、および第3の代謝産物マーカーのレベルを前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度と相関させるステップをさらに含み、前記第1、第2、または第3のマーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、またはPCdmである場合、前記第1、第2、または第3のマーカーが糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と正の相関があり、前記第1、第2、または第3のマーカーがTG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、またはPE16:0である場合、前記第1、第2、または第3のマーカーが前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と負の相関がある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
対象からのサンプル中の第1、第2、第3、および第4の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含む、対象の糖尿病状態を判定する方法であって、前記第1、第2、第3、および第4の代謝産物マーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TG14:0、TGTotal:LC、PE16:1n7、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、PC18:2n6、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、DG18:0、CE18:2n6、CE16:1n7、PC16:1n7、FA16:1n7、FA18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、TG16:1n7、FSTotal:LC、PCdm、CE18:1n9、PC18:1n9、およびPE16:0からなる群より選択され、前記第1、第2、第3、および第4の代謝産物マーカーが前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度を示す、方法。
【請求項8】
前記第1、第2、第3、および第4の代謝産物マーカーのレベルを前記糖尿病状態の存在、非存在、または程度と相関させるステップをさらに含み、前記第1、第2、第3、または第4のマーカーがAC6:0、PE20:4n6、AC16:0、AC14:0、FA22:2n6、AC8:0、AC10:0、AC3:0、CETotal:LC、AC12:0、TGTotal:LC、PC18:0、L−カルニチン、PE20:0、DGTotal:LC、AC4:0、TG18:1n9、PE20:4n6、PC20:4n6、CE14:0、CETotal:LC、FSTotal:LC、またはPCdmである場合、前記第1、第2、第3、または第4マーカーが前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と正の相関があり、前記第1、第2、第3、または第4のマーカーがTG14:0、PE16:1n7、PE20:0、PC18:2n6、DG18:0およびCE18:2n6、CE16:1n7、CE18:1n9、PC16:1n7、PC18:1n9、FA16:1n7、FA18:1n9、TG16:1n7、またはPE16:0である場合、前記第1、第2、第3、または第4のマーカーが前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と負の相関がある、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のマーカーが:AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2のマーカーが:AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される、請求項3〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1、第2、および第3のマーカーが:AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1、第2、第3、および第4のマーカーが:AC6:0、AC16:0、AC14:0、AC8:0、AC10:0、AC12:0、TG14:0、FA16:1n7、FA18:1n9、CE16:1n7、PC16:1n7およびPC18:1n9からなる群より選択される、請求項7〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記糖尿病状態が耐糖能異常、インスリン抵抗性、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症、または妊娠糖尿病である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記糖尿病状態が前糖尿病状態である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記糖尿病状態が耐糖能異常である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記糖尿病状態がインスリン抵抗性である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記サンプルが血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の代謝産物マーカーのレベルの測定がクロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、または質量分析法を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記糖尿病状態の重症度を同定、監視、または判定する方法である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記糖尿病状態の進行または後退を判定する方法である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
(1)前記糖尿病状態の1つ以上のリスク因子の有無を判断して、前記リスク因子の有無を前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップ;あるいは
(2)さらなるバイオマーカーのレベルを測定して、前記さらなるバイオマーカーのレベルを前記糖尿病状態の存在、発症リスク、または重症度と相関させるステップ;
をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上のリスク因子が:年齢、体重、ボディマス指数(BMI)、家族歴、病歴、民族的背景、高血圧、コレステロールレベル、および活動レベルからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらなるバイオマーカーが血糖またはグリコシル化ヘモグロビンからなる群より選択される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、PC20:4n6、CE20:4n6、TG22:4n6、PC20:0、LY22:5n3、FA18:1n9、DG18:1n9、LY20:5n3、PC22:6n3、FATotal.LC、TG22:6n3、PE20:4n6、LY18:0、PC18:0、FA22:5n3、CE18:2n6、LY20:4n6、FA18:2n6、LY18:2n6、DG18:2n6、PC18:4n3、LY18:3n3、TG20:5n3、DG20:4n6、TG20:4n6、PC18:3n3、TG18:3n3、Pedm、TG18:4n3、TG18:2n6、PCdm16:0、PEdm18:0、PEdm18:1n9、PC14:0、TG22:0、TG18:3n6、CE16:0、SP18:0からなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−γに影響することを示す、方法。
【請求項25】
PC20:4n6、CE20:4n6、TG22:4n6、PC20:0、LY22:5n3、FA18:1n9、DG18:1n9、LY20:5n3、PC22:6n3、FATotal.LC、TG22:6n3、PE20:4n6、LY18:0、PC18:0、FA22:5n3、CE18:2n6、LY20:4n6、FA18:2n6、LY18:2n6、DG18:2n6、PC18:4n3、LY18:3n3、TG20:5n3、DG20:4n6、TG20:4n6、PC18:3n3、TG18:3n3、Pedm、TG18:4n3、TG18:2n6、PCdm16:0、PEdm18:0、PEdm18:1n9、PC14:0、TG22:0、TG18:3n6、CE16:0、SP18:0からなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−γに影響することを示す、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、PC20:4n3、PC16:1n7、CE16:1n7、CE18:1n9、LY20:3n6、PC18:1n9、CE20:2n6、FA24:0、PE20:3n9、CE20:3n9、PC20:3n9、PE20:3n6、LY18:1n7、TG16:1n7、FA14:0、FA16:1n7、FA22:6n3、FA20:5n3、PC20:2n6、CETotal.LC、TG16:0、PC20:3n6、PE18:1n7、PE18:2n6、CE18:0、PE16:1n7、CE18:1n7、PE16:0、LY20:3n9、PC18:1n7、LY20:1n9、CE14:0、FA18:1n7、TG14:0、PC20:1n9、CE20:3n6、TG18:1n7、LY18:1n9、LY16:0、PC16:0、DGTotal.LC、DG16:0、DG18:0、LYTotal.LC、PETotal.LCからなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−γに影響することを示す、方法。
【請求項28】
PC20:4n3、PC16:1n7、CE16:1n7、CE18:1n9、LY20:3n6、PC18:1n9、CE20:2n6、FA24:0、PE20:3n9、CE20:3n9、PC20:3n9、PE20:3n6、LY18:1n7、TG16:1n7、FA14:0、FA16:1n7、FA22:6n3、FA20:5n3、PC20:2n6、CETotal.LC、TG16:0、PC20:3n6、PE18:1n7、PE18:2n6、CE18:0、PE16:1n7、CE18:1n7、PE16:0、LY20:3n9、PC18:1n7、LY20:1n9、CE14:0、FA18:1n7、TG14:0、PC20:1n9、CE20:3n6、TG18:1n7、LY18:1n9、LY16:0、PC16:0、DGTotal.LC、DG16:0、DG18:0、LYTotal.LC、PETotal.LCからなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−γに影響することを示す、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、PC20:4n6、CE20:4n6、TG22:4n6、PC20:0、LY22:5n3、FA18:1n9、DG18:1n9、LY20:5n3、PC22:6n3、FATotal.LC、TG22:6n3、PE20:4n6、LY18:0、PC18:0、FA22:5n3、CE18:2n6、LY20:4n6、FA18:2n6、LY18:2n6、DG18:2n6、PC18:4n3、LY18:3n3、TG20:5n3、DG20:4n6、TG20:4n6、PC18:3n3、TG18:3n3、Pedm、TG18:4n3、TG18:2n6、PCdm16:0、PEdm18:0、PEdm18:1n9、PC14:0、TG22:0、TG18:3n6、CE16:0、SP18:0からなる群より選択される少なくとも1種の第1の代謝産物マーカーのレベルと、PC20:4n3、PC16:1n7、CE16:1n7、CE18:1n9、LY20:3n6、PC18:1n9、CE20:2n6、FA24:0、PE20:3n9、CE20:3n9、PC20:3n9、PE20:3n6、LY18:1n7、TG16:1n7、FA14:0、FA16:1n7、FA22:6n3、FA20:5n3、PC20:2n6、CETotal.LC、TG16:0、PC20:3n6、PE18:1n7、PE18:2n6、CE18:0、PE16:1n7、CE18:1n7、PE16:0、LY20:3n9、PC18:1n7、LY20:1n9、CE14:0、FA18:1n7、TG14:0、PC20:1n9、CE20:3n6、TG18:1n7、LY18:1n9、LY16:0、PC16:0、DGTotal.LC、DG16:0、DG18:0、LYTotal.LC、PETotal.LCからなる群より選択される少なくとも1種の第2の代謝産物マーカーのレベルとを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下および前記第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−γに影響することを示す、方法。
【請求項31】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE18:2n6、CETotal.LC、DG18:1n7、DG18:1n9、DG18:2n6、DGTotal.LC、FA18:1n9、FA18:2n6、FA20:1n9、FATotal.LC、PC18:2n6、PC22:5n3、PE18:0、PE22:0、PE22:1n9、TG18:2n6、TG18:3n3、TGTotal.LCからなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−αに影響することを示す、方法。
【請求項32】
CE18:2n6、CETotal.LC、DG18:1n7、DG18:1n9、DG18:2n6、DGTotal.LC、FA18:1n9、FA18:2n6、FA20:1n9、FATotal.LC、PC18:2n6、PC22:5n3、PE18:0、PE22:0、PE22:1n9、TG18:2n6、TG18:3n3、TGTotal.LCからなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−αに影響することを示す、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、CE20:4n6、DG14:0、DG14:1n5、DG15:0、DG16:0、DG18:0、DG20:4n6、DG22:6n3、DG24:0、FA14:1n5、FA15:0、FA16:0、FA18:0、FA20:0、FA22:0、FA22:1n9、FA24:0、FA24:1n9、LY16:0、LY18:3n6、LY20:4n3、PC16:0、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n6、PC18:4n3、PC20:2n6、PC20:3n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PCdm16:0、PCdm18:1n7、PE16:1n7、PEdm16:0、PEdm18:1n7、TG15:0、TG16:0、TG16:1n7、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG22:5n6、TG24:0、TG18.3n6、TG18.4n3からなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−αに影響することを示す、方法。
【請求項35】
CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、CE20:4n6、DG14:0、DG14:1n5、DG15:0、DG16:0、DG18:0、DG20:4n6、DG22:6n3、DG24:0、FA14:1n5、FA15:0、FA16:0、FA18:0、FA20:0、FA22:0、FA22:1n9、FA24:0、FA24:1n9、LY16:0、LY18:3n6、LY20:4n3、PC16:0、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n6、PC18:4n3、PC20:2n6、PC20:3n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PCdm16:0、PCdm18:1n7、PE16:1n7、PEdm16:0、PEdm18:1n7、TG15:0、TG16:0、TG16:1n7、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG22:5n6、TG24:0、TG18.3n6、TG18.4n3からなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−αに影響することを示す、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE18:2n6、CETotal.LC、DG18:1n7、DG18:1n9、DG18:2n6、DGTotal.LC、FA18:1n9、FA18:2n6、FA20:1n9、FATotal.LC、PC18:2n6、PC22:5n3、PE18:0、PE22:0、PE22:1n9、TG18:2n6、TG18:3n3、TGTotal.LCからなる群より選択される少なくとも1種の第1の代謝産物マーカーのレベルと、CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、CE20:4n6、DG14:0、DG14:1n5、DG15:0、DG16:0、DG18:0、DG20:4n6、DG22:6n3、DG24:0、FA14:1n5、FA15:0、FA16:0、FA18:0、FA20:0、FA22:0、FA22:1n9、FA24:0、FA24:1n9、LY16:0、LY18:3n6、LY20:4n3、PC16:0、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n6、PC18:4n3、PC20:2n6、PC20:3n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PCdm16:0、PCdm18:1n7、PE16:1n7、PEdm16:0、PEdm18:1n7、TG15:0、TG16:0、TG16:1n7、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG22:5n6、TG24:0、TG18.3n6、TG18.4n3からなる群より選択される少なくとも1種の第2の代謝産物マーカーのレベルとを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下および前記第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−αに影響することを示す、方法。
【請求項38】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE18:1n7、CE18:2n6、CE20:4n6、CE22:1n9、CETotal.LC、DG18:2n6、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:1n9、FA22:6n3、FATotal.LC、LYl8:0、LY20:4n6、LY22:6n3、PC15:0、PC20:4n6、PC22:5n6、PC22:6n3、PE18:0、PE22:6n3、TG18:2n6、TG18:3n3、CE16:0、DG18:3n3、DG20:3n6、DGTotal.LC、FA18:2n6、FA20:2n6、FA20:3n6、PC18:2n6、PE20:2n6、PEdm18:0、PETotal.LCおよびTGTotal.LCからなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−δに影響することを示す、方法。
【請求項39】
CE18:1n7、CE18:2n6、CE20:4n6、CE22:1n9、CETotal.LC、DG18:2n6、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:1n9、FA22:6n3、FATotal.LC、LY18:0、LY20:4n6、LY22:6n3、PC15:0、PC20:4n6、PC22:5n6、PC22:6n3、PE18:0、PE22:6n3、TG18:2n6、TG18:3n3、CE16:0、DG18:3n3、DG20:3n6、DGTotal.LC、FA18:2n6、FA20:2n6、FA20:3n6、PC18:2n6、PE20:2n6、PEdm18:0、PETotal.LCおよびTGTotal.LCからなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、前記薬剤がPPAR−δに影響することを示す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、DG14:0、DG15:0、DG16:0、DG16:1n7、FA14:0、FA14:1n5、FA15:0、FA18:0、FA20:0、FA20:4n6、FA22:0、FA22:2n6、FA22:5n6、FA24:1n9、LY16:1n7、LY18:1n9、LY18:3n6、LY20:3n9、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n3、PC18:3n6、PC20:2n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20:5n3、PCdm16:0、PCdm18:1n9、PE16:1n7、PE18:1n7、PE20:3n9、TG14:0、TG14:1n5、TG16:0、TG16:1n7、TG18:3n6、TG18:4n3、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG24:1n9、L−カルニチンおよびブチロベタインからなる群より選択される第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−δに影響することを示す、方法。
【請求項42】
CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、DG14:0、DG15:0、DG16:0、DG16:1n7、FA14:0、FA14:1n5、FA15:0、FA18:0、FA20:0、FA20:4n6、FA22:0、FA22:2n6、FA22:5n6、FA24:1n9、LY16:1n7、LY18:1n9、LY18:3n6、LY20:3n9、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n3、PC18:3n6、PC20:2n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20:5n3、PCdm16:0、PCdm18:1n9、PE16:1n7、PE18:1n7、PE20:3n9、TG14:0、TG14:1n5、TG16:0、TG16:1n7、TG18:3n6、TG18:4n3、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG24:1n9、L−カルニチンおよびブチロベタインからなる群より選択される第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップをさらに含み、前記第1および第2の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、前記薬剤がPPAR−δに影響することを示す、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの上昇が、糖尿病状態の治療のための前記薬剤の有効性を示す、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
薬剤の特徴を決定する方法であって、前記方法は、対象に前記薬剤を投与するステップと、CE18:1n7、CE18:2n6、CE20:4n6、CE22:1n9、CETotal.LC、DG18:2n6、FA18:1n7、FA18:1n9、FA20:1n9、FA22:6n3、FATotal.LC、LY18:0、LY20:4n6、LY22:6n3、PC15:0、PC20:4n6、PC22:5n6、PC22:6n3、PE18:0、PE22:6n3、TG18:2n6、TG18:3n3、CE16:0、DG18:3n3、DG20:3n6、DGTotal.LC、FA18:2n6、FA20:2n6、FA20:3n6、PC18:2n6、PE20:2n6、PEdm18:0、PETotal.LCおよびTGTotal.LCからなる群より選択される少なくとも1種の第1の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップと、CE16:1n7、CE18:1n9、CE18:3n6、CE20:3n9、DG14:0、DG15:0、DG16:0、DG16:1n7、FA14:0、FA14:1n5、FA15:0、FA18:0、FA20:0、FA20:4n6、FA22:0、FA22:2n6、FA22:5n6、FA24:1n9、LY16:1n7、LY18:1n9、LY18:3n6、LY20:3n9、PC16:1n7、PC18:1n9、PC18:3n3、PC18:3n6、PC20:2n6、PC20:3n9、PC20:4n3、PC20:5n3、PCdm16:0、PCdm18:1n9、PE16:1n7、PE18:1n7、PE20:3n9、TG14:0、TG14:1n5、TG16:0、TG16:1n7、TG18:3n6、TG18:4n3、TG20:3n9、TG20:4n6、TG22:4n6、TG24:1n9、L−カルニチンおよびブチロベタインからなる群より選択される少なくとも1種の第2の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップとを含み、前記第1の代謝産物マーカーの正常レベルからの低下および前記第2の代謝産物マーカーの正常レベルから上昇が、前記薬剤がPPAR−δに影響することを示す、方法。
【請求項45】
糖尿病状態を有する対象の前記糖尿病状態の治療に対する応答を判定する方法であって、前記対象への治療実施後に前記対象からのサンプル中の代謝産物マーカーのレベルを測定するステップを含み、前記1種以上の代謝産物マーカーが:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;からなる群より選択される、方法。
【請求項46】
前記サンプル中の第2の代謝産物マーカーを測定するステップをさらに含み、前記第2の代謝産物マーカーが:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記サンプル中の第3の代謝産物マーカーを測定するステップをさらに含み、前記第3の代謝産物マーカーが:TG中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する14:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する16:1n7の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:1n9の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する22:6n3の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:0の相対量;全脂肪酸含有量に対する全脂質中の18:0の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;FA中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:2n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;TG中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;全脂質中の全脂肪酸含有量に対する18:3n6の相対量;PC中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;CE中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;および全脂質中の全脂肪酸含有量に対する20:3n6の相対量;からなる群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記糖尿病状態が、耐糖能異常、インスリン抵抗性、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、小児NASH、肥満症、小児肥満症、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症、または妊娠糖尿病である、請求項45〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記糖尿病状態が耐糖能異常である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記糖尿病状態がインスリン抵抗性である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記サンプルが血液、血漿、血清、または単離リポタンパク質画分である、請求項45〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記マーカーの測定がクロマトグラフィー、イムノアッセイ、酵素アッセイ、または質量分析法を含む、請求項45〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記糖尿病状態の治療がPPAR−ガンマ作用薬、PPAR−アルファ作用薬、および/またはPPAR−デルタ作用薬の投与を含む、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−519543(P2010−519543A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550924(P2009−550924)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/002357
【国際公開番号】WO2008/106054
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(509037499)リポミクス テクノロジーズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】