説明

糸状菌由来グルコースデヒドロゲナーセの製造方法

【課題】FAD−GDHタンパク質、および該タンパク質を用いたグルコース測定試薬を提供する。
【解決手段】糸状菌由来FAD−GDHをコードする遺伝子を宿主に、ベクターを用いて導入して、組換え体を得る。該組み換え体を培養し、その際に培養液中のpHを7.0以下となるようにpH制御を施すことにより工業的に実用レベルなFADGDHの製造が可能になった。該FAD−GDHタンパク質を用いてグルコース測定試薬を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業的に実用レベルな生産性を有する糸状菌由来のグルコース脱水素酵素の製造方法に関するものである。特に前記酵素の安定な培養方法に関するものである。以下、グルコース脱水素酵素をGDHとも記載する。また、フラビンアデニンジヌクレオチドをFADと記載する。また、FAD依存性グルコース脱水素酵素をFADGDHとも記載する。
【背景技術】
【0002】
グルコースを簡易的に測定する主な目的としては、医療分野において糖尿病患者が自己の血糖値を把握し、治療に活用することが挙げられる。血中グルコース量は糖尿病の重要なマーカーであり,血糖自己測定に用いられるセンサにはグルコースを基質とする酵素が利用されている.そのような酵素の例としては,グルコースオキシダーゼ(EC 1.1.3.4)が知られている。グルコースオキシダーゼを利用した血糖センサにおいては、グルコースを酸化してD−グルコノ−δ−ラクトンに変換する過程で生じる電子がメディエーターを介して電極に渡されることで測定がなされる。グルコースオキシダーゼはグルコースに対する特異性が高い点で優れているが、その反応で生じたプロトンが酸素にとられるため反応液中の溶存酸素の影響を受け易いという問題があった。
【0003】
このような問題を回避するために、例えばNAD(P)依存型グルコース脱水素酵素(EC 1.1.1.47)あるいはピロロキノリンキノン依存型グルコース脱水素酵素(EC 1.1.5.2(旧 EC1.1.99.17))が血糖センサ用酵素として用いられるようになった。これらの酵素は溶存酸素の影響を受けない点で優位であるが、前者のNAD(P)依存型グルコース脱水素酵素は安定性の乏しさや補酵素の添加が必要という煩雑性があり、後者のピロロキノリンキノン依存型グルコース脱水素酵素も、基質特異性に乏しく測定値の正確性に欠けるという欠点を有していた。
【0004】
そこで溶存酸素の影響を受けず、補酵素の添加を必要とせず、基質特異性に優れた酵素として、FAD依存性グルコース脱水素酵素が知られている(以下FADGDHと略す)。FADGDHは古くから知られており、その酵素特性は非特許文献1〜6に記載されている。
また、特許文献1〜3にはアスペルギルス・オリゼ由来FADGDHの遺伝子配列あるいはアミノ酸配列および酵素特性が記載されている。
【非特許文献1】Biochim Biophys Acta.1967 Jul 11;139(2):265−76
【非特許文献2】Biochim Biophys Acta.1967 Jul 11;139(2):277−93
【非特許文献3】Biochim Biophys Acta.146(2):317−27
【非特許文献4】Biochim Biophys Acta.146(2):328−35
【非特許文献5】J Biol Chem (1967)242:3665−3672
【非特許文献6】Appl Biochem Biotechnol (1996)56:301−310
【特許文献1】WO 2004/058958
【特許文献2】特許公開2007−289148
【特許文献3】特許公開2008−237210
【0005】
糸状菌の培養方法は固体培養と液体培養に大別される。糸状菌は固体培養で非常に高い酵素生産性を示すことから、日本の伝統的な発酵産業である味噌や醤油製造に利用されている。しかしながら、固体培養は培地の温度、湿度、pHなどの培養条件の調整が難しいことから、工業的に行われる培養のほとんどは液体培養で行われる。液体培養では培地の調製や培養時の制御などが容易であることから、スケールアップに適している。その一方で、液体培養では培養時間が長期化するに伴って菌糸の形状が繊維状あるいは繊維状菌糸が塊を形成した塊状をした形態が混在し培養液の粘度が増加するため、培養液中の溶存酸素が不安定になりやすい。
【0006】
特許文献4にはアスペルギルス・オリゼ由来FADGDHの工業的に実現可能な製造方法に関する記載がされている。これには培養時のpHを7.3以下に制御するか、および/または培養液の酸素移動度を単位体積当たり1.0μmol/ml・分以下に制御することで培養力価が向上し、10L以上での製造を可能とする旨の記載がされている。しかしながら、培養液のpHが7.0を超えると培養力価が低下し始めるため、高い培養力価を長時間維持することができず、培養時間の増加に伴って培養力価が低下することが問題となっていた。
【特許文献4】特許公開2008−154574
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、工業的な実用レベルの生産性を有する糸状菌由来GDHの製造方法を提供することである。より具体的には、糸状菌由来のGDH遺伝子により形質転換された宿主微生物の培養液のpHを酸性側に制御しながら培養することにより、極めて高い培養力価を長時間維持することで糸状菌由来GDHを取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、本目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、アスペルギルス・オリゼがFADGDHを生産する上で、培養液のpHを酸性側に制御することが培養力価の高値を長時間維持することに極めて効果が高いことを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(項1)
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを7.0以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
(項2)
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを6.5以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
(項3)
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを6.0以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
(項4)
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,攪拌数を600rpm、通気量を1.0vvm、培養温度を37℃に制御することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
(項5)
糸状菌がアスペルギルス属であることを特徴とする請求項1〜4記載の糸状菌由来GDHの製造方法。
(項6)
糸状菌由来GDHの遺伝子が配列番号1もしくは配列番号2に記載の遺伝子である請求項1〜5記載の糸状菌由来GDHの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、糸状菌由来のGDHを工業的な実用レベルの生産性で製造することが可能になり、グルコースに対して極めて高い基質特異性を有するグルコースデヒドロゲナーゼの取得が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に用いる糸状菌とは一般的に「カビ」と俗称される微生物であって、菌糸が分岐して菌糸体を形成し、葉緑素を有しない一群の微生物を示しており、生物分類学上では菌類の中の真菌類を構成する生物群から、出芽によって無性生殖を行う酵母類を除外した一群の生物を指している。その一例を挙げると、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属、ムコール属などが挙げられ、本発明に使用する糸状菌として特に好ましいのは、配列番号1もしくは配列番号2に記載の糸状菌由来GDHである。配列番号1もしくは配列番号2のFADGDHは前記した特許文献2に記載の方法により取得することが可能である。
【0012】
得られたGDH遺伝子を発現用ベクターに挿入し、適当な宿主に形質転換させてGDHを生産する形質転換体とする。ここで宿主としては特に限定するものではなく、大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、カビ、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞等を使用することができる。これらの内でもその宿主・ベクター系が良く検討されており、取扱いが容易である、大腸菌、酵母が特に好ましい。宿主が大腸菌の場合、エシェリヒア・コリC600、エシェリヒア・コリHB101、エシェリヒア・コリDH5αなどが用いられ、ベクターとしてはpBR322、pUC19、pBluescriptなどが例として挙げられる。宿主が酵母の場合は、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、キャンデイダ・ウチリスなどが例として挙げられ、ベクターとしてはpAUR101、pAUR224、pYE32などが挙げられる。
【0013】
GDH遺伝子にて形質転換させた宿主を培養する方法としては、回分培養、連続培養、流加培養などの方法であればいずれでも良いが、特に好ましいのは回分培養である。回分培養では初発培地で栄養条件が制限される閉鎖系の培養となるため、培養温度、培養時pH、通気撹拌条件などの生物工学的な条件が培養を成功させるための重要な因子となる。
【0014】
このような培養の培地としては、一般微生物の通常の培養に使用される炭素源、窒素源、有機ないしは無機塩等を適宜含む培地を使用することができる。炭素源としては、グルコース、グリセリン、マルトース、デンプン、デキストリン、シュークロース、動植物油、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンステイープリカー、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、およびアンモニア、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、尿素等の有機または無機の窒素源等が挙げられる。なお、天然有機窒素源は窒素源であるとともに炭素源にもなりうる。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、リン酸塩類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素1カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素1ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム等を挙げることができる。培地のpHを調節する目的で有機または無機の酸、アルカリ等を加えてもよく、消泡の目的で油脂類、界面活性剤等を適量加えてもよい。
【0015】
GDHを工業的に生産するには、上記のようにして調整した培地を数十リットル以上の規模の培養槽に投入し、加熱殺菌を行い、前記の形質転換体を接種して通気撹拌培養を行う。ここで培養温度は、形質転換体である宿主が生育可能な範囲から選択することができるが、例えば約20℃〜40℃、好ましくは35℃〜37℃の範囲が挙げられる。
【0016】
本発明においては、培養時のpHを7.0以下に制御することを特徴とする。より好適に実施するには、培養液のpHを6.5以下さらに好ましくは6.0以下に制御することのが好ましい。培養時のpHを制御するには、通常、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウムなどの酸、アルカリ溶液を必要により希釈、加熱殺菌して培養槽に適宜添加して行われる。糸状菌由来GDHの生産においては、培養の経過とともにpHの上昇が起こるため、酸の添加によりpHを7.0以下になるように制御する。
【0017】
培養時に使用する培養槽の攪拌数の好ましい範囲は100〜600rpm、通気量の好ましい範囲は0.2〜1.0vvmが挙げられる。
【0018】
本発明における糸状菌由来のGDH組換え体は特に限定されるものではないが、アスペルギルス属やペニシリウム属などをGDH遺伝子の給源としたGDH組換え体が例示できる。好ましくはアスペルギルス属のGDHであり、さらに好ましくはアスペルギルス・オリゼである。最も好ましくは配列番号1もしくは配列番号2に記載されたアミノ酸配列を有するGDHが例示できる。
【0019】
GDH組換え体は、該GDHをコードする遺伝子をPCR法にて入手し、この遺伝子を発現用ベクターに挿入し、適当な宿主に形質転換させた形質転換体を培養し、培養液から遠心分離などで菌体を回収した後、菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また、必要に応じてEDTAなどのキレート剤や界面活性剤等を添加して可溶化してGDHを含む水溶性画分として得ることができる。または適当な宿主ベクター系を用いることにより、発現したGDHを直接培養液中に分泌させることが出来る。
【0020】
培養物中のフラビンアデニン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体を生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し利用することもできるが、一般には常法に従って改変タンパク質が培養液中に存在する場合は、濾過、遠心分離などにより、フラビンアデニン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体の含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。改変タンパク質が菌体内に存在する場合には得られた培養物から濾過または遠心分離などの手法により菌体を採取し、次いでこの菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤及びまたは界面活性剤を添加してフラビンアデニン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体を可溶化し、水溶液として分離採取する。
【0021】
このようにして得られたフラビンアデニン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体含有溶液を、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、さらに、硫酸アンモニム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、或いは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また、加温処理や東電点処理も有効な生成手段である。吸着剤或いはゲル濾過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーにより、精製されたフラビンアデニン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを得ることができる。
【実施例】
【0022】
本発明において、FAD依存型GDHの培養力価測定は以下の条件で行う。
[試験例]
<試薬>
50 mM PIPES緩衝液pH6.5(0.1%TritonX−100を含む)
24 mM PMS溶液
2.0mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液
1.0 M D−グルコース溶液
上記PIPES緩衝液20.5ml、DCPIP溶液1.0ml、D―グルコース溶液5.9mlPMS溶液2.0mlを混合して反応試薬とする。
【0023】
<測定条件>
反応試薬3mlを37℃で5分間予備加温する。GDH溶液0.1mlを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、600nmの吸光度変化を5分記録し、直線部分から1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検はGDH溶液の代わりにGDHを溶解する溶媒を試薬混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式に従ってGDH活性を求める。ここでGDH活性における1単位(U)とは、濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1マイクロモルのDCPIPを還元する酵素量として定義している。

活性(U/ml)=
{−(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.0×希釈倍率}/{16.3×0.1×1.0}

なお、式中の3.0は反応試薬+酵素溶液の液量(ml)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm/マイクロモル)、0.1は酵素溶液の液量(ml)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。
【0024】
<実施例1>
アスペルギルス・オリゼ由来グルコースデヒドロゲナーセ遺伝子のアスペルギルス・オリゼ株への導入
特許文献5に記載のAOGDH組換えプラスミド(pAOGDH)をNde I、BamH I処理しAOGDH遺伝子断片を切り出した後、Bluntinf High(東洋紡社製)を用いて、該DNA断片の末端平滑化を行った。一方、Amy Bプロモーター、Amy Bターミネーター、アスペルギルスニドランス由来sC遺伝子を含むpUSAプラスミド(7.25kbp)をSma I処理し、Amy Bプロモーター直下流を一箇所切断した後、脱リン酸化処理を実施した。該プラスミドに平滑化した上記AOGDH遺伝子断片を連結し、組換えプラスミドを構築した(pUSAR)。組換えホストにはアスペルギルス・オリゼNS4株を使用した。本菌株は、非特許文献5に記載されているもので、pUSARプラスミドとともに(独)酒類総合研究所より分譲いただいたものである。形質転換も、非特許文献5に記載の方法を参考に実施した。
【特許文献5】2008−237210
【非特許文献7】Biosci. Biotech.Biochem.,61(8)1367−1369.1997
【0025】
<実施例2>
実施例1で得た形質転換体は10L容ジャーファーメンター(BMS10−PI/バイオット)を使用して培養した。(1.5% 大豆ペプトン、1% マルトエキス、0.1% MgSO、2% マルトース(pH6.5))培地にて、培地液量7.0L、攪拌数600rpm、培養温度37℃、通気量1.0vvmの条件で88時間した。なお、この実施例では培養時のpHを制御することは行わなかった。各培養フェーズの菌体を集菌した後、遠心分離して培養液と菌体を分離し培養液を採取して、pH,培養力価を測定した。pH,培養力価の関係を図1に示す。この図に示すように、培養力価はpHが7.0よりも高くなると急激に低下することが明らかとなった。
【0026】
実施例3は培養時のpHを20%リン酸を使用して上限のpHを6.0に制御しながら培養した。培養液のpHを6.0に制御しながら培養することで、高い培養力価を長時間維持できることが確認された。
【0027】
実施例4は上限のpHを5.5に制御しながら実施例3と同様の方法で培養した。培養液のpHを5.5に制御しながら培養することで、高い培養力価を長時間維持できることが確認された。
つまり、培地のpHを酸性側に維持することで高い培養力価を長時間維持することができることを示したことになる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、糸状菌由来のグルコース脱水素酵素を遺伝子組み換えにより工業的なレベルで大量に取得することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】糸状菌由来GDH遺伝子で形質転換したアスペルギルス・オリゼをpH制御せずに培養した際培養経過を示している。
【図2】糸状菌由来GDH遺伝子で形質転換したアスペルギルス・オリゼをpH6.0以下で培養した際の培養経過を示している。
【図3】糸状菌由来GDH遺伝子で形質転換したアスペルギルス・オリゼをpH5.5以下で培養した際の培養経過を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを7.0以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
【請求項2】
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを6.5以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
【請求項3】
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,培養液のpHを6.0以下に維持することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
【請求項4】
糸状菌由来のグルコース脱水素酵素(GDH)を組み換え生産する方法において、前記GDHの遺伝子を挿入した発現ベクターにより形質転換された宿主を培養する際に,攪拌数を600rpm、通気量を1.0vvm、培養温度を37℃に制御することを特徴とする糸状菌由来GDHの製造方法。
【請求項5】
糸状菌がアスペルギルス属であることを特徴とする請求項1〜4記載の糸状菌由来GDHの製造方法。
【請求項6】
糸状菌由来GDHの遺伝子が配列番号1もしくは配列番号2に記載の遺伝子である請求項1〜5記載の糸状菌由来GDHの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−142171(P2010−142171A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323764(P2008−323764)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】