紙幣入出金装置
【目的】 出金紙幣切れから起きる装置ダウンを防止し、土曜,休日運用に適した紙幣自動取引装置を提供することを目的とする。
【構成】 一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置2において、補充・回収機能を有する補充回収カセットと補充機能のみの補充専用カセット116の2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、これらの一括カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段101と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置2の制御プログラムと、補充専用カセット116装着時の紙幣入出金装置2の制御プログラムと、前記識別手段101による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備する。
【構成】 一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置2において、補充・回収機能を有する補充回収カセットと補充機能のみの補充専用カセット116の2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、これらの一括カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段101と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置2の制御プログラムと、補充専用カセット116装着時の紙幣入出金装置2の制御プログラムと、前記識別手段101による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀行等の金融機関に設置される紙幣入出金装置に関するもので、特に一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収を行う回収機能とを有する紙幣入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下図面に従って従来例を説明する。図11は従来例を示す概略側面図であり、これは特開平2−278396号に開示されている技術である。まず、従来例を搭載する現金自動取引装置の構成を概略的に説明する。図12は従来例の紙幣入出金装置(以下CCADという)を搭載した現金自動取引装置を接客面から見た外観斜視図、図13は同装置を背面保守面から見た外観斜視図である。
【0003】図において、1は現金自動取引装置、2はCCADである。3は顧客により挿入されたカードの識別、入金/支払い取引の内容の印字等の処理を行うカードリーダライタ部、4は顧客により挿入された通帳の識別、入金/支払い取引内容の印字等の処理を行う通帳記帳機部、5は入金/支払い金額や暗証番号を入力する操作キーや金額や操作案内用のイラストや文字を表示する表示部から構成される顧客操作部、6は行員が装填,補充,回収等の処理を行うため、各取引きに応じた項目及びデータを入力する操作キー及び前記操作キーからの入力データ及び処理結果等を表示して、行員操作を誘導する表示部により構成される内部操作部、7は以上の各装置の動作制御及び各種演算処理等を行う制御部である。
【0004】以上説明した各装置の接続形態をブロックとして表すと図14の通りである。15はCCAD2の後方に配置した一括カセット(装置より着脱自在な一括収納庫)である。ここで上記一括カセット15について説明する。図15,図16は一括カセット15の構成及び動作を示す概略側面図であり、図15は紙幣補充時、図16は紙幣回収時の状態を示す。17は一括カセット15の上部を割り当てて補充紙幣もしくは回収紙幣を収納する補充・回収紙幣収納部であり、18は紙幣補充時に補充用の紙幣を堆積収納するステージ、19は紙幣回収時に回収紙幣を堆積収納する仕切り板である。
【0005】前記ステージ18は図16に示すE,F,G,H,Iの五つのポジションに図示しないモータにより上下移動する。なお、図示しないが、上記五つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。20は回収紙幣をクランプするクランプレバであり、該クランプレバ20はA,B,C,Dの四つのポジションに図示しないモータにより回転上下動する。なお、図示しないが、上記四つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。なお上記ステージ18とクランプレバ20の詳細な動作の説明は後述する。
【0006】21は紙幣回収時に仕切り板19上に紙幣を送出する回収紙幣集積部である。22は一括カセット15上部に内蔵設置され、紙幣補充時に前記ステージ18上に乗せられた紙幣を上側から一枚づつ取り出す補充紙幣分離機構である。23は補充及び装填処理時に前記補充紙幣分離機構22から繰り出された紙幣のうち鑑別部13により重走又は斜行していると識別した補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部、24は該第1種リジェクト紙幣収納部23へ上記補充リジェクト紙幣を送出する第1種リジェクト紙幣集積部である。
【0007】25aは補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器、25bはニアエンド検知器、25cはフル検知器、26は第1種リジェクト紙幣収納部23のフル検知器であり、これら各検知器はおのおの一対の受発光素子より構成する。
【0008】以上の構成の従来例の作用を以下に説明する。図17は補充動作時、図18は回収動作時を示す。
<補充>行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器25aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0009】以下、CCAD2の動作を図17に基づいて説明する。補充紙幣分離機構22を作動して、ステージ18にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し第12図の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。
【0010】千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構22の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構22を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0011】ステージ18上の紙幣がなくなりエンド検知器25aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構22は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14e,14fを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部24へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部23に集積する。
【0012】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、切り替えブレード14eを作動させ回収紙幣集積部21に送り込み仕切り板19に集積させる。そして、エンド検知器25aがエンドを検知すると補充紙幣分離機構22を停止し、搬送路61による搬送動作も停止する。
【0013】CCAD2は補充終了のレスポンスを制御部7に返送し、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。ここで前記の金種別カセット33,34,35がフルとなった場合の動作を図16を参照しながら説明する。
【0014】先ず図17において金種別カセット33,34,35のフル検知器48c,49c,50cがフルを検知した場合、切り替えブレード14eを作動して補充紙幣分離機構22で一枚づつ分離された紙幣を回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19上に集積する。このとき、鑑別部13は仕切り板19への集積紙幣をカウントし、集積許容値(例えば100枚)に達した時点で補充紙幣分離機構22を一度停止する。
【0015】次に、クランプレバ20は図示しないモータによりAのポジションからBのポジションまで回転動作を行い、仕切り板19上に集積した上記紙幣をクランプする。次に図示しないモータでクランプレバ20をBのポジションからCのポジションまで移動して紙幣を持ち上げる。これにより仕切り板19上に再び紙幣の送り込みができるようになる。そして停止している補充紙幣分離機構22を再び駆動して、再び集積許容値まで仕切り板19上に集積を続ける。集積許容値に達すると補充紙幣分離機構22を停止し、Cのポジションにあるクランプレバを図示しないモータにより回転動作させDのポジションにすることにより、先にクランプし持ち上げた紙幣を次に仕切り板19上に集積した紙幣の上に落とす。
【0016】続いて、図示しないモータによりDのポジションにあるクランプレバ20をAのポジションにもどし、さらにAのポジションからBのポジションまで回転動作を行い、仕切り板19上に集積した上記紙幣をクランプする。次に図示しないモータでクランプレバ20を再びBのポジションからCのポジションまで移動して紙幣を持ち上げる。そして停止している補充紙幣分離機構22を再び駆動する。以上の動作を補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器25aがエンドを検知するまで繰り返す。
【0017】エンド検知器25aがエンドを検知すると補充紙幣分離機構22を停止し、クランプレバ20は図示しないモータによりCのポジションへ紙幣をクランプして持ち上げ、ステージ18は図示しないモータにより、EのポジションからFのポジションまで回転動作をし、続いて図示しないモータによりFのポジションからGのポジションまで降りる。
【0018】次に、図示しないモータによりGのポジションからHのポジションまで回転動作を行う。ここでクランプレバ20は図示しないモータによりCのポジションからDのポジションへ回転動作を行いクランプしてもち上げた紙幣はステージ18上に乗る。そして、図示しないモータによりステージ18はHのポジションからIのポジション(ホームポジション)まで紙幣を持ち上げる。以上の動作により補充・回収紙幣収納部17内の紙幣は鑑別部13を通り、再び補充・回収紙幣収納部17内に収納することができる。なお前述した如く、クランプレバ20及びステージ18にはそれぞれのポジションに対応して図示しない検知器が設けられている。
【0019】<装填>行員が業務開始に先だって補充・回収紙幣収納部17のステージ18に一括して元方よりセットして来た紙幣を収納し、内部操作部6の操作キーにより装填キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して装填動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は装填動作開始のコマンドを受信すると、内部状態を補充モードと同様に切り替えて、補充動作と同様の装填動作を行う。
【0020】<回収>行員により内部操作部6の操作キーにより回収キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して回収動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は回収動作開始のコマンドを受信すると内部状態を回収モードに切替えて各金種別カセット33,34,35のすべてがエンド検知していないこと、すなわち回収するべき紙幣が金種別カセット33,34,35のいずれかに存在することを確認する。
【0021】金種別カセット33,34,35の全てがエンド検知していた場合には、動作不可の情報を付加して、レスポンスを返送し、この処理は中止される。いずれか一つの金種別カセットでもエンドを検知していないことを確認すると、回収動作を開始する。以下、CCAD2の動作を図18に基づいて説明する。先ず、金種別紙幣分離機構47を作動して、金種別カセット35に収納されている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し、第13図の矢印の通り走行路を経て鑑別部13に送り込む。
【0022】鑑別部13では送り込まれた来た紙幣を順次、真偽鑑別及び走行状態検知して後方へ送り込む。鑑別部13の鑑別結果、重走もしくは斜行等を検知された紙幣は、切り替えブレード14eを作動させリジェクトカセット7に送り込む。鑑別結果正常な紙幣は回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19の上に順次集積される。この動作は金種別カセット35にセツトされた紙幣がなくなるまで繰り返されるが、途中仕切り板19の集積枚数が集積許容値(例えば100枚)に達した場合には、金種別紙幣分離機構47の動作を中断し、補充動作時に説明した図16の動作を行う。
【0023】金種別カセット35のエンド検知器50aがエンドを検知すると、次は金種別カセット34から収納紙幣を繰り出す。鑑別部13の鑑別結果、重走や斜行等の場合、切り替えブレード14eを作動させてリジェクトカセット7に送り込む。鑑別結果正常な紙幣は回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19の上に順次集積される。金種別カセット34がエンド検知すると次は金種別カセット33から収納紙幣を繰り出す。
【0024】かくして、各金種別カセット35,34,33の紙幣を万円券,もう一つの万円券,千円券の順に補充・回収紙幣収納部17の仕切り板19上に計数しながら集積する。上述した回収動作中は常時鑑別部13で補充・回収紙幣収納部17への送り込み紙幣をカウントし、収納許容量に達すると、回収動作は中断し、その情報を制御部7に返送する。制御部7はこれを図示しない表示部に「一括カセットフル」を表示して、一括カセットに収納された紙幣の回収を指示する。
【0025】ここで、補充・回収紙幣収納部17の回収紙幣の収納許容量は、ステージ18上の堆積紙幣の量によって異なる。そこで、紙幣回収処理に先立って、図示せぬ検出手段によりステージ18の高さを検出してこれにより制御部7の演算手段によりステージ18上の堆積紙幣の量を求め、さらに補充・回収紙幣収納部17の収納量よりこれを差し引いて回収紙幣の収納許容量を求めておく。補充・回収紙幣収納部17がフルになると、行員は、CCAD2の後面にある扉52を開き、一括カセット15を抜き取り監査キーを用いて、一括カセット扉を開き補充・回収紙幣収納部17内の紙幣を全て取り出す。一括カセット扉を閉じて、前記と逆操作により一括カセット15をセットし扉52を閉じると回収動作が再び行われる。
【0026】以上のようにして金種別カセット35,34,33の全てがエンド検知をするまで回収動作を行い、最後の紙幣が補充・回収紙幣収納部17に到着すると搬送路51による搬送動作も停止、回収動作が終了する。以上の処理を終了したCCAD2は回収終了のレスポンスを返送し、そのデータとして各金種別に回収した計数枚数を付加する。これを受けて制御部7は回収枚数としてカウントし記憶しておく。以上で回収動作の処理を終了する。
【0027】以上説明したそれぞれの処理は、実際の運用では次の処理手順で行われる。業務開始に先だって一括カセット15の補充・回収紙幣収納部17に一括して元方よりセットして来た紙幣を装填処理を行うことにより、各金種別カセットに装填する。業務に入ってからは入金取引き、出金取引き等を随時行い、金種別カセットがニアエンド又はエンドとなった場合には、一括カセット15をCCAD2より取り出し、不足紙幣を一括カセット15にセットし、一括カセット15をCCAD2にセットし補充処理によりり出金取引き業務の続行を可能にする。一括カセット15をCCAD2から取り出しても、入金/出金取引きは可能であり運用が停止する必要はない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、土曜,休日運用に伴い、容量増への配慮が必要となってきたが、従来の一括カセットは補充と回収兼用であるため、回収紙幣の収納部及びその機構により補充紙幣収納部が小さくなり、その容量では不十分となるという問題があった。
【0029】本発明は、以上の問題点に鑑み、必要に応じてより大量の紙幣補充を行える構成を得て、出金紙幣切れから起きる装置ダウンを防止し、土曜,休日運用に適した紙幣自動取引装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、必要に応じて容量の増した補充紙幣収納部を有する一括カセットを装着できるようにする。
【0031】すなわち、本発明は、入金口へ顧客の投入した紙幣を鑑別手段にて識別して入金取引を行う入金取引機能と、顧客の指示した金種金額に応じて各金種別紙幣収納部より収納紙幣を放出して出金を行う出金取引機能と、入金取引成立の紙幣のうち出金に再利用可能なものを各金種別紙幣収納部に収納し循環紙幣として出金用に回す循環機能と、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したことを特徴とする。
【0032】この時、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うと良い。
【0033】
【作用】以上の構成により、本発明は、補充紙幣の必要量とCCADの用途等に応じて、たとえば出金の頻度の高い日時や場所の条件下にあるCCADには回収機能の無いぶん補充紙幣収納量の大きい補充専用カセットを、入金が少なくない日時や場所の条件下にあるCCADには満杯になった各金種別カセットから自動的に紙幣を回収する紙幣回収機能も備えた補充回収カセットをというように、各種条件に応じて装着する一括カセットを使いわける。
【0034】装置は、識別手段により前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別し、補充回収カセットが装着されたと識別すると、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムに、補充専用カセットが装着されたと識別すると、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムに切り替えて制御を実行することができる。
【0035】この時、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うと、補充紙幣収納部の深さをより深くすることが可能となり、補充紙幣収納部の収容量をより多くすることができる。
【0036】
【実施例】以下図面に従って実施例を説明する。図1および図2は本発明の第1の実施例を示す概略側面図であり、図1はCCAD2後方に補充回収カセット115が、図2は補充専用カセット116が装着された状態を示している。
【0037】なお、CCAD2の装置本体の各機構は従来例で示したものと同一であるので説明を省略し、符号も同一のものを用いる。図1において、115は、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットであり、本実施例においては、該補充回収カセット115は従来例で示した一括カセット15と構成・動作を同じにする。
【0038】すなわち、117は補充回収カセット115の上部を割り当てて補充紙幣もしくは回収紙幣を収納する補充・回収紙幣収納部(本願請求のところの補充紙幣収納部と回収紙幣収納部)であり、118は紙幣補充時に補充用の紙幣を堆積収納するステージ、119は紙幣回収時に回収紙幣を堆積収納する仕切り板である。前記ステージ118は従来例の項で図16に示したE,F,G,H,Iの五つのポジションに図示しないモータにより上下移動する。なお、図示しないが、上記五つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。120は回収紙幣をクランプするクランプレバであり、該クランプレバ120はA,B,C,Dの四つのポジションに図示しないモータにより回転上下動する。なお、図示しないが、上記四つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。
【0039】121は紙幣回収時に仕切り板119上に紙幣を送出する回収紙幣集積部である。122は補充回収カセット115上部に内蔵設置され、紙幣補充時に前記ステージ118上に乗せられた紙幣を上側から一枚づつ取り出す補充紙幣分離機構である。123は補充及び装填処理時に前記補充紙幣分離機構122から繰り出された紙幣のうち鑑別部13により重走又は斜行していると識別した補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)、124は該第1種リジェクト紙幣収納部123へ上記補充リジェクト紙幣を送出する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)である。
【0040】125aは補充・回収紙幣収納部117のエンド検知器、125bはニアエンド検知器、125cはフル検知器、126は第1種リジェクト紙幣収納部123のフル検知器であり、これら各検知器はおのおの一対の受発光素子より構成する。図2において、116は補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットであり、該補充専用カセット116は補充回収カセット115と同様CCAD2後方に着脱自在に設けられている。
【0041】図3は、上記補充専用カセットの構成を示す概略図である。127は、補充紙幣を収納する補充紙幣収納部であり、128は紙幣補充時に補充用の紙幣を体積収納するステージで、図示しないモータにより上下移動する。122は補充紙幣分離機構、123は第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)、124は装置により補充不可と判定された紙幣を該第1種リジェクト紙幣収納部123に収納する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)、125aは補充紙幣収納部127のエンド検知器、125bはニアエンド検知器、126は第1種リジェクト紙幣収納部123のフル検知器である。
【0042】106は穴部であり、補充専用カセットであることを検出するためのものである。図1および図2において、101は装着されたカセットが補充回収カセットが補充専用カセットかを識別するカセット識別スイッチである。その詳細図を図4に示す。
【0043】レバー102は軸103を中心に回転自在にCCAD2に保持されている。レバー102には、突起部102aが設けられ補充回収カセットあるいは補充専用カセットが装着される空間にスプリング104により突出されている。レバー102の他端の突起部102bはスプリング104の引張力によりスイッチ105を押し、オン状態にするよう設けられている。106は補充専用カセット116の背面にある穴で、補充専用カセット116をCCAD2に装着した時に、レバー102の突起部102aが入り込む位置に配設される。従って、補充専用カセット116が装着された時には、スイッチ105はオンとなる。補充回収カセット115には穴106はなく、装着時にはレバー102の突起部102aを押圧するのでスイッチ105はオンとなる。
【0044】以上の構成による第1の実施例の作用を以下に説明する。図5はカセットを装着した時の運用のフローチャートを示す。図6,図7は第1の実施例の作用を示す概略側面図であり、図6は補充回収カセットによる補充動作時、図7は補充専用カセットによる補充動作時を示す。
【0045】<補充>先ず、補充回収カセットによる補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充回収カセット115をCCAD2に装着すると、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時(S1)にカセット識別スイッチ101がオフ(S2)する。つまり、図4に詳細に示すように、補充回収カセット115のカバーは、レバー102の突起部102aを押圧し、レバー102は軸103を中心に回転する。レバー102が回転すると、他端の突起部102bが図の上方向に上がり、スイッチ105がオフの状態になる。そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充回収カセット115を制御するプログラムに切り替わり(S5)、入金,出金,補充,充填,回収による運用が可能となる(S6)。
【0046】次に、行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、従来例で示した補充動作が行われる。次に、補充専用カセット116による補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充専用カセット116を図2に示すようにCCAD2に装着した時には、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時に(S1)カセット識別スイッチ101がオンする(S2)。つまり、図4に詳細に示すように、補充専用カセット116が装着されると、補充専用カセット116のカバーにある穴106にレバー102の突起部102aが入り込み、スプリング104の引張力により他端の突起部102bを介してスイッチ105がオン状態になる。
【0047】そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充専用カセット116の装着を検知し、補充専用カセット116を制御するプログラムに切り替わり(S3)、入金,出金,補充,充填の運用が可能となる(S4)。なお、S1で補充回収カセット115もしくは補充専用カセット116のセットを検知しなければ、入金,出金の運用のみが可能となる(S7)。行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。
【0048】CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充紙幣収納部127のエンド検知器125aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0049】以下、CCAD2の動作を図7に基づいて説明する。補充紙幣分離機構122を作動して、ステージ128にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し図7の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
【0050】万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構122の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構122を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0051】ステージ128上の紙幣がなくなりエンド検知器125aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構122は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14e,14fを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部124へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部123に集積する。
【0052】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、補充紙幣分離機構122を停止し、搬送路61による搬送動作も停止し、動作不可の情報を付加してレスポンスを制御部7に返送し、この処理は中止され、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。
【0053】<装填>行員が業務開始に先だって、補充回収カセット115であれば補充・回収紙幣収納部117のステージ118、補充専用カセット116であれば補充紙幣収納部127のステージ128に一括して元方よりセットして来た紙幣を収納し、内部操作部6の操作キーにより装填キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して装填動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は装填動作開始のコマンドを受信すると、内部状態を補充モードと同様に切り替えて、補充動作と同様の装填動作を行う。
【0054】<回収>CCAD2に補充回収カセット115が装着された場合には、図5のフローチャートに示すように回収処理は可能となり、従来例で示した回収動作を行う。CCAD2に補充専用カセット116が装着された場合には、図5のフローチャートに示すように回収処理は不可能となり、内部操作部6の回収キーは無効となり、その旨を内部操作部6の表示部に表示する。
【0055】次に、本発明の第2の実施例を示す。図8は本発明の第2の実施例を示す概略側面図であり、補充専用カセット130が装着された図である。なお、CCAD2の装置本体および補充回収カセット115の構成は図1で示した第1の実施例と同様なので、説明は省略し符号も同一のものを用いる。
【0056】図8において、130は補充専用カセットであり、補充回収カセット115と同様CCAD2後方に着脱自在に設けられている。図9はこの補充専用カセット130の構成を示す概略図である。図8及び図9において、131は、補充紙幣を収納する補充紙幣収納部であり、132は紙幣補充時に補充用の紙幣を体積収納するステージで、図示しないモータにより上下移動する。122は補充紙幣分離機構、133は装置により補充不可と判定された紙幣を補充リジェクト紙幣を後述の第1種リジェクト紙幣収納部134に収納する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)であり、該第1種リジェクト紙幣集積部133は装置の回収紙幣搬送経路に接続している。134は補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)であり、該第1種リジェクト紙幣収納部134は前記第1種リジェクト紙幣集積部133に対応しかつ補充紙幣収納部131の側部に立位状態に設けてある。これにより、第1種リジェクト紙幣集積部133より送り込まれる紙幣が補充紙幣収納部131の側部に立位状態で収納される。135は軸135aを中心に回転自在に設けられたレバーで、第1種リジェクト紙幣収納部134の収納紙幣量に応じて回転移動する。136は前記レバー135により第1種リジェクト紙幣収納部134のフルを検知するフル検知器である。125aは補充紙幣収納部131のエンド検知器、125bはニアエンド検知器である。
【0057】図8において、101は装着されたカセットが補充回収カセットか補充専用カセットかを識別するカセット識別スイッチであり、その構成は図4で示した第1の実施例のものと同様であり、図9において106は穴部であり、補充専用カセットであることを検出するためのものであり、その構成は図3で示した第1の実施例のものと同様であるので説明は省略し、符号も同一のものを使用する。また、カセットを装着した時の運用のフローチャートは図5に示した第1の実施例のものと同一であるので説明は省略する。
【0058】以上の構成による第2の実施例の作用を以下に説明する。図10は第2の実施例の作用を示す概略側面図であり、補充専用カセット130による補充動作時を示す。なお、補充回収カセット115による補充,回収動作時の動作は第1の実施例と同様であるので図示および説明は省略する。また、装填動作も第1の実施例と同様であるので説明は省略する。
【0059】<補充>補充専用カセット130による補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充専用カセット130を図10に示すようにCCAD2に装着した時には、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時にカセット識別スイッチ101がオンする。つまり、補充専用カセット135が装着されると、第1の実施例の図4の構成により補充専用カセット135のカバーにある穴106にレバー102の突起部102aが入り込み、スプリング104の引張力により他端の突起部102bを介してスイッチ105がオン状態になる。
【0060】そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充専用カセット130の装着を検知し、補充専用カセット130を制御するプログラムに切り替わり、入金,出金,補充,充填の運用が可能となる。行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。
【0061】CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充紙幣収納部131のエンド検知器125aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0062】以下、CCAD2の動作を図10に基づいて説明する。補充紙幣分離機構122を作動して、ステージ132にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し図10の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
【0063】万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構22の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構22を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0064】ステージ18上の紙幣がなくなりエンド検知器25aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構122は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14eを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部133へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部134に集積する。
【0065】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、補充紙幣分離機構122を停止し、搬送路61による搬送動作も停止し、動作不可の情報を付加してレスポンスを制御部7に返送し、この処理は中止され、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明は、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したので、必要に応じて容量の増した補充紙幣収納部を有する一括カセットを装着することができる。これにより、必要に応じてより大量の紙幣補充を行うことが可能となり、出金紙幣切れから起きる装置ダウンを防止し、土曜,休日運用に適した紙幣自動取引装置を提供するという効果がある。
【0067】さらに、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行えば、補充紙幣収納部の深さをより深くすることが可能となり、補充紙幣収納部の収容量をより多くして、より大量の紙幣補充に対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略側面図である。
【図2】同第1の実施例の補充専用カセット装着時の概略側面図である。
【図3】同第1の実施例の補充専用カセットの概略側面図である。
【図4】同第1の実施例のカセット識別部の斜視図である。
【図5】同第1の実施例のカセット装着による運用フローチャートである。
【図6】同第1の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図7】同第1の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例の補充専用カセット装着時の概略側面図である。
【図9】同第2の実施例の補充専用カセットの概略側面図である。
【図10】同第2の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図11】従来例の概略側面図である。
【図12】従来例を適用した現金自動取引装置の斜視図である。
【図13】従来例を適用した現金自動取引装置の斜視図である。
【図14】従来例を適用した現金自動取引装置のブロック図である。
【図15】従来例の要部概略側面図である。
【図16】従来例の要部概略側面図である。
【図17】従来例の作用を示す概略側面図である。
【図18】従来例の作用を示す概略側面図である。
【符号の説明】
101 カセット識別スイッチ
115 補充回収カセット
116 補充専用カセット
117 補充・回収紙幣収納部
121 回収紙幣集積部
122 補充紙幣分離機構
123 第1種リジェクト紙幣収納部
124 第1種リジェクト紙幣集積部
127 補充紙幣収納部
130 補充専用カセット
131 補充紙幣収納部
133 第1種リジェクト紙幣集積部
134 第1種リジェクト紙幣収納部
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀行等の金融機関に設置される紙幣入出金装置に関するもので、特に一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収を行う回収機能とを有する紙幣入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下図面に従って従来例を説明する。図11は従来例を示す概略側面図であり、これは特開平2−278396号に開示されている技術である。まず、従来例を搭載する現金自動取引装置の構成を概略的に説明する。図12は従来例の紙幣入出金装置(以下CCADという)を搭載した現金自動取引装置を接客面から見た外観斜視図、図13は同装置を背面保守面から見た外観斜視図である。
【0003】図において、1は現金自動取引装置、2はCCADである。3は顧客により挿入されたカードの識別、入金/支払い取引の内容の印字等の処理を行うカードリーダライタ部、4は顧客により挿入された通帳の識別、入金/支払い取引内容の印字等の処理を行う通帳記帳機部、5は入金/支払い金額や暗証番号を入力する操作キーや金額や操作案内用のイラストや文字を表示する表示部から構成される顧客操作部、6は行員が装填,補充,回収等の処理を行うため、各取引きに応じた項目及びデータを入力する操作キー及び前記操作キーからの入力データ及び処理結果等を表示して、行員操作を誘導する表示部により構成される内部操作部、7は以上の各装置の動作制御及び各種演算処理等を行う制御部である。
【0004】以上説明した各装置の接続形態をブロックとして表すと図14の通りである。15はCCAD2の後方に配置した一括カセット(装置より着脱自在な一括収納庫)である。ここで上記一括カセット15について説明する。図15,図16は一括カセット15の構成及び動作を示す概略側面図であり、図15は紙幣補充時、図16は紙幣回収時の状態を示す。17は一括カセット15の上部を割り当てて補充紙幣もしくは回収紙幣を収納する補充・回収紙幣収納部であり、18は紙幣補充時に補充用の紙幣を堆積収納するステージ、19は紙幣回収時に回収紙幣を堆積収納する仕切り板である。
【0005】前記ステージ18は図16に示すE,F,G,H,Iの五つのポジションに図示しないモータにより上下移動する。なお、図示しないが、上記五つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。20は回収紙幣をクランプするクランプレバであり、該クランプレバ20はA,B,C,Dの四つのポジションに図示しないモータにより回転上下動する。なお、図示しないが、上記四つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。なお上記ステージ18とクランプレバ20の詳細な動作の説明は後述する。
【0006】21は紙幣回収時に仕切り板19上に紙幣を送出する回収紙幣集積部である。22は一括カセット15上部に内蔵設置され、紙幣補充時に前記ステージ18上に乗せられた紙幣を上側から一枚づつ取り出す補充紙幣分離機構である。23は補充及び装填処理時に前記補充紙幣分離機構22から繰り出された紙幣のうち鑑別部13により重走又は斜行していると識別した補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部、24は該第1種リジェクト紙幣収納部23へ上記補充リジェクト紙幣を送出する第1種リジェクト紙幣集積部である。
【0007】25aは補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器、25bはニアエンド検知器、25cはフル検知器、26は第1種リジェクト紙幣収納部23のフル検知器であり、これら各検知器はおのおの一対の受発光素子より構成する。
【0008】以上の構成の従来例の作用を以下に説明する。図17は補充動作時、図18は回収動作時を示す。
<補充>行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器25aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0009】以下、CCAD2の動作を図17に基づいて説明する。補充紙幣分離機構22を作動して、ステージ18にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し第12図の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。
【0010】千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構22の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構22を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0011】ステージ18上の紙幣がなくなりエンド検知器25aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構22は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14e,14fを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部24へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部23に集積する。
【0012】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、切り替えブレード14eを作動させ回収紙幣集積部21に送り込み仕切り板19に集積させる。そして、エンド検知器25aがエンドを検知すると補充紙幣分離機構22を停止し、搬送路61による搬送動作も停止する。
【0013】CCAD2は補充終了のレスポンスを制御部7に返送し、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。ここで前記の金種別カセット33,34,35がフルとなった場合の動作を図16を参照しながら説明する。
【0014】先ず図17において金種別カセット33,34,35のフル検知器48c,49c,50cがフルを検知した場合、切り替えブレード14eを作動して補充紙幣分離機構22で一枚づつ分離された紙幣を回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19上に集積する。このとき、鑑別部13は仕切り板19への集積紙幣をカウントし、集積許容値(例えば100枚)に達した時点で補充紙幣分離機構22を一度停止する。
【0015】次に、クランプレバ20は図示しないモータによりAのポジションからBのポジションまで回転動作を行い、仕切り板19上に集積した上記紙幣をクランプする。次に図示しないモータでクランプレバ20をBのポジションからCのポジションまで移動して紙幣を持ち上げる。これにより仕切り板19上に再び紙幣の送り込みができるようになる。そして停止している補充紙幣分離機構22を再び駆動して、再び集積許容値まで仕切り板19上に集積を続ける。集積許容値に達すると補充紙幣分離機構22を停止し、Cのポジションにあるクランプレバを図示しないモータにより回転動作させDのポジションにすることにより、先にクランプし持ち上げた紙幣を次に仕切り板19上に集積した紙幣の上に落とす。
【0016】続いて、図示しないモータによりDのポジションにあるクランプレバ20をAのポジションにもどし、さらにAのポジションからBのポジションまで回転動作を行い、仕切り板19上に集積した上記紙幣をクランプする。次に図示しないモータでクランプレバ20を再びBのポジションからCのポジションまで移動して紙幣を持ち上げる。そして停止している補充紙幣分離機構22を再び駆動する。以上の動作を補充・回収紙幣収納部17のエンド検知器25aがエンドを検知するまで繰り返す。
【0017】エンド検知器25aがエンドを検知すると補充紙幣分離機構22を停止し、クランプレバ20は図示しないモータによりCのポジションへ紙幣をクランプして持ち上げ、ステージ18は図示しないモータにより、EのポジションからFのポジションまで回転動作をし、続いて図示しないモータによりFのポジションからGのポジションまで降りる。
【0018】次に、図示しないモータによりGのポジションからHのポジションまで回転動作を行う。ここでクランプレバ20は図示しないモータによりCのポジションからDのポジションへ回転動作を行いクランプしてもち上げた紙幣はステージ18上に乗る。そして、図示しないモータによりステージ18はHのポジションからIのポジション(ホームポジション)まで紙幣を持ち上げる。以上の動作により補充・回収紙幣収納部17内の紙幣は鑑別部13を通り、再び補充・回収紙幣収納部17内に収納することができる。なお前述した如く、クランプレバ20及びステージ18にはそれぞれのポジションに対応して図示しない検知器が設けられている。
【0019】<装填>行員が業務開始に先だって補充・回収紙幣収納部17のステージ18に一括して元方よりセットして来た紙幣を収納し、内部操作部6の操作キーにより装填キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して装填動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は装填動作開始のコマンドを受信すると、内部状態を補充モードと同様に切り替えて、補充動作と同様の装填動作を行う。
【0020】<回収>行員により内部操作部6の操作キーにより回収キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して回収動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は回収動作開始のコマンドを受信すると内部状態を回収モードに切替えて各金種別カセット33,34,35のすべてがエンド検知していないこと、すなわち回収するべき紙幣が金種別カセット33,34,35のいずれかに存在することを確認する。
【0021】金種別カセット33,34,35の全てがエンド検知していた場合には、動作不可の情報を付加して、レスポンスを返送し、この処理は中止される。いずれか一つの金種別カセットでもエンドを検知していないことを確認すると、回収動作を開始する。以下、CCAD2の動作を図18に基づいて説明する。先ず、金種別紙幣分離機構47を作動して、金種別カセット35に収納されている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し、第13図の矢印の通り走行路を経て鑑別部13に送り込む。
【0022】鑑別部13では送り込まれた来た紙幣を順次、真偽鑑別及び走行状態検知して後方へ送り込む。鑑別部13の鑑別結果、重走もしくは斜行等を検知された紙幣は、切り替えブレード14eを作動させリジェクトカセット7に送り込む。鑑別結果正常な紙幣は回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19の上に順次集積される。この動作は金種別カセット35にセツトされた紙幣がなくなるまで繰り返されるが、途中仕切り板19の集積枚数が集積許容値(例えば100枚)に達した場合には、金種別紙幣分離機構47の動作を中断し、補充動作時に説明した図16の動作を行う。
【0023】金種別カセット35のエンド検知器50aがエンドを検知すると、次は金種別カセット34から収納紙幣を繰り出す。鑑別部13の鑑別結果、重走や斜行等の場合、切り替えブレード14eを作動させてリジェクトカセット7に送り込む。鑑別結果正常な紙幣は回収紙幣集積部21に送り込み、仕切り板19の上に順次集積される。金種別カセット34がエンド検知すると次は金種別カセット33から収納紙幣を繰り出す。
【0024】かくして、各金種別カセット35,34,33の紙幣を万円券,もう一つの万円券,千円券の順に補充・回収紙幣収納部17の仕切り板19上に計数しながら集積する。上述した回収動作中は常時鑑別部13で補充・回収紙幣収納部17への送り込み紙幣をカウントし、収納許容量に達すると、回収動作は中断し、その情報を制御部7に返送する。制御部7はこれを図示しない表示部に「一括カセットフル」を表示して、一括カセットに収納された紙幣の回収を指示する。
【0025】ここで、補充・回収紙幣収納部17の回収紙幣の収納許容量は、ステージ18上の堆積紙幣の量によって異なる。そこで、紙幣回収処理に先立って、図示せぬ検出手段によりステージ18の高さを検出してこれにより制御部7の演算手段によりステージ18上の堆積紙幣の量を求め、さらに補充・回収紙幣収納部17の収納量よりこれを差し引いて回収紙幣の収納許容量を求めておく。補充・回収紙幣収納部17がフルになると、行員は、CCAD2の後面にある扉52を開き、一括カセット15を抜き取り監査キーを用いて、一括カセット扉を開き補充・回収紙幣収納部17内の紙幣を全て取り出す。一括カセット扉を閉じて、前記と逆操作により一括カセット15をセットし扉52を閉じると回収動作が再び行われる。
【0026】以上のようにして金種別カセット35,34,33の全てがエンド検知をするまで回収動作を行い、最後の紙幣が補充・回収紙幣収納部17に到着すると搬送路51による搬送動作も停止、回収動作が終了する。以上の処理を終了したCCAD2は回収終了のレスポンスを返送し、そのデータとして各金種別に回収した計数枚数を付加する。これを受けて制御部7は回収枚数としてカウントし記憶しておく。以上で回収動作の処理を終了する。
【0027】以上説明したそれぞれの処理は、実際の運用では次の処理手順で行われる。業務開始に先だって一括カセット15の補充・回収紙幣収納部17に一括して元方よりセットして来た紙幣を装填処理を行うことにより、各金種別カセットに装填する。業務に入ってからは入金取引き、出金取引き等を随時行い、金種別カセットがニアエンド又はエンドとなった場合には、一括カセット15をCCAD2より取り出し、不足紙幣を一括カセット15にセットし、一括カセット15をCCAD2にセットし補充処理によりり出金取引き業務の続行を可能にする。一括カセット15をCCAD2から取り出しても、入金/出金取引きは可能であり運用が停止する必要はない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、土曜,休日運用に伴い、容量増への配慮が必要となってきたが、従来の一括カセットは補充と回収兼用であるため、回収紙幣の収納部及びその機構により補充紙幣収納部が小さくなり、その容量では不十分となるという問題があった。
【0029】本発明は、以上の問題点に鑑み、必要に応じてより大量の紙幣補充を行える構成を得て、出金紙幣切れから起きる装置ダウンを防止し、土曜,休日運用に適した紙幣自動取引装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、必要に応じて容量の増した補充紙幣収納部を有する一括カセットを装着できるようにする。
【0031】すなわち、本発明は、入金口へ顧客の投入した紙幣を鑑別手段にて識別して入金取引を行う入金取引機能と、顧客の指示した金種金額に応じて各金種別紙幣収納部より収納紙幣を放出して出金を行う出金取引機能と、入金取引成立の紙幣のうち出金に再利用可能なものを各金種別紙幣収納部に収納し循環紙幣として出金用に回す循環機能と、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したことを特徴とする。
【0032】この時、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うと良い。
【0033】
【作用】以上の構成により、本発明は、補充紙幣の必要量とCCADの用途等に応じて、たとえば出金の頻度の高い日時や場所の条件下にあるCCADには回収機能の無いぶん補充紙幣収納量の大きい補充専用カセットを、入金が少なくない日時や場所の条件下にあるCCADには満杯になった各金種別カセットから自動的に紙幣を回収する紙幣回収機能も備えた補充回収カセットをというように、各種条件に応じて装着する一括カセットを使いわける。
【0034】装置は、識別手段により前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別し、補充回収カセットが装着されたと識別すると、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムに、補充専用カセットが装着されたと識別すると、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムに切り替えて制御を実行することができる。
【0035】この時、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うと、補充紙幣収納部の深さをより深くすることが可能となり、補充紙幣収納部の収容量をより多くすることができる。
【0036】
【実施例】以下図面に従って実施例を説明する。図1および図2は本発明の第1の実施例を示す概略側面図であり、図1はCCAD2後方に補充回収カセット115が、図2は補充専用カセット116が装着された状態を示している。
【0037】なお、CCAD2の装置本体の各機構は従来例で示したものと同一であるので説明を省略し、符号も同一のものを用いる。図1において、115は、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットであり、本実施例においては、該補充回収カセット115は従来例で示した一括カセット15と構成・動作を同じにする。
【0038】すなわち、117は補充回収カセット115の上部を割り当てて補充紙幣もしくは回収紙幣を収納する補充・回収紙幣収納部(本願請求のところの補充紙幣収納部と回収紙幣収納部)であり、118は紙幣補充時に補充用の紙幣を堆積収納するステージ、119は紙幣回収時に回収紙幣を堆積収納する仕切り板である。前記ステージ118は従来例の項で図16に示したE,F,G,H,Iの五つのポジションに図示しないモータにより上下移動する。なお、図示しないが、上記五つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。120は回収紙幣をクランプするクランプレバであり、該クランプレバ120はA,B,C,Dの四つのポジションに図示しないモータにより回転上下動する。なお、図示しないが、上記四つのポジションを検出するために光学系の検出手段が配設してある。
【0039】121は紙幣回収時に仕切り板119上に紙幣を送出する回収紙幣集積部である。122は補充回収カセット115上部に内蔵設置され、紙幣補充時に前記ステージ118上に乗せられた紙幣を上側から一枚づつ取り出す補充紙幣分離機構である。123は補充及び装填処理時に前記補充紙幣分離機構122から繰り出された紙幣のうち鑑別部13により重走又は斜行していると識別した補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)、124は該第1種リジェクト紙幣収納部123へ上記補充リジェクト紙幣を送出する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)である。
【0040】125aは補充・回収紙幣収納部117のエンド検知器、125bはニアエンド検知器、125cはフル検知器、126は第1種リジェクト紙幣収納部123のフル検知器であり、これら各検知器はおのおの一対の受発光素子より構成する。図2において、116は補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットであり、該補充専用カセット116は補充回収カセット115と同様CCAD2後方に着脱自在に設けられている。
【0041】図3は、上記補充専用カセットの構成を示す概略図である。127は、補充紙幣を収納する補充紙幣収納部であり、128は紙幣補充時に補充用の紙幣を体積収納するステージで、図示しないモータにより上下移動する。122は補充紙幣分離機構、123は第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)、124は装置により補充不可と判定された紙幣を該第1種リジェクト紙幣収納部123に収納する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)、125aは補充紙幣収納部127のエンド検知器、125bはニアエンド検知器、126は第1種リジェクト紙幣収納部123のフル検知器である。
【0042】106は穴部であり、補充専用カセットであることを検出するためのものである。図1および図2において、101は装着されたカセットが補充回収カセットが補充専用カセットかを識別するカセット識別スイッチである。その詳細図を図4に示す。
【0043】レバー102は軸103を中心に回転自在にCCAD2に保持されている。レバー102には、突起部102aが設けられ補充回収カセットあるいは補充専用カセットが装着される空間にスプリング104により突出されている。レバー102の他端の突起部102bはスプリング104の引張力によりスイッチ105を押し、オン状態にするよう設けられている。106は補充専用カセット116の背面にある穴で、補充専用カセット116をCCAD2に装着した時に、レバー102の突起部102aが入り込む位置に配設される。従って、補充専用カセット116が装着された時には、スイッチ105はオンとなる。補充回収カセット115には穴106はなく、装着時にはレバー102の突起部102aを押圧するのでスイッチ105はオンとなる。
【0044】以上の構成による第1の実施例の作用を以下に説明する。図5はカセットを装着した時の運用のフローチャートを示す。図6,図7は第1の実施例の作用を示す概略側面図であり、図6は補充回収カセットによる補充動作時、図7は補充専用カセットによる補充動作時を示す。
【0045】<補充>先ず、補充回収カセットによる補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充回収カセット115をCCAD2に装着すると、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時(S1)にカセット識別スイッチ101がオフ(S2)する。つまり、図4に詳細に示すように、補充回収カセット115のカバーは、レバー102の突起部102aを押圧し、レバー102は軸103を中心に回転する。レバー102が回転すると、他端の突起部102bが図の上方向に上がり、スイッチ105がオフの状態になる。そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充回収カセット115を制御するプログラムに切り替わり(S5)、入金,出金,補充,充填,回収による運用が可能となる(S6)。
【0046】次に、行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、従来例で示した補充動作が行われる。次に、補充専用カセット116による補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充専用カセット116を図2に示すようにCCAD2に装着した時には、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時に(S1)カセット識別スイッチ101がオンする(S2)。つまり、図4に詳細に示すように、補充専用カセット116が装着されると、補充専用カセット116のカバーにある穴106にレバー102の突起部102aが入り込み、スプリング104の引張力により他端の突起部102bを介してスイッチ105がオン状態になる。
【0047】そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充専用カセット116の装着を検知し、補充専用カセット116を制御するプログラムに切り替わり(S3)、入金,出金,補充,充填の運用が可能となる(S4)。なお、S1で補充回収カセット115もしくは補充専用カセット116のセットを検知しなければ、入金,出金の運用のみが可能となる(S7)。行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。
【0048】CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充紙幣収納部127のエンド検知器125aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0049】以下、CCAD2の動作を図7に基づいて説明する。補充紙幣分離機構122を作動して、ステージ128にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し図7の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
【0050】万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構122の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構122を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0051】ステージ128上の紙幣がなくなりエンド検知器125aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構122は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14e,14fを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部124へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部123に集積する。
【0052】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、補充紙幣分離機構122を停止し、搬送路61による搬送動作も停止し、動作不可の情報を付加してレスポンスを制御部7に返送し、この処理は中止され、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。
【0053】<装填>行員が業務開始に先だって、補充回収カセット115であれば補充・回収紙幣収納部117のステージ118、補充専用カセット116であれば補充紙幣収納部127のステージ128に一括して元方よりセットして来た紙幣を収納し、内部操作部6の操作キーにより装填キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けてCCAD2に対して装填動作開始を指示するコマンドを送信する。CCAD2は装填動作開始のコマンドを受信すると、内部状態を補充モードと同様に切り替えて、補充動作と同様の装填動作を行う。
【0054】<回収>CCAD2に補充回収カセット115が装着された場合には、図5のフローチャートに示すように回収処理は可能となり、従来例で示した回収動作を行う。CCAD2に補充専用カセット116が装着された場合には、図5のフローチャートに示すように回収処理は不可能となり、内部操作部6の回収キーは無効となり、その旨を内部操作部6の表示部に表示する。
【0055】次に、本発明の第2の実施例を示す。図8は本発明の第2の実施例を示す概略側面図であり、補充専用カセット130が装着された図である。なお、CCAD2の装置本体および補充回収カセット115の構成は図1で示した第1の実施例と同様なので、説明は省略し符号も同一のものを用いる。
【0056】図8において、130は補充専用カセットであり、補充回収カセット115と同様CCAD2後方に着脱自在に設けられている。図9はこの補充専用カセット130の構成を示す概略図である。図8及び図9において、131は、補充紙幣を収納する補充紙幣収納部であり、132は紙幣補充時に補充用の紙幣を体積収納するステージで、図示しないモータにより上下移動する。122は補充紙幣分離機構、133は装置により補充不可と判定された紙幣を補充リジェクト紙幣を後述の第1種リジェクト紙幣収納部134に収納する第1種リジェクト紙幣集積部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣集積手段)であり、該第1種リジェクト紙幣集積部133は装置の回収紙幣搬送経路に接続している。134は補充リジェクト紙幣を収納する第1種リジェクト紙幣収納部(本願請求のところの補充リジェクト紙幣収納部)であり、該第1種リジェクト紙幣収納部134は前記第1種リジェクト紙幣集積部133に対応しかつ補充紙幣収納部131の側部に立位状態に設けてある。これにより、第1種リジェクト紙幣集積部133より送り込まれる紙幣が補充紙幣収納部131の側部に立位状態で収納される。135は軸135aを中心に回転自在に設けられたレバーで、第1種リジェクト紙幣収納部134の収納紙幣量に応じて回転移動する。136は前記レバー135により第1種リジェクト紙幣収納部134のフルを検知するフル検知器である。125aは補充紙幣収納部131のエンド検知器、125bはニアエンド検知器である。
【0057】図8において、101は装着されたカセットが補充回収カセットか補充専用カセットかを識別するカセット識別スイッチであり、その構成は図4で示した第1の実施例のものと同様であり、図9において106は穴部であり、補充専用カセットであることを検出するためのものであり、その構成は図3で示した第1の実施例のものと同様であるので説明は省略し、符号も同一のものを使用する。また、カセットを装着した時の運用のフローチャートは図5に示した第1の実施例のものと同一であるので説明は省略する。
【0058】以上の構成による第2の実施例の作用を以下に説明する。図10は第2の実施例の作用を示す概略側面図であり、補充専用カセット130による補充動作時を示す。なお、補充回収カセット115による補充,回収動作時の動作は第1の実施例と同様であるので図示および説明は省略する。また、装填動作も第1の実施例と同様であるので説明は省略する。
【0059】<補充>補充専用カセット130による補充動作を以下に説明する。図5のフローチャートに示すように、行員が紙幣をセットした補充専用カセット130を図10に示すようにCCAD2に装着した時には、図示しないカセットセット検知スイッチがオンすると同時にカセット識別スイッチ101がオンする。つまり、補充専用カセット135が装着されると、第1の実施例の図4の構成により補充専用カセット135のカバーにある穴106にレバー102の突起部102aが入り込み、スプリング104の引張力により他端の突起部102bを介してスイッチ105がオン状態になる。
【0060】そして、この情報をCCAD制御部が受け取ることにより、補充専用カセット130の装着を検知し、補充専用カセット130を制御するプログラムに切り替わり、入金,出金,補充,充填の運用が可能となる。行員が内部操作部6の操作キーにより補充キーを押下すると、制御部7はこの入力を受けて、CCAD2に対して補充動作開始を指示するコマンドを送信する。
【0061】CCAD2は、補充動作開始のコマンドを受信すると内部状態を補充モードに切替えて、補充紙幣収納部131のエンド検知器125aがエンド検知していないこと、すなわち補充するべき紙幣があらかじめセットされていることを確認する。エンド検知していた場合は動作不可の情報を付加してレスポンスを返送し、この処理は中止される。エンド検知していないことを確認すると補充動作を開始する。
【0062】以下、CCAD2の動作を図10に基づいて説明する。補充紙幣分離機構122を作動して、ステージ132にセットされている紙幣を上側から順に一枚づつ繰り出し図10の矢印の通り搬送し、鑑別部13に送り込む。鑑別部13では送り込まれて来た紙幣を順次真偽鑑別,正損判別,走行状態を検知して後方へ送られる。千円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14hを作動して金種別紙幣集積部39に送り込み、金種別カセット33のステージ36に直接集積する。
【0063】万円券の正券で出金用として装填できる紙幣の場合には、切り替えブレード14iまたは14jを作動して金種別紙幣集積部40または41に送り込み金種別カセット34または35のステージ37または38に直接集積する。この動作はステージ18にセットされている紙幣がなくなってエンド検知器25aの検知があるまで繰り返されるが、途中ステージ36,37,38のいずれか一つの集積枚数が保留許容値(例えば100枚)に達した場合には、補充紙幣分離機構22の動作を中断し、保留許容値に達したカセットのステージを図示していないモータにより保留許容値相当分下げる。ステージが下がった時点で補充紙幣分離機構22を再び作動させて、補充動作を繰り返す。
【0064】ステージ18上の紙幣がなくなりエンド検知器25aがエンド検知すると、補充紙幣分離機構122は停止し、最後の紙幣が金種別カセットのステージに到着すると搬送路による搬送動作も停止する。最後に、金種別カセット33,34,35のステージ36,37,38が一斉に下がり、ステージ36,37,38上に集積された紙幣は金種別カセット33,34,35に収納されて補充動作は終了する。なお、前記鑑別部13により出金不可能券と鑑別した紙幣は切り替えブレード14d,14eを作動させ、第1種リジェクト紙幣集積部133へ送り込み第1種リジェクト紙幣収納部134に集積する。
【0065】また補充動作中に金種別カセット34,35のフル検知器49c,50cもしくは金種別カセット33のフル検知器48cがフルを検知した場合は、補充紙幣分離機構122を停止し、搬送路61による搬送動作も停止し、動作不可の情報を付加してレスポンスを制御部7に返送し、この処理は中止され、そのデータとして各金種別に装填した計数枚数を付加する。以上で補充動作の処理が終了する。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明は、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より返送されてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したので、必要に応じて容量の増した補充紙幣収納部を有する一括カセットを装着することができる。これにより、必要に応じてより大量の紙幣補充を行うことが可能となり、出金紙幣切れから起きる装置ダウンを防止し、土曜,休日運用に適した紙幣自動取引装置を提供するという効果がある。
【0067】さらに、補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行えば、補充紙幣収納部の深さをより深くすることが可能となり、補充紙幣収納部の収容量をより多くして、より大量の紙幣補充に対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略側面図である。
【図2】同第1の実施例の補充専用カセット装着時の概略側面図である。
【図3】同第1の実施例の補充専用カセットの概略側面図である。
【図4】同第1の実施例のカセット識別部の斜視図である。
【図5】同第1の実施例のカセット装着による運用フローチャートである。
【図6】同第1の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図7】同第1の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図8】本発明の第2の実施例の補充専用カセット装着時の概略側面図である。
【図9】同第2の実施例の補充専用カセットの概略側面図である。
【図10】同第2の実施例の作用を示す概略側面図である。
【図11】従来例の概略側面図である。
【図12】従来例を適用した現金自動取引装置の斜視図である。
【図13】従来例を適用した現金自動取引装置の斜視図である。
【図14】従来例を適用した現金自動取引装置のブロック図である。
【図15】従来例の要部概略側面図である。
【図16】従来例の要部概略側面図である。
【図17】従来例の作用を示す概略側面図である。
【図18】従来例の作用を示す概略側面図である。
【符号の説明】
101 カセット識別スイッチ
115 補充回収カセット
116 補充専用カセット
117 補充・回収紙幣収納部
121 回収紙幣集積部
122 補充紙幣分離機構
123 第1種リジェクト紙幣収納部
124 第1種リジェクト紙幣集積部
127 補充紙幣収納部
130 補充専用カセット
131 補充紙幣収納部
133 第1種リジェクト紙幣集積部
134 第1種リジェクト紙幣収納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入金口へ顧客の投入した紙幣を鑑別手段にて識別して入金取引を行う入金取引機能と、顧客の指示した金種金額に応じて各金種別紙幣収納部より収納紙幣を放出して出金を行う出金取引機能と、入金取引成立の紙幣のうち出金に再利用可能なものを各金種別紙幣収納部に収納し循環紙幣として出金用に回す循環機能と、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したことを特徴とする紙幣入出金装置。
【請求項2】 補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うことを特徴とする請求項1項記載の紙幣入出金装置。
【請求項1】 入金口へ顧客の投入した紙幣を鑑別手段にて識別して入金取引を行う入金取引機能と、顧客の指示した金種金額に応じて各金種別紙幣収納部より収納紙幣を放出して出金を行う出金取引機能と、入金取引成立の紙幣のうち出金に再利用可能なものを各金種別紙幣収納部に収納し循環紙幣として出金用に回す循環機能と、一括カセットから各金種別紙幣収納部へ紙幣を補充する補充機能と、装置内の紙幣を一括カセットに回収する回収機能とを有する紙幣入出金装置において、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段,回収紙幣収納部,および装置内より送られてきた紙幣を該回収紙幣収納部へ集積する回収紙幣集積手段を有する補充回収カセットと、補充紙幣収納部,該補充紙幣収納部より紙幣を一枚づつ繰り出して装置内へ送出する補充紙幣繰り出し手段,装置により補充不可と判定された紙幣を収納する補充リジェクト紙幣収納部,および装置より送られてきた補充リジェクト紙幣を該補充リジェクト紙幣収納部へ集積する補充リジェクト紙幣集積手段のみを有する補充専用カセットの2種の一括カセットを選択的に着脱自在とし、前記補充回収カセットおよび補充専用カセットのどちらが装着されたかを識別する識別手段と、補充回収カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、補充専用カセット装着時の紙幣入出金装置の制御プログラムと、前記識別手段による識別結果に応じ、各々の制御プログラムを実行する制御部を具備したことを特徴とする紙幣入出金装置。
【請求項2】 補充専用カセットに、装置の回収紙幣搬送経路に接続する補充リジェクト紙幣集積手段を設け、かつ補充リジェクト紙幣収納部をこの補充リジェクト紙幣集積手段に対応しかつ補充紙幣収納部の側部に立位状態に設け、補充専用カセット装着時には、装置が補充リジェクト紙幣の返却動作を回収紙幣搬送経路を用いて行うことを特徴とする請求項1項記載の紙幣入出金装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図15】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図16】
【図14】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図15】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図16】
【図14】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開平5−54230
【公開日】平成5年(1993)3月5日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−236784
【出願日】平成3年(1991)8月26日
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【公開日】平成5年(1993)3月5日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)8月26日
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
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