説明

紙葉類搬送用ベルト試験装置及び試験方法

【課題】紙葉類搬送装置における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能な試験を実施し、さらに、試験管理者等による手作業を軽減させる。
【解決手段】駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7を互いに当接する当接面を夫々有するように駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3に張架し、その当接面において被搬送紙8を厚み方向に挟持し、挟持された被搬送紙8に対して適宜のテンションを付与して支持し、駆動側プーリ2のうち少なくとも1つを回転駆動させ、当接面における排出口から進入口まで被搬送紙8をガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣、及び、切符等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置に用いられる紙葉類搬送用ベルト試験装置及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣、及び、切符等の紙葉類を搬送するために、2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置が知られている(例えば、特許文献1)。このような紙葉類搬送装置に用いられる搬送用ベルトの耐久試験等は、紙葉類搬送装置と同様に搬送用ベルトに被試験紙を挟んだ状態で行う必要がある。即ち、搬送用ベルトに被試験紙を挟んで試験を行うことで、実機における搬送用ベルトの劣化状態を計測することができる。例えば、特許文献2の明細書の段落番号0053の記載、及び、特許文献2の図8に示された試験方法のように(参照)、搬送用ベルトに紙葉類を繰り返し挿入して試験を行っていた。また、例えば、特許文献3の図4に示された記載の試験方法のように、固定した用紙に搬送用ベルトを摺動させることで試験を行っていた。
【0003】
【特許文献1】特開2004−107020号公報
【特許文献2】特開平11−310347号公報
【特許文献3】特開2007−275307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した特許文献3の試験方法では、用紙を搬送する試験を行うことはできなかった。また、前述した特許文献2の試験方法では、試験管理者が手作業で実際の搬送装置に紙葉類を1枚ずつ投入することが必要であるという効率の悪いものであり、試験管理者が常時立ち会う必要があった。さらに、特許文献2の試験方法では、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持した試験を行うことができない場合があった。例えば、ATM(Automated Teller Machine)等における紙幣搬送装置においては、1秒当たり13枚の搬送が可能であり、特許文献2の試験方法では実現できるものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに、試験管理者等による手作業を軽減させることができる紙葉類搬送用ベルト試験装置及び試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の紙葉類搬送用ベルト試験装置は、紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験装置であって、一対の前記紙葉類搬送用ベルトが互いに当接する当接面を夫々有して張架され、該一対の紙葉類搬送用ベルトが被搬送紙を該当接面において厚み方向に挟持可能にせしめる複数のプーリと、前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙に適宜のテンションを付与して支持する支持手段と、前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させる駆動手段と、前記当接面において、前記被搬送紙が排出される排出口から前記被搬送紙が進入する進入口まで、前記被搬送紙をガイドするガイド機構とを有することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、被搬送紙が、一対の紙葉類搬送用ベルトによって挟持され、支持手段により適宜のテンションが付与されて支持された状態で、紙葉類搬送用ベルトが張架されたプーリのうち少なくとも1つを回転駆動させ、当接面において被搬送紙が排出される排出口から被搬送紙が進入する進入口まで、被搬送紙をガイドすることができる。これにより、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙は排出口から進入口までガイドされるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、被搬送紙を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0008】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験装置の前記複数のプーリは、張架される一対の紙葉類搬送用ベルトが、長手方向に無端状の被搬送紙を挟持可能にせしめることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、長手方向に無端状の被搬送紙が、一対の紙葉類搬送用ベルトによって挟持され、支持手段により適宜のテンションが付与されて支持された状態で、紙葉類搬送用ベルトが張架されたプーリのうち少なくとも1つを回転駆動させることができる。これにより、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙は無端状であるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、長手方向に無端状の被搬送紙を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0010】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験装置の前記ガイド機構は、前記支持手段から前記進入口まで前記被搬送紙をガイドする第1ガイド手段を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、被搬送紙を支持手段から進入口へ円滑に進入させることができ、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担を軽減することができる。
【0012】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験装置の前記ガイド機構は、前記排出口から前記支持手段まで前記被搬送紙をガイドする第2ガイド手段を有することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、被搬送紙を排出口から支持手段へ円滑に排出させることができ、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担を軽減することができる。
【0014】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験装置は、前記複数のプーリを回転不可にロックするロック手段をさらに有することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、被搬送紙を一対の紙葉類搬送用ベルトで挟持した状態で複数のプーリをロックすることで、所定の試験用紙を引き抜く際の荷重を計測することが可能となる。これにより、被搬送紙の搬送試験を行う前と行った後とでの紙葉類搬送用ベルトのグリップ力の測定を行うことができる。この結果、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【0016】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験方法は、紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験方法であって、一対の前記紙葉類搬送用ベルトを互いに当接する当接面を夫々有するように複数のプーリに張架し、前記一対の紙葉類搬送用ベルトの前記当接面において、長手方向に無端状の被搬送紙を厚み方向に挟持し、前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙に対して適宜のテンションを付与して支持し、前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させ、前記当接面において、前記被搬送紙が排出される排出口から前記被搬送紙が進入する進入口まで、前記被搬送紙をガイドすることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙が当接面における排出口から進入口まで搬送されるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、長手方向に無端状の被搬送紙を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0018】
また、本発明の紙葉類搬送用ベルト試験方法は、前記複数のプーリを回転不可にロックし、前記一対の紙葉類搬送用ベルトが前記被搬送紙を挟持する把持力を計測することをさらに特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、被搬送紙を一対の紙葉類搬送用ベルトで挟持した状態で複数のプーリをロックすることで、所定の試験用紙を引き抜く際の荷重を計測することが可能となる。これにより、被搬送紙の搬送試験を行う前と行った後とでの紙葉類搬送用ベルトのグリップ力の測定を行うことができる。この結果、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される紙葉類搬送用ベルトに対する試験装置及び試験方法である。尚、本実施形態では、紙葉類搬送装置に使用される紙葉類搬送用ベルトとして、駆動側ベルト及び従動側ベルトの2種類を用いる。
【0021】
図1は、本実施の形態における紙葉類搬送用ベルト試験装置1の概略構成を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、紙葉類搬送用ベルト試験装置1は、筐体10と、筐体10の正面側に設けられる駆動側プーリ2(2a・2b・2c)、従動側プーリ3(3a・3b・3c・3d)、テンションバー4(4a・4b)、ガイドバー5(5a・5b)と、及び、調節孔11(11a・11b)を有している。
【0023】
駆動側プーリ2aは、筐体10内に設けられる図示しない駆動モータにより回転駆動される駆動軸9に取り付けられており、図1の矢印方向(筐体10の正面から見て時計回りの方向)に回転駆動する。また、駆動側プーリ2b・2cは、筐体10に回転自在に取り付けられている。これらの駆動側プーリ2a・2b・2cは、筐体10の正面側の下部に略水平に並んで設けられている。従動側プーリ3は、筐体10に回転可能に取り付けられている。これらの従動側プーリ3a・3b・3c・3dは、筐体10の正面側の駆動側プーリ2の上方に並んで設けられている。
【0024】
尚、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3は、筐体10に対して正面方向を軸とする回転が可能に取り付けられている。また、本実施の形態において、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3は、同じ形状を有するものであるが、これに限定されるものではない。
【0025】
具体的に、駆動側プーリ2の構造について説明する。図2(a)は、筐体10の横方向から見た駆動側プーリ2の側面図である。図2(a)に示すように、駆動側プーリ2は、張架される駆動側ベルト6に接触する外形状が円柱である回転体14と、回転体14と同軸に設けられ回転体14よりも径方向に短い円柱状の回転シャフト15とを有している。回転シャフト15は、筐体10の内部側に貫通し、筐体10内部において回転可能に設けられている(図示せず)。回転体14は、回転シャフト15と同じ回転軸を有するように、回転シャフト15に固定されている。即ち、回転体14及び回転シャフト15が共に回転するように設けられている。尚、駆動側プーリ2aの回転シャフト15aは、駆動モータにより回転駆動される駆動軸9に固設されており、駆動軸9が回転駆動されることで回転されるようになっている。
【0026】
図2(a)に示すように、回転シャフト15は、円柱の周面に軸方向に延在して切り取られた切欠部16を有している。図2(b)は、筐体10の正面方向から見た回転シャフト15のみを示す正面図である。回転シャフト15を正面から見た場合、切欠部16は、略半円を形成している。
【0027】
従動側プーリ3についても、駆動側プーリ2の回転体14、及び、回転シャフト15と同様に構成される回転体、及び、回転シャフト17を有している。また、回転シャフト17は、切欠部16と同様の切欠部18を有している。これらの切欠部16・18に、後述の治具19・21が夫々有する突部20・22が嵌合されることで、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3がロックされるようになっている。
【0028】
ここで、図3を参照して、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3を回転不可にロックするロック手段としての治具19・21について説明する。図3(a)に示すように、駆動側プーリ2a・2b・2cは、夫々回転シャフト15a・15b・15cを有している。回転シャフト15a・15b・15cは、夫々切欠部16a・16b・16cを有している。また、従動側プーリ3a・3b・3c・3dは、夫々回転シャフト17a・17b・17c・17dを有している。回転シャフト17a・17b・17c・17dは、夫々切欠部18a・18b・18c・18dを有している。
【0029】
治具19・21は、板状であり、厚さ方向が筐体10の正面方向となるように、筐体10の正面側に設けられている。治具19は、正面方向から見て略長方形の形状であり、回転シャフト15a・15b・15cの下方において横方向に延在している。治具19は、正面方向から見て、上端がヘの字形になっている。治具21は、正面方向から見て長方形の下方に下部が短い台形を接続したような形状であり、回転シャフト17a・17b・17c・17dの上方において横方向に延在している。
【0030】
治具19は、左上端、中央上端、及び、右上端に、突部20a・20b・20cを有している。即ち、突部20a・20b・20cは、切欠部16a・16b・16cに対応する位置に設けられている。突部20a・20b・20cは、切欠部16a・16b・16cに嵌合する、正面方向から見て略半円に上方へ突出した形状となっている。
【0031】
また、治具21は、左下端、中央下端の2箇所、及び、右下端に、突部22a・22b・22c・22dを有している。即ち、突部22a・22b・22c・22dは、切欠部18a・18b・18c・18dに対応する位置に設けられている。突部22a・22b・22c・22dは、切欠部18a・18b・18c・18dに嵌合する、正面方向から見て略半円に下方へ突出した形状となっている。
【0032】
治具19・21は、上下方向に移動可能に筐体10に設けられている。具体的に、図3に示すように、治具19は、駆動側プーリ2の下方に離れた位置(第1位置)から、駆動側プーリ2側に移動されて突部20が切欠部16に嵌合する位置(第2位置)に移動することが可能となっている。また、治具21は、従動側プーリ3の上方に離れた位置(第3位置)から、従動側プーリ3側に移動されて突部22が切欠部18に嵌合する位置(第4位置)に移動することが可能となっている。
【0033】
駆動側プーリ2を回転不可にロックするためには、先ず回転シャフト15a・15b・15cを回転させて切欠部16a・16b・16cが下側になった状態にする。そして、治具19を第1位置から第2位置に移動させて切欠部16a・16b・16cを突部20a・20b・20cに嵌合させる。その後、治具19を固定することで、切欠部16に嵌合した突部20にひっかけられるようにして、回転シャフト15の回転がロックされるため、駆動側プーリ2が回転不可となる。
【0034】
また、従動側プーリ3を回転不可にロックするためには、先ず回転シャフト17a・17b・17c・17dを回転させて切欠部18a・18b・18c・18dが上側になった状態にする。そして、治具19を第3位置から第4位置に移動させて切欠部18a・18b・18c・18dを突部22a・22b・22c・22dに嵌合させる。その後、治具21を固定することで、切欠部16に嵌合した突部22にひっかけられるようにして、回転シャフト15の回転がロックされるため、従動側プーリ3が回転不可となる。
【0035】
尚、治具19・21は、上記構成に限定されず、例えば、治具19が上記の第2位置から下端を軸に前方方向へ回動されるように設けられるものであってもよい。また、治具21が上記第4位置から上端を軸に前方方向へ回動されるように設けられるものであってもよい。
【0036】
次に、図4を参照して、紙葉類搬送用ベルトの張架状態について説明する。図4に示すように、駆動側プーリ2には、無端状の平ベルトである駆動側ベルト6が張架されるようになっており、駆動側プーリ2aの回転駆動により駆動側ベルト6が走行されるようになっている(図5参照)。また、従動側プーリ3には、無端状の平ベルトである従動側ベルト7が張架されるようになっており、駆動側ベルト6の走行によって駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持される後述の被搬送紙8が搬送され、被搬送紙8との摩擦接触により従動側ベルト7が従動し、走行されるようになっている(図5参照)。
【0037】
また、図4に示すように、従動側プーリ3及び駆動側プーリ2は、夫々が図面左右方向に交互になるように設けられている。また、駆動側プーリ2は、駆動側ベルト6の内面側において、上部に接触するように設けられている。また、従動側プーリ3は、従動側ベルト7の内面側において、下部に接触するように設けられている。これにより、搬送する被搬送紙を挟持する把持力を高めている。
【0038】
また、駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7は、互いに当接する当接面を夫々有した状態に張架されるようになっている。具体的に、駆動側ベルト6の当接面は、駆動側ベルト6を懸架した背面のうちの駆動側プーリ2aから、駆動側プーリ2b及び駆動側プーリ2cの間の略中央部までの部分となっている。また、従動側ベルト7の当接面は、従動側ベルト7を懸架した背面のうちの従動側プーリ3a及び従動側プーリ3bの間の略中央部から、従動側プーリ3cまでの部分となっている。
【0039】
このように、駆動側ベルト6と、従動側ベルト7とが、当接する当接面を有して張架されることで、本実施形態の紙葉類搬送用ベルトの試験で用いる長手方向に無端状の被搬送紙8を該当接面において、被搬送紙の厚み方向に挟持することが可能となる。すなわち、図4に示すように、長手方向に無端状の被搬送紙8は輪状である。被搬送紙8は、被搬送紙8の内面側に従動側ベルト7が、被搬送紙8の外面側に駆動側ベルト6があるように、被搬送紙8の一部分が当接面において挟持されるようになっている。
【0040】
テンションバー4aは、筐体10の正面側の左上部に設けられた調節孔11aに差し込むように取り付けられている外形状が円柱のバーである。調節孔11aは、筐体10内部まで貫通し、鉛直方向に延在する。テンションバー4aは、調節孔11aの範囲内において鉛直方向に移動可能となっている。また、図示しないが、筐体10内には、テンションバー4aを固定する固定機構が設けられており、調節孔11aの範囲内で所望の高さに固定することができるようになっている。
【0041】
テンションバー4b、及び、調節孔11bは、筐体10の正面側の右上部に設けられている。テンションバー4b、及び、調節孔11bは、テンションバー4a、及び、調節孔11aの構造と同様となっているため説明を省略する。尚、テンションバー4は、図1に示すように、筐体10の正面方向に、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3よりも長い形状を有している。
【0042】
テンションバー4、及び、調節孔11は、上述のように構成されることにより、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された被搬送紙8に適宜のテンションを付与し、またその状態で被搬送紙8を支持することができるようになっている。具体的に、図4に示すように、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された被搬送紙8は、弛んだ状態となっている。この状態で、輪状である被搬送紙8の内面側のテンションバー4を上方へ移動させ、適宜の場所で固定することで、被搬送紙8に所望のテンションを付与することができるようになっている。また、被搬送紙8にテンションを付与することで、図5に示すように、被搬送紙8は、テンションバー4、及び、従動側ベルト7によって支持された状態となる。
【0043】
ガイドバー5a・5bは、筐体10の正面側の左下部及び右下部に設けられている。ガイドバー5a・5bは、筐体10の正面方向において、テンションバー4と略同じ長さを有する円柱のバーである。これにより、被搬送紙8が当接面へ進入する箇所(以下進入口とも称す)である駆動側プーリ2a近傍に円滑に進入させることができるようになっている。また、被搬送紙8が当接面から排出される箇所(以下排出口とも称す)である従動側プーリ3c近傍から円滑に排出させることができるようになっている。
【0044】
また、図示しないが、テンションバー4、及び、ガイドバー5は、筐体10の正面方向先端部において、円柱が径方向に大きくなっている。これにより、被搬送紙8が、筐体10の正面方向にずれることを防ぐことができるようになっている。
【0045】
上述のような、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された長手方向に無端状の被搬送紙8は、テンションバー4、及び、ガイドバー5によってテンションが付与され支持された状態となっており、駆動側ベルト6の走行によりテンションバー4、及び、ガイドバー5の外側と、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7の当接面を通って再帰的に搬送される。即ち、本実施の形態における被搬送紙8を駆動側ベルト6及び従動側ベルト7の当接面における排出口から進入口までガイドするガイド機構は、被搬送紙8を長手方向に無端状とし、テンションバー4、及び、ガイドバー5に支持されることにより実現される。
【0046】
このように、被搬送紙8が、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7によって挟持され、テンションバー4により適宜のテンションが付与されて支持された状態で、駆動側ベルト6が張架された駆動側プーリ2aを回転駆動させ、ガイド機構(長手方向に無端状の被搬送紙8、テンションバー4、及び、ガイドバー5)により被搬送紙8を排出口から進入口までガイドするする構成となっている。これにより、駆動側プーリ2aの回転駆動により駆動側ベルト6が従動し、さらに駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された被搬送紙8が当接面において再帰的に搬送されることが可能となっている。この結果、長手方向に無端状の被搬送紙を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数に相当する被搬送紙8の搬送を維持可能であり、さらに、試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0047】
また、ガイドバー5aによって、被搬送紙8をテンションバー4aから進入口に円滑に進入させることが可能となっている。これにより、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担をさらに軽減することができるようになっている。
【0048】
また、ガイドバー5bによって、被搬送紙8を排出口からテンションバー4aに円滑に排出させることが可能となっている。これにより、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担をさらに軽減することができるようになっている。
【0049】
さらに、被搬送紙8を駆動側ベルト6及び従動側ベルト7で挟持した状態で、治具19・21によって、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3の回転をロックすることで、所定の試験用紙を引き抜く際の荷重を計測することが可能となる。これにより、被搬送紙の搬送試験を行う前と行った後とでの駆動側ベルト6及び従動側ベルト7のグリップ力の測定を行うことができる。この結果、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【0050】
次に、紙葉類搬送用ベルト試験装置1の試験方法について説明する。先ず、図1のように構成された前述の紙葉類搬送用ベルト試験装置1に対し、図4に示すように、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7を互いに当接する当接面を夫々有するように駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3に張架させる。ここで、本実施形態で用いる駆動側ベルト6は、幅が10mm、厚みが0.65mm、内周長347mmであり、従動側ベルト7は、幅が10mm、厚みが0.65mm、内周長408mmである。尚、駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7のサイズはこれに限定されず、例えば、駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7に同じ紙葉類搬送用ベルトを用いてもよい。
【0051】
そして、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7の当接面において、長手方向に無端状の被搬送紙8を厚み方向に挟持する。即ち、本発明の試験においては、実機で使用される紙葉類をそのまま使用せず、実機で使用される紙葉類が無端状に接続されたような、輪状の被搬送紙8を使用する。尚、本実施形態に使用する被搬送紙8は、紙幣を想定したものとなっており、幅が駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3よりも大きくなっている。また、テンションバー4、及び、ガイドバー5の長さは、被搬送紙8の幅に対応したものとなっている。
【0052】
具体的には、被搬送紙8の幅は、筐体10の前面側から、テンションバー4、及び、ガイドバー5の径方向に大きくなる先端部までの長さ以下となっている。これにより、テンションバー4、及び、ガイドバー5が形成する窪みに、被搬送紙8が幅方向に収まる。その結果、被搬送紙8が高速に搬送された場合であっても、筐体10の前面方向に被搬送紙8がずれるのを防ぐことができる。
【0053】
さらに、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された被搬送紙8を、被搬送紙8の内面側から、テンションバー4を上方に移動させ、適宜のテンションを付与することで支持する。即ち、図5に示すように、被搬送紙8は、被搬送紙8の内面側から、従動側ベルト7、テンションバー4、及び、ガイドバー5から押されるように被搬送紙8の表面方向にテンションが付与されると共に支持される。
【0054】
尚、「被搬送紙8に付与する適宜のテンション」とは、紙葉類搬送用ベルトの試験、及び、実機での使用形態等に応じて変更されるものである。本実施の形態においては、少なくとも被搬送紙8の弛みがない程度のテンションが付与される
【0055】
その後、駆動側プーリ2aを回転駆動させる。本実施の形態において、駆動側プーリ2aは、1500RPM(revolution per minute)の回転数で回転される。これにより、被搬送紙8の搬送速度は、1.96m/分となり、紙幣流動枚数で換算すると13枚/秒となる。このように、従来の試験方法と比較して高速であり、さらに実機と同様の単位時間当たりの紙幣枚数を流動させることができる。また、被搬送紙8は、無端状に形成されたものを使用するため、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7に挟持された当接面に再帰的に搬送される。即ち、被搬送紙8における一点に注視した場合、その一点は駆動側ベルト6及び従動側ベルト7による挟持状態での搬送が繰り返し行われる。これにより、紙葉類を1枚ずつ当接面に投入し、搬送させることが不要であるため、試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0056】
次に、試験を行った紙葉類搬送用ベルトの評価方法について説明する。本実施形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1は、紙葉類搬送用ベルトについての把持力について評価することが可能となっている。
【0057】
先ず、図6に示すように、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7を、試験と同様に夫々駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3に張架し、被搬送紙8を当接面に挟んだ状態とする。本実施形態の所定の被搬送紙8は、少なくとも当接面において挟持された状態となっているが、これに限定されるものではない。被搬送紙8は、当接面と反対側の端部において、荷重計13と固定されている。
【0058】
そして、治具19・21を夫々第2位置、及び、第4位置に移動し固定することで、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3を回転不可にロックする。
【0059】
さらに、荷重計13を当接面と反対方向(図6における水平右方向)に移動させ、被搬送紙8を引き抜くとともに、荷重計13が計測した駆動側ベルト6及び従動側ベルト7の把持力のピークを計測する。これにより、駆動側ベルト6及び従動側ベルト7が所定値以上(例えば、0.24kg以上)のグリップ力を維持しているか否かを評価することができる。
【0060】
尚、評価方法は、これに限定されず、上記の計測を本発明の紙葉類搬送用ベルトの試験前と試験後とに行うことによって、グリップ力の変化を評価するものであってもよい。このように、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の結果としての紙葉類搬送用ベルトの評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【0061】
また、そのほかに、特許文献3の明細書の段落番号0073に記載の引張特性を評価する方法を用いて、試験前に対する試験後における紙葉類搬送用ベルトの張力が50%以上を維持しているか否かを評価してもよい。また、試験後における紙葉類搬送用ベルトの搬送面が、粘着状を呈している等の異常がないか否かを評価してもよい。
【0062】
このように、本発明の紙葉類搬送用ベルトの試験は、前述のように実際の稼働に近い試験を行うことができ、また、その結果として上記のような各種評価を行うことができる。
【0063】
以上のように、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1は、紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験装置であって、一対の前記紙葉類搬送用ベルト(駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7)が互いに当接する当接面を夫々有して張架され、該一対の紙葉類搬送用ベルトが被搬送紙8を該当接面において厚み方向に挟持可能にせしめる複数のプーリ(駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3)と、前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙8に適宜のテンションを付与して支持する支持手段(テンションバー4)と、前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させる駆動手段(駆動軸9、図示しない駆動モータ等)と、前記当接面において、前記被搬送紙8が排出される排出口から前記被搬送紙8が進入する進入口まで、前記被搬送紙8をガイドするガイド機構(長手方向に無端状の被搬送紙8、テンションバー4、ガイドバー5)とを有する構成にされている。
【0064】
上記構成によれば、被搬送紙8が、一対の紙葉類搬送用ベルトによって挟持され、支持手段により適宜のテンションが付与されて支持された状態で、紙葉類搬送用ベルトが張架されたプーリのうち少なくとも1つを回転駆動させ、当接面において被搬送紙8が排出される排出口から被搬送紙8が進入する進入口まで、被搬送紙8をガイドすることができる。これにより、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙8は排出口から進入口までガイドされるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、被搬送紙8を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0065】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1の前記複数のプーリは、張架される一対の紙葉類搬送用ベルトが、長手方向に無端状の被搬送紙8を挟持可能にせしめる構成にされていてもよい。
【0066】
上記構成によれば、長手方向に無端状の被搬送紙8が、一対の紙葉類搬送用ベルトによって挟持され、支持手段により適宜のテンションが付与されて支持された状態で、紙葉類搬送用ベルトが張架されたプーリのうち少なくとも1つを回転駆動させることができる。これにより、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙8は無端状であるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、長手方向に無端状の被搬送紙8を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0067】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1の前記ガイド機構は、前記支持手段から前記進入口まで前記被搬送紙8をガイドする第1ガイド手段(ガイドバー5a)を有する構成にされていてもよい。
【0068】
上記構成によれば、被搬送紙8を支持手段から進入口へ円滑に進入させることができ、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担を軽減することができる。
【0069】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1の前記ガイド機構は、前記排出口から前記支持手段まで前記被搬送紙8をガイドする第2ガイド手段(ガイドバー5b)を有する構成にされていてもよい。
【0070】
上記構成によれば、被搬送紙8を排出口から支持手段へ円滑に排出させることができ、試験を安定して行うことができるため、試験管理者の作業負担を軽減することができる。
【0071】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験装置1は、前記複数のプーリを回転不可にロックするロック手段(治具19・21)をさらに有する構成にされていてもよい。
【0072】
上記構成によれば、被搬送紙8を一対の紙葉類搬送用ベルトで挟持した状態で複数のプーリをロックすることで、所定の試験用紙を引き抜く際の荷重を計測することが可能となる。これにより、被搬送紙8の搬送試験を行う前と行った後とでの紙葉類搬送用ベルトのグリップ力の測定を行うことができる。この結果、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【0073】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験方法は、紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験方法であって、一対の前記紙葉類搬送用ベルト(駆動側ベルト6、及び、従動側ベルト7)を互いに当接する当接面を夫々有するように複数のプーリ(駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3)に張架し、前記一対の紙葉類搬送用ベルトの前記当接面において、長手方向に無端状の被搬送紙8を厚み方向に挟持し、前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙8に対して適宜のテンションを付与して支持し、前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させ、前記当接面において、前記被搬送紙8が排出される排出口から前記被搬送紙8が進入する進入口まで、前記被搬送紙8をガイドする構成にされていてもよい。
【0074】
上記構成によれば、プーリの回転駆動により紙葉類搬送用ベルトが従動し、一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された被搬送紙8が当接面における排出口から進入口まで搬送されるため、紙葉類搬送用ベルトの当接面において再帰的に搬送される。この結果、長手方向に無端状の被搬送紙8を再帰的に連続して搬送することが可能であり、紙葉類を1枚ずつ搬送させることが不要であるため、実機における単位時間当たりの紙葉類搬送枚数を維持可能であり、さらに試験管理者等による手作業を軽減させることができる。
【0075】
また、本実施の形態の紙葉類搬送用ベルト試験方法は、前記複数のプーリを回転不可にロックし、前記一対の紙葉類搬送用ベルトが前記被搬送紙8を挟持する把持力を計測する構成にされていてもよい。
【0076】
上記構成によれば、被搬送紙8を一対の紙葉類搬送用ベルトで挟持した状態で複数のプーリをロックすることで、所定の試験用紙を引き抜く際の荷重を計測することが可能となる。これにより、被搬送紙8の搬送試験を行う前と行った後とでの紙葉類搬送用ベルトのグリップ力の測定を行うことができる。この結果、紙葉類搬送用ベルトの試験を行うだけではなく、試験の評価を行うことができ、試験装置の多様性を増すことができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、以下の構成を上述の実施の形態における構成に加えて、或いは重複して備えていても良い。
【0078】
例えば、本実施の形態において、第1ガイド手段としてのガイドバー5a、及び、第2ガイド手段としてのガイドバー5bを備える構成であったが、これに限定されるものではない。ガイドバー5を有さないシンプルな構成とし、被搬送紙の入れ替え等を容易にするものであってもよい。
【0079】
また、本実施の形態において、ロック手段として駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3を回転不可とする治具19・21を備える構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、治具19・21を有さない構成とし、コストの軽減を図るものであってもよい。
【0080】
また、駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3の夫々の数は本実施の形態に限定されない。例えば、それぞれ2個のプーリとしてもよい。また、試験対象となる紙葉類搬送用ベルトに応じて、使用する駆動側プーリ2、及び、従動側プーリ3を変更するものであってもよい。これにより、種々の紙葉類搬送用ベルトに対応することができる。
【0081】
また、駆動させるプーリは、1つに限定されず複数であってもよい。例えば、本実施例における従動側プーリ3aを駆動させるものであってもよい。これにより、より高速に被搬送紙を搬送できる場合がある。
【0082】
また、本実施形態において、ロック手段は、プーリの回転シャフトに嵌合する治具によって実現されていたが、本実施の形態のような、回転シャフトが切欠部を備え、治具がその切欠部に嵌め込まれるようにされている構成に限定されるものではない。例えば、回転シャフトが突部を備え、治具にその突部が嵌め込まれるようにされている構成等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係る紙葉類搬送用ベルト試験装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプーリの構造を説明する説明図であり、(a)は駆動側プーリの側面図であり、(b)は駆動側プーリにおける回転シャフトの正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る治具の構造を説明する説明図であり、(a)は治具が回転シャフトをロックしていない状態を示す正面図であり、(b)は治具が回転シャフトをロックした状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る紙葉類搬送用ベルト試験装置の概略構成および被搬送紙の挟持態様を示す正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る紙葉類搬送用ベルトの試験方法を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る紙葉類搬送用ベルトの評価方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 紙葉類搬送用ベルト試験装置
2a・2b・2c 駆動側プーリ
3a・3b・3c・3d 従動側プーリ
4a・4b テンションバー
5a・5b ガイドバー
6 駆動側ベルト
7 従動側ベルト
8 被搬送紙
9 駆動軸
10 筐体
11a・11b 調節孔
13 荷重計
14 回転体
15・17 回転シャフト
16・18 切欠部
19・21 治具
20・22 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験装置であって、
一対の前記紙葉類搬送用ベルトが互いに当接する当接面を夫々有して張架され、該一対の紙葉類搬送用ベルトが被搬送紙を該当接面において厚み方向に挟持可能にせしめる複数のプーリと、
前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙に適宜のテンションを付与して支持する支持手段と、
前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させる駆動手段と、
前記当接面において、前記被搬送紙が排出される排出口から前記被搬送紙が進入する進入口まで、前記被搬送紙をガイドするガイド機構と
を有することを特徴とする紙葉類搬送用ベルト試験装置。
【請求項2】
前記複数のプーリは、張架される一対の紙葉類搬送用ベルトが、長手方向に無端状の被搬送紙を挟持可能にせしめることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類搬送用ベルト試験装置。
【請求項3】
前記ガイド機構は、前記支持手段から前記進入口まで前記被搬送紙をガイドする第1ガイド手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類搬送用ベルト試験装置。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記排出口から前記支持手段まで前記被搬送紙をガイドする第2ガイド手段を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の紙葉類搬送用ベルト試験装置。
【請求項5】
前記複数のプーリを回転不可にロックするロック手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の紙葉類搬送用ベルト試験装置。
【請求項6】
紙葉類を少なくとも2本の紙葉類搬送用ベルトの間に挟んで搬送する紙葉類搬送装置に使用される該紙葉類搬送用ベルトの試験方法であって、
一対の前記紙葉類搬送用ベルトを互いに当接する当接面を夫々有するように複数のプーリに張架し、
前記一対の紙葉類搬送用ベルトの前記当接面において、長手方向に無端状の被搬送紙を厚み方向に挟持し、
前記一対の紙葉類搬送用ベルトに挟持された前記被搬送紙に対して適宜のテンションを付与して支持し、
前記プーリのうち少なくとも1つを回転駆動させ、
前記当接面において、前記被搬送紙が排出される排出口から前記被搬送紙が進入する進入口まで、前記被搬送紙をガイドすることを特徴とする紙葉類搬送用ベルトの試験方法。
【請求項7】
前記複数のプーリを回転不可にロックし、
前記一対の紙葉類搬送用ベルトが前記被搬送紙を挟持する把持力を計測することをさらに特徴とする請求項6に記載の紙葉類搬送用ベルトの試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−105776(P2010−105776A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279507(P2008−279507)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】