説明

紫外線照射装置

【課題】紫外線の照射時間や照射出力の制御を可能とする。
【解決手段】紫外線照射装置は、紫外線を照射可能な一以上の紫外線源を備える複数のヘッド部120と、複数のヘッド部120と各々接続可能な複数のヘッド部接続部160と、ヘッド部120の紫外線源のON/OFFを制御するための制御部114と、制御部114に制御される紫外線源にヘッド部接続部160を介して駆動電流を供給する電源部112とを備えるコントローラ部110と、ヘッド部120とコントローラ部110とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部130とを備えており、複数のヘッド部120は、各々独立して紫外線源の出力及び/又はON/OFFのタイミングを調整可能に構成しており、コントローラ部は、各ヘッド部120の紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を個別に設定するための設定部140を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物部品の接着等に使用される紫外線硬化型の樹脂を硬化させる紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療分野での生体内外部の紫外線照射による殺菌、治療、分光(発光)診断や、鉱物や古墳深部の観察等の分野、あるいは電子部品の組み立て作業における紫外線硬化型の樹脂を硬化させる目的等に、紫外線照射装置が利用されている。この内、紫外線硬化型の樹脂を硬化させる紫外線照射装置は、レジスト皮膜の形成や印刷の分野から光ピックアップ等の組立工程における小物部品の接着固定の分野まで広く使用されている紫外線硬化型の樹脂に対して紫外線を照射する目的で利用される。このタイプの紫外線照射装置は、電源回路等を内蔵した装置本体であるコントローラと、紫外線を照射するヘッドと、これらを接続するケーブルとを備えている。コントローラに紫外線源である高圧水銀ランプや水銀キセノンランプを内蔵し、コントローラとヘッドを接続するケーブルに内蔵された石英ガラス等の光ファイバでヘッドまで紫外線を伝達して、ヘッドから樹脂が塗布された接着部に照射される。このような紫外線照射装置を用いた小物部品の接着固定方法の従来例が特許文献1に記載されている。また、同一のコントローラに複数のヘッドを接続して複数箇所から紫外線を照射可能な紫外線照射装置も存在する。
【0003】
しかしながら、この紫外線照射装置は、同一の紫外線源から光路を多分岐して紫外線を各ヘッドに伝達する構造であるため、ヘッド毎に紫外線の照射条件を変更することができないという問題があった。特に、複数のヘッドが同一の出力、照射タイミングでしか照射できないため、ヘッド毎に異なる設定として作業を行うことができず、ヘッドが複数ある利点を生かした作業が行えない。ユーザが使用条件に応じて、各ヘッド毎に個別の出力、照射タイミング等を設定可能とできれば、使い勝手は飛躍的に向上するものの、従来の紫外線照射装置では同一の紫外線源を用いて紫外線を伝達するという構成上、紫外線出力や照射時間等、異なる条件を設定することは物理的に不可能であった。例えば紫外線の照射タイミングを複数のヘッド間で連動させることができず、すべてのヘッドで同じタイミングで照射開始、終了させることしかできなかった。また、照射する必要のないヘッドでも、コントローラに接続しておくだけで、他ヘッドを照射させると一緒に照射されてしまう。このため、異なる照射条件の紫外線を得るには、条件の数だけ紫外線照射装置を用意しなければならず、極めて不便であった。
【0004】
また従来の紫外線照射装置は、紫外線源に高圧水銀ランプや水銀キセノンランプを使用しているため、発熱量及び消費電力も大きく、冷却機構が必要で装置が大型化し高価になる上、常時点灯している構造のためエネルギー消費量が大きく、ランプの寿命が短くなる欠点があった。加えて、紫外線出力の調整は機械的なシャッタで行われる構造のため、微細な調整が困難である。さらに、ランプが劣化してくるとガラスにクラックが生じることがあり、ガラス管内部に封入した高圧ガスによってガラス管が破裂する危険があるため、一定時間経過したランプは必ず交換する必要があり、ランニングコストが確実に高くなるという欠点もあった。
【0005】
さらにまた、ケーブルに石英ガラス等の光ファイバを使用してコントローラとヘッドを接続する構造であるため、光ファイバを保護するため金属製のフレキシブルケーブル等で被覆した太いケーブルを使用する必要があり、重くて扱いづらい欠点があった。特に光ファイバは折曲角度に制限があるため、自由に折曲することができない。しかも光ファイバは長さに比例した伝送損失が生じるため、ケーブル長を長くすることができないという問題もあった。
【0006】
本願出願人は、このような問題点を解決するものとして、紫外線源に高圧水銀ランプや水銀キセノンランプに変えて高出力の紫外線発光ダイオード(UVLED)を使用し、かつLEDを本体のコントローラでなくヘッドに設けた紫外線照射装置を開発した(特願2003−158958号、特願2003−317622号)。これによって、各ヘッド部毎に異なる紫外線照射条件を設定できるようになり、一台の紫外線照射装置に複数台のヘッド部を接続し、それぞれ独立して使用可能となった。
【特許文献1】特開平10−209492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方で、紫外線の照射時間や照射出力を調整して紫外線照射を行いたい場合がある。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の主な目的は、複数のヘッド部を備える紫外線照射装置において、紫外線の照射時間や照射出力の制御を可能とした紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る紫外線照射装置は、紫外線硬化型樹脂を硬化可能な紫外線を照射するための紫外線照射装置であって、紫外線を照射可能な一以上の紫外線源を備える複数のヘッド部120と、複数のヘッド部120と各々接続可能な複数のヘッド部接続部160と、ヘッド部120の紫外線源のON/OFFを制御するための制御部114と、制御部114に制御される紫外線源にヘッド部接続部160を介して駆動電流を供給する電源部112とを備えるコントローラ部110と、ヘッド部120とコントローラ部110とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部130とを備えており、複数のヘッド部120は、各々独立して紫外線源の出力及び/又はON/OFFのタイミングを調整可能に構成しており、コントローラ部は、各ヘッド部120の紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を個別に設定するための設定部140を備える。これにより、設定部で設定された紫外線照射条件に従い、照射時間及び/または照射出力を各ヘッド毎に独立して制御できる。
【0009】
また、本発明の第2の側面に係る紫外線照射装置は、さらに、ヘッド部120からの紫外線の照射開始及び停止のタイミングを指示するトリガ入力を入力するための端子台を備える。これにより、外部接続機器から端子台を介してトリガ入力により紫外線照射のON/OFFタイミングを制御できる。
【0010】
さらに、本発明の第3の側面に係る紫外線照射装置は、さらに、設定部より、予め紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を登録するための記憶部を備えており、紫外線の照射開始指令を受けると、記憶部に登録された照射条件で紫外線照射を開始するように構成される。これにより、事前に登録されたパターンで紫外線照射を行うことができる。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の側面に係る紫外線照射装置は、照射開始指令をヘッド部120毎に入力可能に構成している。これにより、ヘッド部毎に個別に紫外線照射のパターンを設定して、1台のコントローラ部で複数のヘッド部を独立して制御できる。
【0012】
さらにまた、本発明の第5の側面に係る紫外線照射装置は、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射を指定可能とするよう、各ヘッド部120毎の照射許可/不許可設定手段を備える。これにより、コントローラ部に接続されているすべてのヘッド部でなく、所望のヘッド部のみを使用した紫外線照射が実現できる。
【0013】
さらにまた、本発明の第6の側面に係る紫外線照射装置は、ヘッド部120が、各ヘッド部の紫外線照射のON/OFF状態を表示するためのインジケータを備える。これにより、ヘッド部毎に紫外線照射のON/OFFをユーザの手元などで容易に確認できる。
【0014】
さらにまた、本発明の第7の側面に係る紫外線照射装置は、紫外線源が半導体素子である。半導体素子は高圧水銀ランプや水銀キセノンランプと異なり、ON/OFFを繰り返しても寿命が低下しづらく、加えて直ぐに安定した照度を得ることができるので、常時点灯させずとも必要時のみONすることで消費電力を抑制でき、さらに素子自体の寿命も長く使用できる。またランニングコストの低減に大きく寄与すると共に、小型で発熱量も少ないため、紫外線照射装置を小型化できる等優れた利点を備える。
【0015】
さらにまた、本発明の第8の側面に係る紫外線照射装置は、半導体素子が紫外線発光ダイオード150である。この構成によって、小型で低消費電力の紫外線発光ダイオード150を利用して紫外線照射装置の小型化、低消費電力化、長寿命化、ランニングコストの低減等に寄与し得る。特に発光ダイオードは機械的衝撃にも強く、安価で利用しやすい。
【0016】
さらにまた、本発明の第9の側面に係る紫外線照射装置は、ヘッド部120が、紫外線源の駆動電流を調整するための調整回路1228を備える。これにより、紫外線源の経時劣化による駆動電流の変動を調整して、正確な出力制御を維持できる。
【0017】
さらにまた、本発明の第10の側面に係る紫外線照射装置は、ヘッド部120は、調整回路1228に有する抵抗値を調整可能な位置に孔を開口している。これにより、小孔から工具等を挿入し、半固定抵抗を操作して抵抗値を調整することができ、意図しない半固定抵抗の操作によって駆動電流が変更される事態を回避しつつ、必要時に抵抗値の調整を可能とできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための紫外線照射装置を例示するものであって、本発明は紫外線照射装置を以下のものに特定しない。
【0019】
さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0020】
[実施の形態1]
図1に、本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のブロック図を示す。この図に示す紫外線照射装置100は、コントローラ部110とヘッド部120とがケーブル部130で接続される。ヘッド部120には、紫外線硬化型樹脂を硬化させるための紫外線を発する紫外線源としてUVLED150が内蔵されている。コントローラ部110は、ヘッド部120の紫外線源を駆動するための電源部112及び制御部114、記憶部116を備え、ケーブル部130を介して紫外線源の駆動信号(電気信号)をヘッド部120に送信する。
【0021】
また紫外線照射装置は、紫外線照射条件を設定する設定モードと、実際に紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードにおいて設定部140(後述)で設定された紫外線照射条件は、記憶部116に保存される。設定部140は、複数の紫外線照射条件を設定して記憶部116に保存する。照射モード時に制御部114が記憶部116から必要な紫外線照射条件設定を呼び出し、この設定に従って制御部114は電源部112からヘッド部120に駆動電流を供給し、ヘッド部120の紫外線源を制御する。紫外線照射条件は、各ヘッド部毎に独立して設定可能である。
【0022】
コントローラ部110は、ヘッド部120を接続するためのヘッド部接続部160を複数設けている。各ヘッド部接続部160は、それぞれ固有のチャンネル番号を割り当てられており、チャンネル番号によって他のヘッド部接続部と区別される。図1の例では、チャンネル1〜4の4チャンネルのヘッド部接続160が設けられており、各ヘッド部接続部160にはヘッド部120が接続される。
【0023】
各ヘッド部120は、コントローラ部から駆動電流を受けて紫外線源を動作させ、紫外線Uを外部に照射する。さらにヘッド部120は、図1に示すように各ヘッド部120をチャンネル毎に区別する識別情報を表示可能な識別部121を設けている。識別情報は、チャンネル番号に関する情報を表示することで、ユーザがヘッド部毎に割り当てられたチャンネル番号を理解し、これによって複数のヘッド部を相互に区別する。識別情報の表示は、後述するように直接的にチャンネル番号を表示する他、複数の点灯の組み合わせや点灯パターン等が利用できる。したがって、ここでいう表示には、数字や文字情報の表示のみならず、点灯による情報表示も含む。また点灯には、連続的な灯火表示の他、点滅や強弱を付けた点灯表示も含む。
【0024】
ヘッド部120の識別を行うときは、紫外線照射装置に対して識別動作の実行をコントローラ部110の設定部140から指示する。識別動作が指示されると、コントローラ部110の制御部114は識別信号を生成し、ヘッド部120側に送出する。ヘッド部120は、識別信号を受けると識別部121に識別情報を表示する。ユーザはヘッド部120の識別部121に表示される識別情報を見てチャンネル番号を把握し、これに基づいてヘッド部120を区別できる。
【0025】
(識別部121)
識別部121は、識別情報を示すための表示を行う部材であり、点灯部1211を備える。点灯部1211は発光素子で構成され、例えば電球や半導体発光素子が使用できる。好適にはLEDが使用される。
【0026】
図2〜図4に、点灯部1211を設けた識別部121の例を示す。図2に示すヘッド部120Aは、紫外線照射のON/OFF状態を表示するインジケータと、識別部121Aとして、各々のチャンネル番号に対応した点灯部1211を備えている。ヘッド部120Aは、コントローラ部から識別信号を受信すると、自身のチャンネル番号に対応する点灯部1211を表示させる。いずれの点灯部1211を表示させるかの制御は、識別情報を受け取ったヘッド部側で行う方法や、コントローラ部側でヘッド部のどの点灯部を点灯させるという情報を識別情報に含ませて送出する方法のいずれも採用できる。チャンネル番号の数だけ点灯部を設けることにより、チャンネル番号をダイレクトに表示でき、チャンネル番号の理解が容易となる。図2の例では、4チャンネルの表示のためにCH1〜4の点灯部1211を設けている。
【0027】
図3の例では、本発明の実施の形態2に係るヘッド部120Bとして、4チャンネルの表示に対して識別部121Bとして点灯部1211をA、Bの2個設けている。2個の点灯部1211A、Bの表示を組み合わせることで、4通りのパターンを表示可能である。すなわち、点灯部1211Aおよび点灯部1211Bの消灯でチャンネル1を、点灯部1211Aの消灯および点灯部1211Bの点灯でチャンネル2を、点灯部1211Aの点灯および点灯部1211Bの消灯でチャンネル3を、点灯部1211Aおよび点灯部1211Bの点灯でチャンネル4を、それぞれ表示する。このように、チャンネル数だけ点灯部を設けなくとも、少ない部品点数でより多くのチャンネル数を表現できる。
【0028】
また、各点灯部は点灯、消灯の2パターンを表示する他、発光色や発光強度を変化させることにより2パターン、あるいは3パターン以上を表現することも可能である。これらのパターンを組み合わせることで、少ない点灯部でさらに多くのチャンネル数を表現できる。点灯部にLEDを使用する場合は、LEDの駆動電流を調整することで発光強度の強弱を容易に実現できる。また、多色に発光可能なLEDは2色あるいは3色のLEDを組み合わせることで、各色のLEDを組み合わせて発光色を変化できる。
【0029】
なお、点灯部1211A、Bの組み合わせとチャンネル番号の対応表は、説明書に添付する他、ヘッド部120Bやコントローラ部の表面に表記しておいても良い。対応表を参照することで、ユーザはチャンネル番号を速やかに理解できる。
【0030】
また、本発明の実施の形態3に係るヘッド部ヘッド部120Cを示す図4の例では、識別部121Cを構成する点灯部1211Cを1個としている。この場合は、点灯部1211Cの点滅パターンによりチャンネル番号を表示する。各ヘッド部120Cは、コントローラ部から識別信号を受信すると、割り当てられたチャンネル番号に応じて図5のようなパターンで点滅する。図5は、識別部121Cに送出されるパルスのパターンを示している。すなわち、チャンネル1の場合は1回、チャンネル2の場合は2回、・・・というように、チャンネル番号に応じた数だけ点滅を周期的に繰り返す。点灯の周期T1は、点滅の間隔T2よりも十分長くする。例えば点灯パルスの間隔T1を400ms、点灯の周期T2を4sとする。これによってユーザは、各ヘッド部の識別部121が点滅する回数をカウントすることにより、チャンネル番号を認識できる。この例では点灯部が1個で済むので、部品点数をさらに削減できる。
【0031】
また、点滅に変わって点灯部の発光強度の強弱でも表現できる。すなわち、フラッシングがユーザに把握できる程度であれば、点灯部を完全に消灯する必要はなく、わずかに点灯させても良い。点滅表示は、点灯部の表示を2段階に区別できれば足りる。
【0032】
識別動作の開始命令は、コントローラ部110の設定部140から行う。ただ、各ヘッド部側に識別動作実行スイッチを設けて、識別動作実行スイッチを操作することで、このヘッド部の識別部に、該ヘッド部の接続されたヘッド部接続部に割り当てられたチャンネル番号を表示するように構成してもよい。また識別動作の終了は、別途ユーザが終了を指示を入力する他、識別動作の開始から所定の時間経過後に自動的に終了するように構成してもよい。例えば識別動作を実行後15秒後、あるいは識別情報の表示を5回繰り返した後に、識別動作を自動的に終了する。
【0033】
さらにまた、識別情報の表示は、すべてのヘッド部に対して実行することも、特定のヘッド部に対して行うこともできる。すべてのヘッド部に対して実行する場合は、設定部から識別動作実行命令を指示すると、すべてのヘッド部の表示部で識別情報が一斉に表示される。この方法では、一度の操作ですべてのヘッド部が区別できるので、操作が簡単であるという利点がある。
【0034】
また、特定のヘッド部に対して識別情報を表示させる場合、例えば設定部から識別動作の実行と共に、所望のヘッド部が接続されたヘッド部接続部のチャンネル番号を入力する。これによって、該当するヘッド部の識別部のみが識別情報を表示する。この方法は、識別したいヘッド部の数だけ動作を繰り返す必要がある反面、判別したいヘッド部のみが識別情報の表示を行うため、識別部が動作しているヘッド部のみを探せば足り、判別しやすい利点もある。特にこの方法では、ヘッド部の識別部を他と区別する必要がないので、識別部の表示を簡単にできる。例えば該当するヘッド部の識別部のみを点灯あるいは点滅させ、他の識別部は消灯させる、又はブザーやビープ音を鳴動させる、あるいは点滅と音の組み合わせることで、所望のヘッド部を検知できる。
【0035】
あるいはまた、識別動作を命令すると、各ヘッド部が同時に識別情報を表示するのでなく、順次識別情報を表示していくようにヘッド部毎に切り替わるよう構成することもできる。例えば、チャンネル番号の少ない順に、該当するヘッド部の識別部を所定の時間点灯あるいは点滅させた後、次のチャンネル番号に相当するヘッド部で同様に識別部を点灯あるいは点滅させ、すべてのヘッド部で識別情報の表示を循環させる、あるいは周期的に繰り返す。このとき、各識別部は単に点滅させる他、図5のパターンでチャンネル番号を判別できるように点滅させることができる。この方法であれば、一回の指定ですべての識別部での識別が実行されると共に、識別部の動作は一度に一台のみであるため、各々の判別が容易となる。
【0036】
図6は、識別部121Dのさらに別の例として、本発明の実施の形態4に係るヘッド部120Dとして、点灯部に変わって識別情報表示部1212を設けた例を示している。識別情報表示部1212は、例えば7セグメント表示器や液晶表示器とする。これにより、チャンネル番号を直接数字で表現でき、ユーザはチャンネル番号を直ちに把握できる。図6の例では1桁の7セグメント表示器を備えている。7セグメント表示器は、数字を利用すれば1桁でも0〜9の10チャンネル分を表現できる。またアルファベットを組み合わせることで、16通り等さらに多くのチャンネル数を表現できるようになる。
【0037】
なお識別情報表示部は、後述する個別表示部と併用することもできる。これによって表示部を共通化して部品点数およびコストを削減できる。
【0038】
以上の識別部は、紫外線照射装置に接続可能なヘッド数に応じて、識別部の表示桁数を増減する。
【0039】
さらに識別部は、識別情報の表示手段を点灯部に限定しない。例えば、回転、移動する針でチャンネル番号を指し示す方法や、レベルメータ状の識別部として指示部がスライドしてチャンネル番号を示す方法、ダイヤル数字が回転する方法等、スピーカ等の発音部材を設けてビープ音の回数や音声でチャンネル番号を発音する等、音を使用する方法といった種々の方法やこれらの組み合わせが利用できる。またチャンネル番号の数字を表示するに際しても、上述した7セグメント表示器によるデジタル表示の他、アラビア数字、ローマ数字、二進数や二進化十進法による表示、アルファベットや漢数字による表示、あるいは点灯部が表示する個数でチャンネル番号を表示したりする方法も採用できる。このように、本発明においてはチャンネル数字を表示可能な既存の、あるいは将来開発される方法が識別情報の表示手段として利用可能である。
【0040】
なお、すべてのヘッド部に識別部を設ける必要はなく、例えば2台のヘッド部を紫外線照射装置に接続している場合は、一方のヘッド部のみに識別部を設け、このヘッド部を識別可能とすれば、他方のヘッド部との区別が可能となる。あるいは、識別を行いたい特定のヘッド部のみに識別部を設ける。例えば、2台のヘッド部を同じ紫外線照射条件で使用しており、別の2台を異なる条件で使用している場合、異なる条件を設定した2台のヘッド部のみに識別部を設けても良い。言い換えると、識別の必要がないヘッド部からは識別部を省略することも可能である。
【0041】
さらにまた、識別部は点灯部のような部材を設けることなく、既存の点灯部材を利用して実現することも可能である。
【0042】
まず図7に示す本発明の実施の形態5に係るヘッド部120は、紫外線照射のON/OFFを示すインジケータを識別部121と兼用している。インジケータは、紫外線を照射中であることをユーザに警告するエミッションランプ、あるいは電源が入っていることを示すパイロットランプであり、この例ではLEDを使用している。このインジケータLED1226を使用して、上述した図5のパルスによる点滅をさせることにより、識別部121として機能させることができる。あるいは、上述の通りコントローラ部から特定のチャンネル番号を指示すると、該当するヘッド部のインジケータLEDのみを点灯あるいは点滅させ、他のインジケータLEDは消灯させることで、所望のヘッド部を区別できる。あるいはまた、上述の通り順次各ヘッド部のインジケータLEDを点灯あるいは点滅させることでも区別できる。この方法は、新たなハードウェアを設ける必要がないので、従来の構成を利用して識別機能を付加することができる。またインジケータLEDは高輝度のLEDが使用されることが多いため、判別しやすいというメリットも得られる。
【0043】
あるいは、インジケータLEDを、インジケータとしての利用時と、識別部としての利用時で発光色を変えても良い。例えば、インジケータとして利用する場合は緑色で発光し、識別情報を表示しているときは赤色で表示する。これによって、識別情報の表示中であることがユーザに把握できるようにする。
【0044】
さらに、紫外線源自体で識別することもできる。紫外線源が可視光を含む場合、この可視光を利用して点滅させることにより、ヘッド部を区別できる。特に紫外線源として発光ダイオードを使用する場合、発光ダイオードの発光スペクトルはブロードな傾向にあるため、十分な可視光域を含んでいる。そこで、紫外線源自体を上記インジケータLEDと同様の方法で点灯や点滅させたり、該当するチャンネル番号のヘッド部のみを点灯させることによって、ユーザは紫外線源に含まれた可視光からヘッド部を相互に区別できる。この際、ユーザの目を紫外線から保護するために、紫外用ゴーグルを着用した方が好ましい。
【0045】
この方法も、余分な部材を設けなくとも既存の構成で実現でき、部品点数を低減できるメリットに加えて、識別部の視認性に問題がある場合に好適に利用できる。即ち、ヘッド部は何らかの方法で固定されて使用されることが多いので、この場合にヘッド部に識別部を設けると、ヘッド部の固定部材が識別部を覆ってしまったり、あるいは設置場所や角度によってはユーザ側から見え難い位置に識別部が位置する場合があり得る。このような場合であっても、紫外線が照射される領域は必ず視認できる位置となるように通常は位置されるため、この紫外線に含まれる可視光を利用して識別を行う方法であれば、識別情報が確実に視認できるという利点が得られる。
【0046】
[回路構成例]
次に、上記の構成を実現する紫外線照射装置のブロック図の例を、図8〜図11に基づいて説明する。図8は、識別部121が複数の点灯部1211で構成されるヘッド部120Aを採用した図2の例において、識別部121を駆動する駆動回路を示すブロック図である。この図に示すように、コントローラ部110の制御部114は、識別動作の実行時に検出したいヘッド部用の識別信号を生成し、出力ポートからドライブ回路118を介してヘッド部120Aに送出する。制御部114は、ソフトウェア的に点灯パターンを生成する識別信号を生成して送出する。この例では、点灯部1211として4つの点灯部LEDを備えているので、制御部114は各点灯部LED用の識別信号を各々生成している。点灯部LEDは、抵抗を介して定電圧源と接続されている。またケーブル部130を介して送信される識別信号の接続方式はパラレルとして各点灯部LEDを直接駆動している。もちろん、パラレル接続に限られずシリアル接続も採用できる。
【0047】
なおこの例では、ヘッド部120Aを一台のみ接続した構成を示しているが、複数台のヘッド部を接続する場合は、制御部114からの出力を台数分、すなわちヘッド部接続部160の数だけパラレルに接続すればよい。また制御部114は、後述するようにMPUやCPU等で構成される。
【0048】
上記の図8は、図2のヘッド部120Aを実現する構成例であるが、図3や図4についても同様の構成で実現できる。点灯部LEDの数と、各点灯部LEDの駆動信号を対応する組み合わせや点灯パターンを実行するための信号に変更することで、図3や図4の構成が実現される。
【0049】
また図9は、識別部121Dに識別情報表示部1212を設けた図6のヘッド部120Dにおいて、識別部121Dを駆動する駆動回路を示すブロック図である。図6の構成では、7セグメント表示器等でチャンネル信号を詳細に表示するために、識別情報が多くなる傾向にあり、多くのデータを識別情報表示部1212に送信するためパラレル接続に変えてシリアル接続を採用している。まず制御部114Dは該当するヘッド部120Dに送出するための識別信号を生成し、ドライブ回路118Dに対してシリアル転送する。したがって制御部114Dはデータ信号線とクロック信号線とを介してドライブ回路118Dに識別信号を送信する。ドライブ回路118Dは同様に識別信号データをシリアルのまま、ケーブル部130Dを介してヘッド部120Dに送出する。一方、ヘッド部120Dはシリアル/パラレル変換部1204およびヘッド部側ドライブ回路1206を備えている。ヘッド部120Dは、コントローラ部110Dから受けたシリアル信号をシリアル/パラレル変換部1204でパラレル信号に変換し、ヘッド部側ドライブ回路1206でこのパラレル信号に基づき識別情報表示部1212にチャンネル番号等を表示する。
【0050】
さらに図10は、図7に対応するインジケータを識別部121と併用したヘッド部120において、識別部121を駆動する駆動回路を示すブロック図である。図10では、本来インジケータLED1226を駆動するためのドライブ回路118を備えているため、この回路構成をそのまま利用し、制御部114からインジケータLED1226を識別部121として駆動するための駆動信号を生成して、ドライブ回路118を介してヘッド部120のインジケータLED1226を駆動する。図10の例では、制御部114が識別信号を生成して出力ポートからドライブ回路118に送出し、ドライブ回路118は識別信号に基づきインジケータLED1226を駆動する駆動電流を、ケーブル部130を介してインジケータLED1226に供給して点灯制御する。この回路は、既存の回路構成をほぼそのまま利用できるため、回路をシンプルに構成できる利点がある。なお図10の例では、インジケータLED1226としてLEDを2個使用しているが、後述のように1個のLEDや3個以上のLEDとしても良いことはいうまでもない。
【0051】
さらにまた図11では、外観上は図7のヘッド部120と同一であるが、インジケータでなく紫外線源の可視光をヘッド部の識別部121Eとして利用する構成を実現する回路例を示している。この構成のヘッド部120Eにおいても、本来的に紫外線源であるUVLED150Eを駆動制御する回路構成を紫外線照射装置が備えているため、これをほぼそのまま利用できる。図11の例では、コントローラ部110Eの制御部114Eで生成したデジタル信号である識別信号をD/A変換部119でアナログ信号に変換し、UVLED150Eを駆動する電源部の一態様である定電流回路1121に入力する。定電流回路1121は、アナログ信号に基づいてUVLED150Eに所定の駆動電流をケーブル部130Eを介して供給し、UVLED150Eを点灯駆動する。このとき、所定の駆動電流として、高い電流値と低い電流値を設定し、これらを交互に繰り返し送出すると、点滅するパターンが得られる。
【0052】
(紫外線源)
紫外線源である半導体素子には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)等の半導体発光素子が利用できる。これらの半導体素子は水銀キセノンランプ等に比して小型で高効率であり発熱量も少なく、長寿命で機械的振動にも強いといった優れた特長を備えており、理想的に使用できる。本実施の形態においては、半導体素子として直接紫外光を照射する紫外線発光ダイオード(UVLED)を使用する。UVLEDは、例えば活性層(発光層)に一般式がInAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される窒化物系化合物半導体を使用したものが利用できる。また発光層にはダブルへテロ構造や単一量子井戸構造(SQW)、多重量子井戸構造(MQW)等を適宜採用できる。なお、紫外線を直接照射するUVLEDに限られず、例えば波長変換素子等を使ってLEDの照射光を紫外光に変換する構成も適宜採用できることは言うまでもない。
【0053】
UVLEDは必要時のみ点灯し、言い換えると常時点灯させないことで、電力消費を抑え、UVLEDの寿命を長くできる。ただ、従来の高圧水銀ランプ等と同様に、UVLEDを常時点灯させ、シャッタを機械的に動作させて紫外線出力をON/OFFさせる構成も採用は可能である。
【0054】
半導体素子から出力される紫外線の波長としては、300〜400nm近傍、例えば波長380nm付近の近紫外線が利用でき、使用される紫外線硬化型樹脂に応じて波長が決定される。紫外線硬化型樹脂としては、例えば脂環式エポキシ樹脂、グリシジル基含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、紫外線活性化カチオン重合触媒、並びにカチオン重合抑制剤等を含む紫外線活性化型接着剤等が利用できるが、本発明で使用される紫外線波長や使用目的、用途は、これらに限定されるものでない。
【0055】
(ケーブル部130)
ケーブル部130は電源線と信号線を束ねたワイヤーハーネスが使用される。このケーブル部130は、光ファイバ等の光路を含まないシンプルな電気信号線であるため、折曲角の制限や光減衰等に起因する全長の制約を受けず、従来の紫外線照射装置で使用されていたフレキシブルケーブルに比して細くて軽くでき、柔軟性が高く取り扱いが極めて容易となる。また全長の制約もなく、長くすることもできる。このため複数台のヘッド部120に異なる紫外線照射条件を設定して使用する際、ケーブルを延長して一台の紫外線照射装置に接続できるので、システムの設計や配置にも柔軟に対応できる。
【0056】
(ヘッド部120)
以下、本発明の各実施の形態に係る紫外線照射装置のヘッド部120として、実施の形態5に係るヘッド部の外観を、図12〜図15に示す。図12(a)はヘッド部120の正面図であり、図12(b)は内部構造を示す部分断面図である。また図13〜図15は、ヘッド部120の分解図であり、図13は上方から見た分解斜視図を、図14は図13と逆の下方から見た分解斜視図を、図15は図14の連結コネクタ1231、1244を各々連結した状態を示す斜視図を、それぞれ示す。これらの図に示すヘッド部120は、基端側にケーブル部130が接続されたヘッド本体部122と、その先端側に着脱自在に結合した冷却ブロック124と、その先端側に着脱自在に結合した交換可能なレンズホルダ126とを備えている。ヘッド本体部122はユーザが把持できる程度の大きさとし、図13に示すように、上下に分かれるケース部材1221及び1222と、基端部材1223とが組み合わされた中空箱形のケースを備え、その内部に基板1224が収容されている。基端部材1223にはケーブル部130が接続されるケーブル用コネクタ1225が取り付けられ、ケーブル用コネクタ1225を介してケーブル部130と基板1224が電気的に接続される。
【0057】
基板1224は、ケーブル部130から受けた駆動電流をUVLED150に供給して駆動制御するための電子部品を備える。基板1224上には、紫外線照射のON/OFF状態を表示するインジケータとして、インジケータLED1226が実装されている。図13の例では、インジケータLED1226を2つ配置して光量を増している。ただ、インジケータとして要求される光量や高輝度のLEDを使用することにより、1のLEDでも良いことは言うまでもない。また、3以上のLEDとすることもできる。
【0058】
基板1224上には、コントローラ部110の制御部114で生成された駆動信号を受けて、UVLED150に駆動電流を供給するための各種電子部品や、メモリ部1227、調整回路1228等が実装されている。メモリ部1227は、ヘッド部120の稼働時間を記憶し、またUVLED150の初期特性を記録するため等に使用され、不揮発性メモリであるEEPROMが好適に利用できる。
【0059】
(UVLED150の調整作業)
UVLED150等の半導体素子は、駆動電流に対する出力のリニアリティが良いが、使用時間と共に出力が低下する傾向にある。従って、経時劣化による出力の変動を考慮して、駆動電流を調整することにより、正確な出力制御を維持できる。駆動電流の調整は、図12(b)等に示すような半固定抵抗(電流調整用トリマ)等の調整回路1228によって、各ヘッド部120毎に行う。なお図12(b)の例では、調整回路1228を構成する半固定抵抗はヘッド部120内の基板に実装して外部から調整できないよう構成しており、これによって意図しない半固定抵抗の操作によって駆動電流が変更される事態を回避している。ただ、外部から駆動電流の調整作業を行えるような構成を採用することも可能である。例えば、特殊な形状の工具で抵抗値を調整できるようにする、あるいは小さな孔をヘッド部120のケースに開口して、この孔から抵抗値を調整可能とする、あるいはまたコントローラ部110やヘッド部120に設けられた個別設定スイッチの長押し等、特定の操作により調整回路1228の調整機能を呼び出せるようにする等の方法が採用できる。
【0060】
このような駆動電流の調整を定期的に行うため、各ヘッド部120の使用時間が一定時間に達する毎に、ユーザに報告し、駆動電流の調整作業を促す。各ヘッド部120に設けられたメモリ部1227は、UVLED150の駆動時間の積算値、すなわち駆動積算時間を更新記憶する。コントローラ部110の制御部114は、D/A変換器及びドライブ回路118等を介してヘッド部120のUVLED150の駆動を制御すると共に、その駆動時間の積算値をヘッド部120のメモリ部1227に書き込む。この書き込み(更新記憶)は、所定時間ごと(例えば1分ごと)に行われる。そして、制御部114は、メモリ部1227から読み出した駆動積算時間が所定の要調整時間に達すれば、UVLED150の調整作業を行うよう報知出力を行う。報知出力として、例えばLEDの点滅表示やブザー鳴動等が使用される。あるいは、コントローラ部110にメッセージ表示可能な表示器が備えられている場合は、それを用いてUVLED150の調整作業を促すメッセージの表示を行ってもよい。ユーザは報知出力によって調整作業が必要な時期に達したことを把握し、上述の通り調整回路1228を使って電流補正を行う。例えば、基準となる駆動電流に対する出力の低下分を考慮し、駆動電流が多くなるように調整する。
【0061】
さらに、駆動積算時間がUVLED150の寿命に達すると、UVLED150の交換を促す報知出力を行うようにしても良い。
【0062】
またメモリ部1227は、UVLED150の初期特性に関するデータを記憶して、駆動電流の調整にも利用できる。一般にUVLED150の初期輝度には個体差(ばらつき)があるため、通常はUVLED150のヘッド部120側の駆動回路に初期輝度調整回路1228が必要となる。初期輝度調整回路には、半固定抵抗等が利用され、例えば図12(b)に示す調整回路1228を併用できる。そして、ヘッド部120毎に紫外線照射パワーが所定値となるように、各々のヘッド部120で初期輝度調整回路により初期調整を行う必要がある。
【0063】
実施の形態5の紫外線照射装置では、各ヘッド部120に実装されたUVLED150の予め測定された初期輝度に関する初期特性データをメモリ部1227に記憶させておくことにより、上記のような初期輝度調整回路やこれを用いた初期調整作業が不要になる。つまり、制御部114がメモリ部1227から初期特性データを読み出し、初期特性データに応じた適切な基本駆動電流(正確にはそれに対応するデジタル値)を決定する。
【0064】
制御部114から出力される駆動電流に対応するデジタル値は、D/A変換器でアナログ電圧に変換され、ドライブ回路118に与えられる。ドライブ回路118は、与えられたアナログ電圧に対応する駆動電流でヘッド部120のUVLED150を駆動する。なお、この駆動電流は、設定部140によって増減調節することができるので、これによって紫外線照射出力を調整できる。
【0065】
以上のように、ヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、ヘッド部120に備えられたUVLED150の特性に応じた正確な調整が実現できる。例えば、ヘッド部120を接続するコントローラ部110のヘッド部接続部の一形態であるヘッド部接続コネクタ160のチャンネルを一意的に固定する場合は、コントローラ部110側にメモリ部を設けても上記のような調整は可能である。コントローラ部110側のメモリ部がチャンネル毎に駆動積算時間や初期特性データを記憶できるからである。ただ、ヘッド部120の接続先のチャンネルが変更される場合は、上記の方法では対応できず、必ずヘッド部120毎に接続先の紫外線照射装置及びそのチャンネル番号を何らかの手段でユーザ側が記憶しておく必要があり、手間がかかって使い勝手が悪くなる。従って、上記のようにヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、いずれの紫外線照射装置のいずれのチャンネル番号にヘッド部120が接続されても、ヘッド部120の特性に応じた正確な駆動電流調整が実現され、使い勝手も向上する。
【0066】
(冷却ブロック124)
なお、紫外線を発するUVLED150は通常の可視光を発するLEDに比べて自己発熱が大きい傾向にあるので、安定して長期間使用できるよう放熱機構をヘッド部120に設けることが好ましい。図12〜図15に示す例では、UVLED150を冷却ブロック124に接続している。冷却ブロック124はUVLED150の動作時の発熱を冷却するヒートシンクとして機能し、アルミニウム等熱伝導の良い金属で構成される。冷却ブロック124の先端面にUVLED150が密着固定されている。図16は、冷却ブロック124の先端面にUVLED150を密着固定する様子を示す図である。この図に示すように、3本の固定ネジ1241によってUVLED150が冷却ブロック124の先端面に密着するように固定される。
【0067】
(レンズホルダ126)
レンズホルダ126には、UVLED150から発した紫外線を集光するための1又は複数の光学系レンズ1261が収容されている。図17は、レンズホルダ126とその内部構造例を示す分解図である。この例では、レンズを2枚構成として第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261Bがスペーサ1262とレンズ固定キャップ1263によって、レンズホルダ126の内部に固定されている。レンズは1枚で構成することもできるが、屈折率の関係から1枚のレンズではレンズサイズが大きくなる傾向がある。そこで本実施の形態5では、光学系レンズ1261を2枚使用して第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261BでUVLED150からの紫外線を外部に照射する構造とすることで、レンズ自体のサイズを小型化でき、ひいてはレンズホルダ126やヘッド部120の小型化に貢献する。
【0068】
図18は、冷却ブロック124とレンズホルダ126との固定方法の例を示す図である。この例では、3本の固定ネジ1242によって冷却ブロック124とレンズホルダ126とが互いに固定される。また、レンズの合成焦点距離が異なる複数種類のレンズホルダ126を用意して交換可能とすることにより、同一のヘッド部120を使用しながら、ヘッド部120の先端と紫外線照射対象(紫外線硬化型樹脂による接着固定部)との距離が変化する場合に対応することができる。
【0069】
図13に戻って、冷却ブロック124とヘッド本体部122との固定方法について説明する。上記のようにして冷却ブロック124とレンズホルダ126とを固定した後に、ヘッド本体部122を構成する上ケース部材1221及び下ケース部材1222が互いに合わせられ、先端部分が冷却ブロック124の基端側突出部1243を挟むようにしてそれぞれ固定ネジ1229で冷却ブロック124に固定される。また、上ケース部材1221及び下ケース部材1222の基端面には、基端部材213が固定ネジ1230を用いて固定される。
【0070】
図14および図15に示すように、ケーブル用コネクタ1225やUVLED150を含む冷却ブロック124は、それぞれ連結コネクタ1231、1244を介して基板と電気的に接続される。これによってUVLED150はケーブル部130を介してコントローラ部110から電力供給を受け、駆動制御される。このように電気的接続が必要な各ブロックを連結コネクタを介して連結する構造とすることで、各部の分解が容易で交換や修理等のメンテナンス作業を容易に行えるという利点がある。特に図に示すヘッド部120はヘッド本体部122、冷却ブロック124及びレンズホルダ126が順番に結合した構造としており、ユニット毎の分割が容易で、メンテナンス性に優れたヘッド部120が得られる。
【0071】
また下ケース部材1222には、図14および図15に示すように、ヘッド部120をホルダ等に固定するためのネジ孔である貫通孔1232を開口している。ネジを螺合する等してヘッド部120を固定する際、ネジの先端が基板1224や基板上の実装部品を破損しないように、下ケース部材1221には図13に示すように保護プレート1245が固定されており、貫通孔1232と基板1224との間を遮断している。
【0072】
(コントローラ部110)
図19に、コントローラ部110の正面図を示す。この例では、4台のヘッド部120を接続可能な4チャンネルのコントローラ部110を示している。ヘッド部120を接続可能な台数はチャネル数で決定されるが、チャンネル数は3以下とすることも、あるいは5以上とすることもできることはいうまでもない。この図に示すコントローラ部110は、前面パネルにUVLED150の紫外線照射条件を個別に設定するための設定部140として、表示部142及び操作パネル144を設けている。図19において表示部142は前面パネルの上部に配置し、その下に操作パネル144を配置している。
【0073】
(操作パネル144)
設定部140を構成する操作パネル144は、上下左右の選択スイッチである<、>、∧、∨スイッチ144A、144B、144C、144Dと、エスケープスイッチ144E、エンタースイッチ144Fが各々配置されている。ユーザは、これらのスイッチを操作して所定の手順に従い、UVLED150の紫外線照射条件を設定する。なお、この例に限られず、操作パネル144には十字キーやテンキー、ジョグダイヤル等の各種の入力デバイスが利用できる。また、操作パネルを表示部と一体化したタッチパネルとしても良い。操作パネル144に設けた各種スイッチは、各ヘッド部120の操作に共通して利用でき、各ヘッド部120を接続したチャンネルを切り替えて設定できる。
【0074】
なお、設定部140のスイッチ類は、コントローラ部110上に固定する必要はなく、コントローラ部110と個別の部材として設けても良い。例えばコンソールやリモートコントローラ、フットスイッチ等、コントローラ部110と別体とした設定部にスイッチ類を設け、これらをコントローラ部110と有線あるいは無線で接続して操作する形態も本発明の範囲内である。また後述するように、紫外線照射装置に接続された外部接続機器から設定や操作を行えるよう構成してもよい。
【0075】
また、本明細書において設定部には、紫外線照射条件の設定時以外に使用する態様も包含し、例えば紫外線照射装置の動作時に使用する照射スイッチも、設定部に含む。なお、例えば照射スイッチとしてフットスイッチをコントローラ部110と接続する場合は、外乱によるチャタリングを防止するためにON/OFF入力の遅延を設定することもできる。紫外線のオンタイミング(遅延設定)及びオフタイミング(遅延設定)は、設定部を用いて個別に、あるいは一括して設定することができる。
【0076】
(表示部142)
また設定部140を構成する表示部142には、LEDや液晶表示器を使用した7セグメント表示器を備える。操作パネル144で設定された紫外線の出力や照射時間等の紫外線照射条件を、表示部142で表示、確認しながらユーザは設定作業を行う。表示部142は、一の画面で各ヘッド部120の設定条件を切り替えて表示する。また、後述するように各ヘッド部120毎に個別に複数の表示部を設けることもできる。なお紫外線出力は、相対的な強度値、例えばUVLED150の駆動デューティファクタで設定、表示しているが、絶対的な出力値(mW等)で表示してもよい。なお、表示部142は液晶や有機ELで構成してアイコン表示等のグラフィカルな表示を可能とできる。またカラー表示可能としても良い。
【0077】
また、表示部142の下部には、各チャンネル毎にチャンネル表示ランプ145を設けている。これによって、現在選択されて表示部142に表示されているチャンネルが区別できる。図の例では1〜4チャンネルの4つのチャンネル表示ランプ145が設けられる。さらに、これらのチャンネル表示ランプ145に隣接して、紫外線照射ランプ146が配置される。紫外線照射ランプ146は、いずれかのヘッド部120から紫外線が照射(エミッション)状態であることを示すパイロットランプとして機能し、例えばLED等で構成される。すなわち、紫外線照射ランプ146のLEDが点灯しているときは、紫外線が照射中であることがユーザに通知される。
【0078】
操作パネル144の下部には、電源スイッチ147と一括照射スイッチ148を備える。電源スイッチ147は紫外線照射装置の電源をON/OFFするスイッチである。例えば電源スイッチ147にキースイッチを採用することで、不意にスイッチがONになる事態を回避できる。
【0079】
(一括照射スイッチ148)
一括照射スイッチ148は、これを押下することで、設定部140で予めヘッド部120毎に設定された各々の紫外線照射条件に従い、すべてのヘッド部120から紫外線を独立して照射できる。
【0080】
(ヘッド部接続コネクタ160)
さらに、前面パネルの下部には、各ヘッド部120毎にヘッド部接続コネクタ160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180をそれぞれ設けている。図19において左側に縦並びに配置されるヘッド部接続コネクタ160は、ヘッド部120のケーブルを接続するためのコネクタであってヘッド部接続部を構成する。上述の通り、図19のコントローラ部110は4台のヘッド部120を接続可能なように4チャンネルのヘッド部接続コネクタ160を設けている。もちろん、すべてのチャンネルを使用する必要はなく、使用条件に応じてこの内の任意のチャンネルのみを使用可能であることはいうまでもない。
【0081】
(個別照射ランプ170)
また、各ヘッド部接続コネクタ160の右側に隣接して、個別照射ランプ170が配置される。個別照射ランプ170は、各チャンネルに接続されたヘッド部120のUVLED150から紫外線が照射されていることを示すためのランプである。これによってユーザは、どのヘッド部120から現在紫外線が照射されているかを確認できる。個別照射ランプ170にもLED等が利用できる。なお、一括照射スイッチ148を押下すると、すべての個別照射ランプ170が点灯することとなる。
【0082】
(個別照射スイッチ180)
さらに、個別照射ランプ170の右側に個別照射スイッチ180を配置している。個別照射スイッチ180は、各チャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別にON/OFFするスイッチである。個別照射スイッチ180をチャンネル毎に設けることで、各々のチャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別に操作でき、特に専用スイッチを設けることにより少ない操作回数(例えばボタンを押すのみ)で各ヘッド部120の出力をON/OFFできるので、より便利に紫外線照射装置を使用できる。ただ、個別照射スイッチを設けることなく、操作パネル144で各チャンネルのON/OFFを操作するように構成することも可能である。
【0083】
以上、設定部140のレイアウト配置を図19に基づき説明したが、これらの配置は任意に変更できることはいうまでもない。例えば、図19の例では複数のチャンネルを縦に配置し、横方向にチャンネル毎のヘッド部接続コネクタ160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180を配置しているが、他の実施の形態として、横方向にチャンネルを配置し、縦方向にチャンネル毎のヘッド部接続コネクタ、個別照射ランプ、個別照射スイッチ等を配置することもできる。また、上記実施の形態では照射ランプと照射スイッチを個別に設けたが、オン状態で点灯するバックライト付のスイッチを使用すれば、これらを一部材に統合することもできる。
【0084】
コントローラ部110は、図1に示すように電源部112及び制御部114を備える。ACインレットから供給される商用電源が、ラインフィルタ、ヒューズ及び電源スイッチ147を経て電源部112に供給され、電源部112で生成された直流安定化電圧が制御部114に供給される。制御部114は、マイクロプロセッサ(MPU)やLSI、FPGAやASIC等のゲートアレイで実現できる。また制御部114はメモリを備え、予め記憶しているプログラムとユーザの設定操作にしたがって各ヘッド部120からの近紫外線の強さ、照射タイミング等を制御する。制御部114には、端子台基板及び通信用コネクタが接続されており、これらのインターフェイスを用いてコンピュータやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の外部制御機器をコントローラ部110に接続することができる。外部接続機器は、後述するように紫外線照射条件の設定や紫外線照射装置のON/OFF操作に使用できる。すなわち、紫外線照射装置のコントローラ部110に設けられた設定部140で設定や操作を行う他、外部接続機器からのトリガ入力によって紫外線照射装置のON/OFFを操作することもできる。
【0085】
また、4個のヘッド部接続コネクタ160が制御部114に接続され、これらのヘッド部接続コネクタ160を介して各ヘッド部120がコントローラ部110の制御部114に接続される。そして、制御部114は各ヘッド部120のUVLED150の駆動制御のための電気信号を各ヘッド部120に与え、各ヘッド部120からの近紫外線の強さや照射タイミングを制御する。さらに、制御部114にはフロントパネル基板が接続されている。フロントパネル基板には、コントローラ部110の前面パネルに設けられた表示部142及び設定部140を構成する表示器や各種スイッチ類が実装されている。ユーザは表示部142及び設定部140を用いて4個のヘッド部120の近紫外線の強さ、照射タイミング等を個別に設定することができる。
【0086】
[モード切替]
上述の通り、本実施の形態に係る紫外線照射装置は、コントロール部によって紫外線照射条件を設定する設定モードと、紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードと照射モードの切替は、専用の切替スイッチを設けたり、特定のスイッチの組み合わせや長押し等が利用できる。本実施の形態においては、図19に示す操作パネル144の内、エスケープスイッチ144Eの長押し(例えば3秒以上)によって、設定モードと照射モードを相互に切り替える。
【0087】
[照射モード]
以下、照射モードの詳細について説明する。まず、本実施の形態においては、紫外線照射装置の照射モード時において、すべてのヘッド部120から紫外線を照射する一括照射モードと、一のヘッド部120から紫外線を照射する個別照射モードとを備えている。そして上述の通り、一括照射スイッチ148を操作すると一括照射モードが実行され、個別照射スイッチ180を操作すると個別照射モードが実行される。
【0088】
さらに、各照射モードはそれぞれ自動モードと手動モードに区別できる。自動モードとは、予め設定された紫外線照射条件に従って、照射出力や照射時間を変更可能なモードである。すなわち、自動モードにおいては照射開始指令を受けると、事前に各ヘッド部120毎に登録された照射パターンで照射を開始し、終了後は自動的に紫外線照射を停止する。一方、手動モードとは、指定されたタイミングで紫外線照射のON/OFFを切り替えるモードである。すなわち、照射開始指令を受けると、照射停止指令を受けるまで一定の出力にて照射し続ける。照射スイッチをONすると出力が開始され、OFFすると終了する。なお、後述するように手動モードにおいても紫外線出力値は変更可能である。
【0089】
照射モード時における紫外線の照射開始、及び停止の指令は、上述の通りコントローラ部110に設けた照射スイッチや端子台からのトリガ入力によって実現される。なお、本実施の形態においては、照射スイッチを一度押下すると照射モードが実行され、再度押下すると中断もしくは停止される。中断の場合は、一時停止状態を維持し、再度スイッチを押下することで照射モードが再開される。
【0090】
[手動照射モード]
紫外線照射装置は、設定部140で設定される複数の紫外線照射条件を記憶部116に保存できる。さらに、各紫外線照射条件設定毎に動作モードを保存できる。手動モードにおいては、紫外線出力値は各ヘッド部120毎に保存できる。従って、個別手動照射モードでは複数のヘッド部120を異なる紫外線出力で各々照射できる。また一括手動照射モードでは、各ヘッド部120で同時に異なる紫外線出力を開始し、同時に照射終了させることができる。また、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるので、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射することができる。従来の紫外線照射装置では、同一の装置に接続されたヘッドはすべて同じ出力及びタイミングで出力されていたため、装置にヘッドを接続している限り、他のヘッドの出力と共に必ず出力が生じ、照射を停止することができなかった。これに対して、本実施の形態では各ヘッド部120が独立しているため、紫外線照射の許可/不許可を容易に設定できるという利点がある。
【0091】
[自動照射モード]
また、自動モードにおいても、照射パターンを各ヘッド毎に保存できる。従って、一括自動照射モードでは複数のヘッド部120にて異なる照射パターンで同時に照射を開始して、異なるタイミングで照射を終了させることができる。上述の通り、このような動作も従来の紫外線照射装置では実現できなかった。特にヘッド毎に異なる照射パターン、異なるタイミングで停止することができなかったが、本実施の形態により、独立して各ヘッド部120毎に出力やタイミングを変化させた出力が可能となり、極めて自由度の高い紫外線照射が実現される。上述の通り、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるため、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射させることができる。さらに、照射開始指令をヘッド部毎に入力できるようにすれば、ヘッド部毎に異なるタイミングで紫外線照射を開始させることもできる。例えば、個別照射スイッチをヘッド部の数だけ設けたり、あるいはヘッド部の台数分の端子台トリガ入力を用意すればよい。
【0092】
以上説明した動作モードをまとめると、一括自動照射モードにおいては、各ヘッド部120毎に予め設定された紫外線出力、照射時間等の紫外線照射条件で、すべてのヘッド部120で紫外線照射を実行する。一括照射スイッチ148を押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、様々な異なる出力、時間で独立して紫外線照射が実行される。なお紫外線照射の終了は、各々の設定に応じてヘッド部120毎に異なり、設定が終了するとヘッド部120毎に自動的に終了する。
【0093】
また一括手動照射モードにおいては、実行するとすべてのヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。一括照射スイッチ148を押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、再度一括照射スイッチ148を押下すると各ヘッド部120の紫外線照射が停止される。この場合においても各ヘッド毎に紫外線出力値を変更することはできる。
【0094】
さらに、個別手動照射モードは、各々のヘッド部120で実行されると、該ヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。この場合においても各ヘッド毎の紫外線出力値を変更することはできる。
【0095】
[個別自動照射モード]
個別自動照射モードは、ヘッド部120毎に紫外線照射条件を設定するモードである。個別自動照射モードに相当する機能は、特に設けなくとも、一括自動照射モードを利用して実質的に実現できる。すなわち、特定のUVLEDについてのみ照射を行い、他のUVLEDの照射を行わないことで、該特定のUVLEDの照射時間や出力等の紫外線照射条件を設定することにより、一括自動照射モード実行時に該UVLEDのみが自動的に設定されたパターンで紫外線照射を実行できる。ただ、この場合は特定のUVLEDのみしか紫外線照射を実行できず、他のUVLEDに個別自動照射モードに相当する動作を実行させるには、複数の一括自動照射モードを並列して実行可能とする必要がある。一方、複数のUVLEDを動作させるように一括自動照射モードを設定することは可能である。ただ、UVLED毎の動作タイミングが変化する場合には対応が困難となる。一方、ユーザによっては各ヘッド部毎に自動照射を設定、実行する方が便利である場合も考えられるので、個別自動照射モードを別途設けることもできる。
【0096】
[紫外線照射条件の設定方法]
次に、紫外線照射条件の設定方法について、図20に基づき説明する。ここでは、各ヘッド部120から照射される紫外線が、図21(b)に示すように時間と共にステップ状に変化するパターンを得るために、図21(a)に示すように複数の矩形波の組み合わせとして、個々の矩形波の条件を設定する例を考える。なお、図21に示す各矩形波、すなわち一定の照射出力及び照射時間の組み合わせからなる紫外線照射条件のセットを、ここではステップと呼ぶことにする。
【0097】
[矩形波状照射パターン]
図20は、ヘッド部120が一のUVLED150を備える場合の設定方法の概要を示している。図20において、まず工程1001でヘッド部120の番号を選択する。上述のように本実施の形態ではヘッド部120はチャンネル1〜4まで4台接続されており、どのチャンネルについて設定を行うかをここで選択する。次に工程1002でステップの番号を選択する。ステップは、1から順に設定され、本実施の形態では一の紫外線照射条件設定において20個までステップを設定可能としている。次に選択されたステップにつき、工程1003で紫外線の照射時間を設定する。ここでは、秒数で指定する。さらに工程1004で紫外線の照射出力を指定する。ここではデューティ比で設定する。そして工程1005で設定を一時保存すると共に、ステップ番号の選択ステップに戻り、必要なすべてのステップについて設定が完了するまでループする。このようにして図21のような紫外線照射パターンが設定されると、紫外線照射条件設定が保存される。
【0098】
なお、上記の各工程は、順序を適宜入れ替えることもできる。例えば、先に照射出力を設定した後、照射時間を設定してもよい。
【0099】
上記工程を、より詳細に示したフローチャートを図22に示す。まず工程1201で紫外線照射条件設定の番号(設定番号)を選択する。本実施の形態では、no0〜no19まで20個の紫外線照射条件設定を記録できる。次に工程1202で照射モードを選択する。照射モードは、U0〜2の3通りであり、一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードの別を指定する。なお、本実施の形態では個別自動照射モードに相当するモードを採用していない。次に工程1203で紫外線照射条件を設定するヘッド部120を接続したチャンネル番号を選択する。ここではチャンネル番号CH1〜4の4個から選択する。
【0100】
次に工程1204では、選択されたチャンネル番号に接続されたヘッド部120に対して、紫外線出力を許可するかどうかを設定する。ヘッド部120毎に紫外線照射の許可/不許可を設定可能とすることで、従来のように接続されたヘッド部120すべてから紫外線が出力されることなく使用することが可能となる。出力を許可する場合は、工程1205に進み、許可しない場合は工程1204−1ですべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程1203に戻り他のヘッド部120の設定を継続し、すべてのヘッド部120の設定が終了した場合は工程1211にジャンプする。
【0101】
なお、後述するように複数のUVLEDを備える場合は、各UVLED毎に紫外線照射の許可/不許可を設定することもできる。
【0102】
次に工程1205で、工程1202で選択された照射モードが自動モードか否かを判定する。自動モードの場合は、次工程1206でステップ番号を選択する。ステップ番号は、S0〜S19まで、最大20個設定できる。自動モードでない場合はステップ番号の選択が不要であるから工程1207にジャンプする。工程1207では照射時間を設定する。ここでは秒数を入力する。次に工程1208で照射出力を設定する。ここではデューティ比で入力する。次に工程1209で必要なステップ番号の設定をすべて完了したか否かを判定し、未だの場合は工程1206に戻り、次のステップ番号の設定を繰り返す。終了した場合は工程1210に進み、すべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程1203に戻り他のヘッド部120の設定を繰り返す。終了した場合は工程1211に進み、上記の設定を記憶部116に保存して終了する。
【0103】
[階層メニュー]
次に、コントローラ部110に設けた表示部142における表示の切り替えについて説明する。本実施の形態においては、階層メニュー方式を採用している。図23に、階層メニューの一例を示す。この図に示すように、紫外線照射装置は照射モードと設定モードに切替可能であり、各々のモードにおいて、さらに各種のメニュー項目が選択できる。また選択されたメニュー項目についても様々な設定項目が存在し得、図23において下方向に示すように各階層に下って各項目を設定する。
【0104】
[照射モードにおける表示]
次に、図24に基づいて照射モードにおける表示部142の表示例を説明する。照射モードにおいては、図24に示すように運転中設定番号表示、現タイマ値表示、現照射パワー値表示、累積照射時間表示等の項目が切り替えて表示される。項目の切替は、左右の<、>スイッチ144A、144Bで行われる。また、最上位階層を表示中にエスケープスイッチ144Eを長押しすると、上述の通り照射モード、設定モード間のモードが変更される。一方、最上位以外の階層からエスケープスイッチ144Eを長押しすると、そのモードの最上位階層へ遷移する。
【0105】
(運転中設定番号表示)
運転中設定番号表示は現在選択中の設定番号を表示している。この例ではJ0が選択されている。設定番号はno0〜J19まで最大20個の設定を保存することが可能であり、この内から任意の設定番号を選択する。また図24に示すように、表示部142の下方に設けられたチャンネル表示ランプ145が、現在表示中の設定番号において照射が設定されているヘッド部120を表示する。これによって、選択中の設定番号において紫外線が照射されるヘッド部120がいずれであるかをユーザが容易に把握できる。この例においては、チャンネル1〜4すべてのヘッド部120でUVLED150が動作することを示している。
【0106】
なお設定番号の変更は、本実施の形態では後述するように設定モードで行う。ただ、照射モードにおいて設定番号を変更できるようにしても良い。例えば図24の画面からエンタースイッチ144Fを押下して設定番号の選択メニューに移行する方法や、図24の画面から∧、∨スイッチ144C、144Dを押下して設定番号を変更する方法等が適宜採用できる。
【0107】
(現タイマ値表示)
現タイマ値表示は、紫外線の照射時間を表示する。図の例では、チャンネル1に接続されたヘッド部120から12秒間照射するよう設定されていることを示している。該設定番号の紫外線照射条件設定の実行時には、設定された照射時間からカウントダウン式に残りの照射時間が秒数で表示され、ユーザは残り時間を容易に知ることができる。また、照射時間が設定されていないチャンネルを表示する場合は、停止時は−−−で表示し、実行時はカウントアップ式に経過時間を秒数で表示する。これによって、照射時間が現在どの程度経過したかをユーザが確認できる。以上のように、照射時間の設定の有無によって時間の表示方式をカウントダウン式とカウントアップ式に自動切り替えすることにより、ユーザは照射時間の設定の有無、および経過時間、残り時間を知ることができ、紫外線硬化型樹脂の接着状態に際して状況把握等に便利に使用できる。また時間の表示単位は、秒数の他、粉数、時間数あるいは進捗状況の割合での表示等を適宜採用できる。
【0108】
図24の例では、チャンネル1の照射時間が表示されているが、この状態で∧、∨スイッチ144C、144Dを押下すると、その他のチャンネルの情報に切り替えて表示できる。このように、本実施の形態では、<、>スイッチ144A、144Bはメニューの切替に、∧、∨スイッチ144C、144Dは、項目値の選択、変更にそれぞれ使用される。図24の例では、∧スイッチ144Cを押下するとチャンネル2→3→4→1の順に切り替えられる。同時に、チャンネル表示ランプ145の点灯が該当チャンネルに切り替わって、現在表示中の項目(ここでは照射時間)がいずれのチャンネルに接続されたヘッド部120の情報であるかが判別できる。なお照射が設定されていないチャンネルの情報を表示させると、表示部142に「−−−」と表示される。
【0109】
なお、これらのスイッチ操作を行わず、設定されたチャンネルの情報を自動的に切り替えて順次表示するように構成してもよい。
【0110】
(現照射パワー値表示)
現照射パワー値表示は、紫外線照射の出力値を表示する。この例ではチャンネル1のUVLEDの駆動デューティ比により相対的な強度を表示しているが、最大出力を100とするパーセント表示や出力ワット数等、その他の単位による表示も適宜採用できる。ここでも上記と同様、∧、∨スイッチ144C、144Dを押下することで、他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。
【0111】
(累積照射時間表示)
累積照射時間表示は、紫外線の照射時間の累積値、すなわちUVLEDのトータルの使用時間を表示する。これによってUVLEDがどのくらい使用されているか、寿命の把握や駆動電流の調整作業の目安を得ることができる。ここでも∧、∨スイッチ144C、144Dで他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。なお図24において、単位を区別するために「h」と「H」の表示を使い分けており、「h」は×10時間、「H」は×100時間をそれぞれ示している。このように、記号の大文字、小文字の使い分けによって単位の大小等の意味合いを持たせ、少ない表示画面で多くの情報量を表示できるようにしている。
【0112】
以上、照射モードにおける表示部142の表示例を説明した。もちろん、これ以外の表示項目を追加したり、任意の項目のみを表示するよう構成できることはいうまでもない。
【0113】
なお図23の例では、照射モードにおいてはメニュー項目は基本的に表示部142の切替として機能するため、更なる階層構造は設けていない。もちろん、表示項目等を階層構造で切り替えるよう構成してもよいことはいうまでもない。
【0114】
[設定モード]
次に、図25および図26を参照しながら、設定モードにおける紫外線照射条件を設定する方法の詳細を説明する。図25に示すように、設定モードでは運転中設定番号メニューと、設定編集メニューと、通信条件メニューと、その他条件メニューの4つの項目が、<、>スイッチ144A、144Bにより切り替えられる。メニューの選択は、エンタースイッチ144Fを押下することで実行され、選択された項目の設定モードに移行できる。なお、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、上位の階層に戻ることができる。
【0115】
もちろん、複数の項目をまとめたり、他の項目を追加したりしてもよい。例えば通信条件メニューとその他条件メニューを一つにまとめたり、あるいは編集設定メニューを2つに分けても良い。
【0116】
(運転中設定番号メニュー)
運転中設定番号メニューは、照射モードにおいて使用する紫外線照射条件設定の設定番号を選択する。ここでは、既に設定され保存された紫外線照射条件設定の中から、所望の設定番号を∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択する。選択後、エンタースイッチ144Fを押下すると表示部142に「End」と表示され、選択された設定番号が保存されると共に、運転中設定番号メニューに戻る。
【0117】
なお本実施の形態では、運転中設定番号メニューと後述する設定編集メニューとを個別に設けているが、これらを統合してもよい。この場合は、前回の設定作業の際に選択された番号を保持し、照射モードにおいてこの番号の設定が選択されているものとして扱う。
【0118】
(設定編集メニュー)
設定編集メニューは、紫外線照射条件を設定するメニューである。設定編集メニューの詳細を図26に示す。設定編集メニューに含まれる大項目としては、編集設定番号選択、照射モード選択の設定画面がある。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。
【0119】
(編集設定番号選択)
まず、編集設定番号選択では、設定番号を選択する。本実施の形態では、上述の通りno0〜19まで最大20個の設定を保存できる。もちろん、これ以上あるいは以下の数を設定可能とすることもできる。
【0120】
(照射モード選択)
次に、選択された設定番号について、照射モードを選択する。制御モードは、上述の通りU0〜2の3通り、すなわち一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードのいずれかを選択する。照射モードを選択してエンタースイッチ144Fを押下すると、表示部142に「End」と表示されて上記の設定を一時保存すると共に、編集チャンネル選択に移行する。
【0121】
編集チャンネル選択では、設定の対象となるヘッド部120が接続されたチャンネル番号をCH1〜4の中から選択する。次に、出力許可選択に進み、上記で選択されたチャンネル番号のヘッド部120につき、紫外線出力を許可するか否かを選択する。許可の場合は「on」、不許可の場合は「off」と表示部142に表示される。この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射モード選択画面にて選択した照射モードに応じて、ステップ番号選択画面、もしくはステップ番号選択不可表示に進む。
【0122】
(一括自動照射モードの詳細設定)
照射モード選択画面において一括自動照射モードを選択した場合は、ステップ番号選択画面に進み、ステップ番号を選択する。上述の通りステップ番号はS0〜19まで最大20個設定可能であり、必要な数だけ順番に設定していく。ステップ番号を選択すると、照射時間設定画面となり、紫外線照射時間を入力する。次に照射出力を同様に入力する。これらの入力値は、∧、∨スイッチ144C、144Dで増減させる。入力の便宜のため、前回の設定値をコピーしてデフォルト値として入力したり、長押しで高速増減を可能にすることもできる。以上の設定が終了すると、エンタースイッチ144Fを押下して設定を一時保存すると共に、ステップ番号選択画面に戻る。このとき、設定されたステップ番号に1を増加させた値がデフォルト値として入力される。すべてのステップ番号の設定が終了すると、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、編集設定番号選択画面に戻る。
【0123】
(一括手動照射モード、個別手動照射モードの詳細設定)
一方、照射モード選択画面において一括手動照射モードまたは個別手動照射モードを選択した場合は、一定値での出力となり、出力を可変とするステップを選択できないので、出力許可選択画面からステップ番号選択不可表示に進む。このとき表示部142には「s.−−−」と表示され、ステップ番号が選択できないことを表示する。手動照射モードでは照射時間も設定しないので、この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射出力設定画面となる。上記と同様にデューティ比で出力を設定後、エンタースイッチ144Fを押下すると設定が保存され、編集チャンネル番号選択画面に戻る。以上のようにして、編集設定メニューで紫外線照射条件が設定される。
【0124】
(通信条件メニュー)
通信条件メニューでは、紫外線照射装置と外部接続機器とをRS−232Cインターフェースで接続する際の通信条件を設定する。図25の例では、通信条件メニューからボーレート選択、ストップビット・パリティ選択、デリミタ・チェックサム選択がそれぞれ設定できる。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。まずボーレート選択では、予め設定された1200bps、2400bps、4800bps、9600bps、19200bps、38400bpsの選択肢から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。表示部142においては、「b.384」等、×100にて表示することで表示桁数を節約している。なお、ハードウェア的に対応しておれば、上記以外のボーレート値を設定することもできる。
【0125】
ストップビット・パリティ選択では、ストップビットが1または2、パリティがなし、偶数、奇数をそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせを予め選択肢として提示し、ストップビット1・パリティなし(表示部142における表示「y.1n」)、ストップビット1・パリティ偶数(「y.1E」)、ストップビット1・パリティ奇数(「y.1o」)、ストップビット2・パリティなし(「y.2n」)、ストップビット2・パリティ偶数(「y.2E」)、ストップビット2・パリティ奇数(「y.2o」)の中から∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。
【0126】
同様にデリミタ・チェックサム選択では、デリミタとしてCRもしくはETX、チェックサムのあり・なしをそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせとしてデリミタCR・チェックサムなし(表示部142における表示「d.C0」)、デリミタCR・チェックサムあり(「d.C1」)、デリミタETX・チェックサムなし(「d.E0」)、デリミタETX・チェックサムあり(「d.E1」)の中から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。
【0127】
(その他条件メニュー)
その他条件メニューにおいては、入力接点選択、点灯アラーム時間編集が設定できる。入力接点選択は、フットスイッチを接続する場合等、チャタリング防止のための遅延時間を設定する。点灯アラーム時間編集は、UVLEDの劣化による警告を行う時間を設定する。
【0128】
上記の階層メニューの構成は一例であって、他の構成も適宜採用できる。例えばメニューの選択には水平方向、選択された項目の設定には垂直方向のスイッチを使用したが、水平方向と垂直方向を入れ替えてもよいことはいうまでもない。
【0129】
[実施の形態6]
また実施の形態5のように設定部を共通とする構成の他、各ヘッド部毎に個別設定スイッチ290と個別表示部292を設けることもできる。図27に、本発明の実施の形態6に係る紫外線照射装置のコントローラ部210の正面図を示す。この図に示す個別設定スイッチ290は、各ヘッド部から照射される紫外線出力の設定や照射時間の増減に使用され、アップダウンスイッチ等が利用できる。この態様では、個別設定スイッチ290で各チャンネルの紫外線照射条件を設定できる他、上記の操作パネル244を用いて紫外線照射条件を設定することもできる。また、共通の操作パネルを省略して、個別設定スイッチ290のみで設定するよう構成することもできる。
【0130】
個別表示部292は7セグメント表示器等が利用でき、設定された出力や照射時間を表示する。また、個別設定スイッチ290のみ、あるいは個別表示部292のみを各チャンネル毎に設けても良い。
【0131】
[実施の形態7]
また、各ヘッド部の紫外線出力を調整する個別設定スイッチや個別照射スイッチは、コントローラ部110でなくヘッド部120に設けることもできる。図28〜図29に、本発明の実施の形態7に係る紫外線照射装置のヘッド部320を示す。これらの図に示すように、ヘッド部320にUVLED350からの紫外線照射のON/OFFを行うための個別照射スイッチ380、紫外線の出力レベルを調節するための個別設定スイッチ390を設ける。個別設定スイッチ390は、2個のプッシュスイッチからなるアップダウンスイッチが利用できる。図28(b)や図29に示すように、これらのスイッチ類は基板上に実装される。その他の部材は、上述した図13等と同様の構成が利用できる。この構成は、ユーザが手でヘッド部320を把持して使用する場合に、手元で出力を調整でき、このような態様において好適に利用できる。
【0132】
また図示しないが、7セグメント表示器等の個別表示部をヘッド部にそれぞれ設けることもできる。あるいは、個別設定スイッチまたは個別照射スイッチのみをヘッド部に設け、コントローラ部側に残りの部材を設けても良い。
【0133】
[実施の形態8]
以上の各実施の形態では、ヘッド部の長手方向に沿って、ケーブル部と紫外線の照射方向が略直線状となる態様(ストレートタイプ)とした。これに対して図30に示す本発明の実施の形態8に係る紫外線照射装置のヘッド部420は、UVLED450からの紫外線の照射方向がヘッド部420の長手方向と略直交するように構成したアングル状のタイプとしている。図30はヘッド部420の平面図および断面図を、図31はこのヘッド部420の支持方法の一例を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、ヘッド本体部422とレンズホルダ426とが冷却ブロック424を介してアングル状に結合し、アングル形状のヘッド部420が構成されている。
【0134】
図31に示すように、実施の形態8のアングルタイプのヘッド部420では、ヘッド本体部422を把持するホルダ4202を設け、これによってヘッド部420を固定することができる。この場合、ヘッド部420の上方空間に余裕ができる。つまり、ヘッド部420を設備に固定する際に、設備の関係でヘッド部420の上方に十分なスペースを確保することが困難な場合に適している。また、紫外線照射の対象物(箇所)を上方からヘッド部420越しに観察する際の視認性に優れている。
【0135】
一方、上述した実施の形態5〜3におけるストレートタイプのヘッド部120の支持方法の一例を図32に示す。図32(a)の例では、ヘッド本体部122の背面に螺合によって略直角に固定したポール部材1201をホルダ1202で把持することによってヘッド部120を固定する。図32(b)の例では、ヘッド本体部122の背面に形成した2箇所のネジ孔を用いて、壁面等の固定対象Hに固定ネジ1203によって直接ネジ止めする。いずれの場合も、ヘッド部120の上方にケーブル部130のための空間が必要になる。図30、図31に示した実施の形態8のアングルタイプのヘッド部120の場合は、ケーブル部130が側方へ延びるので、ヘッド部420の上方空間に余裕が無くても問題が生じない。
【0136】
[実施の形態9]
上記の各実施の形態では、図13等に示すように各ヘッド部がUVLEDを1個備えている。ただ、複数の半導体素子をヘッド部520に設けることもできる。複数の半導体素子を使用することによって、紫外線の照射量や照射面積を必要に応じて調整することが可能となる。本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置として、図33に複数のUVLED550を備えるヘッド部520を示す。図33(a)は、円柱状の冷却ブロックの底面に、略均一に12個のUVLED550Aを配置した例を示す。図33(b)は略正方形状の冷却ブロックに、3行×3列=9個のUVLED550Bを配置した例を示す。もちろん、UVLED550は1列や2列に並べてもよいし4列以上に並べてもよい。また図33(c)は一方向に延長した略長方形状の冷却ブロックに、2行×3列=6個のUVLED550Cを配置した例を示す。この例の構造では、長手方向に並んだ複数のUVLED550Cによって、細長い領域に塗布された樹脂に一度に紫外線を照射して硬化させることができる。
【0137】
もちろん、UVLEDの個数や配列パターンや、これ以外にも適宜採用できる。複数のUVLEDを同時にONして使用することで、紫外線量を増やして出力を増大できる。また、複数のUVLEDの内、特定のUVLEDのみをONさせ、他のUVLEDをOFFとし、動作するUVLEDを交互に切り替えて使用することによって、特定のUVLEDの連続使用を避けて各素子の長寿命化を図ることができ、UVLEDの交換時期を延長できる。
【0138】
さらに、特性が同一のUVLEDを複数設ける場合のみならず、異なる特性を備えるUVLEDを同一のヘッド部に設けても良い。例えば、波長の異なるUVLEDを切り替えて使用することで、同一のヘッド部から照射可能な紫外線の波長を変更できる。特性の異なるUVLEDを使用する場合は、各UVLEDに応じた駆動電流等を予めヘッド部側で設定しておく。さらにまた、ヘッド部間で異なる特性のUVLEDを各ヘッド部に設けることも可能であることはいうまでもない。
【0139】
複数の半導体素子をヘッド部520に設ける場合は、ONする素子を他と区別する必要があるので、各半導体素子に個別のID番号等の素子識別情報を割り当る。そして紫外線照射条件を設定する際に、いずれの素子をONするかの素子識別情報も設定する。複数の半導体素子を点灯する場合は、該半導体素子に同一の設定を容易に行えるよう、設定のコピーを可能としてもよい。また、すべての素子をONするような場合は、素子識別情報として「すべて」を指定できるようにする。例えば、設定画面において「A」を入力する。これによって、各素子毎に同じ紫外線照射条件を設定する手間を省くことができる。なお、複数の半導体素子で電流値を変えて紫外線を照射させることも可能であることはいうまでもない。
【0140】
次に、ヘッド部520が複数のUVLED550を備える場合の、紫外線照射条件の設定方法について、図34に基づき説明する。図34において、工程2401のヘッド部520番号選択ステップ、および工程2402のステップ番号選択ステップは、上述した図20の工程1001、工程1002と同様である。次に工程2402−1で動作対象となるUVLED550の番号を選択する。ヘッド部520に備えられた複数のUVLED550には、上述の通り固有のID番号が予め付与されており、この内駆動させたいUVLED550の番号を選択する。以下の工程は、図20の工程1003、1004、1005と同様である。
【0141】
[実施の形態10]
また、紫外線照射条件の設定は、上記のように照射時間と照射出力の組をステップ状に指定する方法の他、予め設定された照射パターンを選択することもできる。例えば、関数状の照射パターンを選択する方法や、さらに選択した関数の定数を入力することもできる。これらの設定は、関数番号や定数を数値で指定、選択する方法の他、グラフ図形をグラフィカルに表示して選択する方法等が採用できる。さらに前者の数値による選択方法においても、設定された関数をグラフ図形で確認可能としてもよい。このようなグラフ表示を可能にするには、図形表示が可能な表示部142を用意する。
【0142】
[関数状照射パターン]
図35は、紫外線の照射時間と照射出力を関数で表示する3つのパターンを示した例を示すグラフである。この図に示すようなパターンでも、本発明の実施の形態は紫外線を照射可能である。図35の例では、関数の例としてF1〜F3の3種類の示している。
【0143】
F1:P=at+c
F2:P=a*(1−EXP(−b*t))+c
F3:P=a*(EXP(b*t)−1)+c
(a,b,cは条件に応じて設定する定数)
【0144】
また、これら以外にもn次式の関数を利用することもできる。上記の関数のいずれかを選択した後、定数a,b,cを設定すると照射パターンが決定される。定数は、紫外線照射装置の使用条件に応じて設定される。図35に例示する関数F1〜F3では、紫外線の照射出力を照射時間10秒で70%まで上げる場合に設定される定数として、以下の値を設定している。
【0145】
F1:P=7t(a=7、c=0)
F2:P=70*(1−EXP(−0.5*t))(a=70、b=0.5、c=0)
F3:P=10*(EXP(0.21*t)−1)(a=10、b=0.21、c=0)
【0146】
図35のような照射パターンでの紫外線照射条件を設定する手順を、図36に基づき説明する。まず工程2601でヘッド番号を選択し、工程2602でステップ番号を選択する工程は、図20と同様である。次に工程2602−1で、関数番号を選択する。ここでは関数Fの選択肢として、上述したF0〜F3が選択可能である。なおF=0は、上記と同様に照射時間と照射出力を入力するステップ状関数である。工程2602−1でF=0を選択した場合は、工程2603で照射時間、工程2604で照射出力をそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。また工程2602−1でF=1を選択した場合は、工程2603−1で定数a、工程2604−1で定数bをそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。さらに工程2602−1でF=2または3を選択した場合は、工程2603−2で定数a、工程2604−2で定数b、cをそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。
【0147】
上記以外にも、照射パターンを設定する方法として、例えば照射パターンの波形を選択後、照射時間を入力して自動的に関数の定数を演算し、設定する方法や、紫外線の総照射量や熱量で設定する方法等が適宜利用できる。
【0148】
従来の紫外線照射装置では、紫外線源として使用する高圧水銀ランプ等に機械的なシャッタを介することにより出力を変更していたため、紫外線出力の最小分解能が粗くなり離散的な変化となって微調整ができず、波形パターンに沿った出力の変更が極めて困難であった。これに対して、駆動電流に対するリニアリティの高い半導体素子を利用する本実施の形態によれば、入力電流を調整してほぼ連続的な出力の変化が実現される。駆動電流に応じて出力をリニアリティ良く変化できるので、上記のようなパターンにも対応できる。なお、紫外線出力と連続波形との近似性は、A/D変換器の分解能に依存することはいうまでもない。
【0149】
[実施の形態11]
上記の各実施の形態では、紫外線照射条件の設定をコントローラ部の設定部で行っている。ただ、紫外線照射条件の設定は、紫外線照射装置に外部接続された機器にて行うことも可能である。例えば、本発明の実施の形態11として、図37に示すように紫外線照射装置700のコントローラ部710を、コンピュータやPLC等の外部接続機器7101と接続し、外部接続機器7101側で設定した紫外線照射条件をコントローラ部710に転送することで設定を行う。
【0150】
紫外線照射装置700は外部接続機器7101と接続するためのインターフェースを備える。インターフェースはコントローラ部710の制御部714と接続され、制御部714で外部接続機器7101との電気信号のやりとりやデータ通信を行う。外部接続機器7101と紫外線照射装置700との接続は、RS−232xやRS−422、USBやIEEE1394等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行うことができる。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに記録媒体を介して設定情報を保存、読み込みさせることもできる。記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明の紫外線照射装置は、ピックアップ等の電子部品の組み立て作業において、紫外線硬化樹脂による接着に好適に利用できる。特に、紫外線を照射するヘッド部毎に紫外線照射条件を独立して設定できるので、例えば同一の紫外線照射装置に接続されたヘッド部を複数のユーザが各々利用したり、硬化時間の異なる紫外線硬化樹脂を用いた接着を、同一の紫外線照射装置で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す概略図である。
【図5】識別部に送出されるパルスのパターンの一例を示す波形図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す概略図である。
【図8】図2に示すヘッド部において識別部を駆動する駆動回路を示すブロック図である。
【図9】図6に示すヘッド部において識別部を駆動する駆動回路を示すブロック図である。
【図10】図7に示すヘッド部において識別部を駆動する駆動回路を示すブロック図である。
【図11】図7に示すヘッド部の他の構成において識別部を駆動する駆動回路を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る紫外線照射装置のヘッド部の詳細を示す正面図及び断面図である。
【図13】実施の形態5に係る紫外線照射装置のヘッド部を上方から見た分解斜視図である。
【図14】実施の形態5に係る紫外線照射装置のヘッド部を下方から見た分解斜視図である。
【図15】図14のコネクタを各々連結した状態を示す斜視図である。
【図16】冷却ブロックの先端面にUVLEDを密着固定する様子を示す図である。
【図17】レンズホルダとその内部構造例を示す分解図である。
【図18】冷却ブロックとレンズホルダとの固定方法の例を示す図である。
【図19】コントローラ部の前面パネルに設けられた表示部及び設定部の配置例を示す正面図である。
【図20】本発明の実施の形態5に係る紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。
【図21】紫外線の照射パターンがステップ状に変化する様子を示すグラフ図である。
【図22】図20の紫外線照射条件の設定方法を詳細に示すフローチャートである。
【図23】紫外線照射装置に使用される階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図24】照射モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図25】設定モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図26】設定モードにおける設定編集メニューの詳細を示す状態遷移図である。
【図27】本発明の実施の形態6に係る紫外線照射装置のコントローラ部の正面図である。
【図28】本発明の実施の形態7に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す正面図及び断面図である。
【図29】図28のヘッド部を示す分解斜視図である。
【図30】本発明の実施の形態8に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す平面図および側面断面図である。
【図31】図30のヘッド部を示す斜視図である。
【図32】本発明の実施の形態5〜7におけるヘッド部の支持方法の例を示す斜視図である。
【図33】本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す底面図である。
【図34】本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置における紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。
【図35】本発明の実施の形態10に係る紫外線照射条件の設定方法において、関数状とした紫外線の照射パターンを示すグラフである。
【図36】本発明の実施の形態10に係る紫外線照射条件を設定する手順を示すフローチャートである。
【図37】本発明の実施の形態11に係る紫外線照射装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0153】
100、700…紫外線照射装置
110、110D〜E、210、710…コントローラ部
112…電源部 1121…定電流回路
114、114D〜E、714…制御部
116…記憶部
118、118D…ドライブ回路
119…D/A変換部
120、120A〜E、320、420、520…ヘッド部
121、121A〜121E…識別部
1211、1211A〜C…点灯部
1212…識別情報表示部
1201…ポール部材
1202、4202…ホルダ 1203…固定ネジ
1204…シリアル/パラレル変換部
1206…ヘッド部側ドライブ回路
122、422…ヘッド本体部
1221…上ケース部材 1222…下ケース部材
1223…基端部材
1224…基板
1225…ケーブル用コネクタ
1226…インジケータLED
1227…メモリ部
1228…調整回路
1229…固定ネジ 1230…固定ネジ
1231…連結コネクタ
1232…貫通孔
124、424…冷却ブロック
1241…固定ネジ 1242…固定ネジ
1243…基端側突出部
1244…連結コネクタ
1245…保護プレート
126、426…レンズホルダ
1261…光学系レンズ 1261A…第1のレンズ 1261B…第1のレンズ
1262…スペーサ
1263…レンズ固定キャップ
130、130D〜E…ケーブル部
140…設定部
142…表示部
144、244…操作パネル
144A、144B、144C、144D…<、>、∧、∨スイッチ
144E…エスケープスイッチ
144F…エンタースイッチ
145…チャンネル表示ランプ
146…紫外線照射ランプ
147…電源スイッチ
148…一括照射スイッチ
150、150E、350、450、550、550A〜C…UVLED
160…ヘッド部接続コネクタ
170…個別照射ランプ
180、380…個別照射スイッチ
290、390…個別設定スイッチ
292…個別表示部
7101…外部接続機器
U…紫外線
H…固定対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化型樹脂を硬化可能な紫外線を照射するための紫外線照射装置であって、
紫外線を照射可能な一以上の紫外線源を備える複数のヘッド部(120)と、
前記複数のヘッド部(120)と各々接続可能な複数のヘッド部接続部(160)と、
前記ヘッド部(120)の紫外線源のON/OFFを制御するための制御部(114)と、
前記制御部(114)に制御される前記紫外線源に前記ヘッド部接続部(160)を介して駆動電流を供給する電源部(112)と、
を備えるコントローラ部(110)と、
前記ヘッド部(120)とコントローラ部(110)とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部(130)と、
を備えており、
前記複数のヘッド部(120)は、各々独立して紫外線源の出力及び/又はON/OFFのタイミングを調整可能に構成しており、
前記コントローラ部は、各ヘッド部(120)の紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を個別に設定するための設定部(140)を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記ヘッド部(120)からの紫外線の照射開始及び停止のタイミングを指示するトリガ入力を入力するための端子台を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記設定部より、予め紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を登録するための記憶部を備えており、
紫外線の照射開始指令を受けると、前記記憶部に登録された照射条件で紫外線照射を開始するよう構成されてなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の紫外線照射装置であって、
照射開始指令をヘッド部(120)毎に入力可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部(120)のみから照射を指定可能とするよう、各ヘッド部(120)毎の照射許可/不許可設定手段を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が、各ヘッド部の紫外線照射のON/OFF状態を表示するためのインジケータを備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記紫外線源が半導体素子であることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の紫外線照射装置であって、
前記半導体素子が紫外線発光ダイオード(150)であることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が、前記紫外線源の駆動電流を調整するための調整回路(1228)を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項10】
請求項9に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)は、前記調整回路(1228)に有する抵抗値を調整可能な位置に孔を開口してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化型樹脂を硬化可能な紫外線を照射するための紫外線照射装置であって、
紫外線を照射可能な一以上の紫外線源を備える複数のヘッド部(120)と、
前記複数のヘッド部(120)と各々接続可能な複数のヘッド部接続部(160)と、
前記ヘッド部(120)の紫外線源のON/OFFを制御するための制御部(114)と、
前記制御部(114)に制御される前記紫外線源に前記ヘッド部接続部(160)を介して駆動電流を供給する電源部(112)と、
を備えるコントローラ部(110)と、
前記ヘッド部(120)とコントローラ部(110)とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部(130)と、
を備えており、
前記複数のヘッド部(120)は、各々独立して紫外線源の出力及びON/OFFのタイミングを調整可能に構成しており、
前記コントローラ部は、各ヘッド部(120)の紫外線照射条件として、照射時間及び照射出力を個別に設定するための設定部(140)を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記ヘッド部(120)からの紫外線の照射開始及び停止のタイミングを指示するトリガ入力を入力するための端子台を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記設定部より、予め紫外線照射条件として、照射時間及び/または照射出力を登録するための記憶部を備えており、
紫外線の照射開始指令を受けると、前記記憶部に登録された照射条件で紫外線照射を開始するよう構成されてなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の紫外線照射装置であって、
照射開始指令をヘッド部(120)毎に入力可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部(120)のみから照射を指定可能とするよう、各ヘッド部(120)毎の照射許可/不許可設定手段を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が、各ヘッド部の紫外線照射のON/OFF状態を表示するためのインジケータを備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記紫外線源が半導体素子であることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の紫外線照射装置であって、
前記半導体素子が紫外線発光ダイオード(150)であることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)が、前記紫外線源の駆動電流を調整するための調整回路(1228)を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項10】
請求項9に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部(120)は、前記調整回路(1228)に有する抵抗値を調整可能な位置に孔を開口してなることを特徴とする紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図36】
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【図37】
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【図25】
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【図26】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−188715(P2006−188715A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41716(P2006−41716)
【出願日】平成18年2月18日(2006.2.18)
【分割の表示】特願2003−403830(P2003−403830)の分割
【原出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】