説明

紫外線防御化粧料

【課題】耐水性に優れ、経時での顔料の再分散性に優れ、より安全性を有して、かつ安価に製造が可能な紫外線防御化粧料を提供する。
【解決手段】炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする紫外線防御化粧料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的に界面活性剤を含まず、耐水性に優れ、経時での顔料の再分散性に優れ、より安全性を有して、かつ安価に製造が可能な紫外線防御化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコーン化合物で表面処理した酸化チタンや酸化亜鉛を配合したサンスクリーン剤が多く開発されている。特に最近ではこれら顔料成分の配合比率が25%を超えるような高配合比率の製品も見られるようになっている。一方でこれらの顔料は製剤中でケーキングしやすく、使用時に凝集してしまったり、容器の底に固まって再分散しなかったりする問題があり、これを防止する目的で製品中に界面活性剤を配合しているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらのサンスクリーン剤は、水や汗によって製剤自体の耐水性が低くなってしまう問題があった。すなわち、本発明は、耐水性に優れ、経時での顔料の再分散性に優れ、より安全性を有して、かつ安価に製造が可能な紫外線防御化粧料の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明人らは、以前よりシリコーン化合物ではなく、アルキル基と反応性基とを有するシラン化合物で粉体の表面を安価かつ均一に処理する方法について検討を行ってきた。その結果、アルキル基と反応性基とを有するシラン化合物で表面処理した微粒子金属酸化物を用いると界面活性剤を配合しなくても顔料のケーキングが起こりにくく、再分散が容易であることを見出した。そして、界面活性剤を用いないことで、製剤の耐水性を向上させることができることを見出した。さらに、界面活性剤を配合しないためより安全性が高くできることも分かった。
【0005】すなわち、第1の本発明は、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする紫外線防御化粧料に関する。
【0006】第2の本発明は、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まず、外観が均一でなく多層分離型であることを特徴とする紫外線防御化粧料に関する。
【0007】第3の本発明は、実質的に撥水化処理された顔料のみを含み、その内、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物を化粧料中に1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする上記の紫外線防御化粧料に関する。
【0008】第4の本発明は、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物の少なくとも一個のアルキル基がオクチル基であることを特徴とする上記の紫外線防御化粧料に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物とは、炭素数6〜20のアルキル基と、ハロゲン原子やアルコキシ基等の反応性基を有するアルキルシラン化合物、アルキルシラザン化合物等のシラン化合物である。好ましいシラン化合物としては、下記一般式で示されるシラン化合物が挙げられる。
RR1nSiX3-n但し、上記一般式中で、nは0〜2の整数であり、Rは炭素数6〜20のアルキル基(直鎖であっても分岐鎖であっても構わない)を示し、R1は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子、アルコキシ基の反応性基から選ばれる。本発明で用いるシラン化合物として特に好ましいものの例としては、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物の少なくとも一個のアルキル基がオクチル基であるシラン化合物であり、更に好ましくは、Rがオクチル基であり、nが0であり、Xがエトキシ基であるオクチルトリエトキシシランである。本シラン化合物は処理が均一にできやすく、かつ供給が容易でコスト的に安価である特徴があり、更に製品に配合した際に再分散性等の特性が優れているので好ましい。
【0010】本発明でシラン化合物にて表面処理される微粒子金属酸化物は、平均粒子径として5〜50nmの範囲の大きさを持つことが必要である。5nm未満では粉体の活性が高く、凝集性が強いため、実質的には二次粒子として本発明の適用範囲以上の粒子径を持つ粉体として挙動している場合が多い。また、50nmを超えると、水浴時等に製剤が不透明化しやすいなど光学的な問題が発生する場合がある。前記シラン化合物での処理方法としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、低級アルコール等の有機溶媒中でシラン化合物と微粒子金属酸化物とを混合し、場合により微粉砕した後、有機溶媒を加熱や減圧により除去し、更に場合によって100〜180℃に加熱処理する方法等で、シラン化合物を微粒子金属酸化物の表面で反応性基にて化学反応させる方法が挙げられる。
【0011】本発明で用いる微粒子金属酸化物としては、二酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素(無水珪酸)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化タングステン、酸化セリウム等が挙げられるが、紫外線防御効果に優れた二酸化チタン又は酸化亜鉛が最も好ましい。また、これらの粉体の結晶型については特に限定されず、二酸化チタンならば、ルチル、アナターゼ、アモルファス等いずれのものを用いても構わない。さらに、これらの粉体の形状については、球状、棒状、紡錘状、針状、不定形状等が挙げられるが平均粒子径が前記範囲にあれば任意の形状のものを使用することができる。
【0012】本発明では、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物を紫外線防御化粧料の総量に対して1〜30重量%含有することが必要である。1重量%未満では界面活性剤を用いない条件では、顔料の再分酸性を確保することが難しく、また、30重量%を超えると、製剤の粘度が上昇しすぎ、使用性が悪くなる問題がある。
【0013】本発明では、上記の微粒子金属酸化物以外にも各種の粉体を使用することができる。例えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロン(登録商標)パウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー等の高分子粉体、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わないが、製剤の耐水性を向上させ、粉体のケーキングを防止するため、配合する粉体は基本的にすべて非親水性であることが好ましい。親水性の粉末については、撥水性表面処理を行うことが好ましく、特にシリコーン化合物による表面処理、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いた表面処理を行ってあることが好ましい。また、これらの粉体の内、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンゴムパウダー、ウレタンパウダー、ポリアルキルシルセスキオキサンパウダー、ナイロン(登録商標)パウダー、シリカビーズ、アルミナビーズ、アパタイトパウダー、アリル化アクリルビーズ等の球状粉体(中空樹脂粉末を含む)は紫外線防御化粧料の感触を改善する効果に優れていることから配合することが好ましい。
【0014】また、紫外線防御化粧料について言えば、最近は粉体の高配合が一般的であるため、親水性の粉体が多くなると、製剤の粘度が上昇してしまい使用性が悪くなる問題が発生する。そのため、粘度が出にくい撥水性の粉体で製品をつくることが好ましい。
【0015】本発明の紫外線防御化粧料では、上記の各成分以外に、必須成分として環状シリコーンと、水とを含有するが、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする。環状シリコーンとしては、珪素原子を4〜6個含む環状シリコーンが挙げられ、特にデカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。環状シリコーンの配合量としては紫外線防御化粧料の総量に対して1〜50重量%が好ましい。また、水としては精製水が用いられるが、ミネラルウォーターや精製深海水等も使用可能である。水の配合量としては紫外線防御化粧料の総量に対して0.5〜50重量%が好ましい。本発明で言う界面活性剤とは、一分子内に親水性基と撥水性基を有する化合物で一般に界面活性剤として認識されている化合物が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤を挙げることができる。
【0016】本発明の紫外線防御化粧料は、外観が均一でなく多層分離型であることが本発明の目的の点から好ましい。ここで多層分離型とは、二層分離型等の多層に分離するタイプのものをいうが、具体的には静置条件下で数時間から数日の経日で透明液層と粉体層、又はこれらの層に更に粉体の分散層が加わった分散状態のものを言う。本発明の紫外線防御化粧料は界面活性剤を使用せず、かつ揮発性を有する環状シリコーンを必須とするため、従来の油中水型化粧料とは異なり、経時では多層分離した外観を示す。従って、本発明の化粧料は使用時によく振とうしてから使用することが必要であり、容器中に攪拌のためのビーズやボール等の媒体を入れておくことが好ましい。本発明では、シラン化合物処理した微粒子金属酸化物を配合することで、顔料のケーキングによる再分散不良を解消することが目的のため、外観上分離が生じても、ケーキングさえ生じなければ問題はない。
【0017】本発明の紫外線防御化粧料では、上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる油剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を使用することができる。
【0018】油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤、樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。油剤の例としては、例えば、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・オリゴマー等が挙げられる。
【0019】また、別の形態の油剤の例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物が挙げられる。
【0020】溶媒の例としては、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0021】粘剤、樹脂の例としては、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガム等のカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス等が挙げられる。
【0022】本発明の紫外線防御化粧料には、各種の生理活性成分を配合してあることが好ましい。生理活性成分とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤(ラジカル捕捉剤)、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、皮膚着色剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。
【0023】これらの生理活性成分の例としては、例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0024】また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、ラフィノース等の保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニオチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸等が挙げられる。
【0025】これらの生理活性成分を紫外線防御化粧料へ配合する場合には、その配合量は活性成分の効果発現濃度によるが、一般的には0.05〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15重量%である。尚、生理活性成分は1種または2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
【0026】紫外線吸収剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルや、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられる。さらに、これらの吸収剤で、好ましくは4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンをポリマー中に封止したものも好ましく用いることができる。
【0027】本発明の紫外線防御化粧料としては、サンスクリーン剤、紫外線防御効果のあるサンタン剤や化粧下地料、紫外線防御効果のあるファンデーション等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明する。また、実施例及び比較例で得られた紫外線防御化粧料についての各種特性の評価方法を以下に示す。
【0029】[使用性評価]専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、パネラーが製剤を実際に使用し下記に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す。(満点:50点)
【0030】
基 準 点 数---------------------------------------効果が高いように感じられる 5効果が感じられる 4効果がやや感じられる 3効果がわずかしか感じられない 2効果が感じられない 1
【0031】[耐水性評価]下記の方法によりin vitro法による製剤の耐水性評価を実施した。すなわち、評価は流水による製剤の塗膜の耐久性評価にて実施した。
(1)試験方法下記試験条件で、製剤を塗布したガラス板を乾燥した後、一定の水量の温水をガラス板の上から垂直に当て、一定時間後に塗膜の流れ落ちた状況(耐水性)を調べる。耐水性の程度は、もとの製剤の塗布面積に対して、流れ落ちた部分の面積の割合を調べ、下記に示す基準に従って評価を行った。
(2)試験条件・試料の塗布量 4mg/cm2・乾燥条件 38℃ 1時間・流水の温度 37℃・流水の流量 毎秒約40ml・水圧 上記の水量を塗膜に対して垂直に高さ20cmのところから流す・試験時間 10分間
【0032】


【0033】実施例1下記の処方に基づいてサンスクリーン剤を得た。尚、シラン処理微粒子金属酸化物としては、アルキルシラン化合物のオクチルトリエトキシシランと溶媒のn−ヘキサンを用いて、シリカ・アルミナ処理微粒子酸化チタン(平均粒子径17nm)に10重量%の表面処理を行ったものを160℃にて加熱処理したものを用いた。また、メチルハイドロジェンポリシロキサンにてシリカ処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径50nm)を5重量%処理したシリコーン処理微粒子酸化亜鉛を併用した。
【0034】
成 分 配合量(重量%)
------------------------------------------------------------成分A シラン処理微粒子酸化チタン 10 デカメチルシクロペンタシロキサン(環状シリコーン) 残量 オクタメチルシクロテトラシロキサン(環状シリコーン) 15成分B シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 20 パラメトキシケイ皮酸オクチル(紫外線吸収剤) 10 トリメチルシロキシケイ酸(50重量%デカ 4 メチルシクロペンタシロキサン溶液)
高重合度ジメチルシリコーンガム(20重量% 0.5 デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体(固形分35重量 1 %濃度でデカメチルシクロペンタシロキサンと混練したもの) ジメチルポリシロキサン(10cs) 2成分C ハイビスカスエキス 1 アロエエキス 0.2 エタノール 0.5 防腐剤 適量 精製水 20
【0035】成分Aのシラン処理微粒子金属酸化物と環状シリコーンを事前にビーズミルを用いて粉砕を行いペーストを得た。成分Bを良く混合した後、成分Aのペーストに加え、さらに混合した。ついで成分Cの混合物を加えた後、攪拌用のステンレスボールと共に容器に充填して製品を得た。本製品は多層分散型の外観を呈し、数日間の経時で透明液層と粉体の分散液層と粉体層とに相分離が発生した。得られた本製品は紫外線防御効果に優れていた。
【0036】比較例1(シラン処理微粒子金属酸化物を配合しなかった例)
実施例1のシラン処理微粒子金属酸化物のアルキルシランの代わりにメチルハイドロジェンポリシロキサン10重量%で被覆した以外は同じシリカ・アルミナ処理微粒子酸化チタンを用い、他はすべて実施例1と同様にして製品を得た。
【0037】比較例2(界面活性剤を配合した例)
実施例1のオクタメチルシクロテトラシロキサン15重量%の代りに、オクタメチルシクロテトラシロキサン12重量%と界面活性剤の一種であるポリエーテル変性シリコーン(信越化学製KF6017)を3重量%用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0038】比較例3(環状シリコーンを配合しない例)
実施例1の環状シリコーンの代わりにジメチルポリシロキサン(6cs)を用い、また高重合度ジメチルシリコーンガムとオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体中の環状シリコーンの代わりに同じくジメチルポリシロキサン(6cs)を用い調製された各々の成分を配合する以外はすべて実施例1と同様にして製品を得た。
【0039】比較例4(水を配合しない例)
実施例1の精製水の代わりにジプロピレングリコールを配合した他はすべて実施例1と同様にして製品を得た。
【0040】比較例5(撥水化顔料を用いない例)
実施例1のシラン処理微粒子酸化チタンとシリコーン処理微粒子酸化亜鉛の代りに、それぞれ対応する撥水化処理されていない微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0041】上記製品の使用性評価と耐水性評価の結果を下記に示す。
【0042】
顔料の分散が容易 使用感が良い ---------------------------------------------------- 実施例1 50 48 比較例1 24 28 比較例2 43 42 比較例3 30 10 比較例4 10 10 比較例5 10 40
【0043】


【0044】上記の結果より、本発明の実施例は各比較例と比べていずれも優れた性能を示すことが判った。比較例1はシラン処理微粒子金属酸化物を配合しなかった例であるが、顔料が沈降し、再分散ができにくくなっていることが判る。比較例2は界面活性剤を配合した例であるが、界面活性剤の配合により耐水性が低下してしまうことが判った。比較例3は環状シリコーンを使用しない例であるが、感触が悪くなり、かつ耐水性が極端に低下した。比較例4は水を用いない例であるが、各評価項目共に性能が劣っていた。比較例5は撥水化顔料を用いない例であるが、顔料のケーキングが発生して再分散ができなかったばかりでなく、耐水性も悪かった。また、本発明の実施例の試料においても皮膚トラブルは認められなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、実質的に界面活性剤を含まないことでより安全性、耐水性に優れること、シラン化合物処理顔料を配合することで経時での顔料の再分散性に優れること、また相対的に安価に製造が可能であることを特徴とする紫外線防御化粧料が得られることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする紫外線防御化粧料。
【請求項2】 炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まず、外観が均一でなく多層分離型であることを特徴とする紫外線防御化粧料。
【請求項3】 実質的に撥水化処理された顔料のみを含み、その内、炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物にて表面処理された平均粒子径が5〜50nmの範囲にある微粒子金属酸化物を化粧料中に1〜30重量%と、環状シリコーンと、水とを含有し、かつ実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線防御化粧料。
【請求項4】 炭素数6〜20のアルキル基と反応性基とを有するシラン化合物の少なくとも一個のアルキル基がオクチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線防御化粧料。