説明

細胞を形質転換するための方法および組成物

【課題】効率的かつ安定な導入遺伝子の組込みをもたらす細胞を形質転換する方法および組成物を提供する。
【解決手段】形質転換は、細胞に、細胞のゲノムに組込まれる受容体ベクター、好ましくはレトロウイルスベクターを導入することにより行われる。この受容体ベクターは、2つの不和合性lox配列、L1およびL2を含んで成る。次に同じL1およびL2配列により挟まれた導入遺伝子を含んで成る供与体ベクターを細胞に導入する。安定な遺伝子導入が、loxL1およびL2配列をCre組換え酵素と接触させることにより開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細胞の部位特異的組換えによる形質転換を起こすための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝子治療法の成功は、導入された遺伝子の安定な染色体への組込み、および高レベルの調節された発現を組み合わせて達成できる能力に依るところが大きい。調節された遺伝子発現は、最も容易には強力にシスに作用する調節領域を含む巨大DNA断片により行われる。例えば、β−グロビン不全症の遺伝子治療には、延ばした(extended)遺伝子およびLCR配列の高レベルの位置非依存的発現(position−independent expression)が必要かもしれない。
【0003】
現在の多くの技法が、巨大DNA断片を用いて細胞の効率的な一過性トランスフェクションを可能としている。しかしその後の染色体への組込みは、大変非効率的である。低レベルの組込みを克服するために、許容細胞中に大変効率的に組み込まれるレトロウイルスベクターを使用することができる。しかしそのようなベクターは、大きさおよび配列組成の拘束により大きく制限される。
【0004】
特許文献1は、真核細胞で遺伝子導入を行うために、Cre−Lox部位特異的組換えの使用を開示している。記載されたこの系は、導入れたDNAの宿主ゲノムへの効率的または安定な組込みを提供していない(例えば、非特許文献1を参照にされたい)。これは、分子間の部位特異的組換えによるDNAのゲノム中への組込みよりも優位な、分子内交換による導入されたDNAの切り出しという事実に大きく起因している。
【0005】
導入遺伝子配列をゲノムDNAに高度に効率的かつ安定に組込むことが可能な部位特異的DNA組換え系は、大変有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,959,317号明細書(Sauerら)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sauerら、(1993)Methods in Enzymology 225:898
【発明の概要】
【0008】
本発明は、Cre/lox系のような組換え酵素/lox系を使用して、効率的かつ安定な部位特異的DNA組換えを起こすための方法および組成物に関する。1つの態様では、この方法は組換え酵素(例えばCre)を(a)2つの不和合lox配列、L1およびL2含んで成る受容体ベクター、および(b)L1およびL2配列、またはL1およびL2配列と和合性(compatible)の配列によりフランキング化された選択したDNA含んで成る供与体ベクターと接触させ、これにより選択したDNAを和合性lox配列で組換えることにより、供与体ベクターから受容体ベクターへ転移することを含んで成る。好適な態様では、受容体ベクターはレトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ベクターである。
【0009】
別の態様では、本発明は選択したDNAを用いて細胞を形質転換する方法を提供し、こ
の方法は、任意の順序で、細胞に細胞のゲノムに組み込まれる受容体ベクターを導入し、この受容体ベクターは2つの不和合lox配列、L1およびL2を含んで成り、(b)細胞に、L1およびL2配列、またはL1およびL2配列と和合性の配列によりフランキング化された選択したDNAを含んで成る供与体ベクターを導入し、そして(c)L1およびL2をCreのような組換え酵素と接触させる工程を含んで成り、これにより選択したDNAを供与体ベクターから受容体ベクターに転移させる工程を含んで成る。組換え酵素は、タンパク質またはタンパク質をコードする遺伝子の状態で細胞に導入することができる。
【0010】
別の態様では、本発明は2つの不和合性lox配列L1およびL2を含んで成るレトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ベクターから成る群から選択されるベクターを提供する。
【0011】
本発明の方法および組成物は、インビボおよびインビトロ遺伝子導入(例えば遺伝子治療)の方法に使用され、導入遺伝子配列の効率的かつ安定な組込みをもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】Cre/loxが媒介する遺伝子導入の図解的説明である。LoxAおよびLoxBは、Cre組換え酵素の存在では互いに組換わることができない相互に関連した不和合性(imcompatible)lox部位である。
【図2】選択可能なマーカー遺伝子および不和合性lox配列を含む受容体および供与体ベクターの図解的説明である。
【図3】Cre発現ベクターおよび対照Cre発現ベクターの図解的説明である。
【発明の詳細な説明】
【0013】
本発明は、例えば細胞の形質転換法において、効率的な部位特異的DNA組換えを引き起こすための方法および組成物を提供する。現在の細胞形質転換技法に優る、本発明により提供される利点には、導入遺伝子配列のような巨大DNA配列を染色体DNAに高度に効率的かつ安定に組込むことが含まれる。
【0014】
1つの態様では、本発明の方法は、Creのような組換え酵素を(a)2つの不和合lox配列、L1およびL2を含んで成る受容体ベクター、および(b)L1およびL2配列、またはL1およびL2配列に和合性であるlox配列によりフランキング化された選択したDNAを含んで成る供与体ベクターと接触させ、これにより選択したDNAを供与体ベクターから受容体ベクターへ、和合性lox配列で組換えにより転移すことを含んで成る。
【0015】
用語「部位特異的組換え」とは、供与体ベクターから受容体ベクターへのDNA転移を言う。
【0016】
用語「lox配列」とは、Creまたは組換え酵素Intファミリー他の員(Argosら、(1986)EMBO J:433)のような組換え酵素により触媒される時、組換え(例えばDNAの交叉および交換)を受けるヌクレオチド配列を言う。
【0017】
用語「組換え酵素」とは、部位特異的組換えをlox部位で触媒できる任意の組換え酵素を言う。
【0018】
用語「不和合性(imcompatible)lox配列」とは、互いに異なり、それ故に互い組換えを受けることができない2つ以上のlox配列(本明細書ではL1および
L2と呼ぶ)を言う。例えばlox配列は、それらのヌクレオチド配列が特にそれらのスペーサー領域でわずか1ヌクレオチド異なれば、それらのヌクレオチド配列を不和合性にすることができる。対称的に、用語「和合性(compatible)lox配列」とは、組換え酵素により組換えを触媒される時、組換わることができる2つ以上のlox配列を言う。
【0019】
用語「受容体ベクター」とは、細胞のゲノム中に組込むことができる任意のベクターを言う。好適な態様では、受容体ベクターはレトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ベクターのようなウイルス起源のものである。一般的に、受容体ベクターは交換カセット(すなわち、供与体ベクターからのDNAにより置き換えられるDNA)を含み、そして場合によっては選択可能なマーカー遺伝子を含むことができる。
【0020】
用語「供与体ベクター」とは、受容体ベクターに転移されるDNAを含む任意のベクター(例えば環状プラスミドDNA)を言う。一般的に、供与体ベクターはプラスミドDNAを含んで成り、そして場合によっては選択可能なマーカー遺伝子を含むことができる。
【0021】
本発明の方法は、同一または和合性(すなわち、互いに組換わることができる)のlox配列間で起こる組換え酵素が媒介する交換反応を利用する。同一または和合性lox配列間の効率的なDNA交換は、各々が同一または和合性lox部位を含有する供与体から受容体ベクターへのDNAの転移を可能とする(図1を参照にされたい)。しかし、いったん供与体から受容体ベクターへ転移されれば(すなわち、分子間転移)、転移したDNAは、転移したDNAの分子内交換および切り出しを防ぐ受容体ベクター内の2つのlox配列(例えばL1およびL2)の不和合性のために、その場所に「ロック(locked)」される。したがって、転移したDNAは、高度に安定な様式で組み込まれる。
【0022】
効率的かつ安定なDNA交換反応に加えて、本発明の方法は受容体ベクターとして使用するためにレトロウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、またはレトロウイルスのインテグラーゼをコードするベクターのような高度に効率的な組込みベクターを利用する。本明細書に記載する実験では、そのようなベクターが組換え酵素/lox系のような部位特異的DNA導入系での使用に適合性があることを示す。
【0023】
総じて、本発明の部位特異的組換え系は、例えば遺伝子治療法に使用できるような、高度に効率的かつ安定なDNA導入の手段を提供する。例えば、本発明の方法および組成物は、部位特異的組換え無しで起こるランダムな組込みと比べて、導入遺伝子の組込みおよび発現において100〜10,000倍の増加を達成するために使用できる。
【0024】
したがって別の態様では、本発明は哺乳動物細胞のような細胞を、選択したDNAを用いて形質転換する方法を提供する。この方法は、(a)細胞に、2つの不和合lox配列、L1およびL2を含んで成る受容体ベクターを導入し、(b)細胞に、L1およびL2配列、またはL1およびL2配列と和合性の配列によりフランキング化された、選択したDNAを含んで成る供与体ベクターを導入し、そして(c)L1およびL2をCreのような組換え酵素と接触させ、これにより選択したDNAを供与体ベクターから受容体ベクターへ転移させる(和合性のlox配列間の交換反応による)工程を含んで成る。必須ではないが、受容体ベクターは、受容体ベクターが供与体ベクターとのDNA交換前に宿主ゲノム中に組み込まれているように、好ましくは供与体ベクターの導入前に細胞に導入される。
【0025】
受容体ベクターは、細胞に取り込まれ、そしてゲノムDNAに組み込まれることができる任意のベクターであることができる。好適な受容体ベクターは、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスおよび単純1型ヘルペスウイルスのような細胞を
直接トランスフェクトするウイルスベクターを含む。レトロウイルスを使用する場合の前提条件は、それらの使用の安全性、特に細胞増殖において野生型ウイルスの伝播の可能性に関する安全性を確保することである。複製−欠損レトロウイルスのみを産する特殊化された細胞系(「パッケージング細胞」と呼ばれる)の開発は、遺伝子治療のためのレトロウイルスの使用をますます広げ、そして欠損ウイルスは遺伝子治療を目的とする遺伝子導入の使用に十分に特徴が明らかとなっている(総説については、Miller,A.D.(1990)Blood 76:271を参照にされたい)。この組換えレトロウイルスは、レトロウイルスのコーディング配列の部分(gagpolenv)が本発明のmALDHの突然変異したサブユニットをコードする核酸と置き換えられ、レトロウイルスの複製を欠損させるように構築することができる。複製欠損レトロウイルスは、次に標準的技法により、ヘルパーウイルスの使用を通して標的細胞を感染させるために使用することができるビリオンにパッケージされる。組換えレトロウイルスの作成および細胞をインビトロまたはインビボで、そのようなウイルスを用いて感染させるための手法は、分子生物学の現在の手法(Current Protocols in Molecular Biology)、Ausubel,F.M.ら(編集)、グリーネ出版アソシエイツ(Greene Publishing Associates)、(1989)、第9.10−9.14章、および他の標準的なラボラトリーマニュアルに見い出すことができる。適当なレトロウイルスの例には、当業者には周知のpLJ、pZIP、pWEおよびpEMを含む。異所性および両種指向性のレトロウイルス系の両方を調製するために、適当なパッケージングウイルス系の例は、ΨCrip、ΨCre、Ψ2およびΨAmを含む。レトロウイルスは種々の遺伝子を、神経細胞、上皮細胞、内皮細胞、リンパ球、筋芽細胞、肝細胞、骨髄細胞を含む多くの異なる細胞型にインビトロおよび/またはインビボで導入するために使用された(例えば、Eglitisら、(1985)Science 230:1395−1398;DanosおよびMulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460−6464を参照にされたい)。
【0026】
別の好適な受容体ベクターは、アデノウイルスに由来するベクターである。アデノウイルスのゲノムは、それが目的遺伝子産物をコードし、そして発現するが、その正常な溶菌化ウイルスサイクルを複製する能力に関しては不活化されるように工作することができる。例えば、Berknerら、(1988)BioTechniques 6:616;Rosenfeldら、(1991)Science 252:431−434;およびRosenfeldら、(1992)Cell 68:143−155を参照にされたい。アデノウイルスAd5型dl324株または他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3およびAd7等)に由来する適当なアデノウイルスベクターは、当業者には周知である。
【0027】
受容体ベクターとして有用なさらに別のウイルスベクター系は、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。アデノ随伴ウイルスは、効率的な複製および増殖的ライフサイクルのために、ヘルパーウイルスとしてアデノウイルスまたはヘルペスウイルスのような他のウイルスを必要とする天然に存在する欠損ウイルスである。(総説として、Muzyczkaら、Cur.Topics in Micro and Immunol.(1992)158−:97−129を参照にされたい)。この2〜3のウイルスの1つは、そのDNAを非−分割細胞中に組込み、そして高頻度の安定な組込みを表すこともできる(例えば、Flotteら、(1992)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.7:349−356;Samulskiら、(1989)J.Virol.63:3822−3828;およびMcLauglinら、(1989)J.Virol.62:1963−1973を参照にされたい)。AAVの少なくとも300塩基対を含むベクターをパッケージングし、そして組込むことができる。
【0028】
本発明の方法に受容体ベクターとして使用できる他のウイルスベクター系は、ヘルペス
ウイルス、ワクシニアウイルスおよび幾つかのRNAウイルスを含む。
【0029】
供与体ベクターは、インビボまたはインビトロで細胞に取り込まれることができ、そして所望の導入DNA配列を運ぶことができる(すなわち供与体)任意のベクター(例えば環状DNA)であることができる。適当な供与体ベクターは、組換え細菌性の、または真核プラスミドのようなコスミドまたはDNAプラスミドを含む。供与体ベクターは、種々の既知の方法を使用してインビボまたはインビトロのいずれかで宿主細胞に導入され得る。インビトロの送達には、適当な方法にはプラスミドの直接的注入、CaPO沈殿法、電気穿孔法、カチオン性リポフェクチン法、または人工的なウイルスエンベロップの使用を含む。インビボ送達に適当な方法は、ベクターの静脈内、腹腔内および筋肉内注射を含む。ベクターは、選択した細胞への送達を標的とすることもできる(例えば、米国特許第5,166,320号明細書を参照にされたい)。
【0030】
細胞による効率的な取り込みを測定するために、受容体、供与体または受容体および供与体ベクターは場合によっては、抗生物質耐性遺伝子または他の手段により選択可能な遺伝子のようなマーカー遺伝子を含むことができる。このマーカー遺伝子は、発現を駆動するためのプロモーターを含む受容体ベクターに組み込まれた時にのみ発現するように、プロモーターが無い(promoterless)ものであることができる。
【0031】
供与体および受容体ベクターは、分子内組換えが起こり得ないように、各々が少なくとも2つの不和合性ロック配列(「L1およびL2」)を含む。同時に、供与体および受容体ベクター間のDNA交換を可能にするために、供与体および受容体ベクターのロック配列は、分子間で互いに組換わることができなければならない(例えばL1はL1と和合性であり、そしてL2はL2と和合性である)。和合性のlox配列間での分子間交換を確実にするために、lox配列は一般的に同方向を向いている。
【0032】
ロック配列間の不和合性は、配列が異なるように、例えば2つの同一なlox配列の1つを、好ましくはそれらのスペーサー配列内で、突然変異または改質することにより(例えばヌクレオチド付加、欠失または置換)達成することができる。どの突然変異が不和合性を与えるかを決定するための試験は、突然変異した、および突然変異していないlox配列が組換わる能力に関し試験する標準的な突然変異アッセイを使用して行うことができる。
【0033】
好適な態様では、2つの不和合性lox配列の1つは、配列番号1に示す配列を有するバクテリオファージP1のCre/lox系のLox P1配列である(Hoessら、(1990)「核酸および分子生物学(Nucleic Acids and Molecular Biology」第4巻、第99頁)。このLox P1配列は、当該技術分野で周知な方法によりバクテリオファージP1から単離することができる34塩基対配列である(例えばHoessら、(1982)PNAS 79:3398を参照にされたい)。Lox P1配列は、8塩基スペーサー配列により分けられた2つの13塩基対の逆向きの反復から成る。Lox P1部位は、ATCCから入手可能なプラスミド(例えばATCC53254および20773)からも単離することができる。他の適当なlox配列は、大腸菌(E.Coli)から単離され得るLoxB、LoxLおよびLoxR配列を含む(Hoessら、(1982)。同上)。またLox配列は、以下の実施例に記載するように、既知の技法を使用して化学的に合成することができる。
【0034】
したがって、もう1つの不和合性lox配列は、Lox P1配列から突然変異させることができ、例えば8ヌクレオチドスペーサー配列中に1つの点突然変異を有する。1つの態様では、点突然変異は野生型Lox P1配列の8塩基スペーサー配列の7位でのGからAへの置換であり、本明細書ではLox 511配列と呼ぶ(配列番号2)。したが
って、1つの態様では、本発明の2つの不和合性lox配列は以下の配列を有する:
【0035】
【化1】

【0036】
供与体および受容体ベクター中の和合性lox配列間の分子間組換えは、すでに効率的な組換えを、細菌および真核細胞中のlox配列で行うことが示された、Creまたは組換え酵素Intファミリーの他の員のような組換え酵素(Argosら、(1986)EMBO J:433)により触媒される(Saucerら、(1993)Methods in Enzymology225:890−900)。組換え酵素は、タンパク質状態またはタンパク質をコードする発現可能な遺伝子(例えば、Saucer B.ら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5166−5170により記載されているCre遺伝子)として、供与体および受容体ベクターと一緒に細胞に導入することができる。組換え酵素または組換え酵素遺伝子は、供与体および受容体ベクターの導入前、導入中または導入後に宿主細胞に導入されるか、またはトランスフェクトされることができる。
【0037】
1つの態様では、組換え酵素遺伝子(例えばCre)は、受容体ベクターを宿主細胞中に導入し、そして組込んだ後に、供与体ベクターと同時にトランスフェクト(co−transfected)される発現ベクター中に含まれる。別の態様では、組換え酵素遺伝子は、受容体または供与体ベクターのいずれかの中に含まれる。供与体ベクターの場合と同じく、組換え酵素遺伝子は、CaPO沈殿法、電気穿孔法、カチオン性リポフェクチン法、または人工的ウイルスエンベロップの使用、直接注射(例えば静脈内、腹腔内または筋肉内)のような周知技法を使用して、インビボまたはインビトロのいずれかで宿主細胞中に導入することができる。またベクターは、選択した細胞への送達を標的とすることができる(米国特許第5,166,320号明細書を参照にされたい)。
【0038】
本発明の部位特異的組換え法により、供与体から受容体ベクターへ転移されるDNAは、宿主細胞ゲノム中へ安定に組み込まれることが望まれる任意のDNAであることができる。例えば、遺伝子は遺伝子治療または診断目的に有用な任意の導入遺伝子であることができる。遺伝子は、α、βまたはσグロビン、血液凝固因子(例えば、第VIIIおよびIX因子)遺伝子、細胞表面レセプターおよび他の所望のタンパク質、例えば個体中のこれらのタンパク質の遺伝欠損症を補正するためのような、所望の治療用タンパク質をコードすることができる。
【0039】
したがって、本発明の方法および組成物は、細胞のゲノムDNAに導入遺伝子配列を安定かつ効率的に組込むことが必要な種々の治療的および診断的応用のために使用することができる。この方法および組成物は、広い範囲の様々な真核細胞(例えば、哺乳動物)細胞を形質転換するために使用し、そして高効率なDNA導入の利点を提供することができる。
【0040】
均等物
当業者は、本明細書に記載した本発明の特別な態様の多くの均等物を認識し、日常的な実験を使用するだけで確認することができるだろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることを意図する。本明細書を通して引用するすべての技術文献および公開された特許明細書は、引用により本明細書に編入する。
【0041】
実施例
材料および方法
DNA構築および細胞培養
DNAベクターは、標準法を使用して作成した(Sambrook,J.ら、(1989)、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル−第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual−2nd ed,)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、米国)。オリゴヌクレオチドは、リサーチ ジェネティックス社(Research Genetics Inc.)により合成した。DNA構造の正確さは、シークエンシングにより確認した。LXSNレトロウイルスベクター(Miller,A.D.ら、(1989)Biotechniques :980−990)はD.Miller(シアトルのフレッドハッチンソン癌研究センター:Fred Hutchinson Cancer Research Center)により、ハイグロマイシンB(Lupton,S.D.ら、(1991)Mol.Cell.Biol11:3374−3378)ホスホトランスフェラーゼ遺伝子はD.Housman(ケンブリッジ、MIT)により、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV−TK)遺伝子(Lupton、同上)はM.R.capecchi(ユタ州、ソルトレイクシティ)により、U19 SV40T突然変異遺伝子(Renfranz,P.J.ら、(1991)Cell 66:713−729)は、R.D.McKay(ケンブリッジ、MIT)およびG.Almazan(モンテレアル、マックギル大学)により、Cre組換え酵素遺伝子(Sauer,B.ら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5166−5170)はD.W.Ow(アルバニー、UC バークレー)より、CD24(Pawlink,R.ら(1994)Blood 84:2868−2877)が提供された。MSCV(ネズミ幹細胞ウイルス)レトロウイルスベクター(Hawley,P.G.ら(1994)Gene Therapy :136−138)、pBabeレトロウイルスベクター(Morgenstern,J.P.ら(1990)Nucl.Acies
Res18:3587−3598)はR.Weinberg(ケンブリッジ、MIT)により、pcDNAはインビトロジーン社(Invitrogene Corp.)、そしてpOPRSVICATはストラタジーン社(Stratagene)により提供された。NIH3T3細胞はATCCから、BOSC23細胞(Pear,W.S.ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8392−8396)W.PearおよびD.Baltimore(ニューヨーク、ロックフェラー大学)から得た。
【0042】
NIH3T3細胞は、37℃で5%CO2/95%空気で、10%熱不活化ウシ血清(CS)、4.5mg/mlグルコース、2mMグルタミン、100IU/mlペニシリンおよび10μg/mlストレプトマイシンを補充したDMEMで増殖させた。BOSC23細胞に関しては、CSを10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS)に代えた。
【0043】
細胞感染、トランスフェクションおよび選択
パッケージング細胞系、BOSC23を記載されているように(Pear、同上Danos,O.ら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460−6464)増殖させた。プラスミドDNAはキアジェン(Qiagen)法(キアジェン社)により調製し、そしてBOS23細胞にリン酸カルシウム法(5プライム:3プライム社(5prime:3prime.Inc.))を使用してトランスフェクトした。実験のウイルス上清は、記載されているように回収し、そして濾過した(Pear、同上Danos、同上)。すべての感染は8μg/ml Polybrene(シグマ:Sigma)の存在中で行った。BOSC23からのウイルス上清は、安定なウイルス法を行うために使用した。ウイルス力価は、すでに記載した(Pear、同上、Dano
s、同上)標準的な計算法を使用して、NIH3T3細胞の感染および選択により見積もった。ヘルパーウイルスの検出は、すでに記載した(Pear、同上、Danos、同上)β−ガラクトシダーゼ起動アッセイにより行った。選択は感染の2日後に行った。
【0044】
標準濃度(1X)の選択剤は、ハイグロマイシンB(カルビオケム:Calbiochem)について320μg/mlであった。パッケージングNIH3T3細胞は、1X、1/2Xを含むMDHFおよび2Xを含むBSMC濃度を用いて選択した。
【0045】
レトロウイルスCRE/LOXが媒介する遺伝子組込み
本明細書に記載のCre/loxが媒介する遺伝子導入系を使用する遺伝子組込み効率を実験するために、以下の手法を使用して行った。
【0046】
受容体ベクターは、MSCVレトロウイルスベクターを使用して構築した。ベクターは順番に:左MSCV LTR(プロモーターを含む)、続いてlox L1配列、続いてハイグロマイシン−TK融合遺伝子(選択マーカーとして)、続いてlox L2配列、続いて右MSCV LTRを含んだ(図2を参照にされたい)。レトロウイルスLTRは、ハイグロマイシン−TK融合遺伝子のプロモーターとして使用した。同様な構築物を、ネオマイシンのような他の選択マーカーを使用して作成した。
【0047】
受容体ベクターのL1およびL2 lox配列は、以下に示すヌクレオチド配列を有した(配列番号1および配列番号2に対応する)。L1は、バクテリオファージP1(Abremskiら、(1983)Cell 32:1301−1311)に由来する野生型Lox P1配列(配列番号1)である。L2は、野生型Lox P1配列から突然変異させ、Lox 511と呼ぶが、8ヌクレオチドスペーサー領域の第7位でGからAへの点突然変異を有した(Waterhouseら、(1993)Nucleic Acids Res21(9):2265−2266)。
【0048】
【化2】

【0049】
受容体ベクター(「L1−ハイグロマイシン−TK−L2構築物」)を構築した後、BOSC23細胞(異所性パッケージング細胞)をリン酸カルシウム法を使用して受容体ベクターで一過性にトランスフェクトした(5プライム:3プライム社)。実験のウイルス上清は、記載されているように回収し、そして濾過した(Pear、同上Danos、同上)。すべての感染は8μg/ml Polybrene(シグマ)の存在中で行った。高力価(10pfu/mlより高い)レトロウイルスベクターを含有するウイルス上清を、次に同様な手法を使用して宿主NIH3T3細胞を感染させるために使用した。培養48時間後、感染したNIH3T3細胞をハイグロマイシンを用いて選択した。
【0050】
供与体ベクターは、骨格としてpUCプラスミドを使用して構築した(Yanish−Perronら、(1985)Gene 33:103−119)。このベクターは順番に:L1 lox配列、続いてプロモーターの無いネオマイシン遺伝子、続いてL2 lox配列を含んだ(図2を参照にされたい)。同様な供与体ベクターを、ネオマイシン遺伝子の代わりにハイグロマイシン−TK、CD24およびB−グロビン遺伝子を使用して作成した。対照供与体ベクターは、PGK(ホスホグリセロール キナーゼ)プロモーターを含むネオマイシン遺伝子、PGK−ネオマイシンを使用して構築した。
【0051】
ネオマイシン遺伝子を含有する種々の濃度の供与体ベクターを、Cre組換え酵素遺伝子を含有する発現ベクターと一緒に、感染した3T3細胞に同時に電気穿孔した(co−electroporated)。供与体ベクター濃度は、10μg〜200μgであった。培養48時間後、形質転換した細胞をネオマイシンを用いて選択した。濃度100μg以上の供与体ベクターは、10〜30%の組込み効率を生じた(ハイグロマイシン遺伝子からネオマイシン遺伝子への変換により測定)。
【0052】
20:1〜1:1の範囲で異なる比率の供与体ベクターおよびCre発現ベクターを、感染した3T3細胞に同時に電気穿孔した。すべての比率でハイグロマイシンからネオマイシンへの変換が生じた。しかし、3:1の比率(供与体:Cre)が最高の組込み効率を表した。
【0053】
以下の表では、3部の供与体ベクター 対 1部のCre発現ベクター比率の100μgの供与体ベクター(DNA)濃度で、種々の供与体およびCre発現ベクター(図3を参照にされたい)を使用して、ネオマイシンの遺伝子の組込み結果を提供する。実験E#1−4は、陰性対照として行った。E#5は陽性対照であった。

電気穿孔した細胞 使用した構築物 #コロニー
(10細胞のうち)

E#1 3T3 lox 1-PGKNeo-lox2 530
および対照Cre発現ベクター

E#2 3T3 lox 1-Neo-lox2 10
および対照Cre発現ベクター

E#3 3T3 lox 1-Neo-lox2 2
およびCre発現ベクター

E#4 lox A-ハイグロ-TK lox 1-Neo-lox2 21
-loxBを含む3T3 および対照Cre発現ベクター

E#5 同じ lox 1-Neo-lox2 コンフルエント
およびCre発現ベクター (>10
【0054】
E#1は、対照供与体ベクター(図2を参照のこと)、lox1−PGKNeo−lox2(ネオマイシン遺伝子およびプロモーターを含む)を、対照Cre発現ベクター(図3を参照のこと)(Creをコードする中の配列は、欠失され、そしてCATをコードする遺伝子により置き換えられた)を使用した。宿主細胞は、組込み受容体ベクターを含まなかった。したがってE#1は、ネオマイシン遺伝子を発現できるL1−PGKNeo−L2ベクターのランダムな組込みにより付与されるネオマイシン耐性の量を示した。予想どおり、付与されたネオマイシン耐性は、電気穿孔により得られた組込み効率の範囲であった(例えば、約0.1%の効率)。
【0055】
E#2は、供与体ベクター(プロモーター無し)を対照Cre発現ベクターと共に使用した。宿主細胞は、組み込まれた受容体ベクターを含まなかった。したがってE#2は、受容体ベクターまたはCre組換え酵素の不在で与えられた耐性を示した(すなわち、効率的な組換えおよび遺伝子導入が無い)。予想どおり、これは大変低かった。
【0056】
E#3は、供与体ベクター(プロモーター無し)を機能的Cre発現ベクターと共に使
用した。宿主細胞は、組み込まれた受容体ベクターを含まなかった。したがって、E#3は、受容体ベクターは不在であるが(すなわち、効率的な組換えおよび遺伝子導入は無い)、Cre組換え酵素が存在中で付与された耐性を示す。予想どおり、これは大変低かった。
【0057】
E#4は、供与体ベクター(プロモーター無し)を、対照Cre発現ベクター(Cre発現無し)と共に使用した。宿主細胞は、組み込まれた供与体ベクター(L1−ハイグロ−TK−L2)を含んでいた。したがって、E#4は、Creの不在中、供与体ベクターから受容体ベクターへの遺伝子導入の効率を示した。予想どおり、これは大変低かった。
【0058】
E#5は、供与体ベクター(プロモーター無し)を、機能的Cre発現ベクターと共に使用した。宿主細胞は、組み込まれた供与体ベクター(L1−ハイグロ−TK−L2)を含んでいた。したがってE#5は、Creの存在中、供与体ベクターから受容体ベクターへの遺伝子導入の効率を示した。上記の表に示すように、宿主細胞はコンフルエントになり、遺伝子導入効率および安定性において、1000倍以上の増大を示した。
【0059】
結論
全体としてこれらの結果は、本発明のレトロウイルスのCre/loxが媒介する遺伝子導入系が、哺乳動物細胞の染色体への導入遺伝子の高度に効率的かつ安定な組込みに使用できることを証明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物細胞中で部位特異的組換えを起こす方法であって、組換え酵素を
(a)該哺乳動物細胞のゲノムに組込まれる受容体ベクターであって、互いに組換わることができない2つのlox配列、L1およびL2を含む受容体ベクター、および
(b)該哺乳動物細胞のゲノム中には組込まれない供与体ベクターであって、該組込まれる受容体ベクターの過剰量で存在している供与体ベクター、と接触させる工程を含んでなり、かつ、該供与体ベクターは受容体ベクターに含まれる同じL1およびL2配列、またはこれらL1およびL2配列で組換えることができる配列がそれぞれ両側に配置された状態で選択したDNAを含んで成り、これにより選択したDNAをL1およびL2配列での組換えにより供与体ベクターから受容体ベクターへ転移させることを、特徴とする上記方法。
【請求項2】
受容体ベクターがレトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ベクターから成る群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
L1およびL2がそれらのスペーサー配列中の1個以上の点突然変異により異なる請求項1記載の方法。
【請求項4】
L1およびL2が、それぞれLoxP1およびLox511ヌクレオチド配列(配列番号1および2)を含んで成り、そして組換え酵素がCreである請求項1記載の方法。
【請求項5】
受容体ベクターがレトロウイルスベクターである請求項1記載の方法。
【請求項6】
選択したDNAで細胞を形質転換する方法であって、任意の順序で、
(a)細胞に、細胞のゲノムに組込まれる受容体ベクターであって、互いに組換わることができない2つの不和合性lox配列、L1およびL2を含む受容体ベクターを導入する工程、
(b)細胞に、受容体ベクター中に含まれる同じL1およびL2配列、またはこれらL1およびL2配列で組換えることができる配列がそれぞれ両側に配置された状態で選択したDNAを含む供与体ベクターを導入し、かつ、該供与体ベクターが該受容体ベクターの過剰量で導入される工程、および
(c)L1およびL2をCreと接触させ、これにより選択したDNAの供与体ベクターから受容体ベクターへの転移を引き起こす工程、
を含んで成る、上記方法。
【請求項7】
受容体ベクターが、アデノ随伴ウイルスベクターである請求項6記載の方法。
【請求項8】
L1およびL2が、それらのスペーサー配列中で少なくとも1個のヌクレオチド付加、欠失または置換により異なる請求項6記載の方法。
【請求項9】
L1またはL2のいずれかが、LoxP1ヌクレオチド配列(配列番号1)を含んで成る、請求項6記載の方法。
【請求項10】
L1またはL2のいずれかが、Lox511ヌクレオチド配列(配列番号2)を含んで成る、請求項6記載の方法。
【請求項11】
L1およびL2が、それぞれLoxP1およびLox511ヌクレオチド配列(配列番号1および2)を含んで成る、請求項6記載の方法。
【請求項12】
L1およびL2が同じ方向性を有する、請求項6記載の方法。
【請求項13】
細胞にCre組換え酵素をコードする遺伝子を導入する工程をさらに含んで成る、請求項6記載の方法。
【請求項14】
Cre組換え酵素をコードする遺伝子が発現ベクターに含まれている、請求項13記載の方法。
【請求項15】
Cre組換え酵素をコードする遺伝子が、受容体ベクターまたは供与体ベクターのいずれかに含まれている、請求項13記載の方法。
【請求項16】
供与体ベクターが細胞に電気穿孔法により導入される、請求項6記載の方法。
【請求項17】
供与体ベクターおよびCre組換え酵素をコードする遺伝子の両方が、細胞に電気穿孔法により導入される、請求項13記載の方法。
【請求項18】
選択したDNAが治療用タンパク質をコードする導入遺伝子である請求項6記載の方法。
【請求項19】
治療用タンパク質がβ−グロビンである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
供与体ベクター、受容体ベクター、または供与体および受容体ベクターの両方が、さらに選択可能なマーカー遺伝子を含んで成る請求項6記載の方法。
【請求項21】
(a)宿主細胞のゲノムに組込むことができる受容体ベクターであって、互いに組換わることができない2つのlox配列、L1およびL2を含む受容体ベクター、
(b)受容体ベクター中に含まれる同じL1およびL2配列、またはこれらL1およびL2配列と組換わることができる配列がそれぞれ両側に配置された状態で導入遺伝子を含んで成る供与体ベクター、および
(c)L1およびL2配列で組換えを促進できる組換え酵素をコードする一過性発現ベクター、
を含んで成るCre/loxが媒介する遺伝子導入系。
【請求項22】
受容体ベクターが、レトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ベクターから成る群から選択される、請求項21記載の系。
【請求項23】
L1およびL2がそれらのスペーサー配列中の1個以上の点突然変異により異なる請求項21記載の系。
【請求項24】
L1およびL2が、それぞれLoxP1およびLox511ヌクレオチド配列(配列番号1および2)を含んで成る、請求項21記載の系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−63463(P2010−63463A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262993(P2009−262993)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【分割の表示】特願平10−501738の分割
【原出願日】平成9年6月6日(1997.6.6)
【出願人】(591275056)マサチユセツツ・インスチチユート・オブ・テクノロジイ (9)
【氏名又は名称原語表記】MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【出願人】(507339663)アルバート・アインシユタイン・カレツジ・オブ・メデイシン・オブ・イエシバ・ユニバーシテイ (3)
【Fターム(参考)】