説明

組み合わせカーペット及びその製造方法

【課題】本発明は、細長く裁断した多数のカーペットを、織物のように経糸用と横糸用として順番に組合して織るもので、ボリュウム感に富み、クッション性もよく、従来のカーペットではありえないような斬新な風合いと機能性及び意匠性のあるカーペットを得ることを課題とする。
【解決手段】本発明者らは、様々な形態のカーペット(ベロア、サキソニー、シャギー、プレーンループ、カットループ、ハンタフ等)を細長く裁断し(5〜30cm×100〜220cm程度とし、以下短冊という。)、該裁断したカーペットの多数の短冊を、織物の経糸と横糸のようにして、組合していくことによって、従来にない風合いと機能性と意匠性のあるカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長く裁断したカーペットを短冊とし、織物の経糸と横糸のように組み合わせ、一枚のカーペットにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来から室内に様々なカーペットが敷設され、快適な室内空間をかもし出すものとして広く使用されてきた。
【0003】
なかでも、タイルカーペットの柄出しの方法として、デザイン貼りと称して、タイルペットを様々な形や色に裁断して、デザインを描きながら貼り付ける方法がよく知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平2006−197996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、細長く裁断した多数のカーペットを織物のように、経糸用と横糸用として順番に組合して織るもので、従来にない風合いと機能性及び意匠性のあるカーペットを得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、このような課題を解決するために、様々な形態のカーペット(ベロア、サキソニー、シャギー、プレーンループ、カットループ、ハンタフ等)を細長く裁断し(5〜30cm×100〜220cm程度とし、以下短冊という。)、該裁断したカーペットの多数の短冊を、織物の経糸と横糸のようにして、組合していくことによって、従来にない風合いと機能性のあるカーペットが得られることを見出し本発明に到達した。本発明は、以下の手段を提供する。
【0007】
[1]複数の細長く短冊状にしたカーペットを組み合わせてなることを特徴とする組み合わせカーペット。
【0008】
[2]複数の細長く短冊状にしたカーペットを組み合わせ、一枚のカーペットにすることを特徴とする組み合わせカーペットの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
[1]及び[2]の発明では、例えば図1に示すように、織物の縦糸と横糸を拡大したようなカーペットが得られ、従来にないような風合いのカーペットを得ることができる。また、バラバラに解体することもできるので、夏など使わないで収納するときはコンパクトに収納することができ、持ち運びにも便利である。また、汚れた場合には、その部分だけをはずして洗うことができる。さらに、部屋の模様替えのときには、バラバラに解体して、同じ短冊群から新たな組み換えをしてやれば、また雰囲気の変わったカーペットにすることができる。また、さらに、幅や色をかえたり、様々な形態のカーペットを短冊状にし、種類を増やした場合には、非常に多くの組み合わせが得られ、自分だけのアレンジを楽しむことのできるカーペットとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明によるカーペット1は、図1に示すように織物の経糸と横糸のように、細長く裁断した短冊を上にしたり下にしたりしながら組み合わせ、最終的に一枚のカーペットをなすもので、短冊の長さを替えてやればどのような形のカーペットも作成することができる。また、短冊ごとに色や素材、パイル構成をかえてやればさらに多くの組み合わせが得られ、バラエティーに富んだカーペットとすることができる。
【0011】
例えば、短冊として、例えば縦用に10cm×190cmを19枚、横用に10cm×130cmを13枚とすれば、約190cm×130cmの大きさのカーペットに組むことができる。
【0012】
短冊とするカーペットとしてはタフテッドカーペット、織カーペット、編カーペット、電着カーペット、ハンタフカーペット等を例示でき、細く裁断したときに裁断面がほつれてこないように、ほつれ止めをすることが好ましい。ほつれ止めとしては、裁断面をラテックスや接着樹脂、接着テープ等で固着したり、また、溶融裁断機で裁断すれば、裁断と同時にほつれ止めがなされる。
【0013】
また、カーペットのパイル素材は、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維あるいは、これらの複合糸から構成される。
【0014】
カーペットのパイル糸の太さも特に限定するものではない。パイル長としては、長い方が裁断面を覆い隠すようにパイル糸が倒れることから好ましい。8mm以上あれば好ましい。
【0015】
カーペットのセカンド基布については、カーペットのバックステッチ面の保護のため、あるいは、短冊を組んだり、部分的に組み替えるときにセカンド基布を貼ったカーペットの方がやり易いことから、セカンド基布を積層したカーペットのほうが好ましい。セカンド基布としては、不織布が好適である
【実施例】
【0016】
つぎに本発明のカーペットについて具体的な実施例について説明する。なお、この発明のカーペット及び製造方法は、実施例に限定されるものではない。
【0017】
<実施例1>
色相と大きさの異なる二枚の柄カーペットを、縦用に10cm×190cmを19枚、横用に10cm×130cmを13枚、超音波裁断機によって裁断した。次に床面に縦用の19枚のカーペットを平行に並べ、横用の1枚のカーペットを織物の横糸のように、並べられた縦用のカーペットを上にしたり下にしたりしながら横用のカーペットと組み合わせ、順に残りの12枚の横用のカーペットを一枚ずつ縦用のカーペットの上にしたり下にしたりしながら組み合わせて、一枚のカーペットに組み合わせた。出来上がったカーペットは、二枚のカーペットを重ねたよりも、ボリュウム感に富み、クッション性もよく、従来のカーペットではありえないような斬新なものであった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカーペットの斜視写真である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、従来にない風合いと機能性のあるカーペットを得ることができ、個性豊かな屋内用の敷物としても広く利用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細長く短冊状にしたカーペットを組み合わせてなることを特徴とする組み合わせカーペット。
【請求項2】
複数の細長く短冊状にしたカーペットを組み合わせ、一枚のカーペットにすることを特徴とする組み合わせカーペットの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−142580(P2009−142580A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325390(P2007−325390)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】