説明

組合せ秤

【課題】複数の計量ホッパを複数のグループに分けて組合せ演算を行ってグループ毎の集合シュートに被計量物を排出する組合せ秤において、被計量物の損傷を少なくすると共に、組合せ秤の小型化、省スペース化を図る。
【解決手段】平面視形状が半円形あるいは扇形に形成した複数の集合ファネル11を、半円形あるいは扇形の直線部位が互いに対向接近するよう配備して、集合ファネル全体を平面視で円形に構成し、各集合ファネル11の直線部位側に半円形あるいは扇形の排出口11aを設けると共に、平面視形状が排出口11aより少し大径の半円形あるいは扇形の周壁部を備えたシャッタ13を各集合ファネル11の内部に駆動上下動可能に配備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子類やその他の食品などの被計量物を計量して所定重量の被計量物を包装機等へ排出する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
上記組合せ秤としては、円形に配置された複数の計量ホッパを二つのグループに区分してグループ毎に組合せ演算を行い、所定量ずつ計量された被計測物をグループ毎に集合シュートに排出するように構成し、被計量物を二系統で計量することで、組合せ秤全体としての処理速度を高めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−161530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組合せ秤においては、被計量物が、ビスケットや煎餅あるいは棒状菓子などのように割れたり、折れたりしやすいものである場合には、計量した被計量物を、集合シュートを介して下方に設置される包装機に投入する際の損傷を少なくするために、集合シュートから包装機への供給径路の途中に、開閉可能なシャッタを設けて、被計量物を一旦貯留した後に、包装機へ投入するのが有効である。
【0005】
上記のように複数の計量ホッパを二つのグループに分けて組合せ演算を行ってグループ毎の集合シュートに排出するような組合せ秤において、グループ毎の排出口を各中心部に向けてそれぞれ絞り込んだ一般的な漏斗状に形成すると、各グループの排出口が左右に大きく離れたものとなる。このように左右の排出口が大きく離れると、組合せ秤全体が大型化し、各排出口を開閉するシャッタおよびその駆動機構も個別に離れて設置する必要がある。
【0006】
また、シャッタは、閉止時には、被計量物を確実に貯留するために、弾性材料などからなるシール部を、被計量物が通過する隙間が生じないように壁面に密着させる必要があるが、シャッタの開閉動作時に、かかるシール部が不均一に摩耗して、摩耗片が異物として混入するのを防止する必要がある。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、複数の計量ホッパを複数のグループに分けて組合せ演算を行ってグループ毎の集合シュートに被計量物を排出する組合せ秤において、被計量物の損傷を少なくすると共に、組合せ秤の小型化、省スペース化を図ることを目的とし、更に、シャッタの摩耗を低減できるようにすることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明の組合せ秤は、円形に配置されて被計量物の重量をそれぞれ計量する複数の計量ホッパを複数のグループに分けて、グループ毎に、前記計量ホッパで計量される被計量物の計量値に基づいて組合せ演算を行って、適量組合せの被計量物が投入されている計量ホッパを選択して前記グループに対応する集合シュートにそれぞれ被計量物を排出する組合せ秤であって、
前記集合シュートからの被計量物を、グループ毎に下方にまとめてそれぞれ排出する複数の集合ファネルと、前記複数の集合ファネル内をそれぞれ上下に移動可能な複数のシャッタとを備え、前記複数の各集合ファネルは、平面視形状が半円形状または扇形状であって、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、前記複数の集合ファネル全体で平面視形状が円形状とされ、各集合ファネルの円周側に、前記集合シュートの下端部を臨ませ、各集合ファネルの前記直線部位側に半円形状または扇形状の排出口が設けられ、前記複数の各シャッタは、平面視形状が、前記排出口よりも大径の半円形状または扇形状の周壁部を有し、下方位置にあるときに、前記周壁部によって前記集合ファネルの排出口を閉止して前記集合シュートからの被計量物を一時的に堰き止め、上方位置にあるときに、前記排出口を開放して堰き止めた被計量物を排出させるものである。
【0010】
前記複数の集合ファネルは、平面視形状が半円形状または扇形状であるが、円形に配置されている計量ホッパを二つのグループに分ける場合には、二つの集合ファネルは、平面視形状が、円形を二つの分割した半円形状となり、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、二つの集合ファネル全体で円形状となるように配置され、また、円形に配置されている計量ホッパを、例えば、四つのグループに分ける場合には、四つの集合ファネルは、平面視形状が、円形を四つに分割して中心角が90度の扇形状となり、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、四つの集合ファネル全体で円形状となるように配置される。また、各集合ファネルは、シャッタによって開閉される排出口が、各集合ファネルの平面視形状と同じ半円形状または扇形状である。
【0011】
なお、円形状、半円形状、扇形状とは、円形、半円形、扇形に限らず、略円形、略半円形、略扇形を含むものである。
【0012】
上記構成によると、各グループの集合シュートからの被計量物を受けて下方へ排出する複数の各集合ファネルは、当該組合せ秤の下方の中心部に向かって絞り込んだ形状とすることができ、各集合ファネルの平面視形状およびその排出口は、円形を、グループの数で等分した形状となる。
【0013】
したがって、本発明の組合せ秤によると、同じ構成の集合ファネルおよび各集合ファネルの排出口を開閉するシャッタを、互いに近接させて対向配置することができ、グループ毎に組合せ演算を行ってグループ毎の集合シュートに被計量物を排出する組合せ秤において、被計量物の損傷を防止しつつ、小型化、省スペース化を図ることができる。
【0014】
(2)本発明の好ましい実施態様では、各集合ファネルは、前記平面視形状における前記直線部位をなす縦壁部を有し、該縦壁部を、前記シャッタの上方移動に伴って、該シャッタの前記周壁部の周方向端部との間隔が大きくなるように傾斜させている。
【0015】
この実施態様によると、シャッタが下方の閉止位置にある時には、シャッタの周壁部の周方向端部を、集合ファネルの縦壁部に密着させて確実な閉止状態を得ることができ、また、シャッタが上方に移動するに連れて縦壁部とシャッタの周壁部の周方向端部との間隔が大きくなることで、シャッタが繰り返し上下動してもシャッタの周壁部の周方向端部が縦壁部に摺接して摩耗することが防止される。
【0016】
(3)本発明の他の実施態様では、前記複数のグループが二つのグループであり、前記二つのグループに対応する二つの前記集合ファネルは、平面視形状が半円形状であって、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、前記二つの集合ファネル全体で平面視形状が円形状とされ、各集合ファネルの前記直線部位側に半円形状の排出口が設けられ、前記複数の各シャッタは、平面視形状が、前記排出口よりも大径の半円形状の周壁部を有している。
【0017】
この実施態様によると、平面視形状が半円形状の集合ファネルおよび各集合ファネルの半円形状の排出口を開閉するシャッタを、互いに近接させて対向配置することができ、被計量物の損傷を防止しつつ、組合せ秤の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0018】
(4)本発明の他の実施態様では、前記各シャッタの前記周壁部が、弾性材料からなるスカートで構成される。
【0019】
この実施態様によると、集合シュートから滑落して集合ファネルに流入する被計量物は衝撃少なくスカートで受け止められることになり、被計量物の破損を効果的に抑制することができる。また、シャッタの閉止時には、スカートの端部を集合ファネルの壁面に確実に密着させることができる。
【0020】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記集合ファネルの中央部上方に、各集合ファネルの前記各シャッタを個別に上下に駆動するシャッタ駆動機構を備え、前記シャッタ駆動機構は、モータによるクランクの回転によって、前記シャッタを上下に駆動するものである。
【0021】
この実施態様によると、各集合ファネルの排出口は互いに接近して設けられるので、各排出口を開閉するシャッタも互いに近くに配備されることになり、集合ファネルの中央部上方に設置されるシャッタ駆動機構も比較的小型なものとなり、また、簡単なスライダクランク機構によって、シャッタを上下に駆動することができる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、グループ毎に組合せ演算を行ってグループ毎の集合シュートに被計量物を排出する組合せ秤において、シャッタによって被計量物の損傷を防止しつつ、各集合ファネルの排出口を近接配置して小型化、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る組合せ秤の縦断正面図である。
【図2】図2は図1の組合せ秤の要部を横断した概略平面図である。
【図3】図3は図1の組合せ秤の集合ファネル周辺の縦断正面図である。
【図4】図4は図1の組合せ秤の集合ファネル周辺の縦断側面図である。
【図5】図5は図1の組合せ秤の集合ファネルの平面図である。
【図6】図6は図1の組合せ秤のシャッタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1に、本発明に一実施形態に係る組合せ秤1の縦断した正面図が、図2に、その要部を横断した概略平面図が、それぞれ示されている。
【0026】
この組合せ秤1は、包装すべき製品、例えば菓子類、その他の食品等の被計量物を所定量ずつ計量するものであって、櫓状に組み上げ立設された高床フレーム2に組合せ秤1が設置される。そして、製造ラインなどから搬送されてきた被計量物が、バケットリフタなどで揚送されて組合せ秤1の中心部上方から投入供給され、所定量に計量された適量組合せの被計量物が組合せ秤1の中心部から下方に排出され、高床フレーム2の階下に設置した包装機に投入されて包装される。
【0027】
組合せ秤1の中央には、略円柱形のセンターコラム3が備えられ、このセンターコラム3が、前記高床フレーム2の床面上に設置された基台4に複数本の脚5を介して連結支持されている。センターコラム3の上部に、バケットリフタなどのよって供給されてきた被計量物を振動によって放射状に分散搬送する円錐形の分散フィーダ6が装備されると共に、分散フィーダ6の周囲に、分散搬送された被計量物を更に外方に振動移送するリニアフィーダ7が放射状に設けられている。
【0028】
さらに、各リニアフィーダ7の下方には、リニアフィーダ7からの被計量物を一旦貯留して排出する供給ホッパ8、その排出された被計量物を貯留して計量するための計量ホッパ9、および、計量ホッパ9から排出された被計量物をセンターコラム3の中心下方に向けて滑落移送する集合シュート10がそれぞれ対応して設けられ、上下に並ぶリニアフィーダ7、供給ホッパ8、計量ホッパ9、および、集合シュート10を一連とする計量ユニットの多数連(この例では16連)がセンターコラム3の周囲に等ピッチで環状に配備されている。
【0029】
図示されていないが、分散フィーダ6およびリニアフィーダ7の振動装置や、供給ホッパ8および計量ホッパ9のゲート開閉装置、等の駆動ユニットがセンターコラム3内に収納されると共に、各計量ホッパ9には、ホッパ内の被計量物の重量を計測するロードセルなどの重量センサが備えられ、この重量センサもセンターコラム3内に前記駆動ユニットと共に収納されている。
【0030】
前記集合シュート10群の下方中央には、左右一対の集合ファネル11が配置され、所定の重量、例えば、目標組合せ重量に等しいあるいは目標組合せ重量に最も近い許容範囲の重量である適量組合せとなる複数の計量ホッパ9から排出された被計量物を、各集合ファネル11で一旦堰き止め貯留した後、下方に排出して図外下方の包装機に投入するよう構成されている。
【0031】
なお、集合シュート10は、脚5群に亘って環状に架設した支持棒12に係止されて、その下端部が集合ファネル11の上部に受け止め支持され、また、集合ファネル11自体はファネル外面から突設した連結金具11fを介して基台4に連結固定されるようになっている。
【0032】
図2に示すように、この組合せ秤1においては、環状に配備された16連の計量ユニットが8連ずつ左右2グループに区分され、各グループでそれぞれ個別に組合せ計量を行って、2系統で左右の集合ファネル11への被計量物の排出を行うよう構成されており、左右の各集合ファネル11には、集合シュート11からの被計量物を堰き止めて一時的に貯留するシャッタ13がそれぞれ上下移動可能に装備されている。
【0033】
詳述すると、左右の集合ファネル11は、全体的には平面視で円形(厳密には集合シュート11の数に相当する正多角形)をなしており、各集合ファネル11は、平面視で円形を左右に二等分した半円形状に形成されている。そして、平面視で半円形に形成された左右の集合ファネル11が、その半円形の直径に相当する直線部位が近接対向するように左右に配置された構造となっている。
【0034】
図3は、集合ファネル11の周辺の縦断正面図であり、図4は、集合ファネル11の周辺の縦断側面図である。
【0035】
各集合ファネル11は、図2に示すように上端部が平面視で半円形に開口した下窄まりの漏斗状に形成されると共に、その下部に、集合ファネル11の上端開口と同心に半円形の排出口11aが形成されている。さらに、各集合ファネル11は、排出口下方の前記直線部位側に偏って円筒状の排出筒11cが備えられると共に、排出口11aと排出筒11cの上端とが小さい漏斗部11bを介して接続されている。
【0036】
また、各集合ファネル11の上部には、平面視で集合ファネル11と同心の半円形に形成された縦壁部14が放射状のステー15を介して連結されると共に、この縦壁部14の内面に沿って上下移動可能に前記シャッタ13が装備され、かつ、このシャッタ13を開閉作動させるシャッタ駆動機構16がセンターコラム3の下面中央部に装着されている。
【0037】
シャッタ13は、前記縦壁部14に内嵌する半円筒の周壁部17aとこれの上端に連なる上壁部7bとを備えたシャッタ基材17と、その周壁部17aの内面に沿って配備されて下方に延出される弾性樹脂製のスカート18と、スカート18を内面側から支持する櫛歯状の当て板19とから構成されており、スカート18が周壁部17aと当て板19との間に挟持連結されることで、スカート18が前記排出口11aより少し大径の半円筒状に保持されるようになっている。
【0038】
図6に示すように、シャッタ基材17の内部には、3本の縦軸状のステー20を介してシャッタ基材17の上壁部17bに連結固定される平面形状トの字状の支持板21が装備され、この支持板21の前後二箇所に備えたスライドブッシュ22に、シャッタ駆動機構16から垂下された前後一対のガイド軸23が挿通され、シャッタ13全体がガイド軸23に沿って平行に上下にスライド移動可能に支持されている。なお、ガイド軸23の下端同士が下部サポート24によって連結されて、両ガイド軸23が平行に保持されている。
【0039】
シャッタ駆動機構16には、センターコラム3の下面に連結されるベース板25、前記ガイド軸23の上端が連結支持される下部支持板26、および、これらベース板25と下部支持板26とを繋ぐ前後一対の連結板27とが備えられている。
【0040】
各連結板27にはステッピングモータ28が前後向きに取り付けられると共に、各モータ軸28aに連結したクランクアーム29の先端部と、各シャッタ15における支持板21の上面に設けたブラケット30とが駆動ロッド31で枢支連結され、モータ軸28aの回転に伴う駆動ロッド31のクランク上下動によってシャッタ15が上下駆動されるようになっている。
【0041】
なお、モータ軸28aには、外周部にスリットを切込み形成した円板32が取り付けられると共に、この円板32の外周部に作用する透過型の光センサ33が連結板27に取り付けられて、円板32の回転量が光学的に検出されるようになっており、この検出情報に基づいてステッピングイモータ28を制御することで、シャッタ15の上下位置制御を行うよう構成されている。
【0042】
また、集合ファネル11の平面視における直線部位をなす縦壁部11dは、上方外方に少し傾斜されると共に、スカート18の周方向端部も同角度で上方外方に傾斜されており、シャッタ13が閉じ位置にある時には、スカート18の周方向端部が集合ファネル11の縦壁部11dに接触され、シャッタ13が上方に移動するに連れて縦壁部11dとスカート18の周方向端部との間隔が増大するようになっている。これによってシャッタ13の繰り返し上下動によってスカート18の周方向端部が縦壁部11dに摺接して摩耗することが防止されている。
【0043】
また、集合ファネル11における縦壁部11dの前後端部からは上方外方に向けて舌片11eが延出され、シャッタ13が上限位置から下方移動する際に、スカート18における周方向端部の下端角部を舌片11eで案内することで、スカート18が集合ファネル11における縦壁部11dの上端縁に引っ掛かって損傷することを回避されるようになっている。
【0044】
本発明に係る組合せ秤1は以上のように構成されており、シャッタ13が下方移動されて、スカート18の下端が排出口11aのやや外側において集合ファネル11の内面に接触することで排出口11aが閉じられ、集合ファネル11とスカート18との間に平面視半円形でV形断面の溝状スペースsが形成され、この溝状スペースsに被計測物が収容貯留されることになる。従って、組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパ9から送出されて集合シュート10を滑落した被計量物は、集合ファネル11に流入してスカート18に衝撃少なく受けとめられると共に、シャッタ13の周囲に形成された溝状スペースsの異なった位置に分散して貯留される。
【0045】
このように、被計量物が集合ファネル11に流入した際の受け止め衝撃をスカート18で緩和し、かつ、複数の集合シュート10からの被計量物を一箇所に集中することなく溝状スペースsの周方向複数箇所に分散して受け止め貯留することで、被計量物同士の衝突機会を少なくして被計量物の破損を効果的に抑制することができる。
【0046】
しかも、組合せ秤の下方の中心部に、同じ構成の集合ファネル11およびその排出口11aを開閉するシャッタ13を、互いに近接させて対向配置することができ、組合せ秤の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0047】
また、シャッタ13が上方移動されて排出口11aが開かれると、溝状スペースsに分散して貯留されていた被計量物は漏斗部11bを滑落して排出筒11cに集められて下方に排出されることになるが、この場合、漏斗部11bでの滑落長さは短くて、滑落の勢いは未だ小さいものであるので、排出筒11bで被計量物が合流して衝突することによって破損が生じることはない。
【0048】
(その他の実施形態)
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0049】
(1)上記実施形態では、平面形状が略半円形に形成された左右一対の集合ファネル11を接近配備して、二系統の演算計測を行う場合を例示しているが、円形を周方向に等分割した平面視形状が扇形の三個ないし数個の集合ファネル11を導入し、これら複数の集合ファネル11への被計量物供給を三系統ないし数系統で行うことも可能である。
【0050】
(2)実施形態のシャッタ13は、シャッタ基体17における半円筒状の周壁部17aに沿って弾性樹脂製のスカート18を取り付けて、集合シュート10から勢いよく滑落してきた被計量物をスカート18で衝撃少なく受け止めるものとして、損傷しやすい被計量物を好適に一時貯留できるようにしているが、被計量物が比較的損傷しにくいものである場合には、シャッタ基体17における半円筒状の周壁部17aを大きく下方に延出すると共に、その下端に弾性シール部材を取り付けた構造として実施することもできる。
【0051】
(3)シャッタ13を上下に案内移動させる手段として、パンタグラフや平行四連リンクなどのリンク機構を利用することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1 組合せ秤
3 センターコラム
6 分散フィーダ
7 リニアフィーダ
8 供給ホッパ
9 計量ホッパ
10 集合シュート
11 集合ファネル
11a 排出口
11d 縦壁部
13 シャッタ
16 シャッタ駆動機構
17 シャッタ基材
17a 周壁部
18 スカート
s 溝状スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形に配置されて被計量物の重量をそれぞれ計量する複数の計量ホッパを複数のグループに分けて、グループ毎に、前記計量ホッパで計量される被計量物の計量値に基づいて組合せ演算を行って、適量組合せの被計量物が投入されている計量ホッパを選択して前記グループに対応する集合シュートにそれぞれ被計量物を排出する組合せ秤であって、
前記集合シュートからの被計量物を、グループ毎に下方にまとめてそれぞれ排出する複数の集合ファネルと、
前記複数の集合ファネル内をそれぞれ上下に移動可能な複数のシャッタとを備え、
前記複数の各集合ファネルは、平面視形状が半円形状または扇形状であって、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、前記複数の集合ファネル全体で平面視形状が円形状とされ、各集合ファネルの円周側に、前記集合シュートの下端部を臨ませ、各集合ファネルの前記直線部位側に半円形状または扇形状の排出口が設けられ、
前記複数の各シャッタは、平面視形状が、前記排出口よりも大径の半円形状または扇形状の周壁部を有し、下方位置にあるときに、前記周壁部によって前記集合ファネルの排出口を閉止して前記集合シュートからの被計量物を一時的に堰き止め、上方位置にあるときに、前記排出口を開放して堰き止めた被計量物を排出させる、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
各集合ファネルは、前記平面視形状における前記直線部位をなす縦壁部を有し、該縦壁部を、前記シャッタの上方移動に伴って、該シャッタの前記周壁部の周方向端部との間隔が大きくなるように傾斜させている、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記複数のグループが二つのグループであり、
前記二つのグループに対応する二つの前記集合ファネルは、平面視形状が半円形状であって、その直線部位を互いに対向させて接近配置して、前記二つの集合ファネル全体で平面視形状が円形状とされ、各集合ファネルの前記直線部位側に半円形状の排出口が設けられ、
前記複数の各シャッタは、平面視形状が、前記排出口よりも大径の半円形状の周壁部を有する、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記各シャッタの前記周壁部が、弾性材料からなるスカートで構成される、
請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記集合ファネルの中央部上方に、各集合ファネルの前記各シャッタを個別に上下に駆動するシャッタ駆動機構を備え、
前記シャッタ駆動機構は、モータによるクランクの回転によって、前記シャッタを上下に駆動する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の組合せ秤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104773(P2013−104773A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248518(P2011−248518)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)