説明

組合せ秤

【課題】集合シュートの脱着が容易な組合せ秤を提供する。
【解決手段】組合せ秤は、重量測定部と、環状に配置され、被計量物を保持し、保持された被計量物が重量測定部により計量され、且つ計量された被計量物を排出するようそれぞれ構成された複数の計量ホッパと、複数の計量ホッパの下方に配置され、複数の計量ホッパのそれぞれから排出された被計量物を集める集合シュートと、を備える。ここで、集合シュートは、複数の筒状の集合シュート要素が全体として下方に向かって径が小さくなる筒状となるようにそれぞれの軸方向に傾斜しかつそれぞれの径方向に並べられて構成されており、かつ、並べられた複数の集合シュート要素の底壁部の内面により形成される集合シュートの外壁の内面と、並べられた複数の集合シュート要素の上壁部の外面により形成される集合シュートの内壁の内面との少なくともいずれか一方が、被計量物の集合経路を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の計量ホッパのそれぞれで計量された被計量物が、所定重量になるように組み合せ演算され、それらの中で最適な組み合せが選択されて集合シュートに排出され、集合シュートで集合されて、被計量物が所定重量ずつに分けられる組合せ秤が知られている。このような組み合わせ秤において、選択された組み合せに係る被計量物の集合経路を複数設けることにより、処理能力の向上が図られている。
【0003】
たとえば、計量ホッパに、内側に開く内側ゲートおよび外側に開く外側ゲートが設けられる。計量ホッパの下方に配置される集合シュートは、環状の2つの上部シュートで形成される。各上部シュートは、弧状の内側集合部材および弧状の外側集合部材でそれぞれ構成されている。具体的には、集合シュートには、複数の弧状の内側集合部材により構成された逆円錐台形状の内側シュートと、弧状の外側集合部材により構成された逆円錐台形状の外側シュートとの、2つの集合経路が設けられている。これにより、計量ホッパの内側ゲートから供給された被計量物は内側集合シュートで集合され、外側ゲートから供給された被計量物は外側集合シュートで集合される。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−1466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上部シュートが内側集合部材および外側集合部材で構成されていることにより、上部シュートを取り外す際には、内側集合部材および外側集合部材の2種類の部材をそれぞれ取り外す必要がある。同様に、上部シュートを装着する際にも、内側集合部材および外側集合部材のそれぞれを取り付ける必要がある。よって、上部シュートの脱着に手間および時間がかかり、作業性に劣る。
【0006】
特に、食品を計量する場合には、食品が通過する上部シュートを清潔に保つ必要があるため、上部シュートをこまめに洗浄しなければならない。このため、上部シュートの脱着における手間および時間はさらに重要視され、上部シュートの脱着の容易さが求められている。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、集合シュートの脱着が容易な組合せ秤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある形態に係る、組合せ秤は、重量測定部と、環状に配置され、被計量物を保持し、保持された前記被計量物が前記重量測定部により計量され、且つ計量された前記被計量物を排出するようそれぞれ構成された複数の計量ホッパと、複数の前記計量ホッパの下方に配置され、複数の前記計量ホッパのそれぞれから排出された前記被計量物を集める集合シュートと、を備える。ここで、前記集合シュートは、複数の筒状の集合シュート要素が全体として下方に向かって径が小さくなる筒状となるようにそれぞれの軸方向に傾斜しかつそれぞれの径方向に並べられて構成されており、かつ、並べられた複数の前記集合シュート要素の底壁部の内面により形成される前記集合シュートの外壁の内面と、並べられた複数の前記集合シュート要素の上壁部の外面により形成される前記集合シュートの内壁の内面との少なくともいずれか一方が、前記被計量物の集合経路を構成している。
【0009】
この構成によれば、集合シュート要素は、筒状であって、軸方向に傾斜する。集合シュートは、下方に向かって径が小さくなるように、複数の集合シュート要素が径方向に並べられて形成されている。この複数の集合シュート要素の上壁部により集合シュートの内壁が構成され、複数の集合シュート要素の底壁部により集合シュートの外壁が構成される。このため、集合シュートは、内壁および外壁が間隔を隔てて重ねられた二重構造を有する。
【0010】
このような集合シュートが装着された組合せ秤では、計量ホッパ内の被計量物が重量測定部により計量される。計量値に基づいて被計量物が所定重量になるように、複数の計量ホッパの組合せが決められる。この組み合わせられた複数の計量ホッパのそれぞれから上壁部の外面上または底壁部の内面上へ被計量物が供給される。そして、上壁部の外面上または底壁部の内面上を通過した被計量物は寄せ集められる。
【0011】
このように、集合シュートの内壁を形成する上壁部および外壁を形成する底壁部は、1つの筒状の集合シュート要素により構成されている。このため、集合シュート要素を脱着するだけで、集合シュート要素の内壁および外壁を同時に脱着することができ、脱着の手間および時間が省け、作業性に優れる。
【0012】
組合せ秤は、前記集合シュート要素の中に配置され、かつ前記底壁部と前記上壁部との間を仕切る仕切り板をさらに備えてもよい。ここで、並べられた複数の前記集合シュート要素内の前記仕切り板により形成される前記集合シュートの中壁の上面、および前記集合シュートの前記外壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成している。
【0013】
この構成によれば、仕切り板は、集合シュート要素の中に納められ、上壁部および底壁部の間に配置される。このため、複数の集合シュート要素が径方向に並べられると、複数の仕切り板により集合シュートの中壁が形成される。集合シュートにおいて、中壁は外壁と内壁との間に設けられる。このような集合シュートにおいて中壁の上面および外壁の内面が被計量物の集合経路となるため、組み合わされた複数の計量ホッパから供給された被計量物は中壁の上面上および外壁の内面上のそれぞれを滑り落ちて寄せ集められる。
【0014】
このように、集合シュートには中壁の上面および外壁の内面による2つの経路が設けられるため、処理能力が向上する。また、仕切り板は集合シュート要素の中に嵌められるため、集合シュートのサイズの大型化を抑制することができる。さらに、集合シュートの内壁は中壁を通る被計量物の経路のカバーとなるため、この経路への異物の混入を防ぎ、集合シュートを衛生的に保つことができる。
【0015】
組合せ秤は、前記集合シュートの前記外壁の内面および前記集合シュートの前記内壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成してもよい。
【0016】
この構成によれば、組み合わされた複数の計量ホッパから供給された被計量物は外壁の内面上および内壁の内面上を通過し寄せ集められる。このように、集合シュートにおいて2つの経路で被計量物が集められることにより、処理能力の向上が図られる。
【0017】
組合せ秤は、前記集合シュート要素の中に配置され、かつ前記底壁部と前記上壁部との間を仕切る仕切り板をさらに備えてもよい。ここで、並べられた複数の前記集合シュート要素内の前記仕切り板により形成される前記集合シュートの中壁の上面、前記集合シュートの前記外壁の内面および前記集合シュートの前記内壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成している。
【0018】
この構成によれば、仕切り板は、集合シュート要素の中に納められ、上壁部および底壁部の間に配置される。このため、複数の集合シュート要素が径方向に並べられると、並べられた複数の仕切り板により集合シュートの中壁が形成される。このような集合シュートにおいて、内壁の内面、中壁の上面および外壁の内面が被計量物の集合経路となるため、組み合わされた複数の計量ホッパから各径路に供給された被計量物はそれぞれの経路で集められる。
【0019】
このように、集合シュート要素の中に嵌められた仕切り板により、集合シュートのサイズの大型化を抑制しながら、集合シュートに3つの集合経路が設けられるため、処理能力の一層の向上が図られる。
【0020】
組合せ秤は、前記集合シュート要素の軸方向の一端部に配される第1係合部と、前記集合シュート要素の軸方向の他端部に配され、かつ前記集合シュート要素の中に挿入された前記仕切り板の一端部を支持する支持部と、前記仕切り板の他端部に配され、かつ前記第1係合部と係合される第2係合部とをさらに備えてもよい。
【0021】
この構成によれば、筒状の集合シュート要素の軸方向において、一端部に第1係合部が設けられ、他端部に支持部が設けられる。また、仕切り板の他端部に第2係合部が設けられる。このような筒状の集合シュート要素の中に仕切り板が挿入されると、仕切り板の一端部が支持部により支えられる。また、第1係合部が第2係合部に係合され、仕切り板の他端部が集合シュート要素に止められる。これにより、仕切り板が集合シュート要素に固定される。
【0022】
このように、仕切り板を集合シュート要素の中に挿入するだけで、仕切り板が集合シュート要素に保持されるため、仕切り板が集合シュートに簡単に装着される。また、仕切り板を集合シュート要素から抜き取るだけで、仕切り板が集合シュート要素から簡単に外される。
【0023】
また、仕切り板および集合シュート要素が分解されることにより、これらを洗浄し易く、これらを衛生的に保つことができる。
【0024】
組合せ秤は、前記第1係合部および前記第2係合部のいずれか一方の係合部が凹部で形成され、他方の係合部が前記凹部と嵌合する凸部で形成され、前記支持部は、前記集合シュート要素の内面から内側に突出する突起で形成されてもよい。
【0025】
この構成によれば、第1係合部および第2係合部において、凸部を凹部に嵌め込めば、仕切り板および集合シュート要素が簡単に固定される。また、仕切り板の一端部を支持部の突起に載せるだけで、仕切り板が集合シュート要素に手間なく固定される。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上に説明した構成を有し、集合シュートの脱着が容易な組合せ秤を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係る組合せ秤を側方から視た図である。
【図2】図1の組合せ秤を側方から視て一部を断面で示す模式図である。
【図3】図1の集合シュート及び計量ホッパを上方から視た図である。
【図4】図1の集合シュート要素の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る組合せ秤を側方から視て一部を断面で示す模式図である。
【図6】図5の集合シュート及びキャッチビンを上方から視た図である。
【図7】図5の集合シュートを構成する集合シュート要素の斜視図である。
【図8】図5の集合シュートを構成する仕切り板の斜視図である。
【図9】図8の仕切り板を図7の集合シュート要素の中に差し込む状態を示す斜視図である。
【図10】(a)および(b)は、図6の仕切り板を図5の集合シュート要素の中に配置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る組合せ秤100を側方から視た図である。図2は、組合せ秤100を側方から視て一部を断面で示す模式図である。図3は、集合シュート6及び計量ホッパ4を上方から視た模式図である。
【0031】
以下では、便宜上、図1の矢印に示すように、組合せ秤100において、一方側を右側とし、他方側(一方側の反対側)を左側として説明する。また、組合せ秤100の各構成要素から後述するセンター基体10の中心軸を向く方向を内側とし、その反対の方向を外側として説明する。
【0032】
[組合せ秤の構成]
この組合せ秤100は、集合シュート6の構成に特徴を有する。組合せ秤100の集合シュート6以外の構成は、周知の種々の構成を採用することができる。換言すると、集合シュート6の構成を、周知の種々のタイプの組合せ秤に適用することができる。組合せ秤100は、その中心に図2に示すセンター基体10を有する。センター基体10は、図1および図2に示すように、架台11に固定された複数本の脚12によって支持されている。架台11は図示されない複数本の支柱によって床上などに支持されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体10に取り付けられ、それらの駆動ユニット等がセンター基体10内に収納されている。
【0033】
分散フィーダ1は、被計量物を一時的に貯め、被計量物を振動によって放射状に分散させる部分である。分散フィーダ1は、円錐形であって、センター基体10の上部に設けられる。分散フィーダ1の周囲に複数のリニアフィーダ2が設けられている。
【0034】
リニアフィーダ2は、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむ部分である。各リニアフィーダ2の下方に複数、この実施例では24の供給ホッパ3が設けられている。
【0035】
供給ホッパ3は、被計量物を小分けにし、対応する計量ホッパ4に被計量物を供給する部分である。供給ホッパ3はセンター基体10の周囲に環状に配置されている。供給ホッパ3の下方に、複数、この実施例では24の計量ホッパ4が環状に配されている。
【0036】
計量ホッパ4は、被計量物を保持し、保持された被計量物が重量センサ5により計量され、且つ計量された被計量物を排出する部分である。計量ホッパ4は、供給ホッパ3と一対をなし、供給ホッパ3と対応するように、センター基体10の周囲に円状に配置されている。重量センサ5は、ロードセルなどで構成され、計量ホッパ4を支持するようにセンター基体10に取り付けられ、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測する。重量センサ5は、センター基体10内に収納されており、計測値を制御装置20へ出力する。
【0037】
計量ホッパ4は、その配置形状である円の内側方向へ被計量物を排出するための内側ゲート4aと外側方向へ被計量物を排出するための外側ゲート4bとを有する。計量ホッパ4内の被計量物は、内側ゲート4aおよび外側ゲート4bにより、内側方向および外側方向へ択一的に排出される。複数の計量ホッパ4の下方に集合シュート6が配置されている。
【0038】
集合シュート6は、複数の計量ホッパ4のそれぞれから排出された被計量物を集める部分である。集合シュート6は、逆円錐台形状の内壁6aおよび逆円錐台形状の外壁6bを有する。内壁6aが外壁6bに対して間隔を隔てて重ねられており、集合シュート6には内壁6aの内面および外壁6bの内面の2つの集合経路が備えられている。内壁6aは、外縁部(上端部)が内側ゲート4aの下方に位置するように配置される。外壁6bは、外縁部(上端部)が外側ゲート4bの下方に位置するように配置される。
【0039】
集合ファネル8は、集合シュート6から供給された被計量物を一時的に蓄え、排出する排出経路である。集合ファネル8は、中央の排出経路を構成する内上部ファネル8a及び内下部ファネル8cと、右側の排出経路を構成する右側外ファネル9aと、左側の排出経路を構成する左側外ファネル9bとを有している。
【0040】
内上部ファネル8aは、内上部ファネル右側部8aaと内上部ファネル左側部8abとで構成され、実質的に円状の上部開口を有する漏斗状の形状をなし、下端に開口部からなる排出口8dを有している。この内上部ファネル8aの排出口8dに漏斗状の内下部ファネル8cが取り付けられている。内上部ファネル8aは集合シュート6の内壁6aの内縁(下端)の下方に配置される。逆円錐台形状の内下部ファネル8c、逆円錐台形状の内上部ファネル8a、および逆円錐台形状の内壁6aは、この順で連なって1つの大きな逆円錐台形状を構成し、一連の集合経路および排出経路を形成する。
【0041】
右側外ファネル9aは、内上部ファネル8aの右側側方に沿って配設され、下端に開口部からなる排出口9aeを有している。右側外ファネル9aは、集合シュート6の外壁6b内縁(下端)の右半分の下方に配置される。
【0042】
左側外ファネル9bは、内上部ファネル8aの左側側方に沿って配設され、下端に開口部からなる排出口9beを有している。左側外ファネル9bは、集合シュート6の外壁6bの内縁(下端)の左半分の下方に配置される。
【0043】
制御装置20は、組合せ秤100全体の動作を制御する制御部である。制御装置20は架台11に配置されている。制御装置20は、たとえば、CPUと、このCPUの動作プログラム及び動作パラメータ等が記憶されているROM及びRAMのメモリ等とを備えたマイクロコントローラからなる。制御装置20は、ROMに記憶されている動作プログラムをCPUが実行することにより、分散フィーダ1及びリニアフィーダ2の振動動作を制御するとともに、供給ホッパ3および計量ホッパ4の排出ゲートの開閉動作を制御する。
【0044】
なお、制御装置20は、必ずしも単独の制御装置20で構成される必要はなく、複数の制御装置20が分散配置されていて、それらが協働して組合せ秤100の動作を制御するよう構成されていてもよい。
【0045】
[組合せ秤の動作]
組合せ秤100に供給された被計量物は、分散フィーダ1によって複数のリニアフィーダ2に分散され、更に各リニアフィーダ2によって、複数の供給ホッパ3にそれぞれ搬送される。各供給ホッパ3は、その下方に配置された計量ホッパ4が空になると、そのゲートが開放され、当該計量ホッパ4に被計量物を供給する。それぞれの計量ホッパ4に供給されかつ収容された被計量物の重量は、重量センサ5によって検出される。この検出されたそれぞれの計量ホッパ4の被計量物の重量が所定重量になるように、組合せ処理が行われる。
【0046】
この組合せ処理では、円状に配置された全ての計量ホッパ4のうち、右側半分の計量ホッパ4のグループAの中から、保持している被計量物の合計重量が所定重量範囲内(目標重量に対する許容範囲内)になり且つ最適な(例えば目標重量値に最も近い)計量ホッパ4の組合せ(以下、「組合せa」という)が1つ求められる。また、左側半分の計量ホッパ4のグループBの中から、保持している被計量物の合計重量が上記所定重量範囲内になり且つ最適な計量ホッパ4の組合せ(以下、「組合せb」という)が1つ求められる。さらに、全ての計量ホッパ4からなるグループCの中から、保持している被計量物の合計重量が上記所定重量範囲内になり且つ最適な計量ホッパ4の組合せ(以下、「組合せc」という)が1つ求められる。
【0047】
ここで、3つの組合せa、b、cが求められる際、同一の計量ホッパ4が2つ以上の組合せに含まれないようにする。また、グループAに含まれる計量ホッパ4の個数とグループBに含まれる計量ホッパ4の個数とは同数であることが好ましい。
【0048】
そして、組合せa、b、cに選択されている計量ホッパ4から被計量物が同時に排出される。このとき、たとえば、組合せa及び組合せbに選択されている計量ホッパ4については外側ゲート4bが開き、組合せcに選択されている計量ホッパ4については内側ゲート4aが開く。組合せaに選択されている計量ホッパ4から排出された被計量物は、集合シュート6の外壁6bの内面上及び右側外ファネル9aを滑り落ちて排出口9aeから排出される。組合せbに選択されている計量ホッパ4から排出された被計量物は、集合シュート6の外壁6bの内面上及び左側外ファネル9bを滑り落ちて排出口9aeから排出される。組合せcに選択されている計量ホッパ4から排出された被計量物は、集合シュート6の内壁6aの内面上、内上部ファネル8a及び内下部ファネル8cを滑り落ちて排出口8eから排出される。
【0049】
そして、各排出口9ae、9ae、8eから排出された被計量物は、集合ファネル8の下方に設けられた包装機(図示せず)に投入され、包装機によって包装される。
【0050】
なお、上記で説明した組合せ処理及び組合せa、b、cに選択されている計量ホッパ4から被計量物を排出させるタイミングは一例であり、上記例に限られるものではない。例えば、組合せa、b、cのそれぞれ時間をずらして求め、それに応じて組合せa、b、cに選択されている計量ホッパ4から被計量物を排出させるタイミングもずらすようにしてもよい。
【0051】
[集合シュートの構成]
図4は、集合シュート要素7の斜視図である。
【0052】
集合シュート6は、図1および図3に示すように、複数、この実施例では、8つの集合シュート要素7から構成されている。
【0053】
集合シュート要素7は、複数、この実施例では3つの計量ホッパ4から供給された被計量物が通過する経路である。隣接して配置された3つの計量ホッパ4の下方に、平面視においてこれらの計量ホッパ4に重なるように、各集合シュート要素7は配置される。
【0054】
集合シュート要素7は、図4に示すように、筒状であって、その軸方向に傾斜し、その上端面および下端面は開口している。上端面(上端開口)及び下端面(下端開口)は、実質的に水平であり、且つ部分円環状に形成されている。複数の集合シュート要素7は、それぞれの径方向に並べられて、全体として下方に向かって径が小さくなる筒状の集合シュート6を構成する。
【0055】
集合シュート要素7は、上壁部7a、底壁部7bおよび2つの側壁部7cを含む。集合シュート要素7は、たとえば、1枚の金属板を折り曲げ、その端どうしを溶接することにより形成される。
【0056】
底壁部7bは、弧状に曲げられて、円錐台形状の外壁6bの一部を構成する。このため、平面視における底壁部7bの弧の中心角は、360度を集合シュート要素7の数、8で割った角度、45度より少し小さく設定される。また、底壁部7bは、複数の平面領域を含む。平面領域の数は、対応する計量ホッパ4の数に合わせられ、この場合、3つに設定される。このため、円錐台形状の外壁6bは略24角形で形成されることにより、底壁部7bの曲げ角(角の内角)は約165度に設定される。
【0057】
底壁部7bは、その下端にフランジ7baが設けられる。フランジ7baは、底壁部7bから外側(集合シュート6の径方向外側)へ立ち上がる。底壁部7bのフランジ7baは、図2に示すように、集合シュート要素7がセンター基体10に取り付けられた際に、底壁部7bと右側および左側外ファネル9a、9bとの間の隙間を塞ぐ。これにより、フランジ7baは、この隙間から異物などが混入することを防ぐ。
【0058】
上壁部7aは、円錐台形状の内壁6aの一部を構成する。上壁部7aは、弧状に曲げられて、複数の平面領域を含む。平面視における上壁部7aの弧の中心角は、図6に示すように底壁部7bの弧の中心角より若干小さい。上壁部7aの平面領域の数は、底壁部7bの平面領域の数に一致し、この実施例では3つに設定される。上壁部7aの各平面領域は、向かい合う底壁部7bの各平面領域に平行に配置される。従って、平面視における上壁部7aの曲げ角度は、底壁部7bの曲げ角度に等しい。
【0059】
側壁部7cは、その下端にフランジ7caが設けられる。フランジ7caは、側壁部7cから外側(集合シュート6の周方向)へ立ち上がる。このフランジ7caは、図3に示すように、集合シュート要素7がセンター基体10に取り付けられた際に、隣接する集合シュート要素7の側壁部7cのフランジ7caと重なり、隣接する集合シュート要素7同士の隙間を塞ぐ。フランジ7caは、これにより、この隙間から異物などが混入することを防ぐ。
【0060】
側壁部7cは、その外面にブラケット7cbが設けられている。ブラケット7cbが架台11(図2)の脚12のフック(図示せず)に引っ掛けられることにより、集合シュート要素7はセンター基体10に取り付けられる。
【0061】
側壁部7cが略平行四辺形に形成されているため、側壁部7cに接合する上壁部7aおよび底壁部7bは、上壁部7aが底壁部7bの上側になるように傾斜する。
【0062】
上壁部7a、底壁部7bおよび2つの側壁部7cは、それぞれステンレスなどの金属で構成され、これらの表面は鏡面に仕上げられている。側壁部7cは、底壁部7bおよび上壁部7aとそれぞれ溶接などにより接合されている。側壁部7cと底壁部7bおよび上壁部7aとの接合部(稜部)は平面(面取り面)によって面取りされている。これらの接合角度(面取り面と側壁部7cまたは底壁部7bとの交差角)は、鈍角、たとえば135度に設定されている。また、上壁部7aおよび底壁部7bにおける曲げ角度は約165度である。このように、集合シュート要素7の中の角度は全て、人間の指が入ることができる大きさに設定される。
【0063】
このような8つの集合シュート要素7は、図1および図3に示すように、それぞれの上壁部7aが集合シュート6の内側を向き、底壁部7bが集合シュート6の外側を向くように配置される。また、各集合シュート要素7の側面が隣接する集合シュート要素7の側面と対向するように、8つの集合シュート要素7は並べられる。これにより、8つの集合シュート要素7の弧状の上壁部7aが連なって、逆円錐台形状の内壁6aが形成される。また、8つの集合シュート要素7の弧状の底壁部7bが連なって、逆円錐台形状の外壁6bが形成される。内壁6aは外壁6bの上に配置されることにより、集合シュート6は内壁6aおよび外壁6bの2重構造となる。
【0064】
[集合シュートの作用効果]
以上のように構成された集合シュート6によれば、筒状の集合シュート要素7は上壁部7aおよび底壁部7bを一体的に有している。上壁部7aおよび底壁部7bを組み立てたり、分解したりする必要がない。しかも、センター基体10を囲むように並べて各集合シュート要素7を装着するだけで、並べられた上壁部7aにより内壁6aが形成され、並べられた底壁部7bにより外壁6bが形成される。反対に、各集合シュート要素7を取り外せば、内壁6aおよび外壁6bが同時に取り外される。よって、集合シュート要素7の脱着で内壁6aおよび外壁6bを一度で脱着することができる。したがって、集合シュート6の脱着作業の時間および手間が省け、延いては、集合シュート6を洗浄しやすくなり衛生的に保つことができる。
【0065】
また、集合シュート要素7のフランジ7caにより集合シュート6と集合ファネル8との間の隙間および隣接する集合シュート要素7同士の間の隙間が塞がれる。このため、これらの隙間から異物の混入が防がれ、組合せ秤100における衛生面をより向上することができる。
【0066】
さらに、集合シュート要素7における内角は、すべて指が入る程度に大きく設定されている。このため、集合シュート要素7の内面に汚れなどが付着しても、指により汚れを落とすことができ、集合シュート要素7の衛生状態を良く維持することができる。
【0067】
また、被計量物が通る集合シュート要素7は筒状であって、その接合部は溶接されていることから、集合シュート要素7において隙間などがない。よって、被計量物が隙間などに詰まって腐食するなどの問題が防がれる。
【0068】
さらに、複数の底壁部7bの内面により形成される集合シュート6の外壁6bの内面と、複数の上壁部7aの外面により形成される集合シュート6の内壁6aの内面とが被計量物の集合経路を構成している。このように2つの集合経路により被計量物が集められることにより、処理能力が向上する。
【0069】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る組合せ秤100を側方から視て一部を断面で示す模式図である。図6は、集合シュート6及びキャッチビン40を上方から視た図である。
【0070】
実施形態1の集合シュート6では、図2に示すように、複数の集合シュート要素7の底壁部7bの内面により形成される集合シュート6の外壁6bの内面と、複数の集合シュート要素7の上壁部7aの外面により形成される集合シュート6の内壁6aの内面とが集合経路に用いられた。これに対して、実施形態2の集合シュート6では、図5および図6に示すように、複数の集合シュート要素7内の仕切り板30により形成される集合シュート6の中壁6cの上面と、集合シュート6の外壁6bの内面とが集合経路として用いられる。なお、実施形態2において実施形態1と同様の部分に関しては同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
[集合シュートおよび仕切り板の構成]
図7は、集合シュート6を構成する集合シュート要素7の斜視図である。図8は、集合シュート6を構成する仕切り板30の斜視図である。図9は、仕切り板30を集合シュート要素7の中に差し込む状態を示す斜視図である。図10(a)および図10(b)は、仕切り板30を集合シュート要素7の中に配置した状態を示す斜視図である。
【0072】
集合シュート要素7は、図7に示すように、その軸方向の一端部に配される第1係合部7dを有する。第1係合部7dは、一方の側壁部7cの上端に設けられる凸状係合部7daと、他方の側壁部7cの上端に設けられる凹状係合部7dbとを有する。凸状係合部7daは、矩形状の凸部で形成され、側壁部7cの上端から上方に突き出ている。凹状係合部7dbは2つの突出部の間の凹部で形成され、2つの突出部は側壁部7cの上端から上方に突出している。
【0073】
集合シュート要素7は、図10(b)に示すように、その軸方向の他端部に配される支持部7eを有する。支持部7eは、集合シュート要素7の中に挿入された仕切り板30の他端部を支持する突起で構成される。
【0074】
具体的には、支持部7eは、両側壁部7cの下端部の内面に溶接され、側壁部7cの内面から集合シュート要素7の内側に向かって突出する。支持部7eは、上壁部7aおよび底壁部7bに略平行に延び、仕切り板30を上壁部7aおよび底壁部7bと略平行に支持する。支持部7eと上壁部7aとの間の距離は、支持部7eと底壁部7bとの間の距離より少し短く設定され、支持部7eは少し底壁部7b側に配置される。このような配置の支持部7eにより仕切り板30は、底壁部7bと上壁部7aとの間の略中央に位置するように支持され、集合シュート要素7の中を二分する。
【0075】
仕切り板30は、図8に示すように、2つの側壁部32および、これら側壁部32の間に挟まれる隔壁部31を有する。仕切り板30は、たとえば、一枚の金属板を折り曲げることにより形成される。
【0076】
隔壁部31は、集合シュート要素7の上壁部7aと同様の形状であって、複数、この実施例では3つに曲げられて、弧状に形成される。
【0077】
側壁部32は、隔壁部31から折れ曲がって形成される。この屈曲角度は、集合シュート要素7の底壁部7bと側壁部7cとの成す角に合わせられる。これにより、図10(b)に示すように、仕切り板30が集合シュート要素7の中に嵌められた際、その側壁部32は集合シュート要素7の側壁部7cの内面に沿い、その隔壁部31は集合シュート要素7の上壁部7aおよび底壁部7bに平行に延在する。なお、側壁部32と隔壁部31との接合部は、集合シュート要素7における底壁部7bと側壁部7cとの接合部と同様に、面取り部を設ける(図10(b)を参照)ことにより、指が入る程度の角度、たとえば135度程度に曲げられている。
【0078】
仕切り板30は、図8に示すように、その一端部に配され、かつ第1係合部7dと係合される第2係合部33を備える。第2係合部33は、一方の側壁部32の上端に設けられる凹状係合部33aと、他方の側壁部32の上端に設けられる凸状係合部33bとを有する。凹状係合部33aは2つの突出部の間の凹部であって、2つの突出部は側壁部32の上端から外側へ張り出している。凸状係合部33bは、矩形状の凸部であって、側壁部32の上端から外側に張り出している。
【0079】
このような集合シュート要素7および仕切り板30を用いた集合シュート6を組合せ秤100に取り付ける場合、まず、図9に示すように、側壁部32が集合シュート要素7の上壁部7a側になるように、仕切り板30の下部が集合シュート要素7の上部開口から挿入される。このとき、側壁部32の外面は側壁部7cの内面に沿い、これらの間には実質的に隙間が形成されない。
【0080】
そして、図10(a)に示すように、集合シュート要素7の凸状係合部7daの凸部に凹状係合部33aの凹部が嵌められ、集合シュート要素7の凹状係合部7dbの凹部に凸状係合部33bの凸部が嵌められる。これにより、集合シュート要素7の上部における仕切り板30の上部の位置決めがなされるとともに仕切り板30の上端が集合シュート要素7の側壁部7cの上端によって保持される。また、凹状係合部33aおよび凸状係合部33bは、隣り合う2つの仕切り板30において、一方の仕切り板30の凹状係合部33aと他方の仕切り板30の凸状係合部33bとが嵌合するように構成されている。このため、集合シュート要素7が並べられた場合に、仕切り板30が互いに凹状係合部33aおよび凸状係合部33bにおいて干渉することが防止される。
【0081】
また、図10(b)に示すように、仕切り板30の下部が支持部7eの上壁部7a側の面に載せられて、集合シュート要素7の下部における仕切り板30の下部の位置決めがなされる。
【0082】
このようにして仕切り板30が装着された集合シュート要素7が、図5および図6に示すように、計量ホッパ4の下方に配置される。このとき、計量ホッパ4の内側ゲート4aの下に、上壁部7aと隔壁部31との間の領域が位置し、計量ホッパ4の外側ゲート4bの下に、底壁部7bと隔壁部31との間の領域が位置するように、集合シュート要素7が配置される。同様にして、全て、この実施例では8つの集合シュート要素7が、センター基体10の周りに取り付けられる。このように集合シュート要素7がセンター基体10を中心に環状に配置されると、全ての弧状の底壁部7bにより逆円錐台形状の外壁6bが形成され、全ての弧状の隔壁部31により逆円錐台形状の中壁6cが形成される。この外壁6bの内面および中壁6cの上面が集合シュート6の集合経路となる。なお、全ての弧状の上壁部7aにより形成される逆円錐台形状の斜面は、中壁6cの上面による集合経路のカバーとして用いられる。
【0083】
そして、右側半分に配置された4つの集合シュート要素7のそれぞれについて、底壁部7bの内縁(下端)と隔壁部31の内縁(下端)との間に右側外ファネル9aの上部開口が位置するように、集合シュート6の下方に右側外ファネル9aが配置される。また、左側半分に配置された4つの集合シュート要素7のそれぞれについて、底壁部7bの内縁(下端)と隔壁部31の内縁(下端)との間に左側外ファネル9bの上部開口が位置するように、集合シュート6の下方に左側外ファネル9bが配置される。さらに、8つ全ての集合要素のそれぞれについて、隔壁部31の内縁(下端)と上壁部7aの内縁(下端)との間に内上部ファネル8aの上部開口が位置するように、集合シュート6の下方に内上部ファネル8aが配置される。
【0084】
また、集合シュート要素7の下方で、逆円錐台形状のカバーの内側に逆円錐状のキャッチビン40が配置される。キャッチビン40の円状の上端は、カバーの円状の下端に合わせられることにより、カバーの下側開口はキャッチビン40により覆われる。
【0085】
このように集合シュート6が取り付けられた組合せ秤100において、被計量物は、実施例1と同様に、分散フィーダ1、リニアフィーダ2および供給ホッパ3により小分けにされ、計量ホッパ4に供給される。
【0086】
そして、被計量物は計量ホッパ4で計量され、計量値により組合せ処理が実行され、計量ホッパ4は3つの組合せa、b、cに分けられる。組合せa、b、cに選択されている複数の計量ホッパ4のそれぞれから被計量物が排出される。このとき、計量ホッパ4の外側ゲート4bから排出された被計量物は、集合シュート6の外壁6bの内面、つまり、底壁部7bの内面上を滑り落ちて、右側外ファネル9aおよび左側外ファネル9bを通過して排出口9ae、9beから排出される。また、計量ホッパ4の内側ゲート4aから排出された被計量物は、集合シュート6の中壁6cの上面、つまり、仕切り板30の隔壁部31上を滑り落ちて、内上部ファネル8aを通過して排出口8eから排出される。
【0087】
また、被計量物の中に異物などが含まれている場合、特に、被計量物より密度が大きな金属などの異物は、計量ホッパ4から集合シュート6の中壁6cの上面上に乗らずに、カバー、つまり、集合シュート要素7の上壁部7aの上に落下する。このため、異物は、中壁6cの上面および外壁6bの内面による集合経路に入らずに、カバー上を滑り落ち、キャッチビン40に入る。
【0088】
以上に説明したように、上記実施形態2によれば、仕切り板30を集合シュート要素7の中に挿入し、この仕切り板30が挿入された集合シュート要素7を架台11の脚12に取り付けるだけで、集合シュート6が形成される。この集合シュート6には中壁6cおよび外壁6bが形成されている。このため、仕切り板30の挿入という簡単な作業で、2つの集合経路を有する集合シュート6を容易に装着できる。反対に、集合シュート6を取り外す場合も、集合シュート要素7を架台11の脚12から取り外し、集合シュート要素7の中から仕切り板30を抜き取れば、2つの集合経路を有する集合シュート6を簡単に取り外すことができる。
【0089】
さらに、上記実施形態2によれば、集合シュート6の脱着の際、集合シュート要素7の装着および取り外しに加えて、仕切り板30を挿入したり抜き取ったりする必要があり、上記実施形態1に比べて、仕切り板30に関する手間がかかる。しかしながら、上記のとおり、仕切り板30の挿入および抜き取りは簡単である。また、集合シュート要素7の上壁部7aは、カバーとして利用され、中壁6cの上部を覆うため、中壁6cへの異物の混入が防げる。しかも、カバーの先に設けられたキャッチビン40によりカバー上を通過した異物が捕獲され、異物が集合経路から除去される。よって、集合経路における衛生面が一層向上されるため、衛生面において厳しい食品など被計量物を取り扱う際には、仕切り板30を用いた集合シュート6が適している。
【0090】
また、仕切り板30は集合シュート要素7から脱着が可能であるため、仕切り板30および集合シュート要素7をそれぞれ洗浄することができる。また、仕切り板30を取り外した集合シュート要素7の中の空間は大きくなることから、集合シュート要素7の中に手を入れて洗浄し易くなる。さらに、仕切り板30は、集合シュート要素7と同様に、その内角はすべて指が入る程度に大きく設定されている。このため、集合シュート要素7の内面に汚れなどが付着しても、指により汚れを落とすことができる。したがって、集合シュート要素7および仕切り板30の衛生状態を良く維持することができる。
【0091】
さらに、仕切り板30を支える支持部7eは集合シュート要素7の内面に溶接されており、支持部7eが外れて集合経路内に入ってしまうことが防がれる。
【0092】
また、集合シュート要素7の中に仕切り板30を嵌めることにより、中壁6c、外壁6bおよびカバーが形成される。このため、集合シュート6のサイズが大きくならずに、二重集合経路の集合シュート6にカバーが設けられる。
【0093】
さらに、仕切り板30の凹状係合部33aおよび凸状係合部33bは、それぞれ外側に突出しているが、集合シュート要素7が並べられた場合でも、凹状係合部33aおよび凸状係合部33bが嵌合して干渉せず、隣接する集合シュート要素7の間を狭くすることが可能である。
【0094】
なお、上記実施形態2では、並べられた複数の上壁部7aで形成される内壁6aの内面がカバーとして用いられたが、この内壁6aの内面を別の集合経路として用いることもできる。この場合、内壁6aの内面、中壁6cの上面および外壁6bの内面がそれぞれ集合シュート6の集合経路となる。そして、中壁6cの下方に、キャッチビン40に代えて、内ファネルが配される。また、中シュート部の下方に中ファネルが配され、外壁6bの下方に外ファネルが配される。
【0095】
また、上記実施形態2では、第1係合部7dおよび第2係合部33を凹部および凸部で形成したが、第1係合部7dおよび第2係合部33の形状はこれに限らない。また、第1係合部の一対の係合部7daおよび7dbが異なる形状を有するが、同じ形状であってもよい。
【0096】
さらに、上記実施形態2では、支持部7eを突起で形成したが、この形状に限定されない。
【0097】
なお、上記全ての実施形態では、3つの計量ホッパ4に対して1つの集合シュート要素7を設けたが、1つの集合シュート要素7に対応する計量ホッパ4の数はこれに限定されない。たとえば、1つの集合シュート要素7に1つの計量ホッパ4を対応させると、1つの集合シュート6を構成する集合シュート要素7の数は増える。しかし、集合シュート要素7の上壁部7aおよび底壁部7bの幅は狭くなるため、被計量物は上壁部7a上および底壁部7b上を斜めに滑り落ちずにまっすぐにすべり落ちやすい。まっすぐに滑り落ちる時間は、斜めに滑り落ちる時間より短いため、被計量物をより高速に処理することができる。
【0098】
また、上記全ての実施形態では、集合シュート要素7の底壁部7bおよび上壁部7aを曲げて弧状に形成したが、底壁部7bおよび上壁部7aを曲面で形成することもできる。
【0099】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の組合せ秤は、集合シュートの脱着が容易な組合せ秤等として有用である。
【符号の説明】
【0101】
4 計量ホッパ
5 重量センサ(重量測定部)
6 集合シュート
6a 内壁
6b 外壁
6c 内壁
7 集合シュート要素
7a 上壁部
7b 底壁部
7d 第1係合部
7e 支持部
8 集合ファネル
30 仕切り板
33 第2係合部
100 組合せ秤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量測定部と、
環状に配置され、被計量物を保持し、保持された前記被計量物が前記重量測定部により計量され、且つ計量された前記被計量物を排出するようそれぞれ構成された複数の計量ホッパと、
複数の前記計量ホッパの下方に配置され、複数の前記計量ホッパのそれぞれから排出された前記被計量物を集める集合シュートと、を備え、
前記集合シュートは、複数の筒状の集合シュート要素が全体として下方に向かって径が小さくなる筒状となるようにそれぞれの軸方向に傾斜しかつそれぞれの径方向に並べられて構成されており、かつ、
並べられた複数の前記集合シュート要素の底壁部の内面により形成される前記集合シュートの外壁の内面と、並べられた複数の前記集合シュート要素の上壁部の外面により形成される前記集合シュートの内壁の内面との少なくともいずれか一方が、前記被計量物の集合経路を構成している、組合せ秤。
【請求項2】
前記集合シュート要素の中に配置され、かつ前記底壁部と前記上壁部との間を仕切る仕切り板をさらに備え、
並べられた複数の前記集合シュート要素内の前記仕切り板により形成される前記集合シュートの中壁の上面、および前記集合シュートの前記外壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成している、請求項1記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記集合シュートの前記外壁の内面および前記集合シュートの前記内壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成している、請求項1記載の組合せ秤。
【請求項4】
前記集合シュート要素の中に配置され、かつ前記底壁部と前記上壁部との間を仕切る仕切り板をさらに備え、
並べられた複数の前記集合シュート要素内の前記仕切り板により形成される前記集合シュートの中壁の上面、前記集合シュートの前記外壁の内面および前記集合シュートの前記内壁の内面のそれぞれが前記被計量物の集合経路を構成している、請求項1記載の組合せ秤。
【請求項5】
前記集合シュート要素の軸方向の一端部に配される第1係合部と、
前記集合シュート要素の軸方向の他端部に配され、かつ前記集合シュート要素の中に挿入された前記仕切り板の一端部を支持する支持部と、
前記仕切り板の他端部に配され、かつ前記第1係合部と係合される第2係合部とをさらに備える、請求項2または4に記載の組合せ秤。
【請求項6】
前記第1係合部および前記第2係合部のいずれか一方の係合部が凹部で形成され、他方の係合部が前記凹部と嵌合する凸部で形成され、
前記支持部は、前記集合シュート要素の内面から内側に突出する突起で形成される、請求項5に記載の組合せ秤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−92408(P2013−92408A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233609(P2011−233609)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)