説明

組合せ計量・計数装置

【課題】集合シュートに投入された組合せ計量1回分の物品を、速度差を生じることなく集合させて、塊の状態で排出する。
【解決手段】複数のホッパと、各ホッパに投入された物品の重量または個数を組合せて、許容範囲内となる物品の組合せを選択する組合せ計量・計数装置であって、ホッパから排出された物品を集合して排出する集合シュートが、上段シュート部と下段シュート部とからなり、上段シュート部が、傾斜角度θ1の直線状の傾斜面Aを有し、下段シュート部が、上下に配置された少なくとも2つの内壁面BおよびCを有し、BおよびCは、それぞれ互いに異なる傾斜角度θ3、θ4を有して直線状に傾斜し、それぞれの傾斜角度は、θ4>θ3>θ1の関係にあり、内壁面BおよびCの上下両端が、物品の自然落下の経路となる放物線の径方向外側近傍に位置することにより、上段シュートから排出された物品が、放物線を描いて排出口に達することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばポテトチップスやキャンデーなどの物品の重量または個数を組合せて、許容範囲内となる物品の組合せを選択する組合せ計量・計数装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組合せ計量・計数装置は、物品を計量する複数のホッパと、下端の排出口に向かって傾斜する滑走面を有する漏斗状の集合シュートを備えている。物品は、各ホッパに投入されて個々に計量され、この計量値が組合せ演算され、許容範囲内の重量または個数となる組合せ計量1回分の物品が、ホッパから集合シュートに投入される。集合シュートに投入された物品は、集合シュートの滑走面を滑走しながら排出口へと送られ、この排出口から排出されて、下方の包装機による袋詰め作業が行われる(特開平8ー193871号)。
【0003】
ところで、物品の包装作業は、コスト低減を図るため、できるだけ高速化することが要求されている。しかし、以上の装置では、前記ホッパからの物品が集合シュートの滑走面上を滑走しながら下端の排出口に送られるので、滑走面との摩擦抵抗により個々の物品の滑走速度に差が生じ易い。その結果、組合せ計量1回分の物品が長い列となって排出口に送られるので、全ての物品が排出口を通過し終わるまでの時間が長くなる。このように、組合せ計量1回分の物品が排出口を通過するまでの時間が長くなると、次回のホッパを開放するタイミングおよび包装機により包装袋の開口を封止するタイミングが遅れることになる。このことが計量・計数作業および包装作業の高速化を妨げる要因となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、集合シュートに投入された組合せ計量1回分の物品を、速度差を生じさせることなく塊りの状態で速やかに排出口へ送り、この塊り状態の物品を排出口からまとめて一挙に排出して、計量・計数作業の高速化を行うことができる組合せ計量・計数装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のホッパと、各ホッパに投入された物品の重量または個数を組合せて、許容範囲内となる物品の組合せを選択する組合せ計量・計数装置であって、前記ホッパから排出された物品を集合して下端の排出口から排出する集合シュートの上段シュート部が、前記ホッパから排出された物品を一まとめにして放出させ、放出された物品が放物線を描いて前記排出口に達するような形状および傾斜角度に設定されている。
【0006】
以上の構成によれば、各ホッパから組合せ計量1回分の物品が集合シュートの上段シュート部に投入され、この上段シュート部の排出端から、一まとめにされた集合物となって、集合シュートの排出口に向かって放物線を描きながら自然落下する。このため、集合シュートの上段シュート部を出た個々の物品は、集合シュートの他の部分にほとんど接触することなく、つまり集合シュートによる摩擦抵抗をさほど受けることなく、塊り状態で排出口に速やかに集められる。これによって、次回のホッパを開放するタイミングを早くすることができて、計量・計数作業の高速化が可能となる。
【0007】
また、本発明では、前記上段シュート部におけるホッパの下方位置に、ホッパから排出された物品が集合シュートの周方向に拡散するのを阻止する仕切り部材を設けることが好ましい。このようにすれば、ホッパから上段シュート部への投入時に跳ね返って飛び散り易い、例えばキャンデーなどの物品であっても、前記仕切り部材により物品が上段シュート部上で周方向に広がろうとするのが阻止される。これにより、物品は排出口に最短距離で到達する結果、上下に長い列とならずに、塊り状態となって排出口を通過するので、計数・計量作業の一層の高速化が可能となる。
【0008】
さらに、本発明では、前記集合シュートが、前記上段シュート部と、その下方に配置された下段シュート部とを有し、前記両シュート部のうち少なくとも下段シュート部が、上下に配置された複数の内壁面を有し、各内壁面が、互いに異なる傾斜角度を持って直線状に傾斜しており、かつ、上下両端が、物品の自然落下の経路となる放物線上もしくはその径方向外側近傍に位置していることが好ましい。このようにすれば、少なくとも下段シュート部は、その内壁面が直線的な傾斜面で形成されているから、板材の曲げ加工によって容易に得られ、製造コストも低減する。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記ホッパの径方向外方の外壁が、前記上段シュート部の内底面となす角度が小さくなるように傾斜しており、ホッパ内の物品の排出を制御するゲートが、ホッパの径方向内側に位置する水平な支持軸心の回りに回動自在に取り付けられている。
【0010】
このように、前記ホッパの径方向外方の外壁を上段シュート部の内底面に対する角度が小となるように傾斜させることにより、物品が上段シュート部と衝突する角度が浅くなって衝撃力が小さくなるので、例えばポテトチップスのような破損し易い物品であっても、これの破損を招くことなくスムーズにホッパから上段シュート部に投入できる。また、前記ゲートは、ホッパの径方向内側に設けた水平な支持軸心を中心に回動するので、上記のようにホッパの外壁を傾斜させても、このホッパと上段シュート部との間に大きな空間を設けることなく、これら両者を近付けた状態でゲートを大きく開放させることができる。
【0011】
このように、ホッパと上段シュート部を近付けて配置したことにより、これら両者間の物品の投下距離を小として、物品の上段シュートに対する衝突速度を小さくできる。このため、ホッパからの物品を、破損を抑制しながら、上段シュート部に投下させ、また上段シュート部上で物品が上段シュートに衝突して周方向に拡散するのを抑制して、個々の物品を塊り状態で速やかに排出口に送ることができる。さらに、物品が、上部シュート部に投入される直前までホッパにより案内されるので、物品の落下運動を所望の方向に方向付けできる。
【0012】
ここで、仮に両者を近付けた状態でゲートをホッパの径方向外側の支持軸心に支持させると、前記ゲートが開くとき、その先端が上段シュート部の内底面に接触するので、ゲートを大きく開放することができない。これに対し、ゲートをホッパの径方向内側の支持軸心に支持させると、ゲートは上段シュート部の内底面とは反対方向に向かって開かれるので、前記両者を近付けた状態でもゲートを大きく開放させることができ、これにより、ホッパからの物品を上段シュート部上にまとめて一挙に投下できる。
【0013】
本発明の他の実施形態では、前記ホッパに、ホッパ内の物品の排出を制御するゲートが設けられ、ホッパにおけるゲートの閉止位置よりも下方に、ゲートが開くときに物品が周方向に拡散するのを阻止する第1仕切り部を、ホッパ側壁に延設している。さらに他の実施形態では、前記ゲートに、これが開くときに物品が周方向に拡散するのを阻止する第2仕切り部を直接設けている。
【0014】
このようにすれば、前記ゲートを開いてホッパ内の物品を上段シュート部に投下するとき、この物品の周方向への拡散が前記第1または第2仕切り部により抑制される。これにより、個々の物品が塊り状態で速やかに上段シュート部に送られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付のクレーム(請求の範囲)によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品符号は同一部分を示す。
【0016】
以下、本発明を添付の図面に従って詳細に説明する。
図1の組合せ計量・計数装置は、床に設置された基台1上に複数の支持脚10を介して支持ケース2が取り付けられ、この支持ケース2の上部中央には、加振器31を備えた偏平な円錐状の振動式分散フィーダ3が配置されている。この分散フィーダ3の外周の下方には、それぞれ加振器41を備えた複数の振動式フィーダ4が放射状に配置されている。
【0017】
前記各フィーダ4の先端下方には、これら各フィーダ4に個々に対応する複数のプールホッパ5が、同一水平面内で周方向に円形状に配置されている。
【0018】
この各プールホッパ5の下端には、それぞれ内部に収容された物品Mを排出する排出口51が設けられており、この排出口51は、径方向内方側が高く、径方向外方側が低くなるように傾斜させている。この排出口51には、これを開閉して物品Mの排出を制御する第1ゲート52が斜め方向に取り付けられている。この第1ゲート52は、前記プールホッパ5の径方向内方側に位置する水平な支持軸53に支持部材54を介して回動可能に支持され、また、前記ゲート52には操作用突杆55が設けられ、この突杆55を複数の操作アーム56を介して回動操作することにより、同図実線の閉鎖位置から仮想線で示すほぼ垂直姿勢となる開放位置の範囲で開閉される。
【0019】
さらに、前記各プールホッパ5の下方で支持ケース2の外周部には、ロードセルを有する計量部60を備えた複数の計量ホッパ6が、前記各プールホッパ5に個々に対応させて、同一水平面内で周方向に円形状に配置されている。
【0020】
前記各計量ホッパ6の下端には、前記プールホッパ5の場合と同様に、内部に収容された物品Mを排出する排出口61が設けられており、この排出口61は、径方向内方側が高く、径方向外方側が低くなるように傾斜して、径方向内方寄りに斜め下方に向かって開口している。この排出口61には、これを開閉して物品Mの排出を制御する第2ゲート62が設けられている。この第2ゲート62は、前記計量ホッパ6の径方向内方側に位置する水平な支持軸63に支持部材64を介して回動可能に支持され、また、前記ゲート62には操作用突杆65が設けられ、この突杆65を複数の操作アーム66を介して回動操作することにより、同図実線の閉鎖位置から仮想線で示すほぼ垂直姿勢となる開放位置の範囲で開閉される。なお、前記支持ケース2の内部には、前記第1および第2ゲート52,62を駆動する駆動装置などが収容されている。
【0021】
前記計量ホッパ6の下方には、これから排出された物品Mを集合させて下端の排出口70から排出するほぼ漏斗状の集合シュート7が設けられている。この集合シュート7は、計量ホッパ6の真下に位置する逆裁頭円錐形状の上段シュート部71と、その下方に配置された同形状で小形の下段シュート部77とを備えている。
【0022】
前記上段シュート部71は、前記計量ホッパ6から排出された物品Mを受け止め、その内底面71aに沿って矢印Sで示すように下方に滑走させ、上段シュート部71の排出端71bから排出される物品Mが、一まとめにされた集合物となって、放物線Pを描きながら自然落下して下端の排出口70に達するような形状および傾斜角度に設定されている。このとき、前記内底面71aを直線状に傾斜する面で形成し、その水平面に対する傾斜角度θ1を例えば48〜53°に設定すると、前記計量ホッパ6から上段シュート部71に供給された組合せ計量1回分の物品Mが、上段シュート部71の下端の排出端71bから上下に短い塊り状の集合物となって排出口70に達する。
【0023】
前記計量ホッパ6の径方向外方の外壁6aは、これから上段シュート部71に物品Mをスムーズに投入するため、このシュート部71の内底面71aとなす角度θ2ができるだけ小さくなるように傾斜している。
【0024】
前記上段シュート部71における計量ホッパ6の下方位置には、これから排出される物品Mが周方向に拡散するのを阻止する複数の仕切り部材72が設けられている。前記上段シュート部71は、図2Aに示すように、周方向に分割された複数の分割体73により形成して、各分割体73を周方向に配置し、全体を逆裁頭円錐に近似した形状にしている。この分割体73は、扇状の板部材からなり、図2Bに示すように、これを折り曲げ加工することにより板部材に複数の皺状の突部を一体に形成して、この突部を前記仕切り部材72としている。分割体73の内底面71aも、放射方向に延びる曲折ライン76に沿って、このライン76が径方向外方へ凸となるように曲折されて、物品Mを放射方向に沿って真っ直ぐ下方にガイドするようになっている。同図中、74は分割体73を外面および両端のフランジ75で支持する支持部材で、この支持部材74は、図示しない取付フレームを介して支持脚10に支持されている。
なお、前記仕切り部材72は別部材で作成して、上部シュート部71に取り付けてもよい。
【0025】
図1に示すように、下段シュート部77は上下2つに分割されていて、その第1および第2の分割体78,79はそれぞれ、逆裁頭円錐形状の板材で形成されている。したがって、第1および第2の分割体78,79は、その第1および第2の内壁面78a,79aが、集合シュート7の中心軸Cを含む鉛直断面において直線状に傾斜している。さらに、各内壁面78a,79aの傾斜角度θ3,θ4は、互いに異なり、かつ、後者θ4が前者θ3よりも大きく設定されている。こうして、両内壁面78a,79aが上段シュート部71の内底面71aから斜め下方に延びる放物線Pにほぼ沿うように配置されている。つまり、放物線Pに対し、各内壁面78a,79aの下端が放物線P上に位置し、上端が放物線Pの径方向外側の近傍に位置するように配置されている。第1の分割体78の下端部78bは第2の分割体79の上端部79uの内側に嵌まり込む形で、上下方向に若干重合している。このようにすれば、前記下段シュート部77が、複数の単純な円錐形の分割体78,79により容易に得られる。
【0026】
例えば、前記上段シュート部71の内底面71aの水平面に対する傾斜角度θ1を約48°に設定する場合、前記第1の分割体78の内壁面78aの水平面に対する傾斜角度θ3は約54°に、また第2の分割体79の内壁面79aの水平面に対する傾斜角度θ4は約66°に、それぞれ設定する。このように設定すれば、前記上段シュート部71の排出端71bを出た物品Mは、各分割体78,79の内壁面78a,79aにほとんど接触することなく、つまり各分割体78,79による摩擦抵抗をほとんど受けることなく、放物線Pを描きながら下端の排出口70に向かって自然落下する。前記上段シュート部71および下段シュート部77の各分割体78,79は、図示しない支持部材を介して前記本体フレーム1に支持されている。
なお、この下段シュート部77の場合と同様に、前記上段シュート部71を上下複数の分割体で形成してもよい。
【0027】
図1の実施形態では、前記分散フィーダ3の上部側に複数の支柱81と支持フレーム82を介して投入シュート8を設け、これの上部側には投入シュート8に物品Mを供給する搬送コンベア9を配設している。また、前記下段シュート77の下部側には排出シュート11を設けて、これの下方に包装機12を配置している。同図中、13は前記排出シュート11の中途に設けた金属検出器で、物品Mに混入する金属を検出するためのものである。14は排出シュート11の支持フレームである。
【0028】
つぎに、以上の構成とした組合せ計量・計数装置の作用について説明する。
まず、搬送コンベア9で搬送されて投入シュート8から投入された物品Mは、振動する分散フイーダにより周方向に分散されながら、振動するフィーダ4に送られ、ここから各プールホッパ5に送られ、ここで一時的にプールされる。この後、物品Mは,第1ゲート52の開動作により各プールホッパ5の排出口51から排出されて各計量ホッパ6に投入される。ここで、計量ホッパ6に連結されたロードセルを含む計量部60が、投入された物品Mの重量を計量する。この計量部60での計量値は、図示しないマイクロコンピュータからなる制御装置に送られ、これにより物品Mの合計重量(組合せ重量)または合計個数(組合せ個数)が許容範囲内に入る計量ホッパ6が組合せ選択される。この許容範囲は、例えば、目標値を下限値とし、これよりも若干大きい値を許容上限値とする範囲に設定される。
【0029】
計量ホッパ6が組合せ選択されると、制御装置からの制御信号により計量ホッパ6に設けた第2ゲート62が開かれて、組合せ計量1回分の物品Mが、集合シュート7の上段シュート部71に投入され、その内底面71aに沿って矢印Sの方向に下方へ滑走し、排出端71bから放物線Pに沿って自然落下して排出口70に達する。このとき、下段シュート75の分割体78,79の内壁面78a,79aは放物線P上の折れ線にほぼ沿った形状であるから、上段シュート部71の排出端71bを出た物品Mは、前記各分割体78,79にほとんど接触することなく、そのまま放物線Pを描いて排出口70に到達する。したがって、下段シュート部77による摩擦抵抗によって個々の物品Mの滑走速度および滑走時間(排出時間)に差が生じるのが抑制されるので、物品Mは、下方の排出口70に塊りの状態で集められる。
【0030】
また、前記上段シュート部71には、複数の仕切り部材72が形成されているので、計量ホッパ6から投入された物品Mが、上段シュート部71上で散らばって周方向に広がりながら落下しようとしても、これが仕切り部材72により阻止される。このため、上段シュート部71への投入時に跳ね返って両側方に跳び散り易い、例えばキャンデーなどのような物品Mであっても、この物品Mの跳び散りが仕切り部材72により抑制されて、物品Mは排出口70に最短距離で到達する結果、上下に長い列とならずに、塊りの状態で速やかに集められる。
【0031】
さらに、前記計量ホッパ6の径方向外方の外壁6aは、上段シュート部71の内底面71aとなす角度θ2が小さくなるように傾斜しているので、例えばポテトチップスのような破損し易い物品Mであっても、破損を招くことなくスムーズに計量ホッパ6から上段シュート部71に投下される。また、前記計量ホッパ6の排出口61に設ける第2ゲート62は、計量ホッパ6の径方向内方側に位置する水平な支持軸63を中心に回動するので、以上のように、前記角度θ2が小さくなるように設定した場合でも、前記第2ゲート62を開閉するために計量ホッパ6と上段シュート部71との間に大きな空間を設けることなく、これら両者を互いに近付けた配置としながら、第2ゲート62を大きく開放させられる。
【0032】
つまり、図1のように、両者を近付けて配置しても、第2ゲート62は計量ホッパ6の径方向内方側の支持軸63を中心に上段シュート部71の内底面71aから離れる方向に向かって開かれるので、この内底面71aに阻害されることなく、第2ゲート62を同図仮想線で示す垂直姿勢となるように大きく開放させることができる。このため、計量ホッパ6から上段シュート部71に物品Mをまとめて一挙に投下させられる。
【0033】
また、計量ホッパ6と上段シュート部71を近付けて配置することにより、これら両者間の物品Mの投下距離が小となり、物品Mの上段シュート71に対する衝突速度が小となる。このため、計量ホッパ6から物品Mを、破損することなく上段シュート部71に投下させ、また上段シュート部71上で物品Mが周方向に拡散するのを抑制して、個々の物品Mを塊り状態として速やかに排出口70に送れる。
【0034】
前記排出口70に集められた物品Mは、塊り状態でまとめて排出シュート11から下方の包装機12に速やかに投入される。これにより、次回の計量ホッパ6を開放するタイミングおよび包装機12により包装袋の開口を封止するタイミングを早くすることができて、計量・計数作業および包装作業の高速化が可能となる。
【0035】
なお、下段シュート部77は、図3に示すように、上下に複数の直線状に傾斜した内壁面を有する一体物で形成してもよい。この場合、複数の円錐体78A,79Aを上下に並べて、溶接で接合すれば、製造が容易になる。また、下段シュート部77は横断面円形の円錐体でなく、横断面多角形の複数の角錐体を上下に配置したものでもよい。
【0036】
つぎに、図4の第2実施形態では、前記計量ホッパ6に、その第2ゲート62の実線で示した閉止位置よりも下方に突出する第1仕切り部66を一体に延設している。この第1仕切り部66は、計量ホッパ6の外壁から延びる底壁66aと、計量ホッパ6の両側壁6bから延びて、底壁66aの両側に位置する側壁66bとで概略コ字形状に形成されている。
【0037】
さらに、図5の第3実施形態では、前記第2ゲート62の両側部に、これの閉止時に計量ホッパ6の外側方に位置する平行な2枚の側板67aからなる第2仕切り部67を設けている。
【0038】
図4および図5において、二点鎖線で示すように前記第2ゲート62を開いて計量ホッパ6内の物品Mを上段シュート部71に投入するとき、この物品Mの周方向への拡散が前記第1または第2仕切り部66,67により抑制される。これにより計量ホッパ6からの個々の物品Mが、塊り状態で速やかに上段シュート部71に送られる。なお、前記第1仕切り部66は、第2仕切り部67と同様に、底壁66aのない2枚の側板で形成してもよい。
【0039】
以上のとおり図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる組合せ計量・計数装置を一部切り欠いて示す概略的な正面図である。
【図2A】同装置に用いられる集合シュートの上段シュート部を示す平面図である。
【図2B】図2AのII−II線断面図である。
【図3】同装置の下段シュート部の変形例である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す計量ホッパと上段シュート部の一部切欠いた側面図である。
【図5】同じく第3実施形態を示す計量ホッパと上段シュート部の一部切欠いた側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホッパと、各ホッパに投入された物品の重量または個数を組合せて、許容範囲内となる物品の組合せを選択する組合せ計量・計数装置であって、
前記ホッパから排出された物品を集合して下端の排出口から排出する集合シュートの上段シュート部が、前記ホッパから排出された物品を一まとめにして放出させ、放出された物品が放物線を描いて前記排出口に達するような形状および傾斜角度に設定されている組合せ計量・計数装置。
【請求項2】
請求項1において、前記上段シュート部におけるホッパの下方位置に、ホッパから排出された物品が集合シュートの周方向に拡散するのを阻止する仕切り部材が設けられている組合せ計量・計数装置。
【請求項3】
請求項2において、前記仕切り部材は前記上段シュート部に折り曲げ加工で一体形成されている組合せ計量・計数装置。
【請求項4】
請求項1において、前記集合シュートは、前記上段シュート部と、その下方に配置された下段シュート部とを有し、前記両シュート部のうち少なくとも下段シュート部が、上下に配置された複数の内壁面を有し、各内壁面が、互いに異なる傾斜角度を持って直線状に傾斜しており、かつ、各内壁面の上下両端が、物品の自然落下の経路となる放物線上もしくはその径方向外側近傍に位置している組合せ計量・計数装置。
【請求項5】
請求項4において、前記下段シュート部は、上下複数に分割され、各分割体が円錐体の一部を構成する板材で形成されている組合せ計量・計数装置。
【請求項6】
請求項1において、前記ホッパの径方向外方の外壁が、前記上段シュート部の内底面となす角度が小さくなるように傾斜しており、ホッパ内の物品の排出を制御するゲートが、ホッパの径方向内側に位置する水平な支持軸心の回りに回動自在に取り付けられている組合せ計量・計数装置。
【請求項7】
請求項1において、前記ホッパに、ホッパ内の物品の排出を制御するゲートが設けられ、ホッパにおけるゲートの閉止位置よりも下方に、ゲートが開くときに物品が周方向に拡散するのを阻止する第1仕切り部がホッパ側壁に延設されている組合せ計量・計数装置。
【請求項8】
請求項1において、前記ホッパに、ホッパ内の物品の排出を制御するゲートが設けられ、前記ゲートに、ゲートが開くときに物品が周方向に拡散するのを阻止する第2仕切り部が設けられている組合せ計量・計数装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−279054(P2007−279054A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136364(P2007−136364)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【分割の表示】特願2001−548912(P2001−548912)の分割
【原出願日】平成11年12月24日(1999.12.24)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)