説明

組合せ計量装置

【課題】被計量物として粘着物を扱う場合でも、被計量物を正常に計量ホッパ内へ投入することが可能な組合せ計量装置を提供する。
【解決手段】組合せ計量装置2では、分散テーブル32を中心とする周方向に沿って複数配置されたプールホッパ24に対して、分散テーブル32の外周側に配置された供給フィーダ31から供給される商品Cをスムーズに投入するために、互いに隣接するプールホッパ24の隣接部分に沿ってその上方に配置された回転軸41aを中心にして回転する回転体41を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の計量ホッパにおける計量結果に基づいて組合せ計量を行う組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、菓子や果物など個々の重量にばらつきがある被計量物を、許容範囲内の合計重量になるように組合せ計量を行う組合せ計量装置が用いられている。
例えば、特許文献1,2には、被計量物を複数のプールホッパへ分散して搬送し、その下方に設けられた計量ホッパ内に保持された被計量物の各重量を計量するとともに、それらの計量結果を用いて組合せ演算を行うことによって、被計量物を排出する計量ホッパの組合せを決定する組合せ計量装置が開示されている。
【0003】
そして、これらの組合せ計量装置では、例えば、生肉等のように振動を吸収し易い被計量物を扱うことを想定し、回転分散部の外周側に設けられた棒状のレバーを用いて被計量物をプールホッパに対して強制的に掻き入れている。
これにより、振動を吸収し易い被計量物を各プールホッパ内へ確実に投入することができる。
【特許文献1】特開2005−77177号公報(平成17年3月24日公開)
【特許文献2】実開平7−038927号公報(平成7年7月14日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の組合せ計量装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された組合せ計量装置では、分散フィーダ上に設けられたレバーを用いて被計量物を計量ホッパ内へ掻き入れているが、被計量物が粘着物の場合にはレバー等に被計量物がくっついてプールホッパ内へ被計量物を掻き入れられないおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、被計量物として粘着物を扱う場合でも、被計量物を正常に計量ホッパ内へ投入することが可能な組合せ計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る組合せ計量装置は、複数のホッパと、供給部と、回転体と、を備えている。複数のホッパは、被計量物を貯留する。供給部は、複数のホッパに対して、上方から被計量物を供給する。回転体は、複数のホッパ同士が互いに隣接する部分の上方に沿ってそれぞれ配置された回転軸を中心として回転する。
ここでは、上部に配置された供給部から搬送されてくる被計量物を円滑に各ホッパに対して供給するために、複数のホッパが隣接する部分上に沿って配置された回転軸を中心に回転する回転体を設けている。
【0007】
ここで、被計量物として生肉や漬物等のような粘着物や綿のような軽量のもの等を扱う場合には、ホッパ同士が隣接する側の壁面の上部に被計量物が引っ掛かったりする場合がある。このため、ホッパに対してスムーズに被計量物を投入するために、ホッパの上部に、強制的に被計量物をホッパに対して振り分けるための掻き入れレバー等を配置した組合せ計量装置が用いられているが、今度はそのレバーに対して被計量物がくっついて被計量物をスムーズに投入することができなくなるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の組合せ計量装置では、ホッパ同士が隣接する部分に沿ってその上方に回転体を設けている。
これにより、各ホッパの間、つまりホッパ同士が隣接する部分に対して上方から供給部が被計量物を供給した場合には、回転体がフリーで、あるいは強制的に回転することで隣接するいずれか一方のホッパに対して円滑に被計量物を投入することができる。
【0009】
第2の発明に係る組合せ計量装置は、第1の発明に係る組合せ計量装置であって、回転体を脱着する脱着機構を、さらに備えている。
ここでは、上述した各ホッパが互いに隣接する部分の上方に設けられた回転体が、脱着機構によって着脱可能な状態で取り付けられている。
これにより、被計量物として食品等を扱う場合でも、回転体を着脱して洗浄する等の処理が可能になるため、清掃性および清掃時における作業性に優れた組合せ計量装置を提供することができる。
【0010】
第3の発明に係る組合せ計量装置は、第1または第2の発明に係る組合せ計量装置であって、回転体は、回転可能な状態で取り付けられている。
ここでは、機械的に回転駆動されるのではなく、上からの落下物の重みによってフリーで回転する回転体を用いている。
これにより、ある程度の重量を持つ被計量物が上方から落ちてきた場合には、その被計量物の重心位置および落下方向に応じた方向にフリーで回転することで、被計量物をホッパ内へスムーズに投入することができる。
【0011】
第4の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、回転体を回転駆動する駆動部を、さらに備えている。
ここでは、駆動部によって、機械的に回転体を所定の方向に回転させる。
これにより、供給部から回転体上に落下してきて回転体上に引っ掛かった被計量物を、回転体をいずれか一方の方向に強制的に回転させることで、スムーズにホッパ内へと投入することができる。
【0012】
第5の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、回転体は、外周面に複数の羽根部材を有している。
ここでは、外周面に羽根部材を有する回転体を用いている。
これにより、上方の供給部から落下してくる被計量物に対して、羽根部材が接触することで、さらに効果的に被計量物の円滑なホッパへの投入が可能になる。
【0013】
第6の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、回転体は、ローラ形状を有している。
ここでは、ローラ形状の回転体を用いる。
これにより、上方の供給部から落下してくる被計量物は、ローラ形状の回転体の外周面に接触して回転体が回転することで、効果的に隣接するホッパのいずれか一方に対して供給することができる。特に、被計量物が、例えば綿等の軽量物である場合には、ローラ形状であることにより、回転体上に落下してきた被計量物を、効果的にホッパに対して振り分けることができる。
【0014】
第7の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、ホッパは、底部分に配置されたゲートを開閉する開閉機構を有しており、回転体は、開閉機構によるゲートの開閉に同期して回転する。
ここでは、ホッパの下部開口の開閉動作に同期して回転体を回転させる。
これにより、例えば、ホッパが開状態へ移行した際に回転体を回転させることで、ホッパの開閉動作のタイミングに合わせて回転体上に落下してきた被計量物をホッパに対して投入することができる。また、ホッパが開状態へ移行する動作時に回転体を回転させた場合には、回転体によって振り分けられた被計量物を、そのままホッパから排出することができる。
【0015】
第8の発明に係る組合せ計量装置は、第7の発明に係る組合せ計量装置であって、回転体は、少なくとも一方の端部付近に歯車を有している。
ここでは、互いに隣接するホッパの間の上部にホッパのゲートの開閉に同期して回転する回転体を設けた組合せ計量装置において、回転体の端部に歯車を形成している。
これにより、ホッパのゲートの開閉に同期して回転体を回転させる際に、ゲートの開閉動作に伴って所定ピッチ分だけ回転体を回転させることができる。この結果、毎回のゲートの開閉に伴って回転体を十分に回転させることができるため、被計量物を確実に回転体上から落下させることができる。
【0016】
第9の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、供給部は、略鉛直方向に沿って配置された回転軸を中心として回転し、外周方向に向かって被計量物を搬送する回転分散部を含んでいる。
ここでは、供給部として、例えば、傘形状の回転分散部を用いている。
これにより、回転分散部としての供給部の周辺に均等に複数のホッパを配置することで、供給部の回転に伴って発生する遠心力によって、周方向に配置された複数のホッパに対してほぼ均等に被計量物を供給することができる。
【0017】
第10の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、ホッパは、被計量物の計量を行う計量ホッパ上に配置されたプールホッパである。
ここでは、回転体が設けられるホッパとして、計量ホッパ上に配置されたプールホッパを用いている。
【0018】
これにより、供給部からプールホッパに対して落下してくる被計量物をスムーズに、各ホッパに投入することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の組合せ計量装置によれば、被計量物として粘着物を扱う場合でも、被計量物を正常に計量ホッパ内へ投入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置を含む組合せ計量システムについて、図1〜図8(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
[組合せ計量システム10全体の構成]
本実施形態に係る組合せ計量システム10は、図1に示すように、被包装物となるポテトチップス等の商品(被計量物)Cの計量を行い、計量済の商品Cをフィルムで覆って、筒状となったフィルムを縦横にシールして袋詰の商品Cを製造する装置である。
【0021】
組合せ計量装置2は、図1および図2に示すように、後述する製袋包装機3の上部に配置されており、商品Cについて計量ホッパ25において計量した後、これらの計量値に基づいて所定の重量範囲内に収まるように複数の計量値を組み合わせて商品Cを順次排出する。
製袋包装機3は、組合せ計量装置2における組合せ計量の結果、排出された所定重量範囲内の商品Cについて、フィルムFを用いて袋詰めする装置である。
【0022】
[組合せ計量装置2]
本実施形態の組合せ計量システム10に含まれる組合せ計量装置2は、図1および図2に示すように、プールホッパ(ホッパ)24、計量ホッパ25、集合排出シュート26、供給フィーダ(供給部)31、分散テーブル(供給部、回転分散部)32、供給装置40および回転体41(図5および図6等参照)等を含むように構成されている。
【0023】
供給装置40は、分散テーブル32の上部に配置されたコンベア装置であって、分散テーブル32のほぼ中央部分の付近に商品Cを落下させる。
分散テーブル32は、傘状の円形板であって、図示しない電磁加振装置等の駆動機構によって振動している。分散テーブル32の上面に供給された商品Cは、振動によって円形板の外周側へ分散しながら移動し、分散テーブル32の外周に沿って配置された供給フィーダ(供給部)31上へと落下する。
【0024】
供給フィーダ31は、分散テーブル32を中心とする円の周方向にほぼ均等に配置された複数の供給トラフ31a(図5等参照)を備えている。また、供給トラフ31aは、図5に示すように、モータボックス31c内に収納された回転モータからの回転駆動力を、リンク機構31dを介して伝達されることで前後に揺動する。そして、分散テーブル32から供給された商品Cを分散テーブル32の中心から半径方向外側に向かって移動させてプールホッパ24へと送り出す。なお、供給トラフ31aは、ステンレス鋼板を折り曲げて成形した板金製の部材であって、搬送表面に複数の段差31b(図6参照)を形成している。これにより、供給トラフ31aを搬送方向における前後に揺動させた際に、効率よく商品Cを搬送することができる。
【0025】
(プールホッパ24)
プールホッパ24は、供給フィーダ31から商品Cを受け取って一時的にプールする容器であって、ゲート24a、開閉機構24bを有している。
ゲート24aは、各プールホッパ24の下部に、商品Cを下流側に配置された計量ホッパ25に対して投下するために設けられている。そして、ゲート24aは、制御装置30からの指令によって開閉機構24bによって開放され、下方に配置された計量ホッパ25に対して商品Cを供給する。
【0026】
開閉機構24bは、制御装置30からの指令に基づいて回転駆動する図示しない駆動部に接続されたリンク部材24ba〜24bc(図8(a)等参照)を介して、後述する回転体41の一方の端部に形成されたギア部41e(図8参照)に回転駆動力を伝達し、回転体41を回転駆動させる。
(計量ホッパ25)
計量ホッパ25は、プールホッパ24の下流側に設けられている。プールホッパ24、計量ホッパ25は、略円形に配置されたそれぞれの供給フィーダ31に1対1に対応して、周方向に沿って複数配置されている。それぞれの計量ホッパ25は、ホッパ内の商品Cの重量を計測するためのロードセルを有している。また、その下部には、商品Cを下流側に配置された集合排出シュート26に対して排出するためのゲート25aが設けられている。ゲート25aは、プールホッパ24のゲート24aと同様に、制御装置30からの指令によって開放される。
【0027】
(集合シュート26)
集合排出シュート26は、各計量ホッパ25から投下された商品Cを搬送面において滑落させながら集合させ、下部開口26aから製袋包装機3等の後段に配置された装置に対して商品Cを落下させる。
(回転体41)
回転体41は、図5および図6に示すように複数のプールホッパ24が互いに隣接する部分に回転軸41aが略平行に配置されるように、プールホッパ24の上方に配置されている。そして、回転体41は、図7(a)および図7(b)に示すように、回転軸41a、羽根部材41b、取付板41c,41dおよびギア部41eを有している。
【0028】
回転軸41aは、取付板41c,41dに挟まれるようにして、取付板41c,41dに形成されたボスの部分にブッシュを介して両端が回転可能な状態で取り付けられている。
羽根部材41bは、略円筒状の回転軸41aの外周面に対して、羽根部分が回転軸41aの回転中心を中心とする円の半径方向に沿って複数枚取り付けられている。
【0029】
取付板41cは、プールホッパ24の間であって、両隣のプールホッパ24の外側の壁面に対して、ツメ41caを引っ掛けるようにしてプールホッパ24に対して取り付けられる。
取付板41dは、取付板41cと同様に、プールホッパ24の間であって、両隣のプールホッパ24の内側の壁面に対して、ツメ41daを引っ掛けるようにしてプールホッパ24に対して取り付けられる。
【0030】
ギア部41eは、回転軸41aの内側の端部に形成されたギアであって、プールホッパ24のゲート24aを開閉駆動する開閉機構24bに連結されたリンク部材24ba〜24bcを介して回転駆動力が伝達される。具体的には、プールホッパ24のゲート24aの開閉を行う際においては、図8(a)および図8(b)に示すように、開閉機構24bのリンク部材24bbに連結されたリンク部材24baがリンク部材24bcを上下方向において揺動させる。このとき、リンク部材24bcにおけるリンク部材24baとは反対側の端部がギア部41eのギアに対して噛み合っているため、リンク部材24bcがギア部41eに対して噛み合った状態で所定の長さ分だけ上下方向に揺動することで、回転体41のギア部41eに対して回転駆動力を伝達し、回転軸41aを所定ピッチ分だけ回転させることができる。
【0031】
つまり、図8(b)に示すように、プールホッパ24のゲート24aが開いた場合には、リンク部材24bbがリンク部材24baを介してリンク部材24bcを引き下げる。反対に、プールホッパ24のゲート24aが閉じる場合には、リンク部材24bbがリンク部材24baを介してリンク部材24bcを引き上げて、図8(a)に示す定常状態に戻る。これにより、リンク部材24bcの一方の端部がギア部41eに噛み合っているため、プールホッパ24のゲート24aの開閉に伴って、回転軸41aを所定のピッチ分に相当する回転量だけ回転させることができる。
【0032】
なお、この所定ピッチ分に相当する回転量は、回転体41上に落下してきた商品Cを、下方に配置されたプールホッパ24の一方に対して投入できるだけの回転量が確保されるようにギア部41eのギア比やリンク部材24ba〜24bcの揺動範囲が設定されていることが好ましい。
これにより、プールホッパ24のゲート24aの開閉を行う際に、回転軸41aが毎回同じ量だけ回転する場合でも、確実に商品Cを下方に配置されたプールホッパ24に対して投入することができる。
【0033】
[製袋包装機3]
製袋包装機3は、図1および図2に示すように、製袋包装ユニット5と、この製袋包装ユニット5に対して袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット6と、両ユニット5,6の駆動部分の動きを制御する制御装置30(図3参照)と、を含むように構成されている。
【0034】
フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の成形機構13(図4参照)に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。
製袋包装ユニット5は、図4に示すように、シート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する成形機構13と、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFmという。)を下方に搬送するプルダウンベルト機構14と、筒状フィルムFmの重なり部分を縦にシールする縦シール機構15と、筒状フィルムFmを横にシールすることで袋Bの上下の端部を封止する横シール機構17とを有している。
【0035】
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマー13aとを有している。チューブ13bは、円筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量装置2で計量された被包装物Cが投入される。フォーマー13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。このフォーマー13aの形状は、フィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFがフォーマー13aとチューブ13bとの間を通るときに筒状に成形されるような形状となっている(図4参照)。また、成形機構13のチューブ13bやフォーマー13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0036】
プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に搬送する機構であり、図4に示すように、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cが設けられている。プルダウンベルト機構14では、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、図4においては、駆動ローラ14a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0037】
縦シール機構15は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ13bに押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。この縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置しており、ヒータや、そのヒータにより加熱され筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール機構15は、図示しないが、ヒータベルトをチューブ13bに近づけたり遠ざけたりするための駆動装置も備えている。
【0038】
横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14および縦シール機構15の下方に配置されている。横シール機構17は、図4に示すように、ヒータを内蔵する一対のシールジョー55を含むように構成されている。
一対のシールジョー55は、互いに押しつけ合うようにして筒状フィルムFmを挟持し、袋の上下のそれぞれの端部となる筒状フィルムFmの一部に圧力および熱を加えてシールを施す。
【0039】
[制御装置30]
制御装置30は、組合せ計量装置2の制御および製袋包装機3の制御を行う装置であって、CPU、ROM、RAM等を含むように構成されている。
制御装置30は、操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8等(図3参照)から入力された操作や設定に従って、フィルム供給ユニット6においてフィルムロールを回転させてフィルムFを繰り出させる送出モータ6aや、製袋包装ユニット5の各機構の駆動部分などを制御する。また、制御装置30は、組合せ計量装置2の供給フィーダ31、プールホッパ24、計量ホッパ25等の駆動を制御しながら、組合せ計量を行う。具体的には、各計量ホッパ25において計量を行い、各計量ホッパ25において貯留されている商品Cの計量値を取得する。そして、制御装置30は、計量値を組み合わせて合計重量が所定の重量範囲内に収まるように組合せ計量を行い、選択した複数の計量ホッパ25から順次商品Cを排出するように計量ホッパ25を制御する。
【0040】
さらに、制御装置30は、組合せ計量装置2および製袋包装機3に取り付けられた各種センサから必要な情報を取り込み、その情報を各種制御において利用する。
[組合せ計量装置2の特徴]
(1)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図1および図2に示すように、分散テーブル32を中心とする周方向に沿って複数配置されたプールホッパ24に対して、分散テーブル32の外周側に配置された供給フィーダ31から供給される商品Cをスムーズに投入するために、図5および図6に示すように、互いに隣接するプールホッパ24の隣接部分に沿ってその上方に配置された回転軸41aを中心にして回転する回転体41を設けている。
【0041】
これにより、プールホッパ24の互いに隣接する部分の上方から落下してくる商品Cは、回転体41に対して接触し、商品Cの重みで回転軸41aを中心として回転体41が回転することで、プールホッパ24の側壁部分に引っ掛かってプールホッパ24内に投入できなくなることを回避することができる。この結果、プールホッパ24の側壁上に引っ掛かった商品Cが劣化して商品として使用できなくなるといった不具合の発生を防止することができる。
【0042】
なお、商品Cとして生肉や漬物等のような粘着性のあるものを扱う場合には、回転体41上に落下してきた商品Cをスムーズにプールホッパ24に対して投入することができることから、本発明は特に有効である。
(2)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図7(a)等に示すように、ツメ41ca,41daをプールホッパ24の壁部に引っ掛けるようにして、回転体41がプールホッパ24に対して着脱可能な状態で取り付けられている。
【0043】
これにより、商品Cとして生肉や漬物等の食品を扱う場合でも、情報から供給される商品Cに接触する回転体41の全体を取り外して定期的に洗浄することで、常に衛生的に維持することができるとともに、清掃性、清掃時における作業性を向上させることができる。
(3)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図8(a)および図8(b)に示すように、プールホッパ24のゲート24aを開閉させる開閉機構24bによって、回転体41の回転軸41aを回転駆動している。
【0044】
これにより、回転体41上に商品Cが引っ掛かった場合でも、回転体41の回転軸41aを回転駆動させることで、商品Cを強制的にプールホッパ24へと投入することができる。
(4)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図7(a)および図7(b)に示すように、回転体41における回転軸41aの外周面に、羽根部材41bを設けている。
【0045】
これにより、上方から落下してくる商品Cが回転体41上に引っ掛かった場合でも、羽根部材41bを用いて強制的にプールホッパ24へと商品Cを投入することができる。
なお、羽根部材41bは、本実施形態のように、回転軸41aを機械的に回転駆動させる構成ではなく、回転軸がフリーで回転する構成を有する回転体において適用した場合でも、羽根部材に対して被計量物が接触することで回転軸を中心として羽根部材を円滑に回転させることができる点で、羽根部材を設けることが好ましい。
【0046】
(5)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図8(a)および図8(b)に示すように、プールホッパ24のゲート24aの開閉動作に同期して回転体41の回転軸41aを回転させる。
これにより、プールホッパ24から商品Cを下流側の計量ホッパ25に対して排出する際には、ゲート24aの開閉動作に連動して回転体41の回転軸41aが回転するため、回転体41上に引っ掛かった商品Cを確実に計量ホッパ25へと投入することができる。
【0047】
(6)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図8(a)等に示すように、回転体41は、回転軸41aにおける一方の端部に、プールホッパ24のゲート24aの開閉を行う開閉機構24bの一部と噛み合うギア部41eを有している。
これにより、プールホッパ24のゲート24aの開閉に同期させて所定のピッチ分に相当する回転量だけ、回転体41の回転軸41aを毎回回転させることができる。
【0048】
(7)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図2に示すように、分散テーブル32を中心とする周方向に沿って供給フィーダ31およびプールホッパ24を配置し、分散テーブル32から商品Cを供給している。
これにより、分散テーブル32を中心とする周方向に沿って配置された複数のプールホッパ24に対して、商品Cを供給することができる。
【0049】
(8)
本実施形態の組合せ計量装置2では、図2および図5等に示すように、プールホッパ24の直上方に回転体41を設定している。
これにより、分散テーブル32から供給フィーダ31を経てプールホッパ24に対して供給される商品Cを、スムーズにプールホッパ24内へと投入することができる。
【0050】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、回転体として、回転軸41aの外周面に羽根部材41bを取り付けた回転体41を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
例えば、図9に示すように、羽根部材のないロール状の回転体141を用いることもできる。
この場合でも、ロール状の回転体141上に落下した被計量物を、スムーズに下方に配置されたホッパに対して供給することができるという、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(B)
上記実施形態1では、複数のホッパ(プールホッパ24、計量ホッパ25)を略円形に配置した円形タイプの組合せ計量装置に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図10(a)および図10(b)に示すように、チャージホッパ115および振動フィーダ116a〜116gの下流側に、複数のホッパ(プールホッパ111a〜111g、計量ホッパ112a〜112g、ブースタホッパ113a〜113g)を直線上に並列配置した直線タイプの組合せ計量装置100に対して本発明を適用することもできる。
【0053】
この場合でも、プールホッパ111a〜111gが互いに隣接する位置に沿って回転軸が配置されるように回転体141a〜141gを設けることで、回転体141a〜141gの下方に配置されたプールホッパ111a〜111gに対してスムーズに被計量物を投入することができるという上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態では、回転体41が、プールホッパ24のゲート24aの開閉機構24bと連結されており、ゲート24aの開閉に同期して回転駆動される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
例えば、回転体は、回転駆動されるものではなく、フリーに回転可能な状態で取り付けられているものであってもよい。
この場合でも、回転体上に落下してきた被計量物を、被計量物の重さ、被計量物と回転体との接触時における被計量物の重心位置、被計量物の落下方向等の諸条件によって回転体がいずれか一方の側に回転することで、スムーズに被計量物を下方に配置されたプールホッパ24に対して供給することができる。
【0055】
(D)
上記実施形態では、回転体41が、プールホッパ24のゲート24aの開閉機構24bと連結されており、ゲート24aの開閉に同期して回転駆動される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回転体は、ホッパのゲートを開閉させる開閉機構とは別の駆動モータ等によって常時回転駆動される構成であってもよい。
【0056】
(E)
上記実施形態では、回転体41の回転軸41aの外周面に取り付けられた羽根部材41bとして、略長方形の板材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、略三角形の板材を回転軸の外周面に複数設けた回転体のように、各種形状の羽根部材を取り付けた回転体を用いることができる。
【0057】
(F)
上記実施形態では、互いに隣接する部分の上方に回転体を設けるホッパとして、プールホッパを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、供給部の直下流側に配置されたホッパが計量ホッパである場合には、複数の計量ホッパの間に上述した構成の回転体を設けてもよい。
【0058】
(G)
上記実施形態では、製袋包装機3を含む組合せ計量システム1に含まれる組合せ計量装置2に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、組合せ計量システム1に含まれる組合せ計量装置2に限らず、組合せ計量装置単体として使用する場合でも、当然に本発明の適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の組合せ計量装置は、被計量物として生肉や漬物等のような粘着性のあるものを扱う場合でも、回転体上に落下してきた被計量物をスムーズにホッパに対して投入することができるという効果を奏することから、複数のホッパに対して上方から被計量物を投入する組合せ計量装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る組合せ計量システムの全体の構成を示す斜視図。
【図2】図1の組合せ計量システムを示す正面断面図。
【図3】図1の組合せ計量システムにおいて形成される制御ブロック図。
【図4】図1の組合せ計量システムに含まれる製袋包装機側の構成を示す斜視図。
【図5】図1の組合せ計量システムに含まれる組合せ計量装置に搭載されたプールホッパ周辺の構成を示す斜視図。
【図6】図1の組合せ計量システムに含まれる組合せ計量装置に搭載されたプールホッパ周辺の構成を示す斜視図。
【図7】(a),(b)は、図6のプールホッパ周辺の構成に含まれる回転体を示す斜視図。
【図8】(a),(b)は、図7に示す回転体の回転とプールホッパのゲートの開閉との関係を示す側面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る組合せ計量装置に搭載された回転体周辺の構成を示す斜視図。
【図10】(a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る組合せ計量装置の構成を示す斜視図および側断面図。
【符号の説明】
【0061】
2 組合せ計量装置
3 製袋包装機
5 製袋包装ユニット
6 フィルム供給ユニット
6a 送出モータ
7 操作スイッチ類
10 組合せ計量システム
13 成形機構
13a フォーマー
13b チューブ
14 プルダウンベルト機構
14a 駆動ローラ
14b 従動ローラ
14c ベルト
15 縦シール機構
17 横シール機構
24 プールホッパ(ホッパ)
24a ゲート
24b 開閉機構
24ba リンク部材
24bb リンク部材
24bc リンク部材
25 計量ホッパ
25a ゲート
26 集合排出シュート
26a 下部開口
30 制御装置
31 供給フィーダ(供給部)
31a 供給トラフ
31b 段差
31c モータボックス
31d リンク機構
32 分散テーブル(供給部、回転分散部)
40 供給装置
41 回転体
41a 回転軸
41b 羽根部材
41c 取付板
41ca ツメ
41d 取付板
41da ツメ
41e ギア部
55 シールジョー
100 組合せ計量装置
111a〜111g プールホッパ(ホッパ)
112a〜112g 計量ホッパ
113a〜113g ブースタホッパ
115 チャージホッパ
116a〜116g 振動フィーダ
141 回転体
141a〜141g 回転体
C 商品(被計量物)
F フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物を貯留する複数のホッパと、
前記複数のホッパに対して、上方から前記被計量物を供給する供給部と、
前記複数のホッパ同士が互いに隣接する部分の上方に沿ってそれぞれ配置された回転軸を中心として回転する回転体と、
を備えている組合せ計量装置。
【請求項2】
前記回転体を脱着する脱着機構を、さらに備えている、
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記回転体は、回転可能な状態で取り付けられている、
請求項1または2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記回転体を回転駆動する駆動部を、さらに備えている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記回転体は、外周面に複数の羽根部材を有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項6】
前記回転体は、ローラ形状を有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項7】
前記ホッパは、底部分に配置されたゲートを開閉する開閉機構を有しており、
前記回転体は、前記開閉機構による前記ゲートの開閉に同期して回転する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項8】
前記回転体は、少なくとも一方の端部付近に歯車を有している、
請求項7に記載の組合せ計量装置。
【請求項9】
前記供給部は、略鉛直方向に沿って配置された回転軸を中心として回転し、外周方向に向かって前記被計量物を搬送する回転分散部を含んでいる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項10】
前記ホッパは、前記被計量物の計量を行う計量ホッパ上に配置されたプールホッパである、
請求項1から9のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−198817(P2007−198817A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−15824(P2006−15824)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)