説明

組合せ計量装置

【課題】集合シュートの上流側において、集合シュートへの排出経路R1と集合シュート外への排出経路R2とに物品を振り分けることにより、作業効率の向上を図る。
【解決手段】組合せ計量装置100は、計量された物品を一塊の物品群として排出させる組合せ計量装置であって、計量ホッパ340には、該計量ホッパ340内に保持される物品を、集合シュート400への排出経路R1と、該集合シュート400外への排出経路R2とに排出方向を切り替える一対のゲートG1及びG2が設けられている。また、集合シュート400の上端部の各計量ホッパ340に対応する部分には、計量ホッパ340から投下された物品を、集合シュート400への排出経路R1と該集合シュート400外への排出経路R2とに振り分ける振分ダンパ410が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計量済みの物品を任意の方向に振り分ける振り分け装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1には、ワークの供給口に設けられる振り分け装置において、ワークの供給口側に各上端部が回動自在に取付けられた同方向に連動する一対のゲート板と、前記一対のゲート板を連動させる駆動手段とを具備することを特徴とする振分装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、集合シュートに続いて設けられたゲート付排出ホッパと、その排出ホッパから排出される計量物を受けて順次異なる複数の位置へ排出可能に出口位置を変更できるように形成された振分けシュートと、その振分けシュートの変更される各々の出口位置に対応して設けられ排出される所定重量の計量物を格別に収容するように区画された室を有しその室毎に排出口を有しその排出口の各々に共通のゲートを有している区画ホッパとを具備する組合せはかりの計量物排出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−46707号公報
【特許文献2】特開昭60−25418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1及び2の技術は、いずれも集合シュートの下流側で物品を振り分ける技術であるので、計量された物品の重量が基準範囲外の場合には、集合シュートを通過した後に、不良方向に振り分けられることになる。この場合、集合シュートの後工程において、物品が不良方向に振り分けられる作業が介在するので、計量作業を連続的に行うことができず、作業効率が低下するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、作業効率の向上を図ることが可能な組合せ計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一局面に係る組合せ計量装置は、物品を搬送手段にて対応するホッパに搬送し、該搬送された物品をホッパにて収納し、該収納された物品を計量手段にて計量し、該計算された計量値を組合せ演算手段にて組合せて該当するホッパを選択手段にて選択し、該選択されたホッパから物品を下方に配置された集合シュート内に排出し、物品を一塊の物品群として排出させる組合せ計量装置であって、集合シュートの上流側に設けられ、集合シュートへの第1排出経路と該集合シュート外への第2排出経路とに物品を振り分ける振分機構を備える。
【0009】
この場合、集合シュートの上流側において、オーバースケールが発生したホッパ内の物品を、早期に集合シュート外への排出経路に排除することができる。これにより、集合シュートの後工程において、オーバースケールに係る物品を振り分ける作業を行う必要がなく、装置全体を停止させる必要性がない。その結果、組合せ計量作業を連続的に行うことができるようになり、作業効率が向上する。
【0010】
組合せ計量装置において、ホッパは、供給された物品を計量する複数の計量ホッパであり、振分機構は、計量ホッパに設けられることが好ましい。
【0011】
この場合、計量直後に、オーバースケールが発生したホッパ内の物品を、集合シュート外への排出経路に排除することができる。これにより、オーバースケールが発生した計量ホッパのみを停止させるだけで済み、該計量ホッパの下流側への影響を抑止することができる。
【0012】
組合せ計量装置において、振分機構は、ホッパに設けられた一対のゲートを有すると共に、当該一対のゲートを各々駆動させることで、ホッパ内に収納される物品の排出方向を第1排出経路と第2排出経路とに切り替えることが好ましい。
【0013】
この場合、排出動作の一態様としての振り分け機能を持たせられるため、新たな部材を追加等して装置が複雑になるのを防止することができる。
【0014】
組合せ計量装置において、振分機構は、集合シュートの上端部の各ホッパに対応する部分に設けられていることが好ましい。
【0015】
この場合、物品の投入口Eである集合シュートの入口で、物品の振り分けを行うことができるので、ホッパから投下された物品を確実に集合シュート内又は集合シュート外に排出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による組合せ計量装置では、集合シュートの上流側において、集合シュートへの排出経路と集合シュート外への排出経路とに物品を振り分けることにより、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る組合せ計量装置の正面図である。
【図2】図1に示した組合せ計量装置の模式図である。
【図3】図1に示した組合せ計量装置の集合シュートの詳細図であって、(a)平面図、(b)振分ダンパの側面図である。
【図4】図1に示した組合せ計量装置のブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る組合せ計量装置の模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る組合せ計量装置の模式図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る組合せ計量装置の模式図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る組合せ計量装置の模式図である。
【図9】本発明の第5実施形態の変形例に係る組合せ計量装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
本実施形態に係る組合せ計量装置100は、食品等の物品を後述する複数のホッパに振り分けると共に、複数のホッパ内の物品の重量をそれぞれ計量し、これらの計量値の中から合計が目標計量値に近い値となるようなホッパの組合せを選択し、その選択されたホッパ内の物品を集合シュートに集合させることによって、目標計量値又は目標計量値に近い重量の一塊の物品群を得る装置である。
この組合せ計量装置100は、図1に示すように、主として、分散フィーダ200と、複数のヘッド300と、集合シュート400と、制御装置500(図4参照)とを備えている。なお、この組合せ計量装置100によって得られた物品は、後工程の包装装置(図示せず)において、包装され搬送される。以下、この組合せ計量装置100の詳細を説明する。
【0019】
<分散フィーダ>
分散フィーダ200は、装置中央上部に供給される物品を放射状に分散させるために設けられる。この分散フィーダ200は、図2に示されるように、分散テーブル210、及び、第1振動装置220を有している。
【0020】
分散テーブル210は、円錐部211、及び、平板部212を有している。円錐部211は、略円錐形状に形成されており、装置中央上部に供給される物品は、この円錐部211の頂点に向かって投下される。平板部212は、円錐部211の周囲に配置されており、その上面は水平方向に延在し、且つ、円錐部211の上面に連続するように形成されている。
【0021】
第1振動装置220は、分散テーブル210を所定の位置に保持すると共に、分散テーブル210を所定の時間及び所定の振幅で円周方向に振動駆動する。なお、第1振動装置220の振動強度及び振動時間を調整することにより、分散フィーダ200による物品の搬送量を制御することができる。また、第1振動装置220の振動強度(振動振幅)や振動時間は、図4に示されるように、制御装置500を構成する搬送制御部570からの制御信号によって変更可能とされている。
【0022】
<ヘッド>
図2に示されるように、ヘッド300は、分散テーブル210の頂点SCを中心とする仮想円周上に並んで配置されており、トラフ310、プールホッパ320、プールホッパ開閉機構330、計量ホッパ340、計量ホッパ開閉機構350、ブースターホッパ360およびブースターホッパ開閉機構370から構成されている。以下、ヘッド300の構成要素について詳述する。
【0023】
<トラフ>
図2のトラフ310は、分散フィーダ200から搬送されてくる物品を受け取ってその物品をプールホッパ320まで搬送する部材であって、分散テーブル210の縁に沿って放射状に配置されている。また、このトラフ310には、第2振動装置380が取り付けられている。そして、このトラフ310は、第2振動装置380により所定の時間、所定の振幅で半径方向に振動駆動される。そして、このトラフ310が半径方向に振動駆動されると、トラフ310上の物品は、半径方向外側に移動してプールホッパ320まで搬送される。
【0024】
なお、第2振動装置380の振動強度及び振動時間を調整することにより、トラフ310上の物品の搬送量を制御することができる。また、第2振動装置380の振動強度(振動振幅)や振動時間は、図4に示されるように、制御装置500を構成する搬送制御部570からの制御信号によって変更可能とされている。
【0025】
<プールホッパ>
図2のプールホッパ320は、対応するトラフ310の外周側下方に配置されており、そのトラフ310から搬送される物品を一時的に保持する。また、各プールホッパ320にはプールホッパ開閉機構330が連結されており、このプールホッパ開閉機構330により底部に形成される開閉ゲート(図示せず)が所定のタイミングで開放される。このようにして開閉ゲートが開放されると、プールホッパ320に保持されていた物品は、そのまま落下して対応する計量ホッパ340に投入される。なお、プールホッパ開閉機構330は、図4に示されるように、ホッパ制御部540からの制御信号に基づいて、プールホッパ320の開閉ゲートを開閉させる。
【0026】
<計量ホッパ>
図2に示されるように、計量ホッパ340は、対応するプールホッパ320の直下に配置されており、そのプールホッパ320から供給された物品を一時的に保持する。また、各計量ホッパ340には重量検知部390(例えば、ロードセル等)が連結されており、この重量検知部390により、計量ホッパ340に保持される物品の重量が計量される。なお、この重量検知部390は、図4に示されるように、計量結果を計量信号として計量信号処理部510に出力する。
本実施形態に係る計量ホッパ340は、一対のゲート(第1ゲートG1及び第2ゲートG2)を有するダブルホッパであって、当該計量ホッパ340から投下される物品の排出方向を、集合シュート400への排出経路R1と、集合シュート400外への排出経路R2とに切り替え可能である。また、各計量ホッパ340には計量ホッパ開閉機構350が連結されており、この計量ホッパ開閉機構350により底部に形成される2つのゲートG1及びG2が所定のタイミングで開放される。
すなわち、図2の計量ホッパ340は、
(A)第1ゲートG1及び第2ゲートG2の双方を閉鎖することによって、当該計量ホッパ340内に物品を保持し、
(B)第1ゲートG1を開放し且つ第2ゲートG2を閉鎖することによって、当該計量ホッパ340内の物品をブースターホッパ360への排出経路R3へ排出し、
(C)第1ゲートG1を閉鎖し且つ第2ゲートG2を開放することによって、当該計量ホッパ340内の物品をブースターホッパ360外への排出経路R4へ排出する、ことができる。
なお、計量ホッパ開閉機構350は、図4に示されるように、ホッパ制御部540からの制御信号に基づいて、計量ホッパ340の第1ゲートG1及び第2ゲートG2を開閉させる。
【0027】
<ブースターホッパ>
図2に示されるように、ブースターホッパ360は、対応する計量ホッパ340の直下に配置されており、その計量ホッパ340から落下してくる物品を受け取り一時的に保持する。また、各ブースターホッパ360にはブースターホッパ開閉機構370が連結されており、このブースターホッパ開閉機構370により底部に形成される開閉ゲート(図示せず)が所定のタイミングで開放される。このようにして開閉ゲートが開放されると、ブースターホッパ360に保持されていた物品は、そのまま落下して集合シュート400に排出される。なお、ブースターホッパ開閉機構370は、図4に示されるように、ホッパ制御部540からの制御信号に基づいて、ブースターホッパ360の開閉ゲートを開閉させる。
【0028】
<集合シュート>
集合シュート400は、計量ホッパ340又はブースターホッパ360から排出される物品を集合させて下流の包装装置などに排出する役目を担う部材である。この集合シュート400には、図2及び図3に示されるように、複数の計量ホッパ340に対応して振分ダンパ410が設けられている。この振分ダンパ410は、可動式であって、計量ホッパ340内の物品がブースターホッパ360外への排出経路R4に排出された場合に、その計量ホッパ340から排出された物品を集合シュート400への排出経路R1と、集合シュート外への排出経路R2とに振り分ける。
すなわち、本実施形態の振分ダンパ410は、
(D)集合シュート400の投入口Eが広くなるように外側に回動する(以下、単に「外側に回動する」と略記する)ことによって、計量ホッパ340から排出経路R4に排出された物品を集合シュート400への排出経路R1と、
(E)集合シュート400の投入口Eが狭くなるように内側に回動する(以下、単に「内側に回動する」と略記する)ことによって、計量ホッパ340から排出経路R4に排出された物品を集合シュート400外への排出経路R2と、に振り分ける。
なお、振分ダンパ410には、図4に示されるように、ダンパ回動機構420が連結されており、ダンパ制御部550からの制御信号に基づいて、該ダンパ回動機構420が振分ダンパ410を回動させる。
【0029】
この振分ダンパ410は、図3に示されるように、集合シュート400の上端部の計量ホッパ340に対応する部分に設けられている。この振分ダンパ410は、水平断面形状がコの字形状であって、集合シュート400の投入口Eを形成する縁部411と、該縁部411の外表面から外側に向かって延在する一対のガイド部412とを有している。振分ダンパ410が内側に回動した場合、縁部411の外表面は、計量ホッパ340から排出される物品を第2排出経路に導く斜面となると共に、一対のガイド部412は、確実に該斜面を滑り落ちるようにガイドする。
【0030】
<制御装置>
制御装置500は、図4に示されるように、主として、計量信号処理部510、ホッパ選択部520、オーバースケール判定部530、ホッパ制御部540、ダンパ制御部550、供給制御部560、及び、搬送制御部570から構成されている。これらの構成要素は、制御装置500が、ROM(図示せず)に記憶される動作プログラムを実行することによって実現される。以下、制御装置500の詳細を説明する。
【0031】
<計量信号処理部>
図4の計量信号処理部510は、各計量ホッパ340に対応して設けられた重量検知部390から出力されるアナログ信号を増幅して、デジタル計量信号に変換する。そして、計量信号処理部510は、デジタル計量信号をフィルタリングして計量データを生成する。この計量データは、各計量ホッパ340が保持する物品の重量を示している。なお、この計量データは、制御装置500の記憶部(EEPROM等(図示せず))に記憶されており、計量ホッパ340からブースターホッパ360に物品が投下された場合には、当該計量データは、各ブースターホッパ360が保持する物品の重量を示すことになる。
【0032】
<ホッパ選択部>
図4のホッパ選択部520は、計量信号処理部510で生成された計量データに基づいて、物品の組合せ演算を行う。具体的には、ホッパ選択部520は、複数の計量ホッパ340内の物品の重量、及び、複数のブースターホッパ360内の物品の重量の中から、目標計量値と一致する重量の組合せ、もしそのような組合せが存在しなければ予め設定された許容範囲内であって目標計量値に最も近い重量の組合せを求める。そして、ホッパ選択部520は、複数の計量ホッパ340及び複数のブースターホッパ360の中から、求めた組合せを構成する重量の物品を保持する計量ホッパ340及びブースターホッパ360を選択する。そして、ホッパ選択部520は、ホッパ制御部540及びダンパ制御部550に対して、選択した計量ホッパ340及びブースターホッパ360を示す選択信号を出力する。
【0033】
<オーバースケール判定部>
図4のオーバースケール判定部530は、計量信号処理部510で生成された計量データに基づいて、計量ホッパ340内の物品の重量が予め設定された基準範囲外か否かを判定する。そして、オーバースケール判定部530は、ホッパ制御部540及びダンパ制御部550に対して、オーバースケールが発生した計量ホッパ340を特定するオーバースケール発生信号を出力する。
【0034】
<ホッパ制御部>
図4のホッパ制御部540は、受信した選択信号に基づいて、選択した計量ホッパ340に対応する計量ホッパ開閉機構350に対して、第2ゲートG2を開放するための制御信号を出力すると共に、選択したブースターホッパ360に対応するブースターホッパ開閉機構370に対して、ゲートを開放するための制御信号を出力する。
また、ホッパ制御部540は、受信したオーバースケール発生信号に基づいて、オーバースケールが発生した計量ホッパ340に対応する計量ホッパ開閉機構350に対して、第2ゲートG2を開放するための制御信号を出力する。
【0035】
<ダンパ制御部>
図4のダンパ制御部550は、受信した選択信号に基づいて、選択した計量ホッパ340に対応する振分ダンパ410を回動させるダンパ回動機構420に対して、該振分ダンパ410を外側に回動させるための制御信号を出力する。
また、ダンパ制御部550は、受信したオーバースケール発生信号に基づいて、オーバースケールが発生した計量ホッパ340に対応する振分ダンパ410を回動させるダンパ回動機構420に対して、該振分ダンパ410を内側に回動させるための制御信号を出力する。
【0036】
<供給制御部>
供給制御部560は、クロスフィーダ110による分散フィーダ200への物品の供給量を制御する。なお、分散フィーダ200には、物品の重量を検知する重量検知部(図示せず)が取り付けられており、供給制御部560は、該重量検知部からの重量情報を参照しながらクロスフィーダ110への供給重量を制御する。
【0037】
<搬送制御部>
搬送制御部570は、図4に示されるように、第1振動装置220及び第2振動装置380の振動時間及び振動強度を個別に制御する。
【0038】
<組合せ計量装置の動作>
図2に示すように、クロスフィーダ110から分散テーブル210に物品が供給されると、その物品は分散フィーダ200により分散テーブル210上で周方向に分散しながら半径方向に移動して、ヘッド300のトラフ310まで搬送される。次に、トラフ310に搬送された物品は、第2振動装置380により半径方向外側に向かって搬送され、プールホッパ320に落下し、一時的にプールホッパ320に貯留される。その後、所定のタイミングでプールホッパ320のゲートがプールホッパ開閉機構330により開放されると、プールホッパ320に貯留されていた物品は、そのまま落下して計量ホッパ340に投入され、一時的に計量ホッパ340に貯留される。このとき、重量検知部390により物品の重量が計量される。そして、各計量ホッパ340における物品の重量は、制御装置500の記憶部(例えば、EEPROM等(図示せず))に記憶される。
【0039】
ここで、本実施形態では、オーバースケール判定が行われる。本実施形態に係る組合せ計量装置100では、計量ホッパ340で計量した物品の重量が基準範囲外(オーバースケール)の場合、集合シュート400の上流側において、該オーバースケールが発生した計量ホッパ340内の物品を排出経路R2に排出することができる。具体的には、重量検知部390により計量ホッパ340内の物品の重量が計量されると、オーバースケール判定部530によって、その重量が基準範囲外の重量か否かが判定される。そして、オーバースケール判定部530によって判定された結果、計量ホッパ340に保持される物品の重量が基準範囲外の場合、ホッパ制御部540は、計量ホッパ開閉機構350を制御して、計量ホッパ340の第2ゲートG2を開放すると共に、ダンパ制御部550は、ダンパ回動機構420を制御して、振分ダンパ410を内側に回動させる。これにより、オーバースケールが発生した計量ホッパ340内の物品を排出経路R2に排除することができる。
【0040】
一方、オーバースケールが発生していない計量ホッパ340については、計量ホッパ開閉機構350により該計量ホッパ340の図2の第1ゲートG1が開放されて、計量ホッパ340内の物品がブースターホッパ360内に投入され、一時的にブースターホッパ360に貯留される。この際、空になった計量ホッパ340には、直上のプールホッパ320から物品が投入されて、重量検知部390により物品の重量が計量される。そして、物品を保持している全てのブースターホッパ360及び計量ホッパ340のうち、目標計量値と一致する重量の組合せ、もしそのような組合せが存在しなければ予め設定された許容範囲内であって目標計量値に最も近い重量の組合せが演算によって求められ、選択された一又は複数のブースターホッパ360及び計量ホッパ340から物品が排出される。
【0041】
なお、本実施形態では、上記した演算によって計量ホッパ340が選択される場合、ホッパ制御部540は、計量ホッパ開閉機構350を制御して、計量ホッパ340の第2ゲートG2を開放すると共に、ダンパ制御部550は、ダンパ回動機構420を制御して、振分ダンパ410を外側に回動させる。これにより、計量ホッパ340内の物品を、ブースターホッパ360を介さずに直接集合シュート400内に排出することができる。計量ホッパ340及びブースターホッパ360を備えた一般的な組合せ計量装置において、計量ホッパ340を選択する場合、当該計量ホッパ340の直下に設けられたブースターホッパ360もペアで選択しなければならないという制約(ペア指定制約)があるが、本実施形態の場合、計量ホッパ340から投下される物品を、ブースターホッパ360を介さずに直接集合シュート400への排出経路R1に排出することができる。これにより、ペア指定制約に制限されずに、計量ホッパ340を組合せ選択に参加させることが可能となる。
【0042】
そして、ブースターホッパ360及び計量ホッパ340から排出された物品は、集合シュート400に投下され、集合シュート400によって集合されて、集合シュート400の底部の物品排出口から下流の包装装置に送出される。
【0043】
<本実施形態における効果>
本実施形態では、上記のように、ダブルホッパである計量ホッパ340と、集合シュート400に設けられる振分ダンパ410とを設けることにより、集合シュート400への排出経路R1と集合シュート400外への排出経路R2とに物品を振り分けることができる。これにより、集合シュート400の上流側において、オーバースケールが発生したホッパ内の物品を、早期に集合シュート400外への排出経路R2に排除することができる。このため、集合シュート400の後工程において、オーバースケールに係る物品を振り分ける作業を行う必要がなく、組合せ計量装置100及びその下流の包装装置を停止させる必要性がない。その結果、組合せ計量作業を連続的に行うことができるようになり、作業効率が向上する。
【0044】
また、本実施形態では、ブースターホッパ360の上流側に設けられる計量ホッパ340を用いて、物品の振り分けを行うことができるので、ブースターホッパ360の前段階で、オーバースケールが発生した計量ホッパ340内の物品を、早期に集合シュート400外への排出経路R2に排除することが可能となる。これにより、オーバースケールが発生した計量ホッパ340のみを停止させるだけで対処することができ、該計量ホッパ340の下流側のブースターホッパ360に影響が及ぶのを防止することができる。その結果、組合せ選択に参加できるホッパ数が減少するのを抑制することができるため、組合せ選択が成立しない原因に起因する組合せ計量装置100及びその下流の包装装置の稼働率低下を防止することができる。
【0045】
また、本実施形態では、一対のゲートG1及びG2を各々駆動させることで、計量ホッパ340内に収納される物品の排出方向を排出経路R1と排出経路R2とに切り替えることができる。すなわち、当該計量ホッパ340は、排出動作の一態様としての振り分け機能を持たせられるため、新たな部材を追加等して装置が複雑になるのを防止することができる。
【0046】
また、本実施形態では、振分ダンパ410を集合シュート400の上端部の各計量ホッパ340に対応する部分に設けることにより、物品の投入口Eである集合シュート400の入口で、物品の振り分けを行うことができる。その結果、計量ホッパ340及びブースターホッパ360から投下された物品を確実に排出経路R1と排出経路R2とに振り分けることができる。
【0047】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100が「組合せ計量装置」に相当し、分散フィーダ200及びトラフ310が「搬送手段」に相当し、重量検知部390が「計量手段」に相当し、ホッパ選択部520が「選択手段」に相当し、集合シュート400が「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、一対のゲートG1及びG2、並びに、振分ダンパ410が各々「振分機構」に相当し、計量ホッパ340が「計量ホッパ」に相当する。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図5に示されるように、第2実施形態に係る組合せ計量装置100aについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し適宜その説明を割愛する。上記した第1実施形態では、計量ホッパ340をダブルホッパにして且つ集合シュート400に振分ダンパ410を設ける例について説明したが、この第2実施形態では、集合シュート400aに振分ダンパを設けずに、一対のゲートG1及びG2を有するダブルホッパである計量ホッパ340aだけを用いて、計量ホッパ340a内の物品を集合シュート400aへの排出経路R1と、集合シュート400a外への排出経路R2とに振り分けている。すなわち、この第2実施形態に係る組合せ計量装置100aは、主として、プールホッパ320aと、ダブルホッパである計量ホッパ340aと、ブースターホッパ360aと、振分ダンパを有しない集合シュート400aとを備えている。この第2実施形態に係る組合せ計量装置100aでは、オーバースケールが発生した場合には、計量ホッパ340aの第2ゲートG2を開放することにより、オーバースケールが発生した計量ホッパ340a内の物品を集合シュート400a外の排出経路R2に排除することができる。なお、この第2実施形態に係る組合せ計量装置100aでは、計量ホッパ340aから排出される物品を、ブースターホッパ360aを介さずに集合シュート400aに排出することはできない。
【0049】
<本実施形態における効果>
上記構成によれば、上記した第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、集合シュート400aに図2の振分ダンパ410を別途設ける必要がないので、既存の設備を利用して、計量ホッパ340a内に保持される物品を排出経路R1と排出経路R2とに振り分けることができる。すなわち、この第2実施形態では、組合せ計量装置100aの構成が複雑になるのを抑制しつつ、集合シュート400aの上流側で、オーバースケールが発生した計量ホッパ340a内の物品を、集合シュート400a外へ排出経路R2に排出することができる。
【0050】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100aが「組合せ計量装置」に相当し、集合シュート400aが「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、一対のゲートG1及びG2が「振分機構」に相当する。
【0051】
(第3実施形態)
次に、図6に示されるように、第3実施形態に係る組合せ計量装置100bについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し適宜その説明を割愛する。また、上記した第1実施形態では、計量ホッパ340から排出された物品のみを振分ダンパ410により排出経路R1と排出経路R2とに振り分ける例について説明したが、この第3実施形態では、振分ダンパ410bの回動角度を変化させることによって、計量ホッパ340bから排出された物品だけでなく、ブースターホッパ360bから排出された物品を、振分ダンパ410bにより集合シュート400bへの排出経路R1と、集合シュート400b外への排出経路R2とに振り分けることが可能である。すなわち、この第3実施形態に係る組合せ計量装置100bは、主として、図6に示されるように、プールホッパ320bと、ダブルホッパである計量ホッパ340bと、ブースターホッパ360bと、振分ダンパ410bを有する集合シュート400bとを備えている。この第3実施形態に係る振分ダンパ410bは、
(1)計量ホッパ340bから投下された物品、及び、ブースターホッパ360bから投下された物品を、共に集合シュート400bへの排出経路R1に導く第1位置P1、
(2)計量ホッパ340bから投下された物品を集合シュート400b外への排出経路R2に導き、且つ、ブースターホッパ360bから投下された物品を集合シュート400bへのR1排出経路に導く第2位置P2、
(3)計量ホッパ340bから投下された物品、及び、ブースターホッパ360bから投下された物品を、共に集合シュート400b外への排出経路R2に導く第3位置P3、
のいずれかの位置に配置されるように回動する。
【0052】
<本実施形態における効果>
上記構成によれば、上記した第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、第1実施形態に係る組合せ計量装置100の構成と実質的に同じ構成で、計量ホッパ340bから排出される物品だけでなく、ブースターホッパ360bから排出される物品を、振分ダンパ410bにより集合シュート400bへの排出経路R1と、集合シュート400b外への排出経路R2とに振り分けることができる。
【0053】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100bが「組合せ計量装置」に相当し、集合シュート400bが「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、振分ダンパ410bが「振分機構」に相当する。
【0054】
(第4実施形態)
次に、図7に示されるように、第4実施形態に係る組合せ計量装置100cについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し適宜その説明を割愛する。上記した第1実施形態では、計量ホッパ340をダブルホッパにする例について説明したが、この第4実施形態では、プールホッパ320cをダブルホッパにして、プールホッパ320cから投下される物品を、集合シュート400cへの排出経路R1と集合シュート400c外への排出経路R2とに振り分けている。すなわち、この第4実施形態に係る組合せ計量装置100cは、主として、図7に示されるように、一対のゲート(第3ゲートG3及び第4ゲートG4)を有するダブルホッパであるプールホッパ320cと、計量ホッパ340cと、ブースターホッパ360cと、集合シュート400cとを備えている。プールホッパ320cは、該プールホッパ320cに対応する計量ホッパ340cに保持される物品の重量に応じて、該プールホッパ320c内の物品を、集合シュート400cへの排出経路R1と集合シュート400c外への排出経路R2とに振り分ける。
【0055】
<本実施形態における効果>
上記構成によれば、上記した第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、プールホッパ320cから投下される物品によって、該プールホッパ320cに対応する計量ホッパ340cに保持される物品の重量がオーバースケールとなり得る可能性が高い場合、予めプールホッパ320c内の物品を集合シュート400c外への排出経路R2に排除することができるので、計量ホッパ340bがオーバースケールとなるのを事前に防止することができる。
【0056】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100cが「組合せ計量装置」に相当し、集合シュート400cが「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、一対のゲートG3及びG4が「振分機構」に相当する。
【0057】
(第5実施形態)
次に、図8に示されるように、第5実施形態に係る組合せ計量装置100dについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し適宜その説明を割愛する。上記した第1〜第4実施形態では、ブースターホッパを設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、必ずしもブースターホッパを設ける必要はない。すなわち、この第5実施形態に係る組合せ計量装置100dは、主として、図8に示されるように、プールホッパ320dと、計量ホッパ340dと、振分ダンパ410dを有する集合シュート400dとを備えている。そして、振分ダンパ410dは、計量ホッパ340dから投下される物品を、集合シュート400dへの排出経路R1と、集合シュート400d外への排出経路R2とに振り分ける。
【0058】
<本実施形態における効果>
上記構成によれば、上記した第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、物品の投入口Eである集合シュート400dの入口で、物品の振り分けを行うことができるので、計量ホッパ340dから投下される物品を確実に排出経路R1と排出経路R2とに排出することができる。
また、上記構成によれば、ダブルホッパを用いずに振分ダンパ410dのみで物品の振り分けを行っているので、組合せ計量装置100dが複雑になるのを抑制することができる。
【0059】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100dが「組合せ計量装置」に相当し、集合シュート400dが「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、振分ダンパ410dが「振分機構」に相当する。
【0060】
(第5実施形態の変形例)
また、上記した第5実施形態では、ブースターホッパを設けない組合せ計量装置100dにおいて、振分ダンパ410dにより計量ホッパ340dから投下される物品を排出経路R1と排出経路R2とに振り分ける例について説明したが、この第5実施形態の変形例では、ブースターホッパを設けない組合せ計量装置100eにおいて、一対のゲートG1及びG2を有するダブルホッパである計量ホッパ340eを用いて物品の振り分けを行う。すなわち、この第5実施形態の変形例に係る組合せ計量装置100eは、主として、図9に示されるように、プールホッパ320eと、ダブルホッパである計量ホッパ340eと、振分ダンパを有しない集合シュート400eとを備えている。そして、計量ホッパ340eは、該計量ホッパ340eから投下される物品を、集合シュート400eへの排出経路R1と、集合シュート400e外への排出経路R2とに振り分ける。
【0061】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、組合せ計量装置100eが「組合せ計量装置」に相当し、集合シュート400eが「集合シュート」に相当し、排出経路R1が「第1排出経路」に相当し、排出経路R2が「第2排出経路」に相当し、ゲートG1及びG2が「振分機構」に相当し、計量ホッパ340eが「計量ホッパ」に相当する。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明を利用すれば、集合シュートの上流側において、集合シュートへの第1排出経路と集合シュート外への第2排出経路とに物品を振り分けることにより、作業効率の向上を図ることが可能な組合せ計量装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
100,100a,100b,100c,100d,100e 組合せ計量装置
200 分散フィーダ(搬送手段)
310 トラフ(搬送手段)
320,320a,320b,320c,320d,320e プールホッパ
340,340a,340b,340c,340d,340e 計量ホッパ
360,360a,360b,360c ブースターホッパ
390 重量検知部(計量手段)
400,400a,400b,400c,400d,400e 集合シュート
410,410a,410b,420d 振分ダンパ(振分機構)
510 計量信号処理部
520 ホッパ選択部(選択手段)
G1,G2,G3,G4 ゲート(振分機構)
R1 排出経路(第1排出経路)
R2 排出経路(第2排出経路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送手段にて対応するホッパに搬送し、該搬送された物品をホッパにて収納し、該収納された物品を計量手段にて計量し、該計算された計量値を組合せ演算手段にて組合せて該当するホッパを選択手段にて選択し、該選択されたホッパから物品を下方に配置された集合シュート内に排出し、前記物品を一塊の物品群として排出させる組合せ計量装置であって、
前記集合シュートの上流側に設けられ、前記集合シュートへの第1排出経路と該集合シュート外への第2排出経路とに前記物品を振り分ける振分機構を備えることを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
前記ホッパは、供給された物品を計量する複数の計量ホッパであり、
前記振分機構は、前記計量ホッパに設けられることを特徴とする請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記振分機構は、前記ホッパに設けられた一対のゲートを有すると共に、当該一対のゲートを各々駆動させることで、前記ホッパ内に収納される物品の排出方向を前記第1排出経路と前記第2排出経路とに切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記振分機構は、前記集合シュートの上端部の前記各ホッパに対応する部分に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−232202(P2011−232202A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103363(P2010−103363)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)