説明

組合せ計量装置

【課題】本発明の課題は、計量室の奥行方向の設置空間が狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができる組合せ計量装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の組合せ計量装置100では、上面視において一の物品供給点SCを中心とする仮想円周CL上に配置される複数のヘッド300のうち、仮想円周の一部である仮想円弧領域RAに対応するヘッドの配設が省かれている。物品分散機構200が、物品供給点に供給された物品を放射状に分散しながら複数のホッパ360,380に供給する。ホッパ選択部702が、物品の目標重量等に応じて一または複数のホッパを選択する。物品排出機構375,390が、ホッパ選択部によって選択されたホッパ内に貯留される物品をホッパから排出させる。そして、物品排出機構によりホッパから排出された物品が物品排出口420を通って外部に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドが円形に配置された組合せ計量措置(以下「円形配列型の組合せ計量装置」という)(実公平4−41304号公報等参照)が従前から公に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平4−41304号公報
【特許文献2】特開平7−318409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような円形配列型の組合せ計量装置は通常、計量室に設置されるが、ヘッドが円形に配置されているため、幅方向にも奥行方向にも比較的大きな設置スペースが必要とされる。ところで、組合せ計量装置には、例えば、特開平7−318409号公報に示されるようなヘッドが直線的に配列されるもの(以下「直線配列型の組合せ計量装置」という)も存在する。このような直線配列型の組合せ計量装置であれば、円形配列型の組合せ計量装置よりも奥行方向の設置スペースが小さくて済む。しかし、円形配列型の組合せ計量装置には直線配列型の組合せ計量装置にはない種々の特徴や利点が存在するため、奥行方向の設置スペースがないからと言って、単純に円形配列型の組合せ計量装置の代わりに直線配列型の組合せ計量装置を設置すればよいというものではない。
【0005】
本発明の課題は、計量室の奥行方向の設置スペースが比較的狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができる組合せ計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
【0007】
第1局面に係る組合せ計量装置は、複数のヘッド、物品分散機構、ホッパ選択部、物品排出機構および物品排出口を備える。ヘッドは、上面視において一の物品供給点を中心とする仮想円周上に配置される。また、このヘッドには、物品を収容するホッパが設けられる。物品分散機構は、物品供給点に供給された物品を放射状に分散しながら複数のホッパに供給する。なお、通常、この物品分散機構には分散テーブルが設けられるが、この分散テーブルは円形を保つのが好ましい。ホッパ選択部は、物品の目標重量または目標数量に応じて一または複数のホッパを選択する。物品排出機構は、ホッパ選択部によって選択されたホッパ内に貯留される物品をホッパから排出させる。物品排出口は、一のみ存在し、物品供給点の鉛直下方において、物品排出機構によりホッパから排出された物品を外部に排出するように形成される。そして、この組合せ計量装置では、複数のヘッドのうち、仮想円周の一部である仮想円弧領域に対応する一又は複数のヘッドの配設が省かれている。
【0008】
このため、この組合せ計量装置では、上面視においてヘッドの配設が省かれた側のサイズを小さくすることができる。したがって、ヘッドの省略部分を計量室の壁に向けてこの組合せ計量装置を設置すれば、奥行方向の設置スペースが円形配列型の組合せ計量装置と比べて小さくて済む。さらに、この組合せ計量装置では、ヘッドがもう一つの仮想円弧領域に配置されているため、円形配置型の組合せ計量装置の利点をほとんど失わない。
【0009】
よって、この組合せ計量装置は、計量室の奥行方向の設置スペースが比較的狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができる。
【0010】
また、上述のように、ヘッドの省略部分を計量室の壁に向けてこの組合せ計量装置が設置されると、計量室の壁から物品供給点までの距離が短くなる。このため、組合せ計量装置の上方に配置される物品搬送部材の長さを短くすることができる。
【0011】
なお、このような組合せ計量装置の類似装置として、手動で物品供給を行うセミオート式の組合せ計量装置が存在するが、このような組合せ計量装置では上述のような課題が生じ得ない。
(2)
【0012】
第2局面に係る組合せ計量装置は、第1局面に係る組合せ計量装置であって、上面視において、仮想円弧領域には、物品供給部材が配置される。なお、ここにいう「物品供給部材」とは、物品供給点へ物品を供給するための部材であって、例えば、バケットコンベア等である。
【0013】
このため、物品供給部材をコンパクト化することができる。また、物品供給部材がバケットコンベアである場合、バケット数を少なくすることができ、清掃時間を短縮することができる。
なお、本装置の清掃時にはホッパ等を取り外す必要があるが、かかる場合であっても物品供給装置が邪魔になることはない。
(3)
【0014】
第3局面に係る組合せ計量装置は、第2局面に係る組合せ計量装置であって、仮想円弧領域は、中心角が180°より小さい。また、この組合せ計量装置では、上面視において仮想円弧領域の端点を結ぶ仮想直線と物品供給点との間に、上方に配置される物品供給部材を支持する支持部材が配置される。
このため、この組合せ計量装置では、無駄な空間を有効に活用して物品供給部材の姿勢を安定化させることができる。
(4)
第4局面に係る組合せ計量装置は、第1局面または第2局面に係る組合せ計量装置であって、仮想円弧領域は、中心角が180°以上である。
このため、この組合せ計量装置は、上面視において半円形または扇形となる。したがって、計量室への組合せ計量装置の設置レイアウトの自由度が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る組合せ計量装置は、計量室の奥行方向の設置スペースが比較的狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の中央のヘッドを模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の制御装置の構成および制御装置と各構成要素との関係を表す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の分散フィーダの斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の分散フィーダの側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の分散フィーダの平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の分散テーブルの壁部の正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の集合シュートのA−A断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置における物品排出口とプールホッパとの位置関係を示す図である。
【図12】変形例(A)に係る組合せ計量装置(半円配置)の平面図である。
【図13】変形例(A)に係る組合せ計量装置(扇形配置)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100は、図1〜5に示されるように、主に、分散フィーダ200、9個のヘッド300、集合シュート400、固定部材600および制御装置700から構成される。以下、この組合せ計量装置100の各構成要素について詳述する。
【0018】
なお、この組合せ計量装置100の上方には、図1〜4に示されるように、クロスフィーダ110が配設されている。また、このクロスフィーダ110は、組合せ計量装置100から鉛直上方に向かって延びる支持部材160によって支持されている。
<組合せ計量装置の構成要素>
(1)分散フィーダ
【0019】
分散フィーダ200は、図1〜図4に示されるように、組合せ計量装置100のほぼ中央に配設されており、図3および図4に示されるように、主に、分散テーブル210、壁部材220および第1振動装置230から構成されている。
分散テーブル210は、図4、図6、図7および図8に示されるように、主に、円錐部211、平板部212および壁部213から構成されている。
【0020】
円錐部211は、上面が略円錐形状に形成されている。そして、クロスフィーダ110から排出される物品は、この円錐の頂点SCに向かって分散テーブル210に供給される。
【0021】
平板部212は、部分円板領域RCと非部分円板領域RNとから形成される部材であって、上面視において円錐部211の周囲を取り囲むように形成されている。なお、この平板部212は、上面が円錐部211の上面と連続するように形成されている。
【0022】
壁部213は、図3および図6〜図9に示されるように、平板部212の非部分円板領域NCの外周に沿って湾曲する湾曲板であって、ヘッド300が配設されていない側に物品が落下するのを防ぐためのものである。そして、この壁部213は、平板部212の非部分円板領域NCの外周で支持具215によって平板部212に取り付けられている。また、この壁部213の両側端部214は、物品の引っ掛かりや、衝突による物品の損傷を防ぐために、外側に折り返されている。
【0023】
そして、この分散テーブル210は、第1振動装置230によって所定の位置に保持されるとともに、所定の時間、所定の振幅で円周方向に振動駆動される。そして、この分散テーブル210が円周方向に振動駆動されると、部分円板領域RC上の物品は、図3の矢印で示されるように、周方向に分散しながら半経方向に移動してヘッド300のトラフ320(後述)まで搬送される。なお、このとき、非部分円板領域NCは循環路として機能する。
【0024】
なお、第1振動装置230の振動強度及び振動時間を調整することにより、分散フィーダ200による物品の搬送量を制御することができる。また、第1振動装置230の振動強度(振動振幅)や振動時間は、図5に示されるように、制御装置700を構成する搬送制御部706からの制御信号によって変更可能とされている。
(2)ヘッド
【0025】
ヘッド300は、図1〜図5等に示されるように、分散テーブル210の頂点SCを中心とする仮想円周CL上に並んで配置されており、主に、トラフ320、プールホッパ340、プールホッパ開閉機構350、計量ホッパ360、計量ホッパ開閉機構375、貯留ホッパ380および貯留ホッパ開閉機構390から構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態に係る組合せ計量装置100では、仮想円周CL上に最大14個のヘッドを並べて配置することが可能となっているが、ここでは、14個のヘッドのうち、仮想円周CLの一部である仮想円弧領域RAに対応する5個のヘッドの配設が省略されている。つまり、本実施の形態に係る組合せ計量装置100では、仮想円周CLの仮想円弧領域RA以外の仮想円弧領域にヘッド300が密集して配置されている。
また、本実施の形態において、ヘッド300の配設が省略されている部分から鉛直上方に向かって支持部材160が延びている。
以下、ヘッド300の構成要素について詳述する。
(トラフ)
【0027】
トラフ320は、分散フィーダ200から搬送されてくる物品を受け取ってその物品をプールホッパ340まで搬送する部材であって、図3に示されるように、分散テーブル210の縁に沿って放射状に配置されている。また、このトラフ320には、図4に示されるように、第2振動装置330が取り付けられている。そして、このトラフ320は、第2振動装置330により所定の時間、所定の振幅で半径方向に振動駆動される。そして、このトラフ320が半径方向に振動駆動されると、トラフ320上の物品は、半経方向外側に移動してプールホッパ340まで搬送される。
【0028】
なお、第2振動装置330の振動強度及び振動時間を調整することにより、トラフ320上の物品の搬送量を制御することができる。また、第2振動装置330の振動強度(振動振幅)や振動時間は、図5に示されるように、制御装置700を構成する搬送制御部706からの制御信号によって変更可能とされている。
(プールホッパ)
【0029】
プールホッパ340は、対応するトラフ320の外周側下方に配置されており、そのトラフ320から搬送される物品を一時的に保持する。また、各プールホッパ340にはプールホッパ開閉機構350が連結されており、このプールホッパ開閉機構350により底部に形成される開閉ゲート(図示せず)が所定のタイミングで開放される。このようにして開閉ゲートが開放されると、プールホッパ340に保持されていた物品は、そのまま落下して対応する計量ホッパ360に投入される。なお、プールホッパ開閉機構350は、図5に示されるように、プールホッパ選択部703からの制御信号に基づいて、プールホッパ340の開閉ゲートを開閉させる。
(計量ホッパ)
【0030】
計量ホッパ360は、対応するプールホッパ340の直下に配置されており、そのプールホッパ340から落下してくる物品を受け取り保持する。また、各計量ホッパ340には重量検知部370(例えば、ロードセル等)が連結されており、この重量検知部370により、計量ホッパ340に保持される物品の重量が計量される。なお、この重量検知部370は、図5に示されるように、計量結果を計量信号として計量信号処理部701に出力する。また、各計量ホッパ360には計量ホッパ開閉機構375が連結されており、この計量ホッパ開閉機構375により底部に形成される開閉ゲート(図示せず)が所定のタイミングで開放される。このようにして開閉ゲートが開放されると、計量ホッパ360に保持されていた物品は、そのまま落下して対応する貯留ホッパ380に投入される。なお、計量ホッパ開閉機構375は、図5に示されるように、計量ホッパ選択部702からの制御信号に基づいて、計量ホッパ360の開閉ゲートを開閉させる。
(貯留ホッパ)
【0031】
貯留ホッパ380は、対応する計量ホッパ360の直下に配置されており、その計量ホッパ360から落下してくる物品を受け取り一時的に保持する。なお、本実施の形態において、貯留ホッパ380は、図4に示されるように、下端部が集合シュート400の上端部と重なるように配設されている。また、各貯留ホッパ380には貯留ホッパ開閉機構390が連結されており、この貯留ホッパ開閉機構390により底部に形成される開閉ゲート(図示せず)が所定のタイミングで開放される。このようにして開閉ゲートが開放されると、貯留ホッパ380に保持されていた物品は、そのまま落下して集合シュート400に流される。なお、貯留ホッパ開閉機構390は、図5に示されるように、貯留ホッパ選択部704からの制御信号に基づいて、貯留ホッパ380の開閉ゲートを開閉させる。
(3)集合シュート
【0032】
集合シュート400は、貯留ホッパ380から排出される物品をまとめて下流の包装装置などに排出する役目を担う部材であって、図4、図10および図11に示されるように、主に、部分集合シュート部401および全集合シュート部405から構成されている。
【0033】
部分集合シュート部401は、中央の5つのヘッド300から排出される物品を1つにまとめて全集合シュート部405に導く第1部分シュート部402と、一端側の2つのヘッド300から排出される物品を1つにまとめて全集合シュート部405に導く第2部分シュート部403と、他端側の2つのヘッド300から排出される物品を1つにまとめて全集合シュート部405に導く第3部分シュート部404とから形成されている。
【0034】
全集合シュート部405は、上端から下端に向かうに従って開口面積が小さくなる筒状の部材であって、上端側に上面視において略D字状の開口410と、下端側に上面視において略D字状の物品排出口420とを有している。なお、本実施の形態において、物品排出口420は、図11に示されるように、上面視において仮想円周CLの中心、つまり分散テーブル210の頂点SCと重なるように配置されている。したがって、各ホッパ340,360,380(図11ではプールホッパのみを表示)から物品排出口420までの距離はほぼ等しくなっている。
(4)固定部材
【0035】
固定部材600は、図1〜図3に示されるように、主に、4本の固定脚601および台座602から構成されている。固定脚601は、上面視において分散テーブル210の頂点SCを中心とする仮想円周上に等間隔、つまり90°置きに配置されている。そして、この固定脚601は、台座602から略垂直に延びており、組合せ計量装置100の本体を支持している。また、台座602には、制御装置700が格納されている。
(5)制御装置
【0036】
制御装置700は、図5に示されるように、主に、計量信号処理部701、計量ホッパ選択部702、プールホッパ選択部703、貯留ホッパ選択部704、供給制御部705および搬送制御部706から構成されている。これらの構成要素は、制御装置700が、ROM(図示せず)に記憶される動作プログラムを実行することにより実現される。
【0037】
なお、本実施の形態に係る組合せ計量装置100は、分散フィーダ3およびヘッド5を複数のセクションに分割することにより、1台で、複数種類の物品それぞれに対する組合せ演算を独立して行うことも可能である。以後、本組合せ計量装置100が1つのセクションだけで構成されているものとして本組合せ計量装置100について説明する。
以下、制御装置700の構成要素について詳述する。
(計量信号処理部)
【0038】
計量信号処理部701は、各計量ホッパ360に対応する重量検知部370から出力されるアナログ計量信号を増幅してディジタル計量信号に変換する。そして、計量信号処理部701は、ディジタル計量信号をフィルタリングして計量データを生成する。なお、計量データは、各計量ホッパ360に投入されている物品の重量を示している。
(ホッパ選択部)
【0039】
ホッパ選択部702は、計量信号処理部701で生成された計量データ90に基づいて、物品の重量の組合せ演算を行う。具体的には、複数の計量ホッパ360内の物品の重量の中から、目標重量と一致する重量の組合せ、もしそのような組合せが存在しなければ予め設定された許容範囲内であって目標重量に最も近い重量の組合せが求められる。そして、ホッパ選択部702は、計量ホッパ360の中から、求めた組合せを構成する重量の物品を保持する各計量ホッパ360を選択し、選択した計量ホッパ360に対応する計量ホッパ開閉機構375に対して計量ホッパ360の開閉ゲートを開かせるための制御信号を出力する。
(供給制御部)
【0040】
供給制御部705は、クロスフィーダ110による分散フィーダ200への物品の供給量を制御する。なお、分散フィーダ3には、物品の重量を検出する重量検知部(図示せず)が取り付けられており、供給制御部705は重量検知部からの重量情報を参照しながらクロスフィーダ110への供給重量を制御する。
【0041】
なお、クロスフィーダ110は、物品が載置されるトラフ(図示せず)と、トラフを所定の方向に駆動するトラフ駆動機構(図示せず)とから構成されている。クロスフィーダ110は、駆動機構21によりトラフに載置された物品を分散フィーダ200に搬送する。なお、トラフ駆動機構21は、上述したように、供給制御部705からのON・OFF制御信号に基づいて動作する。
(搬送制御部)
搬送制御部706は、図5に示されるように、第1振動装置230及び第2振動装置330の振動時間や振動強度を個別に制御する。
<組合せ計量装置の動作>
【0042】
クロスフィーダ110から分散テーブル210に物品が供給されると、その物品は、分散フィーダ200により分散テーブル210上で周方向に分散しながら半経方向に移動してヘッド300のトラフ320まで搬送される。次に、トラフ320に搬送された物品は、第2振動装置330により半経方向外側に向かって搬送され、プールホッパ340に落下し、一時的にプールホッパ340に貯留される。そして、その後、所定のタイミングでプールホッパ340の開閉ゲートがプールホッパ開閉機構350により開放されると、プールホッパ340に貯留されていた物品は、そのまま落下して計量ホッパ360に投入され、一時的に計量ホッパ360に貯留される。そして、このとき、重量検知部370により物品の重量が計量される。そして、各計量ホッパ360において物品の計量が完了すると、計量ホッパ開閉機構375により計量ホッパ360の開閉ゲートが開放され、計量ホッパ360に貯留されていた物品がそのまま落下して貯留ホッパ380に投入され、一時的に貯留ホッパ380に貯留される。なお、このとき、各計量ホッパ360における物品の計量値は、制御装置700の記憶部(例えば、EEPROM等)(図示せず)に記憶される。そして、物品を貯留している全ての貯留ホッパ380(及び計量ホッパ360)のうち、目標重量に一致するか又は目標重量に最も近い重量値となるホッパの組合せが演算によって求められ、選択された一または複数のホッパから物品が排出される。そして、貯留ホッパ380から排出された物品は、集合シュート400に供給され、集合シュート400によって集合されて、集合シュート400の底部の物品排出口420から下流の包装装置に排出される。
<組合せ計量装置の設置方法>
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100は図2および図3に示されるようにヘッド300が存在しない箇所を壁Wに向けて配置されるのが好ましい。
<組合せ計量装置の特徴>
(1)
【0043】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100では、14個のヘッドのうち、仮想円周CLの一部である仮想円弧領域RAに対応する5個のヘッドの配設が省略されている。このため、この組合せ計量装置100では、ヘッド300の配設が省略された側のサイズを小さくすることができる。したがって、ヘッド300の省略部分を計量室などの壁Wに向けてこの組合せ計量装置100を設置すれば、奥行方向の設置スペースが円形配列型の組合せ計量装置と比べて小さくて済む。さらに、この組合せ計量装置100では、ヘッド300が仮想円弧領域RAと対抗する仮想円弧領域に配置されているため、円形配置型の組合せ計量装置の利点をほとんど失わない。
【0044】
よって、本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100は、計量室の奥行方向の設置スペースが比較的狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができる。
(2)
【0045】
上述のように、ヘッド300の省略部分を計量室の壁Wに向けて本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100が設置されると、計量室の壁Wから分散テーブル210の頂点SCまでの距離が短くなる。このため、この組合せ計量装置100の上方に配設されるクロスフィーダ110の長さを短くすることができる。つまり、クロスフィーダ110をコンパクト化することができる。
(3)
【0046】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100では、貯留ホッパ380から物品排出口420までの距離がほぼ等しくなっている。このため、この組合せ計量装置100では、貯留ホッパ380から排出された物品が物品排出口420に到達するまでの所要時間や物品排出口420に到達した時点での物品の落下速度を、複数の貯留ホッパ380間で等しくすることができる。したがって、この組合せ計量装置100では、上記所要時間や落下速度のばらつきを抑制することができ、処理速度の低下を防止することができる。
(4)
【0047】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置100では、ヘッド300の配設が省略されている部分から鉛直上方に向かって支持部材160が延びている。このため、この組合せ計量装置100では、無駄な空間を有効に活用しクロスフィーダ110の姿勢を安定化させることができる。
<変形例>
(A)
【0048】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では14個のヘッドのうち、仮想円周CLの一部である仮想円弧領域RAに対応する5個のヘッドの配設が省略されていたが、省略されるヘッド300の数は特に限定されることなく任意に決定されてかまわない。例えば、図12に示されるように、7つのヘッド300の配設が省略され、半円形にヘッド300が配設されるようにしてかまわないし、図13に示されるように、9つのヘッドの配設が省略され、扇形にヘッド300が配設されるようにしてもかまわない。このようにすれば、計量室への組合せ計量装置100a,100bの設置レイアウトの自由度が向上する。
【0049】
なお、図12に示される組合せ計量装置100aでは、分散テーブル210aの壁部213aが先の実施の形態に係る壁部213よりも延ばされており、非部分円板領域が先の実施の形態に係る非部分円板領域NCよりも広がっている。また、この組合せ計量装置100aでは、固定脚601aが、3本設けられており、分散テーブル210aの頂点SCを中心とする仮想円周上に等間隔、つまり120°置きに配置されている。なお、一つの固定脚601aは中央のヘッド300と対抗する側に設けられ、他の2つの固定脚601aは、端から2つ目のヘッド300の下にそれぞれ設けられている。また、台座602aは、奥行方向が先の実施の形態に係る台座602よりもコンパクト化されている。
【0050】
また、図13に示される組合せ計量装置100bでは、分散テーブル210aの壁部213aが上記の壁部213aよりもさらに延ばされており、非部分円板領域が上記の非部分円板領域よりもさらに広がっている。また、この組合せ計量装置100bでは、固定脚601bが、3本設けられており、分散テーブル210bの頂点SCを中心とする仮想円周上に等間隔、つまり120°置きに配置されている。なお、一つの固定脚601bは中央のヘッド300と対抗する側に設けられ、他の2つの固定脚601bは、端のヘッド300の下にそれぞれ設けられている。また、台座602bは、幅方向および奥行方向ともに、上記の台座602aよりも小型化されている。
(B)
【0051】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では仮想円周CL上に最大14個のヘッドを並べて配置することが可能となっているが、この最大ヘッド個数は特に限定されることなく任意に決定されてもかまわない。
(C)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、制御装置700を外部に設けて、台座602を小型化してもよい。
(D)
【0052】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では分散テーブル210に平板部212が設けられていたが、平板部212が省略され、円錐部と壁部とから構成されてもかまわない。
(E)
【0053】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では計量ホッパ360と集合シュート40との間に貯留ホッパ380が配設されていたが、貯留ホッパ380は省略されてもかまわない。
(F)
【0054】
先の実施の形態では特に言及しなかったが、組合せ計量装置100と下流の包装装置との間に、組合せ計量装置100と下流の包装装置との処理タイミングを合わせるためのタイミングホッパが設けられてもよい。
(G)
【0055】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では固定脚601の本数が4本とされていたが、この本数は特に限定されることなく任意に決定されてもかまわない。
(H)
【0056】
先の実施の形態に係る組合せ計量装置100では図10に示されるような部分集合シュート部401が設けられる集合シュート400が採用されたが、部分集合シュート部401の代わりに個別集合シュート部(各貯留ホッパに対応したシュート部分が存在するようなシュート部)が設けられる集合シュートが採用されてもかまわない。
(I)
【0057】
先の実施の形態では分散フィーダ200までの物品搬送手段としてクロスフィーダ110が採用されたが、これに代えて、バケットコンベアが採用されてもかまわない。かかる場合、従来よりもバケット数を少なくすることができ(計量室の壁Wから分散テーブル210の頂点SCまでの距離を短くすることができるため)、バケットの清掃時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0058】
100 組合せ計量装置
110 クロスフィーダ(物品供給部材)
160 支持部材
200 分散フィーダ(物品分散機構)
300 ヘッド
360 計量ホッパ(ホッパ)
380 貯留ホッパ(ホッパ)
375 計量ホッパ開閉機構(物品排出機構)
390 貯留ホッパ開閉機構(物品排出機構)
420 物品排出口
702 計量ホッパ選択部(ホッパ選択部)
CL 仮想円周
RA 仮想円弧領域
SC 分散テーブルの頂点(物品供給点)
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る組合せ計量装置は、計量室の奥行方向の設置スペースが比較的狭い場合であっても、円形配列型の組合せ計量装置の特徴や利点をほとんど失うことなく設置することができるという特徴を有し、設置スペースが比較的狭い計量室向けの組合せ計量装置として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面視において一の物品供給点を中心とする仮想円周上に配置され,物品を収容するホッパが設けられる複数のヘッドと、前記物品供給点に供給された前記物品を放射状に分散しながら複数の前記ホッパに供給する物品分散機構と、前記物品の目標重量または目標数量に応じて一または複数の前記ホッパを選択するホッパ選択部と、前記ホッパ選択部によって選択された前記ホッパ内に貯留される前記物品を前記ホッパから排出させる物品排出機構と、前記物品供給点の鉛直下方において,前記物品排出機構により前記ホッパから排出された前記物品を外部に排出するように形成される一の物品排出口とを備える組合せ計量装置であって、
前記複数のヘッドのうち、前記仮想円周の一部である仮想円弧領域に対応する一又は複数のヘッドの配設が省かれた
組合せ計量装置。
【請求項2】
上面視において、前記仮想円弧領域には、前記物品供給点へ前記物品を供給するための物品供給部材が配置される
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記仮想円弧領域は、中心角が180°より小さく、
上面視において前記仮想円弧領域の端点を結ぶ仮想直線と前記物品供給点との間には、前記物品供給部材を支持する支持部材が配置される
請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記仮想円弧領域は、中心角が180°以上である
請求項1又は2に記載の組合せ計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−47816(P2011−47816A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196989(P2009−196989)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)