説明

経皮治療用器具

【課題】半導体層の有する経皮治療効果に、人体の放射する赤外線を利用した効果を加えることによって治療効果が増大した経皮治療用器具を提供する。
【解決手段】経皮治療部材層10は布地等の伸縮性の支持部材8の面に設ける。経皮治療部材層10を構成する半導体層は、接着剤等にN型またはP型または両者混合の半導体パウダーを混入させ、P型半導体層3、N型半導体層5、またはN型とP型とを混合させた半導体層としてこれらを積層する。各半導体層の両面には絶縁性インク層2、4、6を形成し、経皮治療部材層10には反射部材層7を付加し効果を増大することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮治療用器具に関し、特に半導体層などを用いて治療効果を発揮する経皮治療用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経皮吸収治療は打ち身、捻挫、こりなどに対してパック剤が使用され、これには経皮吸収薬剤としてメントール、カンフル、ハッカ油、チモールなどが用いられ、また、痛み止めとしてインドメタシン、フェルビナクなどが経皮吸収薬剤として使用されるほか、心臓発作を抑えるため、虚血性心疾患治療剤硝酸薬である経皮吸収薬剤のニトログリセリン製剤や硝酸イソソルビト製剤をシートに貼付したものや、経皮吸収クリーム等の形で市販されている。
【0003】
しかし、これらの方法は一時的に痛みを抑えたり、心臓発作を一時的に回避するだけであって、根本的な治療とはなっていない場合が多く、その解決策として半導体膜を用いる方法があり、この方法によれば根本的な治療効果を期待することができ、狭心症や不整脈の患者が治癒したり、腰痛が完全に治った例が多い。
【0004】
半導体膜、特に半導体膜付きセラミックスやN型半導体とP型半導体の複合膜は筋肉を活性化し、血流を増加して鬱血を解消する効果がある。
【0005】
半導体の治療効果は、東方医学第13巻第3号P17〜25(1997)に記載されているように、血流を一時的に増加して乳酸等の痛み物質を流し去り、自律神経機能を高め、筋肉の緊張を和らげる作用がある。一般に経皮治療が行われる筋肉の腫れ、捻挫、打ち身、こりなど皮膚内部の筋肉組織の損傷は鬱血によることが多く、半導体膜の貼付によって血流が増加し腫れが引く作用がある。このような半導体膜の貼付による効果は、患部の根本的な治療が期待できるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような根本的な治療効果を期待するための半導体膜を用いる治療用器具として本出願の出願人は多様な形態の治療用器具を先に出願しているが、最近、本願の出願人は、赤外線の性質を利用することによって治療効果を増大する着想を得た。
【0007】
赤外線は可視光より波長が長いため人の目では見えない、可視光の明るさ、暗さに関係しない、絶対0°K以上のすべての物体から自然に放射されている、熱線として物体を暖める、などの性質があり、電磁波の一種であり、真空中でも伝播され、赤外線エネルギーと物体の温度は相関関係にある。このような赤外線の性質は一般に知られているが、これらの性質を利用して治療効果を増大させた半導体膜を用いる経皮治療用器具は未だ提供されていない。
【0008】
また、半導体膜内の半導体(P型、N型)内部の自由電子は、温度や光などの刺激を与えることによって活発に移動し熱を発生する。この発生する熱量と刺激の大小とは相関関係にある。
【0009】
本発明は半導体膜による従来の治療効果に加え、前記のように赤外線を利用し、また、半導体層に温度や光などの刺激を与えることによって半導体内の自由電子が活発に移動することによって発生する熱を利用し、治療効果を増大させた経皮治療用器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するため手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、半導体層を複数積層し、各半導体層の両面には絶縁性インク層又は絶縁性樹脂層(以下絶縁性インク層という)を配置した。半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層表面に、厚み方向を孔軸方向とする多数の細孔を形成した。また、端面に、厚み方向を切り欠き方向とする多数の凹凸溝を形成した。
【0011】
また、P型又は/及びN型或いは前記両者を混合した半導体層を単数又は複数積層し、前記各半導体層の表面に絶縁性インク層を形成し、前記絶縁性インク層を介して人体表面温度又は/及び外部から光などの刺激によって前記半導体が前記刺激の大小に対応して熱を発生するようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置したものであり、人体表面から放射される赤外線を透過、吸収、反射する各効率が向上し、治療効果が増大する有利な効果が得られる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層表面に、厚み方向を孔軸方向とする多数の細孔を形成したものであり、人体表面から放射される赤外線は細孔によって多重反射し、空洞放射となって放射率が大きくなり、赤外線の透過、吸収、反射する各効率が向上し、治療効果が増大する有利な効果が得られる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層端面に、厚み方向を切り欠き方向とする多数の凹凸溝を形成したものであり、人体表面から放射される赤外線は凹凸溝によって多重反射し、空洞放射となって放射率が大きくなり、赤外線の透過、吸収、反射する各効率が向上し、治療効果が増大する有利な効果が得られる。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、P型又は/及びN型或いは前記両者を混合した半導体層を単数又は複数積層し、前記各半導体層の表面に絶縁性インク層を形成し、前記絶縁性インク層を介して人体表面温度又は/及び外部から光などの刺激によって前記半導体が前記刺激の大小に対応して熱を発生するようにしたものであり、人体の肌から放射される熱や外部光などによって半導体内の自由電子が動き回り熱を発生し、治療効果が増大する有利な効果が得られる。
【0016】
このような本発明の経皮治療用具を利用することによって、肩こり、冷え性、腰、膝、関節、眼精疲労等の辛さを短い時間で緩和することができる有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置する。この絶縁性インク層によって、経皮治療用器具を人体表面に貼付した場合、人体面から放射される赤外線は効率よく利用され、治療効果を増大させるものとなる。
【0018】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層表面に、厚み方向を孔軸方向とする多数の細孔を形成する。この絶縁性インク層によって、経皮治療用器具を人体表面に貼付した場合、人体面から放射される赤外線は効率よく利用され、治療効果を増大させるものとなり、また、多数の細孔によって赤外線は多重反射、空洞放射を行なうので赤外線はさらに効率よく利用できるものとなる。
【0019】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療層端面に、厚み方向を切り欠き方向とする、鋸歯状、歯車状、あるいは波状などの形状の、多数の溝を形成する。この絶縁性インク層によって、経皮治療用器具を人体表面に貼付した場合、人体面から放射される赤外線は効率よく利用され、治療効果を増大させるものとなり、また、多数の溝によって赤外線は多重反射、空洞放射を行なうので赤外線はさらに効率よく利用できるものとなる。
【0020】
P型又は/及びN型或いは前記両者を混合した半導体層を単数又は複数積層し、前記各半導体層の表面に絶縁性インク層を形成し、前記絶縁性インク層を介して人体表面温度又は/及び外部から光などの刺激によって前記半導体が前記刺激の大小に対応して熱を発生するようにする。人体の肌から放射される熱や外部光などによって半導体内の自由電子が動き回り熱を発生し、治療効果が増大する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の経皮治療用器具の要部の断面図である。1は積層された表面を保護する、剥離可能な台紙、2は後述する絶縁性インク層、3はP型半導体層、4は前記同様の絶縁性インク層、5はN型半導体層、6は前記同様の絶縁性インク層、7は反射部材層、8は経皮治療部材層を配置する支持部材で、伸縮性のある布地などで形成する。
【0022】
これらは、支持部材8の、所定面、所定位置に所定大きさ及び形状で、図1の順に積層して構成する。それぞれについて説明すれば、半導体層3、5は、例えば、インク、塗料、接着剤等としての素材に、半導体のメッシュ130前後〜10000前後のパウダーを混入させたものである。半導体としては、N型、またはP型、あるいは両者を混合したものを用いる。こうすることにより半導体層はある程度の伸縮性を有するものとなる。半導体層は、円形あるいは多角形状に、任意の形状に印刷したり、塗布したりすることによって支持部材8の所望の位置に配置することができる。
【0023】
反射部材層7は、熱硬化性樹脂に粘着材及びアルミ、金、銀、銅などの金属紛のうち1種あるいは数種を混入させたもので形成する。台紙1を剥離して露出した面を人体の所望部位に貼付したとき、この反射部材層5によって、半導体層3、5の作用力を反射して作用させ、人体側に向けた効率的なものとすることができる。
【0024】
P型半導体層3及びN型半導体層5は、それぞれの両面を絶縁性インク層2、4、6によって覆われているので、絶縁体となり、人体から放射される赤外線の透過、吸収、反射の各効率がアップされ、半導体の人体表面温度を上昇させる作用と相俟って人体の血行の悪い箇所の治療効果を増大させ、血流を改善する。
【0025】
人体表面の温度が高くなり、血流が正常になると温度上昇が緩和され、放射率が小さくなる。従ってむやみに人体表面温度を上昇させるようなことがない。
【実施例2】
【0026】
図2は本発明の経皮治療用具の要部の表面図である。経皮治療用具の積層状態の断面図は前記した実施例1のものと同様であるので図示説明は省略する。
【0027】
10は半導体治療部材層であり、図1における積層構造から台紙1と支持部材8とを除外した部分である。半導体治療部材層10の面には多数の細孔11、例えば丸孔を穿設する。この状態を図3の断面図に示す。細孔11は貫通して穿設してもよく、あるいは厚みを一部残した孔としてもよい。このようにすることによって、赤外線は多重反射し、空洞放射となって放射率が大きくなり、赤外線を効率的に利用することができる。
【0028】
また、図2において、12は半導体治療部材層10の周囲端面に設けた複数の溝であり、この溝12によって周囲端面は凹凸構造となっている。この溝12は半導体治療層10の厚み方向を切り欠き方向として形成し、その形状は鋸歯状、歯車の歯状、あるいは波形状などである。
【0029】
このようにすることによって、人体表面の所望部位に貼付した場合、人体が放射する赤外線は細孔11及び溝12によって多重反射し、空洞放射となって放射率が大きくなり、赤外線を効率的に利用することができる。
【0030】
図4は前記した実施例1及び2の経皮治療用器具の作用を図示したものである。ステップ1によって接触電位差が発生し、原子価制御効果が得られ、活性酸素の発生その他の作用がある。この作用は刺激作用となってステップ2の血流量の増加を促し、結果としてサーモグラフィで皮膚温度の上昇が観測できる。血流量の増加はステップ3として疼痛緩和効果をもたらす。
【0031】
なお、以上の各実施例では、半導体治療部材層を形成する際、絶縁性インク層を半導体層とは別に積層するように記述したが、半導体粒に絶縁性インクを混入して印刷することによっても、半導体表面に絶縁性インク層が形成されるので、このようにして製造工程を短縮することもできる。
【実施例3】
【0032】
図5は本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面に貼付した状態の断面図である。2は絶縁性インク層、35はP型又はN型半導体層、7は反射部材層であり、前記した実施例1及び2に記載した台紙1や支持部材8は図示省略してある。Dは人体の肌面である。
【0033】
図5において、矢印Lは外部から与えられる光、矢印Hは肌面Dから放射される熱である。P型又はN型半導体層35内部では熱H又は/及び光Lによって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、肌面Dの温度によって放射される熱H又は/及び光Lなどの刺激の大小に応じて半導体内の自由電子の移動量が変化し発熱量が増減する。従って本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面Dに貼付することによって、自由電子の動きが活発化しP型又はN型半導体層35は熱を発生し肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【実施例4】
【0034】
図6は本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面に貼付した状態の断面図である。2は絶縁性インク層、3はP型半導体層、5はN型半導体層、7は反射部材層であり、前記した実施例1及び2に記載した台紙1や支持部材8は図示省略してある。Dは人体の肌面である。P型半導体層3とN型半導体層5との積層順は逆であってもよい。
【0035】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光、肌面Dから放射される熱によって、P型半導体層3及びN型半導体層5の内部では熱又は/及び光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、肌面Dの温度によって放射される熱又は/及び光などの刺激の大小に応じて半導体内の自由電子の移動量が変化し発熱量が増減する。従って本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面Dに貼付することによって、自由電子の動きが活発化しP型及びN型半導体層3及び5は熱を発生し肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【実施例5】
【0036】
図7は本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面に貼付した状態の断面図である。2は絶縁性インク層、3はP型半導体層、5はN型半導体層であり、N型半導体層5を二つのP型半導体層が挟持する状態に積層してある。但し、この積層配列状態はこの例に限定されるものではない。7は反射部材層であり、前記した実施例1及び2に記載した台紙1や支持部材8は図示省略してある。Dは人体の肌面である。
【0037】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光、肌面Dから放射される熱によって、2層のP型半導体層3及び単層のN型半導体層5の内部では熱又は/及び光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、肌面Dの温度によって放射される熱又は/及び光などの刺激の大小に応じて半導体内の自由電子の移動量が変化し発熱量が増減する。従って本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面Dに貼付することによって、自由電子の動きが活発化しP型及びN型半導体層3及び5は熱を発生し肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【実施例6】
【0038】
図8は本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面に貼付した状態の断面図である。2は絶縁性インク層、3はP型半導体層、5はN型半導体層であり、二つのN型半導体層5と二つのP型半導体層3とを交互に積層してある。ただし、この積層配列状態はこの例に限定されるものではない。7は反射部材層であり、前記した実施例1及び2に記載した台紙1や支持部材8は図示省略してある。Dは人体の肌面である。
【0039】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光、肌面Dから放射される熱によって、2層のP型半導体層3及び2層のN型半導体層5の内部では熱又は/及び光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、肌面Dの温度によって放射される熱又は/及び光などの刺激の大小に応じて半導体内の自由電子の移動量が変化し発熱量が増減する。従って本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面Dに貼付することによって、自由電子の動きが活発化しP型及びN型半導体層3及び5は熱を発生し肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【実施例7】
【0040】
図9は本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面に貼付した状態の断面図である。2は絶縁性インク層、36はP型半導体とN型半導体とを混合させた半導体層である。7は反射部材層であり、前記した実施例1及び2に記載した台紙1や支持部材8は図示省略してある。Dは人体の肌面である。
【0041】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光、肌面Dから放射される熱によって、P型とN型半導体混合層36の内部では熱又は/及び光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、肌面Dの温度によって放射される熱又は/及び光などの刺激の大小に応じて半導体内の自由電子の移動量が変化し発熱量が増減する。従って本実施例の経皮治療用器具を人体の肌面Dに貼付することによって、自由電子の動きが活発化しP型とN型半導体混合層36は熱を発生し肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【0042】
なお、実施例3から実施例7に示した半導体層の層数は各例に限定されるものではなく、層数を多くすることによって治療効果をパワーアップすることができるものである。
【実施例8】
【0043】
図10において本発明の経皮治療用具を電気スタンド等の照明灯に用いた例を示す。同図において10は半導体治療部材層であり、これを照明灯30のシェード20の内面あるいは外面に貼付する。貼付面はシェード20の一部であっても、全面であってもよい。また、照明灯は発光体が蛍光灯であっても、あるいは白熱電球であってもよい。
【0044】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光と熱によって、P型とN型半導体混合層36の内部では熱や光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、自由電子の動きが活発化しP型とN型半導体混合層36は熱を発生し照明灯30に近接した肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善し、人体の眼や顔面によい効果をもたらす。
【実施例9】
【0045】
図14及び図15は。上記照明灯30としての電気スタンドの他例を示す。図14において、32は電気スタンドのシェード20の正面側に相当する部分またはシェード20のほぼ全面に整列或いはランダムに施した透孔群であり、この透孔群32を施した部位に相当するシェード20の内面に図15に示した本発明の半導体治療部材層10として経費治療用具を備える。23は照明灯30より発光する光線を反射する反射板であり、シェード20の内面に貼着する。また、照明灯30としての発光体は蛍光灯あるいは白熱電球であってもよい。
【0046】
上記他例においても、上記項番〔0044〕で記述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0047】
図11において本発明の経皮治療用具を暖房器具に用いた例を示す。同図において10は半導体治療部材層であり、これをコタツ50の発熱体40を取り囲む発熱体カバー60内面あるいは外面に貼付する。51はコタツ50の天板である。貼付面は発熱体カバー60面の一部であっても、全面であってもよい。
【0048】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光と熱によって、P型とN型半導体混合層36の内部では熱や光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、自由電子の動きが活発化しP型とN型半導体混合層36は熱を発生し発熱体カバー60面に近接した人体の肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【実施例10】
【0049】
図12において本発明の経皮治療用具を足のせ部材に用いた例を示す。同図において10は半導体治療部材層であり、これを長方形で布や合成樹脂で形成した足のせ部材70の一方の端部下面に設けた発泡体で形成される台71の表面に貼付する。台71は足の指の付け根部分をのせるようになっている。貼付面は台71面の一部であっても、前面であってもよい。あるいは直接足のせ部材70の内面、外面のいずれかに貼付してもよい。また、長方形の足のせ部材70の他方の端部、足のかかとの部分をのせる部位72の内外面のいずれかにも半導体治療部材層10を貼付する。貼付面は部位72面の一部であっても、全面であってもよい。また、この足のせ部材70は前記のように布や合成樹脂で形成し可撓性であるので丸めて小型なものとして持ち運ぶことができ、また、片付けることもできる。
【0050】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光と熱によって、P型とN型半導体混合層36の内部では熱や光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、自由電子の動きが活発化しP型とN型半導体混合層36は熱を発生し足のせ部材面に接した肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。また、台71が形成する段差によってストレッチング効果を発揮し、健康増進に効果がある。
【実施例11】
【0051】
図13において本発明の経皮治療用具を鏡に用いた例を示す。同図において10は半導体治療部材層であり、これを、鏡80を構成する鏡部材81の裏面に貼付する。貼付面は鏡部材81面の一部であっても、全面であってもよい。82は鏡部材81を収容する枠である。
【0052】
本実施例においても、前記実施例3同様、外部から与えられる光と熱によって、P型とN型半導体混合層36の内部では熱や光によって刺激され、自由電子の移動量が変化する。即ち、自由電子の動きが活発化しP型とN型半導体混合層36は熱を発生し鏡80に近接した肌面Dの血行の悪い箇所を暖め、治療効果を増大させ、血流を改善する。
【0053】
本発明によれば、前述した半導体治療部材層10より放射される半導体得有の赤外線によって人体の血行の悪い箇所の治療効果を増大させて血流を改善することができる。
【実施例12】
【0054】
図16は本発明の半導体経皮治療部材の基本的な構造例を示す。同図において、90は経皮治療部材であり、これはN型半導体又はP型半導体で構成しても、或いは上記両者を積層したものであってもよく、又、上記両者を混合した混合層であってもよい。
【0055】
又、上記経皮治療部材90の一方の面には前述した反射層91を必要に応じて設ければよく、必須のものではない。
【0056】
又、上記経皮治療部材90の貼着面には貼着剤層92を設ける。
【0057】
図17から図19において、本発明の経皮治療部材を、木造住宅、プレハブ住宅、及び鉄筋コンクリートからなる建造物の屋内の床に用いた例を示す。尚、本実施例は床に限定されることなく、例えば、図示を省略したが側壁又は/及び天井にも経皮治療部材を用いることができる。
【実施例13】
【0058】
図17A、図17B及び図17Cは、床下地部材94と床部材95との分解縦断面図であって、図17Aにおいて、床下地部材94の下面側に上記経皮治療部材90を所定の間隙(正規則又は不規則を問わない。)を存して貼着又は、印刷又は塗布の手段にて配置装着した例を示す。図17Bは、上記経皮治療部材90を床下地部材94の上面に上記図17Aと同様な手段にて配置装着した例を示す。図17Cは、P型又はN型又は両者を混合した半導体微粒子を混入した床下地部材94aの例を示す。
【0059】
上記床下地部材94に対する経皮治療部材の配置は、一部であっても概ね全面であってもよく、必要に応じて選択することができる。
【0060】
上記建造物の屋内の床下地部材は、N型、P型の半導体で構成された経皮治療部材を備えているので、この経皮治療部材より室内に向けて発生される半導体による特有の赤外線、イオン等を生体(人体、ペット)全身に居ながらにして、温熱効果により有効に作用し、この結果、血流を改善し、乳酸等による痛み物質を除去し、自律神経機能を高め、筋肉の緊張を柔らげる作用に加えて、捻挫、打ち身、こり等を有効に改善する作用を得ることができる。
【実施例14】
【0061】
図18A、図18B及び図18Cは、前記実施例13と同じと床下地部材94と床部材95との分解縦断面図であって、図18Aにおいて、床部材95の下面に、上記経皮治療部材90を所定の間隙(正規則、不規則を問わない。)を存して貼着又は印刷又は塗布等の手段により装着した例を示す。図18Bにおいて、上記床部材95の上面に、上記経皮治療部材90を上記図18Aにおいて説明した間隙手段により装着した例を示す。図18Cは、N型又はP型又は両者を混合した半導体微粒子を混入した床部材95aの例を示す。
【0062】
上記床部材95に対する経皮治療部材の配置は一部であっても、概ね全面であってもよく、必要に応じて選択することができる。
【0063】
上記のように、床部材に経皮治療部材を備えた場合でも、前記実施例13と同じ利点を発揮することができる。
【実施例15】
【0064】
図19A,図19B及び図19Cは床部材95の上面側にマットを敷設した例の、マット96と床部材95及び床下地部材94の分解縦断面図であって、図19Aにおいて、上記マットの下面に、上記経皮治療部材90を所定の間隙(正規則、不規則を問わない。)を存して貼着又は印刷又は塗布等の手段により装着した例を示す。図19Bにおいて、上記マットの上面に上記経皮治療部材90を、上記図19Aにおいて説明した間隙手段により装着した例を示す。図19Cは、N型又はP型又は両者を混合した半導体微粒子を混入したマット96aの例を示す。
【0065】
上記マット96に対する経皮治療部材の配置は一部であっても、概ね全面であってもよく、必要に応じて選択することができる。
【0066】
上記のように、マット96に経皮治療部材を備えた場合でも、前記実施例13及び実施例14と同じ利点を発揮することができる。
【0067】
上記各実施例13、14及び15を必要に応じて適宜組み合わせて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図2】 本発明による経皮治療用器具の要部の平面図である。
【図3】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図4】 半導体による経皮治療の作用の説明図である。
【図5】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図に経皮治療の作用を加入した図である。
【図6】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図7】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図8】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図9】 本発明による経皮治療用器具の要部の断面図である。
【図10】 本発明による経皮治療用器具の使用状態例である。
【図11】 本発明による経皮治療用器具の使用状態例である。
【図12】 本発明による経皮治療用器具の使用状態例である。
【図13】 本発明による経皮治療用器具の使用状態例である。
【図14】 本発明による経皮治療用器具の使用状態例である。
【図15】 図14のA−A線拡大断面図である。
【図16】 本発明による経皮治療部材の要部の断面図である。
【図17】 (A),(B)及び(C)本発明による経皮治療部材の使用状態例である。
【図18】 (A),(B)及び(C)本発明による経皮治療部材の使用状態例である。
【図19】 (A),(B)及び(C)本発明による経皮治療部材の使用状態例である。
【符号の説明】
【0069】
1 台紙
2 絶縁層(絶縁性インク層)
3 P型半導体層
4 絶縁層
5 N型半導体層
6 絶縁層(絶縁性インク層)
7 反射部材層
8 支持部材層
10 半導体治療部材層
11 細孔
12 溝
35 P型又はN型半導体層
36 P型とN型の混合半導体層
30 照明灯
50 こたつ
70 足のせ部材
80 鏡
90 経皮治療部材
91 反射層
92 貼着剤層
94 床下地部材
95 床部材
94a 半導体を混入した床下地部材
95a 半導体を混入した床部材
96 マット
96a 半導体を混入したマット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置したことを特徴とする経皮治療用器具。
【請求項2】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、
前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層表面に、厚み方向を孔軸方向とする多数の細孔を形成したことを特徴とする経皮治療用器具。
【請求項3】
P型又はN型又は前記両者を混合した半導体層を複数積層し、前記各半導体層の両面には絶縁性インク層を配置し、
前記半導体層と前記絶縁性インク層とで形成した経皮治療部材層端面に、厚み方向を切り欠き方向とする、鋸歯状、歯車の歯状、あるいは波状などの形状の、多数の溝を形成したことを特徴とする経皮治療用器具。
【請求項4】
P型又は/及びN型或いは前記両者を混合した半導体層を単数又は複数積層し、前記各半導体層の表面に絶縁性インク層を形成し、前記絶縁性インク層を介して人体表面温度又は/及び外部から光などの刺激によって前記半導体が前記刺激の大小に対応して熱を発生するようにしたことを特徴とする経皮治療用器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2007−105436(P2007−105436A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326682(P2005−326682)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(591080966)株式会社ケントス (4)
【Fターム(参考)】