経糸製造方法および部分整経機
【課題】整経ドラム(2)を回転させて、糸シートで構成される少なくとも1つの経糸帯を前記整経ドラム(2)に巻き取って糸層(6)を生成する経糸製造方法において、糸層の構成を調節する可能性を拡充することを目的とする。
【解決手段】少なくとも1つの内部ディバイディング手段が用いられ、前記ディバイディング手段が前記糸層(6)から張り出す一方の末端に取っ手(11)を備えており、前記取っ手が所定の半径方向長さを有する経糸製造方法において、前記取っ手(11)の前記半径方向長さに少なくとも一致した半径方向の厚さに、前記糸層(6)が達したとき、加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられる。
【解決手段】少なくとも1つの内部ディバイディング手段が用いられ、前記ディバイディング手段が前記糸層(6)から張り出す一方の末端に取っ手(11)を備えており、前記取っ手が所定の半径方向長さを有する経糸製造方法において、前記取っ手(11)の前記半径方向長さに少なくとも一致した半径方向の厚さに、前記糸層(6)が達したとき、加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整経ドラムを回転させて、糸シートで構成される少なくとも1つの経糸帯を整経ドラムに巻き取って糸層を生成する経糸製造方法であって、少なくとも1つの内部ディバイディング手段(インターナル・ディバイディング手段)が使用され、このディバイディング手段が糸層から突出する一方の末端に取っ手を備えており、この取っ手が所定の半径方向長さを有する、経糸製造方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、整経ドラムと、この整経ドラムに対して所定の半径方向長さを有する取っ手を備えた少なくとも1つの内部ディバイディング手段とを有する、部分整経機に関する。
【背景技術】
【0003】
経糸は、一般に、1つのクリールから、すべての糸を同時に引き出すことができないほど多くの本数の且つ平行に配置される、糸を有する。この理由から、一般に複数本の糸が、いわゆる「経糸帯」としてまとめられ、整経ドラムを回転させることによってこの経糸帯が整経ドラムの周面に巻き取られ、こうして糸層が形成される。
所定の長さの経糸帯が巻き取られると、経糸帯は整経ドラムの軸線と平行に変位させられ、既に巻き取られた経糸帯に続いて(別の経糸帯が)再度巻き取られる。この過程は所望の経糸幅に達するまで繰り返される。
整経ドラムの端面で糸が落下するのを防止するために、該整経ドラムは円筒形部分に続いて円錐形部分を有する。その場合、経糸帯は、回転毎に整経ドラムの軸線と平行に、円錐形部分の傾斜角度に追従するように変位されて、巻き取られる。
【0004】
後で作業員が取扱うことができるようにするために、「デバイディングロッド(リーズロッド)」とも称することのできるディバイディング手段が必要となる。このデバイディングロッドは、例えば、その都度、1本の糸をデバイディングロッドの上方に案内し、また1本の糸をデバイディングロッドの下方に案内することによって、例えば隣接する糸に異なる群(グループ)を割り当てる。
【0005】
前記デバイディングロッドは、各経糸帯毎に、新たに位置決めしなければならない。例えば、かかるデバイディングロッドは、経糸帯の幅分だけ整経ドラムの軸線と平行に動かさなければならない。この動きを容易とするために、前記デバイディングロッドは、糸層から張り出すその末端に、取っ手を有する。この取っ手は、デバイディングロッドの変位を自動化するためにも利用することができる。その場合、部分整経機が相応する掴み具を有し、この掴み具は取っ手を把持し、整経ドラムの軸線と平行に引張ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した構成では、欠点として、糸層の構成が一定限界内で制御できるにすぎない。糸層の構成のパラメータとして事実上利用できるのは巻き取られる糸の張力だけである。その場合、このことは、糸が限定的な引張強さしか有さないとき、問題となり得る。その場合、糸層は比較的柔らかくなることがある。
【0007】
糸層の構成を調節する別の可能性は、巻取り時に加圧ローラを糸層に当接させ、加圧ローラを一定の圧力で糸層に作用させることができるようにすることである。しかし、これは、取っ手を有するディバイディング手段を使用するとき、加圧ローラがディバイディング手段の取っ手と衝突するため、従来は可能でなかった。衝突すると、加圧ローラの破損または取っ手の破損のいずれかを生じる。いずれの場合も望ましくない。また、経糸帯は異なる幅を有することがあるので、加圧ローラの軸線方向の寸法は所定の寸法に限定することができないという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、糸層の構成を調節する可能性を、より拡充することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、冒頭に指摘した種類の方法において、取っ手の半径方向長さに少なくとも一致した、半径方向厚さに糸層が達したときに、加圧ローラを糸層に当接させることによって解決される。
【0010】
こうして、加圧ローラの有利な種々の作用は、取っ手を備えたディバイディング手段が使用される経糸製造のときにも利用できる。その場合、整経過程、つまり経糸の製造は、高度に自動的におこなうことができる。1つの経糸帯の巻取りが完了したなら、取っ手を備えたディバイディング手段は変位方向に、つまり整経ドラムの軸線と平行に、例えば、掴み具または別の自動操作装置を、かかる取っ手に作用させることによって、継続して(自動的に)動かすことができる。糸層の構成は、加圧ローラによって肯定的に調節される。しかしながら、この調節は、取っ手の半径方向長さの半径方向外側で始まる糸層領域に限定される。しかし、このことは問題でない。なぜならば、取っ手の半径方向長さは、糸層自体の半径方向厚さよりも、かなり小さいからである。それゆえに、糸層の部分領域が糸層の主要部分とは別の構成を有することになるが、例えば、僅かに大きい厚さを有することになることを甘受することができる。
【0011】
好ましくは、整経ドラムの軸線と平行に巻き取るとき、経糸帯が所定の変位速度で変位させられ、加圧ローラを糸層に当接させるとき、この変位速度が変更されるように構成することである。加圧ローラを糸層に当接させるとき、すなわち、加圧ローラによって外部圧力を糸層に付加すると、生成する糸層の糸層硬度が強まる。同時に密度が多少増加し、回転毎の糸層の直径方向の増加が減少する。この作用に簡単に対処することができのは、前記変位速度を変更し、つまり、整経ドラムの軸線と平行な変位の量を回転毎に変更して、こうして、巻取り時に経糸帯が円錐形部分の円錐角度で整経ドラムに追従し得ることを、依然として確保することができる。
【0012】
好ましくは、加圧ローラを糸層に当接させる時点で、糸層の少なくとも1つのパラメータが記憶され、経糸層を継続して巻取る際に、糸層がこのパラメータを再び有するときに、加圧ローラが糸層に当接させられるように構成することである。かかるパラメータとして使用できるのは、例えば、既に実行された整経ドラムの回転の回数数又は糸層の半径方向の厚さである。後続の経糸帯の生成ににおいて、いわばコピーすると、経糸帯の堆積体の過剰整経または不足整経の虞は避けられる。その場合、経糸帯の幅方向の均一性が改善される。
【0013】
好ましくは、後続する経糸帯において、加圧ローラが当接した後に、前記変位速度が既に当接したときと同じ変更がおこなわれるように構成することである。このことも、事前に巻き取られた経糸帯のいわばコピーとして後続する経糸帯を製造するのに役立つ。
【0014】
好ましくは、掴み領域を有する外部ディバイディング手段が使用され、加圧ローラが掴み領域と衝突することになる半径方向厚さに糸層が達する前に、加圧ローラは糸層から遠ざけられるよう構成することである。多くの場合、経糸帯の初端だけでなく終端でもディバイディングは行わねばならない。このため、例えば、外部ディバイディング手段を使用することができる。新たな経糸帯毎に外部ディバイディング手段も変位されなければならないので、変位を実行するために手または自動操作装置のいずれかで把持することのできる掴み領域がここでも設けられている。しかしながら、糸層の自由側で掴み領域が横に突出するので、加圧ローラが掴み領域と衝突する虞がここでも存在する。この問題は、このような衝突が発生する前に、加圧ローラを糸層から遠ざけることによって、簡単に対処することができる。半径方向の厚さの代わりに、別のパラメータ、例えば、経糸帯の変位に追従する加圧ローラの軸線方向の変位運動を利用することもできる。しかし、変位と半径方向厚さは所定の円錐角度にわたって互いに固定した相関関係にあるので、両方のパラメータにおいて同じ作用が得られる。
【0015】
好ましくは、加圧ローラを遠ざけたのちに、変位速度が変更されるよう構成することである。加圧ローラを引き離した後、糸層は再び別の密度、従って別の硬度を得ることになる。その場合、生成する糸層が整経ドラムの円錐面の円錐角度に追従するようにするために、変位速度は再び変更することができる。
【0016】
前記課題は、冒頭に指摘した種類の部分整経機において、位置決め駆動装置と半径方向内側への動作を制限する動作制限部とを備えた加圧ローラが設けられていることによって、解決される。
【0017】
それゆえに、取っ手を備えたディバイディング手段を使用するときにも、加圧ローラを備えた部分整経機を稼働させることができる。半径方向内側への動作制限部によって、加圧ローラが取っ手と衝突して、加圧ローラおよび/または取っ手が破損する事態は防止される。このような部分整経機でもって、整経過程は少なくとも十分に自動化しておこなうことができる。1つの経糸帯が所要長さで巻取りが完了されると、整経ドラムは停止され、ディバイディング手段は経糸帯の幅だけ変位される。新たな経糸帯が巻き取られるとき、これはやはり変転する条件のもとで行われる。まず、加圧ローラなしに巻取りが行われる。加圧ローラの当接時に加圧ローラが取っ手と衝突する虞がもはやないほどに糸層が厚くなってはじめて、加圧ローラを作用させる。動作制御を簡素化するために、加圧ローラ用の動作制限部を設けることによって動作制御は簡単に実現することができる。つまり、加圧ローラは、取っ手と衝突するほどに半径方向内側に動かすことが、決してできないようにすることである。
【0018】
好ましくは、前記動作制限部が位置決め駆動装置の一部として形成されていることである。この動作制限部はさまざまに形成しておくことができる。動作制限部は、加圧ローラが半径方向内方に単に所定位置まで動作するのを許容する機械的ストッパーによって、簡単に形成することができる。この動作制限部は、位置決め駆動装置の制御装置内に、例えばリミットスイッチ、又はプログラム式の制御装置等によって、形成しておくこともできる。
【0019】
好ましくは、位置決め駆動装置が、変位方向に運動成分を有することである。つまり、加圧ローラは、まさに巻き取られた経糸帯が整経ドラムの軸線と平行に変位するその変位に、追従する。こうして、加圧ローラはいわば整経ドラムの円錐形部分と平行に移動し、加圧ローラを、最大幅の経糸帯よりも僅かに幅広にしなければならないだけとなる。
【0020】
その際、好ましくは、位置決め駆動装置が変位動作制限部を有するように構成することである。この構成はなかんずく、掴み領域を有する外部ディバイディング手段が利用されるとしても、有利となる。掴み領域は、事前に巻き取られた経糸帯から、軸線方向で突出する。加圧ローラは、後続経糸帯の巻取り時に半径方向外方にだけでなく、変位方向でも動かされる。その場合、こうして形成された経糸帯の特定の半径方向の厚さにおいて、加圧ローラは、整経ドラムの軸線方向で、掴み領域と衝突する虞を生じるほどに変位されている。しかし、このような衝突の起きる前に、加圧ローラが糸層から持ち上げられ、残りの経糸帯は加圧ローラの影響なしに巻き取られる。その場合、糸層は3つの部分を有し、半径方向中央部分は、加圧ローラの影響下に巻き取られる一方、半径方向外側部分と半径方向内側部分は、加圧ローラの影響なしに巻き取られている。しかし、このような糸層は、まったく加圧ローラなしに製造された糸層と比較して、全体として改善された特性をもって形成することができる。加圧ローラの関与なしに巻き取られた糸層部分は、半径方向で、かかる加圧ローラの関与しなかったことが大きな否定的な影響を受けないほどに、薄くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】巻取り過程開始時の部分整経機を示す略図である。
【図2】巻取りが進展した段階における部分整経機を示す図である。
【図3】巻取りがさらに進展した段階における部分整経機を示す図である。
【図4】巻取り過程終了時の部分整経機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施例)
以下、図面を参照しながら、好ましい実施例に基づいて、本発明を説明する。
【0023】
この部分整経機1は整経ドラム2を有し、この整経ドラム2は円筒形部分3と円錐形部分4とを有する。前記整経ドラム2は、略示した駆動装置5によって回転させられる。
【0024】
糸毎に1つのボビンが配置された、詳しくは図示しないクリールから、複数本の糸が、互いに平行に引き出される。平行に並べられた糸から成る糸シートは、「経糸帯」とも称される。整経ドラム2が回転するとき、このような経糸帯が整経ドラム2の周面に巻き取られて糸層6を形成する。これらの図では、見易くするために、糸層6が整経ドラム2の下縁にのみ図示されている。実際には、当然、糸層6は整経ドラム2の周面を周回している。
【0025】
前記経糸帯の下層は、円筒形部分3に給糸される。経糸帯の他の層はすべて整経ドラム2の回転毎に僅かな距離だけ変位方向に、つまり整経ドラム2の軸線と平行に(この実施例では図において左に)変位させられ、糸層6は整経ドラム2の円錐形部分4に追従して形成される。このような変位は、整経テーブル7上に配置されるガイド装置を介して、経糸帯を案内することによって引き起こされる。整経テーブル7は、整経ドラム2の回転毎に僅かな寸法だけ変位方向(図1の矢印8参照)に動かされる。
【0026】
前記整経テーブル7上に加圧ローラ9が配置されており、この加圧ローラ9は半径方向で整経ドラム2に近づく方向へ移動させることができるよう構成されている。このため、略示する位置決め駆動装置10が設けられている。この位置決め駆動装置10は、加圧ローラ9を糸層6の方向へ移動させ、調整可能にも構成できる一定の圧力で、加圧ローラ9を、糸層6に作用させることができる。前記位置決め駆動装置10は、整経テーブル7の変位運動も引き起こすことができる。
【0027】
経糸を製造するには、一般に、個々の糸を相互にディバイディング(分離)し且つ異なる群(グループ)に割り当てる必要がある。このため、ディバイディング手段が設けられており、図では、ディバイディング手段のうち取っ手(ハンドル)11のみが示されている。この取っ手11は半径方向において整経ドラム2の円筒形部分3から多少半径方向外方に突出している。この取っ手11と結合されている図示しない紐または帯は、整経ドラム2の円錐形部分4内に収容されており、取っ手11の運動時に糸層6内に引き通すことができる。
【0028】
ところで、前記加圧ローラ9を糸層6に当接させると、取っ手11は加圧ローラ9と衝突することになる。すると、加圧ローラ9および/または取っ手11が破損することになる。いずれの場合も望ましくなく、防止されねばならない。
【0029】
つまり、図2から判るように、糸層6が取っ手11の半径方向長さよりも大きな半径方向の厚さに達してはじめて、加圧ローラ9は糸層6に当接するように構成されている。この加圧ローラ9と取っ手11との間の衝突を排除するために、位置決め駆動装置10が動作制限部を有し、前記取っ手11と加圧ローラ9との間に衝突を生じるほどに加圧ローラ9が整経ドラム3に接近するような事態は、前記動作制限部で防止される。
【0030】
前記加圧ローラ9が糸層6に当接して一定の押付圧力を糸層6に加えることができると、糸層6は密度を高めて巻き取られる。そのことが図3に示されている。その場合、糸層6は2つの部分から成り、つまり、加圧ローラの影響なしに巻き取られた部分6aは加圧ローラの影響下に巻き取られた部分6bよりも多少低い密度を有することになる。図において、密度の違いは異なるハッチングによって示されている。
【0031】
加圧ローラ9が糸層6に当接して押付圧力を糸層6に加えるとき、整経ドラム2の回転毎の糸層6の直径の増加は、加圧ローラ9の作用がない場合に比べて小さくなる。従って、整経ドラム2の回転毎の変位運動の値も、加圧ローラ9が作用しない場合よりも小さくなる。依然として、整経ドラム2の円錐形部分4上で糸層6を移動させたいので、糸シートまたは経糸帯用のガイド装置も加圧ローラ9も担持する整経テーブル7の変位運動の量は、加圧ローラ9が糸層6に当接して押付圧力を糸層6に加えるときよりも小さくなる。従って、変位速度、つまり整経ドラム2の回転毎の変位量は、加圧ローラ9が糸層6に作用するときに相応に低減される。
【0032】
前記取っ手11が内部ディバイディング手段に配置されており、このディバイディング手段は整経ドラム2から経糸を繰り出すときに、経糸の終端に杼口を形成する。経糸の初端に杼口または分離部を形成することもできるようにするために、外部ディバイディング手段が設けられており、外部ディバイディング手段のうち掴み領域12のみ図4から認めることができる(図4参照)。この掴み領域12が軸線方向で糸層6から張り出しており、変位運動のゆえに加圧ローラ9が掴み領域12と衝突する可能性がある。前記加圧ローラ9と掴み領域12との間でこのような衝突を避けるために、加圧ローラ9が掴み領域12と衝突し得るよりも前に、加圧ローラ9は糸層6から持ち上げられる。これにより糸層6の第3部分6cが生じ、この部分はやはり加圧ローラ9の影響を受けることなく巻き取られる。その場合、糸層6の第3部分6cは、やはり中央部分6bよりも多少密度的に低くなっている。従って、整経ドラム2の回転毎の変位運動の程度は中央部分6bにおけるよりもやはり多少大きい。
【0033】
詳しくは図示しない制御装置が、第1経糸帯の巻取り過程のさまざまなパラメータ、つまり、糸層6の、円錐形部分4に直接続く部分のさまざまなパラメータを記憶する。これらのパラメータに含まれるのは、久しく知られているように糸層推移、つまり回転数にわたる厚さ増加だけではない。加圧ローラ9が糸層6に当接する時点、もしくは整経ドラム2の回転数も記憶される。さらに、加圧ローラ9が糸層6から持ち上げられる時点(もしくは整経ドラム2の実施される回転の特定の回数数)も記憶される。その場合、後に他の経糸帯が第1糸層に続いて巻き取られると、加圧ローラ9は、第1経糸帯におけると同様に、正確に同じ時点に糸層6と接触し、もしくは糸層との接触から外れる。つまり、その他の経糸帯の巻取り過程は、第1経糸帯の巻取り過程のいわばコピーとして行われる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる経糸製造方法および部分整経機は、経糸の整経に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
2…整経ドラム
6…糸層
9…加圧ローラ
11…取っ手
【技術分野】
【0001】
本発明は、整経ドラムを回転させて、糸シートで構成される少なくとも1つの経糸帯を整経ドラムに巻き取って糸層を生成する経糸製造方法であって、少なくとも1つの内部ディバイディング手段(インターナル・ディバイディング手段)が使用され、このディバイディング手段が糸層から突出する一方の末端に取っ手を備えており、この取っ手が所定の半径方向長さを有する、経糸製造方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、整経ドラムと、この整経ドラムに対して所定の半径方向長さを有する取っ手を備えた少なくとも1つの内部ディバイディング手段とを有する、部分整経機に関する。
【背景技術】
【0003】
経糸は、一般に、1つのクリールから、すべての糸を同時に引き出すことができないほど多くの本数の且つ平行に配置される、糸を有する。この理由から、一般に複数本の糸が、いわゆる「経糸帯」としてまとめられ、整経ドラムを回転させることによってこの経糸帯が整経ドラムの周面に巻き取られ、こうして糸層が形成される。
所定の長さの経糸帯が巻き取られると、経糸帯は整経ドラムの軸線と平行に変位させられ、既に巻き取られた経糸帯に続いて(別の経糸帯が)再度巻き取られる。この過程は所望の経糸幅に達するまで繰り返される。
整経ドラムの端面で糸が落下するのを防止するために、該整経ドラムは円筒形部分に続いて円錐形部分を有する。その場合、経糸帯は、回転毎に整経ドラムの軸線と平行に、円錐形部分の傾斜角度に追従するように変位されて、巻き取られる。
【0004】
後で作業員が取扱うことができるようにするために、「デバイディングロッド(リーズロッド)」とも称することのできるディバイディング手段が必要となる。このデバイディングロッドは、例えば、その都度、1本の糸をデバイディングロッドの上方に案内し、また1本の糸をデバイディングロッドの下方に案内することによって、例えば隣接する糸に異なる群(グループ)を割り当てる。
【0005】
前記デバイディングロッドは、各経糸帯毎に、新たに位置決めしなければならない。例えば、かかるデバイディングロッドは、経糸帯の幅分だけ整経ドラムの軸線と平行に動かさなければならない。この動きを容易とするために、前記デバイディングロッドは、糸層から張り出すその末端に、取っ手を有する。この取っ手は、デバイディングロッドの変位を自動化するためにも利用することができる。その場合、部分整経機が相応する掴み具を有し、この掴み具は取っ手を把持し、整経ドラムの軸線と平行に引張ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した構成では、欠点として、糸層の構成が一定限界内で制御できるにすぎない。糸層の構成のパラメータとして事実上利用できるのは巻き取られる糸の張力だけである。その場合、このことは、糸が限定的な引張強さしか有さないとき、問題となり得る。その場合、糸層は比較的柔らかくなることがある。
【0007】
糸層の構成を調節する別の可能性は、巻取り時に加圧ローラを糸層に当接させ、加圧ローラを一定の圧力で糸層に作用させることができるようにすることである。しかし、これは、取っ手を有するディバイディング手段を使用するとき、加圧ローラがディバイディング手段の取っ手と衝突するため、従来は可能でなかった。衝突すると、加圧ローラの破損または取っ手の破損のいずれかを生じる。いずれの場合も望ましくない。また、経糸帯は異なる幅を有することがあるので、加圧ローラの軸線方向の寸法は所定の寸法に限定することができないという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、糸層の構成を調節する可能性を、より拡充することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、冒頭に指摘した種類の方法において、取っ手の半径方向長さに少なくとも一致した、半径方向厚さに糸層が達したときに、加圧ローラを糸層に当接させることによって解決される。
【0010】
こうして、加圧ローラの有利な種々の作用は、取っ手を備えたディバイディング手段が使用される経糸製造のときにも利用できる。その場合、整経過程、つまり経糸の製造は、高度に自動的におこなうことができる。1つの経糸帯の巻取りが完了したなら、取っ手を備えたディバイディング手段は変位方向に、つまり整経ドラムの軸線と平行に、例えば、掴み具または別の自動操作装置を、かかる取っ手に作用させることによって、継続して(自動的に)動かすことができる。糸層の構成は、加圧ローラによって肯定的に調節される。しかしながら、この調節は、取っ手の半径方向長さの半径方向外側で始まる糸層領域に限定される。しかし、このことは問題でない。なぜならば、取っ手の半径方向長さは、糸層自体の半径方向厚さよりも、かなり小さいからである。それゆえに、糸層の部分領域が糸層の主要部分とは別の構成を有することになるが、例えば、僅かに大きい厚さを有することになることを甘受することができる。
【0011】
好ましくは、整経ドラムの軸線と平行に巻き取るとき、経糸帯が所定の変位速度で変位させられ、加圧ローラを糸層に当接させるとき、この変位速度が変更されるように構成することである。加圧ローラを糸層に当接させるとき、すなわち、加圧ローラによって外部圧力を糸層に付加すると、生成する糸層の糸層硬度が強まる。同時に密度が多少増加し、回転毎の糸層の直径方向の増加が減少する。この作用に簡単に対処することができのは、前記変位速度を変更し、つまり、整経ドラムの軸線と平行な変位の量を回転毎に変更して、こうして、巻取り時に経糸帯が円錐形部分の円錐角度で整経ドラムに追従し得ることを、依然として確保することができる。
【0012】
好ましくは、加圧ローラを糸層に当接させる時点で、糸層の少なくとも1つのパラメータが記憶され、経糸層を継続して巻取る際に、糸層がこのパラメータを再び有するときに、加圧ローラが糸層に当接させられるように構成することである。かかるパラメータとして使用できるのは、例えば、既に実行された整経ドラムの回転の回数数又は糸層の半径方向の厚さである。後続の経糸帯の生成ににおいて、いわばコピーすると、経糸帯の堆積体の過剰整経または不足整経の虞は避けられる。その場合、経糸帯の幅方向の均一性が改善される。
【0013】
好ましくは、後続する経糸帯において、加圧ローラが当接した後に、前記変位速度が既に当接したときと同じ変更がおこなわれるように構成することである。このことも、事前に巻き取られた経糸帯のいわばコピーとして後続する経糸帯を製造するのに役立つ。
【0014】
好ましくは、掴み領域を有する外部ディバイディング手段が使用され、加圧ローラが掴み領域と衝突することになる半径方向厚さに糸層が達する前に、加圧ローラは糸層から遠ざけられるよう構成することである。多くの場合、経糸帯の初端だけでなく終端でもディバイディングは行わねばならない。このため、例えば、外部ディバイディング手段を使用することができる。新たな経糸帯毎に外部ディバイディング手段も変位されなければならないので、変位を実行するために手または自動操作装置のいずれかで把持することのできる掴み領域がここでも設けられている。しかしながら、糸層の自由側で掴み領域が横に突出するので、加圧ローラが掴み領域と衝突する虞がここでも存在する。この問題は、このような衝突が発生する前に、加圧ローラを糸層から遠ざけることによって、簡単に対処することができる。半径方向の厚さの代わりに、別のパラメータ、例えば、経糸帯の変位に追従する加圧ローラの軸線方向の変位運動を利用することもできる。しかし、変位と半径方向厚さは所定の円錐角度にわたって互いに固定した相関関係にあるので、両方のパラメータにおいて同じ作用が得られる。
【0015】
好ましくは、加圧ローラを遠ざけたのちに、変位速度が変更されるよう構成することである。加圧ローラを引き離した後、糸層は再び別の密度、従って別の硬度を得ることになる。その場合、生成する糸層が整経ドラムの円錐面の円錐角度に追従するようにするために、変位速度は再び変更することができる。
【0016】
前記課題は、冒頭に指摘した種類の部分整経機において、位置決め駆動装置と半径方向内側への動作を制限する動作制限部とを備えた加圧ローラが設けられていることによって、解決される。
【0017】
それゆえに、取っ手を備えたディバイディング手段を使用するときにも、加圧ローラを備えた部分整経機を稼働させることができる。半径方向内側への動作制限部によって、加圧ローラが取っ手と衝突して、加圧ローラおよび/または取っ手が破損する事態は防止される。このような部分整経機でもって、整経過程は少なくとも十分に自動化しておこなうことができる。1つの経糸帯が所要長さで巻取りが完了されると、整経ドラムは停止され、ディバイディング手段は経糸帯の幅だけ変位される。新たな経糸帯が巻き取られるとき、これはやはり変転する条件のもとで行われる。まず、加圧ローラなしに巻取りが行われる。加圧ローラの当接時に加圧ローラが取っ手と衝突する虞がもはやないほどに糸層が厚くなってはじめて、加圧ローラを作用させる。動作制御を簡素化するために、加圧ローラ用の動作制限部を設けることによって動作制御は簡単に実現することができる。つまり、加圧ローラは、取っ手と衝突するほどに半径方向内側に動かすことが、決してできないようにすることである。
【0018】
好ましくは、前記動作制限部が位置決め駆動装置の一部として形成されていることである。この動作制限部はさまざまに形成しておくことができる。動作制限部は、加圧ローラが半径方向内方に単に所定位置まで動作するのを許容する機械的ストッパーによって、簡単に形成することができる。この動作制限部は、位置決め駆動装置の制御装置内に、例えばリミットスイッチ、又はプログラム式の制御装置等によって、形成しておくこともできる。
【0019】
好ましくは、位置決め駆動装置が、変位方向に運動成分を有することである。つまり、加圧ローラは、まさに巻き取られた経糸帯が整経ドラムの軸線と平行に変位するその変位に、追従する。こうして、加圧ローラはいわば整経ドラムの円錐形部分と平行に移動し、加圧ローラを、最大幅の経糸帯よりも僅かに幅広にしなければならないだけとなる。
【0020】
その際、好ましくは、位置決め駆動装置が変位動作制限部を有するように構成することである。この構成はなかんずく、掴み領域を有する外部ディバイディング手段が利用されるとしても、有利となる。掴み領域は、事前に巻き取られた経糸帯から、軸線方向で突出する。加圧ローラは、後続経糸帯の巻取り時に半径方向外方にだけでなく、変位方向でも動かされる。その場合、こうして形成された経糸帯の特定の半径方向の厚さにおいて、加圧ローラは、整経ドラムの軸線方向で、掴み領域と衝突する虞を生じるほどに変位されている。しかし、このような衝突の起きる前に、加圧ローラが糸層から持ち上げられ、残りの経糸帯は加圧ローラの影響なしに巻き取られる。その場合、糸層は3つの部分を有し、半径方向中央部分は、加圧ローラの影響下に巻き取られる一方、半径方向外側部分と半径方向内側部分は、加圧ローラの影響なしに巻き取られている。しかし、このような糸層は、まったく加圧ローラなしに製造された糸層と比較して、全体として改善された特性をもって形成することができる。加圧ローラの関与なしに巻き取られた糸層部分は、半径方向で、かかる加圧ローラの関与しなかったことが大きな否定的な影響を受けないほどに、薄くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】巻取り過程開始時の部分整経機を示す略図である。
【図2】巻取りが進展した段階における部分整経機を示す図である。
【図3】巻取りがさらに進展した段階における部分整経機を示す図である。
【図4】巻取り過程終了時の部分整経機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施例)
以下、図面を参照しながら、好ましい実施例に基づいて、本発明を説明する。
【0023】
この部分整経機1は整経ドラム2を有し、この整経ドラム2は円筒形部分3と円錐形部分4とを有する。前記整経ドラム2は、略示した駆動装置5によって回転させられる。
【0024】
糸毎に1つのボビンが配置された、詳しくは図示しないクリールから、複数本の糸が、互いに平行に引き出される。平行に並べられた糸から成る糸シートは、「経糸帯」とも称される。整経ドラム2が回転するとき、このような経糸帯が整経ドラム2の周面に巻き取られて糸層6を形成する。これらの図では、見易くするために、糸層6が整経ドラム2の下縁にのみ図示されている。実際には、当然、糸層6は整経ドラム2の周面を周回している。
【0025】
前記経糸帯の下層は、円筒形部分3に給糸される。経糸帯の他の層はすべて整経ドラム2の回転毎に僅かな距離だけ変位方向に、つまり整経ドラム2の軸線と平行に(この実施例では図において左に)変位させられ、糸層6は整経ドラム2の円錐形部分4に追従して形成される。このような変位は、整経テーブル7上に配置されるガイド装置を介して、経糸帯を案内することによって引き起こされる。整経テーブル7は、整経ドラム2の回転毎に僅かな寸法だけ変位方向(図1の矢印8参照)に動かされる。
【0026】
前記整経テーブル7上に加圧ローラ9が配置されており、この加圧ローラ9は半径方向で整経ドラム2に近づく方向へ移動させることができるよう構成されている。このため、略示する位置決め駆動装置10が設けられている。この位置決め駆動装置10は、加圧ローラ9を糸層6の方向へ移動させ、調整可能にも構成できる一定の圧力で、加圧ローラ9を、糸層6に作用させることができる。前記位置決め駆動装置10は、整経テーブル7の変位運動も引き起こすことができる。
【0027】
経糸を製造するには、一般に、個々の糸を相互にディバイディング(分離)し且つ異なる群(グループ)に割り当てる必要がある。このため、ディバイディング手段が設けられており、図では、ディバイディング手段のうち取っ手(ハンドル)11のみが示されている。この取っ手11は半径方向において整経ドラム2の円筒形部分3から多少半径方向外方に突出している。この取っ手11と結合されている図示しない紐または帯は、整経ドラム2の円錐形部分4内に収容されており、取っ手11の運動時に糸層6内に引き通すことができる。
【0028】
ところで、前記加圧ローラ9を糸層6に当接させると、取っ手11は加圧ローラ9と衝突することになる。すると、加圧ローラ9および/または取っ手11が破損することになる。いずれの場合も望ましくなく、防止されねばならない。
【0029】
つまり、図2から判るように、糸層6が取っ手11の半径方向長さよりも大きな半径方向の厚さに達してはじめて、加圧ローラ9は糸層6に当接するように構成されている。この加圧ローラ9と取っ手11との間の衝突を排除するために、位置決め駆動装置10が動作制限部を有し、前記取っ手11と加圧ローラ9との間に衝突を生じるほどに加圧ローラ9が整経ドラム3に接近するような事態は、前記動作制限部で防止される。
【0030】
前記加圧ローラ9が糸層6に当接して一定の押付圧力を糸層6に加えることができると、糸層6は密度を高めて巻き取られる。そのことが図3に示されている。その場合、糸層6は2つの部分から成り、つまり、加圧ローラの影響なしに巻き取られた部分6aは加圧ローラの影響下に巻き取られた部分6bよりも多少低い密度を有することになる。図において、密度の違いは異なるハッチングによって示されている。
【0031】
加圧ローラ9が糸層6に当接して押付圧力を糸層6に加えるとき、整経ドラム2の回転毎の糸層6の直径の増加は、加圧ローラ9の作用がない場合に比べて小さくなる。従って、整経ドラム2の回転毎の変位運動の値も、加圧ローラ9が作用しない場合よりも小さくなる。依然として、整経ドラム2の円錐形部分4上で糸層6を移動させたいので、糸シートまたは経糸帯用のガイド装置も加圧ローラ9も担持する整経テーブル7の変位運動の量は、加圧ローラ9が糸層6に当接して押付圧力を糸層6に加えるときよりも小さくなる。従って、変位速度、つまり整経ドラム2の回転毎の変位量は、加圧ローラ9が糸層6に作用するときに相応に低減される。
【0032】
前記取っ手11が内部ディバイディング手段に配置されており、このディバイディング手段は整経ドラム2から経糸を繰り出すときに、経糸の終端に杼口を形成する。経糸の初端に杼口または分離部を形成することもできるようにするために、外部ディバイディング手段が設けられており、外部ディバイディング手段のうち掴み領域12のみ図4から認めることができる(図4参照)。この掴み領域12が軸線方向で糸層6から張り出しており、変位運動のゆえに加圧ローラ9が掴み領域12と衝突する可能性がある。前記加圧ローラ9と掴み領域12との間でこのような衝突を避けるために、加圧ローラ9が掴み領域12と衝突し得るよりも前に、加圧ローラ9は糸層6から持ち上げられる。これにより糸層6の第3部分6cが生じ、この部分はやはり加圧ローラ9の影響を受けることなく巻き取られる。その場合、糸層6の第3部分6cは、やはり中央部分6bよりも多少密度的に低くなっている。従って、整経ドラム2の回転毎の変位運動の程度は中央部分6bにおけるよりもやはり多少大きい。
【0033】
詳しくは図示しない制御装置が、第1経糸帯の巻取り過程のさまざまなパラメータ、つまり、糸層6の、円錐形部分4に直接続く部分のさまざまなパラメータを記憶する。これらのパラメータに含まれるのは、久しく知られているように糸層推移、つまり回転数にわたる厚さ増加だけではない。加圧ローラ9が糸層6に当接する時点、もしくは整経ドラム2の回転数も記憶される。さらに、加圧ローラ9が糸層6から持ち上げられる時点(もしくは整経ドラム2の実施される回転の特定の回数数)も記憶される。その場合、後に他の経糸帯が第1糸層に続いて巻き取られると、加圧ローラ9は、第1経糸帯におけると同様に、正確に同じ時点に糸層6と接触し、もしくは糸層との接触から外れる。つまり、その他の経糸帯の巻取り過程は、第1経糸帯の巻取り過程のいわばコピーとして行われる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる経糸製造方法および部分整経機は、経糸の整経に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
2…整経ドラム
6…糸層
9…加圧ローラ
11…取っ手
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整経ドラム(2)を回転させて、糸シートで構成される少なくとも1つの経糸帯を前記整経ドラム(2)に巻き取って糸層(6)を生成する経糸製造方法であり、
少なくとも1つの内部ディバイディング手段が使用され、このディバイディング手段が前記糸層(6)から張り出す一方の末端に取っ手(11)を備えており、この取っ手が所定の半径方向長さを有する、経糸製造方法において、
前記取っ手(11)の前記半径方向長さに少なくとも一致した、半径方向厚さに、前記糸層(6)が達したときに、加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられるよう構成されていることを特徴とする経糸製造方法。
【請求項2】
前記整経ドラム(2)の軸線と平行に巻き取るとき、前記経糸帯が所定の変位速度で変位させられ、
前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接するとき、前記変位速度が変更されることを特徴とする、請求項1記載の経糸製造方法。
【請求項3】
前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接する時点で、前記糸層(6)の少なくとも1つのパラメータが記憶され、
後続して経糸層を巻き取る際に、前記糸層(6)が前記パラメータを再び有するとき、前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられることを特徴とする、請求項1又は2記載の経糸製造方法。
【請求項4】
後続する経糸帯において、前記加圧ローラ(9)が当接した後に、前記変位速度の同じ変更がおこなわれることを特徴とする、請求項3記載の経糸製造方法。
【請求項5】
掴み領域(12)を有する外部ディバイディング手段が使用され、
前記加圧ローラ(9)が前記掴み領域(12)と衝突することになる半径方向厚さに前記糸層(6)が達する前に、前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)から遠ざけられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1の項に記載の経糸製造方法。
【請求項6】
前記加圧ローラ(9)を遠ざけたのち、前記変位速度が変更されることを特徴とする、請求項5記載の経糸製造方法。
【請求項7】
整経ドラム(2)と、この整経ドラム(2)に対して所定の半径方向長さを有する取っ手(11)を備えた少なくとも1つの内部ディバイディング手段とを有する、部分整経機(1)において、
位置決め駆動装置(10)と、半径方向内側への動作制限部とを備えた、加圧ローラ(9)が、設けられていることを特徴とする部分整経機。
【請求項8】
前記動作制限部が、前記位置決め駆動装置(10)の一部として形成されていることを特徴とする請求項7記載の部分整経機。
【請求項9】
前記位置決め駆動装置(10)が変位方向(8)に運動成分を有することを特徴とする請求項7又は8記載の部分整経機。
【請求項10】
前記位置決め駆動装置(10)が変位動作制限するための手段を有していることを特徴とする請求項9記載の部分整経機。
【請求項1】
整経ドラム(2)を回転させて、糸シートで構成される少なくとも1つの経糸帯を前記整経ドラム(2)に巻き取って糸層(6)を生成する経糸製造方法であり、
少なくとも1つの内部ディバイディング手段が使用され、このディバイディング手段が前記糸層(6)から張り出す一方の末端に取っ手(11)を備えており、この取っ手が所定の半径方向長さを有する、経糸製造方法において、
前記取っ手(11)の前記半径方向長さに少なくとも一致した、半径方向厚さに、前記糸層(6)が達したときに、加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられるよう構成されていることを特徴とする経糸製造方法。
【請求項2】
前記整経ドラム(2)の軸線と平行に巻き取るとき、前記経糸帯が所定の変位速度で変位させられ、
前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接するとき、前記変位速度が変更されることを特徴とする、請求項1記載の経糸製造方法。
【請求項3】
前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接する時点で、前記糸層(6)の少なくとも1つのパラメータが記憶され、
後続して経糸層を巻き取る際に、前記糸層(6)が前記パラメータを再び有するとき、前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)に当接させられることを特徴とする、請求項1又は2記載の経糸製造方法。
【請求項4】
後続する経糸帯において、前記加圧ローラ(9)が当接した後に、前記変位速度の同じ変更がおこなわれることを特徴とする、請求項3記載の経糸製造方法。
【請求項5】
掴み領域(12)を有する外部ディバイディング手段が使用され、
前記加圧ローラ(9)が前記掴み領域(12)と衝突することになる半径方向厚さに前記糸層(6)が達する前に、前記加圧ローラ(9)が前記糸層(6)から遠ざけられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1の項に記載の経糸製造方法。
【請求項6】
前記加圧ローラ(9)を遠ざけたのち、前記変位速度が変更されることを特徴とする、請求項5記載の経糸製造方法。
【請求項7】
整経ドラム(2)と、この整経ドラム(2)に対して所定の半径方向長さを有する取っ手(11)を備えた少なくとも1つの内部ディバイディング手段とを有する、部分整経機(1)において、
位置決め駆動装置(10)と、半径方向内側への動作制限部とを備えた、加圧ローラ(9)が、設けられていることを特徴とする部分整経機。
【請求項8】
前記動作制限部が、前記位置決め駆動装置(10)の一部として形成されていることを特徴とする請求項7記載の部分整経機。
【請求項9】
前記位置決め駆動装置(10)が変位方向(8)に運動成分を有することを特徴とする請求項7又は8記載の部分整経機。
【請求項10】
前記位置決め駆動装置(10)が変位動作制限するための手段を有していることを特徴とする請求項9記載の部分整経機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−157676(P2011−157676A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231916(P2010−231916)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(591008465)カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング (45)
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(591008465)カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング (45)
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
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