説明

給水装置

【課題】 電気設備、水道設備等が無い場所で、燃料を用いるポンプを使用しないで、且つ、バケツやジョウロ等を用いた時のように水源地と被給水地間を何回も往復する事無く、エコで、手軽に水遣りが出来る給水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 取水口部4と、反復動作を使って水を吸引する吸引部2と、吸引された水を発射させる発水口部1からなる給水装置において、前記取水口部と前記吸引部間をフレキシブルチューブ3で接続し、前記取水口部の取水口が水面下にくるように構成した給水装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等の液体を供給する給水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物・園芸作物等被給水物への給水方法は、交流電力・燃料を使用したポンプ等の動力源を用いて行う方法、水道を使用した方法、それらが無い場合は、バケツ・ひしゃく・ジョウロ・霧吹き等を用いて人力で行う方法があった。前記ポンプを用いた給水装置の場合、交流電力を使用して取水部と吸引部が一体的に構成されたポンプを水源内に投入するタイプと、燃料を使用して取水部を水源内に投入し吸引部(ポンプ本体)は水源外に設置するタイプがあるが、いずれのタイプも吸引部と発水部間をフレキシブルチューブで接続し、人(操作者)が発水部を持って畑等の被給水地で給水を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上述べた給水方法で、交流電力と水道を使用する場合、電気設備・水道設備が必要となり、使用出来る範囲が限定されていた。燃料を用いたポンプで給水する場合、ポンプが重量物である為、運搬・設置等が煩わしく使い勝手が悪かった。また、操作者が発水部を持って、畑等の被給水地まで移動し、農作物・園芸作物等の被給水物に給水を行う為、給水量をポンプ(吸引部)に設置された設定装置で決めるポンプの場合、操作者が被給水地で、給水量を制御する事は難しかった。
【0004】
一方、バケツ、ひしゃく、ジョウロ、霧吹き等を用いて人力で給水する場合、容量が限定されているので、何回も貯水槽、池、用水路等の水源と被給水地間を往復しなければならず、大変な労力を必要としていた。本発明は、電機設備、水道設備、燃料等を使用しないで、人力により、連続的に任意の量給水出来る給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に、本発明は、取水口を有する取水部と、反復動作を使って水を吸引する吸引装置を有する吸引部と、吸引された水を排出する発水部からなる給水装置において、前記取水部と前記吸引部間を、前記取水部と前記吸引部の位置関係を自由に変えられるフレキシブルチューブで接続するとともに、前記取水部の自重又は浮力により前記取水口が前記水源の水面より下にくるように構成したものである。
【0006】
また、第2の課題解決手段は、前記吸引部と前記取水部間に、前記吸引部の吸引能力より大きな吸引能力を持つ吸引部を配置したものである。
【0007】
また、第3の課題解決手段は、前記吸引部と前記取水部間に、吸引部を一個又は複数配置したものである。
【0008】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。取水部と吸引部間をフレキシブルチューブで接続するとともに、取水口が水源の水面下にくるように前記取水部を構成している為、操作者は発水部とその近傍に設けた吸引部を保持して被給水地を自由に移動でき、前記吸引部の吸引装置を反復動作させる事により、被給水物に連続的に任意の量給水出来る。
【0009】
また、第2の課題解決手段による作用は次の通りである。前記吸引部と前記取水部間に、前記吸引部の吸引能力より大きな吸引能力持つ吸引部を配置し、初期動作で、前記大きな吸引能力を持つ吸引部を作動させると、フレキシブルチューブ内への短時間での水充填が可能となり、発水作業が迅速に行える。
【0010】
また、第3の課題解決手段による作用は次の通りである。水源と被給水地が遠い場合、発水部近傍の吸引部と取水部間に、別の吸引部を一個又は複数配置し、初期動作で、追加した吸引部を順次作動し、流路内に水を充填しておくことにより、被給水地で発水部近傍の吸引部を作動した時、発水作業が迅速に行える。
【発明の効果】
【0011】
本装置により、水道設備・電気設備・燃料等が必要な高価な装置を使用すること無く、又、バケツ・ひしゃく・ジョウロ・霧吹き等のような容量が限定された用具を使用した時の貯水槽・池・用水路等の水源と畑等の被給水地間の往復労力を使うこと無く、前記水源から離れた前記被給水地で、農作物・園芸作物等の被給水物に、連続的に任意の量給水出来る経済的な給水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明実施例の側面図である。
【図2】図2は、取水口部の断面図である。
【図3】図3は、本発明の使用説明図である。
【図4】図4は、本発明請求項2の実施例側面図である。
【図5】図5は、本発明請求項3の実施例側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施例を図1〜図5に基づいて説明する。
【0014】
図において、1は発水部、2は吸引部で、2aは吸引の反復動作を行う為の操作レバー、3はフレキシブルチューブ、4aは取水口、4は取水部、5は水源、5aは水源の水面、7,8,9は追加した別の吸引部である。
【0015】
図3で取水部4を水源5に入れると、水(液体)の比重より重い材料で構成した取水部は、取水口4aを拘束したまま、取水口4aが前記水源の水面下5aにくるように、沈降する。その状態で操作レバー2aを反復操作すると、吸引部2内に装備された図示しない吸引装置を作動し、フレキシブルチューブ3内の空気を装置外に徐々に排出しする。その為、フレキシブルチューブ3内の圧力が低下し、水槽内の水がフレキシブルチューブ3内に吸引される。操作レバー2aの反復動作により水が吸引部2内まで到達し、さらに操作レバー2aの反復動作を続行すると、発水口1より水6が発水される。
本図面では取水部が底に沈んだ状態を表示しているが、取水部に浮力を付加する構成として、取水部を水面5aに位置するようにしても、同じ効果は得られる。
【0016】
図4は、上記3で吸引時間を短縮化する為に、吸引部2の吸引能力より大きな吸引能力を持つ吸引部7を設け、短時間にB方向の反復動作により吸引部7まで水を吸引した後、操作レバー2aの反復動作により発水口1より発水する請求項2の実施例である。
【0017】
図5は、水源地と被給水地が遠距離の場合、距離に応じて吸引部8を1個又は複数設け、取水部4側の吸引部から反復動作により順次水を吸引していき、取水部4から吸引部2までの給水経路に水が充填された後、操作レバー2aの反復動作により発水口1より発水する請求項3の実施例である。
【符号の説明】
【0018】
1 ………発水部
2 ………吸引部
2a………操作レバー
2b………吸引部吸水口側
3 ………フレキシブルチューブ
4 ………取水部
4a………取水口
5 ………水源
5a………水面
7 ………吸引部
8 ………吸引部
9 ………吸引部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽、池、用水路等の水源から水を取り込む取水口を有する取水部と、反復動作を使って前記水を吸引する吸引装置を有する吸引部と、吸引された前記水を排出する発水部からなる給水装置において、前記取水部と前記吸引部を、前記取水部と前記吸引部の位置関係を自由に変えられるフレキシブルチューブで接続するとともに、前記取水部の自重又は浮力により前記取水口が前記水源の水面より下にくるように構成した給水装置。
【請求項2】
請求項1の吸引部の吸水口側に、前記吸引部の吸引能力より大きな吸引能力を持つ吸引部を設けた事を特徴とする請求項1の給水装置。
【請求項3】
前記吸引部と前記取水部間に複数のフレキシブルチューブと吸引部を配置した請求項1の給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−90576(P2012−90576A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241111(P2010−241111)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(710012140)