説明

給湯機の給湯温度制御装置

【課題】 湯水混合機能を備えた給湯機の異常時の安全性の確保と不快感の低減を図るための制御装置に関する。
【解決手段】 筒状の缶体1の下部内側に燃焼室4を配置し、缶体1と燃焼室4との間隙によって水室6を構成し、缶体1の上部に設けた排気室2と燃焼室4との間に煙管5を設ける。缶体1に取付けた給水パイプ7と出湯パイプ8とを分岐してバイパス路9を設け、出湯パイプ8に通水弁12を、バイパス路9にバイパス弁13を取付け、通水弁12とバイパス弁13の開度を出湯温度制御手段15によって可変する。給湯機の異常を検出してバーナ3を停止する異常検出手段16と、異常の種類を判定する判定手段17とを設け、出湯温度制御手段15は判定手段17が温度制御部の異常を検出時に通水弁12を全開にバイパス弁を全閉に変更して湯温を低下させ、温度制御部以外の異常を検出時には通水弁12とバイパス弁13の開度を変更せず湯温を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯機の異常発生時の不快感を低減する湯水混合機能付きの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
缶体の内部に給湯機の熱源となるバーナをのぞませた燃焼室を配置し、缶体上部に隣接した排気室と燃焼室とを連通する複数本の煙管を取付け、燃焼室壁面と煙管側壁とを熱交換部としている。バーナが燃焼すると発生する燃焼炎と燃焼ガスが燃焼室に送られ、高温の燃焼ガスは煙管を経て排出され、このとき缶体内に貯えられた水が加熱される。
【0003】
缶体には冷水を供給する給水パイプと、温水を吐出する出湯パイプが取付けられており、給水パイプと出湯パイプには湯温センサを取付け、冷水が給水パイプから缶体内に入るとバーナの熱で加熱されて温水となり、出湯パイプによって所定の場所で使用される。このとき湯温センサによって出湯温度が監視されており、バーナは湯温センサの出力によって運転と停止を繰り返すことで熱交換器の温水を所定温度に保持している。
【0004】
また、給水パイプと出湯パイプの間にはバイパス路を設け、出湯パイプのバイパス路との接続部よりも上流側に通水弁を取付け、バイパス路の途中にバイパス弁を取付け、出湯パイプの接続部よりも下流側に出湯温度センサを取付けており、出湯温度が設定温度となるように通水弁とバイパス弁の開度を制御して湯水の混合比率を決定して設定温度に維持した温水を供給しており、設定温度の変更時には通水弁とバイパス弁を作動して湯水の混合比率を変更するだけで給湯温度が変更できるようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−202741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に給湯機は運転中に機器の異常が発生するとバーナの燃焼を停止する安全装置が作動するが、直接出湯温度に関わる部品に異常が発生したときは、出湯パイプから高温水が吐出されて使用者が火傷を負う恐れがある。このため、湯水混合機能を備えた給湯機では、バーナの停止と同時に高温水が吐出される出湯パイプの通水弁を全閉方向に駆動し、冷水が通るバイパス路のバイパス弁を全開方向に駆動して、出湯パイプから吐出される湯温を下げており、異常時の安全性を確保している。しかし、この方法は出湯温度に関わる部品に異常が発生したときでも出湯温度に関わらない部品に異常が発生したときでも同じ出湯温度制御を行っており、湯温を低下させる必要のない場合でも湯を冷水に変えてしまうため使用者に不快感を与えてしまう欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の課題を解決するもので、筒状の缶体1の上部に隣接して排気室2を設け、缶体1の下部の内側にはバーナ3の燃焼ガスが送られる燃焼室4を配置し、排気室2と燃焼室4との間には複数本の煙管5を取付け、缶体1と燃焼室4との間隙によって水室6を構成し、かつ、缶体1の入口側に接続して冷水を供給する給水パイプ7と、缶体1の出口側に接続して加熱した温水を吐出する出湯パイプ8と、給水パイプ7から分岐して出湯パイプ8に接続して缶体1を通過しない水流を構成するバイパス路9とを設け、缶体1の側壁には缶体1内の湯温を検出する湯温センサ10を取付け、バイパス路9よりも下流側の出湯パイプ8には出湯温度センサ11を取り付け、バイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8に取り付けた通水弁12と、バイパス路9に取り付けたバイパス弁13とを設け、湯温設定手段14の信号と出湯温度センサ11の信号から通水弁12とバイパス弁13の開度を可変する出湯温度制御手段15を設けた給湯機において、給湯機の異常を検出してバーナ3を停止する異常検出手段16と、該異常検出手段16の出力信号に基づいて温度制御部の異常と温度制御部以外の異常とを判定する判定手段17とを設け、前記出湯温度制御手段15は判定手段17が出湯温度制御部の異常を検出時に通水弁12を全閉方向に駆動してバイパス弁13を全開方向に駆動し、判定手段17が出湯温度制御部以外の異常を検出時は通水弁12とバイパス弁13の開度を変更しないことを特徴とするものである。
【0007】
また、湯温センサ10より高所の缶体1の側壁には缶体1の異常高温時に作動してバーナ3を停止するバイメタルスイッチ18を取り付け、前記判定手段17はバイメタルスイッチ18の作動時に温度制御部の異常と判断するもので、バイメタルスイッチ18の作動時は水室6の湯温が高くなっていることがあるが、出湯パイプ8からは高温水が吐出されることはないものである。
【0008】
また、給水パイプ7に給水温度センサ19を取り付け、前記バイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8に給湯温度センサ20を取り付け、前記判定手段17は異常検出手段16が湯温センサ10と出湯温度センサ11と給水温度センサ19と給湯温度センサ20のいずれかの異常を検出時に温度制御部の異常と判断するもので、温度センサの異常によって出湯温度制御ができなくなったときも、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはないものである。
【0009】
また、湯温センサ10と出湯温度センサ11と給水温度センサ19と給湯温度センサ20の検出温度の高低の順序データを検出する温度データ検出手段21と、各温度センサの検出温度の高低の順序データを予め設定した比較データ記憶手段22と、温度データ検出手段21と比較データ記憶手段22の順序データを比較する比較手段23とを設け、比較手段23は温度データ検出手段21と比較データ記憶手段22の順序データとが異なるときに温度制御部の異常を出力するものであり、各温度センサの検出温度の誤差や温度センサの取付け間違いがあった場合でも高温水が吐出されることはないものである。
【0010】
また、異常検出手段16によって作動する警報手段24を設け、該警報手段24は判定手段17の信号によって異なる警報を出力するので、使用者に湯が急に冷水に変わるかどうかを事前に知らせることができるようになり、湯が急に冷水にかわることによる不快感を低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の給湯機は、異常検出手段16で検出した異常が温度制御部の異常であるか温度制御部以外の異常であるかを判定する判定手段17を設けており、判定手段17が温度制御部の異常を検出したときは出湯温度制御手段15が通水弁12を全閉方向に駆動しバイパス弁13を全開方向に駆動するものであり、出湯パイプ8から吐出される湯温を低下させるので、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはなく、温度制御部の異常時の安全性を確保できる。一方、判定手段17が温度制御部以外の異常を検出したときは、通水弁12とバイパス弁13の開度は変更せず、湯水混合比を維持するので、お湯の使用中に異常が発生しても急に湯温を低下させることはなくなり、使用者の不快感を低減することができるものとなった。
【0012】
また、缶体1の側壁には缶体1の異常高温時に作動するバイメタルスイッチ18を備えており、判定手段17はバイメタルスイッチ18からの作動信号を検出したときに温度制御部の異常と判断するものであり、湯温センサ10の不良によって缶体1が異常高温となって停止するときでも、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはないものである。
【0013】
また、給水パイプ7には給水温度センサ19を取付け、出湯パイプ8には給湯湯温センサ8と出湯温度センサ11とを取付け、缶体1には湯温センサ10を取り付けており、判定手段17は異常検出手段16が給水温度センサ19と給湯温度センサ20と出湯温度センサ11と湯温センサ10のいずれかの異常を検出したときには温度制御部の異常と判断するものであり、温度センサの異常によって正確な湯温が検出できなくなると出湯パイプ8から吐出されるお湯を設定温度に維持できなくなる恐れがあるが、この場合でも出湯パイプ8から高温水が吐出されることはないものである。
【0014】
また、各温度センサが正常な状態であれば、給水温度センサ19と給湯温度センサ20と出湯温度センサ11と湯温センサ10の検出温度の高低の順序は決まっていて変化することはないが、温度センサの不良や、温度センサの取付け間違い等があると実際の温度と検出温度とが異なって正確な湯温が検出できなくなり、出湯パイプ8から高温水が吐出されることがある。この発明は温度データ検出手段21で検出された各温度センサの順序データが比較データ記憶手段22に予め設定された順序データと異なるときに、異常検出手段16が異常を検出して判定手段17が温度制御部の異常と判断するので、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはないものである。
【0015】
また、給湯機の異常を検出する異常検出手段16によって作動する警告手段24が異常の種類を判定する判定手段17の判定によって異なる警報を発するので、使用者に給湯機の異常を知らせると共に、湯温が急に低下する前に使用者に伝えることができ、急な湯温の低下による不快感を与えることはないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図に示す実施例によってこの発明を説明すると、1は筒状の缶体、4は缶体1の下部内側に設けた燃焼室、3は燃焼室4内にのぞませたバーナ、2は缶体1の上部に隣接して配置した排気室、5は燃焼室4と排気室2との間に取り付けた煙管、25は排気室2に接続する排気筒であり、バーナ3を運転すると燃焼炎と燃焼ガスが燃焼室4に送られ、燃焼ガスは煙管5内を通って排気室2に送られ、排気筒25から排出される。
【0017】
6は缶体1と燃焼室4との間隙によって構成される水室、7は缶体1の下部側壁に接続した給水パイプ、8は缶体1の上部側壁に接続した出湯パイプであり、出湯パイプ8は風呂や台所の蛇口と接続されており、蛇口を開くと給水パイプ7の水が水室6に送られる。
【0018】
10は給水パイプ7と出湯パイプ8が接続された間の缶体1の側壁に設けた湯温センサ、26はバーナ3に燃焼の開始や停止の指令を出すバーナ制御手段、27は給湯機を操作するためにバーナ制御手段26に接続された操作部、27aは操作部27に設けた給湯機の運転の開始・停止を指示する運転制御スイッチであり、操作部27の運転制御スイッチ27aを操作して給湯機を運転可能状態とすると、水室6内の水温を湯温センサ10が検出しており、湯温センサ10が設定された湯温より低い温度を検出すると、バーナ制御手段26はバーナ3の運転を開始して水室6内の水を設定温度に沸き上げる。
【0019】
28は給水パイプ7に取付けて水の流れを検出する通水センサ、19は給水パイプ7に取り付けた給水温度センサ、20は出湯パイプ8に取り付けた給湯温度センサであり、蛇口を開いて水室6内で加熱された温水が出湯パイプ8から吐出され、水室6内に冷水が入って通水センサ28が水の流れを検出し、湯温センサ10が設定温度以下を検出すると、バーナ制御手段26は再度バーナ2の運転を開始し、通水センサ28の検出水量と給水温度センサ19と給湯温度センサ20の検出温度に基づいてバーナ3の燃焼量をコントロールして、水室6内を一定温度に維持するものである。
【0020】
9は給水パイプ7と出湯パイプ8を分岐して配置したバイパス路、13はバイパス路9の途中に取り付けたバイパス弁、12はバイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8に取付けた通水弁、11はバイパス路9よりも下流側の出湯パイプ8に取付けた出湯温度センサ、14は前記操作部27に設けた湯温設定手段、15は通水弁12とバイパス弁13の開度を可変する出湯温度制御手段であり、出湯温度センサ11は出湯パイプ8を流れる湯温を検出しており、湯温設定手段14で設定された湯温と異なる湯温を検出すると、出湯温度制御手段15が通水弁12とバイパス弁13の開度を可変して湯水の混合比を変更するものである。即ち、出湯温度センサ11が設定された湯温よりも低い温度を検出したときは出湯温度制御手段15が通水弁12を開き、バイパス弁13を閉じて湯温を上げ、一方、設定された湯温よりも高い温度を検出したときは、通水弁12を閉じ、バイパス弁13を開いて湯温を下げ、湯温設定手段14で設定された湯温の温水を出湯パイプ8から吐出するものである。
【0021】
この構成では、水室6の湯温は設定温度に関係なく一定に保持し、給水パイプ7の冷水と出湯パイプ8の温水の混合比を調節することで設定温度の湯温を得ることができ、設定温度変更時の温度差が大きい場合でも素早く湯温の変更ができるものであり、水室6の湯温を設定温度に維持していた従来の貯湯式給湯機に比べて格段に使い勝手が良くなったものである。
【0022】
また、16は各種センサ類の異常検出信号や断線等による異常信号によって作動する異常検出手段であり、異常検出手段16が給湯機の異常を検出するとバーナ制御手段26がバーナ3に燃焼停止を指示して給湯機の運転を停止する。
【0023】
給湯機の異常停止時において、缶体1の異常高温等によって安全装置が作動するなど出湯温度に直接関係する温度制御部に異常が発生しているときは、出湯パイプ8から高温水が吐出される恐れがあるので、この温度制御部の異常発生時の安全性を確保するために湯水の混合比を変更して出湯パイプ8から吐出される湯温を低下させる必要があるが、この方法はお湯の使用中に急に湯温が低下するため使用者に不快感を与える欠点があった。
【0024】
この発明は給湯機の異常発生時の安全性を確保しながら不快感の低減を図るためのもので、17は異常検出手段16の信号に基づいて異常の種類を判定する判定手段であり、判定手段17は異常検出手段16が温度制御部の異常を検出しているときと温度制御部以外の異常を検出しているときで異なる信号を出湯温度制御手段15に出力する。
【0025】
判定手段17が温度制御部の異常を検出したときは、出湯温度制御手段15が通水弁12を全閉方向に駆動すると共に、バイパス弁13を全開方向に駆動するものであり、水室6から出湯パイプ8へのお湯の流れが遮断されて出湯パイプ8から吐出される湯温を低下させることができるので、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはなく、温度制御部の異常時の安全性が確保できるものとなった。
【0026】
一方、バーナ3の失火や温度制御部以外の対震消火装置等の安全装置が作動するなど出湯温度とは直接関係しない部分に異常が発生しているときは、出湯パイプ8から高温水が吐出されることはないので、湯水の混合比を変更する必要はないものである。このため、判定手段17が温度制御部以外の異常を検出したときは、出湯温度制御手段15が通水弁12とバイパス弁13の開度を維持し、急な湯温の変化が起こらないようにしたものである。
【0027】
このように、出湯パイプ8から高温水が吐出される恐れのある温度制御部の異常時は湯温を素早く低下させることで安全性を確保し、一方、高温水が吐出される恐れのない温度制御部以外の異常時は湯温をそのまま維持することで急な湯温の低下による不快感を与えることがなくなり、給湯機の異常発生時の安全性と不快感の低減とを両立させることができた。
【0028】
18は熱によって接点が切り換わるバイメタルスイッチであり、バイメタルスイッチ18は缶体1の側壁の湯温センサ10よりも高所に取り付けており、湯温センサ10の不良によって水室6の湯温が所定温度を超えてもバーナ3が燃焼を続けて缶体1が異常高温となったときに作動し、水室6のお湯が沸騰する前にバーナ3の燃焼を停止するものである。バイメタル18が作動するときは水室6の湯温が通常よりもかなり高くなっており、更にバーナ3の燃焼停止後には後沸きによる温度上昇があるため、出湯パイプ8から高温水が吐出される恐れがある。
【0029】
この発明では、バイメタルスイッチ18の作動時に判定手段17が温度制御部の異常と判断し、出湯温度制御手段15が通水弁12を全閉方向に駆動し、バイパス弁13を全開方向に駆動するので、水室6の高温水が出湯パイプ8に送られることはなく、出湯パイプ8から吐出される湯温を低下させることができる。
【0030】
また、給湯機が正常に運転しているときの各種温度センサの検出温度を比較すると、水室6に供給される水が流れる給水パイプ7の温度を検出する給水温度センサ19の検出温度が一番低く、湯水が混合された設定湯温のお湯が流れるバイパス路9よりも下流側の出湯パイプ8の温度を検出する出湯温度センサ11の検出温度、水を加熱する水室6の温度を検出する湯温センサ10の検出温度の順に高くなり、加熱直後の温水が吐出されるバイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8の温度を検出する給湯温度センサ20の検出温度が最も高くなっている。給湯機が正常に運転しているときはこの検出温度の順序は常に同じであり、この順序が入れ替わることはないが、温度センサの取り付け間違いや、一部の温度センサに検出誤差が生じると、正しい温度が検出できなくなり、この検出温度の順序が入れ替わるものである。
【0031】
この発明の実施例において、21は湯温センサ10と出湯温度センサ11と給水温度センサ19と給湯温度センサ20の信号を入力して検出温度の順序データを検出する温度データ検出手段、22は予め設定された基準となる検出温度の順序データが記憶されている比較データ記憶手段、23は温度データ検出手段21と比較データ記憶手段22の順序データとを比較する比較手段であり、比較手段23は通水センサ28が水の流れを検出しているときに作動し、温度データ検出手段21で検出された検出温度の順序が比較データ記憶手段22の順序データと異なるときに温度制御部の異常を出力する。
【0032】
従来は温度センサの取り付け間違いや検出温度の誤差が生じていても、温度センサ自体の異常が検出できないため、実際の湯温と異なる温度が検出されて出湯温度制御手段15から通水弁12とバイパス弁13の開度を変更してしまい、出湯パイプ8から高温水や冷水が吐出された状態のまま運転を続けてしまう恐れがあったが、この発明では検出温度の順序データが異なるときは温度制御部の異常と判断して給湯機の運転を停止することができるので、安全性が確保できるものとなった。
【0033】
24は給湯機の異常時に警告ランプを点灯したり、警報を鳴らしたりする警告手段であり、異常検出手段16が異常を検出すると、警告手段24を作動して使用者に機器の異常を知らせ、判定手段17の出力に基づいて出湯温度制御手段15が通水弁12とバイパス弁13を駆動して運転を停止するものであり、使用者が警告手段24によって事前に機器の異常が確認できるので、湯温が低下するときでも不快感を低減できる。
【0034】
また、27bは操作部27に設けた給湯機の運転状態を表示する表示部であり、この表示部27bは給湯機に異常が発生したときに警告手段24と連動して作動し、使用者に異常を知らせるものであり、実施例の表示部27bは異常が発生した箇所に対応したエラーコードを表示可能となっている。このため、給湯機の停止後に表示部27bに表示されたエラーコードを確認することで異常の発生した箇所を特定しやすくなり、メンテナンスが行いやすくなった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施例を示す給湯機のブロック図である。
【図2】この発明の他の実施例の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施例を示す給湯機の構成図である。
【符号の説明】
【0036】
1 缶体
2 排気室
3 バーナ
4 燃焼室
5 煙管
6 水室
7 給水パイプ
8 出湯パイプ
9 バイパス路
10 湯温センサ
11 出湯温度センサ
12 通水弁
13 バイパス弁
14 湯温設定手段
15 出湯温度制御手段
16 異常検出手段
17 判定手段
18 バイメタルスイッチ
19 給水温度センサ
20 給湯温度センサ
21 温度データ検出手段
22 比較データ記憶手段
23 比較手段
24 警告手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の缶体1の上部に隣接して排気室2を設け、缶体1の下部の内側にはバーナ3の燃焼ガスが送られる燃焼室4を配置し、排気室2と燃焼室4との間には複数本の煙管5を取付け、缶体1と燃焼室4との間隙によって水室6を構成し、
かつ、缶体1の入口側に接続して冷水を供給する給水パイプ7と、缶体1の出口側に接続して加熱した温水を吐出する出湯パイプ8と、給水パイプ7から分岐して出湯パイプ8に接続して缶体1を通過しない水流を構成するバイパス路9とを設け、
缶体1の側壁には缶体1内の湯温を検出する湯温センサ10を取付け、
バイパス路9よりも下流側の出湯パイプ8には出湯温度センサ11を取り付け、
バイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8に取り付けた通水弁12と、バイパス路9に取り付けたバイパス弁13とを設け、
湯温設定手段14の信号と出湯温度センサ11の信号から通水弁12とバイパス弁13の開度を可変する出湯温度制御手段15を設けた給湯機において、
給湯機の異常を検出してバーナ3を停止する異常検出手段16と、該異常検出手段16の出力信号に基づいて温度制御部の異常と温度制御部以外の異常とを判定する判定手段17とを設け、
前記出湯温度制御手段15は判定手段17が出湯温度制御部の異常を検出時に通水弁12を全閉方向に駆動してバイパス弁13を全開方向に駆動し、
判定手段17が出湯温度制御部以外の異常を検出時は通水弁12とバイパス弁13の開度を変更しないことを特徴とする給湯機の給湯温度制御装置。
【請求項2】
前記湯温センサ10より高所の缶体1の側壁には缶体1の異常高温時に作動してバーナ3を停止するバイメタルスイッチ18を取り付け、前記判定手段17はバイメタルスイッチ18の作動時に温度制御部の異常と判断することを特徴とする請求項1記載の給湯機の給湯温度制御装置
【請求項3】
前記給水パイプ7に給水温度センサ19を取り付け、前記バイパス路9よりも上流側の出湯パイプ8に給湯温度センサ20を取り付け、
前記判定手段17は異常検出手段16が湯温センサ10と出湯温度センサ11と給水温度センサ19と給湯温度センサ20のいずれかの異常を検出時に温度制御部の異常と判断することを特徴とする請求項2記載の給湯機の給湯温度制御装置。
【請求項4】
前記湯温センサ10と出湯温度センサ11と給水温度センサ19と給湯温度センサ20の検出温度の高低の順序データを検出する温度データ検出手段21と、各温度センサの検出温度の高低の順序データを予め設定した比較データ記憶手段22と、
温度データ検出手段21と比較データ記憶手段22の順序データを比較する比較手段23とを設け、
比較手段23は温度データ検出手段21と比較データ記憶手段22の順序データとが異なるときに温度制御部の異常を出力することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の給湯機の給湯温度制御装置。
【請求項5】
前記異常検出手段16によって作動する警告手段24を設け、該警告手段24は判定手段17の信号によって異なる警報を出力すること特徴とする請求項1から請求項4に記載の給湯機の給湯温度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−292354(P2007−292354A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118836(P2006−118836)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000003229)株式会社トヨトミ (124)