説明

統合バックライトを備えたディスプレイユニット

【課題】バックライトソースによって生成される熱を効率的に散逸させる液晶ベースのディスプレイデバイスを提供すること。
【解決手段】ディスプレイ装置であって、液晶ディスプレイ(410)と、該液晶ディスプレイをバックライトするための複数の発光素子(491、492)であって、該発光素子は、該液晶ディスプレイ(410)の1つの側面に沿って配列されている、複数の発光素子と、バックライトカバー(480)であって、該バックライトカバーの前面で、該複数の発光素子(491、492)と該液晶ディスプレイ(410)の領域とを覆い、該発光素子によって生成される熱を散逸させるための導熱材料で作られる、バックライトカバーと、バックライトカバー(1010、1020)の後面の近くに位置決めされた電子回路アセンブリ(820)とを備えている、ディスプレイ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイおよびバックライトを備えたディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
液晶ディスプレイは、例えば、パーソナルコンピュータ、マルチメディア機器、携帯電話、その他様々な技術用途において広く配備されている。液晶ディスプレイ(LCD)はまた、例えば、航空機、列車、または乗用車もしくはバスのような車両のような輸送手段のためのナビゲーションおよび/または娯楽システムにおいて首尾よく使用されている。今日では、車両は、様々な画像ディスプレイ信号をドライバおよび、さらには、他の同乗者に配信するための複数の情報および娯楽デバイスを搭載し得る。これは、各々が異なる画像信号を表示することのできる個別のディスプレイによって達成される。例えば、第1のディスプレイデバイスは、ドライバに対して提供され得、第2のまたはさらなるデバイスは、他の同乗者に対して提供され得る。ドライバは、周囲の交通の流れに集中する必要があるので、ドライバのディスプレイは不可欠な情報を提供するだけであり得るが、一方、同乗者のディスプレイは画像の詳細も表現し得る。かかるディスプレイはまた、例えばテレビもしくはラジオ受信機、DVDプレーヤ、携帯電話、インターネットアクセスデバイス、車両制御デバイス、車両リヤビューデバイスその他任意の車両情報および娯楽デバイスのビデオ画像または他の制御情報の表示のためにも使用され得る。
【0003】
車両ナビゲーションおよび娯楽システムに対して提供されたディスプレイは、より高い耐熱性および振動に対する機械的負荷能力を必要とする。さらに、車両における可能性としての変化する光条件は、適切なバックライトが提供された、高いコントラストを表現することのできる液晶ディスプレイを必要とする。
【0004】
バックライトは、液晶ディスプレイが、低い光条件において可読性を増大するために必要である。例えば、コンピュータモニタにおいては、通常、冷陰極蛍光ランプが、拡散器との組み合わせで使用される。発光ダイオード(LED)の生産における進歩は、例えば携帯電話のスクリーンのような、特により小さなLCDスクリーンのためのバックライトとしてのLEDの使用を可能にした。最近では、白色またはRGBもコンピュータスクリーンのためのバックライトとして使用されている。液晶ディスプレイの画像の質に対してバックライティングの均一性は、重要な役割を果たす。LEDは、光の点源である。したがって、むらのないバックライティングを提供するために、拡散器が使用される。拡散器は通常、プラスチックの層であり、該プラスチックの層は、光源によって放出された光を拡散する。
【0005】
図1は、ディスプレイデバイスの通常の設計を示す。自筐体の中のディスプレイユニット130全体は通常、ディスプレイ製造業者から購入され、外側筐体を形成するカバーバック110とベゼル140との間に回路網120と共に位置決めされる。外側筐体110、140は、その標的場所内でデバイス全体を位置決めし、固定するための手段を含み得る。
【0006】
ディスプレイユニット130は、液晶ディスプレイと、バックライトシステムと、ディスプレイキャビネットとをさらに含む。図2は、ディスプレイユニット130の基本的なコンポーネントの例を示す。ディスプレイカバーバック210およびディスプレイベゼル270は、ディスプレイキャビネットの部品である。液晶ディスプレイ260は、ベゼル270内に配置される。フレーム250内にバックライトシステムが設置され、シールド240によって覆われる。ディスプレイ回路網230は、絶縁フォイル220によってディスプレイカバーバック210から絶縁される。分離されたバックライトシステムが、フレーム250内に設置され、光源を含み、該光源は、発光素子から局所的な熱を散逸させるための局所的なヒートシンクに通常取り付けられている。バックライトは、例えば、導熱および/または導電性ストライプに取り付けられた陰極光または複数のLEDによって実装され得る。
【0007】
背景の光源のタイプ次第で、バックライトシステムは、光案内板、拡散フォイル、リフレクタフォイル、偏光フォイル、および/または輝度強化フォイル(図2には示されず)をさらに含み得る。
【0008】
特に、例えばLEDのような熱を生成する発光素子が使用されたとき、LEDによって生成された熱は、適切に散逸させられないと筐体内の温度を上げ、かかるディスプレイデバイスの質および寿命を低減し得る。
【0009】
さらに、ディスプレイを、例えば車両のダッシュボードのようなそれらの標的場所の中に取り付けるとき、ディスプレイデバイスを正しく固定することが重要である。さもないと、ディスプレイの活性領域が、例えば、様々なフレームおよび筐体のようなディスプレイデバイスの他の機械的部分によって部分的に覆われ得る。ディスプレイデバイスに機械的要素がより多く備えられれば備えられる程、それだけますます正確な位置決めが難しくなる。含まれる各機械的要素の公差(位置における不確実性)がたとえ小さいとしても、公差の連鎖がこれらの不確実性の加算を引き起こし、標的場所に対するLCDスクリーンの不正確な位置決めを生じ得る。
【0010】
例えば自家用車のような車両の用途のためのディスプレイを提供することはまた、電磁的適合性に関する高い要件により難問題である。特に、乗用車のボードには、今日では、様々な周波数帯をカバーする多くのアンテナ、測定用および制御用の電子機器、その他莫大な量の電子デバイスが取り付けられている。かかる限定された空間においては、複数の電子デバイスの同時的機能を可能にするために、適切なシールドが必要である。
【0011】
本発明の根底にある問題は、液晶ディスプレイデバイスの性能および寿命は、バックライトのソースによる上昇温度により減少し得るという観察に基いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、バックライトソースによって生成される熱を効率的に散逸させる液晶ベースのディスプレイデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の概要)
これは、独立請求項に述べられたとおりの特徴によって達成される。
【0014】
好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0015】
液晶ディスプレイの側面に沿って配置された複数の発光素子によってバックライトされた液晶ディスプレイを備えたディスプレイデバイスを提供することが、本発明の特定のアプローチであり、発光素子によって生成される熱をより良好に散逸させるために、発光素子ばかりではなく液晶ディスプレイの領域の導熱カバーによって覆われる。
【0016】
かかるアプローチは、バックライトソースの領域だけに位置する導熱部分によるのではなく、導熱カバー全体を介しての効率的な熱散逸を提供する。同時に、導熱カバーは、シールドおよび筐体として役立ち得、統合LCDおよびバックライト部分を電子回路から分離する。効率的な熱散逸は、性能(可視光線範囲における精度)をさらに向上させ、ディスプレイデバイスの寿命を伸ばす。
【0017】
本発明の局面に従って、ディスプレイ装置が提供され、該ディスプレイ装置は、液晶ディスプレイと、バックライトユニットと、電子回路網とを備え、液晶ディスプレイおよびバックライトユニットは、バックライトユニットによって生成された熱を散逸させるために導熱材料で作られたバックライトカバーによって、電子回路網から分離されている。バックライトユニットは、液晶ディスプレイをバックライトするための複数の発光素子を備え、発光素子は、バックライトカバーの少なくとも1つの側面に沿って配列されている。
【0018】
好ましくは、バックライトカバーは、導熱材料で作られ、該導熱材料はまた、電子回路網と統合LCDおよびバックライトユニットとの間のシールドとして作用するための導電性材料でもある。
【0019】
詳細には、バックライトカバーは、アルミニウムで作られる。アルミニウムは、比較的重量が小さいという利点も有する。しかしながら、他の導熱および/または導電性材料が等しく使用され得る。好ましくは、バックライトカバーは、ダイカストによって製造される。
【0020】
発光素子は好ましくは、例えば発光ダイオードのような点光源であり、該発光ダイオードは、例えば可撓性のプリント回路基板(フレキシボード)のようなプリント回路基板上に位置する。LEDは、集中的な光を提供し、車両における配備の条件において、比較的に確実性がある。詳細には、LEDは、特に低い外気温では、冷陰極蛍光ランプよりも良好な始動特性を有し、振動および衝撃に対してより抵抗力がある。
【0021】
本発明の実施形態に従って、発光素子は、バックライトカバーの前面内のディスプレイユニットの2つの相対する側面に沿って位置する。好ましくは、発光素子は、ディスプレイが長方形形状を有し、正方形形状を有していない場合、ディスプレイの2つのより短い、相対する側面に沿って配置される。しかしながら、発光素子は、より長い側面に沿っても位置し得る。本発明は、ディスプレイユニットの2つの相対する側面に位置する発光素子に限定されない。2つの隣接する側面に配置された発光素子で作られたバックライトも採用され得る。
【0022】
発光素子の数は、ディスプレイデバイスのサイズに従って選択される。例えば、7または8インチのディスプレイに対しては、好ましくは、1つの側面につき16〜24の発光素子が使用される。
【0023】
本発明の別の実施形態に従って、発光素子は、ディスプレイユニットの単一の側面に沿って配置される。この場合、好ましくは、充分な光強度を提供するために、より長い側面が選択される。しかしながら、より短い側面も選択され得る。本発明は、ディスプレイユニットの単一の側面または2つの側面に沿って位置決めされたバックライトに限定されない。ディスプレイデバイスの3つまたは4つ全部の側面さえも、発光素子をそれらに沿って配置するために使用され得る。
【0024】
本発明の実施形態に従って、バックライトカバーは、ディスプレイ装置を標的場所の中に取り付けるための取り付け手段を備える。これは、バックライトカバーをキャビネット筐体の一部分にし、その中にディスプレイデバイスは好ましくは、収納される。詳細には、取り付け手段は、バックライトカバーの側面に位置決めされる。かかる取り付け手段を提供することは、液晶ディスプレイを含むディスプレイデバイス全体の位置の安定性を増大し、かかるディスプレイデバイスを、車両における配備に対して特に適するものとする。取り付け手段は、迅速な組み立てをさらに可能にし、ディスプレイデバイスをその標的場所に配置するために必要なさらなる機械的部品の数を低減する。これは、公差の連鎖の短縮を生じ、したがって、LCDスクリーンを標的場所内で位置決めする精度を増大する。
【0025】
好ましくは、取り付け手段は、ネジまたはリベットの手段によって標的場所に固定されるための突起である。組み立てを容易にするために、突起は穴を含み得る。取り付け手段に加えてまたは代替として、センタリング手段が、例えば、標的場所の対応する係合要素内で係合され、かつ可能性として固定またはロックされる係合要素として提供され得る。センタリング手段を提供することは、LCDスクリーンを標的場所内で位置決めする精度をさらに増大する。取り付け手段自体では、位置決めにおける不確実性が生じるので、センタリング要素がこの公差を向上させ得る。
【0026】
好ましくは、バックライトカバーは、バックライトカバー内で液晶ディスプレイの位置を予め調節するためのセンタリング手段をさらに含む。センタリング手段は、例えば、1つのまたは複数のピン、リブ、突起、ノッチ、空隙、切り抜き、スロット、その他として形成され得る。
【0027】
詳細には、液晶ディスプレイパネルは、ディスプレイパネルフレームに固定され(例えば、接着され)、ディスプレイパネルフレームも、バックライトカバーのセンタリング手段に対応するセンタリング手段を、それらの相互の位置を調節するために提供する。
【0028】
好ましくは、ディスプレイ装置は、液晶ディスプレイと、発光素子と、バックライトカバーと、電子回路アセンブリとを収納するためのキャビネット筐体を備え、キャビネット筐体は、ディスプレイ装置の冷却のための複数の開口部を含む。開口部は好ましくは、筐体の側面および筐体の後面に位置し、筐体の前面は、液晶ディスプレイの画像ディスプレイ領域を含む。開口部は、ディスプレイデバイスを冷却することと、バックライトカバーを介して効率的に熱を筐体の外側に散逸させることとを可能にする。ディスプレイデバイスの効率的な冷却は、ディスプレイデバイスコンポーネントの寿命および信頼性を延ばす。
【0029】
詳細には、液晶ディスプレイは、4〜11インチの長さの対角線を有する薄膜トランジスタ液晶ディスプレイである。しかしながら、他のサイズ−より小さいかまたはより大きい−も適用され得る。統合液晶ディスプレイおよびバックライトユニットはさらに好ましくは、光をユーザの方に向かって反射させるためのリフレクタと、液晶ディスプレイを覆っている領域内で発光素子によって提供された光を案内するための光案内板と、光を均一に拡散させるための拡散器とを備えている。リフレクタ、光案内板、および拡散器は、バックライトカバーと液晶ディスプレイとの間に積み重ねられる。バックライトユニットは、ディスプレイ画像の質を向上させるための偏光フォイル、輝度強化フォイル、および/または他のフォイルをさらに備え得る。液晶ディスプレイは、単色またはカラーのディスプレイである。
【0030】
好ましくは、電子回路アセンブリは、ディスプレイおよびバックライト駆動回路網とディスプレイおよびバックライト制御回路網との両方を含む。ディスプレイ制御回路網は、例えば、グラフィカルインターフェース、画像ディスプレイジェネレータ、マイクロコントローラ、その他を備え得る。好ましくは、電子回路アセンブリは、ディスプレイ筐体に含まれた、ディスプレイデバイスおよびバックライトを駆動、制御するために必要なすべてのエレクトロニクスを備えている。ディスプレイデバイスおよびバックライトのために必要な電子回路網全体をバックライトカバーの後面の近くに配置することは、シールドを提供し、ディスプレイデバイスのコンパクトは設計を可能にする。好ましくは、ディスプレイ装置は、電子回路アセンブリの反対面を覆うシールドをさらに備えている。このシールドは、筐体の一部分であり得る。
【0031】
本発明の別の局面に従って、車両のためのナビゲーションおよび娯楽システムが提供される。ナビゲーションおよび娯楽システムは、画像および/またはビデオデータを表示するための上述のとおりの少なくとも1つのディスプレイ装置と、ディスプレイ装置に表示されるための画像ディスプレイ入力信号を生成するためのグラフィックプロセッサと、グラフィックプロセッサの動作を制御するための中央制御ユニットとを備えている。中央制御ユニットは、例えば、画像として提示されるデータを提供する中央プロセッサユニット(CPU)である。グラフィックプロセッサは、液晶ディスプレイに対してデータの表現を提供する。グラフィックプロセッサは、ディスプレイデバイスの筐体内またはその外側に配置され得る。CPUは好ましくは、ディスプレイ筐体の外側に配置され得る。単一
のCPUは好ましくは、ナビゲーションおよび娯楽システムにおける複数のディスプレイデバイスを制御するために使用される。かかるナビゲーションおよび娯楽システムは好ましくは、様々なディスプレイデバイスに対して様々な画像情報を同時に提供することができる。
【0032】
しかしながら、本発明のディスプレイデバイスは、車両のナビゲーションおよび娯楽システム以外の別のものにも配備され得る。本発明のディスプレイデバイスは、航空機および/またはホーム娯楽システムにも使用され得る。
【0033】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0034】
(項目1)
ディスプレイ装置であって、
液晶ディスプレイ(410)と、
該液晶ディスプレイをバックライトするための複数の発光素子(491、492)であって、該発光素子は、該液晶ディスプレイ(410)の1つの側面に沿って配列されている、複数の発光素子と、
バックライトカバー(480)であって、該バックライトカバーの前面で、該複数の発光素子(491、492)と該液晶ディスプレイ(410)の領域とを覆い、該発光素子によって生成される熱を散逸させるための導熱材料で作られる、バックライトカバーと、
バックライトカバー(1010、1020)の後面の近くに位置決めされた電子回路アセンブリ(820)と
を備えている、ディスプレイ装置。
【0035】
(項目2)
上記バックライトカバー(480)は、導電性材料で作られ、上記電子回路アセンブリ(820)のためのシールドとして作用する、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0036】
(項目3)
上記バックライトカバー(480)は、例えばアルミニウムのような金属で作られる、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0037】
(項目4)
上記バックライトカバー(480)は、ダイカストによって作られる、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0038】
(項目5)
上記バックライトカバー(480)は、上記ディスプレイ装置を標的場所の中に取り付けるための取り付け手段(1521)および/または該ディスプレイ装置をその標的場所内でセンタリングするためのセンタリング手段(1512、1513)を備えている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0039】
(項目6)
上記バックライトカバー(480)は、該バックライトカバー(480)内で上記液晶ディスプレイ(410)の位置を調節するためのセンタリング手段(701〜703、721、722)を備えている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0040】
(項目7)
上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置であって、該装置は、上記液晶ディスプレイと、上記発光素子と、上記バックライトカバーと、上記電子回路アセンブリとを収納するためのキャビネット筐体をさらに備え、該キャビネット筐体は、該ディスプレイ装置の冷却のための複数の開口部を含む、ディスプレイ装置。
【0041】
(項目8)
上記発光素子(1410、1420)は、上記液晶ディスプレイ(410)の2つの相対する側面に沿って位置決めされている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0042】
(項目9)
発光素子(1410、1430)は、上記液晶ディスプレイ(410)の2つの直接的に隣接する側面に沿って位置決めされている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0043】
(項目10)
発光素子(1430)は、上記液晶ディスプレイ(410)の単一の側面に沿って位置決めされている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0044】
(項目11)
上記発光素子(1430)は、上記液晶ディスプレイ(410)のより長い側面に沿って位置決めされている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0045】
(項目12)
上記発光素子(491、492)は、プリント回路基板のストリップ上に連続に位置決めされた発光ダイオードである、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0046】
(項目13)
上記液晶ディスプレイ(410)は、4インチと11インチとの間の対角線を有する薄膜トランジスタ液晶ディスプレイであり、
リフレクタ(470)、光案内板(460)、および拡散器(450)が、上記バックライトカバー(480)と上記液晶ディスプレイ(410)との間に積み重ねられている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0047】
(項目14)
上記電子回路アセンブリ(820)は、ディスプレイおよびバックライト駆動回路とディスプレイおよびバックライト制御回路とを含み、
上記ディスプレイ装置は、電子回路アセンブリ(820)の上記バックライトカバー(480)の後面により近い面とは反対の面を覆うシールド(810)をさらに備えている、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【0048】
(項目15)
車両のためのナビゲーションおよび娯楽システムであって、該システムは、
画像データを表示するための、上記項目のいずれか一項に記載のディスプレイ装置(1920)と、
該ディスプレイ装置上に表示される画像ディスプレイ入力信号を生成するためのグラフィック処理ユニット(1914)と、
該グラフィックプロセッサ(1914)の動作を制御するための制御ユニット(1910)と
を備えている、システム。
【0049】
(摘要)
本発明は、統合液晶ディスプレイおよびバックライトユニットを備えたディスプレイデバイスを提供する。液晶ディスプレイには、バックライトシステムが提供され、該バックライトシステムは、液晶ディスプレイの1つの側面または複数の側面に沿って位置決めされた複数の発光素子を備えている。発光素子によって生成された熱を効率的に分散、散逸させるために、バックライトカバーは、発光素子および液晶ディスプレイ上の領域を覆い、それらをプリント回路基板から分離する。バックライトカバーは、例えばアルミニウムのような導熱材料から作られる。かかるディスプレイは、例えば車両のナビゲーションおよび/または娯楽システムの一部分として、車両のボード上での配備のために特に適している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明の上述の目的および特徴ならびに他の目的および特徴が、添付の図面と共に与えられた以下の記述および好ましい実施形態からより明らかとなる。
【図1】図1は、通常のディスプレイデバイスのコンポーネントを示す概略図である。
【図2】図2は、通常のディスプレイユニットのコンポーネントを示す概略図である。
【図3】図3は、本発明によるディスプレイデバイスのコンポーネントを示す概略図である。
【図4】図4は、本発明によるディスプレイユニットのコンポーネントを示す概略図である。
【図5】図5は、バックライトユニットのLCDおよびフレームの例を示す概略図である。
【図6】図6は、位置決めのためのピンを含むLCDフレーム内に接着されたLCDの例を示す概略図である。
【図7】図7は、バックライトユニットの例を示す概略図である。
【図8】図8は、本発明によるディスプレイデバイスのシールドおよびプリント回路基板の例を示す概略図である。
【図9A】図9Aは、キャビネット筐体のないディスプレイデバイスの前面を示す概略図である。
【図9B】図9Bは、キャビネット筐体のないディスプレイデバイスの後面を示す概略図である。
【図10】図10は、キャビネット筐体の部品の例を示す概略図である。
【図11】図11は、キャビネット筐体の組み立てられた部品の例を示す概略図である。
【図12】図12は、本発明によるディスプレイデバイスの配列を示す概略図である。
【図13A】図13Aは、キャビネット筐体のないディスプレイユニットの形状の概略図である。
【図13B】図13Bは、キャビネット筐体の概略図である。
【図14A】図14Aは、ディスプレイの2つの相対する側面に沿う発光素子の位置決めの例の概略図である。
【図14B】図14Bは、ディスプレイの2つの隣接する側面に沿う発光素子の位置決めの例の概略図である。
【図14C】図14Cは、ディスプレイの単一の側面に沿う発光素子の位置決めの例の概略図である。
【図14D】図14Dは、ディスプレイの3つの側面に沿う発光素子の位置決めの例の概略図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態によるキャビネット筐体の概略図である。
【図16】図16は、図15に示されたとおりのキャビネット筐体を備えたディスプレイデバイスの概略図である。
【図17】図17は、ディスプレイデバイス内の発光素子の位置を示す概略図である。
【図18A】図18Aは、車両ナビゲーションおよび娯楽システム内でのディスプレイの位置決めの例を示す概略図である。
【図18B】図18Bは、車両ナビゲーションおよび娯楽システム内でのディスプレイの位置決めの別の例を示す概略図である。
【図19A】図19Aは、2つのディスプレイデバイスとそれらを制御するための個別のハードウエアとを備えた、車両のボード上のナビゲーションおよび/または娯楽システムを示す。
【図19B】図19Bは、2つのディスプレイデバイスとそれらを制御するための共有のハードウエアとを備えた、車両のボード上のナビゲーションおよび/または娯楽システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(詳細な説明)
車両にナビゲーションおよび娯楽システムを提供するために、効率的で信頼性のあるディスプレイデバイスが必要である。本発明に従って、ディスプレイデバイスが提供され、該ディスプレイデバイスは、複数の発光素子に基づくバックライトを有する液晶ディスプレイを備え、これらの発光素子によって生成された熱を効率的に散逸させることができる。
【0052】
図3は、本発明によるディスプレイデバイス300の例を概略的に示す。ディスプレイキャビネット筐体が、ディスプレイカバーバック310およびベゼル350によって形成される。ディスプレイキャビネット筐体は、統合液晶ディスプレイおよびバックライトユニット340、電子回路網330、およびシールド320を収納する。電子回路網は、例えば、プリント回路基板であり、該プリント回路基板は、液晶ディスプレイおよびバックライトを駆動する機能を実装し、かつ/または液晶ディスプレイおよびバックライトを制御し、かつ/またはグラフィカルインターフェースもしくはより多くの情報をディスプレイデバイスその他に提供する。
【0053】
図4は、本発明の実施形態による統合LCDおよびバックライトユニット340の部品を示す。LCD410は、LCDフレーム420内に位置決めされており、その後に2重輝度強化フォイル(DBEF)430、輝度強化フォイル(BEF)440、拡散フォイル450、光案内板(LGP)460、および強化鏡面反射体フィルムまたはフォイル(ESR)470が続く。バックライトカバー480は、統合LCDおよびバックライトユニット340のカバーを形成する。ヒートシンクプリント回路基板(PCB)または可撓性回路基板のバックライト発光素子491および492は、バックライトカバー480内のLCDおよびバックライトユニット340の左右の側面に位置決めされており、バックライトカバー480は、発光素子によって生成された熱を散逸させることに役立つ。これを容易にするために、バックライトカバーは、導熱材料で作られ、その前面で熱源を、さらにはディスプレイの全領域をも覆う。これによって、発光素子によって生成された熱を効率的に分配し、散逸させることが可能となる。バックライトカバー480は好ましくは、必要なすべてのフォイルと、発光素子491、492と、フレーム420内に位置する液晶ディスプレイ410とを備えている液晶ディスプレイおよびバックライトユニット全体を覆うばかりではなく、その中に積み重ねることにも役立つ。
【0054】
LCD410は好ましくは、薄膜トランジスタ(TFT)の能動マトリックスを有するLCDである。なぜならば、かかるディスプレイは、受動マトリックスディスプレイよりも迅速な応答時間および良好な画像の質を提供するからである。しかしながら、本開示は、それに限定されない。
【0055】
図5は、液晶ディスプレイフレーム420における液晶ディスプレイ410のより近接した図を示す。例えば金属で作られたバックライトカバー内へのようにディスプレイデバイス内へのLCDガラスの位置決めを和らげるために、液晶ディスプレイフレーム420は好ましくは、プラスチックで作られる。LCD410は、例えば接着剤によってLCDフレーム420に固定され得る。LCDフレーム420は、ディスプレイユニット内で接着されたディスプレイ410の調節のためのピン501、502、および503を備えており、ピン501は、x方向の調節用であり、ピン502および503は、y方向の調節用である。これらのセンタリングピンは、LCDフレーム420を有するLCD410の表示領域が、xおよびy方向でバックライトカバーに対して予め調節されることを可能にし、したがって、位置決めの不確実性を低減し、公差の連鎖を短くする。バックライトカバーは、例えばピン501〜503と係合するために、対応するセンタリング手段を有し得る。z方向では、バックライトカバーは、液晶ディスプレイ410よりも高い。バックライトカバー480は、z方向の調節のための表面を有する。バックライトカバー480は好ましくはアルミニウムダイカストで作られ、これによって、バックライトカバー480が同時に、収容(キャビネット)、冷却およびシールドとして役立つことが可能となる。左右の側面に、金属ストライプ491および492上のLEDが、例えば接着されるなどして、バックライトカバー480に固定される。しかしながら、液晶ディスプレイ410はまた、例えば、筐体なしで固定要素によってロックされる場合のように、フレーム420なしでディスプレイユニット内に位置決めされ得もする。かかる固定要素は好ましくは、LCDガラスを損傷しないように、例えばプラスチックのようなより軟らかい材料で作られ得る。
【0056】
好ましくは、特別な筐体におけるわずかな数の高電力LEDの代わりに、標準的な筐体において多数の低電力LEDが使用される。多数のLEDは、より良好な光適合性を与える。さらに、かかる低電力LEDの使用により、必要な場合、LED電力または供給源をより容易に変更することができる。
【0057】
バックライトカバー480は、それをフロントパネルの背後に取り付けるための組立て特徴をさらに含み得る。したがって、かかる構造は、ディスプレイユニットをその標的場所の中に配置するための特別な機械的部品を必要としない。この方法で、統合LCDおよびバックライトユニットは、筐体の中に直接的に統合され得る。液晶ディスプレイは、バックライトカバーに対して調節され、したがって標的位置に対しても調節される。これによって、ディスプレイデバイスを標的位置により正確に位置決めすることが可能となる。
【0058】
図6は、LCDフレーム420の詳細を示し、表示領域610は、センタリングピン501、502および503に対して予め調節される。液晶ディスプレイ410は、例えば、LCDフレーム420の中で接着され得る。
【0059】
図7は、バックライトカバー480の詳細を示し、必要なすべてのフォイル710が組み立てられている。アルミニウムダイカストで作られたバックライトフレーム480は、統合LCDおよびバックライトユニットの熱管理を向上させる。突起701、702および703は、z方向の調節に役立つ。穴721および722は、LCDフレーム420のピン501および502とそれぞれ係合して、LCDフレーム420と共にLCD410の位置をバックライトカバー480に対して調節するために提供される。ピン501、502ならびに穴721および722は、対応する係合手段のただの例である。例えば穴、スロット、ピン、ノッチ、突起など、バックライトカバー480内でLCD420を調節するための任意の他の対応するセンタリング手段が、LCDフレーム420およびバックライトカバー480のいずれに対しても等しく提供され得る。
【0060】
図8は、シールドコネクタ825を備えたアセンブリプリント回路基板820およびシールド810の例を示す。アセンブリボード820は、例えば、ディスプレイの標的機能のために必要なディスプレイおよびバックライト駆動ならびに/またはグラフィカルインターフェースならびに/または他の制御メカニズムのような様々な機能を統合し得る。ディスプレイおよびバックライト駆動は、電圧変換および生成、タイムベーシス(time basis)、その他を含み得る。グラフィカルインターフェースは、適切に表示されるようにするための画像入力の制御を含み得、制御メカニズムは、過電圧、低すぎる電圧、温度管理の検出および取り扱い、発光素子の制御、オン/オフ制御、その他をさらに含み得る。さらに、ディスプレイデバイスは、例えば、プロセッサ、プログラム可能ガードウエア、マイクロコントローラ、その他に実装された処理ユニットをその中に含むことによってより多くの情報を含み得る。この付加された情報は、例えば、バックカメラ(back−camera)、ナビゲーションシステム、または娯楽システムのような複数の画像ソースからの画像またはビデオ信号の表示を制御し得る。ディスプレイデバイスはまた、フォーマット(例えば、空間解像度、フレーム率、インターレーシング/プログレッシブ)変換ならびに/またはメニューもしくは他の機能の表示および制御を取り扱い得る。
【0061】
あるいは、情報は、中央制御ユニットにおけるディスプレイデバイスの外側に配置され得、ディスプレイ電子回路網は、例えばディスプレイおよびバックライト駆動のような単純な機能を実行するだけである。
【0062】
図1および図2に示されるように、ディスプレイデバイスに対して単一のアセンブリ基板を提供することは、分離されたLCDボード230およびメインボード120による解決法と比較して、ディスプレイのサイズを低減し得る。
【0063】
図9は、組み立てられた状態での上述のコンポーネントを示す。特に、図9Aは、ディスプレイデバイスの前面を示し、該ディスプレイデバイスは、上側面に、LCDフレーム420内に液晶ディスプレイ410を備えたディスプレイユニットと、バックライトフレームカバーであって、該バックライトフレームカバーの中に、LCDフレーム420が、図4(図9Aには見ることができない)を参照して記述されたすべてのフォイルおよびバックライトLEDと共に含まれる、バックライトフレームカバーと、シールド810とを含む。
【0064】
図9Bは、ディスプレイデバイスの後面を示し、シールド810およびバックライトカバー480の下側によって形成される。シールド810の下に、アセンブリプリント回路基板820が見られ得る。
【0065】
図10は、ディスプレイデバイスのキャビネット筐体の2つの部分を示している。前部分1010は、ベゼルとして形成され、そこでは、図9Aに示されたディスプレイデバイスの前面が係合されている。後部分1020は、カバーであり、該カバーは、図9Bに示された、シールド810の表面およびバックライトカバー480の一部分によって形成されたディスプレイデバイスの後面の形状に従う。
【0066】
図11は、組み立てられた形でのディスプレイデバイスのキャビネット筐体を示す。統合LCDおよびバックライトユニットの冷却を改良するために、冷却開口部1110、1120、および1130が、キャビネット筐体に形成される。特に、開口部1110および1120は、キャビネット筐体の後部分1010の側面および前部分1020の側面にそれぞれ位置決めされる。さらに、キャビネット筐体の後部分1010は、キャビネット筐体境界の近くにおいて、その上側面に位置する開口部1130を有する。これらの開口部は、導熱バックライトカバーを冷却すること、したがって、バックライトによって生成された熱をキャビネット筐体の外へ散逸させることを可能にする。キャビネット筐体は、必ずしも金属では作られず、例えば様々な種類のプラスチックのような他の材料が使用され得る。
【0067】
図12は、本発明によるディスプレイデバイスの部品の配列を示す。3つの主な部品は、図10で示されたとおりのキャビネット筐体1210、シールド810およびPCBアセンブリ820、ならびに図4で示されたとおりの統合LCDおよびバックライトユニット1220によって形成される。図1および図2に示されたとおりの最新式のディスプレイとは異なり、バックライトカバー全体が、発光素子によって生成された熱を伝えることに役立ち、キャビネット筐体における開口部は、その効率的な冷却を可能にする。
【0068】
図13Aは、キャビネット筐体1010の中にカプセル化されるディスプレイデバイスのコンポーネントの外形を示す。図13Bは、キャビネット筐体1010を示す。8インチLCDパネルを備え、キャビネット筐体のないディスプレイデバイスが、図13Aに示される。乗用車に配置されるための、図13Bに示されるキャビネット筐体は、例えば、幅が210mm、高さが130.5mm、上側面の厚さが12.2mm、および下側面の厚さが25mmであり得る。
【0069】
一般に、LCDバックライト用の発光素子は、LCD410の下で、マトリックスに位置決めされ得、その全域を覆い、そしてLCD410を直接的に照射する。かかるバックライトユニットは、実装することがかなり難しい。なぜならば、液晶ディスプレイの下に配列された光の点源は、隠すことが難しいからである。あるいは、LCDバックライト用の発光素子は、LCD410の下で、そのエッジに沿って位置決めされ得、例えば、図4および図12に示されたような光案内板および拡散器を使用して、LCDパネル410を照射する。最近では、有機LEDが、代替の均一なバックライトシステムとして、興味を集めている。OLEDの利点の中には、その均一性および薄さがあり、これによって非常にコンパクトなディスプレイデバイスの構造が可能となる。記述されたバックライトソースのすべてはまた、熱ソースでもあり、効率的な熱の散逸を必要とする。バックライトカバー480は、かかる効率的な熱の散逸を提供する。
【0070】
図14は、統合LCDおよびバックライトユニット1220内での発光素子の位置決めの例を示す。発光素子は、例えばLEDである。図14Aは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の2つの相対する側面に位置決めされた発光素子を示す。特に、図14Aは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の左右の側面における位置決めを示す。しかしながら、発光素子はまた、統合LCDおよびバックライトユニット1220の上側および下側にも位置決めされ得る。各側面の発光素子の数は好ましくは同じであり、バックライトされるLCD410のサイズに依存する。例えば、左側面に16のLEDおよび右側面に16のLEDは、8’’サイズの乗用車ディスプレイに対してバックライトを提供するために使用され得る。
【0071】
図14Bは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の隣接する側面に位置決めされた発光素子を示す。特に、統合LCDおよびバックライトユニット1220の右側および下側に位置決めされた発光素子が示されている。しかしながら、任意の2つの隣接する側面が、発光素子を位置決めするために選択され得る。統合LCDおよびバックライトユニット1220の側面および下側面における発光素子の数は、統合LCDおよびバックライトユニット1220の右エッジおよび下側面エッジの長さの比率と同様に決定され得る。例えば、右側面に16のLEDおよび下側に24のLEDが使用され得る。
【0072】
図14Cは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の一側面に沿ってのみ位置決めされた発光素子1403を示す。好ましくは、発光素子の配置のためにより長い側面が選択され、これによって、より多くの発光素子の配置が可能となり、したがって、より集中的なバックライティングが可能となる。例えば、24のLEDが、下側に使用され得る。この例においては、より長い側面は、下側または上側である。しかしながら、より短い側面(この例では、左または右)に沿って発光素子を配置することも可能である。
【0073】
あるいは、LEDは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の3つの側面または4つ全ての側面に配置され得る。図14Dは、右側面、左側面、および下側にそれぞれ位置決めされた発光素子1410、1420、および1430を示す。
【0074】
一般に、1つの側面当たりの発光素子の数は、LCDディスプレイのサイズ、発光素子の光放射特性、および標的の用途の要件に依存する。例えば、乗用車における用途に対しては、600cd/mの輝度を提供することのできる7インチまたは8インチの大きさのディスプレイに対するバックライトシステムが望ましい。しかしながら、乗用車においては、7インチまたは8インチよりも小さいかまたは大きい他のサイズを有する様々に異なるディスプレイが使用され得る。
【0075】
発光素子の特定の位置決めは、ディスプレイデバイス配備の要件に従って選択されるべきである。コンパクトな設計の観点からすると、図14A,図14Bおよび図14Dに示される構成は、統合LCDおよびバックライトユニット1220の厚さが、上側と下側との両方において、発光素子の高さに適合されることを必要とする。発光素子が1つの側面に沿って配置されただけの構成に対しては、事情が異なる。かかる場合においては、発光素子の高さは、統合LCDおよびバックライトユニット1220の1つの側面(例えば、下側)の高さ、およびそれに隣接する側面に部分的に影響を与えるだけである。すなわち、該側面から観察された統合LCDおよびバックライトユニット1220は、ウェッジの形を有し得る。その結果、より高い(可能性として、より強力な)発光素子が、統合LCDおよびバックライトユニット1220をなおもコンパクトに保ちながら使用され得る。
【0076】
他方、図14Aの構成の利点は、より良好な熱管理である。発光素子が、より短い相対する側面に配置されるので、熱が、バックライトカバー480に対してより良好に分散、散逸し得る。図14B〜図14Dに示される構成は、例えば可撓性のケーブル/プリント回路基板ストライプ上に位置決めされるような、より長い側面の発光素子を含み、可撓性のケーブル/プリント回路基板ストライプは、生成される熱を増大し得、その分散をより難しくし得る。
【0077】
さらに、図14Aおよび図14Cの構成に関しては、均一性の点で光案内板460の設計は、より単純である。図14Bおよび図14Dの構成に関しては、これはより難しくあり得る。なぜならば、互いに直交する2つの主な方向での分散が、光案内板の設計に対して考慮されなくてはならないからである。光案内板は通常、一連のバンプによって光を拡散させ、その密度は、拡散方程式に従って光源からの距離と共に増大する。
【0078】
図15は、本発明によるディスプレイデバイスに対するキャビネット筐体の前面1510および後面1520の別の例を示す。この例では、バックライトカバーは、組み立て特徴を含み、キャビネット筐体と一体をなす部分を形成する。特に、バックライトカバーは、例えば車両のダッシュボードのような標的場所にディスプレイデバイスを固定するための取り付け突起1521をそのより短い側面に備えている。
【0079】
バックライトカバーの一部分として取り付け突起を提供することは、取り付けられたディスプレイデバイスの安定性を増大し、標的位置へのその調節を容易にする。この方法で、ディスプレイデバイスの調節は、キャビネット筐体の取り付けから独立する。
【0080】
ディスプレイデバイスは、例えばネジまたはリベットにより取り付け突起1521を使用して、標的位置に固定され得、ディスプレイデバイスはまた、接着または溶接され得る。キャビネット筐体の前面1510はまた、ディスプレイデバイスを標的場所に固定するための取り付け突起1511も備え得る。取り付け突起1511は、バックライトカバー上の取り付け突起1521と重なり合い得る。バックライトカバーとキャビネット筐体の前面1510とに共通の固定を介して、ディスプレイデバイスのより正確な位置決めが可能である。しかしながら、取り付けは、位置決めにおいてなおも不確実性を有し得る。
【0081】
したがって、取付け突起に加えて、キャビネット筐体前面1510またはバックライトカバー上のセンタリング突起1512、1513または1522が、ディスプレイデバイスの位置を調節するため、および標的場所にディスプレイデバイスを固定(ロッキング)するために提供され得る。ここで、ディスプレイデバイスの左右の側面に配置されたセンタリング突起1512は、ディスプレイデバイスを垂直にセンタリングすることに役立つ。ディスプレイデバイスの上側面および/または下側面に配置されたセンタリング突起1513は、ディスプレイデバイスを水平にセンタリングすることに役立つ。これらの突起、または、例えば1522のような個別の突起はまた、標的場所内にディスプレイデバイスを配置するときの適切な深さを調節することに役立つ。センタリング手段を提供することは、配置における精度をさらに上げ、公差の連鎖を低減する。
【0082】
ディスプレイデバイスをその標的場所の中に取り付けるための取り付け手段1521、ディスプレイデバイスを標的場所内にセンタリングするためのセンタリング手段1522、および、例えば液晶ディスプレイのようなディスプレイデバイスの内側の部品をセンタリングするためのセンタリング手段701−703を提供するバックライトカバーは、正確な位置決めという利点を有し、これは、車両への用途に対して特に重要である。
【0083】
本発明にしたがって、バックライトカバーは、ディスプレイデバイスの中心的機械要素であり、標的場所内でのディスプレイデバイスの取り付けおよびセンタリングならびにバックライトカバー内/上でのディスプレイデバイスの他の部品の位置決めおよびセンタリングを含み得る筐体機能を有する。バックライトカバーは、効率的な熱散逸および電磁シールドをさらに提供する。
【0084】
図16は、図15に示されたキャビネット筐体において組み立てられたディスプレイデバイスの部品を示す。キャビネット筐体1510の前面は、フロントベゼル1660によって形成される。キャビネット筐体の後面は、後カバー1670によって形成される。薄膜トランジスタLCD1610は、LCDフレーム1615内に位置し、かつ偏光フォイル1621、2重輝度強化フォイル1622、輝度強化フォイル1623、拡散器1624、光案内板1625、ならびにベースフレーム1640(バックライトカバー)の中の統合LCDおよびバックライトユニットに含まれたリフレクタ1626と一緒になっている。ディスプレイデバイス駆動回路網とディスプレイデバイス制御回路網とを備えているエレクトロニクス1650が、ベースフレーム1640と後カバー1670との間に位置している。ベースフレーム1640が、電子回路網1650をディスプレイデバイスの残りから分離し、電磁シールドとして作用する。同時に、ベースフレーム1640は、キャビネット筐体と一体をなす部分を形成し、その標的場所内にディスプレイデバイス全体を位置決めすることを可能にする。その導熱特性は、統合LCDおよびバックライトユニットにおいて生成された熱の散逸可能にする。後カバー1670は好ましくはまた、ベースフレーム1640によって形成されたシールドと相対する側面からの、電子回路網1650に対するシールドを提供するために、金属で作られる。
【0085】
図17は、図16のディスプレイデバイスと同様なディスプレイデバイスを示す。バックライトを提供する発光素子1750は、この例においては、LCDスクリーン1610の下側に位置するだけである。TFTLCDは、例えば、7インチLCDであり得る。
【0086】
車両における複数のディスプレイに対する標的場所の2つの例が、図18Aおよび図18Bに示されている。構成は、後部座席同乗者を考慮に入れている。図18Aに示されるように、個別のディスプレイデバイス1831および1832が、前座席1821および1822の後ろ側に取り付けられ、好ましくは、ディスプレイデバイス1831と1832との両方が、例えば、DVDプレーヤまたは車両TV受像機によって供給される様々なビデオ娯楽信号、カーナビゲーションシステムによって供給される車両情報信号、またはそれらの任意の組み合わせのような個々の画像信号を表示し得る。後部座席同乗者が、単一のディスプレイデバイス1850を有する一方、少なくとも1つの他のディスプレイデバイス1840が、車両ダッシュボード1810に取り付けられている点で、図18Bのディスプレイ構成は、図18Aに示される配列とは異なる。車両ナビゲーションおよび娯楽システムにおけるディスプレイの他の構成が採用され得る。例えば、異なる情報量をドライバおよび他の同乗者に提供するために、異なるサイズのディスプレイが、ドライバの視野(例えば、機器パネル上に直接的に)および前部座席同乗者の視野に配列され得る。
【0087】
図19Aおよび図19Bは、2つのディスプレイを備えたナビゲーションおよび娯楽システムの部分を概略的に示す。図19Aは、2つの個別のディスプレイ1920および1940を備えたナビゲーションおよび娯楽システムを示し、2つのディスプレイへの画像は個別に生成される。この目的のために、個別の画像処理ハードウエアが、第1のディスプレイ1920に対する画像信号を生成し、さらなるハードウエアが、第2のディスプレイ1940に対する画像信号を生成する。グラフィックプロセッサ1914は、第1のディスプレイデバイス1920上のディスプレイに対して、画像ディスプレイ信号1916を生成する。グラフィックプロセッサ1914の動作は、CPU1910によって供給される画像生成コマンド1912によって制御される。CPU1910は、表示される画像データの前処理を実行し、制御情報と共に画像コンテンツをグラフィックプロセッサ1914に提供する。特に、画像ディスプレイ信号1916は、CPUからの画像コンテンツおよび制御情報、ディスプレイ解像度、フレーム率その他を考慮に入れることによって生成される。この目的のために、グラフィックプロセッサは、回転、ズーミング、ベクトル演算その他の図形演算を実行し得る。第2のディスプレイデバイス1940に対する画像データは、CPU1911およびグラフィックプロセッサ1915によって、対応する方法で生成される。
【0088】
ナビゲーションおよび娯楽システムの別の構成が、図19Bにおいて概略的に示される。CPU1950は、2つの個別の画像信号に対する画像コンテンツおよび制御情報1951を生成する。画像コンテンツおよび制御情報1951は、グラフィックプロセッサ1960へ送信され、受信した情報1951に基づいて画像ディスプレイ信号1970が生成される。画像コンテンツおよび制御情報1951は、1つの画像信号内に含まれる2つの個別の画像に対する情報を備え得る。対応して、プロセッサ1960は、2つの個別のディスプレイデバイスに対する画像ディスプレイ情報を備えた画像ディスプレイ入力信号1970を生成する。
【0089】
あるいは、グラフィックプロセッサ1960は、外部ソースからさらなる画像情報1961、1962を受信し得る。したがって、単一の画像ディスプレイ出力信号1970は、受信される画像コンテンツ情報1951、1961、1962のうちの任意のものの組み合わせを備え得る。好ましくは、単一の画像ディスプレイ入力信号1970は、2つの個別のディスプレイに対する画像情報から作られる。車両において使用されるディスプレイデバイス1920および1940は、それらの標的場所に依存して、例えば、480×200ピクセルもしくは800×480ピクセルの画像解像度、または任意の他の解像度を有し得る。かかる画像サイズは、従来のグラフィックプロセッサによって提供される処理能力を必ずしも必要としない。予備の処理電力が、組合された単一の画像ディスプレイ入力信号1970の生成に対して容易に使用され得る。ディスプレイ1920と1940との両方が、等しいサイズまたは異なるサイズを有し得る。それらが等しいサイズを有する場合、グラフィックプロセッサ1960による画像生成は、より単純な方法で達成され得る。
【0090】
単一の画像ディスプレイ入力信号1970は、個別のディスプレイデバイス1920および1940に対する2つの画像ディスプレイ信号を生成する画像ディスプレイジェネレータ1980に供給される。画像ディスプレイジェネレータ1980は、受信された単一の画像ディスプレイ入力信号1970を個別の画像ディスプレイ信号にスプリットする。しかしながら、グラフィックプロセッサ1960および画像ジェネレータ1980はまた、組合され得、したがって、それらの機能は単一のプロセッサによって実行される。
【0091】
これまでの実施形態は、2つの画像ディスプレイ信号の処理およびディスプレイに関して記述されたが、複数のディスプレイデバイスが、単一の画像ディスプレイ入力信号1970から個々の画像ディスプレイ情報を受信し得る。
【0092】
しかしながら、ナビゲーションおよび娯楽システムはまた、単一のディスプレイ1920だけを備え得る。図19Bによるナビゲーションおよび娯楽システムは、複数のディスプレイデバイスが使用される場合、より低いハードウエアコストおよびより小さいサイズを生じる解決法である。車両において、システム19Aと19Bとの両方はまた、組み合わされ得る。グラフィックプロセッサは、電子回路アセンブリの一部分として含まれ得るか、または個別に提供され得る。
【0093】
要約すると、本発明は、統合液晶ディスプレイおよびバックライトユニットを備えたディスプレイデバイスを提供する。バックライトは、ディスプレイの少なくとも1つの側面に沿って配置された複数の発光素子によって提供される。発光素子によって生成される熱を効率的に伝導、散逸するために、発光素子は、バックライトカバー内に嵌め込まれる。バックライトカバーは、導熱材料で作られ、発光素子と、液晶ディスプレイを配置するための領域とを覆う。バックライトカバーの他方の面上には、電子回路網が位置している。ディスプレイデバイス全体は好ましくは、冷却のための開口部を有する筐体内に収納される。本発明のディスプレイデバイスは、有利なことには、ナビゲーションおよび/または娯楽のための車両ボードシステム内で使用され得る。
【符号の説明】
【0094】
300 ディスプレイデバイス
310 ディスプレイカバーバック
320 シールド
330 電子回路網
340 統合液晶ディスプレイおよびバックライトユニット
350 ベゼル
410 液晶ディスプレイ
480 バックライトカバー
491、492 発光素子
820 電子回路アセンブリ
1010、1020 バックライトカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、
液晶ディスプレイ(410)と、
該液晶ディスプレイをバックライトするための複数の発光素子(491、492)であって、該発光素子は、該液晶ディスプレイ(410)の1つの側面に沿って配列されている、複数の発光素子と、
バックライトカバー(480)であって、該バックライトカバーの前面で、該複数の発光素子(491、492)と該液晶ディスプレイ(410)の領域とを覆い、該発光素子によって生成される熱を散逸させるための導熱材料で作られる、バックライトカバーと、
バックライトカバー(1010、1020)の後面の近くに位置決めされた電子回路アセンブリ(820)と
を備えている、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記バックライトカバー(480)は、導電性材料で作られ、前記電子回路アセンブリ(820)のためのシールドとして作用する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記バックライトカバー(480)は、例えばアルミニウムのような金属で作られる、請求項1または請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記バックライトカバー(480)は、ダイカストによって作られる、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記バックライトカバー(480)は、前記ディスプレイ装置を標的場所の中に取り付けるための取り付け手段(1521)および/または該ディスプレイ装置をその標的場所内でセンタリングするためのセンタリング手段(1512、1513)を備えている、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記バックライトカバー(480)は、該バックライトカバー(480)内で前記液晶ディスプレイ(410)の位置を調節するためのセンタリング手段(701〜703、721、722)を備えている、請求項1〜請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置であって、該装置は、前記液晶ディスプレイと、前記発光素子と、前記バックライトカバーと、前記電子回路アセンブリとを収納するためのキャビネット筐体をさらに備え、該キャビネット筐体は、該ディスプレイ装置の冷却のための複数の開口部を含む、ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記発光素子(1410、1420)は、前記液晶ディスプレイ(410)の2つの相対する側面に沿って位置決めされている、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
発光素子(1410、1430)は、前記液晶ディスプレイ(410)の2つの直接的に隣接する側面に沿って位置決めされている、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
発光素子(1430)は、前記液晶ディスプレイ(410)の単一の側面に沿って位置決めされている、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記発光素子(1430)は、前記液晶ディスプレイ(410)のより長い側面に沿って位置決めされている、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記発光素子(491、492)は、プリント回路基板のストリップ上に連続に位置決めされた発光ダイオードである、請求項1〜請求項11のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記液晶ディスプレイ(410)は、4インチと11インチとの間の対角線を有する薄膜トランジスタ液晶ディスプレイであり、
リフレクタ(470)、光案内板(460)、および拡散器(450)が、前記バックライトカバー(480)と前記液晶ディスプレイ(410)との間に積み重ねられている、請求項1〜請求項12のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記電子回路アセンブリ(820)は、ディスプレイおよびバックライト駆動回路とディスプレイおよびバックライト制御回路とを含み、
前記ディスプレイ装置は、電子回路アセンブリ(820)の前記バックライトカバー(480)の後面により近い面とは反対の面を覆うシールド(810)をさらに備えている、請求項1〜請求項13のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
車両のためのナビゲーションおよび娯楽システムであって、該システムは、
画像データを表示するための、請求項1〜請求項14のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ装置(1920)と、
該ディスプレイ装置上に表示される画像ディスプレイ入力信号を生成するためのグラフィック処理ユニット(1914)と、
該グラフィックプロセッサ(1914)の動作を制御するための制御ユニット(1910)と
を備えている、システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図14D】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18A】
image rotate

【図18B】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate


【公開番号】特開2011−123482(P2011−123482A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245730(P2010−245730)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】