説明

維管束シート

【課題】 本発明は、人類が多年にわたり製造、使用し、その消費量は文明のバロメーターともいわれ、地球上でその消費量が増え続けている植物の繊維を原料とする紙の使用につき、その一部を維管束シートに置き換えることで山林整備、森林保護CO排出量削減問題の一部を解決する。
【解決手段】 主に人類が栽培し、現在利用されていない葉や茎で、維管束が並行して直線状に並び、且つ割裂性のよい単子葉植物を維管束の方向に剥ぐ又は裁断して得られる細長く杭張力の強い細片を乾式不織布製造方法で配設して接着さし、表面の凹凸を削って平滑に仕上げてシートにし、主に板紙の分野で使われている厚い強い紙をこの維管束シートに変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【1001】
本発明は地球上に自然に生育又は人間がその一部を利用する為に栽培されている単子葉植物の、現在利用されていない部分をシートにして、紙、特に板紙分野に活用して人類の紙の消費量を減らそうとするものである。
【背景技術】
【0002】
現在、人類は主に植物からセルロースのみを取り出して薄い紙、厚い紙、強度のある紙等といったものをセルロースの種類及びセルロースの量、更にその絡み具合によりイオン結合を利用して強固に結束さして様々な種類の紙を作り出してきた。
【0003】
植物からセルロースのみを取り出すには機械的にせよ科学的にせよ多大なエネルギーや薬品を必要とし、又セルロース以外であるリグニンその他は不要物としてその始末に苦慮してきた。
(例えば、非特許文献1参照。)
【非特許文献1】 王子製紙グループ企業行動報告書2005 P12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上述べたようにセルロースにみの紙は人類にとって貴重品であり、紙の使用量の増大は地球の森林保護の観点からみればマイナス要因であり、森林によるCOの吸着面及び製紙工場から排出されるCOの問題点を単子葉植物の維管束を使って紙に替わるシートにして森林及びCOの問題の一部を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、植物の特性を生かし、割烈しやすい植物を葉脈、維管束というパイプをそのまま細く長い細片として利用し乾式不織布製造方法のエアーレイの方法にして表面をブレスローラーで固め更に機械的に凹凸を削り表面を平滑に仕上げて維管束シートを作る。
【0006】
上記の維管束シートを主に板紙といわれて使われている厚い紙の分野に用いることによって、人類の紙の使用量を減らし、人類による森林伐採、並びにCO問題の一部を解決している。
【発明の効果】
【0007】
植物からセルロースのみを取り出さずに、維管束を中心にした植物の細片を、主に板紙の分野に応用できるシートにする訳であるから、本発明は地球上の農産地で、製紙に比してはるかに小規模な機械で箱や緩衝材の材料を安価に製造できる。
【0008】
原料は稲・麦・サトウキビ・トウモロコシ・芝・竹・ヤシ・バナナ等の葉・茎である。
【0009】
更にエアーレイの製法であるから、紙の製造に比してエネルギーの消費が少なく、石油の使用量を少なくし、COの排出量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
板紙の分野に様々な種類があるように本発明の維管束シートもまた植物により、その維管束の配設により種々製造できる。
【0011】
図3においては維管束を交叉さして積層して接着しているので強度は最強である。用途としては重袋用原紙、外装用ライナー原紙等、更にホットメルト接着の場合成形品の素材である。
【0012】
図4においては、タテ方向にのみの配設である為、竹・笹といった剛直性の強い維管束を用いれば紙管原紙に用いる。
【0013】
図5においては斜め方向のみの配設である為、段ボール原紙のうち中芯、原紙、内装ライナー原紙に用いる。
【0014】
図6においては、横方向のみの配設であるため、段ボール厚紙のうち内装ライナー原紙又はカッターを必要としないクラフトテープ用原紙の用いる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 維管束を一方向に一層で配設し接着さした維管束シートの拡大図。
【図2】 維管束を二方向に交叉させ複層で配設し接着さした維管束シートの拡大図。
【図3】 維管束を図2のように交叉させたものをロール状に仕上げたもの。
【図4】 維管束を図1のように一層で縦方向に接着さしてロール状に仕上げたもの。
【図5】 維管束を図1のように一層で斜め方向に接着さしてロール状に仕上げたもの。
【図6】 維管束を図1のように一層で横方向に接着さしてロール状に仕上げたもの。
【符号の説明】
A 単子葉植物の維管束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
維管束植物で単子葉植物の維管束を多数本面状に配設し、接着剤で固めてなることを特徴とする維管束シート。
【請求項2】
維管束をシートの巻き取り方向に対して複層に交叉させて接着している請求項1記載の維管束シート。
【請求項3】
維管束をシートの巻き取り方向に対して縦方向に配設している請求項1記載の維管束シート。
【請求項4】
維管束をシートの巻き取り方向に対して斜め方向に配設している請求項1記載の維管束シート。
【請求項5】
維管束をシートの巻き取り方向に対して横方向に配設している請求項1記載の維管束シート。
【請求項6】
接着剤はでんぷん及びホットメルト接着剤である。請求項1記載の維管束シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−74076(P2008−74076A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281944(P2006−281944)
【出願日】平成18年9月16日(2006.9.16)
【出願人】(506347780)
【Fターム(参考)】