説明

綴部背当バンド

【課題】紙製フラットファイルの綴部に設置して背表紙の横ひしぎを防ぎ、バインダーの綴部に設置して綴ものの綴端を揃え、証憑類の綴部端に設置して標題を付け・綴端を揃え・綴部を強化し整理保存しやすくする綴具補助具を提供する。
【解決手段】綴穴を設置した可撓性のバンドの一端の綴穴を綴具の綴部の一端に重ね、他端の綴穴を綴具の綴部の他端に重ねて、綴部側背部をくるんで綴じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
綴部背当に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、新規な物質を提供するものである。
本発明による物品は、背表紙部が折れフラットになりやすい紙製フラットファイル等の綴部に当て、背表紙部のフラット化を防止するために使用できる。また、普通のバインダーの綴部に当て、綴部端を揃えるためにも使用できる。
さらに、本発明による物品は、会計帳簿の証憑である様々な大きさの伝票やレシート、その他の紙片を分類に従って綴紐等で綴じて保存する場合、その綴部側端の背部に当て、紙片等をくるんで綴じ、綴部を強化し、綴端を揃え、当該綴物を取り扱いやすいようにすることもできる。必要に応じて標題を記載したり、標題紙を取り付け、整理保存しやすいようにすることができる。
一般に、綴物が薄い紙製フラットファイルは、本箱等に立て掛けて置くと、背表紙横へのひしぎに弱く、背表紙部が見えなくなってしまう。そして、標題が隠れ、当該フラットファイルは探しにくくなる。本発明品は、紙製フラットファイルに使用し、背表紙のフラット化を防ぐために使用できる。
また、バインダー類は、綴じる都度、資料に綴穴を設置して綴じ込むため、綴穴の位置が微妙にズレ、綴じられたものにズレが生ずる。本発明品は、バインダー類に綴じる綴ものの綴端を揃え、綴もののズレを防ぐこともできる。
また、会計帳簿の証憑類を数多く綴じる場合、ファイルやバインダーに綴じることはせず、通常、綴紐等で綴じることになる。しかし、綴紐等で綴じた場合、乱雑になり、適切に整理保存できないなどの問題点がある。本発明品は、会計帳簿の証憑類のように、大小様々な数多くの紙片を綴じる場合に使用して、綴物の綴端を揃え、綴物のズレを防ぎ、標題を設置し、整理保存しやすいようにする綴具補助具として使用できる。
本発明の物品と同様の従来物品はない。
しかし、あえて構成技術や課題の一部が似た従来技術を見てみると、次のとおりである。
ユーザーが紙製ファイルの表紙部天部に挟み、背表紙のひしぎ防止を図ったものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、綴穴を多数設置し、綴穴を強化する平面状の片体が提案されている。(例えば、特許文献2)。
また、綴具の綴部をスライドさせて綴穴に入れることができるように切欠線を設置した綴穴を有し、綴部や他の綴具の背表紙部に設置する背見出しであって、標題紙を取り付けることができるようにした背見出しが提案されている。(例えば、特許文献3)。
また、綴穴と接着部を有し、対象物を当該接着部に貼り付け、当該物品を綴じることができるようにした綴具が提案されている。(例えば、特許文献4)。
また、一つの綴穴と接着部を有し、対象物を当該接着部に貼り付け、当該物品を綴じることができるようにした綴具が提案されている。(例えば、特許文献5)。
しかし、これらの技術は、以下の点において本発明とは、異なる。
例えば、特許文献1は、ファイル等のひしぎ防止を図ることができる点において本発明と課題が一部同じであるが、解決手段が異なる。
例えば、特許文献2は、多数の綴穴を設置する点において本発明と似ているが、綴部をくるむ機能が想定されておらず、綴穴が綴部の片側だけに配置されている点において本発明と課題及び解決手段が異なる。
例えば、特許文献3は、綴シロを有する点において本発明と課題が一部同じであるが、本発明は綴穴に切欠部を設置せず、綴シロ部を自在に変えること、つまり綴部の厚さに応じて綴穴を選択できる機能を有する点において当該技術とは異なる。また、特許文献3は、綴部が横2穴式であり、1穴式を基本とする本発明とは異なる。綴部を横に2穴以上設置する綴具は、定型サイズの綴物に適している。サイズが異なる様々な綴じ物に使用するためには、綴穴1穴式が適している。
例えば、特許文献4及び特許文献5は、貼付式であり、当該綴具を他の綴具に綴じることが想定されており、本発明とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平10−329471号公報
【特許文献2】 特開平10−203071号公報
【特許文献3】 特開2007−290331号公報
【特許文献4】 特開2004−58638号公報
【特許文献5】 特開2008−168605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、紙製フラットファイルなどの綴部に使用し、当該バンドを膨らませて使用し、当該綴具のフラット化を防止できる。また、バインダーなどの綴部に使用し、綴物の綴部端を揃えることにも使用できる。
さらに、本発明は、会計帳簿の証憑類に見られるように、様々な大きさの伝票やレシート、その他の紙片を分類に従って綴紐等で綴じて保存する場合に、その綴部側端の背部をくるみ、紙片等と一緒に綴じ、綴物の綴部の腰を強化し、取り扱いやすいようにすると同時に、必要に応じて背表紙札等を取り付け、整理保存しやすいようにする綴部背当バンドを提供することを目的としたものでもある。
このため本発明は、様々な厚さの紙片を綴じるときに手軽に使用することができることを第1の課題とした。
同時に、様々なサイズの紙片を綴じるときに手軽に使用することができることを第2の課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の課題である様々な厚さの綴ものに手軽に使用することができるようするためには、可撓性のシート類に2つ以上の綴穴を設置し、当該シートを折り曲げて綴部に当てることができるようにした。綴穴を直列に多数設置すれば、厚さによって綴穴を選択することができる。綴穴をチドリ足型に設置すれば、薄い綴厚のときにも適当な綴穴を選択することができる。
第2の課題である様々なサイズの綴ものに手軽に使用することができるようにするために、綴穴1穴式を基本とした。但し、横二穴以上の定型サイズの綴物に対応するためには、縦横並行に多数の綴穴を設置すればよい。また、縦横並行に多数の綴穴を設置したシートを作成すれば、当該シートの任意の部分を挟み等で切り抜いて使用することもできる。
なお、本発明において、綴具の綴部とは、綴紐のほか、細長帯状片またはバンド、及び柱状物、棒状物、管など綴穴に挿入されるその他の綴具の綴部をいうものとする。
【発明の効果】
【0006】
これまで、綴具のフラット化を防止し、また綴物の綴部端を揃えることを目的とする物品はなかった。また会計帳簿の証憑のように、大きさの異なる雑多な伝票やレシート、その他の紙片を分類に従って綴紐等で綴じて整理保存する場合に、綴物を整理保存しやすいようにする物品もなかった。
本発明は、紙製フラットファイルなどの綴部に使用し、綴部の背部を膨らませて、当該綴具のフラット化を防止するものである。また、バインダーなど綴部に使用し、綴物の綴部端を揃えることもできる。
さらに、本発明は、会計帳簿の証憑類に見られるように、様々な大きさの伝票やレシート、その他の紙片を分類に従って紐等で綴じて保存する場合に、その綴部側端の背部にくるみ、紙片等と一緒に綴じ、綴物の綴部の腰を強化し、取り扱いやすいようにすると同時に、必要に応じて背表紙札等を取り付け、整理保存しやすいようにする背当てを提供することを目的とするものである。
シート類に多数の綴じ穴を空けて本発明品を作成すると、ユーザーが使う場合に、1枚のシート類から挟み等で切り取って、様々な大きさの伝票やレシート、その他の紙片の背当てとして使用することができる。
本発明品をメーカーが使う場合は、細長い帯状片の背当てシートを作り、フラットファイルやバインダーの綴部に予め設置しておけば(表紙側方向向けて設置)、ユーザーが使用するときは、それを180度回横転させて、背当てとして使用することができる。また、本発明品を数枚組み合わせ、市販することもできる。
本背当バンドは、多用な形で使用できる簡便な綴具補助具である綴部背当バンドを提供できる点が、新しい点である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 綴部背当バンドを紙製フラットファイルに取り付け、他方の端を開放した模様を示した斜視図である。
【図2】 綴部背当バンドを紙片の綴ものの端に当て、綴紐は同バンドと直角方向に廻し背面で縛って綴じた模様を示した斜視図である。
【図3】 請求項1の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。
【図4】 請求項1の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。
【図5】 請求項2の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。
【図6】 請求項3の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。
【図7】 請求項4の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の独立請求項は、請求項1である。請求項2から請求項5までは、従属請求項である。
図1は、綴部背当バンドを紙製フラットファイルに取り付け、他方の端を開放した模様を示した斜視図である。
図2は、綴部背当バンドを紙片の綴ものの端に当て、綴紐は同バンドと直角方向に廻し背面で縛って綴じた模様を示した斜視図である。
図3は、請求項1の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。綴穴を直列に設置した一例を示した図である。
図4は、請求項1の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。綴穴を縦横並行に設置した一例を示した図である。図4は、任意の箇所を切り取って使用する場合の綴穴の設置例の一例である。
図5は、請求項2の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。縦線は背表紙部と綴シロ部を折曲げる場合の折り曲げ部設置線である。
図6は、請求項3の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。綴穴を挟んだ並行線が綴穴を強化するための固着されたシートである。
図7は、請求項5の綴部背当バンドの実施方法の1例を示した正面図である。図7の5が標題記載紙貼付面(又は記載面)である。図7では、予め標題紙を貼り付けて置く方法、及びユーザーが自由に貼り付ける方法が考えられる。
本発明において、バンドの基盤となる素材は、可撓性のシートが適当である。
素材は、可撓性であれば、特にこだわらない。但し、求められる綴穴の強度を考慮して、素材及び当該素材の厚さ及び強度・硬度等を決める必要がある。
綴穴の配置は、直列配置のほか、縦横並行配置、チドリ足型配置も、適当である。
本発明の実施に必要な事項、例えば素材の選定、綴穴の配置、綴穴の形や大きさ、綴部背当バンドの規格等は、本発明の設計事項とする。
【符号の説明】
【0009】
1 綴部背当バンド
2 閉穴
3 折り曲げ部設置線
4 綴じ穴部を強化するシート
5 標題記載紙貼付面又は記載面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙片の綴部端に当て、該綴部端をくるむ背当バンドであって、
該背当バンドは、帯状の綴穴付バンドであって、
該綴穴は、紙片の綴部端をくるんで綴部の一端と他端の綴穴に重ね、綴具の綴部を通す綴穴であって、
該綴穴が2つ以上設置された、
ことを特徴とする綴部背当バンド。
【請求項2】
綴部をくるむくるみ部分に、綴部の綴じ厚に応じて折り曲げる折り曲げ部が設置された請求項1の綴部背当バンド。
【請求項3】
綴穴部を強化するシートが貼られたか又は穴あてパッキンが付属品として付けられた請求項1又は請求項2の綴部背当バンド。
【請求項4】
標題記載紙が取り付けられたか又は標題紙の貼付可能な見出収納部が設置された請求項1乃至請求項3いずれか記載の綴部背当バンド。
【請求項5】
ファイリング用具の綴部に設置されたか又は添付された請求項1乃至請求項4いずれか記載の綴部背当バンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−82187(P2013−82187A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233351(P2011−233351)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【特許番号】特許第5124758号(P5124758)
【特許公報発行日】平成25年1月23日(2013.1.23)
【出願人】(308031681)
【Fターム(参考)】