説明

緊急医療システム、緊急医療支援方法およびプログラム

【課題】患者側が動揺しているときに、病院から的確な指示をもらい、生存または回復率のアップを図ること。
【解決手段】救急車が来るまでの間に、病院サーバ20は患者の自宅パソコン10からのログインを認証し、患者IDで電子カルテを検索し医師の病院パソコン30に表示し、医師の病院パソコン30は、患者の自宅パソコン10からの映像音声を出力し、それに応じて自宅パソコン10に応急処置等の音声等を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自宅で急に体調が悪くなり、119で救急車を呼んだ時に、救急車の到着を待つ間、医師や看護師と連絡を取り合い、患者に応急手当をする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
病気を発症した場合に、従来では119で救急車を呼んだ時、救急車が来るまでの間は、何もすることができず、ただ見てるだけの状態であった。
【0003】
ここで、病院間をネットワークで結ぶことにより患者に対するカルテを共有化し、患者の治療歴をどの病院でも見ることができるようにして適切な治療を施せるようにし、また、患者(契約利用者)とメディカルケアセンターをインターネットでつなぐ医療・介護エキスパートシステムを構築し適切かつ迅速な医療判断、救急措置ができるようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−344347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、すでに患者が病院に通っており、その診療情報が格納されている場合には、データベースからその患者情報が取得することはできるが、実際には病院や救急車に情報が提供されても、救急車が到着するまでの時間は、何もできないことになってしまい、病気を発症した場合の初期の段階での応急手当により、助かるケースに十分に対処することが困難であった。
【0005】
もし、登録されていない患者の場合には、何も情報が提供できずに、救急車が到着してからの手当てとなってしまう為、手遅れとなる場合もありえる。
【0006】
しかし、実際の場面では、今まで健康な人が急に発症することは十分にありえることで、救急車が到着するまでの間の時間で、少しでも応急手当をする必要がある。
【0007】
本発明は、以上説明した問題点を解決するためになされたものである。その目的は、患者側が動揺しているときに、病院から的確な指示をもらい、生存または回復率のアップを図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、救急車が来るまでの間に、患者端末と医療機関サーバが通信接続され、医療機関サーバに医師端末が接続されている緊急医療システムであって、
前記医療機関サーバは前記患者端末からのログインを認証する手段と、患者IDで電子カルテを検索し前記医師端末に表示する手段とを備え、
前記医師端末は、前記患者端末からの映像音声を出力する手段と、前記患者端末に応急処置等の音声等を送信する手段とを備える緊急医療システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、救急車が来るまでの間に、患者端末と医療機関サーバが通信接続され、医療機関サーバに医師端末が接続されている緊急医療支援方法であって、
前記医療機関サーバが前記患者端末からのログインを認証するステップと、患者IDで電子カルテを検索し前記医師端末に表示するステップとを有し、
前記医師端末は、前記患者端末からの映像音声を出力するステップと、前記患者端末に応急処置等の音声等を送信するステップとを有する緊急医療支援方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、患者側が動揺しているときに、病院から的確な指示をもらい、生存または回復率のアップを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1を参照すると、本実施の形態における緊急医療システムは、自宅側のパソコン10、カメラ、マイクと、病院側のサーバ20とパソコン30、カメラ、マイク、プリンタから構成されている。パソコン10とサーバ20はネットワーク100を介して接続されている。
【0013】
これらの手段はそれぞれ、次のように動作する。まずは、自宅のパソコン10から病院のサーバ20へ接続し、認証する。次に、病院のサーバ20で認証し、該当者のカルテがある場合はデータを読み出す。そして、医師や看護師が接続し、応急手当の指示をする。という流れになる。
【0014】
次に、図1及び図2のフローチャートを参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0015】
まず、患者は自宅のパソコン10を利用して、病院側のサーバに接続する(S21)。
【0016】
次に、患者のIDおよびパスワードの入力要求(S22)に応じて入力する(S23)。
【0017】
これを元に病院側サーバでの認証を行う(S24)。
【0018】
認証されたら、病院側のパソコン30にアラート表示もしくはパトランプを作動させる(S25)。
【0019】
それを確認した医師または看護師がログインし(S26)、患者のIDを元に患者のデータがある場合は、電子カルテを呼び出す(S27)。
【0020】
医師または看護師が患者と接続し、カメラおよびマイクで患者の容体を聞き出し、応急手当手段を通知することで直接やり取りが可能なので、診察ができるだけでなく、医師に診てもらうという安心感も生まれるという利点がある。
【0021】
上記の本実施の形態によれば、患者側と病院側がカメラとマイクで直接やり取りが可能なので、患者側が動揺しているときに、病院から的確な指示をもらえることで、生存または回復率のアップに繋がる。
【0022】
また、応急手当をすることで、患者の生命もしくは回復する確率のアップに直接つながっていく。
【0023】
また、動揺している患者側の人々に対して、安心感を与えられる。その理由は、医師または看護師と直接やり取りをすることができる為でである。
【0024】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態の構成は、上記の第1の実施の形態とその基本的な構成は変わらない。
【0025】
次に、図2のフローチャートを参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0026】
まず、患者側から病院側へ接続要求する。但し、119(緊急)以外の場合には、それに応じた病院のサーバ20へ自動接続するように受診科毎に設定をしておく必要がある。
【0027】
上記の本実施の形態によれば、乳児の発熱などで専門医が遠方にしかいない場合でも、適切なアドバイスを受けることができる。特に乳児の場合には、成人と違って、些細なことでも大事に至る可能性が高い為、より専門医への問合せが欲しいと思われる。
【0028】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、自宅側のパソコンや病院側のサーバ、パソコン等の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0029】
本発明によれば、病院と患者の関係だけでなく、定期的に連絡する必要がある場合といった用途にも適用できる
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態のシステム構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の処理動作を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
10 自宅側のパソコン
20 病院側のサーバ
30 病院側のパソコン
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
救急車が来るまでの間に、患者端末と医療機関サーバが通信接続され、医療機関サーバに医師端末が接続されている緊急医療システムであって、
前記医療機関サーバは前記患者端末からのログインを認証する手段と、患者IDで電子カルテを検索し前記医師端末に表示する手段とを備え、
前記医師端末は、前記患者端末からの映像音声を出力する手段と、前記患者端末に応急処置等の音声等を送信する手段とを備えることを特徴とする緊急医療システム。
【請求項2】
前記医師端末がさらに前記医療機関サーバからの通知でアラート表示する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の緊急医療システム。
【請求項3】
救急車が来るまでの間に、患者端末と医療機関サーバが通信接続され、医療機関サーバに医師端末が接続されている緊急医療支援方法であって、
前記医療機関サーバが前記患者端末からのログインを認証するステップと、患者IDで電子カルテを検索し前記医師端末に表示するステップとを有し、
前記医師端末は、前記患者端末からの映像音声を出力するステップと、前記患者端末に応急処置等の音声等を送信するステップとを有することを特徴とする緊急医療支援方法。
【請求項4】
前記医師端末がさらに前記医療機関サーバからの通知でアラート表示するステップを有することを特徴とする請求項3記載の緊急医療支援方法。
【請求項5】
コンピュータシステムに請求項1記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータシステムに請求項2記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−191789(P2008−191789A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23434(P2007−23434)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)