説明

縦型遊技機用搬送パレット

【課題】 パチンコ機の前枠前面を傷つけるおそれなくこれを立設状態で整列保持して搬送できるようにする。
【解決手段】 パレット本体31の上に複数の保持装置35を配設して搬送パレット30が構成される。保持装置35は第1および第2保持アーム40,50を有し、第1および第2保持アーム40,50がそれぞれ、前後且つ垂直に延びる側面保持板部41,51と、左右且つ垂直に延びる前および後ガイド板部42,43,52,53とを有する。側面保持板部41,51および後ガイド板部42,52が、パレット本体31上に載置されたパチンコ機PMの外枠1の左右側面および後面に近接して上方に延び、第1保持アーム40における前ガイド板部43が、パチンコ機PMの前枠2の前面より前方に突出するヒンジ3bの前端と対向する位置まで上方に延び、第2保持アーム50における前ガイド板部53が、前枠2の下端近傍まで延びて外枠1の前端と対向する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機に代表される弾球遊技機やスロット遊技機等のように、ほぼ立設状態で遊技に供される縦型遊技機の製造において用いられる縦型遊技機用搬送パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機に代表される弾球遊技機は縦長の外郭方形枠状に形成された外枠がもっぱら外郭保持枠とされ、この外枠の前側開口域に合わせた方形状に形成されて外枠に開閉可能に取り付けられる前枠が弾球遊技構成部材の搭載用の搭載枠とされ、これら両枠(外枠および前枠)が機体全体を保持する機枠体を構成するようになっている。なお、前枠の前面にはガラス扉が開閉自在に取り付けられる。その上で、搭載枠としても機能する前枠に、各種の弾球遊技構成部材が搭載されて弾球遊技機が構成される。
【0003】一方、スロット遊技機(一般的にスロットマシンとも称される)は、上記パチンコ機より左右幅が若干狭いが前後幅が大きな筐体内に、複数の図柄が描かれた複数のリールを有するとともにこれらリールの回転・停止制御を行うリール装置、システム制御用の基板類、電源装置、メダル払い出し装置等を配設して構成される。なお、この筐体は、前面側に開口を有して略直方体箱状に形成されたキャビネットボックスと、このキャビネットボックスの前面側開口を覆って開閉自在に取り付けられたフロント部材とから構成される。
【0004】上記のような構成の弾球遊技機やスロット遊技機の製造は、製造ライン上において枠もしくは筐体や各種構成部品の加工および組立を行うことが一般的に知られているが、このとき製造ラインに沿ってこのような構成部品や加工組立完成品の搬送を行うために搬送パレットが用いられている。ここで、パチンコ機のような弾球遊技機や、スロット遊技機は通常、立設状態で遊技に供されるものであり、製造ラインにおいても立設状態で部品の加工および組立を行うことが要求されることが多く、搬送パレット上に部品や完成品を立設状態で載置保持できるようにすることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パチンコ機のような弾球遊技機の外形形状は左右幅が所定寸法であるが前後幅が狭い直方体形状に構成されており、機枠体や遊技機本体等をそのままで(なんの支持もなく)搬送パレット上に立設することが難しい。このため、搬送パレット上には機枠体や遊技機本体等を立設状態で保持するための機構を取り付ける必要がある。しかしながら、パチンコ機の前枠は一般的に樹脂製品であり且つ前枠が露出して遊技に供されるものであるため、搬送パレット上に立設状態で保持して搬送するときに前枠前面に傷が付かないようにする必要があり、保持機構の構成に注意が求められる。
【0006】一方、スロット遊技機は十分に大きな前後幅を有しており、特に支持することなく搬送パレット上にそのまま立設状態で載置することができ、パチンコ機のように立設状態で保持する機構を必要としない。このため、単なる平板状の搬送パレットを使用することも可能であるが、パチンコ機とスロット遊技機との製造を同一工場内で製造する場合、二種類の搬送パレットを使い分けるのでは効率が良くないという問題があり、搬送パレットを共用したいという要求がある。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みたもので、パチンコ機の外面(特に、前枠前面)を傷つけるおそれなくこれを立設状態で整列保持することができるような搬送パレットを提供することを目的とする。本発明はさらに、このようなパチンコ機を立設状態で保持する搬送パレットをスロット遊技機の搬送にも用いることができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のため、本発明においては、矩形平板状のパレット本体とこのパレット本体の上面に整列状態で配設された複数の保持手段とからなり、弾球遊技機用の外枠および前枠を含んで構成される搬送対象物を、保持手段により立設状態のまま整列保持して搬送するように弾球遊技機用搬送パレットが構成される。そして、保持手段が左右に所定間隔を有して垂直に延びた第1および第2保持アームから構成され、これら第1および第2保持アームがそれぞれ、互いに平行になって前後且つ垂直に延びる板状の側面保持板部と、この側面保持板部の前後端において互いに対向する内側方向に直角に折れ曲がって左右且つ垂直に延びる前および後ガイド板部とを有して、水平面に沿った断面形状が互いに対向するU字状となるように構成される。さらに、第1および第2保持アームにおける側面保持板部および後ガイド板部が、パレット本体上に載置された搬送対象物における外枠の左右側面および後面に近接対向もしくは当接して所定高さまで上方に延び、第1保持アームにおける前ガイド板部が、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の前面より前方に突出するヒンジ部材の前端と近接対向もしくは当接する位置まで上方に延び、第2保持アームにおける前ガイド板部が、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の下端近傍まで延びて外枠の前端と近接対向もしくは当接するようになっている。
【0009】弾球遊技機を構成する外枠は木製の矩形枠状に構成されて使用時には外部に露出することがないため、搬送時の傷つきはあまり問題とならないが、前枠はプラスチック等の樹脂から作られて傷つきやすく且つ使用時に前面に露出するものであるため、搬送時の傷つきは必ず避ける必要がある。このため、上記の構成の縦型遊技機用搬送パレットにおいては、パレット本体上に載置された搬送対象物における外枠の側面および後面に対向する側面保持板部および後ガイド板部は所定高さまで上方に延ばして十分な支持高さを確保している。一方、第1保持アームにおける前ガイド板部は、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の前面より前方に突出するヒンジ部材の前端と近接対向もしくは当接する位置まで上方に延ばしており、これにより前ガイド板部を金属製のヒンジ部材の前端と当接させて前枠前面に傷が付くことを防止している。また、第2保持アームにおける前ガイド板部は、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の下端近傍まで延びて外枠の前端と近接対向もしくは当接するようになし、前枠前面との当接を防止して前枠前面に傷が付くことを防止している。この結果、搬送パレット上に弾球遊技機を立設状態で整列保持することが可能であり、且つこのように保持して搬送するときに前枠前面に傷が付くことがない。
【0010】本発明に係る搬送パレット上にスロット遊技機も載置保持できる構成とすればこの搬送パレットを弾球遊技機およびスロット遊技機の搬送に共用できるという利点がある。このようなことから本発明においては、弾球遊技機より左右幅が狭く前後幅が広いスロット遊技機も整列保持可能なように、第1保持アームと第2保持アームとの左右間隔をスロット遊技機の左右幅より広く設定するのが好ましい。
【0011】ここでスロット遊技機は十分な前後幅を有してそのままでも立設状態で支持可能であるため、弾球遊技機を支持するときに必要とされる第1および第2保持アームが不要である。そこで上記のように第1および第2保持アームとの左右間隔をスロット遊技機の左右幅より広く設定すれば、この左右間隔内にスロット遊技機を立設状態で安定して載置保持可能であり、これにより搬送パレットを弾球遊技機およびスロット遊技機用として共用することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。但し、本発明に係る縦型遊技機用搬送パレットについて説明する前に、この搬送装置の上に整列して載置保持されて搬送されるパチンコ機について説明する。
【0013】このパチンコ機PMを図2〜図4に示しており、機枠又は機体として所定の外郭方形枠サイズに構成された固定保持用の外枠1の前側に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が、正面左側上下部に配設された開閉ヒンジ3a,3b及び正面右側内部に配設された施錠装置4を利用して、開閉(片持ち横開き)可能に組付けられて閉鎖状態に保持される。そしてこの前枠2の前側面域には、この領域サイズに合わせた方形枠サイズのガラス扉(ガラス窓ともいう)5が前枠2に対して図2における左側面をヒンジ結合されて開閉自在に設けられ、前枠2の裏側を覆う方形枠サイズの収容枠6が前枠2と一体に形成されて設けられ、前枠2の前面には上、下の球皿7a,7b及び打球発射装置8等が夫々装備されている。また、パチンコゲームを展開し得る遊技盤10が、前記収容枠6の収容面域に対して水平姿勢・位置の縦向きで着脱交換可能にセット保持されて、前面の遊技領域11を前記ガラス扉5の正面に臨ませている。
【0014】遊技盤10における盤前面のレール15の内側に、各種の遊技部品(入賞成立発生する大小の入賞具や図柄表示装置を含む)と多数本の遊技釘との配置設定に基づく前記遊技領域11を設けている。さらに、前枠2の裏側には、予備賞球用のタンク21および整列部材22、受電・入出力用のターミナル基板23、球寄せカバー24、制御基板25、払い出し機構26等を備えた裏機構が装備されている。
【0015】なお、外枠1は、それぞれ木製もしくは樹脂製の上枠板1aと、左右枠板1b,1cと、底枠板1dとから矩形枠状に形成されるとともに、前面下部において底枠板1dの上側に配設された幕板1eと、幕板1eの裏側に配設された矩形断面状の補強連桿1fとを有して構成される。このとき、パチンコ機PMの側面を示す図4から良く分かるように、底枠板1dの前端面は幕板1eの前面より若干前方に突出している。
【0016】このような構成のパチンコ機PMの製造において、ここでは、外枠1の前面にガラス扉5を有した前枠2が取り付けられ、且つ外枠1の裏側に裏機構取付用裏セット板が取り付けられてなる枠部品WPが外部の枠部品供給元(枠部品製造工場)から組立工場に供給される。なお、本例では、裏セット板にある程度の裏機構が取り付けられている。同様に、遊技盤10や、その他の構成部品についても外部の部品供給元から組立工場に供給される。このように組立工場に集められた部品は、ここで必要に応じて部品加工等がなされた後、パチンコ機PMが組み立てられるようになっている。
【0017】このとき、組立工場内で枠部品WPを立設状態で載置保持してパチンコ機の加工・組立ラインに沿って搬送し、パチンコ機の組立が行われる。このように枠部品WPを立設状態で保持してラインに沿って搬送し、さらにこの枠部品WPに必要構成部材が組み付けられて完成したパチンコ機PMを立設状態で保持して搬送するために用いられる搬送パレット30について以下に説明する。
【0018】この搬送パレット30の全体構成を図1に示しており、この搬送パレット30は、矩形平板状のパレット本体31の上に、複数の保持装置35が整列状態で設けられて構成される。各保持装置35は、それぞれ対向して配設されるとともにパレット本体31の上面に垂直に起立して設けられた第1および第2保持アーム40,50から構成される。パレット本体31の上面には、3個の保持装置35が左右方向に一列に並んで配設されるとともにこの列が前後に5列設けられており、合計15個の保持装置35が設けられている。
【0019】これら15個の保持装置35は全て同一構成であり、図5および図6に示すように構成される。これらの図に示すように、保持装置35を構成する第1保持アーム40および第2保持アーム50は、それぞれ互いに平行になって前後且つ垂直に延びた板状の側面保持板部41,51を有する。第1保持アーム40の側面保持板部41の後端部が垂直に延びる線に沿って第2保持アーム50の方に直角に折り曲げられて後ガイド板部42が形成され、側面保持板部41の前端部も垂直に延びる線に沿って第2保持アーム50の方に直角に折り曲げられて前ガイド板部43が形成されている。なお、これら側面保持板部41、後ガイド板部42および前ガイド板部43の上端がいずれも外方に折れ曲がって斜め上方に延びたテーパガイド41a,42a,43aが形成されている。
【0020】第2保持アーム50についても同様であり、側面保持板部51の後端部が垂直に延びる線に沿って第1保持アーム40の方に直角に折り曲げられて後ガイド板部52が形成され、側面保持板部51の前端部も垂直に延びる線に沿って第1保持アーム40の方に直角に折り曲げられて前ガイド板部53が形成されている。なお、これら側面保持板部51、後ガイド板部52および前ガイド板部53の上端がいずれも外方に折れ曲がって斜め上方に延びたテーパガイド51a,52a,53aが形成されている。
【0021】このように構成された搬送パレット30に、パチンコ機PM(もしくは枠部品WP)が図7に示すように第1および第2保持アーム40,50に挟まれて立設状態で保持される。なお、搬送パレット30には上述のように15個の保持装置35が設けられており、最大15台のパチンコ機PMを立設状態で保持することができる。このように立設状態で保持するため、両側面保持板部41,51の左右方向に対向する間隔はパチンコ機PMの外枠1(および前枠2)の左右幅寸法B1より若干大きく設定され、パチンコ機PMの外枠1の左右外側面がこれら側面保持板部41,51に近接対向した状態で第1および第2保持アーム40,50に挟まれて立設状態で保持されるようになっている。
【0022】このとき、第1保持アーム40は、パチンコ機PMの左端部(図2における左端部)を保持するように構成されており、第1保持アーム40における前後ガイド板部42,43の前後間隔は、パチンコ機PMの左端部における外枠1の後面からヒンジ3bの前端までの前後寸法(図4における寸法L1)より若干大きく設定されている。さらに、側面保持板部41および後ガイド板部42は、パチンコ機PMを立設状態で安定支持するに必要且つ十分な高さまで延びて設けられており、前ガイド板部43は立設状態のパチンコ機PMの下側ヒンジ3bと当接するに十分な高さまで(すなわち、下側のヒンジ3bより上側まで)延びて設けられている。このため、上記のようにパチンコ機PMを保持装置35により保持するときに、第1保持アーム40においては、側面保持板部41が外枠1および前枠2の側面に近接もしくは当接し、後ガイド板部42が外枠1の左端部後面に近接もしくは当接し、また、前ガイド板部43が下側のヒンジ3bの前端と近接もしくは当接する。
【0023】ここで、パチンコ機PM(もしくは枠部品WP)において、外枠1に対して前枠2を開閉自在に支持する上下のヒンジ3a,3bが図2〜図4に示す立設状態で、図4から良く分かるように左端前部において前枠2の前面より前方に突出して設けられている。このため、保持装置35によりパチンコ機PMを保持したとき、第1保持アーム40の前ガイド板部43は下側のヒンジ3bと当接して前枠2の前面と当接することが避けられ、樹脂製で傷つきやすい前枠2の前面を傷つけるおそれがない。
【0024】一方、第2保持アーム50は、パチンコ機PMの右端部(図2における右端部)を保持するように構成されており、第2保持アーム50における前後ガイド板部52,53の前後間隔は、パチンコ機PMの右端部における外枠1の下部の前後寸法(図4における寸法L2)より若干大きく設定されている。さらに、側面保持板部51および後ガイド板部52は、パチンコ機PMを立設状態で安定支持するに必要且つ十分な高さまで延びて設けられており、前ガイド板部53は立設状態のパチンコ機PMの底面から前枠2の下端位置までの高さ(図2における高さH2)より若干低くなる高さまで延びて設けられている。すなわち、図6に示す前ガイド板部53の高さH1は図2に示す上記高さH2より若干小さく設定されている。
【0025】このため、上記のようにパチンコ機PMを保持装置35により保持するときに、第2保持アーム50においては、側面保持板部51が外枠1および前枠2の側面に近接もしくは当接し、後ガイド板部52が外枠1の右端部後面に近接もしくは当接し、また、前ガイド板部53が外枠1の右端下部の前面に近接もしくは当接する。ここで前ガイド板部53の高さH1が上記のように前枠2の下端より低くなるように設定されているため、前ガイド板部53は前枠2より下側において外枠1の右端下部の前面を保持する。このため、前ガイド板部53が前枠2の前面と当接することが避けられ、樹脂製で傷つきやすい前枠2の前面を傷つけるおそれがない。
【0026】また、前後ガイド板部52,53の前後間隔を、外枠1の下部の前後寸法(図4における寸法L2)より若干大きく設定しているが、図4に示すように、外枠1の下部においては底枠板1dの前端面が幕板1eの前面より若干前法に突出しており、前ガイド板部53は底枠板1dの前端面と当接して外枠1を保持する。幕板1eの前面は塗装が施されて外面に露出するのであるが、上記のように前ガイド板部53は底枠板1dの前端面と当接するだけで幕板1eの前面と当接することがなく、幕板1eの前面を傷つけるおそれがない。
【0027】以上の説明から分かるように、搬送パレット30の各保持装置35にパチンコ機PMもしくは枠部品WPを図7に示すように上方から挿入する(このとき、テーパガイド41a,42a,43a,51a,52a,53aにより案内させてスムーズな挿入が可能である)と、左右端部が第1および第2保持アーム40,50により挟持されて立設状態で保持される。このとき、上述のように前枠2の前面および幕板1eの前面にこれら保持アーム40,50が当接するおそれがなく、前枠20の前面および幕板1eの前面を傷つけるおそれなく且つ安定して立設状態で各パチンコ機PMを保持することができる。そして、このように立設状態で複数のパチンコ機PMや枠部品WPを保持した搬送パレット30を加工・組立ラインに沿って搬送移動させることにより、これら搬送対象物を立設状態のままスムーズ且つ安定して搬送し、効率の良い加工・組立作業が可能となる。
【0028】以上においては、搬送パレット30の各保持装置35によりそれぞれパチンコ機PMを立設状態で保持して搬送する例を示したが、この搬送パレット30をスロットマシン(スロット遊技機)SMの搬送にも用いることができるように構成している。スロットマシンSMは、図8に示すように、前面側に開口を有して略直方体箱状に形成されたキャビネットボックス61と、このキャビネットボックス61の前面側開口を覆って開閉自在に取り付けられたフロントカバー62とからなる筐体60を有して構成される。この筐体60内には、複数の図柄が描かれた複数のリールを有するとともにこれらリールの回転・停止制御を行うリール装置、システム制御用の基板類、電源装置、メダル払い出し装置等が配設されている。
【0029】筐体60の左右幅寸法B2は、上述のパチンコ機PMの左右幅寸法B1より小さく、その前後幅寸法L3はパチンコ機PMの前後寸法L1,L2よりかなり大きい。このように前後寸法L3が大きいため、スロットマシンSMはそのままで何の支持を行わなくても立設状態で平面台上に載置可能である。よって、上記搬送パレット30の上にスロットマシンSMを載置するには保持装置35が却って邪魔となる。このため、搬送パレット30においては、保持装置35における第1および第2保持アーム40,50の左右方向間隔S(図5参照)を、スロットマシンSMの左右幅寸法B2より若干大きくなるように設定し、図8に示すように、第1および第2保持アーム40,50の間にスロットマシンSMを載置することができるようにしている。これにより、搬送パレット30により、パチンコ機PMのみならずスロットマシンSMも立設状態で載置保持可能である。なお、スロットマシンSMについては前後方向を問わず、いずれの向きにも搭載保持可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、保持手段を構成する第1および第2保持アームにおける側面保持板部および後ガイド板部は所定高さまで上方に延びて十分な支持高さを確保する一方、第1保持アームにおける前ガイド板部は、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の前面より前方に突出するヒンジ部材の前端と近接対向もしくは当接する位置まで上方に延ばしており、これにより前ガイド板部を金属製のヒンジ部材の前端と当接させて支持するとともに前枠前面に傷が付くことを防止することができる。また、第2保持アームにおける前ガイド板部は、パレット本体上に載置された搬送対象物における前枠の下端近傍まで延びて外枠の前端と近接対向もしくは当接して支持するとともに、前枠前面との当接を防止して前枠前面に傷が付くことを防止することができる。この結果、搬送パレット上に弾球遊技機を立設状態で確実に整列保持することが可能であり、且つこのように保持して搬送するときに前枠前面に傷が付くことを確実に防止できる。
【0031】本発明に係る搬送パレットにおいては、弾球遊技機より左右幅が狭く前後幅が広いスロット遊技機も整列保持可能なように、第1保持アームと第2保持アームとの左右間隔をスロット遊技機の左右幅より広く設定するのが好ましく、このようにすれば、この左右間隔内にスロット遊技機を立設状態で安定して載置保持可能であり、これにより搬送パレットを弾球遊技機およびスロット遊技機用として共用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送パレットの全体構成を示す斜視図である。
【図2】上記搬送パレットの搬送対象となるパチンコ機の正面図である。
【図3】上記搬送パレットの搬送対象となるパチンコ機の背面図である。
【図4】上記搬送パレットの搬送対象となるパチンコ機の側面図である。
【図5】上記搬送パレットを構成する支持装置を斜め後方から見て示す斜視図である。
【図6】上記搬送パレットを構成する支持装置を斜め前方から見て示す斜視図である。
【図7】上記搬送パレット上にパチンコ機を搭載する例を示す斜視図である。
【図8】上記搬送パレット上にスロットマシンを搭載する例を示す斜視図である。
【符号の説明】
PM パチンコ機
SM スロットマシン
WP 枠部品
1 外枠
1a 上枠板
1b,1c 左右枠板
1d 底枠板
1e 幕板
1f 補強連桿
2 前枠
3a,3b ヒンジ
4 施錠装置
5 ガラス扉
6 収容枠
7a,7b 球皿
8 打球発射装置
10 遊技盤
11 遊技領域
15 レール
21 タンク
22 整列部材
23 ターミナル基板
24 球寄せカバー
25 制御基板
26 払い出し機構
30 搬送パレット
31 パレット本体
35 保持装置
40 第1保持アーム
41,51 側面保持板部
41a,42a,43a,51a,52a,53a テーパガイド
42,52 後ガイド板部
43,53 前ガイド板部
60 筐体
61 キャビネットボックス
62 フロントカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 方形枠状の外枠と、前記外枠の前側開口域に合わせた方形状に形成されて左右いずれか一方の側部においてヒンジ部材を介して前記外枠に開閉自在に取り付けられた前枠とを有して構成され、ほぼ立設状態で遊技に供される弾球遊技機の製造において用いられる縦型遊技機用搬送パレットであって、矩形平板状のパレット本体と前記パレット本体の上面に整列状態で配設された複数の保持手段とからなり、前記ヒンジ部材を介して開閉自在に連結された前記外枠および前記前枠を含んで構成される搬送対象物を、前記保持手段により立設状態のまま整列保持して搬送するように構成され、前記保持手段が左右に所定間隔を有して垂直に延びた第1および第2保持アームから構成され、前記第1および第2保持アームがそれぞれ、互いに平行になって前後且つ垂直に延びる板状の側面保持板部と、前記側面保持板部の前後端において互いに対向する内側方向に直角に折れ曲がって左右且つ垂直に延びる前および後ガイド板部とを有して、水平面に沿った断面形状が互いに対向するU字状となるように構成され、前記第1および第2保持アームにおける前記側面保持板部および前記後ガイド板部が、前記パレット本体上に載置された前記搬送対象物における前記外枠の左右側面および後面に近接対向もしくは当接して所定高さまで上方に延び、前記第1保持アームにおける前記前ガイド板部が、前記パレット本体上に載置された前記搬送対象物における前記前枠の前面より前方に突出する前記ヒンジ部材の前端と近接対向もしくは当接する位置まで上方に延び、前記第2保持アームにおける前記前ガイド板部が、前記パレット本体上に載置された前記搬送対象物における前記前枠の下端近傍まで延びて前記外枠の前端と近接対向もしくは当接するようになっていることを特徴とする縦型遊技機用搬送パレット。
【請求項2】 前記弾球遊技機より左右幅が狭く前後幅が広いスロット遊技機も整列保持可能なように、前記第1保持アームと前記第2保持アームとの左右間隔が前記スロット遊技機の左右幅より広く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の縦型遊技機用搬送パレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2002−293395(P2002−293395A)
【公開日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−100491(P2001−100491)
【出願日】平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】