説明

縦型電気掃除機

【課題】コンパクトで、接続パイプ使用時の安定性に優れた縦型電気掃除機を提供する。
【解決手段】集塵部13を内蔵した掃除機本体10の下方に設けられた床用吸込具19と、一端が前記床用吸込具19に連通する接続パイプ21と、一端が前記接続パイプ21の他端に接続されるホース22と、前記ホース22の他端が接続されると共に前記集塵部13と連通する接続部23とを備え、前記接続部23を前記掃除機本体10の後方下部に設けたもので、床面から、ホース22の接続部23までの距離が短くなり、廉価な構成で、使用者が、接続パイプ21を使用する場合、掃除機本体10のスタンド状態は安定し、転倒しにくくなり使い勝手が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下方に床用吸込具を備えた縦型電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の縦型電気掃除機は、特許文献1に記載されているようなものが一般的であった。この従来の電気掃除機について図7、図8を用いて説明する。
【0003】
図7、8において、従来の縦型電気掃除機の掃除機本体1の下方には、電動送風機2が内蔵され、掃除機本体1の中央には、電動送風機2と連通すると共に吸引された塵埃を捕集する集塵部3が配設されている。前記集塵部3の前記掃除機本体1の中央上部には、吸引用のホース4の一端が接続され、ホース4の他端には、接続パイプ5が設けられている。前記接続パイプ5は、掃除機本体1の下方に着脱自在に設けられており、この接続パイプ5は、床用吸込具6と連通するように構成されているのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−127536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の電気掃除機の構成では、接続パイプ5からゴミを吸取る作業をする場合、ホース4は、集塵部3の掃除機本体1の中央上部に位置しているため、ホース4を横方向に引伸ばした時、図8に示すように、床面からホース4の接続部までの距離Lが長いため、掃除機本体1が不安定になって転倒しやすく、また、接続パイプ5を使った高いところの掃除にも支障を来たし、非常に面倒であった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、接続パイプを使った掃除中に掃除機本体の安定性を向上させ、転倒が生じ難い縦型電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために、本発明の縦型電気掃除機は、集塵部を内蔵した掃除機本体の下方に設けられた床用吸込具と、一端が前記床用吸込具に連通する接続パイプと、一端が前記接続パイプの他端に接続されるホースと、前記ホースの他端が接続されると共に前記集塵部と連通する接続部とを備え、前記接続部を前記掃除機本体の後方下部に設けたもので、床面から、ホースの接続部までの距離が短くなり、廉価な構成で、使用者が、接続パイプを使用する場合、縦型電気掃除機本体のスタンド状態は安定し転倒しにくくなり使い勝手が向上する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の縦型電気掃除機は、ホースと連通する接続パイプの使用時に、掃除機本体の転倒が生じ難く、使い勝手の良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における縦型電気掃除機の全体斜視図
【図2】同縦型電気掃除機の後面から見た全体斜視図
【図3】同縦型電気掃除機の断面図
【図4】同縦型電気掃除機の背面から見た部分断面図
【図5】同縦型電気掃除機の接続パイプを外した状態の斜視図
【図6】同縦型電気掃除機の正面から見た正面図
【図7】従来の縦型電気掃除機の要部断面図
【図8】同縦型電気掃除機の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、集塵部を内蔵した掃除機本体の下方に設けられた床用吸込具と、一端が前記床用吸込具に連通する接続パイプと、一端が前記接続パイプの他端に接続されるホースと、前記ホースの他端が接続されると共に前記集塵部と連通する接続部とを備え、前記接続部を前記掃除機本体の後方下部に設けたもので、床面から、ホースの接続部までの距離が短くなり、廉価な構成で、使用者が、接続パイプを使用する場合、縦型電気掃除機本体のスタンド状態は安定し転倒しにくくなり使い勝手が向上する。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の縦型電気掃除機において、一端が床用吸込具に連通し、他端に接続パイプの一端が着脱自在に接続される保持体を設け、前記保持体を、掃除機本体の後方側面側に配設したもので、接続パイプは、掃除機本体の外壁から離れ、接続パイプと、保持体との着脱動作時及び、使用時は、保持体から取出す掃除動作にすぐに移れ、使い勝手が向上する。
【0012】
第3の発明は、特に、第1又は第2の接続部と、保持体を相対するよう位置をずらせて配したもので、接続パイプは、掃除機本体の外壁及び、ホースの接続部から離れ、ホースの接続部と干渉することなく、接続パイプと、保持体との着脱動作が容易なり、掃除機本体のスペースを有効活用しコンパクト化が図れる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の接続部を、掃除機本体を前方側から見て、前記掃除機本体に隠れる位置に配設したもので、正面から掃除機本体を見た際のコンパクト性を実現することができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の保持体を、掃除機本体を前方側から見て、前記掃除機本体に隠れる位置に配設したもので、正面から掃除機本体を見た際のコンパクト性を実現させ、掃除機本体の外観美を向上させることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における縦型電気掃除機について、図1〜図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態における縦型電気掃除機の全体斜視図、図2は、同縦型電気掃除機の後面から見た全体斜視図、図3は、同縦型電気掃除機の断面図、図4は、同縦型電気掃除機の背面から見た部分断面図、図5は、同縦型電気掃除機の接続パイプを外した状態の斜視図、図6は、同縦型電気掃除機の正面から見た正面図である。
【0017】
図1〜図3において、本実施の形態における電気掃除機の掃除機本体10の下方には、電動送風機11を内蔵する電動送風機室12、中央には、集塵部13をそれぞれ備え、この集塵部13の上側には、電源供給用のコード14が収容されるコードリール収容部15が備えられている。
【0018】
掃除機本体10の上端には、運搬用ハンドル16が設けられ、掃除機本体10上端の後方には、操作用でかつ延長管17を兼ね備えたハンドル18が具備されている。掃除機本
体10の下方に、上下に首振り可能に取り付けられた床用吸込具19を具備し、この床用吸込具19は、掃除機本体10の下方に設けられた保持体20の下端と着脱自在に設けられている。保持体20の他方には、接続パイプ21の一端が着脱自在に接続されており、この接続パイプ21は、ホース22と連通されている。またホース22の他端は、集塵部13と連通すると共に、掃除機本体10の後方側面部に設けられた接続部23に接続されている。
【0019】
図3、図4において、床用吸込具19の吸込み口24から吸引された塵埃の吸気通路25は、矢印方向で示すように、床用吸込具19の吸込み口24から、保持体20を通り、接続パイプ21へと流れる。接続パイプ21から流れた塵埃は、ホース22を介し、接続部23へと流れ、接続部23から流れた塵埃は、吸気通路25を介し集塵部13へと堆積される通路構成で形成されている。
【0020】
また、図4において、保持体20は、掃除機本体10の長手方向に対し略L字状に形成され、一端には、テーパー嵌合にて接続パイプ21が着脱自在に接続される。また、ホース22の他端で、集塵部13と連通する接続部23も、掃除機本体10の長手方向に対し略L字状に形成されると共に、掃除機本体10の後方で且つ、下方の電動送風機11近傍に配設されている。
【0021】
上記構成により、接続パイプ21を使用する場合、図5で示すように、使用者は、接続パイプ21を保持体20から外す。この時、床面から、ホース22の接続部23までの距離Aが短くなり、廉価な構成で、掃除機本体10のスタンド状態での安定性が向上し転倒しにくくなり使い勝手が向上する。
【0022】
また、図4において、保持体20は、掃除機本体10の長手方向に対し略L字状に形成され、掃除機本体10の後方で且つ、下方の電動送風機11の近傍に配設され、テーパー嵌合にて接続パイプ21と着脱自在に設けられていることより、接続パイプ21は、保持体20との収納動作及び、着脱動作が簡素化され使用性が向上する。
【0023】
また、本実施の形態では、図4に示すように、ホース22の接続部23と、接続パイプ21の保持体20は、吸気通路25に対して相対するよう位置をずらせた構成となっているので、接続パイプ21は、掃除機本体10の外壁26及び、ホース22の接続部23から離れた位置となり、接続部23と干渉することなく、接続パイプ21と、保持体20との着脱動作が容易なり、掃除機本体10のスペースを有効活用しコンパクト化が図れる。
【0024】
また、図4、図6に示すように、ホース22と接続される接続部23は、掃除機本体10の後方で、掃除機本体10の前方から見て、掃除機本体10に隠れるように配設されているので、掃除機本体10を正面から見た際、接続部23は、掃除機本体10から隠れ、幅方向でのコンパクト化が可能となる。
【0025】
また、図4、図6に示すように、接続パイプ21と着脱自在に接続される保持体20を、掃除機本体10の後方で、掃除機本体10の前方から見て、掃除機本体10に隠れるように配設しているので、掃除機本体10を正面から見た際のコンパクト性を実現させ、掃除機本体10の外観美が損なわれることがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明に係る縦型電気掃除機は、接続パイプの使い勝手がよく、また安定性の向上を実現できるもので、家庭用、業務用の各種縦型電気掃除機に適用できる。
【符号の説明】
【0027】
10 掃除機本体
13 集塵部
19 床用吸込具
20 保持体
21 接続パイプ
22 ホース
23 接続部
25 吸気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵部を内蔵した掃除機本体の下方に設けられた床用吸込具と、一端が前記床用吸込具に連通する接続パイプと、一端が前記接続パイプの他端に接続されるホースと、前記ホースの他端が接続されると共に前記集塵部と連通する接続部とを備え、前記接続部を前記掃除機本体の後方下部に設けた縦型電気掃除機。
【請求項2】
一端が床用吸込具に連通し、他端に接続パイプの一端が着脱自在に接続される保持体を設け、前記保持体を、掃除機本体の後方側面側に配設した請求項1に記載の縦型電気掃除機。
【請求項3】
接続部と、保持体を相対するよう位置をずらせて配した請求項1または2に記載の縦型電気掃除機。
【請求項4】
接続部を、掃除機本体を前方側から見て、前記掃除機本体に隠れる位置に配設した請求項1〜3のいずれか1項に記載の縦型電気掃除機。
【請求項5】
保持体を、掃除機本体を前方側から見て、前記掃除機本体に隠れる位置に配設した請求項1〜4のいずれか1項に記載の縦型電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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