縦長グリップ付き浴槽
【課題】縦長グリップ13に当接するときに生じる使用者Ma,Mbの痛さや不快の程度を緩和できるようにする。
【解決手段】浴槽内の立面12aに縦長グリップ13の上下の接続部13b,13bを接合し、縦長グリップ13が上下方向へ長い手前側の長い握り部13aから後方へ向かって上下の接続部13bを延ばした縦長グリップ付き浴槽11において、縦長グリップ13は、握り部13aから上下の接続部13b,13bにわたって延びる左右の各外側面13d,13dが、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面Pから各外側面13dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していること。
【解決手段】浴槽内の立面12aに縦長グリップ13の上下の接続部13b,13bを接合し、縦長グリップ13が上下方向へ長い手前側の長い握り部13aから後方へ向かって上下の接続部13bを延ばした縦長グリップ付き浴槽11において、縦長グリップ13は、握り部13aから上下の接続部13b,13bにわたって延びる左右の各外側面13d,13dが、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面Pから各外側面13dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽内の立面に縦長グリップを取り付けた縦長グリップ付き浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、縦長グリップ付き浴槽1は、図11(A)の正面図及び同図(B)の平面図に示す如く、浴槽本体2の左右及び上下の方向に延びる槽内の接合用立面2aに、縦長グリップ3の上下の接続部3b,3bを接合したものである(特許文献1)。この縦長グリップ3は、上下方向へ長い手前側の握り部3aから後方へ向かって上下の接続部3b,3bが延びて左右の外側面3c,3cが平行に形成され、左右幅寸法Wが上下方向及び前後方向の全域で同一となっている。
【特許文献1】特開2003−310465の図4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の縦長グリップ付き浴槽1は、浴槽内での左右位置の変更等のために体の向きを変更しようとする使用者Mbの腕等が槽内の立面2aに沿う左右方向へ移動中に縦長グリップ3の外側面3cに当接したり、膝を折曲げた座り姿勢で入浴している使用者Maの膝が槽内立面2aに沿う左右方向へ移動中に縦長グリップ3の外側面3cに当接したりすることがある。この場合、使用者Mbは、腕等の当接面を前後方向に対して傾斜させた状態となることが多いため、外側面3cの左右方向の広範囲で当接することなく、浴槽立面2aから離れたエッジ3c−1に局部的に当接させることが多くなり、痛みや不快感を生じることになる。
【0004】
本発明は、使用者が縦長グリップに当接するときに生じる痛さや不快の程度を緩和できるの縦長グリップ付き浴槽提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を緩和できるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面が、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面から各外側面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽である。
【0006】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を緩和できるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、浴槽内の立面の上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面と、浴槽本体に接合する接続部の接合面との外角が、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されていることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽である。
【0007】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を更に緩和できるようにするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記縦長グリップにおける左右の各外側面を、上下端から上下中央へ行く程に、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させた請求項1又は2記載の縦長グリップ付き浴槽である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、縦長グリップの左右の各外側面が仮想垂直中心面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜しているので、縦長グリップの外側面と同様に前後方向に対して傾斜している使用者の腕等の当接面が縦長グリップの外側面に当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者の当接面を縦長グリップの外側面で案内して前方へ向って移動させて縦長グリップから逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0009】
請求項2記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、左右の各外側面と浴槽本体に接合した接続部の接合面との外角を90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択して、左右の各外側面が前後方向に対して傾斜傾斜しているので、縦長グリップの外側面と同様に前後方向に対して傾斜している使用者の腕等の当接面が縦長グリップの外側面に当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者の当接面を縦長グリップの外側面で案内して前方へ向って移動させて縦長グリップから逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、使用者の腕等の当接面が縦長グリップの左右の外側面に当接するとき、凹むように湾曲した外側面に接触する面積が、縦長グリップの左右の外側面を湾曲させることなく直線状としたときに比べて大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。また、浴槽へ出入りする使用者が左右の外側面の湾曲部に頭を当てることことがあるが、このとき接触する面積が大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る縦長グリップ付き浴槽(以下、「本発明浴槽」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は本発明浴槽の第1の実施の形態を示すものであり、図1は本発明浴槽11を示すものであって、(A)は平面図、(B)は(A)のイーイ線で断面した左側面図である。図2は浴槽本体2のグリップ接合用立面12a(鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップ13の平面図、図3は縦長グリップ13の接合状態を拡大して断面した左側面図である。図4は接合前の縦長グリップ13を単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は背面図、(E)は平面図、(F)は(B)のハーハ線で断面した平面図である。図5は図3のローロ線で断面して拡大した平面図である。図6は大人と子供の二人の入浴状態を示す平面図であって、(A)は縦長グリップ13に子供Mbの腕が接触している状態を示し、(B)は縦長グリップ13に大人Maの腕が接触している状態を示している。
【0013】
本発明浴槽11は、図1に示す如く、浴槽本体12の槽内の立面12aに縦長グリップ13の上下の接続部13b,13bを接合してある。浴槽本体12は、二人が入浴できる大きさに形成され(図6参照)、手前側から槽内へ出入りできるようになっていると共に、槽内後側のグリップ接合用立面12a側にステップ12bが設けられ、入浴時に腰掛け等できるようにしてある。本発明浴槽11は、立面12aが鉛直方向Vに対して交差角度αで傾斜することにより、縦長グリップ13も鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している。なお、本発明浴槽11は、ステップ12bを設けない浴槽本体(図示略)に適用することも勿論可能である。
【0014】
前記縦長グリップ13は、図3及び図4に示す如く、合成樹脂やステンレススチール等の素材から成形され、上下方向へ長い手前側の長い握り部13aと、握り部13aから後方へ向かって延びる上下の接続部13b,13bを備え、握り部13aから上下の接続部13b,13bに至る手前表面13c及び左右の各外側面13dが弓状に湾曲形成されている。左右の各外側面13dは、両外側面13d,13dの左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面P(図4(A)において一点鎖線で示す)から各外側面13dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくして、後方の左右幅寸法W1にすると共に手前の左右幅寸法W2となるように傾斜している。縦長グリップ13は、その大きさが例えば、接続部13bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1の左右幅寸法(2・W1)が32〜36mm、上下の高さ寸法(H)が190〜210mm、前後奥行き寸法(D)が48〜54mmの範囲で選択され、また、本例では仮想垂直中心面Pを中心として左右対称に形成されている。
【0015】
前記縦長グリップ13は、浴槽本体12の傾斜する立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したとき、図2に示すように、左右の各外側面13dと接続部13bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下。更に好ましくは、95°前後)の範囲で選択されている。縦長グリップ13は、図4(A)に示す如く、左右の各外側面13dに仮想平坦面R(図中に破線で示す)を当接させたとき、各外側面13dの上下全域が仮想平坦面Rに当接し、仮想平坦面Rが接合面13b−1とを外角θで交差することになる。
【0016】
前記縦長グリップ13は、図4に示す如く、握り部13aの裏側に、指挿入空間13fへ向かって突出する二辺からなる山状部13gが形成され、握り部13aの上下中間から各接合部13bへ向かって行く程に山状部13gの高さ寸法を大きくしてある。
【0017】
前記浴槽本体12に対する縦長グリップ13の接合は、図5に示す如く、接合手段14を用いて行なわれる。接合手段14は、雌ねじ15dが貫通した埋込用ピン部15a、フランジ部15b及びボルト部15cを同一中心線上に直列状に接合した接合具15と、ボルト部15cに螺着するナット16と、フランジ部15bに当接するシール用パッキン17と、縦長グリップ13の接合面13b−1に当接する取付用パッキン18と、固定用ネジ19とからなる。接合手段14は、縦長グリップ13の各接合面13b−1に凹設した接合用凹部13hに接合具15の埋込用ピン15a及びフランジ部15bを埋め込んで、接合具15の雌ねじ15dに固定用ネジ19を緊締することで、縦長グリップ13の各接続部13bに接合具15を固定すると共に、浴槽本体12に設けた取付孔12cへ挿通した接合具15のボルト部15cにナット16を緊締することで、浴槽本体12に接合具15を固定している。
【0018】
本発明浴槽11は、図2及び図4に示す如く、縦長グリップ13の左右の各外側面13dが仮想垂直中心面Pまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜すると共に、浴槽内の立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、左右の各外側面13dと浴槽本体12に接合する接続部13の接合面13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されているので、図6に示す如く、縦長グリップ13の外側面13dと同様に前後方向に対して傾斜している使用者Ma,Mbの腕等の当接面が縦長グリップ13の外側面13dに当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者Ma,Mbの当接面を縦長グリップ13の外側面13dで案内して前方へ向って移動させて縦長グリップ13から逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0019】
(第2の実施の形態)
図7は第2の実施の形態に係る本発明浴槽に用いた縦長グリップ13を拡大して示す斜視図である。縦長グリップ13は、前記第1の実施の形態と同様に、縦長グリップ13の左右の各外側面13dが仮想垂直中心面Pまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜すると共に、浴槽内の立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、左右の各外側面13dと浴槽本体12に接合する接続部13の接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されている。
【0020】
本実施の形態に用いた縦長グリップ13において前記第1の実施の形態に用いたものと相違する点は、左右の各外側面13dを、上下端から上下中央へ行く程に、前記仮想垂直中心面P(図中に二点鎖線で示す)へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させたことである。本実施の形態に用いた縦長グリップ13は、左右の各外側面13dの上下全域に、相手方の外側面13dへ向かって凹む仮想彎曲面S(図中に破線で示す)を当接させたとき、仮想彎曲面Sと上下の接合面13b−1,13b−1を含む接合仮想面Tと外角θで交差するようになる。なお、本実施の形態に係る本発明浴槽における上記相違点以外の構成については、前記第1の実施の形態に係る本発明浴槽11と実質的に同一である。仮想彎曲面Sと仮想面Tとの外角θは、縦長グリップ13の上下全域で同一にする場合と、上下端から上下中央へ行く程に変化させる場合とを選択することができる。
【0021】
本実施の形態に係る本発明浴槽は、使用者Ma,Mb(図6参照)の腕等の当接面が縦長グリップ13の左右の外側面13dに当接するとき、凹むように湾曲した外側面13dに接触する面積が、縦長グリップ13dの左右の外側面13dを湾曲させることなく直線状とし第1の実施の形態に用いた縦長グリップ(図4(A)参照)に比べて大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。また、浴槽本体へ出入りする使用者が左右の外側面の湾曲部に頭を当てることことがある(殊に、高齢者ではお辞儀するような姿勢となって頭を当てることがある)が、このとき接触する面積が大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。
【0022】
(第3の実施の形態)
図8乃至図10は本発明浴槽の第3の実施の形態を示すものであって、図8(A)は浴槽本体2のグリップ接合用立面12a(鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップ23の平面図、図8(B)は縦長グリップ23の接合状態を拡大して断面した左側面図である。図9は接合前の縦長グリップ23を単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。図10は縦長グリップ23の別態様を拡大して示す斜視図である。
【0023】
本実施の形態の本発明浴槽21に用いた縦長グリップ23において前記第1の実施の形態に係る縦長グリップ13と相違する点は、握り部23aの手前表面23cを平坦面で形成したことである。なお、本実施の形態に係る本発明浴槽21における上記相違点以外の構成については、前記第1の実施の形態に係る本発明浴槽11と実質的に同一である。
【0024】
前記縦長グリップ23は、合成樹脂やステンレススチール等の素材から成形され、上下方向へ長い手前側の長い握り部23aと、握り部23aから後方へ向かって延びる上下の接続部23b,23bを備え、握り部23aから上下の接続部23b,23bに至る左右の各外側面23dが略コ字状に形成されている。左右の各外側面23dは、両外側面23d,23dの左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面P(図9(A)において一点鎖線で示す)から各外側面23dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくして、後方の左右幅寸法W1にすると共に手前の左右幅寸法W2となるように傾斜している。縦長グリップ23は、浴槽本体12の傾斜する立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したとき、図8(A)に示すように、左右の各外側面23dと接続部23bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)23b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下。更に好ましくは、95°前後)の範囲で選択されている。縦長グリップ23は、図9(A)に示す如く、左右の各外側面23dに仮想平坦面R(図中に破線で示す)を当接させたとき、各外側面23dの上下全域が仮想平坦面Rに当接し、仮想平坦面Rが接合面23b−1とを外角θで交差することになる。
【0025】
縦長グリップ23は、図10に示す如く、左右の各外側面23dを、上下端から上下中央へ行く程に、仮想垂直中心面P(図中に二点鎖線で示す)へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させることもある。この場合の縦長グリップ23は、左右の各外側面23dの上下全域に、相手方の外側面23dへ向かって凹む仮想彎曲面S(図中に破線で示す)を当接させたとき、仮想彎曲面Sと上下の接合面23b−1,23b−1を含む接合仮想面Tと外角θで交差するようになる。仮想彎曲面Sと仮想面Tとの外角θは、縦長グリップ23の上下全域で同一にする場合と、上下端から上下中央へ行く程に変化させる場合とを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明浴槽の第1の実施の形態を示すものであり、(A)は本発明浴槽の平面図、(B)は(A)のイーイ線で断面した左側面図である。
【図2】第1の実施の形態において、浴槽本体のグリップ接合用立面(鉛直方向対して傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップの平面図である。
【図3】第1の実施の形態において、縦長グリップの接合状態を拡大して断面した左側面図である。
【図4】第1の実施の形態において、接合前の縦長グリップを単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は背面図、(E)は平面図、(F)は(B)のハーハ線で断面した平面図である。
【図5】図3のローロ線で断面して拡大した平面図である。
【図6】第1の実施の形態において、大人と子供の二人の入浴状態を示す平面図であって、(A)は縦長グリップに子供の腕が接触している状態を示し、(B)は縦長グリップに大人の腕が接触している状態を示している。
【図7】第2の実施の形態に係る本発明浴槽に用いた縦長グリップを拡大して示す斜視図である。
【図8】本発明浴槽の第3の実施の形態を示すものであって、(A)は浴槽本体のグリップ接合用立面(鉛直方向対して傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップの平面図、(B)は縦長グリップの接合状態を拡大して断面した左側面図である。
【図9】第2の実施の形態において、接合前の縦長グリップを単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図10】縦長グリップの別態様を拡大して示す斜視図である。
【図11】従来の縦長グリップ付き浴槽を示すものであって、(A)は正面図、図(B)は平面図である。
【符号の説明】
【0027】
11…本発明浴槽、12…浴槽本体、12a…立面、13…縦長グリップ、13a…握り部、13b…接合部、13b−1…接合面、13c…手前表面、13d…外側面、23…縦長グリップ、23a…握り部、23b…接合部、23b−1…接合面、23c…手前表面、23d…外側面、Ma…子供、Mb…大人、P…仮想垂直中心面、W…左右幅寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽内の立面に縦長グリップを取り付けた縦長グリップ付き浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、縦長グリップ付き浴槽1は、図11(A)の正面図及び同図(B)の平面図に示す如く、浴槽本体2の左右及び上下の方向に延びる槽内の接合用立面2aに、縦長グリップ3の上下の接続部3b,3bを接合したものである(特許文献1)。この縦長グリップ3は、上下方向へ長い手前側の握り部3aから後方へ向かって上下の接続部3b,3bが延びて左右の外側面3c,3cが平行に形成され、左右幅寸法Wが上下方向及び前後方向の全域で同一となっている。
【特許文献1】特開2003−310465の図4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の縦長グリップ付き浴槽1は、浴槽内での左右位置の変更等のために体の向きを変更しようとする使用者Mbの腕等が槽内の立面2aに沿う左右方向へ移動中に縦長グリップ3の外側面3cに当接したり、膝を折曲げた座り姿勢で入浴している使用者Maの膝が槽内立面2aに沿う左右方向へ移動中に縦長グリップ3の外側面3cに当接したりすることがある。この場合、使用者Mbは、腕等の当接面を前後方向に対して傾斜させた状態となることが多いため、外側面3cの左右方向の広範囲で当接することなく、浴槽立面2aから離れたエッジ3c−1に局部的に当接させることが多くなり、痛みや不快感を生じることになる。
【0004】
本発明は、使用者が縦長グリップに当接するときに生じる痛さや不快の程度を緩和できるの縦長グリップ付き浴槽提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を緩和できるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面が、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面から各外側面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽である。
【0006】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を緩和できるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、浴槽内の立面の上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面と、浴槽本体に接合する接続部の接合面との外角が、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されていることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽である。
【0007】
縦長グリップに当接するときに生じる使用者の痛さや不快の程度を更に緩和できるようにするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記縦長グリップにおける左右の各外側面を、上下端から上下中央へ行く程に、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させた請求項1又は2記載の縦長グリップ付き浴槽である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、縦長グリップの左右の各外側面が仮想垂直中心面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜しているので、縦長グリップの外側面と同様に前後方向に対して傾斜している使用者の腕等の当接面が縦長グリップの外側面に当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者の当接面を縦長グリップの外側面で案内して前方へ向って移動させて縦長グリップから逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0009】
請求項2記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、左右の各外側面と浴槽本体に接合した接続部の接合面との外角を90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択して、左右の各外側面が前後方向に対して傾斜傾斜しているので、縦長グリップの外側面と同様に前後方向に対して傾斜している使用者の腕等の当接面が縦長グリップの外側面に当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者の当接面を縦長グリップの外側面で案内して前方へ向って移動させて縦長グリップから逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る縦長グリップ付き浴槽は、使用者の腕等の当接面が縦長グリップの左右の外側面に当接するとき、凹むように湾曲した外側面に接触する面積が、縦長グリップの左右の外側面を湾曲させることなく直線状としたときに比べて大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。また、浴槽へ出入りする使用者が左右の外側面の湾曲部に頭を当てることことがあるが、このとき接触する面積が大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る縦長グリップ付き浴槽(以下、「本発明浴槽」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は本発明浴槽の第1の実施の形態を示すものであり、図1は本発明浴槽11を示すものであって、(A)は平面図、(B)は(A)のイーイ線で断面した左側面図である。図2は浴槽本体2のグリップ接合用立面12a(鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップ13の平面図、図3は縦長グリップ13の接合状態を拡大して断面した左側面図である。図4は接合前の縦長グリップ13を単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は背面図、(E)は平面図、(F)は(B)のハーハ線で断面した平面図である。図5は図3のローロ線で断面して拡大した平面図である。図6は大人と子供の二人の入浴状態を示す平面図であって、(A)は縦長グリップ13に子供Mbの腕が接触している状態を示し、(B)は縦長グリップ13に大人Maの腕が接触している状態を示している。
【0013】
本発明浴槽11は、図1に示す如く、浴槽本体12の槽内の立面12aに縦長グリップ13の上下の接続部13b,13bを接合してある。浴槽本体12は、二人が入浴できる大きさに形成され(図6参照)、手前側から槽内へ出入りできるようになっていると共に、槽内後側のグリップ接合用立面12a側にステップ12bが設けられ、入浴時に腰掛け等できるようにしてある。本発明浴槽11は、立面12aが鉛直方向Vに対して交差角度αで傾斜することにより、縦長グリップ13も鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している。なお、本発明浴槽11は、ステップ12bを設けない浴槽本体(図示略)に適用することも勿論可能である。
【0014】
前記縦長グリップ13は、図3及び図4に示す如く、合成樹脂やステンレススチール等の素材から成形され、上下方向へ長い手前側の長い握り部13aと、握り部13aから後方へ向かって延びる上下の接続部13b,13bを備え、握り部13aから上下の接続部13b,13bに至る手前表面13c及び左右の各外側面13dが弓状に湾曲形成されている。左右の各外側面13dは、両外側面13d,13dの左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面P(図4(A)において一点鎖線で示す)から各外側面13dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくして、後方の左右幅寸法W1にすると共に手前の左右幅寸法W2となるように傾斜している。縦長グリップ13は、その大きさが例えば、接続部13bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1の左右幅寸法(2・W1)が32〜36mm、上下の高さ寸法(H)が190〜210mm、前後奥行き寸法(D)が48〜54mmの範囲で選択され、また、本例では仮想垂直中心面Pを中心として左右対称に形成されている。
【0015】
前記縦長グリップ13は、浴槽本体12の傾斜する立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したとき、図2に示すように、左右の各外側面13dと接続部13bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下。更に好ましくは、95°前後)の範囲で選択されている。縦長グリップ13は、図4(A)に示す如く、左右の各外側面13dに仮想平坦面R(図中に破線で示す)を当接させたとき、各外側面13dの上下全域が仮想平坦面Rに当接し、仮想平坦面Rが接合面13b−1とを外角θで交差することになる。
【0016】
前記縦長グリップ13は、図4に示す如く、握り部13aの裏側に、指挿入空間13fへ向かって突出する二辺からなる山状部13gが形成され、握り部13aの上下中間から各接合部13bへ向かって行く程に山状部13gの高さ寸法を大きくしてある。
【0017】
前記浴槽本体12に対する縦長グリップ13の接合は、図5に示す如く、接合手段14を用いて行なわれる。接合手段14は、雌ねじ15dが貫通した埋込用ピン部15a、フランジ部15b及びボルト部15cを同一中心線上に直列状に接合した接合具15と、ボルト部15cに螺着するナット16と、フランジ部15bに当接するシール用パッキン17と、縦長グリップ13の接合面13b−1に当接する取付用パッキン18と、固定用ネジ19とからなる。接合手段14は、縦長グリップ13の各接合面13b−1に凹設した接合用凹部13hに接合具15の埋込用ピン15a及びフランジ部15bを埋め込んで、接合具15の雌ねじ15dに固定用ネジ19を緊締することで、縦長グリップ13の各接続部13bに接合具15を固定すると共に、浴槽本体12に設けた取付孔12cへ挿通した接合具15のボルト部15cにナット16を緊締することで、浴槽本体12に接合具15を固定している。
【0018】
本発明浴槽11は、図2及び図4に示す如く、縦長グリップ13の左右の各外側面13dが仮想垂直中心面Pまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜すると共に、浴槽内の立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、左右の各外側面13dと浴槽本体12に接合する接続部13の接合面13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されているので、図6に示す如く、縦長グリップ13の外側面13dと同様に前後方向に対して傾斜している使用者Ma,Mbの腕等の当接面が縦長グリップ13の外側面13dに当接するとき、傾斜面どうしの面接触により単位面積当たりの当接力を小さくできると共に、使用者Ma,Mbの当接面を縦長グリップ13の外側面13dで案内して前方へ向って移動させて縦長グリップ13から逃げ易くできるため、従来に比べて痛さや不快の程度を緩和できる。
【0019】
(第2の実施の形態)
図7は第2の実施の形態に係る本発明浴槽に用いた縦長グリップ13を拡大して示す斜視図である。縦長グリップ13は、前記第1の実施の形態と同様に、縦長グリップ13の左右の各外側面13dが仮想垂直中心面Pまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように前後方向に対して傾斜すると共に、浴槽内の立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、左右の各外側面13dと浴槽本体12に接合する接続部13の接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)13b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されている。
【0020】
本実施の形態に用いた縦長グリップ13において前記第1の実施の形態に用いたものと相違する点は、左右の各外側面13dを、上下端から上下中央へ行く程に、前記仮想垂直中心面P(図中に二点鎖線で示す)へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させたことである。本実施の形態に用いた縦長グリップ13は、左右の各外側面13dの上下全域に、相手方の外側面13dへ向かって凹む仮想彎曲面S(図中に破線で示す)を当接させたとき、仮想彎曲面Sと上下の接合面13b−1,13b−1を含む接合仮想面Tと外角θで交差するようになる。なお、本実施の形態に係る本発明浴槽における上記相違点以外の構成については、前記第1の実施の形態に係る本発明浴槽11と実質的に同一である。仮想彎曲面Sと仮想面Tとの外角θは、縦長グリップ13の上下全域で同一にする場合と、上下端から上下中央へ行く程に変化させる場合とを選択することができる。
【0021】
本実施の形態に係る本発明浴槽は、使用者Ma,Mb(図6参照)の腕等の当接面が縦長グリップ13の左右の外側面13dに当接するとき、凹むように湾曲した外側面13dに接触する面積が、縦長グリップ13dの左右の外側面13dを湾曲させることなく直線状とし第1の実施の形態に用いた縦長グリップ(図4(A)参照)に比べて大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。また、浴槽本体へ出入りする使用者が左右の外側面の湾曲部に頭を当てることことがある(殊に、高齢者ではお辞儀するような姿勢となって頭を当てることがある)が、このとき接触する面積が大きくなり、痛さや不快さの程度を更に緩和できる。
【0022】
(第3の実施の形態)
図8乃至図10は本発明浴槽の第3の実施の形態を示すものであって、図8(A)は浴槽本体2のグリップ接合用立面12a(鉛直方向V対して交差角度αで傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップ23の平面図、図8(B)は縦長グリップ23の接合状態を拡大して断面した左側面図である。図9は接合前の縦長グリップ23を単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。図10は縦長グリップ23の別態様を拡大して示す斜視図である。
【0023】
本実施の形態の本発明浴槽21に用いた縦長グリップ23において前記第1の実施の形態に係る縦長グリップ13と相違する点は、握り部23aの手前表面23cを平坦面で形成したことである。なお、本実施の形態に係る本発明浴槽21における上記相違点以外の構成については、前記第1の実施の形態に係る本発明浴槽11と実質的に同一である。
【0024】
前記縦長グリップ23は、合成樹脂やステンレススチール等の素材から成形され、上下方向へ長い手前側の長い握り部23aと、握り部23aから後方へ向かって延びる上下の接続部23b,23bを備え、握り部23aから上下の接続部23b,23bに至る左右の各外側面23dが略コ字状に形成されている。左右の各外側面23dは、両外側面23d,23dの左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面P(図9(A)において一点鎖線で示す)から各外側面23dまでの左右幅寸法Wを後方から前方へ向かって行く程に小さくして、後方の左右幅寸法W1にすると共に手前の左右幅寸法W2となるように傾斜している。縦長グリップ23は、浴槽本体12の傾斜する立面12aの上下方向に沿って上方から下方へ正視したとき、図8(A)に示すように、左右の各外側面23dと接続部23bの接合面(浴槽本体12の立面12aに当接する面)23b−1との外角θが、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下。更に好ましくは、95°前後)の範囲で選択されている。縦長グリップ23は、図9(A)に示す如く、左右の各外側面23dに仮想平坦面R(図中に破線で示す)を当接させたとき、各外側面23dの上下全域が仮想平坦面Rに当接し、仮想平坦面Rが接合面23b−1とを外角θで交差することになる。
【0025】
縦長グリップ23は、図10に示す如く、左右の各外側面23dを、上下端から上下中央へ行く程に、仮想垂直中心面P(図中に二点鎖線で示す)へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させることもある。この場合の縦長グリップ23は、左右の各外側面23dの上下全域に、相手方の外側面23dへ向かって凹む仮想彎曲面S(図中に破線で示す)を当接させたとき、仮想彎曲面Sと上下の接合面23b−1,23b−1を含む接合仮想面Tと外角θで交差するようになる。仮想彎曲面Sと仮想面Tとの外角θは、縦長グリップ23の上下全域で同一にする場合と、上下端から上下中央へ行く程に変化させる場合とを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明浴槽の第1の実施の形態を示すものであり、(A)は本発明浴槽の平面図、(B)は(A)のイーイ線で断面した左側面図である。
【図2】第1の実施の形態において、浴槽本体のグリップ接合用立面(鉛直方向対して傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップの平面図である。
【図3】第1の実施の形態において、縦長グリップの接合状態を拡大して断面した左側面図である。
【図4】第1の実施の形態において、接合前の縦長グリップを単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は背面図、(E)は平面図、(F)は(B)のハーハ線で断面した平面図である。
【図5】図3のローロ線で断面して拡大した平面図である。
【図6】第1の実施の形態において、大人と子供の二人の入浴状態を示す平面図であって、(A)は縦長グリップに子供の腕が接触している状態を示し、(B)は縦長グリップに大人の腕が接触している状態を示している。
【図7】第2の実施の形態に係る本発明浴槽に用いた縦長グリップを拡大して示す斜視図である。
【図8】本発明浴槽の第3の実施の形態を示すものであって、(A)は浴槽本体のグリップ接合用立面(鉛直方向対して傾斜している)に沿って上方から下方へ正視したときの縦長グリップの平面図、(B)は縦長グリップの接合状態を拡大して断面した左側面図である。
【図9】第2の実施の形態において、接合前の縦長グリップを単独で示すものであつて、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図10】縦長グリップの別態様を拡大して示す斜視図である。
【図11】従来の縦長グリップ付き浴槽を示すものであって、(A)は正面図、図(B)は平面図である。
【符号の説明】
【0027】
11…本発明浴槽、12…浴槽本体、12a…立面、13…縦長グリップ、13a…握り部、13b…接合部、13b−1…接合面、13c…手前表面、13d…外側面、23…縦長グリップ、23a…握り部、23b…接合部、23b−1…接合面、23c…手前表面、23d…外側面、Ma…子供、Mb…大人、P…仮想垂直中心面、W…左右幅寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面が、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面から各外側面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽。
【請求項2】
浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、浴槽内の立面の上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面と、浴槽本体に接合する接続部の接合面との外角が、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されていることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽。
【請求項3】
前記縦長グリップにおける左右の各外側面を、上下端から上下中央へ行く程に、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させた請求項1又は2記載の縦長グリップ付き浴槽。
【請求項1】
浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面が、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面から各外側面までの左右幅寸法を後方から前方へ向かって行く程に小さくなるように傾斜していることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽。
【請求項2】
浴槽内の立面に縦長グリップの上下の接続部を接合し、縦長グリップが上下方向へ長い手前側の長い握り部から後方へ向かって上下の接続部を延ばした縦長グリップ付き浴槽において、縦長グリップは、浴槽内の立面の上下方向に沿って上方から下方へ正視したときの、握り部から上下の接続部にわたって延びる左右の各外側面と、浴槽本体に接合する接続部の接合面との外角が、90°を越えて120°以下(好ましくは、93°を越えて98°以下)の範囲で選択されていることを特徴とする縦長グリップ付き浴槽。
【請求項3】
前記縦長グリップにおける左右の各外側面を、上下端から上下中央へ行く程に、左右外側面の左右中間を上下・前後へ通過する仮想垂直中心面へ向かって偏倚して連続的に凹むように湾曲させた請求項1又は2記載の縦長グリップ付き浴槽。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−142271(P2010−142271A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319628(P2008−319628)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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