説明

置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体およびその製造方法

【課題】入手容易な原料を用いて、置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体〔化合物(V)〕を収率よく製造する方法、並びに、新規2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体〔化合物(III)及び化合物(V)〕を提供する。
【解決手段】


(式中、R、Rは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基等を、nは1又は2を、Rは炭素数1〜20のハロアルキル基等を、Xはハロゲン原子を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農医薬製造中間体等として有用な置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体の製造方法、並びに、新規な2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体及び置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
8−(2−アルコキシ)フェノキシ−3−置換−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体等の置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体の製造方法として、例えば、3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オールと4−フルオロ−3−(n−プロポキシ)ベンゾトリフルオリドを、水素化ナトリウム存在下に反応させる方法が知られている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】WO2005/095380号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、合成が煩雑である4−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾトリフルオリドを製造原料として用いるものであるため、工業的に実施する上で問題があった。
【0004】
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、入手容易な原料を用いて、置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体を収率よく製造する方法、並びに、新規な、2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体及び置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かくして本発明の第1によれば、式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、又は置換基を有するアミノ基を表し、nは1又は2を表す。)
で示されるアザビシクロオール誘導体と、式(II)
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、又は無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲノベンゼン化合物を、塩基存在下、20℃以下で反応させて、式(III)
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、R、R、n及びXは前記と同じ意味を表す。)
で示される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体を得、さらに、得られた式(III)で表される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体を、塩基の存在下、式(IV)
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、Rは、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、又はアシル基を表す。)で示されるアルコール化合物と反応させることを特徴とする、式(V)
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、R〜R及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、前記式(II)及び式(III)で表される化合物が、前記式(II)及び式(III)中、Xがフッ素原子又は塩素原子の化合物であることが好ましい。
【0016】
本発明の第2によれば、式(III)
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、又は置換基を有するアミノ基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、又は無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、nは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体が提供される。
【0019】
本発明の2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体としては、前記式(III)中、Xがフッ素原子又は塩素原子の化合物が好ましい。
【0020】
本発明の第3によれば、式(V)
【0021】
【化7】

【0022】
(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、又は置換基を有するアミノ基を表し、Rは、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、又はアシル基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、又は無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、nは1又は2を表す。)で示される置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、入手容易な原料を用いて、置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体を収率よく製造する方法、並びに、新規な、2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体及び置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を詳細に説明する。
1)置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体の製造方法
本発明の製造方法は、式(V)で示される置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体(以下、「置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体(V)」)ということがある。)を製造する方法であって、前記式(I)で示されるアザビシクロオール誘導体(以下、「アザビシクロオール誘導体(I)」ということがある。)と、式(II)で示されるハロゲノベンゼン化合物(以下、「ハロゲノベンゼン化合物(II)」という。)を、塩基存在下、20℃以下で反応させて、式(III)で示される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(以下、「2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)」ということがある。)を得(工程(A))、さらに、得られた式(III)で表される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)を、塩基の存在下、式(IV)で示されるアルコール化合物(以下、「アルコール化合物(IV)」ということがある。)と反応させること(工程(B))を特徴とする。
【0025】
(A)工程(A)
先ず、アザビシクロオール誘導体(I)と、ハロゲノベンゼン化合物(II)を、塩基存在下、20℃以下で反応させて、2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)を得る。
【0026】
工程(A)に用いるアザビシクロオール誘導体(I)において、式(I)中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、または置換基を有するアミノ基を表す。
【0027】
の、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基の炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
【0028】
無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等が挙げられる。
【0029】
無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基の炭素数2〜20のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基等が挙げられる。
【0030】
の(炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基)の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;等が挙げられる。前記(炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基)は、同一又は相異なって複数の置換基を有していてもよい。
【0031】
無置換若しくは置換基を有するアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0032】
無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基のヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基等の6員のヘテロアリール基;フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基等の5員のヘテロアリール基;等が挙げられる。
【0033】
前記アリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基等が挙げられる。前記アリール基及びヘテロアリール基は、同一又は相異なって複数個の置換基を有していてもよい。
【0034】
炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0035】
アシル基としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基等が挙げられる。
【0036】
置換基を有するアミノ基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;等が挙げられる。
【0037】
置換基を有するアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、フェニルメチルアミノ基、アセチルメチルアミノ基等が挙げられる。
nは1又は2を表す。
【0038】
アザビシクロオール誘導体(I)の多くは公知物質であり、公知の方法で製造することができる。
例えば、アザビシクロオール誘導体(I)のうち、nが1、Rがベンジル基である化合物は、J.Med.Chem.,46,1456(2003)に記載の方法で製造することができる。また、この化合物を接触水素還元することにより、Rが水素原子である化合物に誘導することができ、このものを出発原料として、公知の製造方法により、Rが、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、又は置換基を有するアミノ基である化合物に誘導することができる。
【0039】
また、アザビシクロオール誘導体(I)のうち、nが2、Rがベンジル基である化合物は、J.Med.Chem.,37,2831(1994)に記載の方法で製造することができる。また、この化合物を接触水素還元することにより、Rが水素原子である化合物に誘導することができ、このものを出発原料として、公知の製造方法により、Rが、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、又は置換基を有するアミノ基である化合物に誘導することができる。
【0040】
本発明に用いるアザビシクロオール誘導体(I)には、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在し得るが、本発明においては、アザビシクロオール誘導体(I)の光学活性体、ラセミ体のいずれも用いることができる。
【0041】
工程(A)に用いるハロゲノベンゼン化合物(II)において、式(II)中、Rは電子吸引性基を表す。かかる電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の炭素数1〜20のハロアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基等のアシル基;シアノ基;ホルミル基;カルボキシル基;無置換若しくは置換基を有するアリール基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等の炭素数1〜20のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基等の、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基;等が挙げられる。
【0042】
前記Rの、アリール基及びアリールスルホニル基の置換基としては、前記Rのアリール基の置換基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0043】
Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0044】
ハロゲノベンゼン化合物(II)の使用量は、アザビシクロオール誘導体(I)1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。
【0045】
用いる塩基としては、特に制限されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)等の有機リチウム化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.0]オクタン(Dabco)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等の有機塩基;等が挙げられる。
これらの塩基は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
塩基の使用量は、アザビシクロオール誘導体(I)1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
【0047】
工程(A)におけるアザビシクロオール誘導体(I)と、ハロゲノベンゼン化合物(II)との反応は、無溶媒又は適当な溶媒中で行うことができる。
【0048】
用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば、特に制限されない。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
溶媒の使用量は、アザビシクロオール誘導体(I)1gに対して、通常0.1〜100ml、好ましくは0.5〜50mlである。
【0050】
工程(A)の反応の反応温度は、20℃以下、好ましくは−50〜+20℃、より好ましくは−20〜+10℃、さらに好ましくは−20〜+5℃である。
工程(A)の反応をこのような反応温度で行うことにより、目的物を収率よく得ることができる。
【0051】
工程(A)の反応を行う方法としては、(α)アザビシクロオール誘導体(I)の溶媒溶液に、所定量の塩基を加え、次いで、反応液の温度を20℃以下に制御しながら、所定量のハロゲノベンゼン化合物(II)(又はハロゲノベンゼン化合物(II)の溶媒溶液)を添加し、全容を20℃以下で攪拌する方法、(β)アザビシクロオール誘導体(I)及びハロゲノベンゼン化合物(II)の溶媒溶液に、反応液の温度を20℃以下に制御しながら、所定量の塩基を添加し、全容を20℃以下で攪拌する方法、(γ)ハロゲノベンゼン化合物(II)の溶媒溶液に、所定量の塩基を加え、次いで、反応液の温度を20℃以下に制御しながら、所定量のアザビシクロオール誘導体(I)(又はアザビシクロオール誘導体(I)の溶媒溶液)を添加し、全容を20℃以下で攪拌する方法等が挙げられる。収率よく目的物を得る上では、(α)の方法が好ましい。
【0052】
工程(A)で得られた2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)は、精製することなく粗製のままで、あるいは、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法により精製を行って、次の工程(B)における反応に供される。
また、工程(A)で得られた反応液(2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)を含む溶液)をそのまま連続的に次の工程(B)に供することもできる。
【0053】
以上のようにして得られる2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)の具体例を第1表に示す。
【0054】
第1表中、記号は下記の意味を表す(第2表にて同じ。)。
Bn:ベンジル基、Ph:フェニル基、Pr:シクロプロピル基、Py:ピリジル基、Pyd:ピリダジニル基、Pym:ピリミジニル基、Fur:フリル基、Thi:チエニル基、Oxa:オキサゾリル基、Thia:チアゾリル基、Im:イミダゾリル基、Pyr:ピラゾリル基
【0055】
なお、以下に示す2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)には、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在し得るが、これらはすべて本発明に含まれる。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【0063】
(B)工程(B)
次いで、得られた2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)を、塩基の存在下、アルコール化合物(IV)と反応させることにより、置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体(V)を得ることができる。
【0064】
工程(B)で用いるアルコール化合物(IV)において、式(IV)中、Rは、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、又はアシル基を表す。
【0065】
の、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、及びアシル基の具体例としては、前記Rの、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、及びアシル基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
【0066】
なかでも、Rとしては、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、無置換若しくは炭素数3〜10のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数3〜10のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基が特に好ましい。
【0067】
アルコール化合物(IV)の好ましい具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、シクロプロピルメチルアルコール、シクロブチルメチルアルコール、シクロペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、2−シクロプロピルエチルアルコール、2−シクロペンチルエチルアルコール、2−シクロヘキシルエチルアルコール等が挙げられる。
【0068】
アルコール化合物(IV)の使用量は、2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは0.8〜3モルである。
【0069】
2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)とアルコール化合物(IV)との反応に用いる塩基としては、前記工程(A)におけるアザビシクロオール誘導体(I)と、フルオロベンゼン化合物(II)との反応に用いることができるものとして列記したものと同様のものが挙げられる。
【0070】
ここで用いる塩基の使用量は、2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
【0071】
工程(B)における反応の反応温度は、0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは20℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲である。
工程(B)の反応をこのような反応温度で行うことにより、目的物を収率よく得ることができる。
【0072】
工程(B)の反応を行う方法としては、(δ)2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)の溶媒溶液に所定量の塩基を加え、次いで、所定量のアルコール化合物(IV)(又はアルコール化合物(IV)の溶媒溶液)を添加し、全容を所定温度で攪拌する方法、(ε)2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)及びアルコール化合物(IV)の溶媒溶液に、所定量の塩基を添加し、全容を所定温度で攪拌する方法、(ζ)アルコール化合物(IV)の溶媒溶液に所定量の塩基を加え、次いで、所定量の2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体(III)の溶媒溶液を添加し、全容を所定温度で攪拌する方法等が挙げられる。収率よく目的物を得る上では、(δ)の方法が好ましい。
【0073】
得られた反応液から、有機合成化学における通常の後処理操作を行うことにより、目的とする置換フェノキシアザビシクロ誘導体を単離することができる。また、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法等の公知の精製手段を用いることできる。
【0074】
目的物の構造は、融点測定や元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトルの測定により、同定、確認することができる。
【0075】
以上のようにして得られる置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体(V)の具体例を第2表に示す。なお、以下に示す置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体(V)には、不斉炭素原子に基づく光学異性体が存在し得るが、これらはすべて本発明に含まれる。
【0076】
【表8】

【0077】
【表9】

【0078】
【表10】

【0079】
【表11】

【0080】
【表12】

【0081】
【表13】

【0082】
【表14】

【0083】
【表15】

【0084】
【表16】

【0085】
【表17】

【0086】
【表18】

【0087】
【表19】

【0088】
【表20】

【0089】
【表21】

【0090】
【表22】

【0091】
【表23】

【0092】
【表24】

【0093】
【表25】

【0094】
【表26】

【0095】
【表27】

【0096】
【表28】

【実施例】
【0097】
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0098】
(実施例1)
3−ベンジル−8−(2−シクロプロピルメトキシ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物1)の合成
【0099】
【化8】

【0100】
3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(化合物2)10.0g(45.6mmol)を、トルエン46mL及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)7mLの混合溶媒に溶解し、カリウムt−ブトキシド 7.16g(63.8mmol)を加えたのち、0〜5℃にて3,4−ジフルオロベンゾトリフルオライド(化合物3)8.59g(46.5mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、全容を0〜5℃で5時間、室温で2時間さらに攪拌した。
その後、3−ベンジル−8−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4)を含む反応液を室温に戻し、そこへ、シクロプロピルメタノール(化合物5)3.95g(54.7mmol)及びカリウムt−ブトキシド 7.68g(68.4mmol)を順次加え、全容を4時間加熱還流した。
反応液を室温に戻して水を加え、有機層を分取、これをさらに水洗した後、濃縮乾固して得られた残渣をメタノールにて結晶化して,表記化合物1を14.04g(収率71.4%)得た。得られた化合物1の純度は92.9重量%であり、融点は51.5℃であった。
【0101】
(実施例2)
3−ベンジル−8−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4)の合成
【0102】
【化9】

【0103】
3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(化合物2)10.0g(45.5mmol)をN−メチルピロリドン(NMP)68mLに溶解し、カリウムt−ブトキシド 7.66g(68.3mmol)を加え、−10℃にて、3,4−ジフルオロベンゾトリフルオライド(化合物3)8.82g(48.4mmol)を1時間かけて滴下した後、全容を−10℃で2時間さらに攪拌した。
反応液に水を加え、35%塩酸を用いてpH4とし、トルエンにて3回抽出した。有機層を集め、水洗した後、濃縮した。得られた残渣をメタノールにて結晶化して表記化合物4を11.62g(収率65.7%)得た。得られた化合物4の純度は97.6重量%であり、融点は60.8℃であった。
【0104】
(実施例3)
3−ベンジル−8−(2−シクロプロピルメトキシ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物1)の合成
【0105】
【化10】

【0106】
ジオキサン10mLに95%水酸化カリウム1.77g(30.0mmol)を加えて、室温で30分攪拌した。そこへ、3−ベンジル−8−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4)3.83g(10.0mmol)及びシクロプロピルメチルアルコール(化合物5)0.87g(12.1mmol)を順次加え、全容を100℃にて2時間攪拌した。
反応液を室温に戻して水を加えた後、ジオキサン層を分取し、表記化合物1を含むジオキサン溶液13.4gを得た。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた定量分析の結果、この溶液は表記化合物1を28.9重量%含有しており、収率は89.9%であった。
【0107】
(実施例4)
3−ベンジル−8−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4)の合成
【0108】
【化11】

【0109】
3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(化合物2)10.0g(45.6mmol)を、トルエン46mL及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)7mLの混合溶媒に溶解し、カリウムt−ブトキシド 7.16g(63.8mmol)を加え、−5〜−10℃にて、3,4−ジフルオロベンゾトリフルオライド(化合物3)8.59g(46.5mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、全容を−5〜−10℃で5時間、室温で1時間さらに攪拌した。
反応液に水及びトルエンを順次加え、有機層を分取した。有機層を水洗して表記化合物4含むトルエン溶液36.56gを得た。HPLCを用いた定量分析の結果、この溶液は表記化合物4を41.52重量%含有しており、収率は87.8%であった。
【0110】
(実施例5)
3−ベンジル−8−(2−シクロプロピルメトキシ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物1)の合成
【0111】
【化12】

【0112】
実施例4で得た3−ベンジル−8−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(化合物4)を含むトルエン溶液35.56gに、トルエン16mL、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)4.6mL、シクロプロピルメチルアルコール(化合物5)3.95g(54.7mmol)、及びカリウムt−ブトキシド 5.12g(45.6mmol)を順次加えた後、全容を10時間加熱還流した。この間、カリウムt−ブトキシドを合計5.12g(45.6mmol)追加しながら反応を行った。
反応液を室温に戻して水を加え、有機層を分取した。有機層を水洗した後、濃縮乾固して得られた残渣をメタノールにて結晶化して表記化合物1を12.38g(収率59.83%)得た。得られた化合物1の純度は95.04重量%、融点は、51.5℃であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、または置換基を有するアミノ基を表し、nは1または2を表す。)
で示されるアザビシクロオール誘導体と、式(II)
【化2】

(式中、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、または無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲノベンゼン化合物を、塩基存在下、20℃以下で反応させて、式(III)
【化3】

(式中、R、R、nおよびXは前記と同じ意味を表す。)
で示される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体を得、さらに、得られた式(III)で表される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体を、塩基の存在下、式(IV)
【化4】

(式中、Rは、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、またはアシル基を表す。)で示されるアルコール化合物と反応させることを特徴とする、式(V)
【化5】

(式中、R〜Rおよびnは前記と同じ意味を表す。)で示される置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記式(II)および式(III)で表される化合物が、前記式(II)および式(III)中、Xがフッ素原子または塩素原子の化合物である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
式(III)
【化6】

(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、または置換基を有するアミノ基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、または無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、nは1または2を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体。
【請求項4】
前記式(III)中、Xがフッ素原子または塩素原子の化合物である請求項3に記載の2−ハロゲノフェノキシアザビシクロオクタン誘導体。
【請求項5】
式(V)
【化7】

(式中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルケニル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数2〜20のアルキニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、無置換若しくは置換基を有するヘテロアリール基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、または置換基を有するアミノ基を表し、Rは、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、またはアシル基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、または無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基を表し、nは1または2を表す。)で示される置換フェノキシアザビシクロオクタン誘導体。

【公開番号】特開2009−57299(P2009−57299A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224234(P2007−224234)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】