説明

美容・健康浴槽および薬液

【課題】美容・健康浴槽および薬液を提供する。
【解決手段】該浴槽は筐体とインナーシリンダと、アウターシリンダとを入れ子状に重ねて、かつその間に隙間を残す。アウターシリンダの壁上に、超音波を生成してシリンダ内の水を振動させ、インナーシリンダ内の薬液に振動を生成させる超音波発生器アセンブリを設けた。薬液をインナーシリンダの中に入れて、人体の全身美容と、健康維持が実現できるとともに、超音波発生器アセンブリによる薬液の振動によって、薬液をさらに有効に人体の皮膚に導入することができる。循環ポンプで薬液を循環、流動させて、薬液の温度が高くならいようにする。アウターシリンダ中の湯でインナーシリンダ中の薬液を加熱し、安全な保温効果を実現する。使用者の要求に応じて、超音波発生器を制御し、カスタム化記録およびカスタム化制御を実現し、該美容・健康浴槽のスマート制御性能を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に関し、さらに具体的には、美容・健康浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の美容・健康商品は、一般に、人体の局所に対して美容と健康維持を行うものである。例えば、美白商品は、往々にして顔のみを美しくするものである。しかしながら、時代の変化に伴い、人々が各種宴席に出席する際に、特に女性はスカートを履くことがよくあるが、多くのスカートは短く、また背中を露出し、大多数の女性が肌の黒さを気にしている。こうした状況において、比較的きまりの悪い状況が往々にして現れるため、現在、全身に対する美白を行い健康を維持する商品が求められている。また、従来の美容・健康商品は、利用者に対してケアを行う際に、薬液を使用して塗布するか、または浸すだけであり、薬液の肌への浸透効果が比較的低い。出願番号200920129563.5号の実用新案は、「美容・健康浴槽」を出願しており、超音波振動により薬液機能を増強する浴槽を公開しているが、この考案においては、薬液の健康維持効果が充分に理想的でなく、インナーシリンダ中の薬液は、ヒーターを用いて加熱するしかないため、漏電の危険性がある程度存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術の美容・健康商品における、全身に対する美容・健康維持の機能を有さず、健康維持のプロセスにおける薬液の肌への浸透効果が比較的低いなどの欠点に対して、美容・健康浴槽を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの技術的な問題を解決するために本考案が採用する技術的手段は、筐体と、シリンダとを含み、前記シリンダは、インナーシリンダと、アウターシリンダとを入れ子状に重ねてなり、かつ両者の間に隙間を残し、アウターシリンダのシリンダ壁上に、超音波を生成してアウターシリンダ内の水を振動させ、インナーシリンダ内の薬液に振動を生成させる、少なくとも1セットの超音波発生器アセンブリが設けてある美容・健康浴槽を構成する。
【0005】
前記筐体上に、入力装置が設けてあり、前記筐体内に、マイクロ・コントロール・ユニットと、記憶装置とが設けてある。入力装置は、入力された振動設定パラメータを採取するために用いられる。記憶装置は、振動設定パラメータを保存するために用いられる。マイクロ・コントロール・ユニットは、入力装置が送信した振動設定パラメータまたは記憶装置中に記憶された振動設定パラメータを読み取り、超音波発生器アセンブリの周波数および出力を調節するために用いられる。
【0006】
前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を35℃〜45℃の間に保つために、湯を循環させてアウターシリンダ中に注入する第1の循環ポンプがさらに設けてある。
【0007】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記美容・健康浴槽は、アウターシリンダのシリンダ壁上に設けられ、背中に対して超音波マッサージを行う第1の超音波発生器アセンブリと、腰に対して超音波マッサージを行う第2の超音波発生器アセンブリと、下肢の腹側および腰側に対して超音波マッサージを行う第3の超音波発生器アセンブリと、腹部に超音波マッサージを行う第4の超音波発生器アセンブリと、前胸部に対して超音波マッサージを行う第5の超音波発生器アセンブリと、前記筐体上に設けられ、顔に対して超音波美白シャワーマッサージを行う第6の超音波発生器アセンブリとを含む。
【0008】
前記第6の超音波発生器アセンブリは、手持ち式超音波シャワー器であり、前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を前記手持ち式超音波シャワー器によって導出し、顔に対して超音波美白シャワーマッサージを行うマイクロポンプが設けてある。
【0009】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記手持ち式超音波シャワー器は、ヘッドと、前記ヘッドに接続した導管と、前記導管に接続した前記マイクロポンプとを含む。前記ヘッド内に、超音波トランスデューサが設けてある。
【0010】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記アウターシリンダのシリンダ壁上に、アウターシリンダ中の湯の温度を検出し調節する第1の温度コントローラが設けてあり、前記第1の温度コントローラは、前記マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続する。および/または
【0011】
前記インナーシリンダのシリンダ壁上に、インナーシリンダ中の薬液の温度を検出する第2の温度コントローラが設けてあり、前記第2の温度コントローラは、前記マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続する。
【0012】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を循環させる第2の循環ポンプがさらに設けてある。
【0013】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記インナーシリンダの背もたれ斜壁上に、背もたれ框体が設けてある。前記背もたれ框体内に、複数の軸管が間隔をあけて設けてあり、各軸管にシリカゲルジャケットが被装されている。
【0014】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記インナーシリンダの底部に、框体シートが設けてある。前記框体シート内に、複数の軸管が間隔をあけて設けてあり、各軸管にシリカゲルジャケットが被装されている。
【0015】
本発明に記載の美容・健康浴槽において、前記美容・健康浴槽は、マイクロ・コントロール・ユニットに制御コマンドを送信する外部リモートコントローラをさらに含む。前記筐体内に、排水を定時に放出する排水弁がさらに設けてあり、前記排水弁は、マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続する。
【0016】
本発明の別の側面により、前記美容・健康浴槽に用いる薬液を提供する。水100部につき、前記薬液は、以下を含有する。
【0017】
ビャクシ1〜5重量部。
【0018】
ビャクキュウ1〜5重量部。
【0019】
真珠粉末ナノ顆粒1〜5重量部。
【0020】
ビタミン混合物1〜5重量部。
【0021】
その他添加剤0〜30重量部。
【0022】
本発明に記載の薬液において、前記ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCおよびビタミンEの複合体を含む。前記ビタミンB複合体は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12および葉酸のうちの1種または1種以上の混合物である。
【0023】
本発明に記載の薬液において、その他添加剤は、肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤、血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤、ならびに停滞した水液を除去して痰を取り除く作用および硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤のうちの1種または1種以上の混合物とすることができる。
【0024】
肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤は、サイコ、コウブシ、セイヒ、ブッシュカン、カラタチ、バラの花、青ミカンの葉、モッコウおよびゴウカンヒの粉末剤を含む。前記血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤は、ウコン、センキュウ、センザンコウ、オウフルギョウ、サンリョウ、穫木、肉桂およびトウキの粉末剤を含む。前記停滞した水液を除去して痰を取り除き、硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤には、ハンゲ、テンナンショウ、ハクガイシ、海藻、コンブ、カゴソウ、ゲンジン、牡蠣、穫茎およびマチンシ、ならびに敏感肌に対して比較的有効なクジン、ジャショウシ、ボルネオールおよびケイガイがある。
【発明の効果】
【0025】
本発明の美容・健康浴槽および薬液を実施することにより、以下の有益な効果を有する。薬液をインナーシリンダの中に入れることによって、人体に対して全身の美容、健康維持を実現することができるとともに、使用者は、入浴プロセスにおいて、超音波発生器アセンブリによる薬液の振動によって、薬液をさらに有効に人体に導入することができる。薬液の温度が高すぎたり低すぎたりすることがないようにするため、循環ポンプによって、薬液を循環させ流動させることにより、薬液の温度が適切になるよう調節し、高すぎまたは低すぎになることを回避する。また、入浴ケアのプロセスは比較的長いため、薬液の温度が低すぎになることを回避するために、筐体内にヒーターアセンブリが設けられ、これによって、薬液の温度が比較的低いときに、起動して加熱する。さらに、該美容・健康浴槽のケース上に入力装置を設けることによって、使用者の実際の状況および要求に応じて、超音波発生器およびヒーターを制御し、かつ記憶装置を設けることによって、使用者の入力設置に応じて、対応する設定パラメータを記憶し、使用者のカスタム化記録を実現する。これによって、カスタム化入浴制御を実現し、該美容・健康浴槽のスマート制御性能を高める。さらに、使用者は、入浴プロセスにおいて、超音波の作用により、人体に対して均一な超音波マッサージを行い、これによって、体をスリムにする効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の美容・健康浴槽の一実施例の側面図を示す。
【図2】本発明の美容・健康浴槽の一実施例の上面図を示す。
【図3】マイクロ・コントロール・ユニットの構成を示す。
【図4】手持ち式超音波シャワー器の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1および図2に示すように、本発明の美容・健康浴槽の一実施例において、筐体1と、シリンダとを含み、シリンダは、インナーシリンダ2と、アウターシリンダとを入れ子状に重ねてなり、かつ両者の間に隙間を残す。アウターシリンダのシリンダ壁上に、超音波を生成してアウターシリンダ内の水を振動させ、インナーシリンダ2内の薬液に振動を生成させる、超音波発生器アセンブリが設けてある。筐体1上に、入力装置5が設けてあり、筐体1内に、マイクロ・コントロール・ユニットと、記憶装置とが設けてある。入力装置5は、入力された振動設定パラメータを採取するために用いられる。記憶装置は、振動設定パラメータを保存するために用いられる。マイクロ・コントロール・ユニットは、入力装置5が送信した振動設定パラメータまたは記憶装置中に記憶された振動設定パラメータを読み取り、超音波発生器アセンブリの周波数および出力を調節するために用いられる。
【0028】
この実施例中において、筐体1は矩形構造であり、インナーシリンダ2およびアウターシリンダの設計については、使用者は入浴ケアのプロセスにおいて一般に座って入浴するため、インナーシリンダ2は、主に底部と、背もたれ斜壁と、3つの側壁とを含む。アウターシリンダは、インナーシリンダ2の中間層構造になるように設計し、すなわちインナーシリンダ2の外側に背もたれ斜壁中間層31および底部中間層32を形成し、インナーシリンダ2の上部開口部に、回転可能な中間層トップカバー33を形成する。具体的な設計の際には、中間層トップカバー33の横断面は、直角台形と、矩形とからなり、直角台形の下底と矩形の幅の広い共通辺とによって五角形を形成する。この五角形の中間層トップカバー33の頂部に手すり331が設けてある。手すり331の作用によって、手で握って中間層トップカバー33を回転させ開閉するのに便利である一方で、使用者は、浴槽中に入浴するときに、該手すり331を手で握って、自身の浴槽中での姿勢および位置を調節することができる。中間層トップカバー33の回転の実施は、主にその直角辺に回転軸を設けることにより、筐体1と回転軸接続を行う。この実施例において、超音波発生器アセンブリは、背もたれ斜壁中間層31に設けられた複数の超音波発生器4と、底部中間層32に設けられた複数の超音波発生器4と、中間層トップカバー33に設けられた複数の超音波発生器4とを含む。機能上、これらの固定式の超音波発生器4は、6ステップに分けることができる。第1のステップは、主に該浴槽中で入浴する使用者の背中に作用し、第2のステップは、主に使用者の腰に作用し、第3のステップは、主に下肢の背中側および腰側に作用し、第4のステップは、主に腹部に作用し、第5のステップは、主に前胸部に作用し、第6のステップは、顔に作用する。すなわち、この実施例において、低出力の手持ち式超音波シャワー器がさらに設けてあり、かつ筐体内にインナーシリンダ中の薬液を手持ち式超音波シャワー器によって導出し、顔に対して超音波美白シャワーマッサージを行うマイクロポンプ(図示せず)が設けてある。該シャワー器の構造は、家庭用シャワーヘッドの形式とすることができ、図4に示すように、手持ち式超音波シャワー器は、ヘッド201と、導管202とを含む。導管202の一端はヘッド201と接続し、他端はマイクロポンプと接続する。これによって、マイクロポンプを介して、薬液を導管202に汲み入れ、さらにヘッド201によって噴射する。該シャワー器のマッサージ効果を増強するため、ヘッド201に超音波トランスデューサ203を設けることによって、該ヘッドが顔に接触するときに、振動マッサージ効果をもたせ、これによって、薬液の顔の肌に対する美白・健康効果をさらに増強する。具体的な設計の際には、安全で快適な効果を達成するため、該該超音波トランスデューサは、小出力の超音波トランスデューサを選択する。すなわち、該超音波トランスデューサの出力は、5〜15Wとする。使用者は、入浴プロセスにおいて、該ヘッドを手で持ち、顔に対してマッサージを行い、薬液を顔に導入し、顔に対して美白ケアを行うことができる。この設計において、固定式の超音波発生器については、各超音波発生器4の出力は60Wとし、超音波周波数は25KHz、28KHz、35KHz、40KHzまたは100KHzとし、計100の超音波発生器とする。また、インナーシリンダ2とアウターシリンダとの隙間は、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、110mmまたは120mmとすることができる。動作プロセスにおいて、超音波発生器アセンブリは、マイクロ・コントロール・ユニットの制御下で、設定に基づき対応する数の超音波発生器を起動し出力および周波数に対する設定要求を満たす。超音波に動かされて、アウターシリンダ内の水に振動が生成され、さらに、アウターシリンダ内の水の振動によって、インナーシリンダ2の対応するシリンダ壁が振動し、これによって、インナーシリンダ2中の薬液にも振動が生成される。そのため、入浴プロセスにおいて使用する際に、薬液は振動しているため、薬液の人体への導入を助けることを実現し、薬液の美容・健康効果を増強する。本発明において、該薬液は、使用者の肌に対して美白を行う薬液とすることも、その他各種美容・健康薬液とすることもできる。
【0029】
設計上、外部の湯を循環させてアウターシリンダ中に注入することによって、アウターシリンダ中の水を一定の温度に保ち、さらにアウターシリンダ中の湯によりインナーシリンダ中の薬液を加熱することによって、インナーシリンダ2中の薬液を35℃〜45℃の間に保つために、筐体1中に第1の循環ポンプ(図示せず)を設けることができる。アウターシリンダ中の湯の温度の検出および制御については、アウターシリンダのシリンダ壁上に温度コントローラ(図示せず)を設けることができる。該温度コントローラは、マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続する。これによって、アウターシリンダ中間層の温度をリアルタイムに採取することができ、さらにアウターシリンダ中間層の温度を調節することができる。好ましい実施例において、アウターシリンダ中の湯の温度を制御することにより、インナーシリンダ中の薬液を35℃〜40℃に保つことができ、使用者がある程度の時間入浴した後に、薬液が冷めることによりもたらされるケア効果の低下および身体にもたらされる不快感を回避することができる。また、インナーシリンダ中の薬液の温度をリアルタイムに観察することができるようにするため、インナーシリンダのシリンダ壁上に第2の温度コントローラを設ける。第2の温度コントローラは、マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続する。これによって、第2の温度コントローラはインナーシリンダ中の薬液について、対応する表示を行う。また、インナーシリンダ2の両側にはアウターシリンダ中間層が設けられていないため、比較的優れた加熱効果を得るために、インナーシリンダ2の両側壁の外側に加熱アセンブリを設けることができる。具体的な設計の際には、両側にそれぞれ2つのヒーターを対称に置くことができ、各ヒーターの加熱出力は5KW、10KW、15KWまたは20KWとすることができ、計4つのヒーターとする。該ヒーターアセンブリは、マイクロ・コントロール・ユニットの制御下で、対応するヒーターを起動する。インナーシリンダ2中の薬液を加熱するため、本発明の浴槽は、2セットの加熱システムによってインナーシリンダ中の薬液を加熱することができる。1つはアウターシリンダ中の湯の循環によるインナーシリンダ中の薬液に対する加熱であり、もう1つはインナーシリンダの両側壁上の加熱アセンブリによるインナーシリンダ中の薬液に対する加熱である。これによって、インナーシリンダ中の薬液の温度に対する全面的な制御を実現する。
【0030】
該美容・健康浴槽は、全身に対する美容を行い健康を維持するため、使用者がインナーシリンダ2中に座り、斜壁にもたれかかる。その際に、臀部および背中の薬液への接触が比較的少なくなり、この2箇所で比較的優れたケア効果が得られなくなることがある。そのため、本発明のさらに画期的な点は、インナーシリンダ2の底部および斜壁に、背もたれ框体と、シート框体とを設けることによって、使用者の入浴時に、臀部はシート框体のフレームのみと接触し、他の部位は薬液と充分に接触し、同様に、背部も框体背もたれのフレームのみと接触し、他の部位は薬液と充分に接触することである。また、別の実施例においては、使用者が座り、もたれかかるときに、フレームのみと接触すると不快感があることを考慮している。そのため、使用者が座り、もたれかかるときに、薬液と充分に接触できないことをなくすだけでなく、比較的快適な感覚をもつことができるようにするため、設計時に、框体背もたれおよび框体シートの框体において、複数の軸管が間隔をあけて設けられ、シリカゲルジャケットを使用して軸管を被装し、使用者の快適感をさらに増強する。使用者は、入浴プロセス中に、手すり331を手で握って、身体の位置を随時調節し、他の部位を框体背もたれおよび框体シートのフレームおよび軸管と接触させることができる。
【0031】
水100部につき、薬液は、ビャクシ1〜5重量部と、ビャクキュウ1〜5重量部と、真珠粉末ナノ顆粒1〜5重量部と、ビタミン複合体1〜5重量部と、その他添加剤0〜30重量部とを含有する。好ましい実施例において、ビャクシは2、3または4重量部が好ましく、ビャクキュウは2、3または4重量部が好ましく、真珠粉末ナノ顆粒は2、3または4重量部が好ましく、ビタミン複合体も2、3または4重量部が好ましい。
【0032】
実施例において、ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどの複合体を含む。ビタミンAは、皮膚の生理代謝および成長の一般的な需要を提供することができる。ビタミンB複合体は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12および葉酸のうちの1種または1種以上の混合物である。ビタミンB1は、主にエネルギーの生成および炭水化物、脂肪およびアルコールの代謝に関連する。ビタミンB2は、細胞呼吸作用の酵素形成プロセスにおいて非常に重要な役割を果たすとともに、脂肪、タンパク質および炭水化物の代謝に密接に関係する。ビタミンB3は、糖代謝プロセスにおける酵素の重要な補因子である。ビタミンB6は、タンパク質およびアミノ酸の代謝において重要な役割を果たす。また、糖、必須ミネラルおよび化学物質(ヒスタミンなど)の代謝プロセスにも関与する。ビタミンB12は、唯一金属元素を含むビタミンである。
【0033】
該使用者の入浴の健康維持効果をさらに増強するため、その他添加剤は、肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤、血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤、ならびに停滞した水液を除去して痰を取り除く作用および硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤のうちの1種または1種以上の混合物とすることができる。肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤は、サイコ、コウブシ、セイヒ、ブッシュカン、カラタチ、バラの花、青ミカンの葉、モッコウおよびゴウカンヒの粉末剤を含む。前記血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤は、ウコン、センキュウ、センザンコウ、オウフルギョウ、サンリョウ、穫木、肉桂およびトウキの粉末剤を含む。前記停滞した水液を除去して痰を取り除き、硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤には、ハンゲ、テンナンショウ、ハクガイシ、海藻、コンブ、カゴソウ、ゲンジン、牡蠣、穫茎およびマチンシ、ならびに敏感肌に対して比較的有効なクジン、ジャショウシ、ボルネオール、ケイガイなどがある。
【0034】
図1に示すように、入力装置5は、筐体1の前側パネル上に設けられる。入力装置5は、操作パネルとして設計する。該パネル上には、キーおよび/またはボタンが設けてある。図3に示すように、使用者は、キーを押すか、またはダイヤルを調節することによって、対応する設定信号を筐体1内のマイクロ・コントロール・ユニットに送信することができる。マイクロ・コントロール・ユニットは、該設定信号を受信し、該美容・健康浴槽に対して対応する制御を行うことができる。具体的にはアウターシリンダに対する注水とともに、インナーシリンダ2に対する薬液の注入を起動することができる。または、超音波発生器アセンブリの周波数および出力を設定し、特定の利用者の需要を満たすことができる。または、ヒーターアセンブリを起動して、インナーシリンダ2中の薬液を設定温度まで加熱することができる。また、筐体1内には、使用者が入力装置5を介して設定したパラメータをリアルタイムに記憶できる記憶装置が設けてある。該パラメータは、超音波発生器アセンブリに関連する振動設定パラメータとすることも、ヒーターアセンブリに関連する加熱設定パラメータとすることもできる。これによって、異なる使用者の具体的な要求について、カスタム化設定を行うことができる。使用者が美容ケアを再度行うときに、各項のパラメータを再設定する必要がなく、マイクロ・コントロール・ユニットを起動するだけで、マイクロ・コントロール・ユニットが記憶装置から対応する記録を読み取り、美容ケアを便利に行うことができる。
【0035】
また、使用者の入浴ケアの開始段階において薬液が一定の温度を有する一方で、超音波発生器アセンブリが薬液を振動させるプロセスにおいて一定の熱量を生成するため、薬液の温度が高すぎになり、使用者の入浴の快適感に影響を及ぼすことがある。そのため、本発明は、さらに筐体1において第2の循環ポンプ6を設け、第2の循環ポンプ6によって薬液を循環させることによって、薬液の温度が高すぎになることを回避する。また、使用者の入浴プロセス中に、リアルタイムに、便利に調節できるようにするため、該美容・健康浴槽には、関連する設定調節コマンドによって、赤外線送信機を介して、マイクロ・コントロール・ユニットに送信する外部リモートコントローラがさらに配置されている。マイクロ・コントロール・ユニットは、赤外線受信器によって関連するコマンドを受信した後、リアルタイムに調節を行い、使用者の要求を満たす。図1および図2に示すように、筐体1上に緊急停止スイッチ7が設けてあり、緊急状況が生じた場合に、該緊急停止スイッチを押すことによって、電源を切り、機器の運転を停止することができる。また、筐体1上には、冷水注入口9および湯注水口10がさらに設けてあり、必要に応じてインナーシリンダ2中の薬液の濃度および温度を調節することができる。また、入水弁8が設けてあり、水の注入を制御できるとともに、インナーシリンダ2およびアウターシリンダのために排水口11が配置されている。排水口11には、排水弁が設けてあり、注水時および使用者が入浴し健康維持を行うときに、マイクロ・コントロール・ユニットが該排水弁を制御して閉じる。好ましい実施例において、該マイクロ・コントロール・ユニットにタイマーが集積されており、注水の完了後に、該タイマーが計時を起動し、計時時間に達した後、マイクロ・コントロール・ユニットが排水弁を開いて自動排水を行う。
【0036】
本発明の技術手段の超音波美容・健康維持は、超音波が液体媒体中を伝達するときに特有の「キャビテーション効果」という物理作用に基づくものである。超音波発生器によって生成される電気エネルギーは、超音波トランスデューサの逆圧電効果によって超音波エネルギーの形態に転換され、液体媒体中に放射される。超音波音場の強度が洗浄媒体のキャビテーションバルブを超えたときに、洗浄液媒体において、超音波の負圧によって無数の膨大な「空洞」が迅速に生成される。超音波が正圧のときには、「空洞」が強力に圧縮され、「空洞」内部は千気圧に達し、爆発して、ミクロな衝撃波を形成して浴槽内で入浴する人体の皮膚表面に作用する。超音波は毎秒数万回で、負圧で膨大な「空洞」が形成され、正圧で強力に圧縮されて無数の「空洞」が爆発し、高周波数で無数のミクロな衝撃波が生成される。これがすなわち超音波の「キャビテーション効果」である。この超音波の「キャビテーション効果」が人体の皮膚表面に作用し、美容と健康維持を行い、皮膚表面のミクロな汚れ、剥がれた角質を全面的に除去することができる。美容・健康薬剤中の有効成分を高効率に皮膚深層に吸収させる。「キャビテーション効果」のミクロな衝撃波の全面的なマッサージ作用によって、皮膚毛細血管の流れをよくし、微小循環を改善し、皮膚の活性および新陳代謝を促進する。超音波には、ある程度の滅菌、スキンケア効果がある。該美容・健康浴槽は、有効な美白、健康維持専用薬剤の前提の下で、超音波の特徴を独創的に結合し、美容・健康維持に用いる。
【0037】
該美容・健康浴槽の具体的な設計において、背中、胸、腹、腰、両足の腹背側および顔などの各部位に対して、それぞれ美容・健康維持の超音波パラメータ設定および制御を行うことができる。インナーシリンダ2の背もたれ斜壁と水平面との角度は、30、35、40または45度の傾斜構造を呈して設計する。アウターシリンダ特有の上、下中間層の構造によって、超音波の均一な伝達を実現する。中間層トップカバー33については、トップカバーと、上中間層のオートロック式モータと、減速器と、コネクティングロッド伝動機構とによって構成され設計される。
【0038】
本発明について、いくつかの具体的な実施例によって説明したが、当業者には、本発明の範囲を逸脱せずに、本発明に対して各種変更および同等の置換を行うことができることは明らかである。また、特定の状況または具体的な状況について、本発明の範囲を逸脱せずに、本発明に対して各種修正を行うことができる。そのため、本発明は、公開された具体的な実施例に限られるものではなく、本発明の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、シリンダとを含む美容・健康浴槽であって、前記シリンダは、インナーシリンダと、アウターシリンダとを入れ子状に重ねてなり、かつ両者の間に隙間を残し、アウターシリンダのシリンダ壁上に、超音波を生成してアウターシリンダ内の水を振動させ、インナーシリンダ内の薬液を振動させる、少なくとも1セットの超音波発生器アセンブリが設けてあり、
前記筐体上に、入力装置が設けてあり、前記筐体内に、マイクロ・コントロール・ユニットと、記憶装置とが設けてあり、入力装置は、入力された振動設定パラメータを採取するために用いられ、記憶装置は、振動設定パラメータを保存するために用いられ、マイクロ・コントロール・ユニットは、入力装置が送信した振動設定パラメータまたは記憶装置中に記憶された振動設定パラメータを読み取り、超音波発生器アセンブリの周波数および出力を調節するために用いられ、
前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を35℃〜45℃の間に保つために、湯を循環させてアウターシリンダ中に注入する第1の循環ポンプがさらに設けてあることを特徴とする美容・健康浴槽。
【請求項2】
アウターシリンダのシリンダ壁上に設けられ、背中に対して超音波マッサージを行う第1の超音波発生器アセンブリと、腰に対して超音波マッサージを行う第2の超音波発生器アセンブリと、下肢の腹側および腰側に対して超音波マッサージを行う第3の超音波発生器アセンブリと、腹部に超音波マッサージを行う第4の超音波発生器アセンブリと、前胸部に対して超音波マッサージを行う第5の超音波発生器アセンブリと、前記筐体上に設けられ、顔に対して超音波美白シャワーマッサージを行う第6の超音波発生器アセンブリとを含み、
前記第6の超音波発生器アセンブリは、手持ち式超音波シャワー器であり、前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を前記手持ち式超音波シャワー器によって導出し、顔に対して超音波美白シャワーマッサージを行うマイクロポンプが設けてあることを特徴とする請求項1に記載の美容・健康浴槽。
【請求項3】
前記手持ち式超音波シャワー器は、ヘッドと、前記ヘッドに接続した導管と、前記導管に接続した前記マイクロポンプとを含み、前記ヘッド内に、超音波トランスデューサが設けてあることを特徴とする請求項2に記載の美容・健康浴槽。
【請求項4】
前記アウターシリンダのシリンダ壁上に、アウターシリンダ中の湯の温度を検出し調節する第1の温度コントローラが設けてあり、前記第1の温度コントローラは、前記マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続し、および/または
前記インナーシリンダのシリンダ壁上に、インナーシリンダ中の薬液の温度を検出する第2の温度コントローラが設けてあり、前記第2の温度コントローラは、前記マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続することを特徴とする請求項2に記載の美容・健康浴槽。
【請求項5】
前記筐体内に、インナーシリンダ中の薬液を循環させる第2の循環ポンプがさらに設けてあり、マイクロ・コントロール・ユニットに制御コマンドを送信する外部リモートコントローラをさらに含み、前記筐体内に排水を定時に放出する排水弁がさらに設けてあり、前記排水弁は、マイクロ・コントロール・ユニットと電気的に接続することを特徴とする請求項2に記載の美容・健康浴槽。
【請求項6】
前記インナーシリンダの背もたれ斜壁上に、背もたれ框体が設けてあり、前記背もたれ框体内に、複数の軸管が間隔をあけて設けてあり、各軸管にシリカゲルジャケットが被装されていることを特徴とする請求項2に記載の美容・健康浴槽。
【請求項7】
前記インナーシリンダの底部に、框体シートが設けてあり、前記框体シート内に、複数の軸管が間隔をあけて設けてあり、各軸管にシリカゲルジャケットが被装されていることを特徴とする請求項2に記載の美容・健康浴槽。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の美容・健康浴槽に用いる薬液であって、水100部につき、前記薬液は、
ビャクシ1〜5重量部と、
ビャクキュウ1〜5重量部と、
真珠粉末ナノ顆粒1〜5重量部と、
ビタミン混合物1〜5重量部と、
その他添加剤0〜30重量部と、
を含有することを特徴とする薬液。
【請求項9】
前記ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCおよびビタミンEの複合体を含み、前記ビタミンB複合体は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12および葉酸のうちの1種または1種以上の混合物であることを特徴とする請求項8に記載の薬液。
【請求項10】
その他添加剤は、肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤、血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤、ならびに停滞した水液を除去して痰を取り除く作用および硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤のうちの1種または1種以上の混合物とすることができ、
肝機能を高め気の流れをよくする作用を有する粉末剤は、サイコ、コウブシ、セイヒ、ブッシュカン、カラタチ、バラの花、青ミカンの葉、モッコウおよびゴウカンヒの粉末剤を含み、前記血流をよくして停滞した状態を改善する作用を有する粉末剤は、ウコン、センキュウ、センザンコウ、オウフルギョウ、サンリョウ、穫木、肉桂およびトウキの粉末剤を含み、前記停滞した水液を除去して痰を取り除き、硬いしこりを柔らかくして散らす作用を有する粉末剤には、ハンゲ、テンナンショウ、ハクガイシ、海藻、コンブ、カゴソウ、ゲンジン、牡蠣、穫茎およびマチンシ、ならびに敏感肌に対して比較的有効なクジン、ジャショウシ、ボルネオールおよびケイガイがあることを特徴とする請求項8に記載の薬液。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−520585(P2011−520585A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513857(P2011−513857)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/CN2009/072978
【国際公開番号】WO2010/133050
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(510273592)
【Fターム(参考)】