美容装置
【課題】肌面の汚れを充分に除去し得る美容装置を提供する。
【解決手段】グリップケース1に支持された弾性振動板2と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板2を超音波振動させる超音波振動子3とを備えた美容装置において、グリップケース1には、弾性振動板2の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部12と、ミストを弾性振動板2による施術部に噴霧するミスト噴霧部6,7,8とを備えた。
【解決手段】グリップケース1に支持された弾性振動板2と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板2を超音波振動させる超音波振動子3とを備えた美容装置において、グリップケース1には、弾性振動板2の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部12と、ミストを弾性振動板2による施術部に噴霧するミスト噴霧部6,7,8とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、超音波振動する弾性振動板を肌面に押し当てて汚れを除去する構成であるため、毛穴に詰まった汚れを充分に除去することができないという問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、肌面の汚れを充分に除去し得る美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持された弾性振動板と、グリップケース内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置において、グリップケースには、弾性振動板の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部と、ミストを前記弾性振動板による施術部に噴霧するミスト噴霧部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、ミスト生成部は、弾性振動板に接し、ミスト溶液を含浸させた含浸部を備え、ミスト噴霧部は、送風部と、含浸部の振動に基づいて生成されるミストを送風部からの送風に基づいて施術部に噴霧するミスト移送管とを備えることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、弾性振動板には、超音波振動子の振幅を増幅して含浸部に伝達する増幅部を備えることが好ましい。
また、上記構成において、増幅部は、リング状の超音波振動子と、超音波振動子のリングの内側部分で前記弾性振動板の肉厚を薄くした共振部とを備えることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、増幅部は、リング状の超音波振動子と、超音波振動子のリングの内側部分に取着された共振体とを備えることが好ましい。
また、上記構成において、超音波振動子を、弾性振動板で施術部を施術する第一の周波数と、含浸部を振動させてミストを生成する第二の周波数とで振動させる制御部を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、制御部は、超音波振動子を第一の周波数と第二の周波数とで交互に振動させることが好ましい。
また、上記構成において、制御部は、第一の周波数と第二の周波数を重畳して超音波振動子を振動させることが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、超音波振動子に供給する電圧を矩形波で供給するとともに、該矩形波のデューティを調整可能とする制御部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、肌面の汚れを充分に除去し得る美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】第二の実施形態を示す縦断面である。
【図8】第三の実施形態を示す平面図である。
【図9】第三の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】第三の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】第四の実施形態の動作を示す波形図である。
【図12】第四の実施形態の別例を示す波形図である。
【図13】第四の実施形態の別例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1にステンレス等の金属で板状に形成された弾性振動板2が支持され、その弾性振動板2の先端部はグリップケース1の先端から突出されている。
【0015】
前記グリップケース1内の中央部には、前記弾性振動板2の基端部下面に接する超音波振動子3が配設される。また、グリップケース1の基端部には前記超音波振動子3の動作を制御する制御部4と、その制御部4に電源を供給する電源部5が配設されている。電源部5は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0016】
そして、制御部4の制御に基づいて超音波振動子3が振動して、弾性振動板2が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、弾性振動板2は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0017】
前記弾性振動板2の上方にはミスト移送管6が配設され、そのミスト移送管6の先端はグリップケース1の先端側で前記弾性振動板2の上方に突出されている。
前記ミスト移送管6の基端部には、ファン7と、そのファン7を回転させるモーター8が送風部として配設され、前記制御部4の制御によりモーター8が回転される。前記ミスト移送管6の中間部には、前記超音波振動子3の上方位置で弾性振動板2に向かって開口する案内部9が設けられている。
【0018】
前記グリップケース1内において、前記モーター8の近傍には、水あるいは化粧水等のミスト溶液を貯留する給水タンク10が配設され、その給水タンク10から前記案内部9の開口部まで給水管11が延設されている。
【0019】
また、前記給水管11内にはフェルト12が充填され、そのフェルト12の先端は、前記案内部9の開口位置の弾性振動板2上まで延設されている。そして、弾性振動板2が振動すると、案内部9の開口部に露出されるフェルト12に含浸されているミスト溶液が細かな水粒すなわちミストとなって案内部9からミスト移送管6内に案内され、そのミストがファン7から送風される風でミスト移送管6の噴出口13から噴出されるようになっている。
【0020】
図3は、この実施形態の美容装置の電気的構成を示す。操作部14は前記グリップケース1の表面に設けられ、その操作部14の操作に基づく操作信号が前記制御部4に出力される。
【0021】
制御部4は、操作部14からの操作信号に基づいて発振回路15を作動させる。発振回路15は前記超音波振動子3に駆動信号を出力し、その駆動信号に基づいて超音波振動子3が弾性振動板2を振動させるとともに、前記ミスト移送管6内にミストを発生させる。また、制御部4は超音波振動子3の駆動とともに、前記モーター8を作動させてミスト移送管6からミストを噴出させる。
【0022】
次に、この実施形態の美容装置の制御部4の動作を図4に従って説明する。操作部14の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ1)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動し、ミスト移送管6内にミストが生成されるとともに(ステップ2)、モーター8が作動して噴出口13からミストが噴出される(ステップ3)。
【0023】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面(施術部)を擦るように施術すると、肌面にミストが噴霧されているので、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が軟化して除去される。
【0024】
ステップ2及びステップ3の動作は、電源スイッチがオフされるまで継続される。そして、電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3及びモーター8の動作が停止する(ステップ4,5)。
【0025】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)肌面にミストを噴霧しながら、超音波振動する弾性振動板2で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを充分に落とすことができる。
(2)弾性振動板2の作動とともに、ミストを生成して噴出口13から施術部に向かってミストを噴霧することができる。
(3)弾性振動板2の振動を利用してミストを発生させることができる。
(第二の実施形態)
図5〜図7は第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態の美容装置の弾性振動板及び超音波振動子を、ミストを発生させ易い構造としたものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
超音波振動子21はリング状に形成され、弾性振動板2は超音波振動子21のリングの内側に位置する部分の肉厚を薄くした共振部22が形成されている。そして、共振部22に前記フェルト12が延設されている。前記共振部22の肉厚は、弾性振動板2の他の部分の肉厚の1/3〜2/3とすることが望ましい。
【0027】
上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
このように構成された美容装置では、弾性振動板2が振動するとき、共振部22の肉厚が薄いことから、共振部22の振幅が他の部分の振幅より大きくなるため、フェルト12の先端部から発生するミストの量が増大する。
【0028】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)弾性振動板2の振動振幅を増大させることなく、ミストの発生量を増大させることができる。
(第三の実施形態)
図8〜図10は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、リング状とした超音波振動子のリング内に共振体を設けてミストの発生量を増大させるようにしたものである。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】
リング状の超音波振動子21のリング内には、共振体23が取着されている。この共振体23は、アルミニウムあるいはチタン等の金属で円板状に形成されて、超音波振動子21が振動するとき、超音波振動子21の振幅より大きな振幅で共振するようになっている。
【0030】
前記共振体23及び超音波振動子21に接する弾性振動板2の肉厚は、第二の実施形態とは異なり、他の部分と同一に形成されている。上記以外の構成は、第二の実施形態と同様である。
【0031】
このように構成された美容装置では、超音波振動子21が振動するとき、共振体23が超音波振動子21の振幅より大きな振幅で振動する。すると、フェルト12の先端部に接する弾性振動板2の振幅が増大して、フェルト12の先端部から発生するミストの量が増大する。
【0032】
上記のように構成された美容装置では、第二の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)弾性振動板2に、肉厚の異なる共振部を設けることなく、リング状の超音波振動子21の内側に共振体23を取着することにより、ミストの発生量を増大させることができる。従って、第二の実施形態に比して、弾性振動板2の製造コストを低減することができる。
(第四の実施形態)
図11〜図13は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、超音波振動子3の振動周波数を制御することにより、弾性振動板2を肌面の施術に適した周波数で振動させながら、ミストの発生量を確保するようにしたものである。制御部4による超音波振動子3の制御以外の機械的構成は、第一の実施形態と同様である。
【0033】
図11は、制御部4により制御された超音波振動子3の振動周波数を示す。時間幅T1では超音波振動子3がミストの発生に適した1〜3MHzの周波数で振動し、時間幅T2では超音波振動子3が肌面の施術に適した10〜100kHzの周波数で振動するように制御部4で制御する。上記振動周波数は、制御部4の制御により超音波振動子3に供給する交流電流の周波数を制御することにより生成される。
【0034】
このような動作により、時間幅T1でミストの発生量を確保しながら、時間幅T2で肌面を施術することができる。
図12は、10〜100kHzの周波数Fで振動する第一の周波数(周期1/F)に、1〜3MHzの第二の周波数f(周期1/f)を重畳した周波数で超音波振動子3を振動させる制御を示す。
【0035】
このような制御により、弾性振動板2の第一の周波数による振動で肌面の施術を行うことができるとともに、弾性振動板2の第二の周波数による振動でミストを発生させることができる。
【0036】
図13は、超音波振動子3に供給する電圧を矩形波Wで供給し、その矩形波Wのデューティを調整することにより、超音波振動子3に供給される電圧を調整するようにしたものである。
【0037】
制御部4で超音波振動子3に供給する矩形波Wのデューティh/tを調整することにより、超音波振動子3に供給する電圧を実質的に調整可能となる。そして、電圧の調整により、超音波振動子3の振幅を容易に調整することができる。
【0038】
このような構成により、弾性振動板2の振幅と、ミストの発生量を最適に調整することができるとともに、弾性振動板2の振幅の無用な増大を防止して、消費電力を低減することができる。
【0039】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第二の実施形態において、共振部22はフェルト12が延設される側を抉って肉厚を薄くしているが、超音波振動子21側を抉ってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…グリップケース、2…弾性振動板、3,21…超音波振動子、4…制御部、6…ミスト噴霧部(ミスト移送管)、7…ミスト噴霧部(送風部、ファン)、8…ミスト噴霧部(送風部、モーター)、12…ミスト生成部(含浸部、フェルト)、22…増幅部(共振部)、23…増幅部(共振体)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、超音波振動する弾性振動板を肌面に押し当てて汚れを除去する構成であるため、毛穴に詰まった汚れを充分に除去することができないという問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、肌面の汚れを充分に除去し得る美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持された弾性振動板と、グリップケース内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置において、グリップケースには、弾性振動板の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部と、ミストを前記弾性振動板による施術部に噴霧するミスト噴霧部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、ミスト生成部は、弾性振動板に接し、ミスト溶液を含浸させた含浸部を備え、ミスト噴霧部は、送風部と、含浸部の振動に基づいて生成されるミストを送風部からの送風に基づいて施術部に噴霧するミスト移送管とを備えることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、弾性振動板には、超音波振動子の振幅を増幅して含浸部に伝達する増幅部を備えることが好ましい。
また、上記構成において、増幅部は、リング状の超音波振動子と、超音波振動子のリングの内側部分で前記弾性振動板の肉厚を薄くした共振部とを備えることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、増幅部は、リング状の超音波振動子と、超音波振動子のリングの内側部分に取着された共振体とを備えることが好ましい。
また、上記構成において、超音波振動子を、弾性振動板で施術部を施術する第一の周波数と、含浸部を振動させてミストを生成する第二の周波数とで振動させる制御部を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、制御部は、超音波振動子を第一の周波数と第二の周波数とで交互に振動させることが好ましい。
また、上記構成において、制御部は、第一の周波数と第二の周波数を重畳して超音波振動子を振動させることが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、超音波振動子に供給する電圧を矩形波で供給するとともに、該矩形波のデューティを調整可能とする制御部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、肌面の汚れを充分に除去し得る美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】第二の実施形態を示す縦断面である。
【図8】第三の実施形態を示す平面図である。
【図9】第三の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】第三の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】第四の実施形態の動作を示す波形図である。
【図12】第四の実施形態の別例を示す波形図である。
【図13】第四の実施形態の別例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1にステンレス等の金属で板状に形成された弾性振動板2が支持され、その弾性振動板2の先端部はグリップケース1の先端から突出されている。
【0015】
前記グリップケース1内の中央部には、前記弾性振動板2の基端部下面に接する超音波振動子3が配設される。また、グリップケース1の基端部には前記超音波振動子3の動作を制御する制御部4と、その制御部4に電源を供給する電源部5が配設されている。電源部5は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0016】
そして、制御部4の制御に基づいて超音波振動子3が振動して、弾性振動板2が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、弾性振動板2は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0017】
前記弾性振動板2の上方にはミスト移送管6が配設され、そのミスト移送管6の先端はグリップケース1の先端側で前記弾性振動板2の上方に突出されている。
前記ミスト移送管6の基端部には、ファン7と、そのファン7を回転させるモーター8が送風部として配設され、前記制御部4の制御によりモーター8が回転される。前記ミスト移送管6の中間部には、前記超音波振動子3の上方位置で弾性振動板2に向かって開口する案内部9が設けられている。
【0018】
前記グリップケース1内において、前記モーター8の近傍には、水あるいは化粧水等のミスト溶液を貯留する給水タンク10が配設され、その給水タンク10から前記案内部9の開口部まで給水管11が延設されている。
【0019】
また、前記給水管11内にはフェルト12が充填され、そのフェルト12の先端は、前記案内部9の開口位置の弾性振動板2上まで延設されている。そして、弾性振動板2が振動すると、案内部9の開口部に露出されるフェルト12に含浸されているミスト溶液が細かな水粒すなわちミストとなって案内部9からミスト移送管6内に案内され、そのミストがファン7から送風される風でミスト移送管6の噴出口13から噴出されるようになっている。
【0020】
図3は、この実施形態の美容装置の電気的構成を示す。操作部14は前記グリップケース1の表面に設けられ、その操作部14の操作に基づく操作信号が前記制御部4に出力される。
【0021】
制御部4は、操作部14からの操作信号に基づいて発振回路15を作動させる。発振回路15は前記超音波振動子3に駆動信号を出力し、その駆動信号に基づいて超音波振動子3が弾性振動板2を振動させるとともに、前記ミスト移送管6内にミストを発生させる。また、制御部4は超音波振動子3の駆動とともに、前記モーター8を作動させてミスト移送管6からミストを噴出させる。
【0022】
次に、この実施形態の美容装置の制御部4の動作を図4に従って説明する。操作部14の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ1)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動し、ミスト移送管6内にミストが生成されるとともに(ステップ2)、モーター8が作動して噴出口13からミストが噴出される(ステップ3)。
【0023】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面(施術部)を擦るように施術すると、肌面にミストが噴霧されているので、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が軟化して除去される。
【0024】
ステップ2及びステップ3の動作は、電源スイッチがオフされるまで継続される。そして、電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3及びモーター8の動作が停止する(ステップ4,5)。
【0025】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)肌面にミストを噴霧しながら、超音波振動する弾性振動板2で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを充分に落とすことができる。
(2)弾性振動板2の作動とともに、ミストを生成して噴出口13から施術部に向かってミストを噴霧することができる。
(3)弾性振動板2の振動を利用してミストを発生させることができる。
(第二の実施形態)
図5〜図7は第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態の美容装置の弾性振動板及び超音波振動子を、ミストを発生させ易い構造としたものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
超音波振動子21はリング状に形成され、弾性振動板2は超音波振動子21のリングの内側に位置する部分の肉厚を薄くした共振部22が形成されている。そして、共振部22に前記フェルト12が延設されている。前記共振部22の肉厚は、弾性振動板2の他の部分の肉厚の1/3〜2/3とすることが望ましい。
【0027】
上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
このように構成された美容装置では、弾性振動板2が振動するとき、共振部22の肉厚が薄いことから、共振部22の振幅が他の部分の振幅より大きくなるため、フェルト12の先端部から発生するミストの量が増大する。
【0028】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)弾性振動板2の振動振幅を増大させることなく、ミストの発生量を増大させることができる。
(第三の実施形態)
図8〜図10は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、リング状とした超音波振動子のリング内に共振体を設けてミストの発生量を増大させるようにしたものである。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】
リング状の超音波振動子21のリング内には、共振体23が取着されている。この共振体23は、アルミニウムあるいはチタン等の金属で円板状に形成されて、超音波振動子21が振動するとき、超音波振動子21の振幅より大きな振幅で共振するようになっている。
【0030】
前記共振体23及び超音波振動子21に接する弾性振動板2の肉厚は、第二の実施形態とは異なり、他の部分と同一に形成されている。上記以外の構成は、第二の実施形態と同様である。
【0031】
このように構成された美容装置では、超音波振動子21が振動するとき、共振体23が超音波振動子21の振幅より大きな振幅で振動する。すると、フェルト12の先端部に接する弾性振動板2の振幅が増大して、フェルト12の先端部から発生するミストの量が増大する。
【0032】
上記のように構成された美容装置では、第二の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)弾性振動板2に、肉厚の異なる共振部を設けることなく、リング状の超音波振動子21の内側に共振体23を取着することにより、ミストの発生量を増大させることができる。従って、第二の実施形態に比して、弾性振動板2の製造コストを低減することができる。
(第四の実施形態)
図11〜図13は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、超音波振動子3の振動周波数を制御することにより、弾性振動板2を肌面の施術に適した周波数で振動させながら、ミストの発生量を確保するようにしたものである。制御部4による超音波振動子3の制御以外の機械的構成は、第一の実施形態と同様である。
【0033】
図11は、制御部4により制御された超音波振動子3の振動周波数を示す。時間幅T1では超音波振動子3がミストの発生に適した1〜3MHzの周波数で振動し、時間幅T2では超音波振動子3が肌面の施術に適した10〜100kHzの周波数で振動するように制御部4で制御する。上記振動周波数は、制御部4の制御により超音波振動子3に供給する交流電流の周波数を制御することにより生成される。
【0034】
このような動作により、時間幅T1でミストの発生量を確保しながら、時間幅T2で肌面を施術することができる。
図12は、10〜100kHzの周波数Fで振動する第一の周波数(周期1/F)に、1〜3MHzの第二の周波数f(周期1/f)を重畳した周波数で超音波振動子3を振動させる制御を示す。
【0035】
このような制御により、弾性振動板2の第一の周波数による振動で肌面の施術を行うことができるとともに、弾性振動板2の第二の周波数による振動でミストを発生させることができる。
【0036】
図13は、超音波振動子3に供給する電圧を矩形波Wで供給し、その矩形波Wのデューティを調整することにより、超音波振動子3に供給される電圧を調整するようにしたものである。
【0037】
制御部4で超音波振動子3に供給する矩形波Wのデューティh/tを調整することにより、超音波振動子3に供給する電圧を実質的に調整可能となる。そして、電圧の調整により、超音波振動子3の振幅を容易に調整することができる。
【0038】
このような構成により、弾性振動板2の振幅と、ミストの発生量を最適に調整することができるとともに、弾性振動板2の振幅の無用な増大を防止して、消費電力を低減することができる。
【0039】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第二の実施形態において、共振部22はフェルト12が延設される側を抉って肉厚を薄くしているが、超音波振動子21側を抉ってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…グリップケース、2…弾性振動板、3,21…超音波振動子、4…制御部、6…ミスト噴霧部(ミスト移送管)、7…ミスト噴霧部(送風部、ファン)、8…ミスト噴霧部(送風部、モーター)、12…ミスト生成部(含浸部、フェルト)、22…増幅部(共振部)、23…増幅部(共振体)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップケースに支持された弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記グリップケースには、前記弾性振動板の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部と、
前記ミストを前記弾性振動板による施術部に噴霧するミスト噴霧部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記ミスト生成部は、
前記弾性振動板に接し、ミスト溶液を含浸させた含浸部を備え、
前記ミスト噴霧部は、
送風部と、
前記含浸部の振動に基づいて生成されるミストを前記送風部からの送風に基づいて前記施術部に噴霧するミスト移送管と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項2に記載の美容装置において、
前記弾性振動板には、前記超音波振動子の振幅を増幅して前記含浸部に伝達する増幅部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項3に記載の美容装置において、
前記増幅部は、
リング状の超音波振動子と、
前記超音波振動子のリングの内側部分で前記弾性振動板の肉厚を薄くした共振部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項3に記載の美容装置において、
前記増幅部は、
リング状の超音波振動子と、
前記超音波振動子のリングの内側部分に取着された共振体と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記超音波振動子を、前記弾性振動板で施術部を施術する第一の周波数と、前記含浸部を振動させて前記ミストを生成する第二の周波数とで振動させる制御部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項7】
請求項6に記載の美容装置において、
前記制御部は、前記超音波振動子を前記第一の周波数と第二の周波数とで交互に振動させることを特徴とする美容装置。
【請求項8】
請求項6に記載の美容装置において、
前記制御部は、前記第一の周波数と第二の周波数を重畳して前記超音波振動子を振動させることを特徴とする美容装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記超音波振動子に供給する電圧を矩形波で供給するとともに、該矩形波のデューティを調整可能とする制御部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項1】
グリップケースに支持された弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記グリップケースには、前記弾性振動板の振動に基づいてミストを生成するミスト生成部と、
前記ミストを前記弾性振動板による施術部に噴霧するミスト噴霧部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記ミスト生成部は、
前記弾性振動板に接し、ミスト溶液を含浸させた含浸部を備え、
前記ミスト噴霧部は、
送風部と、
前記含浸部の振動に基づいて生成されるミストを前記送風部からの送風に基づいて前記施術部に噴霧するミスト移送管と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項2に記載の美容装置において、
前記弾性振動板には、前記超音波振動子の振幅を増幅して前記含浸部に伝達する増幅部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項3に記載の美容装置において、
前記増幅部は、
リング状の超音波振動子と、
前記超音波振動子のリングの内側部分で前記弾性振動板の肉厚を薄くした共振部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項3に記載の美容装置において、
前記増幅部は、
リング状の超音波振動子と、
前記超音波振動子のリングの内側部分に取着された共振体と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記超音波振動子を、前記弾性振動板で施術部を施術する第一の周波数と、前記含浸部を振動させて前記ミストを生成する第二の周波数とで振動させる制御部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項7】
請求項6に記載の美容装置において、
前記制御部は、前記超音波振動子を前記第一の周波数と第二の周波数とで交互に振動させることを特徴とする美容装置。
【請求項8】
請求項6に記載の美容装置において、
前記制御部は、前記第一の周波数と第二の周波数を重畳して前記超音波振動子を振動させることを特徴とする美容装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記超音波振動子に供給する電圧を矩形波で供給するとともに、該矩形波のデューティを調整可能とする制御部を備えたことを特徴とする美容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−65894(P2012−65894A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213955(P2010−213955)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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