説明

耐荷重構造体

基部と、その基部の片側から延びる複数の脚部とを含む耐荷重プラットフォームであり、この耐荷重プラットフォームは、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを含む発泡性重合体マトリクスから少なくとも部分的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に貯蔵及び/又は輸送の際に物品を積載するために使用される、新規の、パレット等の耐荷重構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送用パレットは、よく知られた耐荷重性の移動可能なプラットフォームであり、貯蔵及び/又は輸送の際に物品がその上に載せられる。パレットには、通常、段ボール又は箱等の品物が大量に載荷される。載荷されたパレットは、通常、パレットトラック又はフォークリフトのいずれかの助けを借りて移動させることができる。一般に、パレットは木製である。
【0003】
木製パレットの重量は、40ポンドから70ポンドの範囲内である。従って、木製パレットに載せて輸送する貨物の重量を40から70ポンド分減らすことで、この木製パレットの重量分に充当させる。これによって、輸送可能、特には空輸可能な品物の量が著しく制限される。
【0004】
更に、木の破片やクギが原因の数々の負傷は、木製パレットを取り扱う人間の間ではよく起こることである。加えて、木製パレットの廃棄は、問題となることが多い。
【0005】
ツヤハダゴマダラカミキリ(Asian Longhorned Beetle、Asian Cerambycid Beetle)、マツノザイセンチュウ(Pine wood nematodo、Pine Wilt Nematode)及びAnoplophora Glapripwnnisを含む木食い虫の国内への持ち込みを引き起こす木製パレットの使用は、各国で懸念されている。国内に持ち込まれた昆虫による被害の例が、米国におけるクリの木の破滅である。かつては地面に一度も降りることなくリスがクリの木の枝を伝って米国を横断できると言われた時代もあったが、害虫の蔓延は、米国におけるクリの木の絶滅を引き起こした。
【0006】
木製パレットのこれらの欠点を克服しようとの試みは、成型発泡プラスチックパレットを生み出した。例えば、米国特許第6786992号は、発泡ポリスチレン芯材と、この芯材の一部を覆う耐衝撃性ポリスチレンの層とを有するパレットを開示している。
【0007】
米国特許出願公報第2005/0263044号は、凸状部及び芯部材外周部を含む少なくとも1つの面を有する形状規定圧縮性芯部材、並びにシェル内部及びシェル縁部を有する熱可塑性シェルを含むパレットを開示しており、このシェルは、芯部材の凸状面によって形作られる内部及び芯部材外周の外側に延びる第1シート縁部を有する第1の柔軟な熱可塑性シート、並びに第2シート内部及び芯部材外周の外側に延びる第2シート縁部を有する第2の柔軟な熱可塑性シートを含む。
【0008】
一般に、プラスチック、特には発泡プラスチックから形成されたパレットは、従来の木製パレットほど強靭ではなく、従って、使用中に加えられる載荷応力によって破損してしまうことから、望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、従来から木製パレット重量の場合に見られる、物品を輸送及び/又は保存するための反復使用の載荷応力に耐え得る軽量のパレットを提供することが、当該分野で求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明は、基部と、その基部の片側から延びる複数の脚部とを含む耐荷重プラットフォームを提供し、この耐荷重プラットフォームは、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを含む発泡性重合体マトリクスから少なくとも部分的に形成されている。
【0011】
(発明の詳細な説明)
以下の説明を目的として、「上方」「下方」「内側」「外側」「右」「左」「縦方向」「水平方向」「上部」「底部」という用語及びこれらの用語の派生語は、図面内においての本発明の向きに関するものとする。但し、特に注記がない限り、本発明は別の態様及び工程シーケンスをとり得ると理解される。また、添付の図面に描かれ、以下の本文中に記載される特定の装置及び処理は、本発明の実施形態例であると理解される。このため、本願で開示の実施形態に関連した特定の寸法及び他の物理特性は、本発明を限定すると見なされない。本発明の実施形態について説明するにあたり、本願において図面を参照するが、図面において、同様の番号は本発明の同様の構成を意味する。
【0012】
動作実施例又は注記がある場合を除き、本明細書及び請求項で用いられた、成分の量、反応条件等を示す数字又は表現は全て、全ての例において、「約」という用語によって加減し得ると理解される。従って、注記がない限り、以下の本文中及び付属する請求項で規定の数値パラメータは、本発明が得たいとする所望の特性に応じて変更し得る近似値である。最低限でも、同等物の原理の本発明の請求項の範囲への適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数の観点と、通常の端数処理技法を適用することで解釈されるべきである。
【0013】
本発明の広い範囲を定めている数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例において記載の数値は、可能な限り正確に報告されている。但し、どの数値も、各試験測定中に見られる、標準偏差からどうしても生じてしまうある種の誤差を、元々含んでいる。
【0014】
また、本願に記載のどの数値範囲も、その範囲に包含される全ての部分範囲(subrange)を含むことを意図していると理解すべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載の最小値である1と記載の最大値である10との間でありこれらの数値を含む、つまり1に等しい又は1より大きい最小値と、10に等しい又は10より小さい最大値とを有する全ての部分範囲を含むことを意図している。開示される数値範囲は連続的であることから、これらの範囲は、最小値と最大値との間の全ての値を含む。注記がない限り、本明細書中で指定の様々な数値範囲は、近似値である。
【0015】
本願での使用において、用語「発泡性重合体マトリクス」とは、発泡剤を含浸させた粒状又はビーズ状の高分子材料を意味しており、この粒子及び/又はビーズを金型内に配置して熱を加えると、(以下で説明されるような)発泡剤が蒸発して、粒子及び/又はビーズ内に気泡構造及び/又は膨張気泡構造が形成され、粒子及び/又はビーズの外表面は互いに融合して、金型の形状に沿った高分子材料の連続塊が形成される。
【0016】
本願での使用において、用語「重合体(高分子)」は、ホモポリマー、共重合体及びグラフト共重合体を包含することを意図しているが、これらに限定されない。
【0017】
本願での使用において、用語「ポリオレフィン」とは、アルファ不飽和C−C32直鎖又は分岐アルケン等の少なくとも1つのオレフィン系単量体から調製された重合体を意味しており、その非限定的な例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンを含む。
【0018】
本願での使用において、用語「ポリエチレン」とは、エチレンのホモポリマーだけを意味する及び含むものではなく、少なくとも50モル%、幾つかのケースにおいて少なくとも70モル%、他のケースにおいて少なくとも80モル%のエチレン単位と、対応する割合の、エチレンと共重合可能な単量体の単位とを含有するエチレン共重合体、並びに少なくとも50重量%、幾つかのケースにおいて少なくとも60重量%、他のケースにおいて少なくとも75重量%のエチレンホモポリマー又は共重合体を別の重合体と共に含有する配合物(blend)を意味する及び含む。
【0019】
エチレンと共重合させ得る単量体の非限定的な例は、酢酸ビニル、塩化ビニル、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、並びに(メタ)アクリル酸及びそのエステルを含む。
【0020】
エチレンホモポリマー又は共重合体に配合し得る重合体は、エチレンホモポリマー又は共重合体と適合し得るいずれの重合体も含む。エチレンホモポリマー又は共重合体に配合し得る重合体の非限定的な例は、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、塩化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、スチレン/ブタジエン共重合体、酢酸ビニル/エチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体及び塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を含む。
【0021】
本願での使用において、用語「スチレン系重合体」とは、スチレン系単量体のホモポリマー、並びにスチレン系単量体と別の共重合性単量体との共重合体を意味しており、スチレン系単量体はその共重合体における単量体単位の少なくとも50モル%を占めている。スチレン系単量体の非限定的な例は、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、三級ブチルスチレン、ジメチルスチレン、これらの核臭素化又は塩素化誘導体、及びこれらの組み合わせを含む。適した共重合性単量体の非限定的な例は、1,3−ブタジエン、C−C32直鎖、環状又は分岐アルキル(メタ)アクリレート(非限定的な具体例は、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含む)、アクリロニトリル、酢酸ビニル、α−メチルエチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸のC−C12直鎖、分岐又は環状モノ及びジアルキルエステル、フマル酸のC−C12直鎖、分岐又は環状モノ及びジアルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸のC−C12直鎖、分岐又は環状モノ及びジアルキルエステル、イタコン酸無水物及びこれらの組み合わせを含む。
【0022】
本願での使用において、用語「(メタ)アクリル酸の」及び「(メタ)アクリレート」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の双方の誘導体、例えばアクリレート及び(用語「(メタ)アクリレート」が包含することを意図している)(メタ)アクリレートと称されることが多い対応するアルキルエステルを含むことを意図している。
【0023】
本願での使用において、用語「成型」とは、柔軟性のある材料を成形して新たな所望の形状にすることを意味している。成型は、雄型及び雌型の成型用具、彫りを施されたプラテン等の特殊な成型用具を用いることを含み得る。成型は、所望の形状を熱可塑性材料の少なくとも一部に付与するために使用される、圧縮性芯部材を含む特別に成形された芯部材の使用も含み得る。
【0024】
本願での使用において、用語「発泡率(expansion factor)」とは、所定の重量の発泡重合体ビーズが占める体積を意味しており、通常はcc/gで表される。
【0025】
本発明は、基部と、その基部の片側から延びる複数の脚部とを含む耐荷重プラットフォームを提供する。
【0026】
本発明の耐荷重プラットフォームは、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマー、並びに場合によっては他の発泡性重合体を含む発泡性重合体マトリクスから形成される。
【0027】
本発明の実施形態において、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーは、米国特許第3959189号、4168353号、4303756号、4303757号及び6908949号に記載のインターポリマーの1種以上であり、これらの文献の関連する箇所は、参照により本願に組込まれる。本発明で使用し得るこのようなインターポリマーの非限定的な例は、NOVA Chemical(米国ペンシルバニア州、ピッツバーグ)から入手可能なARCEL及びSekisui Plastics(日本、東京)から入手可能なPIOCELANの商標名で入手可能なインターポリマーを含む。
【0028】
本発明の実施形態において、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーは粒子又は樹脂ビーズであり、この粒子又は樹脂ビーズを引き続いて処理すると、本発明によるパレットが形成される。本発明で使用されるインターポリマー粒子は、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族樹脂とを含み、ポリオレフィンとビニル芳香族樹脂の粒子が相互に繋がった網目構造を形成している。このインターポリマー粒子には、発泡剤と、場合によっては可塑剤が含浸される。
【0029】
このようなインターポリマー粒子は、ポリオレフィン粒子とビニル芳香族単量体又は単量体混合物を水性懸濁液状に懸濁させ、この単量体又は単量体混合物をポリオレフィン粒子内部で重合させることを含む処理によって得られる。このような処理の非限定的な例は、米国特許第3959189号、4168353号及び6908949号に開示されている。
【0030】
本発明のある実施形態において、このポリオレフィンは、低密度、中密度及び高密度ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、ポリエチレンとポリプロピレンとの配合物、ポリエチレンとエチレン/酢酸ビニル共重合体との配合物、並びにポリエチレンとエチレン/プロピレン共重合体との配合物から選択された1種以上のポリエチレン樹脂を含む。エチレン−ブチルアクリレート共重合体及びエチレン−メチルメタクリレート共重合体も使用し得る。
【0031】
本発明のインターポリマー樹脂粒子におけるポリオレフィンの量は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して重量基準で、少なくとも20%、幾つかのケースにおいて少なくとも25%、他のケースにおいて少なくとも30%であり得、最高80%、幾つかのケースにおいて最高70%、他のケースにおいて最高60%、幾つかの例において最高55%であり得る。インターポリマー樹脂粒子におけるポリオレフィンの量は、上記のどの値であっても又はどの値間の範囲であってもよい。
【0032】
本発明のインターポリマー樹脂粒子における重合されたビニル芳香族樹脂の量は、インターポリマー樹脂粒子の重量に対して重量基準で、少なくとも20%、幾つかのケースにおいて少なくとも30%、他のケースにおいて少なくとも40%、幾つかの例において少なくとも45%であり得、最高80%、幾つかのケースにおいて最高75%、他のケースにおいて最高70%であり得る。インターポリマー樹脂粒子における重合されたビニル芳香族樹脂の量は、上記のどの値であっても又はどの値間の範囲であってもよい。
【0033】
ビニル芳香族樹脂は、重合されたビニル芳香族単量体から構成し得る、又はこの樹脂は、ビニル芳香族単量体及び共重合性コモノマーからの単量体単位を含有する共重合体であり得る。本発明で使用し得るビニル芳香族単量体の非限定的な例は、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン及びイソプロピルキシレンを含む。これらの単量体は、単独で使用しても混合して使用してもよい。
【0034】
共重合性コモノマーの非限定的な例は、1,3−ブタジエン、C−C32直鎖、環状又は分岐アルキル(メタ)アクリレート(非限定的な具体例は、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含む)、アクリロニトリル、酢酸ビニル、α−メチルエチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、マレイン酸ジメチル及びマレイン酸ジエチルを含む。
【0035】
本発明で使用し得るビニル芳香族共重合体の非限定的な例は、米国特許第4049594号に開示されるものを含む。適したビニル芳香族共重合体の非限定的な具体例は、重合スチレンからの繰り返し単位と、1,3−ブタジエン、C−C32直鎖、環状又は分岐アルキル(メタ)アクリレート(非限定的な具体例は、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含む)、アクリロニトリル、酢酸ビニル、α−メチルエチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、マレイン酸ジメチル及びマレイン酸ジエチルから選択された1つ又は複数の重合単量体からの繰り返し単位を含有する共重合体を含む。
【0036】
本発明の特定の実施形態において、ビニル芳香族樹脂は、ポリスチレン又はスチレン−ブチルアクリレート共重合体を含む。
【0037】
一般に、インターポリマー樹脂粒子は、以下のようにして形成される。水溶性高分子材料、例えばポリビニルアルコールもしくはメチルセルロース、又は難水溶性無機材料、例えばリン酸カルシウムもしくはピロリン酸マグネシウムと石鹸、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の懸濁化剤を、水の重量に対して重量基準で0.01から5%、幾つかのケースにおいて2から3%添加することで調製した水性媒体中にポリオレフィン粒子を分散させ、ビニル芳香族単量体をこの懸濁液に添加し、ポリオレフィン粒子の内部で重合させる。
【0038】
ビニル芳香族単量体を重合させるための、従来から知られ、通例使用されるいずれの懸濁化剤も使用し得る。これらの懸濁化剤は当該分野でよく知られており、当業者によって自由に選択され得る。最初に、水の量は、重量基準で、水性懸濁液中に用いられる開始材料であるポリオレフィン粒子の量の一般に0.7から5倍、好ましくは3から5倍であり、重合体粒子の水に対する比は、徐々に1:1前後に近づき得る。
【0039】
ポリオレフィン粒子に吸収されたビニル芳香族単量体の重合は、開始剤を用いて行われる。
【0040】
ビニル芳香族単量体の懸濁重合に適した開始剤は、一般に、ビニル芳香族単量体の重量を基準として、約0.05から2重量%、幾つかのケースにおいて0.1から1重量%の量で用いられる。適した開始剤の非限定的な例は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート及びt−ブチルパーピバレート等の有機過酸化物、並びにアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物を含む。
【0041】
これらの開始剤は、単独で使用し得る又は2種以上の開始剤を組み合わせて使用し得る。多くのケースにおいて、開始剤はビニル芳香族単量体に溶解され、このビニル芳香族単量体がポリオレフィン粒子に吸収される。他のケースにおいて、開始剤は、トルエン、ベンゼン及び1,2−ジクロロプロパン等の溶剤に溶解させ得る。
【0042】
ビニル芳香族単量体のその場重合が完了すると、重合されたビニル芳香族樹脂は、ポリオレフィン粒子の内部に均一に分散される。
【0043】
多くのケースにおいて、ポリオレフィン粒子は架橋される。この架橋は、ポリオレフィン粒子内におけるビニル芳香族単量体の重合と同時であり発泡剤及び/又は可塑剤を含浸させる前に達成させ得る。この架橋には、架橋剤が使用される。このような架橋剤は、ジ−t−ブチル−パーオキサイド、t−ブチル−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α、α−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン―3,2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン及びt−ブチル−パーオキシイソプロピル−カーボネートを含むが、これらに限定されない。水中に懸濁されたポリオレフィン粒子の重量を基準として、約0.1から2重量%、幾つかのケースにおいて0.5から1重量%の量で架橋剤を溶解させることで、これらの架橋剤はビニル芳香族単量体と共にポリオレフィン粒子に吸収される。架橋剤及び架橋剤をポリオレフィン粒子に吸収させる方法についての更なる詳細は、米国特許第3959189号に記載されている。
【0044】
本発明のある実施形態において、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーは、係属中の米国特許出願公報第2006/0276558号に記載されるような、樹脂においてゴムが連続相を構成し、スチレン系重合体が分散相を構成するゴム変性スチレン系重合体を含み、この文献の関連する箇所は参照により本願に組込まれる。
【0045】
この実施形態において、ゴム変性スチレン系重合体は、
(I)固定相又は流動相であり得る水相に有機液相である有機液滴が分散された分散液であり、この有機相が、1種以上のアリール重合性単量体を含む単量体溶液中に溶解された1種以上の弾性重合体を含有する有機溶液を含有し、この有機液滴が約0.001mmから約10mmの平均直径を有している分散液を形成し、
(II)有機液滴中の単量体を低せん断流パターンで重合する
ことで調製された。
【0046】
この実施形態の一態様において、有機液滴の分散液は、固定相又は流動相であり得る水相の自由表面の下方において有機相を加圧噴霧することで形成される。
【0047】
この実施形態の別の態様において、固定相又は流動相であり得る水相中に有機液相である有機液滴を分散させた分散液は、機械的に攪拌することで形成される。
【0048】
スチレン系重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン及びイソプロピルキシレン並びにこれらの混合物から選択されたビニル芳香族単量体の重合からの残留物を含み得る。
【0049】
弾性重合体は、以下に限定されるものではないがブタジエン、イソプレン(つまり、2−メチル−1,3−ブタジエン)、3−ブタジエン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエン等の1種以上の共役ジエンと、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル等の1種以上の適した不飽和ニトリルと、場合によってはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、例えばメチルアクリレート及びブチルアクリレート、不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル、例えばメトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N置換アクリルアミド、例えばN−メチロールアクリルアミド、N,N´−ジメチロールアクリルアミド、N−エトキシメチロールアクリルアミド、N−置換メタクリルアミド、例えばN−メチロールメタクリルアミド、N,N´−ジメチロールメタクリルアミド、N−エトキシ−メチルメタクリルアミド及び塩化ビニル等の1種以上の極性単量体との共重合体を含み得る。これらの共重合体は、以下に限定されるものではないがスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、ジメチルスチレン及びエチルスチレン等の1種以上の芳香族ビニル単量体の重合からの繰り返し単位も含み得る。これらのタイプの共重合体は、当業者に「アクリロニトリル−ブタジエンゴム」又は「アクリルニトリル−ブタジエン−スチレンゴム」又は総称して「ニトリルゴム」として知られている。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態において、ニトリルゴムは、水素の存在下で、好ましくは適した水素化触媒を用いて部分的に水素化され得る。
【0051】
本発明の発泡性重合体マトリクスは、発泡体の製造における原材料として使用し得る。発泡剤及び/又は可塑剤を発泡性重合体マトリクス樹脂粒子に導入し、発泡性又は膨張性粒子又は樹脂ビーズを形成し、次にこれらの粒子又はビーズを用いて発泡体を成型する。
【0052】
発泡剤は、ポリオレフィンの軟化点よりも低い沸点を有しているべきであり、室温(約20から30℃)及び常圧(大気圧前後)で気体又は液体であるべきである。発泡剤は当該分野でよく知られており、一般に、−42℃から80℃、より一般的には−10℃から36℃の沸点を有している。適した炭化水素発泡剤は、n−プロパン、n−ブタン、イソ−ブタン、n−ペンタン、イソ−ペンタン、n−ヘキサン及びネオペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン及びシクロペンタン等の脂環式炭化水素、並びに塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン及びジクロロテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水等を含むが、これらに限定されない。これらの発泡剤は、単独又は混合物として使用し得る。室温及び常圧で気体であるn−ブタン、塩化エチル及びジクロロテトラフルオロエタンを混合物として使用する場合、低いかさ密度に発泡させることが可能である。揮発性発泡剤の具体的な種類は、米国特許第3959180号に教示されている。本発明の特定の実施形態において、発泡剤は、n−ペンタン、イソ−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン及びこれらの混合物から選択される。
【0053】
発泡剤の量は、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、約1.5重量%から約20重量%、幾つかのケースにおいて約1.5重量%から15重量%、他のケースにおいて5重量%から15重量%の範囲である。
【0054】
可塑剤を、発泡剤と組み合わせて使用することができ、上述したとおりであり、本発明において発泡補助剤としての役割を果たす。
【0055】
適した可塑剤は、ベンゼン、トルエン、リモネン、直鎖、分岐又は環状CからC20アルカン、白油、直鎖、分岐又は環状CからC20ジアルキルフタレート、スチレン、スチレンのオリゴマー、ポリスチレンより低いガラス転移温度を有する(メタ)アクリレートのオリゴマー及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0056】
本発明の特定の実施形態において、可塑剤は、植物界に広く存在しているモノテルペン炭化水素の1つであるリモネンを含む。既知のリモネンの種類は、d−リモネン、l−リモネン及びdl−リモネンである。d−リモネンは、柑橘類の皮に含まれており、香料として食品添加物に使用される。d−リモネンの沸点は約176℃であり、その可燃性は低い。d−リモネンは無色の液体であり、気持ちの良いオレンジに似た芳香を有しており、食品添加物として認可されており、香水の原料として広く使用されている。リモネンは、有害な空気汚染物質ではない。
【0057】
可塑剤の量は、発泡性重合体マトリクス100重量部あたり、約0.1から5重量部、幾つかのケースにおいて約0.1から約1重量部の範囲に亘り得る。
【0058】
本発明の実施形態において、インターポリマー粒子は、以下のようにして製造し得る。第1の反応装置内において、ポリオレフィン粒子を、分散剤を含有する水性媒体中に懸濁させる。この分散剤は、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム等であり得る。用いられる分散剤の量は、水の量を基準として、0.01重量%から5重量%であり得る。この水性媒体には、界面活性剤を添加し得る。一般に、界面活性剤は、懸濁液の表面張力を低下させるために用いられ、水/ビニル芳香族単量体混合物を開始剤と(使用する場合は)ワックスとの混合物に乳化させるのに役立つ。適したワックスは、ポリエチレンワックス及びエチレンビスステアルアミドを含む。水性媒体は、一般に、ビニル芳香族単量体が重合し得る温度、つまり約60℃から約120℃にまで、ある時間、例えば12から20時間に亘って加熱される。この12から20時間の間に、ビニル芳香族単量体、ビニル芳香族重合開始剤及び架橋剤が、水性媒体中に分散されたポリオレフィン粒子を含有する、結果として得られる懸濁液に添加される。これらの材料は1回で全て添加しても、段階的に小分けで添加してもよい。
【0059】
インターポリマー粒子は、酸性化され、脱水され、篩分けられ、続いて第2反応装置に投入され、この反応装置内で粒子に発泡剤及び/又は可塑剤を浸漬させる。
【0060】
浸漬工程は、水性媒体中にインターポリマー粒子を懸濁させ、得られる懸濁液に発泡剤及び/又は可塑剤を添加し、好ましくは約40℃から80℃の温度で攪拌することで行われ得る。発泡剤及び/又は可塑剤は、互いに混ぜ合わせてからインターポリマー粒子に添加し得る、又は別々にインターポリマー粒子に添加し得る。
【0061】
或いは、発泡剤及び/又は可塑剤は、重合過程中又はその後に第1反応装置に添加し得る。
【0062】
上記の処理は、インターポリマー粒子の浸漬のための湿式法について説明している。代替案として、インターポリマー粒子は、米国特許第4429059号の第4欄、20から36行目において教示されるものと同様の無水法により浸漬させ得る。
【0063】
本発明のある実施形態において、発泡剤を押出成形機内で発泡性性重合体マトリクスに加えて、樹脂ペレット又はビーズを製造することができる。押出成形機は、発泡剤と発泡性重合体マトリクスとの混合物のストランドを押出成形するに先立って、発泡剤を発泡性重合体マトリクスに混合する役割を果たす。このストランドは、適当な器具を用いて、ビーズ又はペレット長さに切断し得る。切断用の器具の非限定的な例は、水中フライスである。
【0064】
インターポリマー樹脂及び/又は発泡性重合体マトリクス粒子は、当該分野で既知の他の添加剤も含有し得る。他の添加剤の非限定的な例は、静電気防止添加剤、難燃剤、着色料又は染料、充填材及びこれらの組み合わせを含む。他の添加物は、その非限定的な例がn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン及びn−ブチルメルカプタン等のC2−15アルキルメルカプタンである連鎖移動剤、並びにペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンの二量体等の他の薬剤を含む。他の添加物は、更に核形成剤を含み得、非限定的な例はポリオレフィンワックス、つまりポリエチレンワックスを含む。
【0065】
発泡性重合体マトリクスは、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーと、場合によっては他の発泡性重合体を含む。この他の発泡性重合体は、所望の特性を本発明の耐荷重プラットフォームに付与することができ、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーに適合性のある重合体を含む。本発明に使用し得る他の発泡性重合体の非限定的な例は、発泡ポリスチレン(EPS)、発泡ポリオレフィン、樹脂中においてスチレン系重合体が連続相を構成し、ゴムが分散相を構成するゴム変性スチレン系重合体、係属中の米国特許出願公報第2006/0276558号に記載されるような、樹脂中においてゴムが連続相を構成し、スチレン系重合体が分散相を構成するゴム変性スチレン系重合体(この文献における関連する箇所は、参照により本願に組込まれる)、ポリフェニレンオキサイド、並びにこれらの組み合わせ及び配合物を含む。
【0066】
発泡性重合体マトリクスは、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを100%含有し得るが、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを、最高99%、幾つかのケースにおいて最高95%、他のケースにおいて最高90%、幾つかの例において最高80%、他の例において最高75%含有し得もする。また、発泡性重合体マトリクスは、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを、少なくとも25%、幾つかのケースにおいて少なくとも30%、他のケースにおいて少なくとも40%、幾つかの例において少なくとも50%含有し得る。ポリオレフィンと、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーの発泡性重合体マトリクスにおける量は、上記のどの値であっても又はどの値間の範囲であってもよい。
【0067】
他の発泡性重合体をこの発泡性重合体マトリクスに含める場合、この他の発泡性重合体は、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、少なくとも1%、幾つかのケースにおいて少なくとも5%、他のケースにおいて少なくとも10%、幾つかの例において少なくとも20%、他の例において少なくとも25%のレベルで存在し得る。また、この他の発泡性重合体は、発泡性重合体マトリクス内において、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、最高75%、幾つかのケースにおいて最高70%、他のケースにおいて最高60%、幾つかの例において最高50%のレベルで存在し得る。この他の発泡性重合体は、上記のどの値のレベル又はどの値間の範囲で発泡性重合体マトリクスに含めてもよい。
【0068】
本発明による耐荷重構造体のある実施形態が図1及び図2に示されており、耐荷重構造体8は、発泡重合体マトリクス芯材10を含み、この芯材10の全体形状は、1から25cm、幾つかのケースにおいて2から20cm、他のケースにおいて2.5から15cmであり得る幅14を有する縁部12を備えた、矩形のスラブである。芯材10は、長さ75から150cm、幾つかのケースにおいて90から140cm、他のケースにおいて100から130cm、幅65から140cm、幾つかのケースにおいて80から130cm、他のケースにおいて90から120cmであり得る上面16を有している。芯材10の底面18は、底面10から延びる、長さ8から15cm、幾つかのケースにおいて9から13cmの脚部20から28を含む。
【0069】
脚部20から28及び底面18は、縁部12に近接した空間42、44、46、48を画成している。空間42、44、46、48は、脚部26から28、脚部20、23、26、脚部20から22及び脚部22、25、28をそれぞれ縁部12から隔てている。本発明のある実施形態において、空間42、44、46、48は、フォークリフトトラックのツメ部(tongue)を受けるように作られている。非限定的な例として、フォークリフトの第1ツメ部を、底面18の下でその長さ方向に沿って脚部20と23、脚部21と脚部24及び/又は脚部22と脚部25との間に配置し得、フォークリフトの第2ツメ部を、底面18の下でその長さ方向に沿って脚部26と脚部23、脚部27と脚部24及び/又は脚部28と脚部25との間に配置し得る。フォークリフトトラックが第1及び第2ツメ部を持ち上げると、各ツメ部の面が底面18の面と接触し、耐荷重構造体8と、上面16上に積載された物品を持ち上げる。
【0070】
芯材10は上記の発泡重合体マトリクスから形成されているため、耐荷重プラットフォームとして使用するに十分な構造強度を有している。
【0071】
望ましい表面仕上げ及び/又はテクスチャ加工を施す及び/又は反復使用による磨損と亀裂の発生を最小限に抑えるため、適した層材料を、上面16と場合によっては縁部12に適用し得る。
【0072】
適用し得る適した層材料は、ゴム変性スチレン系重合体、ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらの組み合わせを含む。
【0073】
芯材10における発泡重合体マトリクスの密度は、少なくとも5kg/m、幾つかのケースにおいて少なくとも10kg/m、他のケースにおいて少なくとも15kg/mであり得、最高40kg/m、幾つかのケースにおいて最高35kg/m、他のケースにおいて最高30kg/cmであり得る。本発明の実施形態において、空間42、44、46、48に近接した部位に対応する芯材10における発泡重合体マトリクスの密度は、芯材10の残りの部位における発泡重合体マトリクスの密度より高い。この特徴は、耐荷重構造体8の最も薄い部位における、応力による破損の防止に役立っている。
【0074】
耐荷重構造体は、蒸気等の加熱媒体を用いて発泡性重合体マトリクスのビーズを加熱することで形成し得る。耐荷重構造体の部位に望む密度に応じて、ビーズを5から100、幾つのケースにおいて10から90、他のケースにおいて20から80、幾つかの例において30から75、他の例において40から70の発泡倍率(発泡させたビーズの体積/元のビーズの体積)にまで発泡させる。
【0075】
本発明による発泡性重合体マトリクスのビーズは、ビーズを予備発泡させ、金型の中空部内でこのビーズを更に発泡及び成形することで、所望の構成の耐荷重構造体に形成し得る。この結果得られる耐荷重構造体は、EPSパレットよりも優れた熱安定性、耐薬品性(例えば、耐油性)及び曲げ強度を有している。
【0076】
本発明のある実施形態において(図示せず)、溝部又はチャネル部を、上面16の表面に、上面16の外周に沿い、かつ溝部又はチャネル部の第1縁部が縁部12から離間されるように、成型又は切削により形成し得る。溝部又はチャネル部の縁部12からの間隔は、少なくとも1cm、幾つかのケースにおいて少なくとも2cmであり得、最高10cm、幾つかのケースにおいて最高8cmであり得る。溝部又はチャネル部は、途切れのないもの又は分断されたものであってよい。
【0077】
本発明の特定の実施形態において、溝部又はチャネル部は、発泡パネルを受けられるような幅と深さを有している。この発泡パネルは、脚部20、22、28及び/又は26の部位の真上の上面16の角部の形に沿った角又は弧を描き得る。或いは、この発泡パネルは、上面16の辺に沿って延び得、脚部20の上方から始まって脚部22の上方で終端、脚部22の上方から始まって脚部28の上方で終端、脚部28の上方から始まって脚部26の上方で終端及び/又は脚部26の上方から始まって脚部20の上方で終端し得る。発泡パネルの長さは、上述したような、耐荷重プラットフォームの寸法に準ずる。発泡パネルの高さは、少なくとも5cm、幾つかのケースにおいて少なくとも10cm、他のケースにおいて少なくとも15cmであり得、最高450cm、幾つかのケースにおいて最高400cm、他のケースにおいて最高350cm、幾つかの例において最高310cmであり得る。発泡パネルの高さは、上記のどの値又はどの値間の範囲であってもよい。
【0078】
更なる実施形態において、耐荷重構造体8の幅と長さにほぼ一致する上部パネルを含め得る。上部パネルは、上面16の溝部又はチャネル部に合致する溝部又はチャネル部を含み、発泡パネルの上部面を受けるように構成されている。
【0079】
耐荷重構造体、発泡パネル及び上部パネルを組み立てると、箱型又は開放箱型構造体が形成される。バックル又は適当な固締具を用いて、パネルと構造体とを固定し得る。或いは、シュリンクラップをこの箱型又は開放箱型構造体の外周に巻いて、各構成部を所定の位置に固定し得る。
【0080】
本発明のある実施形態において、上部パネルは、脚部20、21、22、25、28、27、26及び/又は23の対応する底面に沿って通る溝部又はチャネル部を含む耐荷重構造体8であり得る。
【0081】
本発明の別の実施形態において、発泡パネル及び上部パネルは、本願に記載の発泡性重合体マトリクスから形成される。
【0082】
本発明の他の実施形態において、発泡パネル及び上部パネルは、上記に記載されるような1種以上の他の発泡性重合体から形成される。
【0083】
発泡パネル及び/又は上部パネルは、耐荷重構造体8を移動させた時に、上面16上に配置又は積載された物品が、上面16の表面から滑り落ちる又は別の形で離れることを防止する。
【0084】
本発明を、その特定の実施形態の具体的な詳細に言及しながら説明してきたが、このような詳細は、本発明の範囲を制限するとみなされることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明による耐荷重プラットフォームの上面斜視図である。
【図2】本発明による耐荷重プラットフォームの底面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部及び基部の片側から延びる複数の脚部とを含む耐荷重プラットフォームであり、耐荷重プラットフォームが、ポリオレフィン、及び、その場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを含む発泡性重合体マトリクスを包含する耐荷重プラットフォーム。
【請求項2】
発泡性重合体マトリクスが、他の発泡性重合体を包含する、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項3】
ポリオレフィンが、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、ポリエチレン及びポリプロピレンとの配合物、ポリエチレン及びエチレン/酢酸ビニル共重合体との配合物、及びポリエチレン及びエチレン/プロピレン共重合体との配合物、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項4】
ビニル芳香族単量体が、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン及びイソプロピルキシレン並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項5】
ポリオレフィンが、インターポリマー樹脂粒子において、インターポリマー樹脂粒子の重量を基準として20重量%から80重量%のレベルで存在し、及び、ビニル芳香族単量体又は得られる重合体が、インターポリマー樹脂粒子において、インターポリマー樹脂粒子の重量を基準として20%から80%のレベルで存在する、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項6】
発泡性重合体マトリクスが、発泡剤及び/又は可塑剤を包含する、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項7】
他の発泡性重合体が、発泡性ポリスチレン、発泡性ポリオレフィン、ゴム変性スチレン系重合体(樹脂中においてスチレン系重合体が連続相を構成し、及び、ゴムが分散相を構成する。)、ゴム変性スチレン系重合体(樹脂中においてゴムが連続相を構成し、及び、スチレン系重合体が分散相を構成する。)、ポリフェニレンオキサイド、並びにこれらの組み合わせ及び配合物から成る群から選択される、請求項2に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項8】
発泡性重合体が、発泡性重合体マトリクスの重量を基準として、ポリオレフィン及びその場重合されたビニル芳香族単量体とのインターポリマーを25から99%、及び発泡性重合体マトリクスの重量を基準として他の発泡性重合体を1から75%含有する、請求項2に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項9】
耐荷重プラットフォームが矩形であり、及び、1から25cmの縁部と、75から150cmの長さ及び65から140cmの幅とを有する、請求項2に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項10】
プラットフォームの上面に適用された層材料を包含する、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項11】
連続的又は非連続的な溝部又はチャネル部が、基部の上面の表面に、上面の外周に沿い、及び溝部又はチャネル部の第1縁部が基部の外縁部から離間されるように、成型又は切削により形成されている、請求項1に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項12】
溝部又はチャネル部に嵌合するように構成された複数のパネルを包含する、請求項11に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項13】
耐荷重構造体の幅及び長さに一致し、及び、上面の溝部又はチャネル部に合致する溝部又はチャネル部を含み、及び、パネルの上表面を受容して箱型又は開放箱型構造体を形成するように構成されている上部パネルを包含する、請求項12に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項14】
基部及び基部の片側から延びる複数の脚部とを含む耐荷重プラットフォームであり、耐荷重プラットフォームが、ゴムが連続相を構成し、スチレン系重合体が分散相を構成するゴム変性スチレン系重合体を含む発泡性重合体マトリクスを包含する耐荷重プラットフォーム。
【請求項15】
スチレン系重合体が、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンゼン及びイソプロピルキシレン並びにこれらの混合物から成る群から選択されるビニル芳香族単量体の重合からの残留物を包含する、請求項14に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項16】
弾性重合体が、1種以上の共役ジエン及び1種以上の不飽和ニトリル、1種以上の極性単量体、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N置換アクリルアミド、塩化ビニル、芳香族単量体並びにこれらの組み合わせを包含する共重合体から成る群から選択される、請求項14に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項17】
発泡性重合体マトリクスが、発泡剤及び/又は可塑剤を包含する、請求項14に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項18】
耐荷重プラットフォームが矩形であり、1から25cmの縁部と、75から150cmの長さと、65から140cmの幅とを有する、請求項14に記載の耐荷重プラットフォーム。
【請求項19】
プラットフォームの上面に適用された層材料を包含する、請求項14に記載の耐荷重プラットフォーム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−537407(P2009−537407A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510958(P2009−510958)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/010406
【国際公開番号】WO2007/136514
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】