説明

聴診器保持具

【課題】耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にした場合においても、聴診器が、作業の邪魔となったり、汚染したりするのを有効に防止する、後付けも可能な聴診器保持具の提供。
【解決手段】首から吊り下げた状態の聴診器のチェストピースが振れないようにするための聴診器保持具であって、両端部が互いに着脱自在に係合する面ファスナーにより形成されて聴診器のチューブに巻き付けて使用されるバンド部材と、該バンド部材と係合する面ファスナーにより形成された保持部と、該保持部と一体に形成されており、使用者の着衣の一部を挟持する取付部とから構成されていることを特徴とする聴診器保持具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴診器保持具に関する。さらに詳しくは、首から吊り下げた状態の聴診器のチェストピースが振れるのを防止するのに有効な聴診器保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
聴診器は、イアーチップ、耳管及びチューブを含むバイノーラルと、チェストピースとから構成されるものであり、医師や看護師が用いる医療用器具の中でも、最も使用頻度の高い器具の一つである。このため、医師や看護師は診察以外のときにおいても、聴診器を携帯していることが多い。医師や看護師が聴診器を携帯する方法としては、例えば、聴診器を丸めて着衣のポケット内に入れる方法、又は、チューブの中間部分を首にかけて聴診器を巻き付けた状態にする方法、さらには、耳管を首にかけて聴診器を首から吊り下げた状態にする方法などがある。特に、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にする方法は、直ちに診察に移ることが可能であるため、多くの医師や看護師に用いられている。
【0003】
しかしながら、上記したような方法で聴診器を携帯する場合においては、以下のような問題があった。例えば、聴診器を丸めて着衣のポケット内に入れる方法は、ポケット内に入れている他の物と接触して聴診器が損傷したり、汚染したりするおそれがあった。また、チューブの中間部分を首にかけて聴診器を巻き付けた状態にする方法は、聴診器が不安定な状態で携帯されることとなるため、聴診器が落下しやすく、故障の原因となっていた。さらに、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にする方法は、聴診器の先端に位置するチェストピースが振れて、作業の邪魔となるだけでなく、チェストピースが他の物とぶつかることで、聴診器が故障したり、汚染したりするなどの問題があった。
【0004】
このような課題に対して、特許文献1には、耳管の片側にチェストピースを保持するためのフックを設けてなる聴診器が提案されている。特許文献1に記載の聴診器は、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にして携帯する場合においても、チェストピースをフックに保持させることで、聴診器の吊り下がり部分を短くすることができ、これにより、チェストピースが振れるのを低減させている。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3089804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の聴診器を使用した場合であっても、聴診器の吊り下がり部分が完全になくなるわけではないため、上記した課題を十分に解決することはできない。例えば、使用者が前傾姿勢で作業する場合などにおいては、聴診器が振れてしまい、聴診器が作業の邪魔となったり、他の物とぶつかったりする問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にした場合においても、聴診器が、作業の邪魔となったり、汚染したりするのを有効に防止する聴診器保持具を提供することにある。また、上記した問題を解決するものとしては、既に流通している通常の聴診器にも適用可能なものが望まれる。したがって、本発明は、このような通常の聴診器に対しても後付けできる聴診器保持具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記に挙げた課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明は、首から吊り下げた状態の聴診器のチェストピースが振れないようにするための聴診器保持具であって、両端部が互いに着脱自在に係合する面ファスナーにより形成されて聴診器のチューブに巻き付けて使用されるバンド部材と、該バンド部材と係合する面ファスナーにより形成された保持部と、該保持部と一体に形成されており、使用者の着衣の一部を挟持する取付部とから構成されていることを特徴とする聴診器保持具である。また、本発明の聴診器保持具は、取付部にゼムクリップが用いられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、首から吊り下げた状態の聴診器を、使用者の着衣に保持させることが可能となる。これにより、聴診器が振れてしまうのを十分に抑えることが可能となり、聴診器が、作業の邪魔となったり、汚染したりするのを有効に防止することができる。また、本発明の聴診器保持具は、簡単に取り付け取り外しができるものであるため、通常の聴診器に後付けすることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の聴診器保持具は、診察時以外で聴診器を携帯するときに有効に使用されるものである。聴診器を携帯する方法としては、前記したとおり、様々な方法があるが、直ちに診察に取り掛かることのできる方法である、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にする方法が多く用いられている。一方、この方法においては、聴診器の先端に設けられているチェストピースが振れて、作業の邪魔となったり、他の物とぶつかったりする問題がある。また、特に、小児科においては、振れたチェストピースが小児に当たる可能性がないとはいえない。本発明の聴診器保持具は、このような問題を解決するためのものである。
【0011】
図1は、本発明の聴診器保持具の一実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す正面図である。そして、本発明の聴診器保持具は、図1又は図2に示すとおり、両端部が互いに着脱自在に係合する面ファスナーにより形成されて聴診器21のチューブ23に巻き付けて使用されるバンド部材1と、該バンド部材1と係合する面ファスナーにより形成された保持部2と、該保持部2と一体に形成されており、使用者の着衣31の一部を挟持する取付部3とから構成されている。なお、本明細書において、保持部2と取付部3とが一体となって形成されるものを本体部材4という。以下、本発明の各構成について説明する。
【0012】
図4は、本発明の一実施形態である聴診器保持具を構成するバンド部材を示す正面図である。本発明を構成するバンド部材1は、例えば、図4に示すとおり、両端部が互いに着脱自在に係合する帯状の面ファスナーにより形成されており、図2に示すとおり、聴診器21のチューブ23に巻き付けて使用されるものである。本発明において、バンド部材1の長さは、聴診器21のチューブ23に巻き付けてチューブ23に取り付けることができる程度の長さであれば、特に制限はなく、例えば、30mm〜80mmの範囲内にすることができる。また、バンド部材1をチューブ23に巻き付けた際、バンド部材1がチューブ23上をスライドしてしまうのを防止するため、チューブ23の外周にバンド部材1の位置を固定する係止部材、例えば、両面テープなどを貼り付けしておくことが好ましい(図示なし)。また、バンド部材1の幅は、バンド部材1を保持部2に係合させて聴診器21(チェストピース24)を保持させた際、保持させた聴診器21(チェストピース24)の重量に耐え得る程度の係合力を発揮できる程度の幅であれば、特に制限はなく、例えば、10mm〜40mmの範囲内にすることができる。
【0013】
本発明において、保持部2は、図1に示すとおり、取付部3と一体となって形成される本体部材4の一部分であり、例えば、図2に示すように、上述したバンド部材1と係合されるように面ファスナーで形成されている。本発明において、保持部2は、バンド部材1と係合できる程度の大きさに形成されていればよく、例えば、長さ20mm〜60mm、幅10mm〜40mmの長方形状にすることができる(図1参照)。
【0014】
また、本発明において、取付部3は、図1に示すとおり、保持部2と一体となって形成された本体部材4の一部分であり、図2に示すように、使用者の着衣31の一部を挟持して、本体部材4を使用者の着衣31に取り付けできるように使用する部分である。本発明において、取付部3は、着衣31の一部、例えば、着衣31のポケットの端や着衣31の前ボタンと前ボタンの間の生地を挟持し、本体部材4を着衣31に取り付けできるように形成されていればよく、例えば、長さ30mm〜70mm、幅10mm〜40mmのクリップ形状にすることができる(図1参照)。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態を具体例に基づいて詳細に説明する。先ず、図1に示す実施形態の聴診器保持具について説明する。図1に示す実施形態において、本体部材4は、1枚の面ファスナーとゼムクリップによって形成されている。より詳しくは、本体部材4における取付部3は、以下のようにして形成される。図3は、図1に示す実施形態の聴診器保持具の取付部の形成過程を説明する斜視図である。先ず、1枚の面ファスナーを用い、その表面が外側を向くように、面ファスナーを長さ方向の中間部分で山折りする(図3参照)。次に、図3に示すように、山折りした面ファスナーの山部分からゼムクリップ7を差し込んでゼムクリップ7で面ファスナーの山折り状態を固定させる。さらに、ゼムクリップ7を差し込んだ部分を覆い被せるように、山折りした面ファスナーの片辺11をさらに折り曲げてゼムクリップ7が差し込んである部分の面ファスナーの係合面と係合させる(図1参照)。以上のようにして取付部3を形成することで、ゼムクリップと面ファスナーとは容易に、かつ、強固な状態に一体化される。その結果、ゼムクリップのもつ留め具の強い力を利用した取付部3を介して、本体部材4を使用者の着衣31にしっかりと固定できるようになる。また、ゼムクリップは面ファスナーによって覆われるので、金属製のゼムクリップを用いたとしても、使用者の着衣31を傷つけたり、汚したりすることがない。
【0016】
一方、保持部2は、図1に示した例では、1枚の面ファスナーの表面同士と裏面同士とがそれぞれ対面するように、2回折り曲げて重ね合わせることで形成されている。この際、図1に示すように、面ファスナーの裏面同士を対面させた状態が維持できるように固定用の面ファスナー6を用いることができる。また、図1に示す実施形態では、上記したように、取付部3と保持部2とは、1枚の面ファスナーを用いて連続して形成されている(図1又は図2参照)。また、このように形成される本体部材4には、面ファスナーの表面同士が係合している部分の全域にわたって、ゼムクリップなどの、面ファスナーの係合を阻害しないものからなる芯材を設けていてもよい(図示なし)。
【0017】
また、図1に示す実施形態において、上記のように形成される本体部材4とともに用いるバンド部材1としては、例えば、図4に示すように、バンド部材1の片側端部に折り返し部分9を形成することで、両端部を着脱自在に係合できるように形成した極めて簡易な構造のものを用いることができる。この形態のバンド部材1は、図2に示すとおり、面ファスナーの表面を外側に向けて、聴診器21のチューブ23に巻き付けた状態で取り付けられる。
【0018】
図1に示す実施形態の聴診器保持具を用いることにより、首から吊り下げた状態の聴診器21は、図2に示すとおり、上記のようにしてチューブ23に取り付けたバンド部材1を、使用者の着衣31の一部、例えば、胸ポケット部分に取り付けた本体部材4の保持部2と係合させることにより保持される。一方、診察を行なう際には、係合している保持部2とバンド部材1を分離させることで、直ちに聴診器21を使用可能な状態にすることができる。さらに、図1に示す実施形態においては、保持部2に係合された状態のバンド部材1と係合し、保持部2とバンド部材1との係合力を向上させるための補強部5を本体部材4に形成させることもできる(図1参照)。補強部5の形態としては、例えば、図1に示すように、保持部2又は取付部3から下方又は左右に延出させた細帯状のものが挙げられる。これらの補強部5は、本体部材4を形成している面ファスナーを用いて形成されていても、この面ファスナーに他の面ファスナーを係合させることにより形成されていてもよい。さらに、衝撃などにより、バンド部材1がチューブ23から外れないように、バンド部材1をチューブ23に取り付けた後、バンド部材1の端部同士が係合している部分に、別の面ファスナーにより形成されているバンド部材用の補強部材を係合させて設けてもよい(図示なし)。
【0019】
図5は、本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す斜視図である。図5に示す実施形態において、取付部3は、図1に示す実施形態と同様の方法で形成させることができる。また、図5に示す実施形態において、保持部2は、取付部3を使用者の着衣31の一部に取り付けた際、保持部2を形成する面ファスナーの表面が外側を向くように、取付部3の下方に取付部3と連続して形成されている。さらに、保持部2の下側の端部には、面ファスナーを2回折り重ねて形成される、保持部2と係合させたバンド部材1が下方に落下するのを防止するための支持部10を形成させることができる(図5参照)。図5に示す実施形態において、バンド部材1は、図1又は図4に示す形態と同様の形態にすることができ、また、同様にチューブ23に巻き付けてチューブ23に取り付けられる。チューブ23に取り付けたバンド部材1は、保持部2と支持部10の両方に係合させることが好ましい。この場合、上記した支持部10でバンド部材1を支える状態となり、より安全に聴診器21を保持させることが可能となる。
【0020】
図6は、本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す正面図である。図7は、本発明の他の実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す斜視図である。図6に示す実施形態において、取付部3は、図1に示す実施形態と同様の方法で形成される。また、図6に示す実施形態においては、取付部3を形成している面ファスナーの、ゼムクリップ7を覆い被せている部分が保持部2を兼ねており、バンド部材1とは常に係合した状態で一体化されている(図6又は図7参照)。すなわち、図6に示す実施形態においては、保持部2は、上述した実施形態とは異なり、面ファスナーの表面が内側方向を向いて形成されている。また、図6に示す実施形態におけるバンド部材1は、面ファスナーの表面が内側を向くようにチューブ23を巻き付けてチューブ23に取り付けられる(図7参照)。このように、図6に示す実施形態の聴診器保持部は、1つの部品からなるものであり、取り扱いに便利である。さらに、この形態の聴診器保持具は、使用の際、予め、チューブ23に取り付けておくこともできるし、使用者の着衣31の一部、例えば、胸ポケット部分に取り付けておくこともできる。
【0021】
図8は、本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す正面図である。図9は、本発明の他の実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す斜視図である。図8に示す実施形態においては、図1に示す実施形態と同様の方法で取付部3を形成させることができるが、この形態においては、ゼムクリップ7を差し込んでいる部分全体を面ファスナーの片辺で覆い被せるのではなく、一部を残し、面ファスナーの表面が露出するようにしている(図8参照)。そして、図8に示す実施形態において、この露出された面ファスナーの表面が保持部2として機能する。なお、ゼムクリップは露出しているが、着衣31に直接触れることはない。また、図8に示す実施形態において、このように形成させた保持部2がバンド部材1と係合するのに、取付部3におけるゼムクリップ7が邪魔にならないように、又は、本体部材4がより強い力で着衣31の一部を挟持できるように、大サイズのゼムクリップ7を用いることが好ましい。具体的には、本体部材4と同等の大きさのゼムクリップ7を用いることが好ましい(図8参照)。また、図8に示す実施形態においては、バンド部材1と保持部2との係合力を向上させる補強部5を、本体部材4の長さ方向と直交する方向に延出させて設けてもよいし(図8(a)参照)、保持部2の側部にスリットを入れることにより形成させることもできる(図8(b)参照)。また、図8に示す実施形態において、バンド部材1は、図1又は図5に示す実施形態と同様のものを用いることができる。また、図8に示す実施形態の聴診器保持具は、使用者の着衣31の前ボタンと前ボタンの間の生地を挟持して取り付けられるものとして適しており、また、聴診器21の保持に使用する以外のときにも、ネクタイピンとして活用することもできる。
【0022】
以上、本発明を好ましい実施形態の具体例を挙げて説明したが、本発明の聴診器保持具は、上述した、バンド部材1、保持部2、取付部3を有する構成であれば、他の形態であってもよい。また、本発明の聴診器保持具は、絵柄模様、例えば、キャラクターデザインなどを施していてもよい。また、本発明の聴診器保持具は、絵柄模様を施した面ファスナー8を用いることにより、本体部材4又はバンド部材1と着脱自在に係合できるようにし、絵柄模様を交換できるようにしてもよい(図8参照)。本発明の聴診器保持具に絵柄模様を施すことにより、診察時などにおいて、患者などを和ますことが可能となる。特に、本発明の聴診器保持具は、前記した理由から、小児科の医師や看護師が用いるのに適したものであるため、子供の恐怖感を低減させるのに有効である。
【0023】
以上、本発明の聴診器保持具の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。本発明に用いる面ファスナーとしては、市販されているいずれのものも使用できる。例えば、伸和社製の商品名「マジクロス」に代表される、一対の面ファスナーの面上にフックの機能とループの機能をそれぞれ別々に設けることにより、当該面同士を密着させて係合する方式のものや、例えば、クラレ社製の商品名「自由自在バンド」に代表される、1枚の面ファスナーの面上にフックとループの機能を両方備えており、当該面同士を密着させて係合する方式のものを使用できる。なお、本発明において、面ファスナーの「表面」とは、フック及び/又はループの機能を有した面のことであり、面ファスナーの「裏面」とは、表面の反対側の面であり、フック及びループの機能を有しない面のことである。また、面ファスナーの素材は、特に限定はないが、例えば、手術糸などに用いられるナイロン樹脂製のものを好ましく用いることができる。
【0024】
また、本発明に用いることのできるゼムクリップとしては、市販されているいずれのものも使用できる。例えば、株式会社ミツヤや、コクヨ株式会社などのゼムクリップを用いることができる。本発明において、ゼムクリップの大きさとしては、上述した、取付部3又は本体部材4の大きさなどにより適宜調整される。本発明において、ゼムクリップが面ファスナーとともに好ましく用いられる理由は、取付部3に、着衣31の一部を挟持させるための強い力を付与させるだけでなく、面ファスナーの係合面に面ファスナーの係合力を阻害することなく配置させることができることなどが挙げられる。また、本発明においては、ゼムクリップと同様の機能を有するものであれば、ゼムクリップ以外の物を代わりに用いてもよい。
【0025】
本発明の聴診器保持具は、従来使用されているいずれの聴診器21にも適用できるものである。すなわち、例えば、図2に示されるような、イアーチップ(不図示)と、耳管22と、チューブ23と、チェストピース24とからなる一般的な聴診器のいずれのものにも適用可能である。つまり、バンド部材1は、聴診器21のチューブ23に対して着脱自在であり、どの直径のチューブ23に対しても取り付けられるように調整が可能である。また、本体部材4も使用者の着衣31に簡単に取り付け取り外しすることができる。また、本発明の聴診器保持具は、エチレンオキサイドなどのガス滅菌や、紫外線照射滅菌などにより、消毒することができ、これにより、常に清潔にした状態で使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によれば、耳管を首にかけて聴診器を吊り下げた状態にした場合においても、聴診器が、作業の邪魔となったり、汚染したりするのを有効に防止する、後付けも可能な聴診器保持具を提供することができる。したがって、本発明の聴診器保持具は、医師や看護師が聴診器を携帯するときに有効に活用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の聴診器保持具の一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す正面図。
【図3】本発明の一実施形態である聴診器保持具における取付部の形成過程を説明する斜視図。
【図4】本発明の一実施形態である聴診器保持具におけるバンド部材を示す正面図。
【図5】本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す斜視図。
【図6】本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す正面図。
【図7】本発明の他の実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す斜視図。
【図8】本発明の聴診器保持具の他の実施形態を示す正面図。
【図9】本発明の他の実施形態である聴診器保持具の使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0028】
1:バンド部材
2:保持部
3:取付部
4:本体部材
5:補強部
6:固定用の面ファスナー
7:ゼムクリップ
8:絵柄模様を施した面ファスナー
9:折り返し部分
10:支持部
11:取付部を形成する過程における山折りした面ファスナーの片辺
21:聴診器
22:耳管
23:チューブ
24:チェストピース
31:着衣

【特許請求の範囲】
【請求項1】
首から吊り下げた状態の聴診器のチェストピースが振れないようにするための聴診器保持具であって、両端部が互いに着脱自在に係合する面ファスナーにより形成されて聴診器のチューブに巻き付けて使用されるバンド部材と、該バンド部材と係合する面ファスナーにより形成された保持部と、該保持部と一体に形成されており、使用者の着衣の一部を挟持する取付部とから構成されていることを特徴とする聴診器保持具。
【請求項2】
取付部にゼムクリップが用いられている請求項1に記載の聴診器保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−285021(P2009−285021A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139103(P2008−139103)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(504332920)