説明

聴診訓練装置及び関連する方法

聴診器ヘッドピースに機械的に取り付けることができるキャップ構成、ここでこのキャップ構成がキャップ;キャップを聴診器ヘッドピースを機械的に取り付けることができる形状及び特徴的寸法を含むデザインを有するキャップエレメント;及び、キャップが聴診器ヘッドピースに取り付けられるとき、スピーカーによって発せられる音又は信号が聴診器ダイアフラムを振動させ得ることになるように、スピーカーが聴診器ダイアフラムに触れているか近接しているように、キャップ上に取り付けられた、そしてキャップ上に又はキャップ内に少なくとも部分的に置かれたスピーカー;を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施態様は、聴診訓練に関連する装置、方法及びシステムを対象にする。
【背景技術】
【0002】
聴診は、診断の方法として体内の音を聞く行動である。聴診器は、例えば、心音、呼吸(呼吸音)、腸内騒音、及び動脈並びに静脈中の血流のような、人間の体の中の内部の音を聞くために医療分野において使用される聴診装置の一例である。音響聴診器は、空気で充填された中空チューブを介して、ヘッドピースから聞く人の耳に音を送信する際に働く。ヘッドピースは、音を感知するために人体に当てることのできるダイアフラムを含み得る。体の音がダイアフラムを振動させて、チューブを通って聞く人の耳に伝わる音圧波を作り出す。
【0003】
患者を診断するために聴診器又は他の聴診装置を使用するには、異常音を検出しそして同定する訓練が必要となる。標準模擬患者は、医学教育における価値ある訓練ツールであり、そして広く研究されてきた。標準模擬患者は、実際の人間被験者と一対一の対話を学生に与えるものの、ほとんどの標準模擬患者は異常症状を提供しない。その結果、聴診器のような聴診装置に関して学生を訓練し又は試験するために、シミュレーター及びマネキンがしばしば使用される。聴診訓練マネキンは、学生が検出しそして同定しなければならない、異常な体調に合致した音を生み出すための、マネキンの体内に埋め込まれた音発生装置を含み得る。
【発明の概要】
【0004】
幾つかの実施態様は、マネキンに対して聴診装置の位置を検出するための手段を含む医療用訓練マネキン;相対的な位置を検出するための手段と電子的な通信状態にある制御器、そして制御器は相対的な位置を検出するための手段から場所データを受信するよう適合され、ここでデータは医療用訓練マネキンに対して聴診訓練装置の位置を示す;制御器と電子的な通信状態にある聴診訓練音データのデータベース、ここで制御器は相対的な位置を検出するための手段からを受信されたデータに対応する聴診音データを選択して検索するように適合されている;データベースと電子的なデータ通信状態にあり、そしてそこから伝えられる音ファイルを音波信号に変換するように適合された音発生装置;及び音発生装置と音響的な通信状態にあり、そして音波信号を人間の耳に送信するよう適合された少なくとも一つの耳ピースを有する聴診装置;を含む聴診訓練装置に関する。
【0005】
他の実施態様は、患者をシミュレーションする;シミュレーションされた患者に対して聴診装置の位置を検出する;データベースから聴診音データファイルを選択する、ここで選択された音が聴診装置の検出された相対的位置に対応する;及び聴診音データファイルを、少なくとも一つの聴診装置の中に又は上に配列される少なくとも一つの音発生装置に伝える;工程を含む聴診訓練のための方法に関する。
【0006】
更に他の実施態様は、患者をシミュレーションするための無生物手段;聴診装置の相対的な位置を検出するための手段;事前に記録された聴診音データファイルを保存するための手段;保存するための手段から一つ又はそれ以上の事前に記録された音データファイルを選択するための手段;人間の耳にフィットするように適合された少なくとも一つの耳ピースに、一つ又はそれ以上の音ファイルを聞き取れるように伝えるための手段;及び含むための手段、選択するための手段、及び伝えるための手段を制御するための手段;を含む聴診訓練装置に関する。
【0007】
添付図面と関連して以下の記述及び添付の請求範囲を考慮した後、更なる態様及び概念が当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施態様を通した情報の流れを示す接続図である。
【0009】
【図2】実施態様の絵で表した図である。
【0010】
【図3】実施態様のヘッドピースに関する図である。
【0011】
【図4】送信器の実施態様の操作を説明するフローチャートである。
【0012】
【図5】聴き取ることができるシミュレーションに関連する受信器の実施態様の操作を示すフローチャートである。
【0013】
【図6】送信器回路の実施態様の概略図である。
【0014】
【図7】受信器回路の実施態様の概略図である。
【発明の詳細な説明】
【0015】
本発明は一般に聴診訓練のためのシステム及びそのようなシステムに関連した方法に関する。幾つかの実施態様は、事前に記録された音のデータベース、データベースから一つ又はそれ以上の事前に記録された音を選択するための手段、及び一つ又はそれ以上の音を訓練生に聞き取れるように伝えるための手段を含む。更に幾つかの実施態様は、音を選択すること及び/又は伝えることを制御するための一つ又はそれ以上の制御器ユニットを含む。
【0016】
幾つかの実施態様は、選択された音を訓練生に提示するよう適合された模擬の聴診装置を含む。他の実施態様において、実際の聴診装置に、選択された音を訓練生に提示するための手段が取り付けられ又は改造取り付けされる。実際の及び模擬の聴診装置は、制限するものではないが、聴診器を含み得て、そして本明細書では、「聴診装置」と総称される。使用意図の性質しだいで、他の聴診装置も適切であり得る。例えば、模擬の又は実際の聴診器が、医学生を体の音に基づいて診断を行うよう訓練するために適切であり得る。しかしながら、機械から発する診断音を認識するためにエンジニア又は技術者を訓練するためには、聴診器が適切でないこともあり得る。当業者は、使用意図に従って、実際の又は模擬の聴診装置が取るべき適切な形を容易に認識するであろう。以下の開示は、例示的聴診装置として聴診器を使用する;しかしながら本発明はそのような装置に限定されない。
【0017】
幾つかの実施態様は、医療訓練用マネキン、及び少なくとも一つの聴診装置を有するシステムを含む。そのような実施態様は、マネキンに関して聴診装置の相対的位置を検出するための手段を含み、そしてその相対的位置を制御器装置に中継する。制御器装置は、検出された場所に対応するデータベースから音データを選択するように、そしてデータベースから音データを検索するように、又は結果的に検索するように適合されている。幾つかの実施態様によると、制御器は、音データを送信器に伝達もし、又は音データが結果的にそのように伝えられるようにする。次に、音データは送信器によって、聴診器のような少なくとも一つの聴診装置の上又は中に配列される少なくとも一つの受信器に送信機によって伝えられ得る。受信器も、受信器からの電子信号を音波信号に変換するように適合されている音発生装置と電子的な通信状態にあり得る。次いで、そのような音波信号は耳ピース及び人間の耳に聞き取れるように伝えられ得る。
【0018】
前述の構成部品の各々は、無線の及び配線された電子接続を含む如何なる適切な手段によっても、一つ又はそれ以上の他の構成部品と通信状態にあり得る。更に、各構成部品は、如何なる他の構成部品にも搭載された関係で物理的に配列され得て、又は如何なる他の構成部品とも遠隔操作の物理的関係にあり得る。例えば、幾つかの実施態様において、全ての前述の構成部品が単一の物理的ユニット中に含まれる。他の実施態様において、前述の構成部品の各々が前述の他の構成部品の各々と相対的に遠方にある。更に他の実施態様は、これらの両極端の間のどこかにあり、ここで幾つか構成部品が互いにグループになって物理的なユニットを作り、そして他のものが互いから遠く離れている。特定の用途に依存して、多様な関係が適切であり得て、当業者は必要以上の実験なしに望まれる関係を選択し得るであろう。
【0019】
如何なる多様な無線通信手段も、データ及び/又は制御信号の送信のために適切であり得る。例えば、幾つかの適切な手段は、ラジオ又は赤外線の通信手段を含み得る。より具体的には、幾つかの適切なプロトコールは、制限するのではないが、WiFi、Bluetooth(登録商標)(Bluetoothは、Bellevue、WAにあるBluetooth Sig社の登録された登録商標である)、ZigBee(登録商標)(ZigBeeは、San Ramon、CAにあるZigBee Alliance社の登録商標である)等を含む。同様に如何なる多様な配線された接続も適切であり得る。そのような幾つかの接続は、限定するものではないが、直列バス、並列バス、SCSI、I2C(インター統合回路:inter-integrated circuit)、SPI(シリアル周辺インターフェイス:serial peripheral interface)及びそれらの如何なる組み合わせも含む。当業者は、広範囲の無線及び配線技術が入手でき、そして適切な技術を必要以上の実験なしに選択できることを認識するであろう。
【0020】
幾つかの実施態様においてマネキンには、聴診装置の相対的位置を検出するための手段が取り付けられる。そのような実施態様は、そこに訓練生が聴診装置を適用しているマネキンの領域を求めることができる。例えば、幾つかの実施態様は、心臓領域、肺領域、如何なるさまざまな内臓又は胸部領域等においても聴診装置を局在化することができる。
【0021】
幾つかの実施態様によると、相対的位置を検出するための手段は、一つ又はそれ以上の近接スチッチ、又は一つ又はそれ以上のその配列を含むことができる。そのような実施態様において、近接スチッチ又はその配列が、マネキンに対して金属製の聴診器ヘッドのような聴診装置の位置を検出するように適合されている。次いで、位置データが制御器ユニットに伝えられ得る。
【0022】
あるいは、他の実施態様が聴診装置の位置を三角測量するように適合されている。そのような実施態様によると、聴診装置には、所定の信号を放送するための送信機ビーコンが取り付けられる。マネキンは、送信器の標識信号を受信するように適合された二つ又はそれ以上の受信器を含み、そして受信器から得られるデータが、マネキンに対して聴診装置の相対的な位置を計算するための公知のアルゴリズムに従って分析され得る。本発明は三角測量又は近接スイッチの使用に限定されるものではない。聴診装置の相対的な位置を求めるために代替装置が使用され得て、そして当業者は、必要以上の実験なしで適切な装置を選択することができるであろう。
【0023】
幾つかの実施態様において、制御器は、聴診装置の相対的な位置を求めるための手段と配線された電子的な通信状態にあり得る。例えば、幾つかの実施態様において、制御器はマネキンの上又は中に配列され得て、そして少なくとも一つの配線された電気接続によって相対的な位置を求めるための手段につなぎ得る。他の実施態様において、制御器は配線で接続され得るが、マネキンから離れて、例えば、デスクトップ又は携帯モジュールにおいて配列されることもある。更に他の実施態様において、制御器は、相対的な位置を求めるための手段と無線での通信状態にあり得る。
【0024】
幾つかの実施態様は、データベースも含む。適切なデータベースは、制限するのではないが、リスト、ハッシュ表、又は階層型、リレーショナル、若しくはネットワークのモデルのような如何なる適切なデータ構造も含む。幾つかの実施態様において、データベースは、例えばCD−ROM又はフラッシュメモリー上に一緒に保存される音ファイルのグループを単純に含む。データベースは、制限するのではないが、揮発性又は不揮発性のメモリー、EPROM、EEPROM、テープ又はハードドライブのような磁気媒体、CD−ROMのような光媒体等、又はそれらの如何なる組み合わせをも含む如何なる適切な機械記憶手段上に保存され得る。更に、データベースは如何なるさまざまな場所においても物理的に配列され得る。例えば、幾つかの実施態様において、データベースはマネキンの搭載された構成部品であり得る。他の実施態様において、データベースはマネキンから離れて配列され得て、そして制御器ユニットの構成部品、又はそれに配線で接続されたモジュールの構成部品であり得る。更に他の実施態様において、データベースは独立型、デスクトップ型又は携帯型の手段中に、又は聴診装置の構成部品としてさえも物理的に配列され得る。
【0025】
音は、一つ又はそれ以上のさまざまな手段によってデータベース中で選択されそしてデータベースから検索され得る。幾つかの実施態様において、音は、聴診装置の検出された位置に従って自動的に選択される。例えば、もし聴診装置がマネキンの心臓領域に亘って置かれているとシステムが決定すれば、そのとき心音が選択される。
【0026】
あるいは、コンピュータプログラムに従って、音データはデータベースから選択され又は検索され得る。例えば、プログラムは、聴診装置の検出された位置、シミュレーションされた患者(例えば、心筋梗塞を経験しているシミュレーションされた患者である)の状態及び他のシミュレーターの構成成分の状況(例えば、胸部圧迫、除細動又はシミュレーションされた薬の注射が検出された)を含む幾つかの因子に基づいて特定の音を選択し得る。また、幾つかのプログラムは、そこで幾つかの因子に従ってシステムが音を選択する、重み付きランダム性因子を含み得るが、その選択におけるランダム性の程度も含む。
【0027】
また更に他の実施態様において、音は人間のオペレーターによって選択され得る。例えば、一つの例において、インストラクター又は他の者が、訓練生に提示するための聴診音を選択するために遠隔操作の携帯押しボタンユニットを使用し得る。
【0028】
幾つかの実施態様は、聴診音データを送信するのに適した送信器も含む。送信器は、特定の用途に依存して、如何なるさまざまな場所においても物理的に配列され得る。例えば、送信器は、マネキン、制御器、データベース又はその如何なる組み合わせの搭載された構成部品でもあり得る。従って、適切な送信器は、採用された特定の構造に依存して、配線された接続を通して、又は無線で聴診音データを受信できる。一つの実施態様において、制御器は、マネキンに対して聴診装置の位置を示すデータを受信し、データベースから対応する音ファイルを選択して検索し、そして配線された接続を通してその音ファイルを送信器に伝え、次にそこで無線で音ファイルを送信する。当業者はこれが多くの可能な構造の一つに過ぎないと認識するであろう。
【0029】
幾つかの実施態様は、送信器によって放送された信号を受信するように適合された受信器も含む。受信器は、聴診装置の上又は中の如何なる適切な場所においても配列され得る。例えば、一つの実施態様において、受信器は聴診器のヘッドピース中に配列され得る。受信器は、送信器から受信した信号を電気信号に変換し、そして制限するものではないが、スピーカーのような音発生装置に信号を伝えるように適合され得る。一般的には、受信器は音発生装置に配線で接続される;しかしながら、これは要求されることではない。一つの例において、受信器及びスピーカーは聴診器のヘッドピース中に配列される。従って、聴診音信号はヘッドピース内で音波に変換され、そして聴診器が通常、聴診音を伝えるのと同じ方法で、聞く者の耳に聞き取れるように伝えられる。
【0030】
また、幾つかの実施態様は、各々が受信器を有する複数の聴診装置を含み得る。例えば、生徒及びインストラクターが両方共、同じ聴診音を聞くことができるように、生徒用の第一聴診装置及びインストラクター用の第二聴診装置を有することが望ましい。更に、複数の生徒の各々に対して、及び一人又はそれ以上のインストラクターに対して聴診装置を有することが望ましい。その結果、クラス全体が、彼ら自身の装置を通して同じ聴診音を同時に聞くことができる。これは、例えば、インストラクターがクラスに特別な音の意味を教えているときに特に有益である。
【0031】
ここで、図を見ると、図1は実施態様100を通して如何に情報が一般的に流れるかを示す接続図である。実施態様100は、聴診装置170の相対的位置を検出するための手段を取り付けられたマネキン110を含む。マネキン110は、制御器120に位置データを伝える。制御器120はマネキン110に対して聴診装置170の位置を定め、そうすることでどの音又は音のクラスが送信用に適切であるかを定める。例えば、もし聴診装置が心臓領域に近いと分かれば、そのときには適切な音が一つ又はそれ以上の心音であり得る。従って、制御器120はデータベース130から適切な音ファイルを選択し、そして選択された音ファイルを検索する。次に、制御器120は音ファイルを送信器140に伝達し、それが所定のプロトコールに従って音ファイルを無線で放送する。放送された信号は受信器150によって受信され、そして、スピーカーなどの音発生装置160に伝えられる。音発生装置160は聴診装置170を通して音波を伝え、それが聞く人に音波を聞き取れるように伝える。
【0032】
あるいは、制御器120が、押しボタン、キーパッド又は他の人間とのインターフェイス手段のような補助入力源122からの入力を受信することができる。従って、幾つかの実施態様は、インストラクターのような人が、訓練生に提示される聴診音を選択することを可能にする。このように、幾つかの実施態様において、聴診装置の相対的位置を検出するための手段が無効にされて、又は完全になくなることさえあり得る。
【0033】
図2はCD−ROMプレーヤー210を含む実施態様の図である。CD−ROMプレーヤー210は、接続線212を通して音選別機を含む携帯制御器装置214に配線で接続される。この例によると、CD−ROMプレーヤーは制御器214から押しボタン命令を受信する。例えば、使用者は音のリストを通してカーソルを合わせるためにボタン216を押し、そして、望まれる音を選択するためにボタン218を押すであろう。次いで選択された音が、適切な送信器(図示されていない)を用いて、CD−ROMプレーヤー210によって放送されるであろう。聴音装置220は適切な受信器(図示されていない)を用いて、放送された信号を受信し、そして信号を音波に変換する。次いで、音波が聴音装置を通して伝えられ、そして耳ピース222、224を通して聴く人に聞き取れるように伝えられる。
【0034】
図3は聴診器300のヘッドピースを含む実施態様の図である。図3における例によると、ヘッドピース300は、第一空洞330を明示する本体310及び第二空洞334と音響的な通信状態にある溝332を含む。このように、第一空洞330及び第二空洞334は音響的な通信状態にある。ヘッドピース300もダイアフラム320を含む。ヘッドピース300の外で音波を検出するために聴診装置が使用されるとき、ダイアフラム320はそのような音に共鳴して振動し、そしてヘッドピース300内部で複製音波を発生し、それが聞く者に聞き取れるように伝えられ得る。しかしながら、聴診装置が本発明に従って送信された音を聞くために使用されるとき、音データ信号が、第一空洞330中に配列され、そして本体310の内表面上に搭載される受信器340によって受信される。次いで、受信器は受信された信号をスピーカー350に伝達し、それが対応する音波を発生させる。次いで、音波が第一空洞330を通して溝332を通って第二空洞334に伝えられ、そして次に聞く人に聞き取れるように伝えられる。
【0035】
図4はプロセスの実施態様400のフローチャートである。実施態様400によると、送信器を操作するためのプロセスは、ユニットのスイッチを入れる第一工程410を含む。別の工程は、メモリー中にセットアップパラメーターを搭載すること420を含む。実施態様400は、送信器の範囲内で受信器をチェックすること430を含む。この実施態様によると、もし受信器が見つからなければ、それが見つかるまで、又は電力切断又は時間切れ若しくは停止の命令が出されることによるなど、プロセスが別途停止されるまで、実施態様は受信器に対して432をチェックすることを続ける。受信器が見つかると、プロセスは次の工程434に続く。この実施態様によると、次の工程は、送信器及び受信器の間の通信接続を確立すること440を含む。この方法実施態様400によると、プロセスを実行するための装置は、複数のボタンを含み、ここで各ボタンは所定の音ファイルと関連付けられている。受信器との接続が確立された後、オペレーターは、対応する音を受信器に送信するためにボタンを選択して押すことができる。この場合、音ファイルはMP3フォーマットを含む。従って、プロセス実施態様400における次の工程は、ボタンが押されていることを検知し、どのボタンかを決定し、そして対応する音ファイルをメモリー装置から選択すること450を含む。次の工程は、対応する音ファイルを検索し、そしてファイルをMP3デコーダーチップに送ること460を含む。次いで、デコーダーチップの出力がアナログからデジタルへの変換に向けられ得る470。次いで、デジタル化された音ファイルが、送信器によって受信器に送信され得る480。この実施態様400によると、450から480の工程が、送信器及び受信器の間で各通信セッションに対して必要に応じて繰り返され得る。
【0036】
図5は本発明の受信器プロセスの実施態様500のフローチャートである。図5における実施態様によると、本発明の受信器を運転するプロセスにおける第一工程は、受信器ユニットのスイッチを入れること510を含む。第二工程はメモリー中にセットアップパラメーターを登載すること520を含む。次の工程は、受信器の範囲内に送信器があるかどうかを定めること530を含む。図5において示された実施態様500によると、もし送信器が検出されなければ、受信器は、それが見つかるまで、又はユニットへの電力が切れた又は時間切れ若しくは停止の命令が出されることによるなどプロセスが別途停止されるまで送信器を探し続けようとする。工程540において送信器が見つかると想定すれば、次の工程は送信器及び受信器の間の通信接続を確立すること540である。接続が確立された後、実施態様500による次の工程は、送信器からデータを受信すること550である。プロセスの実施態様500によると、送信器から受信されたデータはD/A変換器に通され得る560。変換器の出力は、そこからそれが生じるMP3ファイルに対応して聞き取れる音を生み出すためにスピーカーに向けられ得る。
【0037】
図6は送信器の実施態様600のブロック図である。この実施態様によると、セキュア・デジタル・カード602つまり、SDカードは、一つ又はそれ以上の、MP3ファイルのようなオーディオファイルを含む電子データを含むように適合されている。カードは、搭載されたSDカードリーダー内に取り出しできるように挿入され得る。SDカードリーダーは、SPI直列バス603を通してマイクロ制御器608と電子的な通信状態にある。マイクロ制御器608も、一つ又はそれ以上の音のセットを選択するよう適合されている3つの位置スチッチ604と電子的な通信状態にある。また、マイクロ制御器608は、セキュア・デジタル・カード602上に含まれるオーディオファイルを選択するよう適合されている4つの選択ボタン606のセットとも電子的な通信状態にある。このように、オペレーターが4つのボタンのセットの一つを押すとき、それは所定のオーディオファイルが読まれ、そしてSPI直列バス605を通してMP3デコーダーチップ610に向けられるようにする。MP3デコーダーチップ610のアナログ出力はA/D変換器616に向けられ、そこでそれを入力として受け入れ、そして得られたデジタル出力を、I2S直列バス618を通してトランシーバー620に向ける。トランシーバー620もメモリー622と双方向性の電子的な通信状態にある。従って、トランシーバー620はメモリー622にそしてメモリー622からデータを送信するように適合されている。また、図6によると、トランシーバー620は、トランシーバー620に供する電源を供給するリチウム電池628と電気的に通信状態にある。更にリチウム電池628は、電池の充電、及び所定の基準に従って電池628からの電力を抽出し、かつそれをトランシーバー620に供するよう適合されている調整回路630を通してトランシーバー620と電気的にインターフェイスで連結する。幾つかの実施態様によると、調整回路630も電池の再充電プロセスを調節するよう適合されている。最後に、トランシーバー620は、トランシーバー620の出力インピーダンスが受信器の入力インピーダンスと合致するよう適合されているマッチング回路624と電子的な通信状態にある。次いで、マッチング回路624は、MP3オーディオファイルを放送するよう適合されている放送アンテナ626に電子信号を伝える。
【0038】
図6によると、実施態様600も、MP3デコーダーチップ610からの信号を受信し、そしてそのような信号又はその部分を外部回路に向けるよう適合されている補助オーディオ出力ジャック612を含む。更に図6によると、実施態様600は補助オーディオ入力ジャック614を含む。従って、実施態様600は、SDカード以外の源から、そしてMP3以外のフォーマットでオーディオデータを受信するように適合されている。幾つかの実施態様において、オーディオ源をオーディオ入力ジャック614内に差し込むと、MP3層が切断されることになり、そしてジャック614からのオーディオ流れのみが送信される。
【0039】
図7は受信器実施態様700のブロック図である。受信器700は、マッチング回路704と電子的な通信状態にある受信アンテナ702を含む。マッチング回路704は、受信器700のインピーダンスを送信機600のインピーダンスに合わせるように適合されている。マッチング回路704はトランシーバー710とも電子的な通信状態にあり、そして受信した信号をトランシーバー710に伝えるように適合されている。トランシーバー710の出力はD/A変換器714を通してスピーカー716に伝えられ得る。トランシーバー710はメモリー706とも双方向性の通信状態にある。従って、トランシーバー710はメモリー706にデータをアップロードすることができ、及び/又はメモリー706からデータをダウンロードすることができ、そしてスピーカー716にデータを向けることができる。幾つかの実施態様において、メモリー706は緩衝メモリーとして機能するように適合されている。トランシーバー710は、トランシーバー710に運転用電力を供するリチウム電池720と電気的な通信状態にある。リチウム電池720は、電池の充電及び調整回路718を通して、トランシーバー710に電力を伝える。電池の充電及び調整回路718は、所定の基準に従って電池720から電力を抽出し、そしてそれをトランシーバー710に提供するように適合されている。幾つかの実施態様によると、電池の充電及び調整7回路718も電池の再充電プロセスを調節するように適合されている。
【0040】
実施態様が上で述べられてきた。上記の方法及び装置が、本発明の一般的範囲から逸脱することなく、変更及び修正を取り込み得ることは、当業者には明らかであろう。添付された請求の範囲又はその同等物の範囲内にそれらが入る限り、全てのそのような修正及び変更を含むことが意図されている。
【0041】
本発明をこうして述べたが、ここで以下が請求される:


【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴診訓練装置であって:
マネキンに対して聴診装置の位置を検出するための手段を含む医療用訓練マネキン;
相対的な位置を検出するための手段と電子的な通信状態にある制御器、そして制御器は相対的な位置を検出するための手段から場所データを受信するよう適合され、ここでデータは医療用訓練マネキンとに対する聴診訓練装置の位置を示す;
制御器と電子的な通信状態にある聴診訓練音データのデータベース、ここで制御器は相対的な位置を検出するための手段から受信されたデータに対応する聴診音データを選択して検索するように適合されている;
データベースと電子的なデータ通信状態にあり、そしてそこから伝えられる音ファイルを音波信号に変換するように適合された音発生装置;及び
音発生装置と音響的な通信状態にあり、そして音波信号を人間の耳に送信するよう適合された少なくとも一つの耳ピースを有する聴診装置;
を含む聴診訓練装置。
【請求項2】
制御器、データベース、送信器、受信器及び音発生装置が、各々独立して、マネキン、携帯モジュール又はデスクトップモジュールの一つ又はそれ以上の一体部品を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
制御器、データベース、送信器、受信器及び音発生装置が、各々独立して、少なくとも一つの他の構成部品と電子的な通信状態にあるように適合され、そして各々独立して、一つ又はそれ以上の搭載された配線された電子接続、遠隔操作の配線された電子接続、又は遠隔操作の無線接続を通して適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
配線された接続が一つ又はそれ以上の直列バス、並列バス、SCSI、12C又はSPIから選ばれる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
無線接続が一つ又はそれ以上のWiFi、Bluetooth(登録商標)、又はZigBee(登録商標)から選ばれる、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
検出のための手段が、マネキンに近接した聴診装置の相対的位置を求めるように適合された近接スイッチの少なくとも一つの配列を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
検出のための手段が、聴診装置の上又は中に配列された少なくとも一つの送信器ビーコン、及びマネキンの上に配列され、そして送信機ビーコンからの信号を受信するように適合された少なくとも二つの受信器を含む三角測量システムを含み、ここで受信器が、受信器からの信号を読み、所定の三角測量法に従って信号を処理し、そしてそれによって相対的位置を計算するように適合されたコンピュータと電子的な通信状態にある、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
制御器が、人間のオペレーターからの命令信号を受信するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
データベースが、一つ又はそれ以上のフラッシュメモリー、EPROM、EEPROM、CD−ROM、磁気テープ、又はハードドライブを含むコンピュータが読むことができる媒体に書かれている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
データベースが、一つ又はそれ以上のリスト、ハッシュ表、階層型データベース、・リレーショナル・データベース、又はネットワークデータベースを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
データベースが、一つ又はそれ以上のMP3プレーヤー、コンパクトディスクプレーヤー、パソコン、又はフラッシュドライブから選択される装置を用いて読まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、更に:
データベースと電子的なデータ通信状態にあり、そして一つ又はそれ以上の聴診音データ信号を受信し、そして信号を送信するように適合された送信器;及び
少なくとも一つの聴診訓練装置の中に又は上に配列された少なくとも一つの受信器、ここで受信器は送信器から聴診音データ信号を受信するように適合されている;
を含む装置。
【請求項13】
送信器が、一つ又はそれ以上のラジオ、FMラジオ、AMラジオ又は赤外線から選択された信号を送信するように適合されている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも一つの受信器が、異なる聴診装置中に各々配列された複数の受信器を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
受信器及び音発生装置が、聴診器のヘッドピース中に配列されている、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
音発生装置が電子スピーカーを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
聴診訓練のための方法であって、以下の工程:
患者をシミュレーションすること;
シミュレーションされた患者に対して聴診装置の位置を検出すること;
データベースから聴診音データファイルを選択すること、ここで選択された音が聴診装置の検出された相対的位置に対応すること;及び
聴診音データファイルを、少なくとも一つの聴診装置の中に又は上に配列される少なくとも一つの音発生装置に伝えること;
を含む方法。
【請求項18】
聴診訓練装置であって:
患者をシミュレーションするための無生物手段;
聴診装置の相対的な位置を検出するための手段;
事前に記録された聴診音データファイルを保存するための手段;
保存するための手段から一つ又はそれ以上の事前に記録された音データファイルを選択するための手段;
人間の耳に取り付けられるように適合された少なくとも一つの耳ピースに、一つ又はそれ以上の音ファイルを聞き取れるように伝えるための手段;及び
含むための手段、選択するための手段、及び配信するための手段を制御するための手段;
を含む聴診訓練装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−502640(P2011−502640A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533191(P2010−533191)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082417
【国際公開番号】WO2009/061772
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(510124467)