肺炎予防に効果が期待できる「キリタンポ型歯ブラシ」
【課題】 歯ブラシの毛先が歯並び（横）方向や、歯茎（縦）方向に開き、歯ブラシを早く消耗させ、歯磨き効果が薄れることを防ぎ、また歯茎と歯は当然として舌や上顎を含めた口腔内を効率的に適度に刺激し、肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシを提供する。
【解決手段】 歯を磨くという本来の目的である歯ブラシの消耗を極力防ぎ、歯磨き効果を持続させるという目的と、最近注目されている肺炎予防に有効な手段の一つである歯茎及び歯は勿論、舌及び上顎を含めた口腔内に適度な刺激を効果的に与えるという二つの課題を解決するために、歯ブラシのブラシ先端部の形状を表面積の大きなドーム状にし、それに円筒型のブラシを加えて、効率的な歯磨き効果と歯ブラシの消耗を防ぎ、更に口腔内の接触面積を増やし、適度な刺激を効果的に与えることが出来る肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【解決手段】 歯を磨くという本来の目的である歯ブラシの消耗を極力防ぎ、歯磨き効果を持続させるという目的と、最近注目されている肺炎予防に有効な手段の一つである歯茎及び歯は勿論、舌及び上顎を含めた口腔内に適度な刺激を効果的に与えるという二つの課題を解決するために、歯ブラシのブラシ先端部の形状を表面積の大きなドーム状にし、それに円筒型のブラシを加えて、効率的な歯磨き効果と歯ブラシの消耗を防ぎ、更に口腔内の接触面積を増やし、適度な刺激を効果的に与えることが出来る肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は歯ブラシの毛の部分が歯並びおよび歯茎方向に開き、歯磨き効果が薄れ、歯ブラシの寿命を短くしているのを防ぐために、ブラシの先端部に毛をドーム状に植毛し、舌及び上顎を含む口腔内に適度な刺激を与え、肺炎予防にも効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の歯ブラシはブラシ部分が使用するにしたがって、歯並び（横）方向にも歯茎（縦）方向にも毛が外側に開き、歯ブラシの寿命を極端に短くしてきた。
【０００３】
しかしこれまでに多くの歯ブラシに関する発明が提供されてきたが、ブラシが外方向に開くことを防ぐといった点を強調した発明はされてこなかった。
【０００４】
このことを積極的に防ぐといった観点からではないが、歯茎（縦）方向への毛の開きを防げる「円筒型歯ブラシ」が提供されてきたが、主たる目的はその歯ブラシの製造方法に力点が置かれていた。
【０００５】
また同じような効果が期待できるものとして「３６０度歯ブラシ」もあるが、これもブラシの毛の外側への開きを防ぐという視点には立っていない。
【０００６】
これら「円筒型歯ブラシ」や「３６０度歯ブラシ」の他、「歯ブラシ」としてだけの特開はいくつかあるが、それらはハンドルに特徴を持たせたもの、植毛の高さを変えたもの、植毛面を波形にしたもの、入れ歯ブラシや丸型毛先の歯ブラシといったもので、これらのいずれもは歯ブラシの毛の外側への開きを積極的に防ぎ、歯磨き効果を促進し、歯ブラシの寿命を長持ちさせるといったものは殆どない。
【０００７】
一方、ここ一年ぐらい前から肺炎予防に歯磨き効果があるという事実が明らかにされてきたが、広く口腔内に適度な刺激を積極的に与えられる形状をした歯ブラシはなかった。
【０００８】
今回提案する発明に関連すると思われる文献は以下の通りである。
【特許文献１】特開２００６−２９７０１４公報
【特許文献２】特表２００２−５１２５４０
【特許文献３】特表２００６−５１５７６９
【特許文献４】特開平８−１６４０２６
【特許文献５】特願平８−２５０７８３
【非特許文献１】読売新聞、２００５年（平成１７年）１月１１日夕刊３版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
一般に歯ブラシを使ったブラッシングは歯並びに沿って、つまり歯ブラシを横方向に往復運動させることが多いために、使っているうちに毛の部分が横方向に開いてくる。また、歯ブラシを使ったブラッシングは歯茎に沿って、つまり歯ブラシを縦方向に回転運動させることが多いため、使っているうちに毛の部分が縦方向に開いてくる。
【００１０】
ブラシの毛の外側への開きは、歯磨き効果を減少させ、歯ブラシの寿命を短くしてきた。
【００１１】
これまでに提供されてきた円筒型歯ブラシであっても、製造方法の違い、つまり一体型か円形ブラシとワッシャーの積み重ね方式か、それらに伴う製造方法の効率化、製造コストの低価格を追求したものであった。
【００１２】
一方、ここ一年ぐらい前から、歯ブラシによる歯茎と歯は当然として、舌や上顎を含めた広く口腔内に適度な刺激を与えることが、今日成人死亡者数の第４位にまでランクアップしてきた肺炎の罹患率の減少に効果的であることが言われてきた。
【００１３】
しかし、口腔内に適度な刺激を積極的に与える効果のあることを考慮した歯ブラシはまだない。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
前記課題を解決するために、本発明は歯ブラシの毛の寿命を長持ちさせると同時に、また口腔内に適度な刺激を与えることが出来るブラシの先端がドーム状をした表面積の大きな「キリタンポ型歯ブラシ」を提案するものである。
【００１５】
先ず歯並び方向の毛の開きを少なくさせるために、歯ブラシのブラシ部分の先端部にドーム状（半球状）に植毛することで歯並び方向の開きを防ぐ。
【００１６】
さらに、歯並び方向の毛の開きのうち、ブラシ部分のハンドル（握り手）側に毛の横倒れ防止ガードをつけて外側への開きを防ぐ。
【００１７】
歯茎方向の毛の開きを少なくさせるために、従来片面だけに植毛されていた部分をハンドルを円筒型にすることによってハンドルを一周するように植毛し歯茎方向の開きを防ぐ。
【００１８】
歯茎や歯は勿論のこと、舌や上顎を含む口腔内に広く適度な刺激を与え、肺炎予防に役立つようにドーム状のブラシ部分の表面積を大きくした。
【００１９】
上記のように提供した外形は正に秋田県名物のキリタンポの形そのものであるので、肺炎予防に効果が期待できる「キリタンポ型歯ブラシ」とした。
【発明の効果】
【００２０】
歯ブラシはキリタンポ型なので、歯ブラシ自体を歯並び、歯茎のいずれの方向に運動（移動）させ、長期間使用しても毛が外側に開くのを減少させることが出来る。
【００２１】
唯一空間が出来る毛のハンドル（握り手）側に、毛の横倒れ防止ガードをハンドルを一周するよう取り付けてあるので、ハンドル側にも毛が開かない。
【００２２】
歯ブラシのブラシ部分のいずれかの方向に空間があると使用するにしたがって毛が外側に開くので、歯並び、歯茎のいずれの方向にも空間を作らないように配慮した。
【００２３】
歯ブラシのハンドル部からブラシ部の末端までが円筒型であるので、ハンドル部分（握り手）には親指ストッパーをハンドルを一周するように取り付け、ハンドルを持つ指が滑らないようにした。
【００２４】
歯ブラシのブラシ部分の先端がドーム状に植毛されているので奥歯の裏側のブラッシングに最適である。
【００２５】
歯ブラシのハンドル部分を自由勝手に握っても、全て同じ条件で歯の裏側から奥歯まで一様にブラッシングできる。
【００２６】
歯ブラシのブラシ部分がドーム状をしたキリタンポ型歯ブラシなので、歯や口腔内に接するトータルの面積が広く、歯磨き時間が少なくても従来の歯ブラシと同じ効果が期待出来る。
【００２７】
口腔内を含め、歯の全体を全て満遍なく磨くことが出来、奥歯の裏側や頬の裏側にも満遍なく適度な刺激を与えることが出来るので、口腔内の血行も良くする効果を含め、肺炎予防に効果を発揮することが期待できる。
【００２８】
ドーム状に円筒型のブラシを付加することでブラシの表面積が格段に増え、それによってブラシと口腔内の接触面積が増加し、ブラッシング効果と舌と上顎への適度な刺激が十分に得られる。
【００２９】
歯ブラシのブラシ部分がドーム状なので毛が外側に開くことが少なく、従来の製品に比較して歯ブラシが長持ちでき、非常に経済的である。
【００３０】
従来ともすれば、使用中に手が滑り、ブラシの植毛されていない部分が頬の裏側に当たり、その痛さに飛び上がることもあったが、ドーム状に植毛されているので、このような事故に遭うことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３１】
本発明の歯ブラシの長さは１５〜１８ｃｍの標準的なものを想定している。
【００３２】
本発明の実施の形態を図１〜図３を参照しながら説明する。
【００３３】
図１は本発明の「肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ」のブラシ部分の先端部（Ａ）からハンドル（握り手）部分の末端部（Ｄ）までの断面図である。
【００３４】
本発明の主要部分である、本歯ブラシのブラシ部分（Ｂ）は、円筒型のラバーまたは硬質プラスチックのハンドル部（Ｈ）から緩衝部（Ｅ）を経て、ほぼ長さ１ｃｍの円筒型のブラシ（Ｆ）につながるドーム状のブラシ（Ｂ）となっている。
【００３５】
ハンドル部（Ｈ）と緩衝部（Ｅ）は、太さは部分的に異なるものの、全ての形状が円筒型以外は従来の歯ブラシと同じ構造である。
【００３６】
従来の歯ブラシは長期間使用していると、ブラシの毛が歯並び方向に開いてくるので、本発明ではブラシ（Ｆ）の緩衝部（Ｅ）側に開きを防ぐ横倒れ防止ガード（Ｇ）が円盤状に付いている。
【００３７】
本発明のブラシ部分（Ｂ）の植毛部分は球形（Ｍ）をしていて、この例では植毛部（根）の深さを約３ｍｍとしたため、末端の球形部の植毛の深さが浅くなり、植毛が困難になることを考慮して、植毛部分を十分に深くするための配慮であるが、植毛技術によってはもっと浅くすることが可能で、その場合は球形の直径を小さくすることが出来る。
【００３８】
図１〜図３において、黒く塗り潰してあるところ（Ｐ）は、ブラシの植毛の深さ（毛の根の部分）を表している。
【００３９】
ブラシの円筒部分（Ｆ）のみが従来の円筒型歯ブラシや３６０度歯ブラシとして提供された部分に対応している。
【００４０】
図２は図１のブラシ部分の拡大図で、図３は図１のＸ−Ｙ断面図で、（Ｆ）がブラシ部分、（Ｐ）がブラシの植毛部分の深さを表している。
【００４１】
ハンドル（Ｈ）のブラシ方向にある緩衝部分（Ｅ）は、ハンドルとブラシの間でハンドルそのものよりも多少弾力性のある材質で作られ、万が一の場合の歯に対する衝撃を和らげるための働きをするものである。
【００４２】
親指ストッパー（Ｓ）は、歯ブラシを持つ手の親指が円筒型のハンドルのために万が一滑って歯ブラシ先端部を強く頬の裏側や、奥歯の裏側に突き進むことがないように、緩やかな起伏を持って円筒型のハンドルを一周するように取り囲み、ハンドル（Ｈ）側の片側には小さな半球状の突起が付けられ、さらにストッパー効果を高めている。
【００４３】
肺炎予防に効果が期待されるキリタンポ型歯ブラシは、従来の歯ブラシがブラシ自体の毛はそれほど消耗していないにもかかわらず、外側に開き歯磨き効果が薄れ、歯ブラシの寿命を短くしていた欠点を十分クリアできる。
【００４４】
肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ部分先端部の形状がドーム状をして広い表面積を有し、歯及び歯茎は勿論のこと広い口腔内に適度な刺激を与えることが出来、肺炎予防の効果が十分に期待できる。
【実施例】
【００４５】
上に述べたように、本発明によれば、下記の効果を十二分に発揮できる。
（１）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にしたキリタンポ型歯ブラシによって、ブラシの毛の先端部への開きを防ぐことが出来る。
【００４６】
（２）歯ブラシのブラシ部分のハンドル側に横倒れガードを付けることによって、ブラシの毛のハンドル側への開きを防ぐことが出来る。
【００４７】
（３）歯ブラシのブラシ部分の一部を円筒型にすることによって、ブラシの歯茎方向への開きを防ぐことが出来る。
【００４８】
（４）歯ブラシのブラシ部分をドーム状＋円筒型にすることによって、従来の歯ブラシように片面だけでなく、満遍なくブラシ部分が使用でき、歯ブラシの寿命が大きく延びる。
【００４９】
（５）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、奥歯や奥歯の裏側までも満遍なく磨くことが出来る。
【００５０】
（６）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、頬の裏側も適度に刺激して血行を促し、口腔内を爽快にする。
【００５１】
（７）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、舌及び上顎を含む口腔内に適度な刺激を与えることが出来るので肺炎予防に効果が十分期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【００５２】
（８）歯ブラシのブラシ部分をドーム状＋円筒型にすることによって、ブラシ自体の表面積を大きくしたので、口腔内の接触面積が増加し、効率的に肺炎予防に効果を期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【産業上の利用可能性】
【００５３】
本発明に関連して提供されたいくつかの発明は、主として製造方法に主眼が置かれ、通常の歯ブラシ利用者が持つ歯ブラシ本来の欠点であった、ブラシの毛先が開き、歯磨き効果を減少させ、尚かつ消耗が早くなるといったことに対して、本発明の肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシは、これらの欠点のいずれも解決することが出来る。
【００５４】
本発明のキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ先端部のドーム状の形状による広いブラシ表面積によって、舌や上顎を含む口腔内に適度な刺激を与え、マッサージ効果を効率的に与えることが出来、肺炎予防に効果が期待できる。
【００５５】
本発明のキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ先端部のドーム状の形状に繋がる円筒型の広いブラシ表面積は、歯茎や歯との接触面積を増加させ、口腔内に適度な刺激を与え、血行をよくするといった多忙な現代人に短時間で十分な歯磨き効果を与えると同時に、肺炎予防に効果が期待できるといった歯ブラシ本来の目的以外のメリットがある。
【００５６】
２００７年２月２１日２０時放送のＮＨＫ人気番組「ためしてガッテン」では、最近増加を続ける肺炎による死亡者は遂に年間１０万人に達したと報じ、特に高齢者の肺炎予防に「歯茎＋歯」を同時に磨くことが提案され、加えて「舌＋上顎」も軽く磨くという適度な刺激を口腔内に増やすことの必要性を説いていたが、本発明の「キリタンポ型歯ブラシ」は先端部がドーム状の広い表面積を持ち、円筒部を加えたブラシ部は広い接触面積を有し、口腔内のマッサージに効率的に働き、正にこの予防に効果的に対応できる最適なものである。
【００５７】
以上のように、本発明は歯を磨くという従来の歯ブラシの形状を大きく変えることによって、歯磨き効果を増大させ、歯ブラシの消耗を減少させることに成功すると共に、特に高齢者の肺炎予防に効果が期待できるといった大きなメリットもあり、今後の産業上の利用可能性は極めて高いものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明である肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ全体の断面図（Ａ−Ｄ断面図）。
【図２】図１のブラシ部分の拡大図（この図ではブラシ部分の直径を最大２８ｍｍにしてある。植毛部の心棒（Ｔ）の直径と毛根の兼ね合いで心棒の直径を小さくし、毛の長さを１０ｍｍ以下にすることで、ブラシ部分の直径を２３ｍｍ以下にすることも可能である）。
【図３】本発明の歯ブラシ円筒部分の断面図（Ｘ−Ｙ断面図）。（注：図１〜図３とも断面図ではあるが、ブラシの植毛状態は厳密に同一面内にあることを意味しているものではなく、厚さ１〜２ｍｍを考慮した断面図と理解して頂きたい。したがって、一束のブラシの毛材群はイメージとして見ていただきたい）
【符号の説明】
Ａ：歯ブラシのブラシ部分の先端部、
Ｂ：歯ブラシのドーム状部分、
Ｃ：吊り下げ用孔、
Ｄ：歯ブラシのハンドル部分の末端部、
Ｅ：ハンドルとブラシの間の緩衝部分、
Ｆ：ブラシの円筒部分、
Ｇ：ブラシの横倒れ防止ガード、
Ｈ：歯ブラシのハンドル部分、
Ｊ：親指のストッパーの滑り止め突起、
Ｍ：ドーム状ブラシの植毛部、
Ｐ：ブラシの植毛の深さ（黒い部分）、
Ｓ：親指のストッパー、
Ｔ：ブラシの円筒部の心棒、
Ｘ、Ｙ：円筒部のブラシの断面部分。
【技術分野】
【０００１】
本発明は歯ブラシの毛の部分が歯並びおよび歯茎方向に開き、歯磨き効果が薄れ、歯ブラシの寿命を短くしているのを防ぐために、ブラシの先端部に毛をドーム状に植毛し、舌及び上顎を含む口腔内に適度な刺激を与え、肺炎予防にも効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の歯ブラシはブラシ部分が使用するにしたがって、歯並び（横）方向にも歯茎（縦）方向にも毛が外側に開き、歯ブラシの寿命を極端に短くしてきた。
【０００３】
しかしこれまでに多くの歯ブラシに関する発明が提供されてきたが、ブラシが外方向に開くことを防ぐといった点を強調した発明はされてこなかった。
【０００４】
このことを積極的に防ぐといった観点からではないが、歯茎（縦）方向への毛の開きを防げる「円筒型歯ブラシ」が提供されてきたが、主たる目的はその歯ブラシの製造方法に力点が置かれていた。
【０００５】
また同じような効果が期待できるものとして「３６０度歯ブラシ」もあるが、これもブラシの毛の外側への開きを防ぐという視点には立っていない。
【０００６】
これら「円筒型歯ブラシ」や「３６０度歯ブラシ」の他、「歯ブラシ」としてだけの特開はいくつかあるが、それらはハンドルに特徴を持たせたもの、植毛の高さを変えたもの、植毛面を波形にしたもの、入れ歯ブラシや丸型毛先の歯ブラシといったもので、これらのいずれもは歯ブラシの毛の外側への開きを積極的に防ぎ、歯磨き効果を促進し、歯ブラシの寿命を長持ちさせるといったものは殆どない。
【０００７】
一方、ここ一年ぐらい前から肺炎予防に歯磨き効果があるという事実が明らかにされてきたが、広く口腔内に適度な刺激を積極的に与えられる形状をした歯ブラシはなかった。
【０００８】
今回提案する発明に関連すると思われる文献は以下の通りである。
【特許文献１】特開２００６−２９７０１４公報
【特許文献２】特表２００２−５１２５４０
【特許文献３】特表２００６−５１５７６９
【特許文献４】特開平８−１６４０２６
【特許文献５】特願平８−２５０７８３
【非特許文献１】読売新聞、２００５年（平成１７年）１月１１日夕刊３版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
一般に歯ブラシを使ったブラッシングは歯並びに沿って、つまり歯ブラシを横方向に往復運動させることが多いために、使っているうちに毛の部分が横方向に開いてくる。また、歯ブラシを使ったブラッシングは歯茎に沿って、つまり歯ブラシを縦方向に回転運動させることが多いため、使っているうちに毛の部分が縦方向に開いてくる。
【００１０】
ブラシの毛の外側への開きは、歯磨き効果を減少させ、歯ブラシの寿命を短くしてきた。
【００１１】
これまでに提供されてきた円筒型歯ブラシであっても、製造方法の違い、つまり一体型か円形ブラシとワッシャーの積み重ね方式か、それらに伴う製造方法の効率化、製造コストの低価格を追求したものであった。
【００１２】
一方、ここ一年ぐらい前から、歯ブラシによる歯茎と歯は当然として、舌や上顎を含めた広く口腔内に適度な刺激を与えることが、今日成人死亡者数の第４位にまでランクアップしてきた肺炎の罹患率の減少に効果的であることが言われてきた。
【００１３】
しかし、口腔内に適度な刺激を積極的に与える効果のあることを考慮した歯ブラシはまだない。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
前記課題を解決するために、本発明は歯ブラシの毛の寿命を長持ちさせると同時に、また口腔内に適度な刺激を与えることが出来るブラシの先端がドーム状をした表面積の大きな「キリタンポ型歯ブラシ」を提案するものである。
【００１５】
先ず歯並び方向の毛の開きを少なくさせるために、歯ブラシのブラシ部分の先端部にドーム状（半球状）に植毛することで歯並び方向の開きを防ぐ。
【００１６】
さらに、歯並び方向の毛の開きのうち、ブラシ部分のハンドル（握り手）側に毛の横倒れ防止ガードをつけて外側への開きを防ぐ。
【００１７】
歯茎方向の毛の開きを少なくさせるために、従来片面だけに植毛されていた部分をハンドルを円筒型にすることによってハンドルを一周するように植毛し歯茎方向の開きを防ぐ。
【００１８】
歯茎や歯は勿論のこと、舌や上顎を含む口腔内に広く適度な刺激を与え、肺炎予防に役立つようにドーム状のブラシ部分の表面積を大きくした。
【００１９】
上記のように提供した外形は正に秋田県名物のキリタンポの形そのものであるので、肺炎予防に効果が期待できる「キリタンポ型歯ブラシ」とした。
【発明の効果】
【００２０】
歯ブラシはキリタンポ型なので、歯ブラシ自体を歯並び、歯茎のいずれの方向に運動（移動）させ、長期間使用しても毛が外側に開くのを減少させることが出来る。
【００２１】
唯一空間が出来る毛のハンドル（握り手）側に、毛の横倒れ防止ガードをハンドルを一周するよう取り付けてあるので、ハンドル側にも毛が開かない。
【００２２】
歯ブラシのブラシ部分のいずれかの方向に空間があると使用するにしたがって毛が外側に開くので、歯並び、歯茎のいずれの方向にも空間を作らないように配慮した。
【００２３】
歯ブラシのハンドル部からブラシ部の末端までが円筒型であるので、ハンドル部分（握り手）には親指ストッパーをハンドルを一周するように取り付け、ハンドルを持つ指が滑らないようにした。
【００２４】
歯ブラシのブラシ部分の先端がドーム状に植毛されているので奥歯の裏側のブラッシングに最適である。
【００２５】
歯ブラシのハンドル部分を自由勝手に握っても、全て同じ条件で歯の裏側から奥歯まで一様にブラッシングできる。
【００２６】
歯ブラシのブラシ部分がドーム状をしたキリタンポ型歯ブラシなので、歯や口腔内に接するトータルの面積が広く、歯磨き時間が少なくても従来の歯ブラシと同じ効果が期待出来る。
【００２７】
口腔内を含め、歯の全体を全て満遍なく磨くことが出来、奥歯の裏側や頬の裏側にも満遍なく適度な刺激を与えることが出来るので、口腔内の血行も良くする効果を含め、肺炎予防に効果を発揮することが期待できる。
【００２８】
ドーム状に円筒型のブラシを付加することでブラシの表面積が格段に増え、それによってブラシと口腔内の接触面積が増加し、ブラッシング効果と舌と上顎への適度な刺激が十分に得られる。
【００２９】
歯ブラシのブラシ部分がドーム状なので毛が外側に開くことが少なく、従来の製品に比較して歯ブラシが長持ちでき、非常に経済的である。
【００３０】
従来ともすれば、使用中に手が滑り、ブラシの植毛されていない部分が頬の裏側に当たり、その痛さに飛び上がることもあったが、ドーム状に植毛されているので、このような事故に遭うことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３１】
本発明の歯ブラシの長さは１５〜１８ｃｍの標準的なものを想定している。
【００３２】
本発明の実施の形態を図１〜図３を参照しながら説明する。
【００３３】
図１は本発明の「肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ」のブラシ部分の先端部（Ａ）からハンドル（握り手）部分の末端部（Ｄ）までの断面図である。
【００３４】
本発明の主要部分である、本歯ブラシのブラシ部分（Ｂ）は、円筒型のラバーまたは硬質プラスチックのハンドル部（Ｈ）から緩衝部（Ｅ）を経て、ほぼ長さ１ｃｍの円筒型のブラシ（Ｆ）につながるドーム状のブラシ（Ｂ）となっている。
【００３５】
ハンドル部（Ｈ）と緩衝部（Ｅ）は、太さは部分的に異なるものの、全ての形状が円筒型以外は従来の歯ブラシと同じ構造である。
【００３６】
従来の歯ブラシは長期間使用していると、ブラシの毛が歯並び方向に開いてくるので、本発明ではブラシ（Ｆ）の緩衝部（Ｅ）側に開きを防ぐ横倒れ防止ガード（Ｇ）が円盤状に付いている。
【００３７】
本発明のブラシ部分（Ｂ）の植毛部分は球形（Ｍ）をしていて、この例では植毛部（根）の深さを約３ｍｍとしたため、末端の球形部の植毛の深さが浅くなり、植毛が困難になることを考慮して、植毛部分を十分に深くするための配慮であるが、植毛技術によってはもっと浅くすることが可能で、その場合は球形の直径を小さくすることが出来る。
【００３８】
図１〜図３において、黒く塗り潰してあるところ（Ｐ）は、ブラシの植毛の深さ（毛の根の部分）を表している。
【００３９】
ブラシの円筒部分（Ｆ）のみが従来の円筒型歯ブラシや３６０度歯ブラシとして提供された部分に対応している。
【００４０】
図２は図１のブラシ部分の拡大図で、図３は図１のＸ−Ｙ断面図で、（Ｆ）がブラシ部分、（Ｐ）がブラシの植毛部分の深さを表している。
【００４１】
ハンドル（Ｈ）のブラシ方向にある緩衝部分（Ｅ）は、ハンドルとブラシの間でハンドルそのものよりも多少弾力性のある材質で作られ、万が一の場合の歯に対する衝撃を和らげるための働きをするものである。
【００４２】
親指ストッパー（Ｓ）は、歯ブラシを持つ手の親指が円筒型のハンドルのために万が一滑って歯ブラシ先端部を強く頬の裏側や、奥歯の裏側に突き進むことがないように、緩やかな起伏を持って円筒型のハンドルを一周するように取り囲み、ハンドル（Ｈ）側の片側には小さな半球状の突起が付けられ、さらにストッパー効果を高めている。
【００４３】
肺炎予防に効果が期待されるキリタンポ型歯ブラシは、従来の歯ブラシがブラシ自体の毛はそれほど消耗していないにもかかわらず、外側に開き歯磨き効果が薄れ、歯ブラシの寿命を短くしていた欠点を十分クリアできる。
【００４４】
肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ部分先端部の形状がドーム状をして広い表面積を有し、歯及び歯茎は勿論のこと広い口腔内に適度な刺激を与えることが出来、肺炎予防の効果が十分に期待できる。
【実施例】
【００４５】
上に述べたように、本発明によれば、下記の効果を十二分に発揮できる。
（１）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にしたキリタンポ型歯ブラシによって、ブラシの毛の先端部への開きを防ぐことが出来る。
【００４６】
（２）歯ブラシのブラシ部分のハンドル側に横倒れガードを付けることによって、ブラシの毛のハンドル側への開きを防ぐことが出来る。
【００４７】
（３）歯ブラシのブラシ部分の一部を円筒型にすることによって、ブラシの歯茎方向への開きを防ぐことが出来る。
【００４８】
（４）歯ブラシのブラシ部分をドーム状＋円筒型にすることによって、従来の歯ブラシように片面だけでなく、満遍なくブラシ部分が使用でき、歯ブラシの寿命が大きく延びる。
【００４９】
（５）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、奥歯や奥歯の裏側までも満遍なく磨くことが出来る。
【００５０】
（６）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、頬の裏側も適度に刺激して血行を促し、口腔内を爽快にする。
【００５１】
（７）歯ブラシのブラシ部分の先端部をドーム状にすることによって、舌及び上顎を含む口腔内に適度な刺激を与えることが出来るので肺炎予防に効果が十分期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【００５２】
（８）歯ブラシのブラシ部分をドーム状＋円筒型にすることによって、ブラシ自体の表面積を大きくしたので、口腔内の接触面積が増加し、効率的に肺炎予防に効果を期待できるキリタンポ型歯ブラシ。
【産業上の利用可能性】
【００５３】
本発明に関連して提供されたいくつかの発明は、主として製造方法に主眼が置かれ、通常の歯ブラシ利用者が持つ歯ブラシ本来の欠点であった、ブラシの毛先が開き、歯磨き効果を減少させ、尚かつ消耗が早くなるといったことに対して、本発明の肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシは、これらの欠点のいずれも解決することが出来る。
【００５４】
本発明のキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ先端部のドーム状の形状による広いブラシ表面積によって、舌や上顎を含む口腔内に適度な刺激を与え、マッサージ効果を効率的に与えることが出来、肺炎予防に効果が期待できる。
【００５５】
本発明のキリタンポ型歯ブラシは、ブラシ先端部のドーム状の形状に繋がる円筒型の広いブラシ表面積は、歯茎や歯との接触面積を増加させ、口腔内に適度な刺激を与え、血行をよくするといった多忙な現代人に短時間で十分な歯磨き効果を与えると同時に、肺炎予防に効果が期待できるといった歯ブラシ本来の目的以外のメリットがある。
【００５６】
２００７年２月２１日２０時放送のＮＨＫ人気番組「ためしてガッテン」では、最近増加を続ける肺炎による死亡者は遂に年間１０万人に達したと報じ、特に高齢者の肺炎予防に「歯茎＋歯」を同時に磨くことが提案され、加えて「舌＋上顎」も軽く磨くという適度な刺激を口腔内に増やすことの必要性を説いていたが、本発明の「キリタンポ型歯ブラシ」は先端部がドーム状の広い表面積を持ち、円筒部を加えたブラシ部は広い接触面積を有し、口腔内のマッサージに効率的に働き、正にこの予防に効果的に対応できる最適なものである。
【００５７】
以上のように、本発明は歯を磨くという従来の歯ブラシの形状を大きく変えることによって、歯磨き効果を増大させ、歯ブラシの消耗を減少させることに成功すると共に、特に高齢者の肺炎予防に効果が期待できるといった大きなメリットもあり、今後の産業上の利用可能性は極めて高いものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明である肺炎予防に効果が期待できるキリタンポ型歯ブラシ全体の断面図（Ａ−Ｄ断面図）。
【図２】図１のブラシ部分の拡大図（この図ではブラシ部分の直径を最大２８ｍｍにしてある。植毛部の心棒（Ｔ）の直径と毛根の兼ね合いで心棒の直径を小さくし、毛の長さを１０ｍｍ以下にすることで、ブラシ部分の直径を２３ｍｍ以下にすることも可能である）。
【図３】本発明の歯ブラシ円筒部分の断面図（Ｘ−Ｙ断面図）。（注：図１〜図３とも断面図ではあるが、ブラシの植毛状態は厳密に同一面内にあることを意味しているものではなく、厚さ１〜２ｍｍを考慮した断面図と理解して頂きたい。したがって、一束のブラシの毛材群はイメージとして見ていただきたい）
【符号の説明】
Ａ：歯ブラシのブラシ部分の先端部、
Ｂ：歯ブラシのドーム状部分、
Ｃ：吊り下げ用孔、
Ｄ：歯ブラシのハンドル部分の末端部、
Ｅ：ハンドルとブラシの間の緩衝部分、
Ｆ：ブラシの円筒部分、
Ｇ：ブラシの横倒れ防止ガード、
Ｈ：歯ブラシのハンドル部分、
Ｊ：親指のストッパーの滑り止め突起、
Ｍ：ドーム状ブラシの植毛部、
Ｐ：ブラシの植毛の深さ（黒い部分）、
Ｓ：親指のストッパー、
Ｔ：ブラシの円筒部の心棒、
Ｘ、Ｙ：円筒部のブラシの断面部分。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
請求する本発明のキリタンポ型歯ブラシは、従来の歯ブラシが使用するにしたがってブラシ部分が歯並び（横）方向にも歯茎（縦）方向にも開くのを防ぎ、長持ちさせる先端がドーム状をしたキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項２】
歯ブラシの毛が歯並び（横）方向に開くのを防ぐために先端の毛をドーム状に植毛したキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項３】
歯ブラシの毛が歯並び（横）方向に開くのを防ぐためにハンドル方向に横倒れ防止ガードを付けたキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項４】
歯ブラシの毛が歯茎（縦）方向に開くのを防ぐために歯ブラシのハンドル部分を全て円筒形にし、ハンドルを一周するように植毛したキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項５】
肺炎予防に効果が期待できる「歯茎と歯」に適度な刺激を与えることが出来る広い接触面積を持ったキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項６】
肺炎予防に効果が期待できる「舌や上顎」を含めた口腔内も軽く磨いて適度な刺激を与えることが出来る広い表面積を持ったキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項１】
請求する本発明のキリタンポ型歯ブラシは、従来の歯ブラシが使用するにしたがってブラシ部分が歯並び（横）方向にも歯茎（縦）方向にも開くのを防ぎ、長持ちさせる先端がドーム状をしたキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項２】
歯ブラシの毛が歯並び（横）方向に開くのを防ぐために先端の毛をドーム状に植毛したキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項３】
歯ブラシの毛が歯並び（横）方向に開くのを防ぐためにハンドル方向に横倒れ防止ガードを付けたキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項４】
歯ブラシの毛が歯茎（縦）方向に開くのを防ぐために歯ブラシのハンドル部分を全て円筒形にし、ハンドルを一周するように植毛したキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項５】
肺炎予防に効果が期待できる「歯茎と歯」に適度な刺激を与えることが出来る広い接触面積を持ったキリタンポ型歯ブラシ。
【請求項６】
肺炎予防に効果が期待できる「舌や上顎」を含めた口腔内も軽く磨いて適度な刺激を与えることが出来る広い表面積を持ったキリタンポ型歯ブラシ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−２０６９４９（Ｐ２００８−２０６９４９Ａ）
【公開日】平成２０年９月１１日（２００８．９．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−８５６４６（Ｐ２００７−８５６４６）
【出願日】平成１９年２月２７日（２００７．２．２７）
【出願人】（５０７０８４２７９）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年９月１１日（２００８．９．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年２月２７日（２００７．２．２７）
【出願人】（５０７０８４２７９）
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]