説明

胃から食道への逆流の治療に適した医療器具

胃(201)から食道(202)への逆流を治療するため及び食道の内面に治療薬を給送するための医療器具(200)であり、弁部材(203)、ライニング部材(204)及び支持部材(205)を備えている医療器具。弁部材(203)は、閉塞形体と開放形体との間を動くことができ、食道(202)と胃(201)との間の物質の通過を補助する。弁部材(203)は、閉塞形体に向かって付勢されており、4〜10秒間に亘って前記開放形体から閉塞形体まで徐々に移動する。支持部材(205)は、器具(200)を食道(202)及び胃(201)に対して支持する。ライニング部材(204)は、食道(202)への治療薬の給送のために食道(202)の内面の一部分を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、胃から食道への逆流の治療に適した医療器具、治療薬を消化管へと給送するのに適した医療器具、医療器具を消化管内の治療場所へと給送する方法及び医療器具を消化管内の治療場所へと給送するための給送装置に関する。
【発明の開示】
【0002】
本発明に従って、胃から食道への逆流を治療するのに適した医療器具を提供する。当該医療器具は、
弁部材と、
食道と胃との間を物質が通過するのを容易にする開放形状と閉塞形状との間で可動の弁部材と、を備えており、
前記弁部材は、所定の時間に亘って前記開放形状から前記閉塞形状まで徐々に移動する構造とされている。
【0003】
前記弁部材は、前記閉塞形状においては、胃から食道への逆流を完全に防止するか又は実質的に最少にする。
【0004】
前記弁部材は、前記開放形状から前記閉塞形状へと徐々に移動する。従って、当該弁部材は、食道括約筋の本来の生理的作用に似た形態で作用する。
【0005】
本発明の一つの実施形態においては、前記弁部材は、前記開放形状において、食道から胃への物質の通過を容易にする構造とされている。弁部材は、前記開放形状において、胃から食道への物質の通過を容易にさせる構造としても良い。弁部材は、食物が食道から胃へと燕下するのを容易にさせることができ且つ胃から食道への嘔吐を補助するようにしても良い。従って、当該弁部材は二方向弁として作用することができる。この器具は閉塞形状に向かって付勢されているのが好ましい。弁部材は、当該器具内を物質が通過するときに、閉塞形状から開放形状へと動く構造とされているのが理想的である。
【0006】
一つの場合には、前記所定の時間は1秒以上であり、少なくとも4秒であるのが好ましい。この時間は20秒未満であるのが理想的である。当該時間は10秒以下であるのが最も好ましい。当該時間は4秒乃至10秒とすることができる。
【0007】
一つの実施形態においては、弁部材は粘弾性材料によって構成されている。弁部材は、発泡材によって作られるのが好ましく、ポリウレタン材料によって作られるのが理想的である。
【0008】
一つの場合においては、弁部材は1以上の弁膜を備えている。当該弁膜は、ほぼ径方向内方へ延びているのが好ましい。当該弁膜は、収縮形状と拡張形状との間を可動であるのが理想的である。当該弁膜は、弁部材が開放状態にあるときに収縮した形状であるのが最も好ましい。当該弁膜は、弁部材が閉塞状態にあるときに拡張した形状とすることができる。
【0009】
別の実施形態においては、弁部材は、当該器具の末端の基端側に配置されている。弁部材は、当該器具の基端の末端側に配置しても良い。
【0010】
別の実施形態においては、当該器具は、当該器具を食道及び/又は胃に対して支持するための少なくとも1つの支持部材を備えている。当該支持部材は、弁部材の末端側に配置されているのが好ましい。当該支持部材は、弁部材の基端側に配置されるのが理想的である。当該支持部材は、弁部材に対して同軸状に配置されるのが最も好ましい。当該支持部材は、弁部材の周囲に同軸状に延びていても良い。
【0011】
一つの場合には、当該器具は、末端の支持部材と基端の支持部材とを備えている。基端の支持部材は、末端の支持部材よりも大きいのが好ましい。基端の支持部材の径方向寸法は、末端の支持部材の径方向寸法よりも大きいのが理想的である。
【0012】
基端の支持部材は、末端の支持部材と実質的に同じ大きさとすることができる。
【0013】
一つの場合においては、支持部材はテーパーが付けられている。当該支持部材は、末端に向かって径方向内方へテーパーが付けられているのが好ましい。
【0014】
当該支持部材は末端に向かって径方向外方へテーパーが付けられていても良い。
【0015】
当該支持部材の径方向寸法は、前記支持部材に沿って実質的に一定であっても良い。
【0016】
一つの実施形態においては、支持部材は、2以上の支持部材を備えている。第一の支持部材が第二の支持部材に結合されているのが好ましい。第二の支持部材に対する第一の支持部材の結合領域は関節結合領域からなるのが理想的である。支持部材は、第一の結合領域と第二の結合領域との間に、少なくとも1つの関節結合領域を備えているのが最も好ましい。当該支持部材は、波形状に外周に沿って延びていても良い。支持部材は、ジグザグパターンで外周に沿って延びていても良い。
【0017】
一つの場合においては、支持部材は形状記憶材料によって構成されている。支持部材はニチノールによって構成されるのが好ましい。支持部材はステントによって構成されても良い。
【0018】
別の場合には、支持部材は、食道及び/又は胃の壁と係合可能である。支持部材は、食道及び/又は胃内へと延びることができる。支持部材は、当該器具を食道及び/又は胃の壁に係留するための少なくとも1つのアンカー部材を備えているのが好ましい。当該アンカー部材は、尖った先端を備えているのが好ましい。当該アンカー部材は、少なくとも部分的にほぼ切頭円錐形状としても良い。アンカー部材は、少なくとも部分的にほぼ弾丸形状としても良い。
【0019】
一つの場合においては、支持部材は、少なくとも1つの支持リングを備えている。当該支持部材は、当該器具に沿って隔置された複数の支持リングからなるのが好ましい。支持部材は、器具の第一の端部に第一の支持リングを備え、器具の第二の端部に第二の支持リングを備えている。
【0020】
一つの実施形態においては、支持部材は、食道及び/又は胃の内面にライニング器具を取り付ける構造とされている。支持部材は、接着剤を含んでいるのが好ましい。
【0021】
当該器具は、食道及び/又は胃の内面の一部分を被覆するためのライニング部材を備えていても良い。ライニング部材は、弁部材の径方向外側に配置されている。ライニング部材は、弁部材と一体に形成されているのが理想的である。ライニング部材は、弁部材の末端側へと延びているのが最も好ましい。ライニング部材は、支持部材の径方向外側に配置しても良い。支持部材は、ライニング部材の基端側へ延びているのが好ましい。
【0022】
一つの場合には、支持部材は、ライニング部材の内面に対して係合可能とすることができる。支持部材は、少なくとも部分的にライニング部材内に埋設されていても良い。支持部材は、ライニング部材内に延びていても良い。
【0023】
別の場合には、当該装置は、食道内に少なくとも部分的に配置できる構造とされている。
【0024】
当該装置は、胃内に少なくとも部分的に配置できる構造としても良い。
【0025】
一つの実施形態においては、当該装置は、食道及び/又は胃の内面の一部分の全周に亘って被覆する構造とされている。当該装置は、実質的に管状であるのが好ましい。当該装置は、貫通内腔を規定しているのが理想的である。当該装置の少なくとも一部分は、前記内腔が開放されている開放形体と、前記内腔が閉塞されている密封形体との間を動くことができるのが最も好ましい。当該器具は、前記開放形体と密封形体との間を旋回できるようにしても良い。当該装置は、開放形体から密封形体へと拡張できるようにしても良い。
【0026】
別の場合には、当該器具の外面の径方向寸法は、当該器具に沿って実質的に一定である。
【0027】
当該器具の外面の径方向寸法は、当該器具に沿って変わるようにしても良い。当該器具の外面は、当該器具の端部から中心に向かって内方へテーパーを付けても良い。当該器具の外面は、当該器具の各端部から中心に向かって内方へテーパーを付けるのが好ましい。
【0028】
当該器具の内面の径方向寸法は、当該器具に沿って変化させても良い。当該器具の内面は、当該器具の端部から中心に向かって内方へテーパーを付けても良い。当該器具の内面は、当該器具の端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられているのが好ましい。
【0029】
別の場合には、当該器具はスリーブを備えている。
【0030】
当該器具は、食道及び/又は胃の内面の一部分の外周の一部分のみを被覆する構造としても良い。当該器具は、パッチ及び/又は人工器官を備えている。
【0031】
一つの場合には、当該器具は、食道及び/又は胃の内面へと治療薬を給送する構造とされている。当該ライニング部材は、治療薬を給送する構造とされている。
【0032】
別の実施形態においては、当該器具は、当該器具を配備位置へ給送する給送形体と、前記配備位置に配備する配備形体とを有している。当該器具は、給送形体へと収縮せしめられるのが好ましい。当該器具は、配備形体へと拡張せしめられるのが理想的である。
【0033】
当該器具は、第一の配備形体と第二の配備形体との間で動くことができるようにしても良い。当該器具は、第一の配備形体から第二の配備形体へと拡張可能であるのが好ましい。当該器具は、第二の配備形体から第一の配備形体へと収縮可能であるのが理想的である。当該器具は、第二の配備形体へ向かって付勢されているのが最も好ましい。当該器具は、所定の時間に亘って前記第一の配備形体から第二の配備形体まで動くような構造とすることができる。第一の配備形体においては、当該器具は、下部食道括約筋によって食道を密封する構造とされている。第二の配備形体においては、当該器具は、食道を密封して一時的な下部食道括約筋の弛緩を受けるような構造とされているのが理想的である。
【0034】
当該器具は、少なくとも部分的にはポリマー材料によって構成しても良い。当該器具は、少なくとも部分的には粘弾性発泡材によって構成しても良い。当該器具の少なくとも一部分は生体吸収性とすることができる。当該器具の少なくとも一部分は生分解性としても良い。
【0035】
当該器具は、食道の内面の一部分を被覆する構造としても良い。当該器具は、胃の内面の一部分を被覆する構造としても良い。当該器具は、結腸の内面の一部分を被覆する構造としても良い。
【0036】
本発明のもう一つ別の特徴に従って、消化管に治療薬を給送するのに適した医療器具が提供される。当該器具は、
治療薬給送部材と、
少なくとも1つの穴を有している給送部材とを備えており、
当該給送部材は、治療薬を貯蔵するための貯蔵空間を形成している。
【0037】
一つの実施形態においては、給送部材は、消化管の内面と直に接触するように消化管内に配置される構造とされている。当該給送部材は、単一層からなる部材であるのが好ましい。当該給送部材は、粘弾性材料からなるのが理想的である。当該給送部材は発泡材からなるのが最も好ましい。給送部材は、ポリウレタン材料によって構成しても良い。給送部材は気泡材料からなるのが好ましい。
【0038】
気泡のうちの少なくとも1つの直径は、0.5μm乃至1000μmの範囲内とすることができ、100μm乃至500μmの範囲内であるのが好ましい。
【0039】
前記貯蔵空間は、気泡の支柱部内に配置することができる。支柱部の幅は、1μm乃至200μmの範囲内とすることができ、1μm乃至10μmの範囲内であるのが好ましい。
【0040】
給送部材の材料の密度は、10kg/m乃至400kg/mの範囲内とすることができ、50kg/m150kg/mであるのが好ましい。
【0041】
別の場合には、当該器具は、給送部材を消化管に対して支持するために少なくとも1つの支持部材を備えている。当該支持部材は、給送部材を消化管の内面に取り付けることができる構造とされているのが好ましい。支持部材は接着剤を含んでいるのが理想的である。
【0042】
一つの場合には、支持部材は、消化管の内面の一部分を被覆する給送部材を支持できる構造とされている。当該支持部材は、給送部材の外側に設けられても良い。当該支持部材は、給送部材の内面に対して係合可能とすることができる。当該支持部材は、給送部材内に少なくとも部分的に埋設させても良い。当該支持部材は給送部材内を伸長するようにしても良い。
【0043】
一つの場合には、当該支持部材は、消化管の壁と係合可能である。支持部材は、消化管の壁へと伸長可能である。当該支持部材は、給送部材を消化管の壁に固定するための少なくとも1つのアンカーを備えているのが理想的である。当該アンカー部材は尖端を有しているのが好ましい。当該アンカー部材は少なくとも部分的にほぼ切頭円錐形状としても良い。当該アンカー部材は、少なくとも部分的にほぼ弾丸形状としても良い。
【0044】
一つの実施形態においては、支持部材は、少なくとも1つの支持リングからなり、給送部材に沿って拡張された複数の支持リングからなるのが好ましい。当該支持部材は、給送部材の第一の端部に第一の支持リングを備え、給送部材の第二の端部に第二の支持リングを備えているのが理想的である。
【0045】
別の場合には、給送部材は、消化管の内面の一部分の全周を被覆する構造とされている。当該給送部材は、ほぼ管状であるのが好ましい。当該給送部材は、貫通内腔を規定しているのが理想的である。
【0046】
別の実施形態においては、給送部材の外面の径方向寸法は、給送部材に沿ってほぼ一定である。
【0047】
給送部材の外面の径方向寸法は、当該給送部材に沿って変えても良い。給送部材の外面は、当該給送部材の端部から中心に向かって内方へテーパーを付けても良い。給送部材の外面は、当該給送部材の各端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられているのが好ましい。
【0048】
当該給送部材の内面の径方向寸法は、当該給送部材に沿って変えても良い。給送部材の内面は、当該給送部材の端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられても良い。当該給送部材の内面は、当該給送部材の各端部から中心に向かってテーパーが付けられているのが好ましい。
【0049】
一つの場合には、給送部材はスリーブを備えている。
【0050】
前記給送部材は、消化管の内面の一部分の周に沿った一部分のみを被覆する構造としても良い。給送部材はパッチ及び/又は人工器官を備えているのが好ましい。
【0051】
別の場合には、当該器具は、当該器具を消化管を介して配備位置まで給送する給送形体と、配備位置に配備させるための配備形体とを有している。当該器具は、給送形体へと収縮せしめられるのが好ましい。当該器具は拡張されると配備形体となるのが理想的である。
【0052】
当該給送部材は、少なくとも部分的にはポリマー材料によって構成しても良い。当該器具の少なくとも一部分は生体吸収性としても良い。当該器具の少なくとも一部分は生分解性であっても良い。
【0053】
当該器具は、治療薬を結腸へと給送する構造としても良い。当該器具は、治療薬を消化管の内面へ給送するようにしても良い。当該器具は、治療薬を食道へ給送するようにしても良い。当該器具は、治療薬を胃に給送するようにしても良い。
【0054】
本発明の別の特徴に従って、消化管内の治療場所へ医療器具を給送する方法が提供される。当該方法は、
医療器具を準備するステップと、
給送カテーテルを準備するステップと、
前記医療器具を少なくとも部分的に前記給送カテーテル内へ配置するステップと、
前記給送カテーテルを消化管内へ進入させるステップと、
前記医療器具を、前記給送カテーテルから消化管内の治療位置へ配備させるステップと、を含んでいる。
【0055】
一つの実施形態においては、当該方法は、少なくとも部分的に給送カテーテル内に配備する前に、前記医療器具の少なくとも一部分を圧潰するステップを含んでいる。当該医療器具は、圧潰されて折り畳まれた形状にされるのが好ましい。医療器具を圧潰して折り畳み形体とすることによって、当該医療器具が圧潰されたときに高さが低くなる。
【0056】
当該医療器具は、当該医療器具を前記給送カテーテル内へと少なくとも部分的に引き抜くことによって、前記給送カテーテル内に配置することができる。当該医療器具は、給送カテーテルの少なくとも一部分を前記医療器具に対して進入させることによって給送カテーテル内に配置することができる。
【0057】
一つの場合には、当該方法は、
医療用ガイドワイヤを準備するステップと、
当該医療用ガイドワイヤを消化管内を進入させるステップとを含んでいる。
【0058】
給送カテーテルは、医療用ガイドワイヤの外周に沿って進入せしめられる。当該医療用ガイドワイヤは、消化管内を給送カテーテルを給送させるためのガイド経路として機能する。
【0059】
当該医療器具は、給送カテーテルの少なくとも一部分を当該医療器具に対して後退させることによって配置することができる。当該医療器具は、給送カテーテルの少なくとも一部分を当該医療器具に対して進入させることによって配備しても良い。
【0060】
一つの実施形態においては、当該医療器具は、配備後に給送カテーテルから拡張する。当該医療器具は、配備されたときに給送カテーテルから自動的に拡張するのが好ましい。
【0061】
別の場合には、当該方法は、
配備補助部材を準備するステップと、
医療器具と給送カテーテルとの間に前記配備補助部材を配置するステップとを備えている。
【0062】
当該配備補助部材は、医療器具と給送カテーテルとの間に作用する摩擦力を最小にすることができる。このようにして、給送カテーテルからの医療器具の配備が容易化される。同様に、給送カテーテル内への医療器具の装着も容易化することができる。
【0063】
当該方法は、治療位置において配備補助部材を給送カテーテルから配備するステップを含んでいるのが好ましい。当該配備補助部材は、当該医療器具を配備したときに配備されるのが理想的である。
【0064】
もう一つ別の実施形態においては、当該方法は、医療器具を給送カテーテルから配備した後に当該医療器具を少なくとも部分的に給送カテーテル内に配置するステップを含んでいる。当該医療器具を二回目に給送カテーテル内に配置することによって、当該医療器具の配置を移動させるか又は第二の治療位置に対して調整することが可能になる。当該方法は、給送カテーテルを消化管内を移動させるステップを含んでいるのが好ましい。当該方法は、消化管内の第二の治療位置において医療器具を給送カテーテルから配備するステップを含んでいる理想的である。
【0065】
一つの場合には、当該方法は、給送カテーテルを消化管から引き抜くステップを含んでいる。
【0066】
当該方法は、医療器具を食道内の治療位置へと給送する方法としても良い。
【0067】
当該方法は、医療器具を胃の中の治療位置へ給送する方法としても良い。
【0068】
本発明はまた、更に別の特徴に従って、医療器具を消化管内の治療位置へと給送するための給送装置をも提供する。当該装置は、
給送カテーテルを備え、当該給送カテーテルは、医療器具を少なくとも部分的に配置させることができる受け入れ空間を備えている。
【0069】
一つの実施形態においては、前記給送カテーテルは、医療器具を消化管を介して治療位置へと給送するための給送形体と、医療器具を治療位置に配備するための配備形体とを有している。
【0070】
当該給送カテーテルは、医療器具が当該医療器具を配備するためにその中を通過できる受け入れ空間からの出口を備えている。当該給送カテーテルは、前記出口に隣接して肩部を備えているのが好ましい。当該肩部は径方向外方へ延びている理想的である。当該肩部は、給送カテーテルの外周に沿って延びているのが最も好ましい。
【0071】
一つの場合には、医療器具を給送カテーテルから配備するために、給送カテーテルの少なくとも一部分が医療器具に対して後退可能とされる。給送カテーテルの一部分はシースを備えているのが好ましい。
【0072】
別の場合には、医療器具を給送カテーテルから配備するために、給送カテーテルの少なくとも一部分が医療器具に対して前進できるようになされる。給送カテーテルの一部分は押し込み部材を備えているのが好ましい。
【0073】
当該給送カテーテルは、前記受け入れ空間から医療器具を配備するために、前記給送形体と配備形体との間を移動可能なイジェクタを備えていても良い。
【0074】
当該給送カテーテルは、拡張可能な部分を備えていても良い。医療器具は、当該拡張可能な部分を覆うように取り付けることができるのが好ましい。当該拡張可能な部分は、前記給送形体で収縮される。当該拡張可能な部分は、前記配備形体で拡張可能であっても良い。
【0075】
一つの場合には、給送カテーテルはカバー部材を備えている。給送形体においては、カバー部材は、当該医療器具を覆うように医療器具の周囲に沿って延びているのが好ましい。当該給送形体においては、カバー部材は、医療器具を拘束するのが理想的である。当該配備形体においては、前記カバー部材は、医療器具のカバーを取るために後退せしめられても良い。
【0076】
別の場合においては、当該装置は、医療器具と給送カテーテルとの間に配置するための補助部材を備えている。当該配備補助部材は医療器具に結合されているのが好ましい。当該配備補助部材は、低摩擦係数材料からなるのが理想的である。配備補助部材は実質的に管状であっても良い。当該配備補助部材はスリーブを備えているのが好ましい。当該配備補助部材は生分解性材料からなるのが理想的である。
【0077】
一つの場合には、当該装置は、医療用ガイドワイヤを備えている。給送カテーテルは、当該医療用ガイドワイヤの外周に沿って前進可能であるのが好ましい。
【0078】
当該装置は医療器具を食道内の治療位置へ給送するための給送装置としても良い。
【0079】
当該装置は医療器具を胃内の治療位置へ給送するための給送装置としても良い。
【0080】
本発明の更に別の特徴に従って、
医療器具と、
当該医療器具を本発明の消化管内の治療位置へ給送するための給送装置と、を備えたキットが提供される。
【0081】
一つの場合には、当該医療器具は、圧潰形体と拡張形体との間を動くことができる。当該医療器具は、実質的に折り畳まれて前記圧潰形体とされるのが好ましい。当該医療器具は、前記拡張形体に向かって付勢されているのが理想的である。
【0082】
当該医療器具は、本発明による器具を含むことができる。
【0083】
本発明の医療器具は、双方向の流れを許容するように設計されているので、一方向弁に関する問題点を解決することができる。一つの実施形態においては、当該器具は、実際には、食道の内腔を完全に閉塞せず、筋肉の本来の機能を補うために、単に括約筋の周囲の嵩を増す。これは、類似した形態で圧縮させ、拡張させ、弛緩させて、生理学的擬態でそれ自体機能させるという点で、本来の食道組織の作用を機械的に擬態させることができる。当該器具は、生理学的擬態であるので、これは、向きを逆にし又は変更して著しい改良を示させる必要はない。当該器具は、人工器官の括約筋挿入器具として機能する。
【0084】
本発明は、生体適合物質からの薬剤の放出を制御するための機構を提供する。本発明は、薬剤の放出を制御するために物質の多くの層を備える必要はない。
【0085】
本発明は、侵襲性ではなく、組織内に配置されない。むしろ、本発明は組織の表面上に配置される。
【0086】
本発明の医療器具は、弾性的ではなく、むしろ本来の組織の特性を擬態している。当該器具は、食道組織を貫通せず、従って、組織に対して傷を生じさせない。
【0087】
本発明のもう一つ別の特徴に従って、消化管の内面の一部分を被覆するための手段を備えている医療器具が提供される。食道の内面の一部を被覆することによって、消化管が治療可能になる。
【0088】
本発明の一実施形態においては、当該器具は、消化管の内面の一部を被覆するライニング手段を支持する手段を備えている。ライニング手段を支持することによって、これはライニング手段を所望の位置に維持する補助となり且つ例えば消化管の蠕動動作又は消化管内を通る食物によるライニング手段の押しのけに抗する補助となる。当該支持手段は、ライニング手段を消化管の内面に取り付ける手段を備えているのが好ましい。当該取り付け手段は接着剤からなるのが理想的である。
【0089】
一つの場合には、当該支持手段は、消化管の内面の一部分を被覆するライニング手段を支持するための支持部材を備えている。当該支持部材は、ライニング手段の外部に設けるのが好ましい。当該支持部材は、ライニング手段の内面に係合可能であるのが理想的である。当該支持部材は、少なくとも部分的にライニング手段内に埋設されていても良い。当該支持部材は、ライニング手段内を貫通して延びていても良い。当該支持部材は、消化管の壁内へ伸長可能であるのが好ましい。当該支持部材は、ライニング手段を消化管の壁に固定するための少なくとも一つのアンカー部材を備えているのが理想的である。アンカー部材は尖った先端を備えているのが最も好ましい。当該アンカー部材は、少なくとも部分的には、ほぼ切頭円錐形状としても良い。当該アンカー部材は、少なくとも部分的には弾丸形状としても良い。
【0090】
一つの実施形態においては、当該支持部材は、少なくとも一つの支持リングを備えている。当該支持部材は、ライニング手段に沿って隔置されている複数の支持リングを備えているのが好ましい。当該支持部材は、前記ライニング手段の第一の端部に設けられた第一の支持リングと、前記ライニング手段の第二の端部に設けられた第二の支持リングとからなるのが理想的である。
【0091】
別の場合には、ライニング手段は、消化管の内面の一部分の全周を被覆する構造とされている。ライニング手段は実質的に管状であるのが好ましい。ライニング手段は貫通内腔を規定しているのが理想的である。ライニング手段の少なくとも一部分は、内腔が開いている開放形体と、内腔が閉じている密封形体との間を移動可能であるのが好ましい。ライニング手段が密封形体にあるときには、内腔は閉鎖される。従って、当該医療器具は、例えば、胃からの酸の逆流を防止するために、人工筋肉として食道と胃との接合部に人工的な括約筋として採用することができる。当該医療器具は、本来の筋肉の動作と置き換えられるための機械的器具として機能することができる。ライニング手段は、前記開放形体と密封形体との間を旋回することができる。ライニング手段は、前記開放形体から密封形体まで拡張可能であるのが好ましい。
【0092】
ライニング手段の外面の径方向寸法は、当該ライニング手段に沿ってほぼ一定とすることができる。ライニング手段の外面の径方向寸法は、ライニング手段に沿って変化させても良い。ライニング手段の外面は、当該ライニング手段の中心に向かって当該ライニング手段の端部から内方へテーパーを付けても良い。当該ライニング手段の外面は、当該ライニング手段の中心に向かって端部から内方へテーパーが付けられているのが好ましい。
【0093】
当該ライニング手段の内面の径方向寸法は、当該ライニング手段に沿って変えても良い。当該ライニング手段の内面は、当該ライニング手段の端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられるのが好ましい。当該ライニング手段の内面は、当該ライニング手段の各端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられているのが理想的である。
【0094】
もう一つ別の実施形態においては、ライニング手段はスリーブを備えている。
【0095】
一つの場合には、当該ライニング手段は、消化管の内面の一部分の周の一部分のみを被覆する構造とされている。当該ライニング手段は、パッチ及び/又は人工器官を備えているのが好ましい。
【0096】
一つの実施形態においては、当該器具は、治療薬を消化管の内面へ給送する手段を備えている。当該医療器具の機能は、消化管の内面に治療薬を給送すること又は消化管を被覆することである。治療薬を消化管の内面へと給送することによって、この構造は、集中され且つ局部化された薬剤の給送が達成されるのを可能にして、治療を最適化し且つ治療薬の不所望な副作用を最少化する。前記ライニング手段は、治療薬を給送する手段を含んでいるのが好ましい。
【0097】
もう一つ別の場合には、当該ライニング手段は、当該ライニング手段を消化管を介して配備位置へと給送できる給送形態と、配備位置へ配備させるための配備形体とを有している。前記給送形体においては、当該ライニング手段は、消化管内での走行を容易にするための嵩が低い形体を有していても良い。当該ライニング手段は前記給送形体へと収縮せしめられるのが好ましい。当該ライニング手段は、拡張されて配備形体とされるのが理想的である。
【0098】
一つの実施形態においては、ライニング手段は、第一の配備形体と第二の配備形体との間で動くことができる。ライニング手段は、第一の配備形体から第二の配備形体へと拡張可能であるのが好ましい。ライニング手段は、第二の配備形体から第一の配備形体へと収縮可能であるのが理想的である。ライニング手段は、第二の配備形体に向かって付勢されているのが最も好ましい。当該ライニング手段は、所定の時間が経過したときに、第一の配備形体から第二の配備形体まで移動する構造としても良い。第一の配備形体においては、ライニング手段は、下部食道括約筋が閉塞された状態で食道を密封する構造とされている。第二の配備形体においては、ライニング手段は、食道を密封して一時的に下部食道括約筋の弛緩を受けさせるような構造とされているのが理想的である。
【0099】
ライニング手段は、少なくとも部分的にポリマー材料とすることができる。ライニング手段は、少なくとも部分的に粘弾性発泡材とすることができる。当該器具の少なくとも一部分は生体吸収性としても良い。当該器具の少なくとも一部分は生分解性としても良い。
【0100】
当該ライニング手段は、食道の内面の一部分を被覆する構造とすることができる。当該ライニング手段は、胃の内面の一部分を被覆できる構造としても良い。当該ライニング手段は、結腸の内面の一部分を被覆する構造としても良い。
【0101】
別の特徴に従って、本発明によって医療器具を消化管内の配備位置へ給送するための給送器具が提供され、当該給送器具は、当該医療器具を消化管を介して配備位置へ給送するための給送形体と、当該医療器具を前記配備位置に配備するための配備形体とを有している。前記給送形体においては、当該給送器具は、消化管内での走行を容易にする嵩が低い形体とすることができる。
【0102】
一つの実施形態においては、給送形体においては、当該医療器具は、医療器具を受け入れるための受け入れ空間を備えている。当該医療器具は、医療器具の配備のために医療器具が通過することができる受け入れ空間からの出口を備えているのが好ましい。当該器具は、出口に隣接した肩部を備えているのが理想的である。当該給送器具の肩部は、医療器具の配備を容易にするために消化管の壁を押圧するように機能する。当該肩部は、径方向外方へ延びているのが最も好ましい。当該肩部は、当該器具の周に沿って延びていても良い。
【0103】
一つの場合には、当該器具は、医療器具を前記受け入れ空間から配備するために、給送形体と配備形体との間を可動のイジェクタを備えている。
【0104】
当該器具は、拡張可能な部分を備えていても良い。医療器具は、当該拡張可能な部分を覆うように取り付けることができる。当該拡張可能な部分は、前記給送形体においては収縮せしめられるのが理想的である。当該拡張可能な部分は、前記配備形体においては拡張せしめられるのが最も好ましい。
【0105】
当該器具は、カバー部材を備えていても良い。前記給送形体においては、当該カバー部材は、医療器具を覆うために当該医療器具の外周に沿って延びているのが好ましい。前記給送形体においては、当該カバー部材は、当該医療器具を拘束するのが理想的である。前記配備形体においては、当該カバー部材は、後退せしめられて当該医療器具のカバーを取り外すのが最も好ましい。
【0106】
一つの場合には、当該器具は、医療器具を食道内の配備位置へ給送する構造とされている。当該器具は、医療器具を胃内の配備位置へ給送する構造とすることができる。当該器具は、医療器具を結腸内の配備位置へ給送する構造としても良い。
【0107】
本発明はまた、別の特徴においては、キットをも提供する。当該キットは、
本発明の医療器具と、
当該医療器具を消化管内の配備位置へ給送するための給送器具と、を備えている。
【0108】
一つの実施形態においては、給送器具は本発明の器具を含んでいる。
【0109】
本発明の別の特徴に従って、消化管の内面の一部分を被覆するステップを備えている消化管の治療方法が提供される。
【0110】
一つの実施形態においては、ライニング手段は、消化管の内面の一部分を被覆するように支持されている。当該ライニング手段は、消化管の内面に取り付けられるのが好ましい。
【0111】
当該方法は、支持部材を消化管の壁と係合させるステップを備えている。支持部材は、消化管の壁内へと延びているのが好ましい。ライニング手段は、消化管の壁に取り付けられるのが理想的である。
【0112】
一つの場合には、ライニング手段は、ライニング手段内の内腔が開いている開放形体と、前記内腔が閉塞されている密封形体との間を動かされる。
【0113】
別の実施形態においては、当該方法は、消化管の内面に治療薬を給送するステップを備えている。
【0114】
当該方法は、ライニング手段を消化管を介して配備位置へ給送するステップを備えていても良い。当該方法は、消化管の内面の一部分を被覆するために、前記配備位置で前記ライニング手段を配備するステップを備えているのが好ましい。ライニング手段は、当該ライニングを拡張させることによって配備されるのが理想的である。ライニング手段は、当該ライニング手段を給送器具の受け入れ空間から通過させることによって配備されるのが最も好ましい。当該ライニング手段は、ライニング手段のカバーを取り外すために、給送器具のカバー部材を後退させることによって配備させても良い。
【0115】
一つの場合には、本発明は、食道を治療する方法を提供する。本発明は、食道を治療して一時的に下部食道括約筋の弛緩を受けさせる方法を提供することができる。
【0116】
別の場合には、本発明は胃を治療する方法を提供する。
【0117】
本発明は、結腸を治療する方法を提供することができる。
【0118】
当該医療器具の機能は、傷の治療のためのものとすることができる。本発明は、治療を可能にするために、数週間又は数ヶ月に亘って傷付いた胃の組織を保護する手段を提供することができる。本発明は、内腔を介する胃コーティングを適用するための装置を提供することができる。
【0119】
本発明は、内視鏡を使用して胃腸管内に導入される器具を提供することができる。当該器具は、胃腸の面又は被覆組織上に軟質ポリマーからなるカバー又はライニングを配置する手段を組み入れることができる。当該カバー又はライニングは、ヒドロゲル、シリコーン、キトサンゲル若しくはアルギン酸ゲル又はポリウレタン発泡材のような接着性ゲル型の材料によって作ることができる。当該カバー又はライニングは、消化プロセスによる人工器官の移動を防止する被覆層を備えていても良い。当該被覆層は、ポリマーフィルム又は金属ばねクリップとしても良い。ポリマーカバー又はライニングは、潰瘍、腫瘍又は外科手術による瘢痕のような特別な下層疾患状態を治療するために薬剤を装荷されても良い。人工器官は、所定の期間に亘って分解するように調整して、体からの除去を補助するようにしても良い。
【0120】
本発明は、胃腸疾患の治療のために内視鏡に取り付けることができるように設計された器具を提供することができる。当該器具は、分解可能な接着性ポリマー人工器官及び当該人工器官を胃粘液に付着させるための機構を有していても良い。当該人工器官は、局所化された薬剤の給送のための薬剤化合物を含んでいても良い。
【好ましい実施形態の説明】
【0121】
本発明は、添付図面を参考にして例示的にのみ提供されている幾つかの実施形態の以下の説明によってより明確に理解できるであろう。
【0122】
最初に図26〜60を参照すると、本発明による医療器具200が示されている。医療器具200は、胃201から食道202への逆流を治療するのに適している。医療器具200はまた、消化管の内面、例えば、食道202及び/又は胃201へ治療薬を給送するのに適している。
【0123】
医療器具200は、弁部材203,食道202及び/又は胃201の内面の一部分を被覆するためのライニング部材204及び医療器具200を食道202及び胃201に対して支持するための基端の支持部材205を備えている。
【0124】
弁部材203は、医療器具200の末端の基端側であって医療器具200の基端の末端側に配置されている。
【0125】
弁部材203は、閉塞形体(図50)と開放形体(図52)との間を動くことができる。開放形体においては、弁部材203は、食道202から胃への食物のような物質の通過を補助し且つ胃201から食道202内への嘔吐物のような物質の通過を補助する。
【0126】
弁部材203は、径方向内方へ延びている2つの弁膜206を備えている。弁膜206は、拡張形体(図50)と収縮形体(図52)との間を動くことができる。弁部材203が閉塞形体にあるときに、弁膜206は拡張形体(図50)にある。弁部材203が開放形体にあるときに、弁膜206は収縮形体(図52)にある。
【0127】
弁部材203は、食物のような物質が器具200内を通過することによって、閉塞形体(図50)から開放形体(図52)へと動くことができる。特に、食物は、蠕動によって食道202内を通過するように付勢される。食物が弁部材203に達したときに、食物は、弁膜206と係合し且つ弁膜206を拡張形体から収縮形体へと圧縮する。次いで、食物は、開放した弁部材203を通って胃201内へと通過する。
【0128】
弁部材203は、粘弾性のポリウレタン発泡材からなる。弁部材203は、閉塞形体に向かって付勢されている。しかしながら、弁部材203の粘弾性により、弁膜206は、収縮形体から拡張形体まで迅速に動かない。むしろ、食物が弁部材203内を通過した後に、弁膜206は、図52〜54に示されているように、4〜10秒で、収縮形体から拡張形体まで徐々に動く。従って、弁部材203は、4〜10秒間で開放形体から閉塞形体まで徐々に動く。
【0129】
弁部材203の材料は、以下の特性を有している。
【0130】
前記材料は粘弾性としても良く、
当該材料は生体材料としても良く、
当該材料は形状記憶材料としても良く、
当該材料は気泡材料としても良く、
当該材料は連続気泡又は独立気泡としても良く、
当該材料は気孔が組み込まれていても良く、
当該材料は、加水分解に対して且つ酸化に対して安定なものとすることができ、
当該材料は擬生物としても良く、
当該材料は生体適合性としても良く、
当該材料は生体安定性としても良く、
当該材料はポリマーとしても良い。
【0131】
支持部材205は、弁部材203の基端側に配置される。
【0132】
支持部材205は、末端に向かって径方向内方へテーパーが付けられている。従って、支持部材205は、食物のような物質を食道202から弁部材203に向かってガイドするための漏斗として機能する。
【0133】
図27〜30に示されているように、支持部材205は、ステントの形体で設けられている。特に、支持部材205は、2つの支持部材207を備えている。各支持部材207は、ジグザグの波形パターンで周に沿って延びている。支持部材207は、相互に結合されている。2つの支持部材207の相対的な結合の各領域は、関節領域208として機能する(図29)。
【0134】
支持部材207の各々は、ニチノールのような形状記憶材料からなる。
【0135】
図27〜30は、単一の関節を有する保持機構を示している。図29は、関節機構を示している。
【0136】
角度αは、170°〜70°の範囲内とすることができる。この角度αにおける曲率半径は、0.9mm〜0.1mmの範囲内とすることができる。
【0137】
角度βは、95°〜5°の範囲内とすることができる。この角度での曲率半径は0.9mm〜0.1mmの範囲内とすることができる。
【0138】
ライニング部材204は、弁部材203と一体に形成されている。ライニング部材204は、弁部材203の径方向外方に配置されており且つ弁部材203の末端側へとほぼ円筒形状に延びている。ライニング部材204は、支持部材205の径方向外方に配置されており且つ弁部材203の基端側へ延びている。この場合には、ライニング部材204は支持部材205の基端で終端している。
【0139】
器具200が配置されると、ライニング部材204は、食道202/胃201の内面と直接接触する。ライニング部材204は、食道202/胃201へ治療薬を給送するために採用することができる。特に、ライニング部材204は、粘弾性のポリウレタン発泡材からなる単一の層を含んでいる。この材料は、気泡材料であり且つ複数の孔を含んでいる。治療薬20は、気孔の支柱部210内に貯蔵することができる。しかしながら、治療薬209はまた、穴内に貯蔵することができ、支柱部209は、治療薬を貯蔵するための主要位置である。図32aは、発泡材の気孔構造を示している。
【0140】
気孔の大きさは、変更しても良く、気孔の直径は、0.5μm〜1000μm、好ましくは100μm〜500μmの範囲内とすることができる。同様に、当該構造の大きさは、例えば、支柱部210の幅は、1μm〜200μmの範囲内とすることができ、好ましくは1μm〜10μmの範囲内とすることができる。更に、当該材料の密度は変更しても良く、例えば、当該材料の密度は10kg/m〜400kg/m好ましくは50kg/m〜150kgmの範囲内とすることができる。
【0141】
ライニング部材204の材料は以下の特性を有していても良い。
【0142】
前記材料は粘弾性としても良く、
当該材料は生体材料としても良く、
当該材料は形状記憶材料としても良く、
当該材料は気泡材料としても良く、
当該材料は連続気泡又は独立気泡としても良く、
当該材料は気孔が組み込まれていても良く、
当該材料は、加水分解に対して且つ酸化に対して安定なものとすることができ、
当該材料は擬生物としても良く、
当該材料は生体適合性としても良く、
当該材料は生体安定性としても良く、
当該材料はポリマーとしても良い。
【0143】
消化管の内腔への薬剤の給送は、多くの理由により技術的課題を有する。消化管は、食物のような詰まっている物質をその全長を通って進ませるのに極めて有効に機能する運動筋肉組織である。また、消化管内の組織の多くは、粘弾性現象を呈する。これによって、組織は、食物の通過によって惹き起こされる拡張に応じてゆっくりと弛緩せしめられる。これによって、内皮層との薬剤給送装置の長期間に亘る接触を維持することが困難になる。更に、消化管、特に食道の上方部分が体の他の領域に対する潅流が不十分になる。これによって、食道組織に目標を定める薬剤の全身への給送が、正しい生体分布を達成するには効率の悪い手段とさせる。
【0144】
本発明は、局部的な投与、すなわち体の一部に直に適用されることによって食道の内皮層を介する薬剤の給送を達成する。本発明は、必要とされる治療期間に対して内皮との連続した密接接触を維持する。本発明は、十分な量の治療薬を搬送し且つこれを指示された治療方法に適した速度で給送する。
【0145】
本発明の医療器具は、食道に類似している機械的な特性を有する。これは、内皮との非接触期間が存在せず、従って、連続した薬剤の放出が確保される。本発明は、連続する投与を確保するために組織の粘弾性/機械特性に適合している。
【0146】
機能不全な括約筋に近い部位へ薬剤を給送することが必要な場合には、本発明は、逆流防止弁の外面からの薬剤の給送が使用されるのを可能にする。
【0147】
本発明の医療器具は、胃腸管の機械的な特性を擬態する材料によって作られた構造を含んでいても良い。この構造の粘弾性現象は、接着の必要なく一定の接触を可能にする。本発明の医療器具は、構造及び幾何学的構造を直接接触のために利用可能である種々の表面領域を提供するために変えることができる気泡発泡材とすることができる。
【0148】
薬剤の放出速度は、気泡構造の変化によって制御することができる。表面領域は、最適な薬剤放出運動を達成する手段として使用することができる。この方法は、拡散制御層等がもはや必要でないという付加的な利点を有している。薬剤は、図31及び32に示されている気泡の支柱部210内に配置され、従って、これらの支柱部210の大きさとその中に含まれている薬剤の濃度とは、放出運動特性に影響を及ぼすであろう。
【0149】
図31〜34は、種々の支柱部210を備えた発泡材内の薬剤分子の概略図である。図32は、薬剤装填量が多く且つ薬剤分子209を備えたより大きな気泡支柱部210を示している。図34は、薬剤装填量が少ない小さな気泡支柱部210を示している。
【0150】
発泡材の気泡の直径は、0.5〜1000μmとすることができるが、100〜500μmであるのが理想的である。気泡の支柱部210(又は壁)の幅は、1μm〜200μmとすることがでるが、1μm〜10μmであるのがより好ましい。
【0151】
発泡材の密度は、10kg/m〜400kg/mとすることができるが、50kg/m〜150kg/mであるのがより好ましい。
【0152】
発泡材の圧縮及びヒステリシス現象は、人間の食道組織のものと類似していても良い。
【0153】
本発明の医療器具は、H2受容体拮抗薬のような低分子量薬剤、プロトンポンプ阻害薬又はプロテイン及びペプチドのような高分子量薬剤を含んでいる種々の治療薬を給送するために使用することができる。更に、遺伝子及び細胞依存性療法を給送しても良い。例示的な非遺伝子治療薬としては、パクリタクセル、エポシロン、クラドリビン、5−フルオロウラシル、メトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、サイクロスポリン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポトロン及びエンドスタチン、トラピジル、ハロフジノン及びアンジオスタチンのような増殖性/抗−有糸分裂薬;c−myc癌遺伝子のアンチセンス阻害剤のような抗癌剤;トリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシド、ニトロフラントイン、銀イオン化合物又は塩のような抗菌薬;エチレンジアミンテトラ酢酸のような非ステロイド消炎剤及びキレート剤、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’N’−テトラ酢酸及びこれらの混合物のような生物膜合成阻害剤;ゲンタマイシン、リファンピン、ミノサイクリン及びシプロフォルクサシンのような抗生物質、キメラ抗体及び抗体フラグメントを含む抗体;リドカイン、ブピバカイン及びロピバカインのような麻酔薬;酸化窒素;リシドミン、モルシドミン、L−アルギニン、NO−炭水化物付加物、ポリマー又はオリゴマーNO付加物のような酸化窒素(NO)ドナー;並びに上記の組み合わせ及びプロドラッグがある。
【0154】
例示的な生体分子としては、ペプチド、ポリペプチド及びプロテイン;オリゴヌクレオチド;(裸のcDNAを含んでいる)2本鎖又は1本鎖DNA、RNA、アンチセンスDNA及びRNAのようなアンチセンス核酸、短い干渉RNA(siRNA)並びにリボザイムのような核酸;遺伝子;成長因子を含んでいる脈管形成因子;細胞周期性阻害剤がある。核酸は、例えば(ウィルスベクターを含む)ベクター、プラスミド又はリポゾームのような核酸を給送装置内に組み込んでも良い。
【0155】
例示的な小分子としては、ホルモン、ヌクレオチド、アミノ酸、糖及び脂質があり、化合物の分子量は100kD未満である。
【0156】
例示的な細胞としては、ES細胞、前駆細胞、内皮細胞、成人心筋細胞及び平滑筋細胞がある。細胞は、ヒト起源(自己の若しくは異質の)又は動物源(異種間)のものとするか又は遺伝子学的に誘導することができる。細胞の非限定的な例としては、5−アザを有する間葉ES細胞、臍帯血細胞、内皮先駆細胞、骨格筋芽細胞又は衛星細胞、筋肉由来細胞、go細胞、内皮細胞、遺伝子的改変細胞、組織誘導移植片、胚幹細胞クローン、胚幹細胞、胎児又は新生児細胞、免疫潜在細胞及び奇形由来細胞がある。
【0157】
図26は、下部食道括約筋に配置されている逆流器具200を示している。図26は、食道202,下部食道括約筋(LES)300,脚膜301,ヒス角度302,逆流防止装置内腔303,逆流防止装置バリア203,脚膜304,保持機構205を示している。
【0158】
支持部材205の長さは、蠕動の波長よりも短い。典型的な蠕動波長は、食道の基端においては4.9cmであり、食道の中央では8.8cmであり、食道の末端では6.8cmである。
【0159】
図35〜49には、本発明による給送装置が示されている。当該給送装置は、消化管、例えば食道202又は胃201内の治療位置に器具200を給送するのに適している。
【0160】
給送装置は、給送カテーテル211、医療ガイドワイヤ212及び低摩擦係数材料の管状スリーブ400を備えている。
【0161】
給送カテーテル211は、保持シース210及び細長い本体部材214を備えている。シース213は、器具200を食道202を介して治療位置まで給送するための給送形体(図39)と、器具200を治療位置に配備させるための配備形体(図40)との間を本体部材214に対して動くことができる。給送形体においては、給送カテーテル211は、器具200が配置される受け入れ空間215を規定している。配備形体においては、シース213は、受け入れ空間215からの器具200の配備を補助するために、本体部材214に対して後退せしめられる。
【0162】
器具200は、圧潰された折り畳み形体(図37)と拡張形体(図40)との間で動くことができる。器具200は、圧潰形体で受け入れ空間215内に配置される。器具200は、圧潰形体に向かって付勢されている。
【0163】
本体部材214の末端216は、給送カテーテル211の末端に滑らかな横断形状を提供するために基端方向に向かって径方向外方へテーパーが付けられている。
【0164】
給送カテーテル211は、ガイドワイヤ212の外周に沿って食道202内を進入させることができる。
【0165】
低摩擦スリーブ400は、装置200に結合されている(図37)。器具200が受け入れ空間215内に配置されているときに、低摩擦スリーブ400は、器具200とシース213の内壁との間に配置される。当該低摩擦係数材料により、低摩擦スリーブ400は、受け入れ空間215からの器具200の配備を容易にする補助としても機能する。
【0166】
スリーブ400は、生分解性材料である。
【0167】
図35〜38は、
テーパーが付けられた先端216とオーバーチューブ213との構造を備えた逆流防止器具給送装置(図35)、
逆流防止器具200が折り畳まれ/襞を付けられた形体に貯蔵される方法の内部の詳細(図36)、
逆流防止器具200の折り畳みパターンの詳細(図37)、
アルギナート又はその他の生分解性ポリマーの包装部材(図38)、を示している。
【0168】
図37は、クリンプされた器具200の等角図である。
【0169】
図39及び40は、器具の配備機構を示している等角図であり、当該機構によって、外側チューブは、器具の末端に力を伝達し、このようにして、オーバーチューブ213を後退させ且つ器具200を解放して迅速にその本体の形状を採るようにする。図39及び40は、配備状態を示している等角図である。
【0170】
図41〜43は、
全負荷状態の給送器具を示しており(図41)、
逆流防止器具200の外周から部分的に後退せしめられて襞が付けられた/折り畳まれた形体を示しているオーバーチューブ213を示しており(図42)、
器具200が完全に配備された状態で逆流防止器具200の外周から完全に後退せしめられたオーバーチューブ213を示している(図43)。
【0171】
図41〜43は、配備状態の正面図である。
【0172】
図44〜49は、
ガイドワイヤ212が給送装置の中心内腔内に延びている状態の食道202内に配置された給送カテーテル211を示しており(図44)、
逆流防止器具200の外周から後退して襞が付けられ/折り畳まれた形体を示しているオーバーチューブ213を示しており(図45〜47)、
保持機構205が内腔と内皮とに係合している状態で食道202内に配備されている逆流防止器具200を示しており(図48)、
テーパーが付けられている先端216が逆流防止器具バリア203の中心を通っている状態の配備された器具200及び後退せしめられた給送器具を示している(図49)。
【0173】
図44〜49は、生体内に配備されている器具200の等角図である。
【0174】
使用時には、器具200は、圧潰されて折り畳み形体とされている(図37)。低摩擦スリーブが取り付けられた状態の器具200が受け入れ空間215内に配置されている。シース213は、器具200を保持するために、圧潰された器具200の外周に沿って本体部材214に対して前進せしめられる。低摩擦スリーブは、シース213を器具200の外周に沿って前進させる間の摩擦力を最少にするように機能する。
【0175】
ガイドワイヤ212は、ガイドワイヤ212の末端が胃201内に入るまで、食道202内を進入せしめられる。給送カテーテル211は、圧潰された器具200が、例えば、食道括約筋において所望の治療位置に配置されるまで、給送形体でガイドワイヤ212の外周に沿って進入せしめられる(図44)。
【0176】
次いで、本体部材214の位置をほぼ固定された状態に維持しつつシース213が後退せしめられる(図45〜47)。このようにして、器具200はカバーを外される。器具200は、食道202の内壁と係合する拡張形体まで自己拡張する(図48)。器具200の一部は食道202内に配置され、器具200の一部は胃201内へ延びる。次いで、給送カテーテル211は、食道202から引き抜き、器具200を所望の治療位置に残すことができる(図49)。
【0177】
器具200が配備されると、低摩擦スリーブは、受け入れ空間215から配備される。スリーブは徐々に生分解する。
【0178】
図50〜54は、食道括約筋が胃201から食道202への逆流を防止するために効率良く閉じることができない場合に使用されている器具200を示している。弁部材203が閉塞形体にあるときに、胃201から食道202への逆流は防止される(図50)。食物が食道202内を通り器具200内へと通過するときに、食物は、弁膜206を収縮形体へと付勢する(図52)。弁部材203が開放形体にあるときに、食物は、弁部材203内を通って胃201内へと通過することができる。食物が弁部材203内を通過した後に、弁膜206は、閉塞形体へと徐々に動く(図54)。
【0179】
図50〜54は、完全に閉じていない機能不全のLES300に配置された逆流器具200と、機能不全なLES30に配置された逆流器具200内の食塊305の通過を示している。
【0180】
LES筋肉300は、機能不全であり且つ通常通り閉じておらず、器具200は逆流防止形体にあり(図50)、
患者は、食物の塊305を咀嚼し且つ飲み込んでいる(図51)。
【0181】
食塊305は、蠕動を介して食道202内を前進せしめられ且つ容易に変形する逆流防止バリア203内へ押し込まれている(図52)。器具の逆流バリア203は、徐々に弛緩して逆流防止形体を呈する(図53)。
【0182】
食塊305が通過し、器具200は逆流器具保護を維持している(図54)。
【0183】
器具200はまた、比較的長時間、例えば10秒以上若しくは食物が全く食道202を通って胃201内へ通過していないときに、図56〜60に示されているように食道括約筋が異常に開いている場合に使用するのに適している。食道括約筋が開くと(図55及び56)、弁膜206は徐々に拡張し、従って、弁部材203は徐々に開く(図57)。弁部材203は、食道括約筋が再び閉じ始めるまで、胃201から食道202内への逆流を防止するこの閉塞形体にとどまる(図59)。食道括約筋が完全に閉じると、弁膜206は収縮せしめられる(図60)。しかしながら、胃201から食道202への逆流は依然として防止される。
【0184】
図55〜60は、筋肉の開放/閉塞中に機能するLES300に配置されている逆流器具200を示している。
【0185】
LES筋300は、(通常通りに又は不適切に)逆流防止形体において器具200を開く(図58)。
【0186】
LES300は、通常は閉じ始め、−器具の逆流防止バリア203は圧縮し始める(図59)。
【0187】
LES300が閉じ、−器具の逆流防止バリア203は、完全に圧潰されて筋肉を閉じさせる(図60)。
【0188】
LES300が開き始め、−逆流防止バリア203は圧縮されたままの状態である(図55)。
【0189】
LES300が開く−逆流防止バリア203は圧縮されたままの状態である(図56)。
【0190】
LES300は、異常に長い期間に亘って開く−逆流防止バリア203は、逆流防止形体を呈するために徐々に弛緩する(図57)。
【0191】
器具200が食道202及び/又は胃201内に配備されると、治療薬209は、ライニング部材204内の気泡の支柱部210から食道202/胃201の内面へと給送されても良い。
【0192】
弁部材203及びライニング部材204のための種々の可能な形体が存在することがわかるであろう。図61〜74は、弁部材203及びライニング部材204の種々の可能な形体を示している。
【0193】
図61〜74は、種々の可能な逆流防止バリアの幾何学的設計を示している。図73においては、弁膜206の末端側は刻み目が付けられている。図74においては、弁部材203はスライスされている。
【0194】
図75〜78には、本発明による別の医療器具220が示されており、これは、図26〜60の器具に類似しており、図75〜78における類似の部材は同じ参照番号を付与されている。
【0195】
この場合には、支持部材205は、ライニング部材204の基端の基端側に延びている。
【0196】
図79〜82は、図26〜60の器具に類似している本発明による更に別の医療器具225を示している。これらの図における類似した部品には同じ番号が割り当てられている。
【0197】
この場合には、ライニング部材204の基端領域は、支持部材207と整合せしめられたほぼジグザグ波形パターンを有している。
【0198】
図83〜86を参照すると、図79〜82の器具225と類似した本発明による別の医療器具230が示されており、これらの図における類似した部品には同じ参照番号が付されている。
【0199】
この場合には、支持部材205の径方向の直径は、支持部材205に沿ってほぼ一定である。
【0200】
図87〜90には、図83〜86の器具230に類似している本発明による別の医療器具235が示されている。図87〜90における類似した部材には同じ参照番号が付されている。
【0201】
この場合には、器具235は、基端支持部材230と末端支持部材237とを備えている。2つの支持部材236、237は、大きさがほぼ等しい。基端支持部材236は弁部材203の基端側に配置されており、末端の支持部材237は弁部材203の末端側に配置されている。
【0202】
図91〜94には、図87〜90の器具235に類似している本発明による更に別の医療器具240が示されている。図91〜94における類似した部材には同じ参照番号が付されている。
【0203】
この場合には、末端の支持部材237の大きさは基端の支持部材236の大きさよりも小さい。特に、末端支持部材の径方向の大きさは、基端支持部材236の径方向の大きさよりも小さい。
【0204】
図95〜98には、図26〜60の器具200に類似している本発明による更に別の医療器具245が示されている。図95〜98における類似した部材には同じ参照番号が付されている。
【0205】
この場合には、支持部材205は末端に向かって径方向外方へテーパーが付けられている。支持部材205は、弁部材203の周囲に同軸状に延びるように配置されている。
【0206】
図75〜98は、種々の異なる保持機構の設計を示している。
【0207】
図99〜103には、図26〜60の器具200に類似している本発明による更に別の医療器具250が示されている。図99〜103における類似した部材には同じ参照番号が付されている。
【0208】
この場合には、各支持部材207は、各々が結合領域208と隣接する結合領域208との中間に設けられた2つの関節領域251を備えている。
【0209】
図99〜103は、多数の関節部位を備えた保持機構を示している。図102は、第一の関節部位を示している。図101は、第二の関節部位を示している。
【0210】
図104〜110には、図99〜103の器具に類似している本発明による更に別の医療器具255が示されている。図104〜110における類似した部材には同じ参照番号が付されている。
【0211】
この場合には、各支持部材207は、各々が結合領域208と隣接する結合領域208との中間に設けられた3つの関節領域256を備えている。
【0212】
図104〜110は、多数の関節部位を備えている保持機構を示している。図106は第一の関節部位を示している。図107は第二の関節部位を示している。図109は第三の関節部位を示している。
【0213】
図27〜30及び99〜110は、保持機構と所望の幾何学的構造の特徴を示している。
【0214】
図1〜25を参照すると、本発明による種々の他の医療器具が示されている。一般的には、当該医療器具は、図6における一つの基本的な形体に示されているように、スリーブ又は人工器官であっても良い。
【0215】
図1は、給送器具上に装着された医療器具を示している。図2及び3は、配備部位における医療器具の破断図である。図4及び5は、医療器具及び配備動作の拡大図である。
【0216】
本発明の医療器具は、種々の形体を有していても良い。図6に示された形体と異なり、当該医療器具は、例えば図18〜25に示されている形体を採っても良く、これは、弁機構を提供するための形体へと旋回される弾性/粘弾性材料のものである。
【0217】
本発明の医療器具は、図7〜10に示されているように、バルーンカテーテルによって配備しても良い。当該医療器具は、図13及び14に図示されているように、配備を容易にするための肩部を備えている管によって配備しても良良い。
【0218】
当該医療器具は、接着剤(図17a及び17b)、リング(図11〜14)、棘状突起(図15〜17)、弾丸形体(図17d〜17f)のような多数の可能な機構のうちのいずれかによって定位置に保持することができる。
【0219】
本発明による医療器具の種々の実施形態を以下において更に詳細に説明する。
【0220】
図1〜5を参照すると、医療器具2と給送器具3とを備えている本発明による医療キット1が示されている。医療器具2と給送器具3とは、食道4の内面の一部分のような消化管の内面の一部分を治療するために一緒に使用しても良い。給送器具3は、医療器具2を食道4内の所望の配備位置へと給送するのに適している。
【0221】
医療器具2は、食道4の内面の一部分を被覆するための管状スリーブ5を備えている。スリーブ5は、当該スリーブ内に内腔6を規定している。図5に示されているように、スリーブ5は、食道4の内面の一部分の全周を被覆するために採用することができる。
【0222】
スリーブ5は、所望の配備位置への食道4を介してスリーブ5を給送するための収縮した給送形体(図3)と、食道4内の所望の配備位置へ配備するための拡張された配備形体(図4)とを備えている。
【0223】
この場合には、スリーブ5は、ポリマー材料からなる。スリーブ5の材料は、生体吸収性且つ/又は生分解性とすることができる。
【0224】
スリーブ5には、食道4の内面への治療薬の給送を補助するための治療薬を装荷することができる。
【0225】
給送スリーブ3は、この場合には、内視鏡8の末端に取り付けられたバルーン部材の形体の拡張可能な部分7を備えている。医療器具2は、バルーン部材7の周囲に取り付けることができる。バルーン部材7は、食道4を介して食道4内の所望の配備位置へ医療器具2を給送するための収縮された給送形体(図3)と、食道4内の所望の配備位置に医療器具2を配備させるための拡張された配備形体(図4)とを備えている。
【0226】
使用時には、収縮された給送形体のスリーブ5は、収縮された給送形体でバルーン部材7の周囲に取り付けられる。次いで、給送器具3は、患者の口から挿入され且つスリーブ5が食道4内の所望の配備位置に隣接して配置されるまで食道4内を前進せしめられる。
【0227】
バルーン部材7は、膨張せしめられて、収縮された給送形体から拡張された配備形体へ動かされ、このようにして、スリーブ5を、収縮形体から拡張形体へと動かしてスリーブ5を所望の配備位置に配備して食道4の内面の一部を被覆する(図4)。このようにして、食道4が治療される。次いで、バルーン部材7は、当該バルーン部材7を、拡張された配備形体から収縮された給送形体へと動かすために、萎ませることができる。スリーブ5は、萎縮中に、図5に示す拡張せしめられた配備形体にとどまる。給送器具3は、収縮給送形体にあるバルーン部材7によって、食道4から引き抜かれる(図5)。
【0228】
この実施形態においては、本発明は以下のものを備えている。
【0229】
・ 内視鏡8の端部に結合されている器具7。器具7は、拡張したときに胃腸(GI)管内の胃内腔の内皮4に対称的な径方向圧力をかけることができる拡張可能な要素(給送装置)を備えている。このような構成要素は、図1〜5に示されているように、膨張可能なバルーン又は機械的な拡張可能な器具とすることができる。
【0230】
・ 拡張可能な要素7の外側に装着される軟質ポリマースリーブ5(治療要素)。軟質のポリマースリーブ5は、拡張可能で且つ弾性的とすることができるが、代替的にひとたび拡張したときに、その形状を維持するように可塑変形を呈しても良い。ポリマースリーブ5は、本質的に弾性としても良いが、可塑的に変形可能な支持材料によって拡張位置に保持されても良い。ポリマースリーブ5は、付加的に生体接着性外面を備えることができる。
【0231】
給送装置7及び治療要素5を備えている当該器具は、内視鏡8の端部に取り付けることができる。医師は、胃内腔内に器具を導入することができ且つ傷又は外傷100に近接して配置することができる。給送器具7を拡張させることによって、治療要素5は、胃内視鏡4に押し付けることができる。治療要素5は、生体接着性又は機械的手段又はそれらの組み合わせを使用して当該部位に保持されることができる。
【0232】
図1は、バルーン7を備えた内視鏡8を示している。図2は、食道の外傷部分100を示している。図3は、食道内腔内へのポリマースリーブ5の挿入を示している。図4は、内腔内のバルーンの膨張状態を示している。図5は、スリーブの接着を示している。
【0233】
図6には、本発明による別の医療器具10が示されている。当該医療器具は、図1〜5の医療器具に類似しており、図6内の類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0234】
医療器具10は、図6に示されているように、消化管の湾曲した又は蛇行した部分11内に消化管の内面の一部分を被覆するように配備するのに適している。
【0235】
図6は、胃腸管の蛇行部分に合致している管状スリーブ5を示している。
【0236】
図6は、蛇行位置に移植されたポリマースリーブを示している。
【0237】
比較的堅牢な金属ステント装置と異なり、本発明によるポリマースリーブ5は、図6に示されているようにGI管の蛇行及び不規則性に合致し得る。このことは、胃内視鏡11とスリーブ5の面との間の界面接触にとって重要である。このような装置は、傷の治療、傷の保護及び代替的な装置を使用して行うことができない薬剤給送形体を補助することができる。
【0238】
更に、ポリマースリーブは、所定の期間で分解するように設計することができ、これは、所定の期間に亘って定位置に残されなければならないかも知れない金属ステントによっては可能でない。
【0239】
多くのポリマースリーブを単一の給送器具上に装荷し且つ内視鏡の直径が減少して重なり部分での薬剤の給送のダブリを起こすようなステントを使用して行う場合に伴う如何なる問題も生じることなく生体内で重ねることができる。
【0240】
図7〜10は、図1〜5の医療キットに類似している本発明による別の医療キット20を示しており、図7〜10内の類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0241】
スリーブ5は、図7〜10に示されているように予め規定された弾性及び内腔寸法を有していても良い。
【0242】
図7〜10は、食道4内への器具の挿入状態と、器具の膨張とを示しており、当該器具の膨張の後にバルーン部材7が抜き取られる。
【0243】
図10a〜10hには、図1〜5の医療器具2に類似している本発明による別の医療器具80が示されている。図10a〜10hにおける類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0244】
この場合には、スリーブ5は、粘弾性発泡材からなり且つ例えば7〜10秒の所定時間が経過したときに、収縮配備形体(図10e)から拡張形体(図10g)まで自己拡張してスリーブ5の内腔6を密封することができる。スリーブ5は、食道4の壁によってかけられる圧縮力によって拡張配備形体(図10g)から収縮配備形体(図10h)へと収縮可能である。スリーブ5は、拡張された配備形体に向けて付勢されている。
【0245】
医療器具80は、特に、食道に使用して一時的な下部食道括約筋の弛緩を受けさせるのに適している。
【0246】
酸の逆流による食道の侵食は、多くの機構によって処置することができる。下部食道括約筋(LOS)の弛緩は、逆流の一つの原因である。LOSの弛緩は、通常は、嚥下過程中に起こるが、下部食道弛緩(TLOSR)として知られている明らかではない理由によって、一時的に且つランダムに起こることもある。幾つかの異常な状態においては、LOSは長期間弛緩せしめられるかも知れない。食道裂孔ヘルニアは、逆流が緊張によって惹き起こされるかも知れない不完全なLOS筋肉収縮をもたらすかも知れない。
【0247】
嚥下したときに、食道4の壁は、LOS81(図10b)を開くように拡張して食物等がLOS81を通過して胃82(図10c)内へ入るのを補助する。LOS81が通常は閉じている場合には、スリーブ5は、嚥下過程全体に亘って収縮された配備形体に留まっている。スリーブ5は7〜10秒後にのみ拡張された配備形体へと拡張するので、スリーブ5が拡張するための通常の嚥下過程中に十分な時間が存在しない。LOS81が閉じると、スリーブ5は、収縮形体において食道4を密封する(図10d)。
【0248】
LOS81が通常7〜10秒後に閉じないTLUSRの場合には、スリーブ5は、食道4を密封するために拡張された配備形体へと拡張して胃82からの酸の逆流を防止する(図10g)。LOS81の可能性のある閉塞の際に例えば120秒の経過の後に、スリーブ5は、食道4の壁の作用によって、収縮された配備形体へと圧縮される(図10h)。
【0249】
図10a〜10hは、粘弾性発泡材によって作られたスリーブ形状の器具80を示している。器具5は、ひとたび固定されると、LOS81内のあらゆる開口を充填するように拡張するであろう。LOS81が閉塞されると、器具5は、著しく圧縮されて通常はLOS81が図10dによって示されるように機能することができる。嚥下作用によって、LOS81及び器具5の内腔は開くが(図10b及び10c)、LOS81が長期間に亘って開いていない場合には、器具5は拡張しないであろう。LOS81が10秒より長い期間に亘って一時的に開いている(TLOSR)場合(図10e)には、器具5は、拡張して開いている食道の内腔を閉じるであろう(図10g)。
【0250】
医療器具80は、特にTLOSRの問題に対処し且つ損なわれた通常の嚥下をもたらさないであろう。拡張は、TLOSR中にのみ機能するが、通常燕下によって誘導される筋肉弛緩の間は不活性のままである。通常の嚥下がLOS81の4〜7秒間の弛緩を惹き起こし、一方、TLOSRは120秒までの弛緩を生じさせることを考慮すると、医療器具80は時間依存動作モードを有している。
【0251】
図10iは、本発明による別の医療器具120を示している。当該器具は、図1〜5の医療器具と類似しており、図10iにおける類似の部品には同じ参照番号が付されている。
【0252】
この場合には、スリーブ5の外面の径方向寸法は、スリーブに沿って変化し、スリーブ5の内面の径方向寸法は、スリーブに沿って変わる。特に、スリーブ5の外面は、スリーブ5の中心に向かって各端部から内方へテーパーが付けられており、スリーブ5の内面は、スリーブ5の中心に向かって各端部から内方へテーパーが付けられている。
【0253】
器具120は、図10iに示されている弾性部材の形体をとることができる。当該弾性材料は、その性質によって、中心で閉じることによって弁を形成し、このようにしてスリーブ5が被覆している組織を内方へ引っ張る。
【0254】
図10jを参照すると、本発明による別の医療器具130が示されており、当該器具は、図10iの医療器具120に類似しており、図10jにおける類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0255】
この場合には、スリーブ5の外面の径方向寸法は、スリーブ5に沿ってほぼ一定である。
【0256】
器具130は、胃腸管内に弁を形成できるように発泡材製とすることができる。当該発泡材は、材料が蠕動作用によって胃内へと通ることができるように設計されている。
【0257】
図11を参照すると、本発明による別の医療器具30が示されており、当該医療器具は、図1〜5の医療器具2に類似しており、図11における類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0258】
この場合には、医療器具30は、スリーブ5の第一の端部に設けられた第一の支持リング31と、当該第一の支持リング31から隔置されたスリーブ5の第二の端部に設けられた第二の支持リング32とを備えている。これらの支持リング31,32は、協働してスリーブ5を食道4の内部空間の一部分を被覆する拡張された配備形体に支持する支持部材として機能する。
【0259】
支持リング31,32は、適切な方法でスリーブ5に結合することができる。例えば、支持リング31,32は、スリーブ5内に埋設しても良い。別の方法として、支持リング31,32は、スリーブ5の外側に設けられても良く、スリーブ5の内面と係合する構造としても良い。
【0260】
ポリマースリーブ5は、図11に示されているように、GI管の内腔への嵌合を確保するために1以上の支持リング31,32を備えていても良い。リング31,32は、拡張可能としても良いし又は堅牢であっても良く且つ別個にスリーブ5に取り付けるか又は位置決めしても良い。拡張可能なリング31,32は、弾性的に又は可塑的に変形可能な材料によって作っても良い。
【0261】
スリーブ5は、不規則な形状の空間への適合を可能にする種々の大きさのリングを備えていても良い。
【0262】
別の方法として、 “括約筋”のような構造を形成するために、小さな弾性リングをスリーブ5の中心に配置しても良い。
【0263】
図11は、弾性/ヒドロゲル材料5と幅が変動する支持リング31,32とを示している。
【0264】
図11は、類似した大きさの指示リング31,32を備えたポリマースリーブ5を示している。
【0265】
図12には、本発明による更に別の医療器具40が示されている。当該医療器具は、図11の医療器具30と類似しており、図12内の類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0266】
この場合には、医療器具40は、第一の支持リング31と第二の支持リング32との間に第三の支持リング41を備えている。
【0267】
スリーブ5は、第一の支持リング31に隣接している直径が第二の支持リング32に隣接している直径よりも小さいほぼ切頭円錐形を有している。
【0268】
図12は、多くの支持リング31,32,41と軟らかい適合性の弾性/ヒドロゲル5を示している。
【0269】
図12は、大きさが変わっている支持リング31,32,41を備えているポリマースリーブ5を示している。
【0270】
図13及び14は、本発明による別の医療キット50を示しており、当該医療キットにおいては、医療器具が図11の医療器具30に類似しており、給送器具は図1〜5の給送器具に類似している。図13及び14における類似部品には同じ参照番号が付されている。
【0271】
この場合には、医療器具53は、第一の支持リング31と第二の支持リング32との間に複数の支持リング51を備えている。支持リング51は、スリーブ5に沿って隔置されている。
【0272】
医療器具53は、支持リング31,32,51が相互に近接して隣接している短い給送形体と、支持リング31,32,51が相互に隔置されている長い配備形体とを有している。
【0273】
給送器具54は、内視鏡8及び当該内視鏡8内に収納されているイジェクタとを備えている。前記給送形体においては、イジェクタは、内視鏡8の末端の基端側に隔置されて、医療器具53を食道4を介して所望の配備位置まで給送するために医療器具53を収容するための収容空間52を内視鏡8の末端に形成している。
【0274】
内視鏡8は、収容空間52の末端に出口55を備えている。出口55の外周に沿って延び且つ径方向外方へ突出している肩部56が設けられている。
【0275】
イジェクタは、給送形体から配備形体まで内視鏡8に対して末端方向に移動可能であり、医療器具53を、収容空間52から出口55を介して食道4内の所望の配備位置において医療器具53を配備することができる。
【0276】
使用時には、医療器具53は、相互に近接して配置されており且つ内視鏡8の収容空間52内に装着されている支持リング31,32,51によって、短い給送形体で配置される。給送器具54は、次いで、患者の口内に挿入され且つ食道4内を出口55が食道4内の所望の配備位置に隣接するまで進入せしめられる。
【0277】
医療器具53を収容空間52から配備するために、イジェクタは固定位置に維持され、内視鏡8は基端方向に引き抜かれ、このようにして、医療器具53が収容空間52から出口55を通過するようにさせている(図14)。医療器具53が配備されるときに、支持リング31,32,51は、相対的に離隔し、このようにして、医療器具53は、食道4内に長い配備形体で配備されて食道4内の内面を被覆する。このようにして、食道4を治療することができる。医療器具53が完全に配備されるときに、給送器具54は食道4から引き抜かれる。
【0278】
ポリマースリーブ5は、内視鏡8の端部に嵌合する分配管内に装着される。分配管内には畝状に形成するか又は分節化することかできる隔置可能なポリマースリーブ5が含まれ、必要長さを分配することができ且つ図13に示されているように、分配器52から取り外すことができる。この分配器は、図14に示されているように、食道の組織4が使用中に外れて持ち上げられ得るように立ち上がった端縁56を有している。
【0279】
図13は、区分化された取り外し箇所55を示している。
【0280】
図13は、内視鏡8の端部から区分化されたポリマースリーブ5を分配するための器具を示している。
【0281】
図14は、区分化されたポリマースリーブ5を胃の内腔内へ分配する器具を示している。
【0282】
図15〜17を参照すると、図1〜5の医療器具2に類似している本発明による別の医療器具60が示されており、図15〜17における類似の部材には同じ参照番号が付されている。
【0283】
この場合には、医療器具2は、スリーブ5内を延びている複数のアンカー部材61を備えている。バルーン部材7が膨張すると、アンカー部材61は、食道の壁と係合し、それによってスリーブ5を食道の壁に固定するために食道4の壁内へ延びることができる。このようにして、スリーブ5は、食道4の内面の一部を被覆する拡張された配備形体に支持される。
【0284】
スリーブ5の内側は、接着剤層又は固定機構を備えることができ(図15〜17)、これらは、食道4内でバルーン7を使用して拡張させたときに、食道の内皮に密着する。スリーブ5は、弛緩したときに括約筋を引っ張って閉塞させる。
【0285】
この器具は、食道括約筋の有効性を改良するために使用することができ且つ外科医による要求に従って調整することができる。
【0286】
図15〜17は、使用状態の固定機構を示しており、当該固定機構においては、クリップ61が、バルーンの膨張のような器具の隔置によって食道4の壁を介して押圧される。
【0287】
食道4の内面の一部を被覆しているスリーブ5を支持するために、ある範囲の手段を採用することができることがわかるであろう。例えば、スリーブ5は、図17a及び17bに示されているように、例えば、接着剤90によって食道4の内面に接着することができる。
【0288】
図17d〜17fを参照すると、図15〜17の医療器具60に類似している本発明による別の医療器具110が示されており、図17d〜17fにおける類似の部品には、同じ参照番号が付されている。
【0289】
この場合には、医療器具110は、スリーブ5の外面に取り付けられている4つのアンカー部材111を備えている。各アンカー部材111は、ほぼ弾丸形状の保持部材を形成するために、尖端112によって円錐形状とされている。アンカー部材111は、食道の壁と係合してスリーブ5を食道の壁に固定するために、食道4の壁内へ延びることができる。このようにして、スリーブ5は、食道4の内面の一部を被覆する拡張された配備形体に支持されている。
【0290】
図18〜25には、図1〜5の医療器具2に類似している本発明による別の医療器具70が示されており、図18〜25における類似の部材には同じ参照番号が付されている。
【0291】
この場合には、スリーブ5は、内腔6が開放されている開放形体(図18及び22)と内腔6が閉塞されている密封形体(図21及び25)との間をスリーブ5を動かすように旋回可能である。
【0292】
上記の移植可能なスリーブ5は、図18〜21に示されているように、“砂時計”形状を有することができる。この形状は、当該器具が食道括約筋に配置され且つ固定されるのを可能にする。更に、当該器具は、形成された穴の弾性を調整するために医師が生体内で旋回させることができる。スリーブ5は、縫合又は接着によって定位置に保持することができる。
【0293】
図18〜21は、適当な穴の緊密性を備えた括約筋移植片として設計されたスリーブ5を示している。
【0294】
本発明の別の実施形態においては、給送器具は、内視鏡8に摺動可能に取り付けられているカバー部材を備えている。当該カバー部材は、医療器具が当該カバー部材の内側に取り付けられている給送形体と、当該カバー部材が後退せしめられて医療器具のカバーを取り外す配備形体との間を内視鏡8に対して動くことができ、このようにして、医療器具の配備を補助することができる。
【0295】
以上、本発明を食道の内面の治療について図1〜25を参照して説明した。しかしながら、本発明は、胃の内面又は結腸の内面のような消化管の他の部分の内面を治療するために使用しても良いことはわかるであろう。このような場合には、医療器具は、胃の内面の一部分又は結腸の内面の一部分を被覆する構造とされており、給送器具は、胃又は結腸内の配備位置へと医療器具を給送する構造とされており、当該給送器具は、医療器具を胃又は結腸内の配備位置へ給送する構造とすることができる。
【0296】
当該医療器具は、消化管の内面の一部分の周面の一部分のみを被覆する構造としても良いことがわかるであろう。この場合には、医療器具は、パッチ又は人工器官の形体で提供されても良い。
【0297】
代替的な用途
本発明による利益を得る侵食性胃疾患以外の用途は、胃ガンである。現在の治療は、不快な副作用を起こす毒性の高い化学療法剤によって胃組織を飽和させることを含んでいる。このような薬剤を特別な部位へ配置すること又は狙いを定めることを補助することは、必要とされる投与量を著しく減少させ且つ治療効果を改良するであろう。特に、食道、結腸及び胆管系の癌は、この方法を使用して治療することができる。
【0298】
この治療方法によって目標とすることができる他の適応症は、腐食火傷、放射線治療による傷害又は外科手術後の創傷の治療である。本発明は、狭窄及び吻合漏洩の防止においても有用である。
【0299】
本発明は、潰瘍性結腸炎、好酸球性結腸炎及び炎症性大腸疾患の局所的且つ長期治療のために使用しても良い。
【0300】
本発明は、構造及び詳細を変更しても良い添付図面を参照して上記した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0301】
【図1】図1は、本発明による給送器具に取り付けられた本発明による医療器具の等角図である。
【図2】図2は、使用中の図1の医療器具及び給送器具の部分破断等角図である。
【図3】図3は、使用中の図1の医療器具及び給送器具の部分破断等角図である。
【図4】図4は、使用中の図1の医療器具及び給送器具の部分破断等角図である。
【図5】図5は、使用中の図1の医療器具及び給送器具の部分破断等角図である。
【図6】図6は、使用中の本発明による別の医療器具の部分破断等角図である。
【図7】図7は、使用中の本発明による別の給送器具に取り付けられた本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図8】図8は、使用中の図7の医療器具及び給送器具の等角図である。
【図9】図9は、使用中の図7の医療器具及び給送器具の等角図である。
【図10】図10は、使用中の図7の医療器具及び給送器具の等角図である。
【図10a】図10aは、消化管内に配備されている本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図10b】図10bは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10c】図10cは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10d】図10dは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10e】図10eは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10f】図10fは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10g】図10gは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10h】図10hは、使用時の図10aの医療器具の側方断面図である。
【図10i】図10iは、本発明による特別の医療器具の破断等角図である。
【図10j】図10jは、本発明による更に別の医療器具の破断等角図である。
【図11】図11は、本発明による別の医療器具の等角図である。
【図12】図12は、本発明による更に別の医療器具の等角図である。
【図13】図13は、本発明による別の給送器具から通過する本発明による別の医療器具の部分破断等角図である。
【図14】図14は、使用時の図13の医療器具及び給送器具の破断等角図である。
【図15】図15は、使用時の本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図16】図16は、使用時の本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図17】図17は、使用時の本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図17a】図17aは、使用時の本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図17b】図17bは、使用時の本発明による別の医療器具の側方断面図である。
【図17d】図17dは、消化管内に配備された本発明による更に別の医療器具の平面断面図である。
【図17e】図17eは、図17dの医療器具のアンカー部材の等角図である。
【図17f】図17fは、消化管の壁に取り付けられた図17dの医療器具の平面断面図である。
【図18】図18は、使用中の本発明による更に別の医療器具の等角図である。
【図19】図19は、使用中の本発明による更に別の医療器具の等角図である。
【図20】図20は、使用中の本発明による更に別の医療器具の等角図である。
【図21】図21は、使用中の本発明による更に別の医療器具の等角図である。
【図22】図22は、医療器具の図18に対応する平面図である。
【図23】図23は、医療器具の図19に対応する平面図である。
【図24】図24は、医療器具の図20に対応する平面図である。
【図25】図25は、医療器具の図21に対応する平面図である。
【図26】図26は、本発明による医療器具の側方断面図である。
【図27】図27は、図26の器具の支持部材の等角図である。
【図28】図28は、図27の支持部材の側面図である。
【図29】図29は、図28の支持部材の一部分の拡大側面図である。
【図30】図30は、図27の支持部材の平面図である。
【図31】図31は、図26の器具の材料の概略図である。
【図32】図32は、図31材料の拡大概略図である。
【図32a】図32aは、図31の材料の写真である。
【図33】図33は、本発明による別の医療器具の材料の図31及び32に類似している図である。
【図34】図34は、本発明による別の医療器具の材料の図31及び32に類似している図である。
【図35】図35は、本発明による給送装置の給送カテーテルの等角図である。
【図36】図36は、図35の給送カテーテル及び図26の器具の部分破断等角図である。
【図37】図37は、図36の装置の等角図である。
【図38】図38は、図37の器具の端面図である。
【図39】図39は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図40】図40は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図41】図41は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図42】図42は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図43】図43は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図44】図44は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図45】図45は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図46】図46は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図47】図47は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図48】図48は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図49】図49は、使用中の図35の給送カテーテル及び図26の器具の等角図である。
【図50】図50は、使用中の図26の器具の側方断面図である。
【図51】図51は、使用中の図26の器具の側方断面図である。
【図52】図52は、使用中の図26の器具の側方断面図である。
【図53】図53は、使用中の図26の器具の側方断面図である。
【図54】図54は、使用中の図26の器具の側方断面図である。
【図55】図55は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図56】図56は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図57】図57は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図58】図58は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図59】図59は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図60】図60は、使用中の図26の器具の更に別の側方断面図である。
【図61】図61は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図62】図62は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図63】図63は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図64】図64は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図65】図65は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図66】図66は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図67】図67は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図68】図68は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図69】図69は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図70】図70は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図71】図71は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図72】図72は、本発明による他の医療器具の側方断面図である。
【図73】図73は、図72の器具の一部分の拡大側方断面図である。
【図74】図74は、図72の器具の平面図である。
【図75】図75は、本発明による別の医療器具の等角図である。
【図76】図76は、図75の器具の側面図である。
【図77】図77は、図76における線A−Aに沿った図である。
【図78】図78は、図75の器具の平面図である。
【図79】図79は、本発明による別の医療器具の図75に類似した図である。
【図80】図80は、本発明による別の医療器具の図76に類似した図である。
【図81】図81は、本発明による別の医療器具の図77に類似した図である。
【図82】図82は、本発明による別の医療器具の図78に類似した図である。
【図83】図83は、本発明による更に別の医療器具の図75に類似した図である。
【図84】図84は、本発明による更に別の医療器具の図76に類似した図である。
【図85】図85は、本発明による更に別の医療器具の図77に類似した図である。
【図86】図86は、本発明による更に別の医療器具の図78に類似した図である。
【図87】図87は、本発明による別の医療器具の図75に類似した図である。
【図88】図88は、本発明による別の医療器具の図76に類似した図である。
【図89】図89は、本発明による別の医療器具の図77に類似した図である。
【図90】図90は、本発明による別の医療器具の図78に類似した図である。
【図91】図91は、本発明による別の医療器具の図75に類似した図である。
【図92】図92は、本発明による別の医療器具の図76に類似した図である。
【図93】図93は、本発明による別の医療器具の図77に類似した図である。
【図94】図94は、本発明による別の医療器具の図78に類似した図である。
【図95】図95は、本発明による更に別の医療器具の図75に類似した図である。
【図96】図96は、本発明による更に別の医療器具の図76に類似した図である。
【図97】図97は、本発明による更に別の医療器具の図77に類似した図である。
【図98】図98は、本発明による更に別の医療器具の図78に類似した図である。
【図99】図99は、本発明による別の医療器具の支持部材の図27に類似した図である。
【図100】図100は、本発明による別の医療器具の支持部材の図28に類似した図である。
【図101】図101は、本発明による別の医療器具の支持部材の図29に類似した図である。
【図102】図102は、図100の支持部材の一部分の拡大断面図である。
【図103】図103は、本発明による別の医療器具の支持部材の図30に類似した図である。
【図104】図104は、本発明による更に別の医療器具の支持部材の図99に類似した図である。
【図105】図105は、本発明による更に別の医療器具の支持部材の図100に類似した図である。
【図106】図106は、本発明による更に別の医療器具の支持部材の図101に類似した図である。
【図107】図107は、本発明による更に別の医療器具の支持部材の図102に類似した図である。
【図108】図108は、図104の支持部材の別の側面図である。
【図109】図109は、図108の支持部材の一部分の拡大側面図である。
【図110】図110は、本発明による更に別の医療器具の支持部材の図103に類似した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃から食道への逆流を治療するのに適した医療器具であり、弁部材を備え、
当該弁部材は、
食道と胃との間の物質の通過を補助する開口形体と、閉塞形体との間を動くことができ、
前記弁部材は、所定の期間に亘って、前記開放形体から閉塞形体へと徐々に動く構造とされている、医療器具。
【請求項2】
請求項1に記載の医療器具であり、
前記開放形体において、前記弁部材は、食道から胃への物質の通過を補助する構造されていることを特徴とする医療器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療器具であり、
前記開放形体において、前記弁部材は、胃から食道への物質の通過を補助する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記閉塞形体へ向けて付勢されていることを特徴とする医療器具。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具内を物質が通過したときに、前記弁部材が、前記閉塞形体から開放形体へと動かされる構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記所定の期間が1秒以上であることを特徴とする医療器具。
【請求項7】
請求項6に記載の医療器具であり、
前記所定の期間が少なくとも4秒であることを特徴とする医療器具。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記所定の期間が20秒より短いことを特徴とする医療器具。
【請求項9】
請求項8に記載の医療器具であり、
前記所定の期間が10秒以下であることを特徴とする医療器具。
【請求項10】
請求項9に記載の医療器具であり、
前記所定の期間が4〜10秒であることを特徴とする医療器具。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材が粘弾性材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材が発泡材であることを特徴とする医療器具。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材がポリウレタン材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材が1以上の弁膜を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項15】
請求項14に記載の医療器具であり、
前記弁膜がほぼ径方向内方へ延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の医療器具であり、
前記弁膜が収縮形体と拡張形体との間を動くことができることを特徴とする医療器具。
【請求項17】
請求項16に記載の医療器具であり、
前記弁部材が開放形体にあるときに、前記弁膜が収縮形体にあることを特徴とする医療器具。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の医療器具であり、
前記弁部材が閉塞形体にあるときに、前記弁膜が拡張形体にあることを特徴とする医療器具。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材が当該器具の末端の基端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項20】
請求項1乃至19のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記弁部材が当該器具の基端の末端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項21】
請求項1乃至20のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該器具は、当該器具を食道及び/又は胃に対して支持するための少なくとも1つの支持部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項22】
請求項21に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記弁部材の末端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記弁部材の基端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項24】
請求項21乃至23のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記弁部材に対して同軸状に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項25】
請求項24に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記弁部材の周囲に同軸状に延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項26】
請求項21乃至25のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該器具は、末端の支持部材と基端の支持部材とを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項27】
請求項26に記載の医療器具であり、
前記基端の支持部材が前記末端の支持部材よりも大きいことを特徴とする医療器具。
【請求項28】
請求項27に記載の医療器具であり、
前記基端の支持部材の径方向寸法が前記末端の支持部材の径方向寸法よりも大きいことを特徴とする医療器具。
【請求項29】
請求項26に記載の医療器具であり、
前記基端の支持部材が前記末端の支持部材とほぼ等しい大きさであることを特徴とする医療器具。
【請求項30】
請求項21乃至29のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材にテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項31】
請求項30に記載の医療器具であり、
前記支持部材が末端に向かって径方向内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項32】
請求項30に記載の医療器具であり、
前記支持部材が末端方向に向かって外方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項33】
請求項21乃至29のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材の径方向寸法が前記支持部材に沿ってほぼ一定であることを特徴とする医療器具。
【請求項34】
請求項21乃至33のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が2以上の支持部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項35】
請求項34に記載の医療器具であり、
第一の支持部材が第二の支持部材に結合されていることを特徴とする医療器具。
【請求項36】
請求項35に記載の医療器具であり、
前記第二の支持部材に対する前記第一の支持部材の結合領域が関節領域を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項37】
請求項35又は36に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、第一の結合領域と第二の結合領域との中間に少なくとも1つの関節領域を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項38】
請求項34乃至37のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が波形状に周方向に延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項39】
請求項34乃至38のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材がジグザグパターンで周方向に延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項40】
請求項21乃至39のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が形状記憶材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項41】
請求項40に記載の医療器具であり、
前記支持部材がニチノールからなることを特徴とする医療器具。
【請求項42】
請求項21乃至41のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材がステントからなることを特徴とする医療器具。
【請求項43】
請求項21乃至42のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材は、食道及び/又は胃の壁と係合可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項44】
請求項43に記載の医療器具であり、
前記支持部材が食道及び/又は胃の壁内へと延びることができることを特徴とする医療器具。
【請求項45】
請求項44に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、当該器具を食道及び/又は胃の壁に固定するための少なくとも1つのアンカー部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項46】
請求項45に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が尖った先端を含んでいることを特徴とする医療器具。
【請求項47】
請求項45又は46に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が少なくとも部分的にほぼ切頭円錐形状とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項48】
請求項45乃至47のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が少なくとも部分的にほぼ弾丸形状であることを特徴とする医療器具。
【請求項49】
請求項21乃至48のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が少なくとも1つの支持リングを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項50】
請求項40に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、当該器具に沿って隔置された複数の支持リングを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項51】
請求項50に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、当該器具の第一の端部に設けられた第一の支持リングと、当該器具の第二の端部に設けられた第二の支持リングとを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項52】
請求項21乃至51のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記ライニング装置を食道及び/又は胃の内面に取り付けるための構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項53】
請求項52に記載の医療器具であり、
前記支持部材が接着剤を含んでいることを特徴とする医療器具。
【請求項54】
請求項1乃至53のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該器具が、食道及び/又は胃の内面の一部分を被覆するためのライニング部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項55】
請求項54に記載の医療器具であり、
前記ライニング部材が前記弁部材の径方向外方に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項56】
請求項54又は55に記載の医療器具であり、
前記ライニング部材が前記弁部材と一体に形成されていることを特徴とする医療器具。
【請求項57】
請求項54乃至56のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記ライニング部材が前記弁部材の末端側へ延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項58】
請求項54乃至57のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記ライニング部材が前記支持部材の径方向外方に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項59】
請求項54乃至58のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記ライニング部材の基端側に延びていることを特徴とする医療器具。
【請求項60】
請求項54乃至59のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記ライニング部材の外部に設けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項61】
請求項54乃至59のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記ライニング部材の内面に係合可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項62】
請求項54乃至59のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記ライニング部材内に少なくとも部分的に埋設されていることを特徴とする医療器具。
【請求項63】
請求項54乃至59のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記ライニング部材内を伸長していることを特徴とする医療器具。
【請求項64】
請求項1乃至63のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
食道内に少なくとも部分的に配置される構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項65】
請求項1乃至64のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
胃内に少なくとも部分的に配置される構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項66】
請求項1乃至65のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
食道及び/又は胃の内面の一部分の全周を被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項67】
請求項66に記載の医療器具であり、
ほぼ管状であることを特徴とする医療器具。
【請求項68】
請求項67に記載の医療器具であり、
当該医療器具が貫通内腔を規定していることを特徴とする医療器具。
【請求項69】
請求項68に記載の医療器具であり、
当該医療器具の少なくとも一部分が、前記内腔が開いている開放状態と、内腔が閉塞されている密封形体との間を可動であることを特徴とする医療器具。
【請求項70】
請求項69に記載の医療器具であり、
前記開放形体と前記密封形体との間を旋回可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項71】
請求項69又は70に記載の医療器具であり、
前記開放形体から密封形体へと拡張可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項72】
請求項1乃至71のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の外面の径方向寸法が当該医療器具に沿ってほぼ一定であることを特徴とする医療器具。
【請求項73】
請求項1乃至71のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の外面の径方向寸法が当該医療器具に沿って変化していることを特徴とする医療器具。
【請求項74】
請求項73に記載の医療器具であり、
当該医療器具の外面が、当該医療器具の端部から中心に向かってテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項75】
請求項74に記載の医療器具であり、
当該医療器具の外面が、当該医療器具の各端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項76】
請求項1乃至75のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の内面の径方向寸法が当該医療器具に沿って変化していることを特徴とする医療器具。
【請求項77】
請求項76に記載の医療器具であり、
当該医療器具の端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項78】
請求項77に記載の医療器具であり、
当該医療器具の内面が、当該医療器具の各端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項79】
請求項1乃至77のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
スリーブを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項80】
請求項1乃至65のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
食道及び/又は胃の内面の一部分の周縁の一部分のみを被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項81】
請求項80に記載の医療器具であり、
パッチ及び/又は人工器官を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項82】
請求項1乃至81のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
食道及び/又は胃の内面に薬剤を給送する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項83】
請求項82に記載の医療器具であり、
前記ライニング部材が薬剤を給送する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項84】
請求項1乃至83のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具を配備位置に給送するための給送形体と、前記配備位置において配備するための配備形体とを有することを特徴とする医療器具。
【請求項85】
請求項84に記載の医療器具であり、
給送形体において収縮せしめられることを特徴とする医療器具。
【請求項86】
請求項84又は85に記載の医療器具であり、
前記配備形体において拡張せしめられることを特徴とする医療器具。
【請求項87】
請求項1乃至86のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
第一の配備形体と第二の配備形体との間を動くことができることを特徴とする医療器具。
【請求項88】
請求項87に記載の医療器具であり、
前記第一の配備形体から前記第二の配備形体まで拡張可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項89】
請求項87又は88に記載の医療器具であり、
前記第二の配備形体から前記第一の配備形体へと収縮可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項90】
請求項87乃至89のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記第二の配備形体に向かって付勢されていることを特徴とする医療器具。
【請求項91】
請求項87乃至90のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
所定の期間に亘って前記第一の配備形体から前記第二の配備形体へと動く構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項92】
請求項87乃至91のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記第一の配備形体においては、下部食道括約筋が閉じられた状態で食道を密封する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項93】
請求項87乃至92のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記第二の配備形体においては、食道を密封して一時的な下部食道括約筋の弛緩を受けさせるような構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項94】
請求項1乃至93のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
少なくとも部分的にポリマー材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項95】
請求項1乃至94のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
少なくとも部分的に粘弾性発泡材からなることを特徴とする医療器具。
【請求項96】
請求項1乃至95のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の少なくとも一部分が生体吸収性であることを特徴とする医療器具。
【請求項97】
請求項1乃至96のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の少なくとも一部分が生分解性であることを特徴とする医療器具。
【請求項98】
請求項1乃至7のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具が食道の内面の一部分を被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項99】
請求項1乃至97のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具が胃の内面の一部分を被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項100】
請求項1乃至97のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具が結腸の内面の一部分を被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項101】
添付図面を参照して上記した胃から食道への逆流を治療するのに適した医療器具。
【請求項102】
治療薬を消化管へ給送するのに適した医療器具であり、
治療薬給送部材を備え、
前記給送部材が少なくとも1つの穴を備え、
前記給送部材が治療薬を貯蔵するための貯蔵空間を形成している、ことを特徴とする医療器具。
【請求項103】
請求項102に記載の医療器具であり、
前記給送部材が消化管内で当該消化管の内面と直に接触している状態で配置される構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項104】
請求項103又は104に記載の医療器具であり、
前記給送部材が単一層部材であることを特徴とする医療器具。
【請求項105】
請求項102乃至104のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が粘弾性材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項106】
請求項102乃至105のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が発泡材からなることを特徴とする医療器具。
【請求項107】
請求項102乃至106のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材がポリウレタン材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項108】
請求項102乃至107のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が気泡材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項109】
請求項108に記載の医療器具であり、
気泡の少なくとも1つの直径が0.5μm〜1000μmの範囲内にあることを特徴とする医療器具。
【請求項110】
請求項109に記載の医療器具であり、
前記気泡の少なくとも1つの直径が100μm〜500μmの範囲内にあることを特徴とする医療器具。
【請求項111】
請求項108乃至110のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記貯蔵空間が気泡の支柱部内に配置されていることを特徴とする医療器具。
【請求項112】
請求項111に記載の医療器具であり、
前記支柱部の幅が1μm〜200μmの範囲内であることを特徴とする医療器具。
【請求項113】
請求項112に記載の医療器具であり、
前記支柱部の幅が1μm〜10μmの範囲内であることを特徴とする医療器具。
【請求項114】
請求項102乃至113のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材の材料の密度が10kg/m〜400kg/mの範囲内であることを特徴とする医療器具。
【請求項115】
請求項114に記載の医療器具であり、
前記給送部材の材料の密度が50kg/m〜150kg/mの範囲内であることを特徴とする医療器具。
【請求項116】
請求項102乃至115のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材を消化管に対して支持する少なくとも1つの支持部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項117】
請求項116に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記給送部材を消化管の内面に取り付ける構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項118】
請求項117に記載の医療器具であり、
前記支持部材が接着剤を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項119】
請求項116乃至118のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材は、消化管の内面の一部分を被覆している給送部材を支持する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項120】
請求項116乃至119のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記給送部材の外部に設けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項121】
請求項116乃至119のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記給送部材の内面に係合可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項122】
請求項116乃至119のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材内に少なくとも部分的に埋設されていることを特徴とする医療器具。
【請求項123】
請求項116乃至119のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記給送部材内を伸長していることを特徴とする医療器具。
【請求項124】
請求項119乃至123のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が消化管の壁と係合可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項125】
請求項124に記載の医療器具であり、
前記支持部材が消化管の壁内へ伸長可能であることを特徴とする医療器具。
【請求項126】
請求項125に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記給送部材を消化管の壁に固定するための少なくとも1つのアンカー部材を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項127】
請求項126に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が尖った先端を有していることを特徴とする医療器具。
【請求項128】
請求項126又は127に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が少なくとも部分的に切頭円錐形状とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項129】
請求項126乃至128のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記アンカー部材が少なくとも部分的にほぼ弾丸形状とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項130】
請求項119乃至129のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記支持部材が少なくとも1つの支持リングを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項131】
請求項130に記載の医療器具であり、
前記支持部材が前記給送部材に沿って隔置された複数の支持リングを備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項132】
請求項131に記載の医療器具であり、
前記支持部材が、前記給送部材の第一の端部に設けられた第一の支持リングと、前記給送部材の第二の端部に設けられた第二の支持リングと、を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項133】
請求項102乃至132のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が、消化管の内面の一部分の全周に亘って被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項134】
請求項133に記載の医療器具であり、
前記給送部材がほぼ管状であることを特徴とする医療器具。
【請求項135】
請求項134に記載の医療器具であり、
前記給送部材がその中に貫通内腔を規定していることを特徴とする医療器具。
【請求項136】
請求項102乃至135のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材の外面の径方向寸法は、前記給送部材に沿ってほぼ一定であることを特徴とする医療器具。
【請求項137】
請求項102乃至135のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材の外面の径方向寸法が当該給送部材に沿って変化していることを特徴とする医療器具。
【請求項138】
請求項137に記載の医療器具であり、
前記給送部材の外面が前記給送部材の端部から前記給送部材の中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項139】
請求項138に記載の医療器具であり、
前記給送部材の外面が、前記給送部材の各端部から中心に向かってテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項140】
請求項102乃至139のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材の内面の径方向寸法が前記給送部材に沿って変化していることを特徴とする医療器具。
【請求項141】
請求項140に記載の医療器具であり、
前記給送部材の内面が、当該給送部材の一つの端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項142】
請求項141に記載の医療器具であり、
前記給送部材の内面が、当該給送部材の各端部から中心に向かって内方へテーパーが付けられていることを特徴とする医療器具。
【請求項143】
請求項133乃至142のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材がスリーブからなることを特徴とする医療器具。
【請求項144】
請求項102乃至132のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が、消化管の内面の一部分の周の一部分のみを被覆する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項145】
請求項144に記載の医療器具であり、
前記給送部材がパッチ及び/又は人工器官を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項146】
請求項102乃至145のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具を介して配備位置へ給送するための給送形体と、配備位置に配備するための配備形体と、を有していることを特徴とする医療器具。
【請求項147】
請求項146に記載の医療器具であり、
前記給送形体においては収縮せしめられることを特徴とする医療器具。
【請求項148】
請求項146又は147に記載の医療器具であり、
前記配備形体においては拡張せしめられることを特徴とする医療器具。
【請求項149】
請求項102乃至148のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
前記給送部材が少なくとも部分的にポリマー材料からなることを特徴とする医療器具。
【請求項150】
請求項102乃至149のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の少なくとも一部分が生体吸収性であることを特徴とする医療器具。
【請求項151】
請求項102乃至150のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
当該医療器具の少なくとも一部分が生分解性であることを特徴とする医療器具。
【請求項152】
請求項102乃至151のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
治療薬を結腸へと給送する構造とされていることを特徴とする医療器具。
【請求項153】
請求項102乃至152のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
治療薬を消化管の内面へ給送するための医療器具。
【請求項154】
請求項102乃至151のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
治療薬を食道へ給送するための医療器具。
【請求項155】
請求項102乃至151のうちのいずれか一の項に記載の医療器具であり、
治療薬を胃へ給送するための医療器具。
【請求項156】
添付図面を参照して記載された治療薬を消化管に給送するのに適した医療器具。
【請求項157】
医療器具を消化管内の治療位置へ給送する方法であり、
医療器具を準備するステップと、
給送カテーテルを準備するステップと、
前記医療器具を、少なくとも部分的に前記給送カテーテル内に配置するステップと、
前記給送カテーテルを消化管内を進入させるステップと、
消化管内の治療位置において前記給送カテーテルから前記医療器具を配備するステップと、を含む方法。
【請求項158】
請求項159に記載の方法であり、
前記医療器具を少なくとも部分的に前記給送カテーテル内に配置する前に、前記医療器具の少なくとも一部分を圧潰させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項159】
請求項158に記載の方法であり、
前記医療器具が圧潰されて折り畳み形体とされることを特徴とする方法。
【請求項160】
請求項157乃至159のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記医療器具が、当該医療器具を少なくとも部分的に前記給送カテーテル内へと引き抜くことによって前記給送カテーテル内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項161】
請求項157乃至159のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記医療器具が、前記給送カテーテルの少なくとも一部分を前記医療器具に対して進入させることによって、前記給送カテーテル内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項162】
請求項157乃至161のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
医療ガイドワイヤを準備するステップと、
前記医療ガイドワイヤを消化管内を進入させるステップと、を含む方法。
【請求項163】
請求項162に記載の方法であり、
前記給送カテーテルが前記医療ガイドワイヤの外周に沿って進入せしめられることを特徴とする方法。
【請求項164】
請求項157乃至163のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記医療器具が、前記給送カテーテルの少なくとも一部分を、前記医療器具に対して後退させることによって配備されることを特徴とする方法。
【請求項165】
請求項157乃至163のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記医療器具が、前記給送カテーテルの少なくとも一部分を、前記医療器具に対して進入させることによって配備されることを特徴とする方法。
【請求項166】
請求項157乃至165のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記医療器具が、前記給送カテーテルから配備させた後に拡張せしめられることを特徴とする方法。
【請求項167】
請求項166に記載の方法であり、
前記医療器具が、前記給送カテーテルから配備されたときに自己拡張することを特徴とする方法。
【請求項168】
請求項157乃至167のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
配備補助部材を準備するステップと、
当該配備補助部材を、前記医療器具と前記給送カテーテルとの間に配置するステップと、を含む方法。
【請求項169】
請求項168に記載の方法であり、
前記配備補助部材を前記治療位置において前記給送カテーテルから配備するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項170】
請求項169に記載の方法であり、
前記配備補助部材が、前記医療器具が配備されたときに配備されることを特徴とする方法。
【請求項171】
請求項169に記載の方法であり、
前記医療器具を前記給送カテーテルから配備させた後に、前記医療器具を少なくとも部分的に前記給送カテーテル内に配置するステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項172】
請求項171に記載の方法であり、
前記給送カテーテルを消化管内を移動させるステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項173】
請求項172に記載の方法であり、
前記医療器具を、消化管内の第二の治療位置において前記給送カテーテルから配備するステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項174】
請求項157乃至173のうちのいずれか一の項に記載の方法であり、
前記給送カテーテルを消化管から引き抜くステップを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項175】
請求項157乃至174のうちのいずれか一の項に記載の医療器具を食道内の治療位置へと給送する方法。
【請求項176】
請求項157乃至174のうちのいずれか一の項に記載の医療器具を胃内の治療位置へと給送する方法。
【請求項177】
添付図面を参照して上記した消化管内の治療位置へ医療器具を給送する方法。
【請求項178】
医療器具を、消化管内の治療位置へ給送するための給送装置であり、
給送カテーテルを備え、
当該給送カテーテルは、医療器具を少なくとも部分的に配置することができる収容空間を有している給送装置。
【請求項179】
請求項178に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが、医療器具を消化管を介して治療位置へ給送するための給送形体と、前記医療器具を治療位置に配備するための配備形体と、を有していることを特徴とする給送装置。
【請求項180】
請求項178又は179に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが、前記医療器具の配備のために当該医療器具が通過できる収容空間からの出口を備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項181】
請求項180に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが前記出口に隣接して肩部を備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項182】
請求項181に記載の給送装置であり、
前記肩部が径方向外方へ向かって延びていることを特徴とする給送装置。
【請求項183】
請求項181又は182に記載の給送装置であり、
前記肩部が前記給送カテーテルの周縁に沿って延びていることを特徴とする給送装置。
【請求項184】
請求項181乃至183のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記医療器具を前記給送カテーテルから配備するために、線給送カテーテルの少なくとも一部分が医療器具に対して後退可能であることを特徴とする給送装置。
【請求項185】
請求項184に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルの一部分がシースを備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項186】
請求項178乃至183のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記医療器具を前記給送カテーテルから配備するために、当該給送カテーテルの少なくとも一部分が医療器具に対して前進可能であることを特徴とする給送装置。
【請求項187】
請求項186に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルの一部分が押し込み部材を備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項188】
請求項178乃至183のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが、医療器具を前記収容空間から配備するために、給送形体と配備形体との間を動くことができるイジェクタを備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項189】
請求項179乃至183のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが拡張可能な部分を含んでいることを特徴とする給送装置。
【請求項190】
請求項189に記載の給送装置であり、
前記拡張可能な部分を覆うように医療器具を取り付けることができることを特徴とする給送装置。
【請求項191】
請求項189乃至190のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記拡張可能な部分が前記給送形体へと収縮可能であることを特徴とする給送装置。
【請求項192】
請求項189乃至191のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記拡張可能な部分が前記配備形体へと拡張可能であることを特徴とする給送装置。
【請求項193】
請求項179乃至183のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルがカバー部材を備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項194】
請求項193に記載の給送装置であり、
前記給送形体において、前記カバー部材が、前記医療器具を覆うように医療器具の外周に沿って延びていることを特徴とする給送装置。
【請求項195】
請求項194に記載の給送装置であり、
前記給送形体において、前記カバー部材が医療器具を拘束していることを特徴とする給送装置。
【請求項196】
請求項193乃至195のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記配備形体において、前記カバー部材が後退せしめられて医療器具からカバーが外されることを特徴とする給送装置。
【請求項197】
請求項179乃至196のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
医療器具と給送カテーテルとの間の位置に、配備補助部材を備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項198】
請求項197に記載の給送装置であり、
前記配備補助部材が医療器具に結合されていることを特徴とする給送装置。
【請求項199】
請求項197乃至198のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記配備補助部材が、低摩擦係数の材料からなることを特徴とする給送装置。
【請求項200】
請求項197乃至199のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記配備補助部材がほぼ管状であることを特徴とする給送装置。
【請求項201】
請求項197乃至200のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記配備補助部材がスリーブを備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項202】
請求項197乃至201のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
前記配備補助部材が生分解性材料からなることを特徴とする給送装置。
【請求項203】
請求項179乃至202のうちのいずれか一の項に記載の給送装置であり、
医療ガイドワイヤを備えていることを特徴とする給送装置。
【請求項204】
請求項203に記載の給送装置であり、
前記給送カテーテルが前記医療ガイドワイヤの外周に沿って前進可能であることを特徴とする給送装置。
【請求項205】
請求項179乃至204のうちのいずれか一の項に記載の医療器具を食道内の治療位置へ給送するための給送装置。
【請求項206】
請求項179乃至204のうちのいずれか一の項に記載の医療器具を胃内の治療位置へ給送するための給送装置。
【請求項207】
添付図面を参照して上記した消化管内の治療位置へ医療器具を給送するための給送装置。
【請求項208】
医療器具と、
当該医療器具を、請求項179〜207のうちのいずれか一の項に記載の消化管内の治療位置へ給送するための給送装置と、
を備えたキット。
【請求項209】
請求項208に記載のキットであり、
前記医療器具が、圧潰形体と拡張形体との間を動くことができることを特徴とするキット。
【請求項210】
請求項209に記載のキットであり、
前記医療器具が、前記圧潰形体へと折り畳まれることを特徴とするキット。
【請求項211】
請求項209又は210に記載のキットであり、
前記医療器具が前記拡張形体に向かって付勢されていることを特徴とするキット。
【請求項212】
請求項208乃至211のうちのいずれか一の項に記載のキットであり、
前記医療器具が、請求項1乃至156のうちのいずれか一の項に記載の医療器具からなることを特徴とするキット。
【請求項213】
添付図面を参照して上記したキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図10a】
image rotate

【図10b】
image rotate

【図10c】
image rotate

【図10d】
image rotate

【図10e】
image rotate

【図10f】
image rotate

【図10g】
image rotate

【図10h】
image rotate

【図10i】
image rotate

【図10j】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図17a】
image rotate

【図17b】
image rotate

【図17d】
image rotate

【図17e】
image rotate

【図17f】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図32a】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate

【図64】
image rotate

【図65】
image rotate

【図66】
image rotate

【図67】
image rotate

【図68】
image rotate

【図69】
image rotate

【図70】
image rotate

【図71】
image rotate

【図72】
image rotate

【図73】
image rotate

【図74】
image rotate

【図75】
image rotate

【図76】
image rotate

【図77】
image rotate

【図78】
image rotate

【図79】
image rotate

【図80】
image rotate

【図81】
image rotate

【図82】
image rotate

【図83】
image rotate

【図84】
image rotate

【図85】
image rotate

【図86】
image rotate

【図87】
image rotate

【図88】
image rotate

【図89】
image rotate

【図90】
image rotate

【図91】
image rotate

【図92】
image rotate

【図93】
image rotate

【図94】
image rotate

【図95】
image rotate

【図96】
image rotate

【図97】
image rotate

【図98】
image rotate

【図99】
image rotate

【図100】
image rotate

【図101】
image rotate

【図102】
image rotate

【図103】
image rotate

【図104】
image rotate

【図105】
image rotate

【図106】
image rotate

【図107】
image rotate

【図108】
image rotate

【図109】
image rotate

【図110】
image rotate


【公表番号】特表2009−520559(P2009−520559A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546830(P2008−546830)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/IE2006/000145
【国際公開番号】WO2007/072469
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508188503)ヴィセラ・バイオメディカル・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】